JP5735252B2 - 発電システムに用いるガス混合装置 - Google Patents
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Description
一方、副燃料ガス中の不燃成分の減少により、混合燃料ガス中の不燃成分が減少したときには、排気ガスの排気量が減少して、排気ガス中の酸素濃度が高くなる。そのため、酸素濃度一定制御を行う場合には、排気ガス中の酸素濃度を低くするために、燃焼用空気の供給量を減少させることになり(特許文献1においては主燃料ガスのバルブの開度を増加させることになり)、ガスエンジンにおける燃焼温度が上昇して、NOxの発生量が増加する要因となる。
上記発電システムは、上記発電機の発電出力を測定する電力計と、空気配管から吸い込まれた燃焼用空気と燃料配管に供給された上記混合燃料ガスとを混合させて混合気を作り出す混合気供給配管と、該混合気供給配管に配設して、上記ガスエンジンへ供給する上記混合気の流量を調整するためのスロットルバルブと、該スロットルバルブの開度を調整して上記発電機の発電出力を所定の目標発電出力に制御するメインコントローラとを備えており、
上記ガス混合装置は、上記燃料配管に供給する上記混合燃料ガスの流量を調整するための混合ガス制御弁と、上記ガスエンジンの排気管における排気圧力を測定する圧力計と、上記排気管における排気温度を測定する温度計と、上記混合ガス制御弁の開度を調整して上記燃焼用空気に対する上記混合燃料ガスの混合比率を制御するガス混合コントローラとを備えており、
該ガス混合コントローラには、発電出力Wと排気抵抗Rとの関係が関係マップとして予め設定してあり、
該関係マップは、発熱量の変動がほとんどない燃料ガスを発電システムに供給し、所定の発電出力Wごとに、実測する排気ガス中のNOx濃度が目標とするNOx濃度となる混合燃料ガスと燃焼用空気との混合比率を設定するときに、上記電力計、上記圧力計及び上記温度計によって発電出力W、排気圧力P及び排気温度Tをそれぞれ実際に測定すると共に、上記排気管の煙突高さ及び上記排気温度Tを用いて煙突効果Zを算出し、排気圧力Pと煙突効果Zとの和である排気抵抗Rを求めた後、発電出力Wと排気抵抗Rとの関係として作成されており、
上記ガス混合コントローラは、上記電力計によって測定した発電出力W、上記圧力計によって測定した排気圧力P、及び上記温度計によって測定した排気温度Tを読み込む読込手段と、
該読込手段によって読み込んだ上記発電出力Wを出力するときの目標排気抵抗Rrを上記関係マップより求めると共に、上記排気管の煙突高さ及び上記読込手段によって読み込んだ上記排気温度Tを用いて煙突効果Zを求め、かつ該煙突効果Zを上記読込手段によって読み込んだ上記排気圧力Pに加算して排気抵抗Rを求める算出手段と、
該算出手段によって求めた上記排気抵抗Rが上記目標排気抵抗Rrになるよう上記混合ガス制御弁の開度を調整する調整手段とを備えていることを特徴とする発電システムに用いるガス混合装置にある(請求項1)。
本発明においては、発電機の発電出力と、排気ガスの排気量とが所定の相関関係にあることに着目し、所定の発電出力のときに、排気ガスの排気量とほぼ比例する排気管の排気抵抗が一定になるように混合ガス制御弁を制御して、燃焼用空気に対する混合燃料ガスの混合比率を変化させる。また、特に、ガスエンジンから排気される排気ガスの排熱を回収する際に、排気ガスの排熱を多く排熱回収装置等へ回収する場合と、排気ガスの排熱を少なく排熱回収装置等へ回収する場合とにおいては、排気ガスの温度が大きく異なる。ガス混合コントローラは、実際に測定される排気圧力が、排気ガスが排気管内を上昇するときに生ずる煙突効果によって低くなっていることを考慮し、この煙突効果による補正を行って混合ガス制御弁の制御を行う。
発電システムの運転を行う前には、発熱量の変動がほとんどない燃料ガス(主燃料ガス等を用いることができる。)を発電システムに供給し、所定の発電出力ごとに、実測する排気ガス中のNOx濃度が目標とするNOx濃度となる混合燃料ガスと燃焼用空気との混合比率を設定する。この各混合比率を設定するときに、発電出力W、排気圧力P及び排気温度Tを実際に測定すると共に煙突効果Zを算出し、排気圧力Pと煙突効果Zとの和である排気抵抗Rを求める。こうして、発電出力Wと排気抵抗Rとの関係マップを作成し、この関係マップをガス混合コントローラに設定しておく。
ガス混合コントローラは、読込手段によって、発電出力W、排気圧力P及び排気温度Tを読み込む。このとき、これらの値は、所定の時間間隔で複数回読み込むことができる。ガス混合コントローラは、算出手段によって、測定した発電出力Wを出力するときの目標排気抵抗Rrを関係マップより求めると共に、排気管の煙突高さ及び測定した排気温度Tを用いて煙突効果Zを求める。
ここで、副燃料ガスの発熱量が低下したときには、発電機の発電出力Wが低下することになり、この発電出力Wの低下を補うためにスロットルバルブの開度が大きくなり、その結果、排気管における排気圧力Pが高くなっていると考えられる。スロットルバルブの開度が大きくなるときには、ガスエンジンへの混合燃料ガスの供給量が増加すると共に燃焼用空気の供給量も増加している。
これにより、副燃料ガスの発熱量が低下し、燃焼用空気に対する混合燃料ガスの混合比率が低く、ガスリーン状態(混合燃料ガスの希薄状態)にあるガスエンジンの燃焼状態を最適な燃焼状態に戻すことができる。そのため、ガスリーン状態を回避し、ガスエンジンに失火が生ずることを防止することができる。
これにより、副燃料ガスの発熱量が上昇し、燃焼用空気に対する混合燃料ガスの混合比率が高く、ガスリッチ状態(混合燃料ガスの濃厚状態)にあるガスエンジンの燃焼状態を最適な燃焼状態に戻すことができる。そのため、ガスリッチ状態を回避し、ガスエンジンの排気ガス中のNOx濃度の増加を防止することができる。
これに対し、本発明においては、煙突効果Zを考慮して排気抵抗Rを求めている。そのため、排気抵抗Rを正確に算出することができ、ガス混合コントローラの調整手段によって混合ガス制御弁を制御する精度を向上させることができる。これにより、混合燃料ガスと燃焼用空気との混合比率を適切に制御することができ、排気ガスの排熱を多く回収する場合とほとんど回収しない場合とのいずれにおいても、失火の発生及びNOx濃度の増加を防止して、ガスエンジンの安定燃焼を行うことができる。
本発明において、上記読込手段は、上記発電出力W、上記排気圧力P、及び上記排気温度Tを所定の時間間隔で逐次読み込むよう構成されており、上記調整手段は、上記排気抵抗Rが、上記目標排気抵抗Rrに所定の不感帯圧力幅Xを加算した値よりも大きいときには、上記混合ガス制御弁の開度を所定量大きくし、一方、上記排気抵抗Rが、上記目標排気抵抗Rrから所定の不感帯圧力幅Xを減算した値よりも小さいときには、上記混合ガス制御弁の開度を所定量小さくするよう構成することが好ましい(請求項2)。
この場合には、発電出力Wの平均値Wav、排気温度Tの平均値Tav、排気圧力Pの平均値Pavを用いることにより、排気抵抗Rの算出精度を高めることができる。また、調整手段は、混合ガス制御弁の制御を容易に行うことができる。
この場合には、排気温度Tによって、排気ガスの密度、体積が変化することを考慮して、排気抵抗Rを補正して換算排気抵抗として用いる。これにより、排気抵抗Rを、排気温度Tの変動を考慮して、より正確に算出することができる。
排気ガスの排熱回収量が大きく変動する場合でも、ガス混合装置において煙突効果Zを考慮して排気抵抗Rを求めていることにより、ガスエンジンの安定燃焼を行うことができる。
本例の発電システム1に用いるガス混合装置6は、図1に示すごとく、ガスエンジン2の運転を行って発電機3を作動させるよう構成した発電システム1に対して装備し、発電システム1へ都市ガス(13A)等の主燃料ガスF1とバイオガス等の副燃料ガスF2とを混合させた混合燃料ガスF3を供給するよう構成してある。
発電システム1は、発電機3の発電出力Wを測定する電力計31と、空気配管41から吸い込まれた燃焼用空気Aと燃料配管42に供給された混合燃料ガスF3とを混合させて混合気Gを作り出す混合気供給配管43と、混合気供給配管43に配設して、ガスエンジン2へ供給する混合気Gの流量を調整するためのスロットルバルブ21と、スロットルバルブ21の開度を調整して発電機3の発電出力Wを所定の目標発電出力に制御するメインコントローラ5とを備えている。
ガス混合コントローラ8には、図2に示すごとく、電力計31によって測定される発電出力Wと、発電出力Wを出力するときに圧力計72によって測定される排気圧力Pに煙突効果Zを加算して求められる排気抵抗Rとの関係が関係マップMとして予め設定してある。
本例の発電システム1に用いるガス混合装置6は、主燃料ガスF1と副燃料ガスF2との混合燃料ガスF3を発電システム1に供給するものであり、副燃料ガスF2の発熱量の変動があったときに、混合燃料ガスF3の発熱量に応じた混合燃料ガスF3と燃焼用空気Aとの混合比率を適切にして、ガスエンジン2に失火が生じることを防止すると共に、ガスエンジン2の排気ガスH中におけるNOx濃度の増加を防止するものである。
排気管22が長くなるほどガスエンジン2の出口(排気管22の入口)に配設された圧力計72による排気圧力Pは高くなる。つまり、排気管22が長いほど排気抵抗Rは高くなる。一方、排気管22の高さ寸法が大きいときには、排気ガスHの排気温度Tが高いほど、排気ガスHが上昇する力(排気ガスHと、排気管22の出口における大気との温度の違いによる比重差から生じる力)としての煙突効果Zが大きく作用することになる。これにより、圧力計72によって測定する排気圧力Pは、煙突効果Zの分だけ低くなっている。
そこで、ガス混合コントローラ8においては、算出手段82によって排気抵抗Rを、排気圧力Pと煙突効果Zとの和によって求める。
図1に示すごとく、本例の発電システム1において、ガスエンジン2は、複数の気筒を有して構成されており、混合気供給配管43におけるスロットルバルブ21は、その開度を調整してガスエンジン2へ供給する混合気Gの流量を調整するよう構成されている。発電機3は、種々の負荷に対して電力を供給するよう構成されており、商用電源等と協調して動作することができる。
メインコントローラ5及びガス混合コントローラ8は、いずれもコンピュータを用いて構成されている。メインコントローラ5は、電力計31から発電出力Wのデータを受け取って、スロットルバルブ21の開度を調整して発電機3の発電出力Wを所定の目標発電出力に制御するよう構成することができる。なお、発電出力Wのデータの代わりに、発電機3に設けた回転速度計による回転速度のデータを用いることもできる。
本例の混合ガス制御弁71は、主燃料配管61と副燃料配管62とが合流した混合燃料配管63に設けてあり、ガス混合コントローラ8の指令を受けて、混合燃料ガスF3の流量を調整するよう構成されている。本例のガス混合装置6は、外気の温度を測定する外気温度計74を有している。関係マップMの作成時及び運転時において煙突効果Zを求める際には、外気の温度を用いて補正を行う。
この関係マップMは、目標とする所定のNOx濃度を実現する、所定の混合燃料ガスF3と燃焼用空気Aとの混合比率で燃焼を行う際における、発電機3の発電出力Wと排気管22における排気抵抗Rとの相関関係によって表される。
そして、電力計31によって発電機3の所定の発電出力Wが測定されたときには、この発電出力Wを出力する際の目標排気抵抗Rrを関係マップMから読み取ることができる。
排気管22の構造による煙突効果Zは、例えば、次の式によって求めることができる。すなわち、排気管22の煙突高さをH(m)、外気の温度をTG(℃)、排気管22内の排気ガスHの入口出口平均温度をTH(℃)としたとき、煙突効果Z(Pa)は、Z=H×9.8×{353/(273+TG)−342/(273+TH)}から求めることができる。そして、排気抵抗R(Pa)は、排気管22における排気圧力P(Pa)と煙突効果Zとの和(R=P+Z)から求めることができる。
ここで、入口出口平均温度THは、温度計73によって測定した排気管22の入口の排気温度(ガスエンジン2の出口の排気温度)Tと、排気管22の出口の排気温度との平均値として示される。排気管22の出口の排気温度は、排気管22の入口の排気温度に基づいて推定して求める。なお、排気管22の出口の排気温度は、測定することも可能である。
換算排気抵抗Rsは、基準排気ガスの温度をTs(℃)としたとき、Rs=R×(273+Ts)/(273+T)から求めることができる。
なお、排気管22が短い場合には、排気の際の抵抗が低くなり、十分な排気圧力Pを測定できなくなる。そのため、この場合には、排気管22に絞り等を設けてガスエンジン2の許容範囲内の排気抵抗をかけることができる。
また、本例の調整手段83は、排気抵抗Rが、目標排気抵抗Rrに所定の不感帯圧力幅Xを加算した値よりも大きいときには、混合ガス制御弁71の開度を所定量大きくし、一方、排気抵抗Rが、目標排気抵抗Rrから所定の不感帯圧力幅Xを減算した値よりも小さいときには、混合ガス制御弁71の開度を所定量小さくするよう構成されている。
排熱回収装置に回収した排熱は、種々の排熱利用装置に利用することができる。排熱回収装置は、排熱利用装置からの要求に応じて、排気ガスHの排熱を回収する量を調整可能である。
主燃料配管61には、必要に応じて手動弁75を設けることができる。この場合には、発電システム1の本運転を行う前に予め試運転を行って、主燃料ガスF1と副燃料ガスF2との初期設定の混合比率を、手動弁75の開度を調整することにより決定しておくことができる。
まず、ガス混合コントローラ8の読込手段81は、所定の測定時間間隔t1(例えば1秒)ごとに、電力計31による発電出力W、圧力計72による排気圧力P、温度計73による排気温度T、外気温度計74による外気温度TGを測定し(図のステップS1)、この測定を所定の制御時間t2(例えば10秒)になるまで繰り返す(S2)。
次いで、ガス混合コントローラ8の算出手段82は、所定の制御時間t2が経過したときには、現計測時点から遡った所定の平均値算出時間t3(例えば1分間)における発電出力W、排気圧力P、排気温度T、外気温度TGについての平均値Wav、Pav、Tav、TGavを求める(S3)。
次いで、算出手段82は、排気抵抗R(Pa)を、排気圧力Pの平均値Pav(Pa)と煙突効果Z(Pa)とを用いて、R=Pav+Zから求める(S5)。
次いで、算出手段82は、排気温度Tの違いが排気抵抗Rに及ぼす影響を考慮して、排気抵抗Rを補正した換算排気抵抗Rsを、基準排気ガスHの温度をTs(℃)として、Rs=R×(273+Ts)/(273+Tav)から求める(S6)。
次いで、調整手段83は、換算排気抵抗Rsが、目標排気抵抗Rrに所定の不感帯圧力幅Xを加算した値よりも大きいか否かを判定し(S8)、Rs>Rr+Xである場合には、混合ガス制御弁71の開度を所定量大きくする(S9)。
一方、調整手段83は、Rs>Rr+Xでない場合には、換算排気抵抗Rsが、目標排気抵抗Rrから所定の不感帯圧力幅Xを減算した値よりも小さいか否かを判定し(S10)、Rs<Rr−Xである場合には、混合ガス制御弁71の開度を所定量小さくする(S11)。なお、調整手段83は、Rs<Rr−Xでない場合には、混合ガス制御弁71の開度を維持する。
こうして、ガス混合装置6によって発電システム1を安定して運転することができる。
そして、副燃料ガスF2の発熱量が低下したときには、発電機3の発電出力Wが低下することになり、この発電出力Wの低下を補うためにスロットルバルブ21の開度が大きくなり、その結果、排気管22における排気抵抗Rが高くなっていると考えられる。スロットルバルブ21の開度が大きくなるときには、ガスエンジン2への混合燃料ガスF3の供給量が増加すると共に燃焼用空気Aの供給量も増加している。
これにより、副燃料ガスF2の発熱量が低下し、燃焼用空気Aに対する混合燃料ガスF3の混合比率が低く、ガスリーン状態(混合燃料ガスF3の希薄状態)にあるガスエンジン2の燃焼状態を最適な燃焼状態に戻すことができる。そのため、ガスリーン状態を回避し、ガスエンジン2に失火が生ずることを防止することができる。
これにより、副燃料ガスF2の発熱量が上昇し、燃焼用空気Aに対する混合燃料ガスF3の混合比率が高く、ガスリッチ状態(混合燃料ガスF3の濃厚状態)にあるガスエンジン2の燃焼状態を最適な燃焼状態に戻すことができる。そのため、ガスリッチ状態を回避し、ガスエンジン2の排気ガスH中のNOx濃度の増加を防止することができる。
これに対し、本例のガス混合コントローラ8においては、煙突効果Zを考慮して排気抵抗Rを求めている。そのため、排気抵抗Rを正確に算出することができ、ガス混合コントローラ8の調整手段83によって混合ガス制御弁71を制御する精度を向上させることができる。これにより、混合燃料ガスF3と燃焼用空気Aとの混合比率を適切に制御することができ、排気ガスHの排熱を多く回収する場合と回収しない場合とのいずれにおいても、失火の発生及びNOx濃度の増加を防止して、ガスエンジン2の安定燃焼を行うことができる。
同図において、煙突効果Zを考慮した場合の関係ラインを求める際には、発電機3における発電出力Wが所定の値になるよう運転するときに、混合燃料ガスF3と燃焼用空気Aとの混合比率を変化させ、各混合比率のときの排気圧力P、排気温度T等を測定して煙突効果Zを考慮して排気抵抗Rを求めると共に、各混合比率のときの排気ガスH中のNOx濃度を実測した。同図において、丸、三角、菱形のプロット点は、混合比率が異なるときのNOx濃度をそれぞれ示す。そして、各プロット点を回帰分析して描いたものが関係ラインCである。
煙突効果Zを無視した場合には、計算上、排気温度Tが高くなるほど排気抵抗が小さくなり、ガス混合コントローラ8が、排気抵抗を目標排気抵抗になるよう制御することによって、燃焼用空気Aの割合が増加され、NOx濃度が低下するが、ガスエンジン2の効率低下や失火の問題が生ずるおそれがある。
そのため、煙突効果Zを用いて排気抵抗Rを補正することにより、ガスエンジン2の効率低下、失火の発生を抑制できる。
本シミュレーションにおいては、ガスエンジン2に混合気Gを供給する、スロットルバルブ21の後流側に設けた吸気マニホールドの圧力(混合気Gの圧力)を一定にしてガスエンジン2を運転する制御方法(吸気マニホールド圧力一定制御)を行う場合について、混合気Gの体積及び組成に対する排気ガスHの体積及び組成の変化について示す。そして、この体積及び組成の変化に対して、上記実施例1に示した排気抵抗一定制御(排気ガス量一定制御)を行う場合の効果、並びに吸気マニホールド圧力一定制御を行う場合の課題、及び排気管22における排気ガスH中の酸素濃度を一定にしてガスエンジン2を運転する制御方法(酸素濃度一定制御)を行う場合の課題について検証する。
ここで、水素の発熱量は、10.76(MJ/Nm3)であり、メタンの発熱量は35.85(MJ/Nm3)であるため、水素の発熱量と合わせるため、水素の体積は1(Nm3)メタンの体積は0.3(Nm3)(35.85×0.3=10.76)とした。
混合気G中に二酸化炭素が含まれないとした場合(図6の混合燃料ガスF3がメタンのみ含む場合)には、排気ガスH中の酸素濃度が0.387/5×100%=7.74%となる。そのため、仮に排気ガスH中の目標酸素濃度が7%であることを想定すると、酸素濃度が7%となるよう、燃焼用空気Aの混合割合が減らされ、ガスリッチになって、NOx濃度が増加することになる。
一方、混合気G中に二酸化炭素が含まれる場合(図8の混合燃料ガスF3がメタン及び二酸化炭素を含む場合)には、排気ガスH中の酸素濃度が0.324/5×100%=6.48%となる。そのため、仮に排気ガスH中の目標酸素濃度が7%であることを想定すると、酸素濃度が7%となるよう、燃焼用空気Aの混合割合が増やされ、ガスリーンになって、失火が発生するおそれが生じる。
従って、上記実施例1に示した排気抵抗一定制御を行うことにより、NOx濃度の増加を防止し、失火の発生を防止できることがわかる。
酸素濃度一定制御を行う場合には、副燃料ガスF2の混焼率の変化に伴って、排気抵抗Rが変化する。特に、副燃料ガスF2の混焼率が低いときには、ガスエンジン2から排気される排気ガスH中のNOx濃度が増加することがわかる。これは、副燃料ガスF2の混焼率が低くなると、排気ガスHの排気量が減少し、ガスエンジン2の燃焼温度が上昇することにより、NOx濃度が増加したものと考えられる。
2 ガスエンジン
21 スロットルバルブ
22 排気管
3 発電機
31 電力計
41 空気配管
42 燃料配管
43 混合気供給配管
5 メインコントローラ
6 ガス混合装置
71 混合ガス制御弁
72 圧力計
73 温度計
74 外気温度計
8 ガス混合コントローラ
81 読込手段
82 算出手段
83 調整手段
F1 主燃料ガス
F2 副燃料ガス
F3 混合燃料ガス
A 燃焼用空気
G 混合気
H 排気ガス
M 関係マップ
W 発電出力
P 排気圧力
T 排気温度
TG 外気温度
Z 煙突効果
R 排気抵抗
Rr 目標排気抵抗
Claims (4)
- ガスエンジンの運転を行って発電機を作動させるよう構成した発電システムに対して装備し、該発電システムへ都市ガス等の主燃料ガスとバイオガス等の副燃料ガスとを混合させた混合燃料ガスを供給するよう構成したガス混合装置であって、
上記発電システムは、上記発電機の発電出力を測定する電力計と、空気配管から吸い込まれた燃焼用空気と燃料配管に供給された上記混合燃料ガスとを混合させて混合気を作り出す混合気供給配管と、該混合気供給配管に配設して、上記ガスエンジンへ供給する上記混合気の流量を調整するためのスロットルバルブと、該スロットルバルブの開度を調整して上記発電機の発電出力を所定の目標発電出力に制御するメインコントローラとを備えており、
上記ガス混合装置は、上記燃料配管に供給する上記混合燃料ガスの流量を調整するための混合ガス制御弁と、上記ガスエンジンの排気管における排気圧力を測定する圧力計と、上記排気管における排気温度を測定する温度計と、上記混合ガス制御弁の開度を調整して上記燃焼用空気に対する上記混合燃料ガスの混合比率を制御するガス混合コントローラとを備えており、
該ガス混合コントローラには、発電出力Wと排気抵抗Rとの関係が関係マップとして予め設定してあり、
該関係マップは、発熱量の変動がほとんどない燃料ガスを発電システムに供給し、所定の発電出力Wごとに、実測する排気ガス中のNOx濃度が目標とするNOx濃度となる混合燃料ガスと燃焼用空気との混合比率を設定するときに、上記電力計、上記圧力計及び上記温度計によって発電出力W、排気圧力P及び排気温度Tをそれぞれ実際に測定すると共に、上記排気管の煙突高さ及び上記排気温度Tを用いて煙突効果Zを算出し、排気圧力Pと煙突効果Zとの和である排気抵抗Rを求めた後、発電出力Wと排気抵抗Rとの関係として作成されており、
上記ガス混合コントローラは、上記電力計によって測定した発電出力W、上記圧力計によって測定した排気圧力P、及び上記温度計によって測定した排気温度Tを読み込む読込手段と、
該読込手段によって読み込んだ上記発電出力Wを出力するときの目標排気抵抗Rrを上記関係マップより求めると共に、上記排気管の煙突高さ及び上記読込手段によって読み込んだ上記排気温度Tを用いて煙突効果Zを求め、かつ該煙突効果Zを上記読込手段によって読み込んだ上記排気圧力Pに加算して排気抵抗Rを求める算出手段と、
該算出手段によって求めた上記排気抵抗Rが上記目標排気抵抗Rrになるよう上記混合ガス制御弁の開度を調整する調整手段とを備えていることを特徴とする発電システムに用いるガス混合装置。 - 請求項1に記載の発電システムに用いるガス混合装置において、上記読込手段は、上記発電出力W、上記排気圧力P、及び上記排気温度Tを所定の時間間隔で逐次読み込むよう構成されており、
上記調整手段は、上記排気抵抗Rが、上記目標排気抵抗Rrに所定の不感帯圧力幅Xを加算した値よりも大きいときには、上記混合ガス制御弁の開度を所定量大きくし、一方、上記排気抵抗Rが、上記目標排気抵抗Rrから所定の不感帯圧力幅Xを減算した値よりも小さいときには、上記混合ガス制御弁の開度を所定量小さくするよう構成されていることを特徴とする発電システムに用いるガス混合装置。 - 請求項1又は2に記載の発電システムに用いるガス混合装置において、上記算出手段は、上記排気抵抗Rを、上記排気温度Tを基準排気ガスの温度Tsに換算した換算排気抵抗として求めるよう構成されていることを特徴とする発電システムに用いるガス混合装置。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の発電システムに用いるガス混合装置において、上記発電システムは、上記排気管に対して、排熱回収装置の排熱回収部と該排熱回収部をバイパスするバイパス弁とを設けてなり、
該バイパス弁の開度が調整されることによって上記排熱回収部から回収する熱量が変更される状態において使用することを特徴とする発電システムに用いるガス混合装置。
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