JP4392750B2 - ガスエンジンおよびその制御方法 - Google Patents
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Description
図10において、空気供給源Saからは空気供給ラインLaが接続され、そのラインLaの端末にはベンチュリミキサMvが接続されている。そのベンチュリミキサMvにはガス供給源Sgから延在するガス供給ラインLgが接続されている。ベンチュリミキサMvの下流側には流過順に、スロットルバルブVs及び圧力計Mpが介装された混合ガス供給ラインLmが設けられ、その混合ガス供給ラインLmはガスエンジンEgに接続されている。
ベンチュリミキサMvを使用した場合の問題点として、混合気中の燃料と体積割合が、空気と燃料の密度から決定される値に固定されてしまっていることが挙げられる。
すなわち、混合気中の燃料と体積割合が、空気と燃料の密度から決定される値に固定されてしまっているということは、供給ガスの組成(発熱量等)が変動すると、この体積割合に加えて、燃焼に必要とする空気量も変動し、その結果、空燃比(λ)が変動する。
出力を一定に保ちつつ給気圧力を一定にするために、ベンチュリミキサのガス流量制御機構Vgにより、燃料ガスの供給量を増加させる。すなわち、出力の変動に対しては先ずスロットルが対応し、その後、給気圧力を一定にするためにベンチュリミキサのガス流量制御機構が作動する。
各出力に応じた適切な目標給気圧力を設定することにより、組成が一定のガスが供給される限りは、常に目標とする空燃比が実現されるのである。
ガスの組成が変動した瞬間は、以下に示す式−1に従って、空燃比λ1からλ2へと大きく変動する。
(λ2/λ1)
={1/(λ1・VS2)}{(ρg2/ρg1)(λ1Vs1−α1)+α2}1/2 …(式−1)
ここで、
λ:空燃比
Vs:当量空気量(希釈ガス1m3中の可燃ガス(1−α)m3を燃焼させるのに必要な空気量[単位はm3/m3−希釈ガス]
ρ:密度[単位はkg/m3−希釈ガス](添字g:gas)
α:ガス中の空気分率
添え字1:変更前
添え字2:変更後
である。
(λ2/λ1)
=(Vs1Q2)γ/(Vs2Q1)+{Q2(1−Va1)γ−Q1(1−Va2)}/λ1Q1Vs2・・・(式−2)
ここで、
Q:発熱量[単位はJ/m3]
γ:効率比η2/η1
η:効率
Va:希釈ガス1m3中の空気含有量[単位はm3/m3−希釈ガス]
Vs:当量空気量(希釈ガス1m3中の可燃ガス(1−α)m3を燃焼させるのに必要な空気量[単位はm3/m3−希釈ガス]
添え字1:変更前
添え字2:変更後
ヤンマー発電機−ガスエンジン常用発電システム、[2003年11月21日検索]、インターネット<URL:HTTP://WWW.YANMAR.CO.JP/PRODUCTS/ENERGY/GEN/GAS−ENGINE.HTML> LEANOX、Products、Special Component、[2003年11月21日検索]、インターネット<URL:HTTP://WWW.JENBACHER.COM/WWW_ENGLISH/PROD/SPE_LEA.HTML>
(λ2/λ1)
={1/(λ1・VS2)}{(ρg2/ρg1)(λ1Vs1−α1)+α2}1/2 …(式−1)
ここで、
λ:空燃比
Vs:当量空気量(希釈ガス1m3中の可燃ガス(1−α)m3を燃焼させるのに必要な空気量[単位はm3/m3−希釈ガス]
ρ:密度[単位はkg/m3−希釈ガス](添字g:gas)
α:ガス中の空気分率
添え字1:変更前
添え字2:変更後
である。
(λ2/λ1)
=(Vs1Q2)γ/(Vs2Q1)+{Q2(1−Va1)γ−Q1(1−Va2)}/λ1Q1Vs2・・・(式−2)
ここで、
Q:発熱量[単位はJ/m3]
γ:効率比η2/η1
η:効率
Va:希釈ガス1m3中の空気含有量[単位はm3/m3−希釈ガス]
Vs:当量空気量(希釈ガス1m3中の可燃ガス(1−α)m3を燃焼させるのに必要な空気量[単位はm3/m3−希釈ガス]
添え字1:変更前
添え字2:変更後
である。
制御の追従遅れがなくなる結果、急激な混焼率変化による影響を排除し、極めて安定な運転が実現出来る。
図1及び図2の第1実施形態は、低カロリーガスから空気希釈した高カロリーガス(発熱量が高い気体の中から予め決定された1種類の気体燃料:例えば、13A都市ガス)に切り換える場合において、高カロリーガスをどの程度空気希釈すれば良いかを制御する実施形態である。
すなわち、低カロリーガスを空気希釈した高カロリーガスに切り換えた際に、空気希釈量或いは空気分率を適宜制御して、切り換え時においてガスミキサの開度を変更しなくても良い様にせしめる制御を行う技術である。
尚、高カロリーガスの組成、供給圧力は一定であり、低カロリーガスの組成及び圧力は変動している。
その低カロリー供給ラインLg1における前記ガス圧縮機12の前後には、クッションタンク14の内圧を一定に保つためにクッションタンク14から有水ガスホルダ11に低カロリーガスを戻すための、一方向弁13を介装したバイパスラインLb1が設けられている。なお、一方向弁13は、クッションタンク14の上流側(低カロリーガス供給源1側)の圧力を制御している。
前記圧力制御弁15は、流量制御弁16の上流側(低カロリーガス供給源1側)圧力を一定にするように構成されている。
前記圧力制御弁21は、質量流量計FM3の上流側(高カロリーガス供給源2側)の圧力を制御するように構成されている。
その空気供給ラインLaにおける前記空気圧縮装置31の前後には、空気供給ラインLaと平行して、一方向弁32を介装したバイパスラインLabが設けられている。そして、一方向弁32は、レシーバタンク33の上流側(希釈用空気供給源3側)圧力を一定にするように構成されている。
その希釈済み高カロリーガス供給ラインLgaには流過順にクッションタンク23及び圧力制御弁24が介装されている。
前記圧力制御弁24は、流量調整弁16の下流側(ガスエンジン等100側)の圧力をコントロールする様に構成されている。
ここで、図1において、ガスが切り換わった旨を検知する手段は、例えばコントロールユニット10の内部に設けられている(図1では図示せず)。そして、コントロールユニット10に対してガスの組成(或いは発熱量)が切り換わった旨が入力されるまで、ガスの組成(或いは発熱量)は一定であるとみなされる。
或いは、図1で示す実施形態では、ガスの組成(或いは発熱量)の切り換え自体がコントロールユニット10で制御される。
何れにおいても、図1で示す実施形態では、ガスが切り換わった旨を検知する手段については、限定するものではない。
先ず、「気体燃料の量と当量空気量とから決定される空燃比」或いは「低カロリーガスから、空気希釈した高カロリーガスに切換えを行った場合の空燃比」は、次の式−1により導かれる。
(λ2/λ1)
={1/(λ1・VS2)}{(ρg2/ρg1)(λ1Vs1−α1)+α2}1/2 …(式−1)
ここで、
λ:空燃比
Vs:棟梁空気量(希釈ガス1m3中の可燃ガス(1−α)m3を燃焼させるのに必要な空気量[単位は、m3/m3−希釈ガス])
ρ:密度[単位は、kg/m3−希釈ガス](添字g:gas)
α:ガス中の空気分率
添え字1:変更前
添え字2:変更後
である。
(λ2/λ1)
=(Vs1Q2)γ/(Vs2Q1)+{Q2(1−Va1)γ−Q1(1−Va2)}/λ1Q1Vs2・・・(式−2)
ここで、
Q:発熱量[単位は、J/m3]
γ:効率比η2/η1
η:効率
Va:希釈ガス1m3中の空気含有量[単位は、m3/m3−希釈ガス]
Vs:棟梁空気量(希釈ガス1m3中の可燃ガス(1−α)m3を燃焼させるのに必要な空気量[単位は、m3/m3−希釈ガス])
添え字1:変更前
添え字2:変更後
である。
他方、(式−2)はエンジンの制御から見た場合、ガスが変更した時に、最終的にガスエンジンが持って行きたい空燃比を示す式である。
その場合、各種パラメータが変更するので、制御がさらに複雑化する。
(λ2/λ1)
=(Va1Q−1)/(Vs2λ1)+Q2γ(1+Vs1λ1−Va1)β/(λ1Q1Vs2)・・・(式−3)
ここで、
β=P2/P1
P1:ガス1の時の目標吸気圧力
P2:ガス2の時の目標吸気圧力
先ず、コントロールユニット10は、データベース5からの情報その他に基いて、低カロリーガス種が変更になったか否かをチェックしており(ステップS1のループ)、低カロリーガス種が変更になった場合に(ステップS1のYES)、高カロリーガス中の空気分率αをデータベース5に記憶されたマップ、或いは特性図等によって変更する(ステップS2)。
その後、前述の(式−2)によって変更後の空燃比λ2−2を演算する(ステップS4)。
許容値以下であれば(ステップS5のYES)、ステップS6に進み、許容値未満であれば(ステップS5のNO)、空気分率αをリセットし(ステップS7)、異なるαの値をデータベース5中から選択して再びステップS3以降を繰り返す。
図3の第2実施形態は、第1実施形態と同様に、低カロリーガスから空気希釈した高カロリーガスに切り換える場合において、高カロリーガスをどの程度空気希釈すれば良いかを制御する実施形態である。
ただし、第2実施形態では、図2で示す第1実施形態の制御とは異なる制御を行っている
構成については、図1で示すのと同様であるので、制御フローチャートのみを示す。
ただし、式−1と式−2には、空気分率αにより変動するパラメータが多数存在するので、式−1と式−2とを同時に充足する空気分率αを求めることは極めて困難となる場合が多い。空気分率αを求めるためには、多元多次方程式の解を求めなければならないからである。
制御の追従遅れがなくなる結果、急激な混焼率変化による影響を排除し、極めて安定な運転が実現出来る。
以下の第3実施形態〜第5実施形態は、低カロリーガスの組成変化にリアルタイムで対応して、高カロリーガス側の空気希釈量(空気分率)を変動する制御を行うように構成されている。
図4、図5の第3実施形態は、熱伝導度から組成を類推する実施形態である。システムの構成としては、第1実施形態の構成(図1)に対して、低カロリー供給ラインLg1のクッションタンク14と圧力制御弁15との間に、例えば発熱量計QM1を介装した実施形態である。構成に関しては、発熱量計QM1を追加した以外は、図1の第1実施形態と実質的に同様である。
先ず、低カロリーガスの発熱量を低カロリーガス供給ラインLg1に介装した発熱量計(又は成分濃度計)QM1によって計測する(ステップS21)。次に、データベース5中のマップ、又は特性図から低カロリーガスの発熱量に対応する空気分率αの値を決定する(ステップS22)。
図6、図7の第4実施形態は、図1及び図2の第1実施形態に対して、燃料供給ラインLfに介装したミキサ40にミキサ40の開度を検出する開度センサOM1を取付けた実施形態である。第4実施形態では、ミキサ40の開度変化と発熱量変化ひいては低カロリーガスの組成変化の関係、特性を予め得ておき、データベース5にそれらの情報を記憶している。そして、その特性により、空気希釈量(空気分率)を決定するように構成されている。
先ず、コントロールユニット10はミキサ40に設けられた開度センサOM1からの情報に基づき、ミキサ開度に変化があったか否かをチェックしており(ステップS31のループ)、ミキサ開度に変化があった場合に(ステップS31のYES)、ミキサ開度変化量を決定する(ステップS32)。
求められた発熱量変化、又は組成変化より、データベース5中の特性、及び/又はマップに基いて空気分率αを決定する(ステップS34)。
図8、図9の第5実施形態は、「バイオガスの組成(発熱量等)が分かれば高カロリーガス側の空気希釈量を決定することが可能である」ことを利用して、バイオガスの流量変化と発熱量変化との特性を予め得ておき、その後、バイオガスの流量変化に対応して、予め求めておいた特性から空気希釈量(空気分率)を決定する実施形態である。
加えて、コントロールユニット10には上記流量計FM1及びFM2の流量情報に基づいて燃料ガスの流量・混焼率を演算する混焼率演算手段17が装備されている。以上の追加装備を除けば図1の第1実施形態と実質的に同じである。
先ず、コントロールユニット10は流量計FM1からの情報に基づき、低カロリーガス種が変更になったか否かをチェックしており(ステップS41のループ)、低カロリーガス種が変更になった場合に(ステップS41のYES)、前記混焼率演算手段17によって流量・混焼率の変化量を決定する(ステップS42)。
2・・・高カロリーガス供給源
3・・・希釈用空気供給源
5・・・データベース
10・・・コントロールユニット
11・・・有水ガスホルダ
12・・・ガス圧縮機
13、32・・・一方向弁
14、23・・・クッションタンク
15、21、24・・・圧力制御弁
16、34・・・流量調節弁
17・・・流量・混焼率演算手段
31・・・空気圧縮装置
33・・・レシーバタンク
40・・・ミキサ
100・・・ガスエンジン
G1・・・第1の合流点
G2・・・第2の合流点
La・・・希釈用空気供給ライン
Lg1・・・低カロリーガス供給ライン
Lg2・・・高カロリーガス供給ライン
Lga・・・希釈済み高カロリーガス供給ライン
Lf・・・燃料供給ライン
Lx・・・混合ガス供給ライン
Claims (5)
- 燃焼用の空気供給系統(La2)と、組成や発熱量の異なる複数種類の気体燃料の中から予め決定された発熱量が高い気体燃料を供給するための高カロリーガス供給系統(2、Lg2)と、高カロリーガスより発熱量が低く組成や発熱量の異なる複数種類の気体燃料からなる低カロリーガスを供給するための低カロリーガス供給系統(1、Lg1)とを具備する気体燃料供給機構を有し、前記高カロリーガス供給系統(2、Lg2)は空気供給系統(3、La)と合流(G1)して高カロリーガスを空気と混合希釈し、該希釈された気体燃料を供給する希釈済み高カロリーガス供給系統(Lga)は前記低カロリーガス供給系統(1、Lg1)と合流(G2)するように構成されており、前記低カロリーガス供給系統(1、Lg1)による低カロリーガスの供給から前記希釈済み高カロリーガス供給系統(Lga)による混合気体の供給に変更された旨、或いは、前記希釈済み高カロリーガス供給系統(Lga)による混合気体の供給中に低カロリーガスの種類或いは組成が変更された旨を検知する手段と、前記高カロリーガスと空気との混合比を決定する制御手段(10)とを有し、該制御手段(10)は、低カロリーガスが高カロリーガスを空気で希釈した混合気体に変更された際に、或いは低カロリーガスの種類或いは組成が変更された際に気体燃料の密度と当量空気量から決定される前記変更前の空燃比(λ1)と変更後何も制御しない状態での空燃比(λ2)との比と、前記変更前及び給気圧力が一定となる制御を行った後の気体燃料の空燃比(λ1)と空燃比(λ2)との比とが概略等しくなるように前記混合比を決定する機能を有することを特徴とするガスエンジン。
- 燃焼用の空気供給系統(La2)と、組成や発熱量の異なる複数種類の気体燃料の中から予め決定された発熱量が高い気体燃料を供給するための高カロリーガス供給系統(2、Lg2)と、高カロリーガスより発熱量が低く組成や発熱量の異なる複数種類の気体燃料からなる低カロリーガスを供給するための低カロリーガス供給系統(1、Lg1)とを具備する気体燃料供給機構を有し、前記高カロリーガス供給系統(1、Lg1)は空気供給系統(3、La)と合流(G1)して高カロリーガスを空気と混合希釈し、該希釈された気体燃料を供給する希釈済み高カロリーガス供給系統(Lga)は前記低カロリーガス供給系統(1、Lg1)と合流(G2)するように構成されており、前記低カロリーガス供給系統(1、Lg1)による低カロリーガスの供給から前記希釈済み高カロリーガス供給系統(Lga)による混合気体の供給に変更された旨、或いは、前記希釈済み高カロリーガス供給系統(Lga)による混合気体の供給中に低カロリーガスの種類或いは組成が変更された旨を検知する検知工程と、制御手段(10)により前記高カロリーガスと空気との混合比を決定する決定工程とを有し、該混合比を決定する決定工程では、低カロリーガスを高カロリーガスを空気で希釈した混合気体に変更した際に、或いは、低カロリーガスの種類或いは組成が変更された際に、気体燃料の密度と当量空気量から決定される前記変更前の空燃比(λ1)と変更後何も制御しない状態での空燃比(λ2)との比と、前記変更前及び給気圧力が一定となる制御を行った後の気体燃料の空燃比(λ1)と空燃比(λ2)との比とが概略等しくなるように前記混合比を決定する決定工程を有していることを特徴とするガスエンジンの制御方法。
- 低カロリーガスを高カロリーガスを空気で希釈した混合気体に変更した旨、或いは、低カロリーガスの種類或いは組成が変更された旨を検知する検知工程は、熱伝導度、発熱量、比重或いは音速を計測する計測工程と、計測された熱伝導度、発熱量、比重或いは音速から低カロリーガスの組成を推定する推定工程、とを有している請求項2のガスエンジンの制御方法。
- 低カロリーガスを高カロリーガスを空気で希釈した混合気体に変更した旨、或いは、低カロリーガスの種類或いは組成が変更された旨を検知する検知工程は、ガスエンジン直前のミキサの開度変化を計測する計測工程と、ガスミキサの燃料流量制御弁開度の開度変化から低カロリーガスの組成を推定する推定工程、とを有している請求項2のガスエンジンの制御方法。
- 低カロリーガスを高カロリーガスを空気で希釈した混合気体に変更した旨、或いは、低カロリーガスの種類或いは組成が変更された旨を検知する検知工程は、低カロリーガスの流量と、高カロリーガスと空気との混合流における流量を計測する計測工程と、計測された流量の変化から低カロリーガスの組成を推定する推定工程、とを有している請求項2のガスエンジンの制御方法。
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