JP5733159B2 - 基板と電子部品の接続構造 - Google Patents

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Description

本発明は、接点摺動を抑制し接触抵抗を低下させた基板と電子部品の接続構造に関する。
従来、コネクタハウジングとターミナルを組み合わせたオスコネクタとメスコネクタを嵌合するコネクタは、オス側とメス側のハウジング同士が互いに固定されるために、外力や熱サイクル変位による電気接点部の摺動が抑制される。しかし、コネクタハウジングとターミナルの2つの要素から構成されるために、コストが高いという課題があった。
一方、特許文献1〜6に見られるように、プリント基板の回路端子に、コイルばねや板ばねなどで接続したものが知られているが、接続部を半田付けしたり、球体などを介在して接続しているので、作業性が悪く製造コスト上問題となっていた。接続部を半田付けしない場合には、外力や熱サイクル変位による電気接点部間の摺動が発生する。この摺動により、プリントされた回路端子に擦れが生じ接点不良の原因となっていた。
特許第3597738号公報 特許第3970077号公報 特開2010−14476号公報 実公平6−16421公報 特開2007−299663号公報 特表2003−532584号公報
本発明は、上記問題に鑑み、接点摺動を抑制し接触抵抗を低下させた基板と電子部品の接続構造を提供するものである。
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、プリント基板(1)のプリントされた接続端子(1’)と電子部品(2)の接続端子(2’)とを電気的に接続する接続構造であって、該接続構造は、前記プリント基板(1)のプリントされた接続端子(1’)に半田付けされた第1パット(4)と、前記電子部品(2)の接続端子(2’)に半田付けされた第2パット(3)と、前記第1パット(4)と第2パット(3)に、それぞれ、電気的に接続する接点を有する導電性ばね(7)と、前記導電性ばね(7)を位置決めする絶縁材の隔壁(5)と、を具備する接続構造において、前記第1パット(4)と第2パット(3)の前記接点に対する接続面を、導電性の良好な金属で被覆した接続構造である。
これにより、接点が着脱可能な構造のため、電子部品に故障が発生しても、基板ごと取り替える必要がなくなり、異常時の対応が容易となる。パットがプリントされた接続端子に半田付けされているので、導電性ばねを半田付けせずにプリント基板1や電子部品2に電気的接続して、外力や熱サイクル変位による電気接点部の若干の摺動が発生しても、従来のように極薄のプリントされた回路端子に擦れが生じて接点不良となることがない。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記導電性ばね(7)は、単線にねじり巻部(7−3)を設け、前記単線の両端部(7−1)を前記隔壁の位置決め穴(5−1)に挿入し、前記両端部のそれぞれの端部(7−1)と前記ねじり巻部(7−3)間に、それぞれ、前記第1パット(4)、第2パット(3)に電気的に接続する第1接点(7−2)、第2接点(7−2’)を設けたことを特徴とする。
これにより、ハウジングが無いため、コストが安く、また、コイリング加工のみで形成するためにコストが安くすることができる。変位に対しては全方位に対して吸収できるとともに、コイルばねを伸縮する方向へのばね定数と同等のばね定数を得るために、より太い線径の材料が使用できる。そのため、導体抵抗を小さくできる。また、ばね反力で端子上下の摺動を吸収(フローティング構造)が得られ、単線の両端部(アーム部)をねじりばね全体の位置固定に使用し、ねじり巻き部は、ねじりばね特有の応力分散部として機能する。これにより、導電性ばねにおいて応力の1箇所集中を緩和することができる。
請求項3の発明は、請求項1の発明において、前記導電性ばね(7)は、コイルばねであることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれか1項記載の発明において、前記第1パット(4)又は第2パット(3)のいずれか一方、若しくは両方の接続面には、前記接点(7−2、7−2’)に対する係合部(40)が設けられていることを特徴とする。これにより、組付け時の位置決めを容易にすることができるとともに、外力や熱サイクル変位による電気接点部の摺動が発生し難くなるとともに、接点摺動を抑制して接触抵抗を低下させることができる。
請求項5の発明は、請求項3の発明において、前記第1パット(4)又は第2パット(3)のいずれか一方、若しくは両方の接続面には、前記コイルばねの内径に嵌合する凸形台座、又は、前記コイルばねの外径に嵌合する凹形台座が設けられていることを特徴とする。これにより、請求項4と同様な効果が得られる。
請求項6の発明は、請求項3の発明において、前記隔壁(5)にはコイルばねが軸方向に挿入される穴(5−3’)が設けられて、前記コイルばね(7)を保持可能に構成され、該穴の底面(5−2)には、スリット(5−1)が設けられており、前記第1パット(4)又は第2パット(3)の係合部(40)が、前記スリット(5−1)を貫通して、前記コイルばねを押圧することができるように構成されていることを特徴とする。これにより、以上の効果に加えて、組付け工程を容易に行うことができる。
請求項7の発明は、請求項3の発明において、前記隔壁には、コイルばねがコイルばねの軸方向に挿入される貫通穴(5−3)が、設けられており、前記コイルばねの上端(7−5)は前記コイルばねの外径から突出して前記隔壁の上面(5−4)に係止されるように構成されていることを特徴とする。これにより、以上の効果に加えて、組付け工程を容易に行うことができる。
請求項8の発明は、請求項2の発明において、前記第1接点(7−2)又は前記第2接点(7−2’)は、1回又は複数回巻き加工されて、前記第1パット(4)又は第2パット(3)の接続面との接触面積が拡大されるように構成されていることを特徴とする。これにより、接続部の接触電気抵抗を低下させることができる。
請求項の発明は、プリント基板(1)のプリントされた接続端子(1’)と電子部品(2)の接続端子(2’)とを電気的に接続する接続構造であって、該接続構造は、
前記プリント基板(1)のプリントされた接続端子(1’)に半田付けされた第1パット(4)と、前記電子部品(2)の接続端子(2’)に半田付けされた第2パット(3)と、前記第1パット(4)と第2パット(3)に、それぞれ、電気的に接続する接点を有するコイルばね(7)と、を具備する接続構造において、前記第1パット(4)と第2パット(3)の前記接点に対する接続面を、導電性の良好な金属で被覆し、前記第1パット(4)、又は、第2パット(3)には、前記コイルばね(7)の内径と圧入嵌合する凸形台座、又は、前記コイルばねの外径と圧入嵌合する凹形台座が設けられている接続構造である。
この場合には、コイルばねの内径と圧入嵌合する凸形台座、又は、前記コイルばねの外径と圧入嵌合する凹形台座コイルばねが、位置決め保持するので、隔壁に挿入させて保持する工程がなくても良い。
リント基板(1)の一方の面上の接続端子(1’)と、前記プリント基板の他方の面側に配置された電子部品(2)の接続端子を電気的に接続する接続構造であって、前記電子部品のリード線接続端子(30)は、前記プリント基板(1)に形成されたスルーホール(1’’)を通して、プリント基板の一方の面に突出させて、プリント基板(1)の一方の面上の接続端子(1’)と電気的に接続する接続構造において、該接続構造は、1枚の導電性板ばね(70)から曲げ形成された第1接点(71、71−1)と、前記導電性板ばね(70)に設けられた第2接点(78)と、前記導電性板ばねに設けられた振動吸収部(77、77−1、77−2)を具備し、前記第1接点(71、71−1)は、前記リード線接続端子(30)に挟み込むように接続し、前記第2接点(78)は、前記プリント基板の一方の面上の接続端子(1’)に半田付けされた接続構造である。
これにより、板材1枚から形成するためにコスト上のメリットが大きく、自動装着機対応可能で、他の部品と同様に実装・リフロー炉にて組付けることができる。第1接点や第2接点として、複数個所接点を設けることが可能なので、多重接点で信頼性が高くなる。他の発明と同様に、着脱可能な構造のため、異常時の対応が容易であり、ハウジングが無いため、コストも安い。
記導電性板ばね(70)は、帯状片であって、該帯状片の一端側と他端側に、それぞれ、第1接点(71)と引っ掛け部(72)を設け、帯状片の一端側の引っ掛け部(72)は、該帯状片の他端側の第1接点(71)近傍に係合し、帯状片の他端側の引っ掛け部(72)は、該帯状片の一端側の第1接点(71)近傍に係合し、前記帯状片の中央部に、前記プリント基板(1)に形成されたスルーホール(1’’)に連通する貫通孔(74)を設け、該貫通孔の両サイドを前記第2接点(78)としたことを特徴とする。
これにより、接点は、引っ掛け部によって板ばね全体の中で部分的に仮止めされており、振動吸収部77によるフローティング構造のなかで、強固な接点構造を有するので、リード線接続端子30との接点摺動を抑制し接触抵抗を低下させることができる。他の発明と同様に、着脱可能な構造のため、異常時の対応が容易であり、ハウジングが無いため、コストも安い。
記振動吸収部(77)には、応力吸収用のベンド(76)を設けていることを特徴とする。これにより、はんだ付け固定後の応力を吸収してはんだ付け部へのストレスを抑制することができる。
記振動吸収部(77)は、前記導電性板ばね(70)から一体形成された2つのL字形状部(77−1、77−2)であり、該2つのL字形状部(77−1、77−2)は、断面直線状かU字状であって、前記リード線接続端子(30)を略線対称軸として配置されていることを特徴とする。
記第1接点(77、77−1)は、前記導電性板ばねに形成されたH字状スリット(81)、又は、十字状スリット(81’)であることを特徴とする。この場合には、接点はより強固にリード線接続端子に固定されるので、リード線接続端子との接点摺動を抑制し接触抵抗を低下させることができる。
なお、上記に付した符号は、後述する実施形態に記載の具体的実施態様との対応関係を示す一例である。
本発明の一実施形態の接続構造が用いられた電子装置の断面図である。 (a)は、本発明の一実施形態の接続構造を説明する説明図であり、(b)導電性ばね7の詳細図である。 (a)〜(e)は、第1、第2パットの実施形態の各変形例を説明する説明図である。(b)は、(a)にコイルばね7を組み合わせた説明図である。 (a)〜(c)、(d)〜(g)、(h)〜(k)はそれぞれ本発明の一実施形態とその変形例の組立工程の説明図である。 (a)は、本発明の第2実施形態の組付け説明図であり、(b)は、本発明の第2実施形態の導電性ばねの平面図であり、(c)は、正面図である。 (a)、(b)は、本発明の第2実施形態の変形例である。 形態の組付け説明図である。 (a)は、形態の導電性ばねの平面図であり、(b)は、形態の導電性ばねの正面図であり、(c)は、側面図である。 形態の変形例の説明図である。 (a)は、形態の導電性ばねの平面図であり、(b)は、形態の導電性ばねの正面図であり、(c)は、形態の組付け説明図である。 形態の変形例の説明図である。 導電性板ばねに形成した第1接点の変形例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を説明する。各実施態様について、同一構成の部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態の接続構造が用いられた電子装置の断面図である。図1に示すように、ケース20は、一例として、底面が長方形の箱型であって、側壁に四方が囲まれている。側壁には、支持部21が設置されており、プリント基板(実装基板)1が搭載され、ねじ22により支持部21に締結されている。ケースの形態は、必ずしも図1に限定されるものではなく、任意の形状において本実施形態は適用可能である。
電子部品2は、ケース20の底面に載置されて、ねじ22によりプリント基板1が支持部21に締結されるときに、プリント基板1と絶縁材からなる隔壁5との間で押圧固定される。電子部品2は、ねじなどの固定手段でケース20の底面に固定してもよく、また、隔壁5の下面、ケース等に電子部品2の嵌合穴を設けて、移動を阻止しても良い。隔壁5は、一例として、ケース側壁内に嵌まり込むように形成されている。これに限らず、隔壁はその他の手段でケースに固定されていれば良い。
図2(a)は、本発明の一実施形態の接続構造を説明する説明図であり、(b)導電性ばね7の詳細図である。プリント基板1のプリントされた接続端子1’に、第1パット4が半田付けされ、電子部品2の接続端子2’には、第2パット3が半田付けされている。そして、第1パット4と第2パット3に、それぞれ、電気的に接続する接点を有する導電性ばね7が、接続する。導電性ばね7は、絶縁材の隔壁5の貫通穴5−3によって保持された状態で、ねじ22によりプリント基板1が支持部21に締結されるときに、電気部品2とともに押圧固定される。第1パット4と第2パット3の接点に対する接続面は、金メッキなどの処理がなされ、導電性の良好な金属で被覆されている。第1パット4と第2パット3の基材には、銅などが使用される。導電性ばね7は、第1パット4に対する第1接点7−2及び座巻部7−2’’、第2パット3に対する第2接点(7−2’)及び座巻部7−2’’を持ち、中間部には、有効巻部(撓み部)7−3が存在している。
第1パット4と第2パット3の接点に対する接続面は、金メッキ処理に限らず、周知の接点表面のコーティング処理がなされれば良い。図3(a)〜(e)は、第1、第2パットの実施形態の各変形例を説明する説明図である。(b)は、(a)にコイルばね7を組み合わせた説明図である。図3(a)、(b)の場合は、係合部40として、円筒溝(凹形台座の一例)が設けてあり、コイルばねの端部(外径)が嵌め込まれるように形成されている。あるいは、コイルばねの端部内径に挿入されるように、凸形台座としても良い。圧入されると、コイルばねをぶら下げ保持することができる。
その他、係合部40としては、図3(c)〜(e)の場合のように、単なる円盤、すり鉢状凹部、長方形の凹部など様々な変形例が考えられる。ここでは、導電性ばね7として、コイルばねで説明したが、必ずしも円筒形のコイルばねに限定されるものではない。特許文献1に示されたような端部が円錐状などのように、様々な係止構造になっていても良い。さらには、導電性ばね7は、必ずしもコイルばねに限定されることなく、次に述べるような第2実施形態の単線ばねも本実施形態として含まれる。
本実施形態では、第1パット4と第2パット3の接点に対する接続面は、金メッキなどの処理がなされている。図3(c)のような円盤状のパッドが、プリント基板1のプリントされた接続端子1’に半田付けされているので、導電性ばね7を半田付けせずにプリント基板1や電子部品2に電気的接続しても、外力や熱サイクル変位による電気接点部の若干の摺動が発生しても、プリントされた回路端子に擦れが生じ接点不良となることがない。
これにより、接点(半田付けされていない)が着脱可能な構造のため、電子部品に故障が発生しても、基板ごと取り替える必要がなくなり、異常時の対応が容易となる。
図3(c)のような円盤状のパッドに対して、第1パット4と第2パット3の接点に対する接続面に係合部40を、図3(a)、(d)、(e)、凸形(山形)台座などのように設置すれば、外力や熱サイクル変位による電気接点部の摺動が発生し難くなるとともに、接点摺動を抑制して接触抵抗を低下させることができる。パッドは他電子部品と同様に、自動装着・リフロー工程にて事前に組付けると良い。
図4(a)〜(c)、(d)〜(g)、(h)〜(k)はそれぞれ本発明の一実施形態又はその変形例の組付け工程の説明図である。
図4(a)〜(c)の場合には、第1パット4に、コイルばね7の内径と圧入嵌合する凸形台座4が設けられており、コイルばね7の上端の第1接点7−2をプリント基板に保持させて、隔壁5の貫通穴5−3に挿入させて、山形の係合部40が設けられた第2パット3に嵌め込んでからプリント基板1をケース20に固定する。この場合には、コイルばねの位置決めとして、隔壁5の貫通穴5−3に挿入させて保持する工程がなくても良いので、隔壁5は存在しない場合にも本実施形態の変形例(請求項9の場合)として、本発明を適用することができる。
図4(d)〜(e)の場合には、隔壁5にはコイルばねが軸方向に挿入される穴5−3’が設けられて、コイルばね7を保持可能に構成され、穴5−3の底面5−2には、図4(g)に見られるようなスリット5−1が設けられており、第2パット3の山形の係合部40が、スリット5−1を貫通して、コイルばねを押圧することができるように構成されている。そして、隔壁5にコイルばね7を挿入してから、プリント基板に設けた山形の係合部30を嵌め込んでから、電子部品2の第2パット3の板状又は三角形状の係合部30をスリット5−1を貫通して、コイルばねを押圧して、プリント基板1をケース20に固定する。
図4(h)〜(k)の場合には、隔壁には、コイルばねがコイルばねの軸方向に挿入される貫通穴5−3が、設けられており、コイルばねの上端7−5はコイルばねの外径から突出して前記隔壁の上面5−4に係止されるように構成されている。そして、隔壁5にコイルばね7を挿入すると、コイルばねの上端7−5はコイルばねの外径から突出しているので、隔壁の上面5−4に係止されて保持される。その後、プリント基板に設けた山形の係合部30を嵌め込むとほぼ同時に、電子部品2の第2パット3の三角形状の係合部30をコイルばね内径部に嵌め込んで、プリント基板1をケース20に固定する。
本実施形態では、ばね反力で端子上下の摺動を吸収(フローティング構造)でき、座巻部7−2’’は、コイルばね同士のからみを防止することができる。第1パット4に対する第1接点7−2、第2パット3に対する第2接点7−2’は、パットに対する接触性を向上させるために端末のテーパ処理などを行うものである。そして、着脱可能な構造のため、異常時の対応が容易であり、ハウジングが無いため、コストが安く、コイリング加工のみで形成するためにコストを安くすることができる。パットを設置したことにより接点で信頼性が高くなるとともに、変位に対しては全方位に対して吸収できる。
(第2実施形態)
図5(a)は、本発明の第2実施形態の組付け説明図であり、(b)は、本発明の第2実施形態の導電性ばねの平面図であり、(c)は、正面図である。図6(a)、(b)は、本発明の第2実施形態の変形例である。
第2実施形態は、導電性ばね7は、単線から構成されて、ねじり巻部7−3を設け、単線の両端部7−1を隔壁5の位置決め穴5−1に挿入し、両端部のそれぞれの端部7−1とねじり巻部7−3間に、それぞれ、第1パット4、第2パット3に電気的に接続する第1接点7−2、第2接点7−2’を設けたものである。第1接点7−2及び前記第2接点7−2’は、1回又は複数回巻き加工されて、第1パット4又は第2パット3の接続面との接触面積が拡大されるように構成しても良い(図6(a)参照)。
本実施形態においても、ばね反力で端子上下の摺動を吸収(フローティング構造)が得られ、単線の両端部(アーム部)をねじりばね全体の位置固定に使用し、ねじり巻き部7−3は、ねじりばね特有の応力分散部として機能する。これにより、応力の1箇所集中を緩和することができる。ねじり巻き部7−3の巻き数増減により応力分散度合いが変化する。第1パット4に対する第1接点7−2、第2パット3に対する第2接点7−2’は、接続の安定を図るため、金めっき処理を行う。パッドは他電子部品と同様に、自動装着・リフロー工程にて事前に組付けると良い。本実施形態では、隔壁に位置決め穴5−1をあけて左右のアーム部を挿入することで、ねじりばねの組付け位置を固定する。このため、着脱可能な構造のため、異常時の対応が容易である。
本実施形態では、ハウジングが無いため、コストが安く、また、コイリング加工のみで形成するためにコストが安くすることができる。変位に対しては全方位に対して吸収できるとともに、コイルばねを伸縮する方向へのばね定数と同等のばね定数を得るために、より太い線径の材料が使用できる。そのため、導体抵抗を小さくできる。
図6(b)に見られるように、第1接点7−2と第2接点7−2’間が、プリント基板1に対する垂直線に対して傾くような位置関係(図6(b)の場合には左側に傾斜)に構成し、導電性ばね7が隔壁5に位置決めされていると、組付け時に、導電性ばね7が左右のどちらかに倒れてしまうことがなく、特に、第1パット4に対する第1接点7−2の接触位置などが不安定になることがなくなる。
図3(a)〜(e)に示した第1、第2パットの実施形態の各変形例は、本実施形態においても適用可能である。
図7は、形態の組付け説明図である。図8(a)は、形態の導電性ばねの平面図であり、(b)は、形態の導電性ばねの正面図であり、(c)は、側面図である。図9は、形態の変形例の説明図である。
形態は、図7に示すように、プリント基板1の一方の面上の接続端子1’と、プリント基板の他方の面側に配置された電子部品2の接続端子を電気的に接続する接続構造である。電子部品2のリード線接続端子30は、プリント基板1に形成されたスルーホール1’’を通して、プリント基板の一方の面に突出させて、プリント基板1の一方の面上の接続端子と電気的に接続する。一形態の導電性ばねは、図8に示すように1枚の帯状の板ばね70から曲げ形成された第1接点71と、導電性板ばね70に設けられた第2接点78と、導電性板ばね70に設けられた振動吸収部77を具備し、第1接点71は、リード線接続端子30に接続し、第2接点78は、プリント基板1の一方の面上の接続端子1’に半田付けされている。第1接点71は、図7の部分a、bに示すように、両側から挟みこむことで接触性を向上させる。このため、部分a、bの接点部でリードを挟み込み電気接続を行うことができる。部分a、bは金めっき処理しておくと良い。第1接点77、77−1は、導電性板ばねに形成されたH字状スリット81、又は、十字状スリット81’とすることもできる。
図8を参照して、形態の変形として、導電性板ばね70には、帯状片(板ばね70を展開すると帯状になる)の一端側と他端側に、それぞれ、第1接点71と引っ掛け部72を設け、帯状片の一端側の引っ掛け部72は、帯状片の他端側の第1接点71近傍に係合し、帯状片の他端側の引っ掛け部72は、帯状片の一端側の第1接点71近傍に係合し、帯状片の中央部に、プリント基板1に形成されたスルーホール1’’に連通する貫通孔74(電子部品2のリード線接続端子30が貫通する)を設け、貫通孔74の両サイドを第2接点78としている。穴部75は、帯状片を可能な限り削り取り、半田付け部78に対するストレスを抑制するためのものであり、この場所に限らず、適宜設けると良い。
両接点は、引っ掛け部によって板ばね全体の中で部分的に仮止めされており、振動吸収部77によるフローティング構造のなかで、強固な接点構造を有するので、リード線接続端子30との接点摺動を抑制し接触抵抗を低下させることができる。その他、これまでの実施形態と同様に、着脱可能な構造のため、異常時の対応が容易であり、ハウジングが無いため、コストも安い。さらに、銅などの板材1枚から形成するためにコスト上のメリットが大きく、自動装着機対応可能で、他の部品と同様に実装・リフロー炉にて組付けることができる。図7の部分a、bの第1接点や、貫通孔74の両サイドを第2接点として、複数個所接点を設けることが可能なので、多重接点で信頼性が高くなる。
図9の変形例に示すように、左右にベンド加工を施し、応力吸収用のベンド76とすることで、はんだ付け固定後の応力を吸収してはんだ付け部へのストレスを抑制することができる。
図10(a)は、形態の導電性ばねの平面図であり、(b)は、形態の導電性ばねの正面図であり、(c)は、形態の組付け説明図である。図11は、形態の変形例の説明図である。
形態は、図10(a)〜(c)に示すように、プリント基板1の一方の面上の接続端子1’と、プリント基板の他方の面側に配置された電子部品2の接続端子を電気的に接続する接続構造である。電子部品2のリード線接続端子30は、プリント基板1に形成されたスルーホール1’’を通して、プリント基板の一方の面に突出させて、プリント基板1の一方の面上の接続端子と電気的に接続する。
形態の導電性ばねは、図10(a)に示すように1枚の長方形の板ばね70から曲げ形成された第1接点71−1、71−1と、導電性板ばね70に設けられた第2接点78と、導電性板ばね70に設けられた振動吸収部77−2を具備し、第1接点71−1は、リード線接続端子30に接続し、第2接点78は、プリント基板1の一方の面上の接続端子1’(又は、パット4であっても良い)に半田付けされている。第1接点71−1は、両側から挟みこむことで接触性を向上させる。
図11の場合のR形状とは異なって、第1接点71−1は、図10のように、両側から若干心持食い込むように挟みこんでも良い。この場合には、接点はより強固にリード線接続端子30に固定される。図12は、導電性板ばねに形成した第1接点の変形例を示す図である。第1接点77、77−1は、導電性板ばねに形成されたH字状スリット81(図10(a)の場合を含む)、又は、十字状スリット81’とすることもできる。振動吸収部77は、導電性板ばね70から形成された2つのL字形状部77−1、77−2であり、2つのL字形状部77−1、77−2は、断面直線状(図10の場合)か、U字状(図11の変形例参照)であって、リード線接続端子30を略線対称軸として配置されている。2つのL字形状部77−1、77−2は、これに限定されることなく、4つ等の任意の複数個設けても良い。この場合には、L字形状部のばね力によって基板との平行度が保たれるようになっていればよく、必ずしもリード線接続端子30を略線対称軸としなくても良い。
形態の場合には、両接点は、食い込みによって板ばね全体の中で部分的に仮止めされており、振動吸収部77によるフローティング構造のなかで、強固な接点構造を有する。このため、リード線接続端子30との接点摺動を抑制し接触抵抗を低下させることができる。その他、これまでの実施形態と同様に、着脱可能な構造のため、異常時の対応が容易であり、ハウジングが無いため、コストも安い。さらに、銅などの板材1枚から形成するためにコスト上のメリットが大きく、自動装着機対応可能で、他の部品と同様に実装・リフロー炉にて組付けることができる。
複数の第1接点77、77−1(導電性板ばねに形成されたH字状スリット81、十字状スリット81’)や、2つのL字形状部77−1、77−2の両サイドを第2接点として、複数個所接点を設けることが可能なので、多重接点で信頼性が高くなる。2つのL字形状部77−1、77−2により、摺動吸収部が形成されているので、変位に対しては全方位に対して吸収できる。第1接点77、77−1でリードを挟み込み電気接続を行うので、第1接点77、77−1’(H字状スリット81、十字状スリット81’)は金めっき処理しておくと良い。また、2つのL字形状部77−1、77−2が、U字状(図11)の場合には、左右脚の形状をストレートからR加工にすることでばね性を向上させ、はんだ付け固定後の応力を吸収してはんだ付け部へのストレスを抑制することができる。
1 プリント基板
1’ プリントされた接続端子
1’’ スルーホール
2 電子部品
2’ 接続端子
3 第2パット
4 第1パット
5 隔壁
7 導電性ばね
7−2 第1接点
7−2’ 第2接点
20 ケース

Claims (9)

  1. プリント基板(1)のプリントされた接続端子(1’)と電子部品(2)の接続端子(2’)とを電気的に接続する接続構造であって、該接続構造は、
    前記プリント基板(1)のプリントされた接続端子(1’)に半田付けされた第1パット(4)と、
    前記電子部品(2)の接続端子(2’)に半田付けされた第2パット(3)と、
    前記第1パット(4)と第2パット(3)に、それぞれ、電気的に接続する接点を有する導電性ばね(7)と、
    前記導電性ばね(7)を位置決めする絶縁材の隔壁(5)と、を具備する接続構造において、
    前記第1パット(4)と第2パット(3)の前記接点に対する接続面を、導電性の良好な金属で被覆した接続構造。
  2. 前記導電性ばね(7)は、単線にねじり巻部(7−3)を設け、前記単線の両端部(7−1)を前記隔壁の位置決め穴(5−1)に挿入し、前記両端部のそれぞれの端部(7−1)と前記ねじり巻部(7−3)間に、それぞれ、前記第1パット(4)、第2パット(3)に電気的に接続する第1接点(7−2)、第2接点(7−2’)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の接続構造。
  3. 前記導電性ばね(7)は、コイルばねであることを特徴とする請求項1に記載の接続構造。
  4. 前記第1パット(4)又は第2パット(3)のいずれか一方、若しくは両方の接続面には、前記接点(7−2、7−2’)に対する係合部(40)が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の接続構造。
  5. 前記第1パット(4)又は第2パット(3)のいずれか一方、若しくは両方の接続面には、前記コイルばねの内径に嵌合する凸形台座、又は、前記コイルばねの外径に嵌合する凹形台座が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の接続構造。
  6. 前記隔壁(5)にはコイルばねが軸方向に挿入される穴(5−3’)が設けられて、前記コイルばね(7)を保持可能に構成され、該穴の底面(5−2)には、スリット(5−1)が設けられており、前記第1パット(4)又は第2パット(3)の係合部(40)が、前記スリット(5−1)を貫通して、前記コイルばねを押圧することができるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の接続構造。
  7. 前記隔壁には、コイルばねがコイルばねの軸方向に挿入される貫通穴(5−3)が、設けられており、前記コイルばねの上端(7−5)は前記コイルばねの外径から突出して前記隔壁の上面(5−4)に係止されるように構成されていることを特徴とする請求項3に記載の接続構造。
  8. 前記第1接点(7−2)又は前記第2接点(7−2’)は、1回又は複数回巻き加工されて、前記第1パット(4)又は第2パット(3)の接続面との接触面積が拡大されるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の接続構造。
  9. プリント基板(1)のプリントされた接続端子(1’)と電子部品(2)の接続端子(2’)とを電気的に接続する接続構造であって、該接続構造は、
    前記プリント基板(1)のプリントされた接続端子(1’)に半田付けされた第1パット(4)と、
    前記電子部品(2)の接続端子(2’)に半田付けされた第2パット(3)と、
    前記第1パット(4)と第2パット(3)に、それぞれ、電気的に接続する接点を有するコイルばね(7)と、を具備する接続構造において、
    前記第1パット(4)と第2パット(3)の前記接点に対する接続面を、導電性の良好な金属で被覆し、
    前記第1パット(4)、又は、第2パット(3)には、前記コイルばね(7)の内径と圧入嵌合する凸形台座、又は、前記コイルばねの外径と圧入嵌合する凹形台座が設けられている接続構造。
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