JP5732240B2 - 二剤式染毛剤 - Google Patents

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Description

本発明は、二剤式染毛剤に関する。
従来、二剤式の毛髪脱色剤や染毛剤としては、液状又はクリーム状のものが古くから広く普及している。しかし、これらを毛髪にムラなく塗布するのは慣れない人にとって難しい。髪に適用する混合物の粘度が、放置時のタレ落ち防止のために1000〜10000mPa・s程度と高めになるよう調整されており、均一に剤を広げにくく、また毛髪の根元まで充分に剤を行き渡らせにくいからである。更に、毛髪の根元部分や後頭部への塗布にはブロッキング、合わせ鏡等のスキルが必要とされ、多くの時間も要する。
これに対し、二剤式毛髪脱色剤又は二剤式染毛剤の混合液をノンエアゾールタイプのフォーマー容器から泡状に吐出させるものが知られている(特許文献1)。この毛髪脱色剤又は染毛剤は、第1剤と第2剤の混合液をノンエアゾールタイプのフォーマー容器から泡状に吐出することにより、慣れない人であっても簡単に毛髪にムラなく適用でき、仕上がりに色ムラが生じないものである。簡単に適用できるのでブロッキング、合わせ鏡等のスキルも不要であり、染毛に要する時間も従来に比べはるかに短く済む。このように従来と比べてはるかに優れた性能を有するので、性別、年齢層を問わず幅広い客層に支持されつつある。このため、多くの客層のニーズに合わせて、様々な製品が開発されている。
ここで、特許文献1に記載の二剤式毛髪脱色剤又は二剤式染毛剤は、その混合液が従来の染毛剤の混合液と比べ粘度が1〜300mPa・sと極端に低く、しかもこの混合液をノンエアゾールタイプのフォーマー容器から泡状に吐出させなければならない。従って、低くなりがちな保存安定性を高め、ノンエアゾールフォーマー容器からの吐出性を確保しなければならないといった制約がある中で、脱色剤又は染毛剤としての基本性能も備えている必要がある。このように、ノンエアゾールタイプのフォーマー容器から混合液を泡状に吐出させるタイプの脱色剤又は染毛剤は、古くから知られている液状又はクリーム状の脱色剤又は染毛剤とは要求される物性等が全く異なるため、これら従来の剤型で用いられている処方をそのまま用いることができなかった。例えば脱色又は染色後の感触を向上させるために、液状又はクリーム状の剤型では、シリコーンや高級アルコールといった成分を大量に含有させることがあるが、このような処方をノンエアゾールフォーマー容器向けに単に転用しても良好な泡として吐出させることができない。よってノンエアゾールフォーマー容器を用いた二剤式染毛剤の処方は、ノンエアゾールフォーマー容器用に検討が必要である。
このため、特許文献1の二剤式毛髪脱色剤又は二剤式染毛剤においては、感触向上のために、カチオン性ポリマーが用いられているが、幅広い客層に商品を届けるためには、様々な流通経路を辿ることを念頭に商品開発を行わなければならない。そのために、特許文献1に記載の二剤式毛髪脱色剤又は二剤式染毛剤の商品開発においては、従来よりも一層厳しい保存安定性を満たす必要にせまられてきている。
特開2004-339216号公報
発明者らは、色のバリエーションを増やすべく毛髪に濃厚な色あいを付与することと、より優れた感触を求めて、第1剤に特定の酸化染料を高濃度に配合し、かつカチオン性ポリマーの中でもより良い感触が得られるジアリルジメチル4級アンモニウム塩モノマーの比率が一定以上である重合体又は共重合体を配合し、従来よりも更に厳しい条件(低温)で保存安定性試験を行ったところ、わずかに濁りが生じることに気づいた。この濁りは室温に戻せば消滅するものの、一旦濁りが生じた第1剤を用いて混合液を作り、ノンエアゾールフォーマー容器から泡を吐出させたところ、泡質がやや落ちることが判明した。
従って本発明の課題は、ノンエアゾール式二剤式染毛剤において、第1剤が特定の酸化染料を高濃度に含有し、ジアリルジメチル4級アンモニウム塩モノマーの比率が一定以上である重合体又は共重合体を含有することで、毛髪に濃厚な色あいを付与することができると共に、優れた感触が得られ、これらの成分を共存させているにもかかわらず、氷点下での保存にも優れた安定性を有し、そのような低温での保存後にも、ノンエアゾールフォーマー容器からの泡吐出性に優れ、しかも染毛剤として求められる基本的な性能も備え、ノンエアゾール式二剤式染毛剤特有の効果が得られる二剤式染毛剤を提供することにある。
本発明者らは、上記のようなノンエアゾール式二剤式染毛剤において、ポリオキシアルキレン型非イオン界面活性剤を用いることにより、上記課題が解決されることを見出した。
本発明は、アルカリ剤を含有する第1剤と過酸化水素を含有する第2剤、及び第1剤と第2剤の混合液を泡状に吐出するノンエアゾールフォーマー容器からなり、第1剤中に次の成分(A)〜(C)を含有し、第1剤中の成分(A)と成分(B)との質量比(A)/(B)が0.3以下であり、混合液の粘度が1〜300mPa・sである二剤式染毛剤を提供するものである。
成分(A):レゾルシン 0.9〜1.7質量%
成分(B):ポリオキシアルキレン型非イオン界面活性剤
成分(C):ジアリルジメチル4級アンモニウム塩モノマーのモル分率が70%以上である重合体又は共重合体
本発明の二剤式染毛剤は、第1剤が特定の酸化染料を高濃度に含有し、ジアリルジメチル4級アンモニウム塩モノマーの比率が一定以上である重合体又は共重合体を含有することで、毛髪に濃厚な色あいを付与することができると共に、優れた感触が得られ、これらの成分を共存させているにもかかわらず、氷点下での保存にも優れた安定性を有し、そのような低温での保存後にも、ノンエアゾールフォーマー容器からの泡吐出性に優れ、しかも染毛剤として求められる基本的な性能も備え、ノンエアゾール式二剤式染毛剤特有の効果が得られる。
〔アルカリ剤〕
第1剤中にはアルカリ剤を含有する。アルカリ剤としては、アンモニア及びその塩; モノエタノールアミン、イソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール、2-アミノブタノール等のアルカノールアミン及びその塩; 1,3-プロパンジアミン等のアルカンジアミン及びその塩; 炭酸グアニジン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の炭酸塩等が挙げられる。これらのアルカリ剤は、2種以上を併用してもよく、またその含有量は、十分な染毛・脱色効果の点、及び毛髪損傷や頭皮刺激の低減の点から、混合液中の0.05〜15質量%が好ましく、更に0.1〜10質量%、特に0.2〜5質量%が好ましい。
〔過酸化水素〕
第2剤中の過酸化水素の含有量は、1〜9質量%、特に3〜6質量%が好ましく、第1剤と第2剤の混合液中における過酸化水素の含有量は、1〜6質量%、特に2〜5質量%が好ましい。また、第2剤のpHは、過酸化水素の分解抑制のため、2〜6、特にpH2.5〜4とすることが好ましい。
〔(A):レゾルシン〕
第1剤には成分(A)として、レゾルシンを含有する。レゾルシンの含有量は、毛髪に濃厚な色あいを付与する観点から、第1剤中の0.9〜1.7質量%であり、好ましくは1〜1.6質量%、更には1.1〜1.5質量%である。
〔(B):ポリオキシアルキレン型非イオン界面活性剤〕
第1剤には成分(B)として、ポリオキシアルキレン型非イオン界面活性剤を含有する。ポリオキシアルキレン型非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油等が挙げられる。
これらのうち、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステルが好ましい。
成分(B)の含有量は、第1剤中の3〜30質量%、更には4〜20質量%、特に5〜10質量%が好ましい。また、ポリオキシアルキレン型非イオン界面活性剤は、第1剤に上記の濃度含まれる以外に、更に第2剤にも含まれていてもよい。
第1剤中の成分(A)と成分(B)との質量比(A)/(B)は、低温での良好な保存安定性の観点から、0.3以下であることが必要であり、好ましくは0.03〜0.25、更に好ましくは0.05〜0.2である。
〔(C):ジアリルジメチル4級アンモニウム塩モノマーのモル分率が70%以上である重合体又は共重合体〕
成分(C)の重合体又は共重合体は、より優れた感触を得る観点より、ジアリルジメチル4級アンモニウム塩モノマーのモル分率が70%以上であることを必要とし、当該モル分率が80%以上、更には90%以上であることが好ましい。なお、共重合体である場合、他のモノマーは、共重合可能なモノマーであれば限定はないが、アクリル酸又はアクリルアミドを含むことが好ましい。そのような重合体又は共重合体としては、市販品としてマーコート100(モル分率100%)、マーコート295(モル分率95%)(以上、Nalco社製)等が挙げられる。
一方、成分(C)は、成分(A)との相互作用により氷点下での保存で沈殿を生ずることがある。従って、優れた感触を得ると共に、そのような沈殿を防止する観点から、成分(C)の含有量は、第1剤中の0.001〜4質量%、更には0.01〜3質量%、特に0.1〜2質量%が好ましい。また、成分(C)の重合体又は共重合体は、第1剤中に上記の濃度含まれる以外に、更に第2剤にも含まれていてもよい。
〔成分(D):パラアミノフェノール〕
第1剤には、酸化染料中間体として、染毛により赤みのある色を出すため、成分(A)のレゾルシンに加え、パラアミノフェノールを含有させることができる。パラアミノフェノールの含有量は、氷点下での保存安定性と、そのような保存を行った第1剤を用いて混合液の泡を良好なものとして吐出させる観点から、第1剤中の0〜0.8質量%が好ましく、更には0.05〜0.7質量%、更には0.1〜0.6質量%が好ましい。
〔(E):N-アシルアミノ酸塩、N-アシル-N-アルキルアミノ酸塩、又はエーテルカルボン酸塩〕
第1剤と第2剤の混合液中には、更に成分(E)として、N-アシルアミノ酸塩、N-アシル-N-アルキルアミノ酸塩、又はエーテルカルボン酸塩を含有させることができる。かかる成分(E)は、成分(C)との相互作用により、第1剤と第2剤の混合液を水で希釈した時に生成する複合体が髪の表面を覆うことによって、シャンプー堅牢性を向上させることが期待される。
ここで、N-アシルアミノ酸塩のアミノ酸残基としては、グルタミン酸、アスパラギン酸等が挙げられ、N-アシル-N-アルキルアミノ酸塩のアミノ酸残基としては、グルタミン酸、グリシン、β-アラニン等が挙げられる。また、N-アシル-N-アルキルアミノ酸塩のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル基等が挙げられる。また、アシル基としては、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル基等が挙げられ、これらの塩としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン(以下、TEAと略す)等の各塩が挙げられる。これらの好ましい具体例として、N-アシルアミノ酸としては、N-ラウロイルグルタミン酸、N-ミリストイルグルタミン酸、N-ココイルグルタミン酸等が挙げられ、N-アシル-N-アルキルアミノ酸としては、N-ラウロイル-N-イソプロピルグリシン、N-ラウロイルサルコシン、N-ミリストイルサルコシン、N-パルミトイルサルコシン、N-ラウロイル-N-メチル-β-アラニン等が挙げられる。
エーテルカルボン酸塩としては、ポリグリセリルアルキルエーテル酢酸塩又は次の一般式(1)で表されるエーテル酢酸塩が挙げられる。
R-Z-(CH2CH2O)m-CH2CO2X (1)
〔式中、Rは炭素数7〜19の直鎖又は分岐鎖のアルキル基又はアルケニル基を示し、Zは−O−又は−CONH−を示し、Xは水素原子、アルカリ金属、トリエタノールアミン又はアンモニウムを示し、mは1〜20の数を示す。〕
上記エーテル酢酸塩において、Rの炭素数が11〜15のものが好ましい。また、mは3〜15であることが好ましく、6〜12が特に好ましい。具体例としては、ポリオキシエチレン(10)ラウリルエーテル酢酸(一般式(1)中、R=C1225、Z=−O−、m=10)、ポリオキシエチレン(8)ミリスチルエーテル酢酸(一般式(1)中、R=C1429、Z=−O−、m=8)、ラウリン酸アミドポリオキシエチレン(6)エーテル酢酸(一般式(1)中、R=C1123、Z=−CONH−、m=6)、ラウリン酸アミドポリオキシエチレン(10)エーテル酢酸(一般式(1)中、R=C1123、Z=−CONH−、m=10)等が挙げられる。またその中和度は60〜120%であるのが好ましく、対イオンXとしては、アルカリ金属、特にカリウムが好ましい。エーテル酢酸塩としては、ポリオキシエチレントリデシルエーテル酢酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル酢酸塩等が挙げられ、塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。
第1剤と第2剤の混合液における成分(E)の含有量は、0.5〜5質量%、更には0.7〜4.5質量%、特に1〜3.5質量%が好ましい。また、成分(E)のN-アシルアミノ酸塩、N-アシル-N-アルキルアミノ酸塩、又はエーテルカルボン酸塩は、第1剤、第2剤のいずれに含まれてもよい。
〔成分(E)と成分(C)の比率〕
第1剤と第2剤との混合液中の成分(E)と成分(C)の比率は、第1剤と第2剤とを混合した際には内容物が安定して存在して分離せず、しかも水で希釈すると分離する観点より、成分(E)のアニオンサイトと成分(C)のカチオンサイトとの当量比(アニオン/カチオン)が1より大きい値になるように調整するのが好ましい。更には、当該比が1.1〜20、特に1.2〜10となるように調整することが好ましい。
〔成分(A)及び(D)以外の染料〕
本発明の二剤式染毛剤は、第1剤に成分(A)のレゾルシン及び成分(D)のパラアミノフェノール以外の酸化染料中間体又は直接染料を含有することができる。
(酸化染料中間体)
酸化染料中間体としては、通常染毛剤に使用されている公知のプレカーサー及びカプラーを用いることができる。プレカーサーとしては、例えばパラフェニレンジアミン、トルエン-2,5-ジアミン、2-クロロ-パラフェニレンジアミン、N-メトキシエチル-パラフェニレンジアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-パラフェニレンジアミン、2-(2-ヒドロキシエチル)-パラフェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラフェニレンジアミン、4,4′-ジアミノジフェニルアミン、1,3-ビス(N-(2-ヒドロキシエチル)-N-(4-アミノフェニル)アミノ)-2-プロパノール、PEG-3,3,2′-パラフェニレンジアミン、パラメチルアミノフェノール、3-メチル-4-アミノフェノール、2-アミノメチル-4-アミノフェノール、2-(2-ヒドロキシエチルアミノメチル)-4-アミノフェノール、オルトアミノフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ-6-メチルフェノール、2-アミノ-5-アセタミドフェノール、3,4-ジアミノ安息香酸、5-アミノサリチル酸、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノ-4-ヒドロキシピリミジン、4,5-ジアミノ-1-(4′-クロロベンジル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-ヒドロキシエチルピラゾールとこれらの塩等が挙げられる。
また、カプラーとしては、例えばメタフェニレンジアミン、2,4-ジアミノフェノキシエタノール、2-アミノ-4-(2-ヒドロキシエチルアミノ)アニソール、2,4-ジアミノ-5-メチルフェネトール、2,4-ジアミノ-5-(2-ヒドロキシエトキシ)トルエン、2,4-ジメトキシ-1,3-ジアミノベンゼン、2,6-ビス(2-ヒドロキシエチルアミノ)トルエン、2,4-ジアミノ-5-フルオロトルエン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、メタアミノフェノール、2-メチル-5-アミノフェノール、2-メチル-5-(2-ヒドロキシエチルアミノ)フェノール、2,4-ジクロロ-3-アミノフェノール、2-クロロ-3-アミノ-6-メチルフェノール、2-メチル-4-クロロ-5-アミノフェノール、N-シクロペンチル-メタアミノフェノール、2-メチル-4-メトキシ-5-(2-ヒドロキシエチルアミノ)フェノール、2-メチル-4-フルオロ-5-アミノフェノール、2-メチルレゾルシン、4-クロロレゾルシン、1-ナフトール、1,5-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン、2-イソプロピル-5-メチルフェノール、4-ヒドロキシインドール、5-ヒドロキシインドール、6-ヒドロキシインドール、7-ヒドロキシインドール、6-ヒドロキシベンゾモルホリン、3,4-メチレンジオキシフェノール、2-ブロモ-4,5-メチレンジオキシフェノール、3,4-メチレンジオキシアニリン、1-(2-ヒドロキシエチル)アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、2,6-ジヒドロキシ-3,4-ジメチルピリジン、2,6-ジメトキシ-3,5-ジアミノピリジン、2,3-ジアミノ-6-メトキシピリジン、2-メチルアミノ-3-アミノ-6-メトキシピリジン、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、2,6-ジアミノピリジンとこれらの塩等が挙げられる。
プレカーサーとカプラーはそれぞれ2種以上を併用してもよく、プレカーサーとカプラーそれぞれの含有量は、成分(A)のレゾルシン及び成分(D)のパラアミノフェノール以外の総量として、混合液中の0.01〜5質量%、特に0.1〜4質量%が好ましい。
(直接染料)
直接染料としては、酸性染料、ニトロ染料、分散染料、塩基性染料等が挙げられる。酸性染料としては、青色1号、紫色401号、黒色401号、だいだい色205号、赤色227号、赤色106号、黄色203号、アシッドオレンジ3等が挙げられ、ニトロ染料としては、2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、2-アミノ-6-クロロ-4-ニトロフェノール、3-ニトロ-p-ヒドロキシエチルアミノフェノール、4-ニトロ-o-フェニレンジアミン、4-アミノ-3-ニトロフェノール、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール、HCブルーNo.2、HCオレンジNo.1、HCレッドNo.1、HCイエローNo.2、HCイエローNo.4、HCイエローNo.5、HCレッドNo.3、N,N-ビス-(2-ヒドロキシエチル)-2-ニトロ-p-フェニレンジアミン等が挙げられ、分散染料としては、ディスパーズバイオレット1、ディスパーズブルー1、ディスパーズブラック9等が挙げられ、塩基性染料としては、ベーシックブルー99、ベーシックブラウン16、ベーシックブラウン17、ベーシックレッド76、ベーシックレッド51、ベーシックイエロー57、ベーシックイエロー87、ベーシックオレンジ31等が挙げられる。
直接染料は、2種以上を併用してもよく、酸化染料中間体と併用してもよい。またその含有量は、混合液中の0.001〜5質量%、特に0.01〜3質量%が好ましい。
〔成分(B)及び成分(E)以外の界面活性剤〕
本発明の二剤式染毛剤の保存安定性を良好なものとし、フォーマー容器の泡吐出手段によって空気と毛髪化粧料が混合されることで容易に泡が形成され、かつその泡が安定となるようにするため、第1剤と第2剤のいずれか一方、又は両方に、更に成分(B)及び成分(E)以外の界面活性剤を含有させることができる。
(成分(B)以外の非イオン界面活性剤)
成分(B)以外の非イオン界面活性剤としては、アルキルポリグルコシド、アルキルグリセリルエーテル等が挙げられる。アルキルポリグルコシドとしては、アルキル基の炭素数が8〜18、更には8〜14、特に9〜11であるものが好ましく、またこのアルキル基が直鎖であるものが好ましい。グルコシドの平均縮合度は1〜5、特に1〜2が好ましい。アルキルグリセリルエーテルとしては、アルキル基の炭素数が8〜18、特に8〜12であるものが好ましく、またこのアルキル基が分岐鎖であるものが好ましい。
これら成分(B)以外の非イオン界面活性剤、二種以上を併用することもでき、第1剤と第2剤の混合液中における含有量は、0.1〜5質量%が好ましく、更には0.5〜4質量%、特に1〜3質量%が好ましい。
(成分(E)以外のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及び両性界面活性剤)
成分(E)以外のアニオン界面活性剤としては、アニオン界面活性剤としては、アルキル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩等の硫酸エステル界面活性剤;脂肪酸塩、コハク酸アルキル又はコハク酸アルケニルの塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、脂肪酸アミドエーテル酢酸塩等のカルボン酸界面活性剤;アルキルリン酸塩、アルキルエーテルリン酸塩等のリン酸エステル界面活性剤;スルホコハク酸塩、イセチオン酸塩、タウリン塩、アルキルベンゼンスルホン酸、α-オレフィンスルホン酸、アルカンスルホン酸等のスルホン酸界面活性剤等のアニオン界面活性剤が挙げられる。好ましくはアルキル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸塩が挙げられ、そのアルキル基の炭素数が10〜24、特に炭素数が12〜18であるものが好ましく、またこのアルキル基が直鎖であるものが好ましい。また、ポリオキシアルキレンアルキル硫酸塩、特にポリオキシエチレンアルキル硫酸塩がより好ましく、なかでもオキシエチレン基の平均付加モル数が1〜10、特に2〜5であるものが好ましい。
カチオン界面活性剤としては、モノ長鎖アルキル4級アンモニウム塩が好ましく、具体的には、セトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド、ステアラルコニウムクロリド、ベンザルコニウムクロリド等が挙げられ、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリドがより好ましい。カチオン界面活性剤の市販品としては、コータミン86W、同86P コンク、同60W 、同D2345P(以上、花王社製)、ニッコール CA-2580(日本サーファクタント工業社製)が挙げられる
両性界面活性剤としては、炭素数8〜24のアルキル基、アルケニル基又はアシル基を有するカルボベタイン系、アミドベタイン系、スルホベタイン系、ヒドロキシスルホベタイン系、アミドスルホベタイン系、ホスホベタイン系、イミダゾリニウム系の界面活性剤が挙げられ、なかでもカルボベタイン系界面活性剤、スルホベタイン系界面活性剤が好ましい。好ましい両性界面活性剤としては、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン等が挙げられる。
これら成分(E)以外のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤及び両性界面活性剤は、二種以上を併用することもでき、第1剤と第2剤の混合液中における含有量は、成分(C)と成分(E)との相互作用に影響を与えない観点から0〜1質量%が好ましく、更には0〜0.8質量%、特に0〜0.6質量%が好ましい。
〔油剤〕
本発明の二剤式染毛剤には、吐出させる混合液の泡を安定化させる観点から、更に油剤を含有させることができる。このような油剤としては、スクワレン、スクワラン、流動パラフィン、流動イソパラフィン、シクロパラフィン等の炭化水素類;ヒマシ油、カカオ油、ミンク油、アボガド油、オリーブ油等のグリセリド類;ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、カルナウバロウ等のロウ類;パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ラウリン酸ヘキシル、乳酸セチル、モノステアリン酸プロピレングリコール、オレイン酸オレイル、2-エチルヘキサン酸ヘキサデシル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸トリデシル等のエステル類;カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸、イソステアリル酸、イソパルミチン酸等の高級脂肪酸類;ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、2-オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール類;その他イソステアリルグリセリルエーテル、ポリオキシプロピレンブチルエーテルなどが挙げられる。これらのうち、高級アルコール類が好ましく、特にミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコールが好ましい。
第1剤と第2剤の混合液における油剤の含有量は、0.01〜3質量%、更には0.03〜2.5質量%、特に0.05〜2質量%が好ましい。
〔シリコーン類〕
本発明の二剤式染毛剤には、吐出させた泡が長時間維持できる観点からは、第1剤と第2剤の混合液中にシリコーンを含有しないことが好ましいが、泡を頭髪に滑らかになじませるため、また頭髪に高いコンディショニング効果を付与するため、一定範囲内で、更にシリコーン類を含有させることもできる。シリコーン類としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、オキサゾリン変性シリコーンエラストマー等、及びこれらを界面活性剤により水中に分散させたエマルションが挙げられる。これらのうち、増粘剤を用いることなく安定に水中に分散可能な点から、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン及びこれらのエマルションが好ましい。
ポリエーテル変性シリコーンには、末端変性及び側鎖変性のもの、例えばペンダント型(櫛型)、両末端変性型、片末端変性型のものなどが含まれる。このような変性シリコーンとしては、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体等が挙げられる。ポリエーテル変性シリコーンとしては、HLB10以上、特にHLB10〜18のものが、水との相溶性の点から好ましい。ここで、HLBは、曇数(曇数:HLBと相関のある指標でエーテル型非イオン界面活性剤に適用される)から求めた値によるものである。
アミノ変性シリコーンとしては、アミノ基又はアンモニウム基を有しているものであればよいが、アモジメチコーンが好ましい。
第1剤と第2剤の混合液中にシリコーン類を加える場合におけるシリコーン類の含有量は、起泡性を妨げずに、泡を頭髪に滑らかになじませるため、また頭髪に高いコンディショニング効果を付与するため、2質量%以下が好ましく、更には0.005〜1質量%、特に0.01〜0.5質量%が好ましい。
〔媒体〕
本発明の組成物には、媒体として、水及び必要により有機溶剤が使用される。有機溶剤としては、エタノール、2-プロパノール等の低級アルカノール類、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール等の芳香族アルコール類、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン等のポリオール類、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ベンジルセロソルブ等のセロソルブ類、エチルカルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類が挙げられる。
〔その他任意成分〕
本発明の組成物には、上記成分のほかに通常化粧品原料として用いられる他の成分を加えることができる。このような任意成分としては、動植物油脂、天然又は合成の高分子、エーテル類、蛋白誘導体、加水分解蛋白、アミノ酸類、防腐剤、キレート剤、安定化剤、酸化防止剤、植物性抽出物、生薬抽出物、ビタミン類、香料、紫外線吸収剤が挙げられる。
〔pH〕
本発明の組成物のpH(25℃)は、脱色・染毛効果と皮膚刺激性の点から、使用時(混合時)において、8〜12、更には9〜11、特に9〜10が好ましい。pH調整剤としては、前記のアルカリ剤のほか、塩酸、リン酸等の無機酸、クエン酸、グリコール酸、乳酸等の有機酸、リン酸二水素一カリウム、リン酸一水素二ナトリウム等のリン酸塩等が挙げられる。
〔粘度〕
第1剤の粘度(25℃)は、好ましくは1〜50mPa・s、より好ましくは3〜40mPa・s、更に好ましくは5〜30mPa・sである。第2剤の粘度(25℃)は、好ましくは1〜300mPa・s、より好ましくは3〜200mPa・s、更に好ましくは5〜100mPa・sである。第1剤と第2剤の混合液の粘度(25℃)は、1〜300mPa・sであり、5〜200mPa・s、特に10〜100mPa・sが好ましい。なお、ここでの粘度は、25℃、B型回転粘度計で、ローターNo.1を用い、測定対象が100mPa・s以下の場合の回転速度は60rpm、100〜200mPa・sの場合は30rpm、200mPa・s以上の場合は12rpmで測定する。回転数の大きい測定から順番に行い、表示が振り切れることなく測定できた時点で測定を完了し、以降の回転数の小さい測定は行わない。なお、測定は25℃の恒温槽において測定するものとし、第1剤と第2剤とを混合後ただちに測定するものとし、反応熱による温度変化は無視するものとする。
第1剤と第2剤の混合液の粘度が上記範囲となるように調整することにより、塗布しやすい泡体積を実現することができ、かつ混合液が毛髪に塗布された後の垂れ落ちを抑制することができると共に、スクイズフォーマーなどで泡を吐出する際にスクイズしやすくなる。混合液の粘度を前述の範囲に調整するためには、エタノール等の水溶性溶剤を添加したり、あるいは界面活性剤、ポリオール類、高級アルコール等の含有量や種類を適宜調整したりすればよい。
〔気液混合比〕
フォーマー容器の泡吐出手段による空気と混合液との気液混合比は、剤の髪への馴染み易さ及び塗り易さの点から、7〜40mL/gが好ましく、15〜30mL/gがより好ましい。なお、ここでの気液混合比は次のようにして測定した値である。
まず、25℃で吐出した泡の重量と体積を測定することにより気液混合比を求める。スクイズフォーマー容器(大和製罐社、容積210mL、メッシュの粗さ(目開き)は混合室150メッシュ(1インチ(25.4mm)あたり150の桝目)、先端200メッシュ)に混合液を100g入れ、残量が80gの時点から、20gの泡を1000mLのメスシリンダーに吐出し、吐出開始から1分後に泡の体積を測定する。この吐出された泡の容積(mL)を重量20gで割ることにより気液混合比(mL/g)が得られる。
〔フォーマー容器〕
本発明において、フォーマー容器は、ノンエアゾールタイプの容器であって、第1剤と第2剤の混合液を、噴射剤を使用することなく空気と混合して泡状に吐出させるために使用する。フォーマー容器の使用により、吐出させた剤の飛び散りを防止できるという効果も得られる。特に、ノンエアゾールタイプの容器は、エアゾールタイプの容器に比べて、製品を安価に製造可能であり、高圧ガスの噴射剤が不要であるため、製品を流通においてより安全に取り扱うことができる。
フォーマー容器としては、泡吐出手段を有する公知のポンプフォーマー容器、スクイズフォーマー容器、電動式泡立て器、蓄圧式ポンプフォーマー容器等を使用することができる。より具体的には、例えば、食品と容器(vol.35, No.10, p588〜593(1994); vol.35, No.11, p624〜627(1994); vol.36, No.3, p154〜158(1995))に記載のポンプフォーマーE3タイプ、同F2タイプ(以上、大和製罐社)、スクイズフォーマー(大和製罐社)、電動泡立て器(松下電工社)、エアスプレーフォーマー(エアスプレーインターナショナル社)等が挙げられる。本発明の二剤式染毛剤に用いるフォーマー容器としては、安価で使い勝手が良いことから、ポンプフォーマー容器及びスクイズフォーマー容器が好ましい。
ポンプフォーマー容器又はスクイズフォーマー容器は、ネット等の泡生成部分を有するものであり、1剤と2剤との混合液が乾燥固化して目詰まりを起こした場合に、次回の吐出時に泡の流れによって、直ちに固化物を溶解して目詰まりを解消できるという点から薄肉のネットを有することが好ましい。この場合、ネットのメッシュとしては、50〜280メッシュ、更には90〜250メッシュ、更には130〜220メッシュが好ましい。ここで、メッシュとは、1インチ当たりの目の数をいう。この範囲のメッシュのネットを使用することにより、クリーミーな泡を生成することができる。また、このようなメッシュの材質としては、ナイロン、ポリエステル等を好ましく例示することができる。
本発明の二剤式染毛剤において使用するフォーマー容器には、このようなネットを少なくとも一枚、好ましくは複数枚配設し、特に経済性、泡の安定性等の点から2枚配設することが好ましい。
フォーマー容器において、内容物に接触する部分(容器内壁,泡吐出手段内壁等)は、アルカリ及び過酸化水素により腐食せず、また、過酸化水素の分解により発生した酸素が透過する材質で構成することが好ましい。
第1剤、第2剤及びフォーマー容器からなる本発明の二剤式染毛剤の製品形態としては、第1剤又は第2剤をそれぞれフォーマー容器と別個の容器に充填し、使用時に双方の剤をフォーマー容器に移し入れ、混合するようにしてもよいが、一方の剤をフォーマー容器に充填し、他方の剤を別個の容器に充填し、使用時に、他方の剤をフォーマー容器内に移し入れるようにしてもよい。この場合、第2剤は、過酸化水素の分解によって生じる酸素のために容器内の圧力が上昇することを防止するため、ガス透過性のある容器、特に酸素透過性のある材質(例えば、ポリエチレン)から成るフォーマー容器に充填することが好ましい。一方、第1剤は、酸化染料の酸化を防止するため、酸素が透過し難い容器を用いる必要がある。
〔使用方法〕
本発明の二剤式泡状染毛剤を使用して毛髪(特に頭髪)を染色するには、予め毛髪を梳かしておくことが好ましい。これにより、後述する再度泡立てる処理中に毛髪がからみにくくなるので、混合液が飛び散るおそれがない。また、毛髪を梳かした後、染毛剤組成物の適用で汎用されているブロッキング操作を行う必要はなく、更にはブロッキング操作を行わないことが好ましい。これにより、後述する染毛剤組成物を毛髪に適用する操作や再度泡立てる操作がやりやすくなる。次いで、本発明の二剤式染毛剤の第1剤と第2剤をフォーマー容器内で混合する。その容器から吐出される泡状の混合液を、直接毛髪に適用してもよく、手又はブラシなどの道具を使って毛髪に適用してもよい。剤の飛び散りや液ダレを防止する観点から、(手袋をした)手にいったん取った後、毛髪に適用することがより好ましい。
塗布後は3〜60分程度、好ましくは5〜45分程度放置する。この際、放置の間の液ダレを一層防止し、毛髪の根元にも混合液を十分に行き亘らせる観点から、毛髪上で再度泡立てることが好ましい。再度泡立てるには、ガスを注入しても、振動機やブラシのような器具を用いても、あるいは指を用いてもよいが、指を用いるのがより好ましい。
ここで再度泡立てる時期は、完全に泡が消えた後であってもよく、泡が消える途中であってもよく、あるいは適用した泡が変化する前であってもよい。あるいは泡を適用したい範囲全てに適用完了した後であっても、適用途中であってもよい。再度泡立てるのは、連続的に1回行ってもよく、断続的に複数回繰り返してもよい。
これらの操作の後、混合液を洗い流す。その後、適宜シャンプーやリンスをした後水洗して、髪を乾燥させる。
実施例1〜9及び比較例1〜5
表1に示す配合組成(質量%)の第1剤と、下記処方の第2剤を調製し、それぞれ容器に封入した。第1剤と第2剤は、混合比(質量比)1:1.5で、スクイズフォーマー(大和製罐社、容積210mL、メッシュの粗さは混合室150メッシュ、先端200メッシュ、空気導入路の最狭部の開口面積の合計は0.27mm2、ディップチューブの内径はφ1.6mm)内で混合し、泡状に吐出させる。
この第1剤を用いて低温安定性を評価し、容器から吐出させた第1剤と第2剤の混合液の泡を用いて「外観」、「染毛性」、「感触」、「均染性」、「塗りやすさ」を評価した。混合液の粘度は、実施例・比較例共に約20mPa・sであった。
これら評価項目について、以下の基準に従って、専門パネラー5名により評価を行い、合計点を表1の配合組成の下欄に示した。
なお、実施例6及び7は参考例であって、特許請求の範囲に包含されるものではない。
第2剤処方
(質量%;Active量)
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 0.84
ポリオキシエチレン(40)セチルエーテル 0.55
セタノール 0.88
ミリスチルアルコール 0.25
ヒドロキシエタンジホスホン酸 0.0402
硫酸オキシキノリン(2) 0.040
水酸化ナトリウム 0.01584
過酸化水素 5.7015
水 残量
低温安定性
第1剤を−5℃にて1週間保存した後、その外観を下記基準に従って評価した。
2:透明である。
1:光にかざすと白濁のゆらぎが見える。室温の場所に戻すと直ちに透明になる。
0:白濁するが室温の場所に戻すと1〜2時間で透明になる。
−1:容器の向こう側が見えない程度に白濁する。室温の場所に戻して透明になるまでに半日程度かかる。
−2:白色の粘稠物が析出する。室温の場所に戻して透明になるまでに半日程度かかる。
室温で吐出させた泡の外観
前項の低温安定性の評価に用いた第1剤を室温になるまで静置した。一方で室温に保管しておいた第2剤を用意した。両者を均一になるように混合して、直ちにスクイズフォーマーから吐出させたときの泡の外観を評価した。
2:とても保形性が良く、きめがとても細かな泡
1:保形性が良く、きめが細かな泡
0:保形性が良く、きめがやや粗い泡
−1:ややゆるい泡で、きめが粗い泡
−2:水っぽい泡で、大きな泡が多数混じった粗い泡
泡持ち
髪をあごのラインで切り揃えるようにカットしたウイッグ(ビューラックス社、No.755s、毛髪全体の質量を約70gにした)に、25℃で吐出させた泡70gを押し当てるようにして塗布し、均一になじませた後、放置した。
2:非常に持続性が高く、放置時まで泡が持続する。
1:十分な持続性を有し、塗布後もしばらく泡が持続する。
0:塗布する上で問題のない持続性を有するが、塗布した後すぐに泡が消える。
−1:塗布する上で問題のない持続性を有するが、塗布した後すぐに泡が消え、しばらくして液ダレを生じる。
−2:吐出後すぐに泡が消え、塗布中に液ダレを生じることがある。
染毛性
前項で吐出させた泡1gを、ビューラックス社製中国人白髪のトレスBM-W(A)(10cm、1g)に押し当てるようにして塗布し、均一になじませた。30分間放置した後、トレスを軽く水洗、シャンプーし、乾燥した。染まりの濃厚さについて、下記基準に従って評価した。
2:濃厚な染色が得られる
1:やや濃厚な染色が得られる
0:普通
−1:染色がやや薄い
−2:染色が薄い
感触
前項で染毛性の評価に用いた染毛後のトレスを触って感触を評価した。
2:良い
1:やや良い
0:ふつう
−1:やや悪い
−2:悪い
均染性
髪をあごのラインで切り揃えるようにカットしたウイッグ(ビューラックス社、No.755s、毛髪全体の質量を約70gにした)に、25℃で吐出させた泡70gを押し当てるようにして塗布し、均一になじませた。30分間放置した後、トレスを軽く水洗、シャンプーし、乾燥した。均染性について、下記基準に従って評価した。
2:色ムラが無く、極めて均一な染まり
1:ほとんど色ムラが無く、均一な染まり
0:どちらとも言えない
−1:やや色ムラが見られる
−2:色ムラが大きい
塗りやすさ
前項の均染性の評価をする際に、泡の塗りやすさについて、下記基準に従って評価した。
2:毛髪の上に泡を押し当てるだけで根元までしっかり剤がなじむ
1:手グシで簡単に剤を根元までなじませることができる
0:どちらとも言えない
−1:毛量の多い後頭部の根元等、場所によって剤がなじみにくい場合がある
−2:なじみが悪く、根元などを塗り残す
Figure 0005732240

Claims (7)

  1. アルカリ剤を含有する第1剤と過酸化水素を含有する第2剤、及び第1剤と第2剤の混合液を泡状に吐出するノンエアゾールフォーマー容器からなり、第1剤中に次の成分(A)〜(C)を含有し、第1剤中の成分(A)と成分(B)との質量比(A)/(B)が0.2以下であり、混合液の粘度が1〜300mPa・sである二剤式染毛剤。
    成分(A):レゾルシン 0.9〜1.7質量%
    成分(B):ポリオキシアルキレン型非イオン界面活性剤
    成分(C):ジアリルジメチル4級アンモニウム塩モノマーのモル分率が70%以上である重合体又は共重合体
  2. 更に、次の成分(D)を第1剤中に含有する請求項1記載の二剤式染毛剤。
    成分(D):パラアミノフェノール 0〜0.8質量%
  3. 更に、次の成分(E)を混合液中に含有し、混合液における成分(E)のアニオンサイトと成分(C)のカチオンサイトとの当量比(アニオン/カチオン)が1より大きい請求項1又は2記載の二剤式染毛剤。
    成分(E):N-アシルアミノ酸塩、N-アシル-N-アルキルアミノ酸塩、又はエーテルカルボン酸塩
  4. 第1剤中の成分(B)が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、及びポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油から選択される少なくとも1種である請求項1〜3のいずれかに記載の二剤式染毛剤。
  5. 第1剤中に成分(B)を3〜30質量%含有する請求項1〜4のいずれかに記載の二剤式染毛剤。
  6. 第1剤中に成分(C)を0.001〜4質量%含有する請求項1〜5のいずれかに記載の二剤式染毛剤。
  7. 第1剤と第2剤の混合液中に成分(E)を0.5〜5質量%含有する請求項3〜6のいずれかに記載の二剤式染毛剤。
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