JP5731820B2 - タイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法 - Google Patents

タイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法 Download PDF

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本発明は、タイヤのサイドウォール表面において発生する最大歪の値、最大歪の発生位置等を解析し、検出するためのタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法に関する。
高品質のタイヤを製造するためには、タイヤに発生する最大歪の値、最大歪の発生位置等を正確に解析し、検出することが必要となる。
特に、サイドウォール部は、トレッド部とは異なり、変形し易く、変形量も大きく、表面に文字や飾り等の凸部があるため、クラックが発生し易く、タイヤの耐久性に大きな影響を与える。
従来のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法は、タイヤ表面に等間隔で多数の平行線や格子状のメッシュを描いておき、荷重時と無負荷時における平行線や格子状のメッシュの間隔の変化を基に、歪の大きさを求め、最大歪の発生位置を特定するようにしていた(例えば、特許文献1)。
特開2003−170710号公報
しかし、従来の測定方法から得られるデータは、平行線あるいは平行線と直角方向だけの歪データであるため、サイドウォールの歪状態を正確に求めることができない。
そこで、歪ゲージを貼り付けて測定することもなされているが、タイヤの変形が大きくなり、歪量が大きい場合には、ゲージが剥離し、抵抗素子が断線する。また、ゲージ率が変化し、歪限界が存在するため、正確な歪量の測定が不可能となる。なお、歪限界については、一般に、銅−ニッケル箔ゲージの場合は、20,000〜50,000×10−6程度であり、塑性域用の大ひずみゲージであっても100,000〜200,000×10−6程度である。
本発明は、上記の問題に鑑み、サイドウォールの歪状態を歪量の大小に拘わらず正確に求めることができるタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法を提供することを課題とする。
本発明に関連する第1の技術のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法は、
タイヤのサイドウォール表面の複数個所に標点となる印を付し、前記印間のタイヤの変形前後の距離を比較することにより、前記タイヤのサイドウォール表面の歪みを測定するタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法であって、
前記印に対応する転写用の孔をシルクスクリーンに設けるシルクスクリーン版作製工程と、
前記シルクスクリーン版に非伸縮性および粘着性を有する第1テープを重ね合わせ、前記シルクスクリーン版に塗料を塗布することにより、前記第1テープに前記印を転写する第1テープ転写工程と、
転写された前記第1テープを、変形前の前記タイヤの前記サイドウォールの表面形状に沿わせて前記サイドウォール表面に重ね合わせて、前記第1テープの前記印を前記サイドウォール表面に転写するタイヤ転写工程と、
前記タイヤに所定の変形条件を付加するタイヤ変形工程と、
非伸縮性および粘着性を有する第2テープを、変形後の前記タイヤの前記サイドウォールの表面形状に沿わせて前記サイドウォール表面に重ね合わせて、前記サイドウォール表面の前記印を前記第2テープに転写する第2テープ転写工程と、
前記第2テープにより取得された変形後の印間隔と、変形前の印間隔を測定して歪量を求める歪量測定工程と
を備えていることを特徴とする。
本発明に関連する第2の技術のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法は、
前記印を、前記タイヤの径方向のライン上に転写することを特徴とする。
本発明に関連する第3の技術のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法は、
前記印を、前記タイヤのビードとバットレスの間に等間隔に転写することを特徴とする。
本発明に関連する第4の技術のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法は、
前記印を、前記タイヤの周方向に間隔をあけて転写することを特徴とする。
本発明に関連する第5の技術のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法は、
前記印を、ロゼットゲージ形式に配置することを特徴とする。
本発明に関連する第6の技術のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法は、
前記歪量測定工程により得られたデータに基づいて、ロゼット解析法を用いて主歪の大きさと方向を測定することを特徴とする。
本発明に関連する第7の技術のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法は、
前記歪量測定工程が、万能投影機を用いて、前記印間隔を測定する工程であることを特徴とする。
本発明に関連する第8の技術のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法は、
前記塗料が、酸化チタン粉末およびひまし油を含有する混合物からなることを特徴とする。
本発明は上記の各技術に基づいてなされたものであり、請求項1に記載の発明のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法は、
タイヤのサイドウォール表面の複数個所に標点となる印を付し、前記印間のタイヤの変形前後の距離を比較することにより、前記タイヤのサイドウォール表面の歪みを測定するタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法であって、
前記印に対応する転写用の孔をシルクスクリーンに設けるシルクスクリーン版作製工程と、
前記シルクスクリーン版に非伸縮性および粘着性を有する第1テープを重ね合わせ、前記シルクスクリーン版に塗料を塗布することにより、前記第1テープに前記印を転写する第1テープ転写工程と、
転写された前記第1テープを、変形前の前記タイヤの前記サイドウォールの表面形状に沿わせて前記サイドウォール表面に重ね合わせて、前記第1テープの前記印を前記サイドウォール表面に転写するタイヤ転写工程と、
前記タイヤに所定の変形条件を付加するタイヤ変形工程と、
非伸縮性および粘着性を有する第2テープを、変形後の前記タイヤの前記サイドウォールの表面形状に沿わせて前記サイドウォール表面に重ね合わせて、前記サイドウォール表面の前記印を前記第2テープに転写する第2テープ転写工程と、
前記第2テープにより取得された変形後の印間隔と、変形前の印間隔を測定して歪量を求める歪量測定工程とを備え、
さらに、前記印を、前記タイヤの周方向に間隔をあけて転写し、
前記印を、ロゼットゲージ形式に配置することを特徴とする。
請求項2に記載の発明のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法は、
前記印を、前記タイヤの径方向のライン上に転写することを特徴とする。
請求項3に記載の発明のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法は、
前記印を、前記タイヤのビードとバットレスの間に等間隔に転写することを特徴とする。
請求項4に記載の発明のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法は、
前記歪量測定工程により得られたデータに基づいて、ロゼット解析法を用いて主歪の大きさと方向を測定することを特徴とする。
請求項5に記載の発明のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法は、
前記歪量測定工程が、万能投影機を用いて、前記印間隔を測定する工程であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法は、
前記塗料が、酸化チタン粉末およびひまし油を含有する混合物からなることを特徴とする。
本発明においては、歪ゲージを用いることなく、また、解析しやすい位置に、多方向に自由に印を設けて変形前後の印の変化を測定することにより歪状態を測定するため、サイドウォールの歪状態を正確に求めることができる。
本発明に係る実施の形態のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法を示す工程図である。 本発明に係る実施の形態のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法におけるロゼットゲージ形式で印を配置した状態を示す図である。 本発明に係る実施の形態のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法におけるロゼットゲージ形式で印を配置した状態を示す図である。 本発明に係る実施の形態のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法におけるロゼットゲージ形式で印を配置した状態を示す図である。 本発明に係る実施の形態のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法におけるロゼットゲージ形式で印を配置した状態を示す図である。 本発明に係る実施の形態のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法におけるロゼットゲージ形式で印を配置した状態を示す図である。 本発明に係る実施の形態のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法におけるロゼットゲージ形式で印を配置した状態を示す図である。 本発明に係る実施の形態のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法における第1テープ転写工程を模式的に示す図であって、(a)は断面図、(b)は第1テープの平面図である。 本発明に係る実施の形態のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法における、サイドウォール表面での印の転写位置を示す図である。 実施例の歪の測定結果を示す図である。 実施例の矢印による歪の大きさと向きを示す図である。 (a)は、実施例の歪量の変化を示す図、(b)は、実施例の変形時のタイヤの撓み形状を示す断面図である。
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。
本実施の形態のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法は、図1の工程図に示すように、シルクスクリーン版作製工程S1、準備工程S2、第1テープ転写工程S3、タイヤ転写工程S4、タイヤ変形工程S5、第2テープ転写工程S6、歪量測定工程S7を備えている。以下、各工程について説明する。
(1)シルクスクリーン版作製工程
枠体に張られたシルクスクリーンに、塗料遮蔽膜を貼り付けてシルクスクリーン版を作製する。塗料遮蔽膜に設けられる転写用の孔の形状および位置は、下記のロゼットゲージ形式で配置される印の形状および位置に対応させることが好ましい。
ここで、ロゼットゲージ形式での印の配置について説明する。
図2は、本実施の形態の測定方法におけるロゼットゲージ形式で印を配置した状態を示す図である。図3〜図7は、他の態様のロゼットゲージ形式で印を配置した状態を示す図である(以下、印を配置した図2〜図7をマーキングと呼ぶ)。
図2においては、印間隔を示す3本の仮想の線分が、45°で交差する「3軸45°の交差型」となるように印が配置されている。
図2において、10で示す点線は、その両端が11と12で示す+印で特定される仮想の線分であり、20で示す点線は、その両端が21と22で示す+印で特定される仮想の線分であり、30で示す点線は、その両端が31と32で示す+印で特定される仮想の線分である。また、Gは主歪等が求められる点であり、3本の仮想の線分10、20、30の交差部分に位置し、マーキング間の平均した歪を示す。
他の3軸型の態様としては、「3軸45°の収束型」(図3)、「等角60°の3軸型」(図4)があり、4軸型の態様としては、「交差型」(図5)、「収束型」(図6)、「Tデルタ型」(図7)があり、求められる精度などに応じて適宜選択される。なお、図中40は、4本目の仮想の線分を示す41、42は、その仮想の線分両端の印を示す。
(2)準備工程
酸化チタン粉末、およびひまし油を混合し、必要に応じてDOPなどの可塑剤を添加してタイヤに塗布するマーキング用塗料を作製する。また、タイヤの測定断面(位置)を決定し、タイヤの表面処理を行った後、タイヤを試験機に取り付ける。
(3)第1テープ転写工程
図8は、本実施の形態のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法における第1テープ転写工程を、模式的に示す図であって、(a)は断面図、(b)は第1テープの平面図である。図8に示すように、第1テープT1を、シルクスクリーン版2に重ね合わせ、スキージ3で塗料4を押し出してシルクスクリーン版2に塗料4を塗布することにより、第1テープT1に複数のマーキングを転写する。図8は9個のマーキングの例である。なお、後の歪量測定のため、第1テープ転写工程と同じ工程で予め基準テープを作製しておく。なお、図中T11は第1テープのベース材、T12は接着剤である。また、図8の(a)は、(b)の四角枠で囲まれた部分に対応する部分の断面を示している。
第1テープT1は、メンディングテープ(登録商標)のような非伸縮性で、接着後引き剥がしが可能なテープが好ましい。下記の第2テープおよび基準テープについても同様である。
(4)タイヤ転写工程
変形前のタイヤについて、第1テープの長さ方向をタイヤの径方向に合わせ、例えば、タイヤの接地中心線に沿わせる。そして、第1テープをサイドウォールの表面形状に沿わせるように、サイドウォール表面に重ね合わせてサイドウォール表面に接着する。次に、第1テープの上から擦った後、剥がす。これにより、第1テープの複数のマーキングをタイヤ表面に転写する。
(5)タイヤ変形工程
所定の条件に従い、タイヤを変形させる。タイヤの変形は、デフレート時を基準としてインフレート時の歪を測定する場合、インフレート時を基準として負荷時の歪を測定する場合、インフレート(小さい値の内圧)時を基準としてインフレート(大きい値の内圧)時の歪を測定する場合など種々のケースがある。
(6)第2テープ転写工程
次に、変形後のタイヤのサイドウォールの表面形状に沿わせて、第2テープをサイドウォールに重ね合わせて、変形後のサイドウォール表面の複数のマーキングを第2テープに転写する。
(7)歪量測定工程
次に、以下の要領で万能投影機を用いて各歪み量を求め、ロゼット解析法に基づき、主歪の大きさと方向を求める。
(a)万能投影機による測定と歪量などの計算
変形後のマーキングが取得されている第2テープと、変形前のマーキングが取得されている基準テープとを、万能投影機のステージに設置されるアクリル板に貼り付ける。
なお、万能投影機は、ステージ(アクリル板)上の被検査体(第2テープおよび基準テープの印)の光学像を正確な倍率でスクリーンに投影し、投影像に基づいて長さを測定し、その長さを対物レンズの公称倍率で割ることにより正確な測定値を得ることができるものである。
そして、3軸45°の交差型における3本の仮想の線分の各々について、両端の印の距離の変化を求め、当該仮想線に沿ったタイヤの伸縮を求め、各仮想線の伸縮量を両端の印の距離で割ってその歪量を求める。
(b)ロゼット解析法に基づく解析
図2に示す3本の線分に生じた長さの変化(タイヤに生じた歪)と線分の方向から、ロゼット解析法に基づき、線分の中心位置における最大主歪(εmax)、最小主歪(εmin)、最大せん断歪(γmax)の値や主歪の方向を求める。また、当該個所のタイヤ材料の弾性率、ヤング率、ポアソン比から最大主応力(σmax)、最小主応力(σmin)、最大せん断応力(τmax)を求める。
(8)面の歪分布の測定
図9は、マーキングをタイヤの周方向に等間隔に転写する図であり、50はタイヤ、51は接地中心線、52〜57は中心線、60は台、FはOに作用する荷重であり、矢印は荷重Fの方向を示す。
図9に示すように、マーキングの転写位置を、上記のようにタイヤの接地中心線51に限らず、タイヤの周方向に間隔をあけて転写することにより面の歪分布を測定することができる。
このように、マーキングをタイヤの周方向にも配置する場合には、複数のテープを図9のそれぞれの中心線に転写して測定を行う。
(本実施の形態の効果)
上記した本実施の形態の測定方法は、以下の効果を有する。
(1)マーキングが転写された第1テープを、変形前のタイヤのサイドウォールの表面形状に沿わせてサイドウォール表面に重ね合わせてサイドウォール表面にマーキングを転写する方法であるため、従来の平行線や格子状のメッシュと異なり、マーキングを解析し易い多方向の位置に自由に配置することができる。そして、シルクスクリーン版を用いて複数のマーキングを転写するため、マーキングの位置や形状に乱れがない。
そして、変形後のタイヤのサイドウォールの表面形状に沿わせて前記サイドウォールに重ね合わせて、サイドウォール表面のマーキングを第2テープに転写するため、変形後の歪データを正確に取得することができる。また、歪ゲージを貼り付ける場合と異なり、大きなタイヤ変形にも追従することができ、大きな変形の歪データについても取得することができる。
この結果、変形後の印間隔と、変形前の印間隔を測定して歪量を求める歪量測定工程において、サイドウォールの歪状態を歪量の大小に拘わらず正確に求めることができる。
(2)転写に際して、シルクスクリーン版を用いるため、マーキングの位置や形状に乱れがなく、より正確な歪データを取得することができる。
(3)マーキングをタイヤの径方向のライン上に転写し、また、ビードとバットレスの間に等間隔に転写するため、タイヤの径方向における主歪データを取得することができる。また、マーキングをタイヤの周方向に間隔をあけて転写するため、タイヤのサイドウォール表面全体の歪状態を求めることができる。
(4)ロゼット解析法を用いて主歪の大きさと方向などを求めるため、主歪の大きさ、方向などを周知の計算方法を用いて容易に正確に求めることができる。
(5)万能投影機を用いて印間隔を測定するため、容易に正確な歪データを求めることができる。
(6)塗料は、酸化チタン粉末およびひまし油を含有する混合物を用いており、酸化チタン粉は白色であるため、印位置が明確になり、また、酸化チタン粉末、ひまし油共にシルクスクリーン版に用いてもメンテナンスが容易である。
本実施例においては、仕様が異なるタイヤA〜Eを用いて、上記した実施の形態に基づいて表面歪み測定試験を行うと共に、別途、耐久試験を行い、表面歪み測定試験において得られた最大主歪みと耐久試験において得られたクラック指数との関係を考察している(実施例1〜7)。なお、比較のため、タイヤA、Bについて、従来の歪ゲージ方式による測定も行った(比較例1、2)。
(供試タイヤ)
各実施例、比較例においては、プライの材質、プライ巻き上げ高さが異なる5種類のタイヤを使用した。
サイズ :215/45R17
A.表面歪み測定試験
実施例1〜7の表面歪み測定試験は、以下の工程に従い行った。
1.シルクスクリーン版作製工程
3軸45°の交差型で、表1に示すマーキング幅のシルクスクリーン版を作製した。なお、シルクスクリーン版は繰り返し使用される。
2.準備工程
(1)マーキング用塗料の作製
最初に、マーキング用の塗料を作製した。具体的には、酸化チタン100gに可塑剤(DOP)10〜20gを加えた後、ひまし油30〜40gを少量ずつ加えながら、練り合わせ、マーキング用の塗料を作製した。
(2)測定断面(位置)の決定
サイドウォール部について、インナーライナージョイントとプライジョイント位置を外し、出来るだけ凹凸が少ない場所を選定し、周上2ヶ所の測定個所にチョークで印を入れた。
(3)タイヤの試験機への取り付け
その後、タイヤを試験機に取り付けた後、インフレートして所定の内圧(220KPa)に調整した。
3.第1テープ転写工程
(1)メンディングテープの貼り付け
シルクスクリーンの表側のマーク位置にメンディングテープ(住友3M社製)を貼り付けた。
(2)塗料の塗布
シルクスクリーンの裏側から前記の塗料を、スキージを用いて同一方向に塗りつけた。これにより、メンディングテープの所定位置に塗料の印が形成された。その後、メンディングテープをシルクスクリーンから剥がした。なお、メンディングテープは、基本的に2本作製し、1本を基準用とし、他を測定用とした。
4.タイヤ転写工程
測定用のメンディングテープを上記した測定断面(位置)に貼り、擦りつけることにより、印をメンディングテープからタイヤサイドウォール部に転写した。
5.タイヤ変形工程
測定断面(位置)を接地中心にセットし、6.1kNの縦荷重を負荷した。
6.第2テープ転写工程
負荷時のマーキングを新たな第2のメンディングテープに転写し、その後、透明なシートに貼り付けた。
7.歪み量測定工程
基準用のメンディングテープ、および上記で得られた第2のメンディングテープが貼り付けられた透明なシートを、万能投影機にセットし、各マーキングにおける伸縮の状態を測定した。そして、ロゼッタ解析の計算法を用いて歪み状態を計算した。
B.耐久試験
各実施例および比較例のタイヤを標準リムに装着して、内圧220KPa、荷重は最大負荷能力の1.15倍条件の下で、タイヤサイドにオゾン照射を行いながら速度80km/hで、1万5千Km走行させた後、タイヤサイドのクラックの大きさ、深さ、数を測定し、B仕様のタイヤにおける測定結果を100とした指数(クラック指数)で評価した。クラック指数が小さいほど、耐久性が優れている。
C.測定結果
上記表面歪み測定試験および耐久試験における測定結果を表1に示す。
Figure 0005731820
表1に示すように、同じ仕様のタイヤ(実施例2と比較例1、および実施例5と比較例2)であっても、マーキング法により測定を行った実施例2、5においては、最大主歪みが測定されている。これに対して、従来の歪みゲージ法を用いた比較例1、2では、歪みゲージが歪みの発生に追随できず破損したため、測定ができていない。
また、表1より、既に知られている通り、最大主歪みとクラック指数の間には、一定の相関関係があることが確認された。即ち、本実施の形態の測定方法により正しい測定が行われていることが確認できた。これにより、上記の測定方法を用いて最大主歪みを測定することにより、耐久性を予測することができる。
図10は、実施例3、6、7の歪の測定結果を示す図である。この図10は、D仕様のタイヤを使用して、マーキング幅およびマーキング数を変化させたときの測定結果を示すものである。図10より、マーキング幅(印の間隔)により、測定結果が変化することが分かる。特に、マーキング幅10mm実施例7の場合には、14%と、他の実施例3、6の17%、18%に比べ、大きく低下している。
図11に、実施例3のタイヤ測定位置、歪の大きさと向きを示す図を示し、また、図12に、実施例3の歪量の変化を示す図(a)、および実施例3の変形時のタイヤの撓み形状を示す断面図(b)を示す。図11、12から、荷重中心で最も撓む部分のタイヤ最大幅位置がタイヤ径方向(90度)に引き伸ばされており、本発明の測定方法を用いることにより、正確な測定ができていることが分かる。
1 シルクスクリーン
2 シルクスクリーン版
3 スキージ
4 塗料
10、11、12 仮想の線分とその両端の印
20、21、22 仮想の線分とその両端の印
30、31、32 仮想の線分とその両端の印
40、41、42 仮想の線分とその両端の印
50 タイヤ
51 接地中心線
52〜57 中心線
60 台
T1 第1テープ
T11 ベース材
T12 接着剤

Claims (6)

  1. タイヤのサイドウォール表面の複数個所に標点となる印を付し、前記印間のタイヤの変形前後の距離を比較することにより、前記タイヤのサイドウォール表面の歪みを測定するタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法であって、
    前記印に対応する転写用の孔をシルクスクリーンに設けるシルクスクリーン版作製工程と、
    前記シルクスクリーン版に非伸縮性および粘着性を有する第1テープを重ね合わせ、前記シルクスクリーン版に塗料を塗布することにより、前記第1テープに前記印を転写する第1テープ転写工程と、
    転写された前記第1テープを、変形前の前記タイヤの前記サイドウォールの表面形状に沿わせて前記サイドウォール表面に重ね合わせて、前記第1テープの前記印を前記サイドウォール表面に転写するタイヤ転写工程と、
    前記タイヤに所定の変形条件を付加するタイヤ変形工程と、
    非伸縮性および粘着性を有する第2テープを、変形後の前記タイヤの前記サイドウォールの表面形状に沿わせて前記サイドウォール表面に重ね合わせて、前記サイドウォール表面の前記印を前記第2テープに転写する第2テープ転写工程と、
    前記第2テープにより取得された変形後の印間隔と、変形前の印間隔を測定して歪量を求める歪量測定工程とを備え、
    さらに、前記印を、前記タイヤの周方向に間隔をあけて転写し、
    前記印を、ロゼットゲージ形式に配置する
    ことを特徴とするタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法。
  2. 前記印を、前記タイヤの径方向のライン上に転写することを特徴とする請求項1に記載のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法。
  3. 前記印を、前記タイヤのビードとバットレスの間に等間隔に転写することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法。
  4. 前記歪量測定工程により得られたデータに基づいて、ロゼット解析法を用いて主歪の大きさと方向を測定することを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法。
  5. 前記歪量測定工程が、万能投影機を用いて、前記印間隔を測定する工程であることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法。
  6. 前記塗料が、酸化チタン粉末およびひまし油を含有する混合物からなることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載のタイヤのサイドウォール表面歪みの測定方法。
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