JP5729432B2 - 熱処理した配位高分子金属錯体を用いた燃料電池用触媒、膜電極接合体、及び燃料電池、並びに酸化還元触媒。 - Google Patents
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Description
高い比表面積を有する配位高分子金属錯体を熱処理、並びに配位高分子金属錯体を熱処理した後に比表面積が高い導電性担体に担持、又は、配位高分子金属錯体を導電性担体に担持した後に熱処理してなる高活性な酸化還元触媒、特に、燃料電池において優れた発電特性を示す燃料電池用触媒、又は、前記燃料電池用触媒をイオン伝導性のポリマーで被覆したポリマー被覆燃料電池用触媒、並びにこれら燃料電池用触媒を用いた膜電極接合体、及び燃料電池に関する。
属錯体を熱処理、並びに前記配位高分子金属錯体を熱処理した後、導電性担体に担持、又は、前記配位高分子金属錯体を導電性担体に担持した後、熱処理した非白金の高活性な酸化還元触媒、特に、燃料電池において優れた発電特性を示す燃料電池用触媒、又は、前記燃料電池用触媒をイオン伝導性のポリマーで被覆したポリマー被覆燃料電池用触媒、並びにこれら燃料電池用触媒を用いた膜電極接合体、及び燃料電池を提供することにある。
1.イミダゾール骨格、ビスベンゾチアゾール骨格、ビスベンゾオキサゾール骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の化学構造を含む配位子と、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ruからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の金属からなる多孔質骨格構造を有する配位高分子金属錯体を300〜1200℃で30分〜4時間熱処理してなることを特徴とする燃料電池用触媒。
2.前記1.に記載の配位高分子金属錯体を300〜1200℃で30分〜4時間熱処理後導電性担体に担持させてなることを特徴とする燃料電池用触媒。
3.前記1.に記載の配位高分子金属錯体を導電性担体に担持した後、300〜1200℃で30分〜4時間熱処理してなることを特徴とする燃料電池用触媒。
4.ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、アルゴン、窒素、アンモニア、アセトニトリルからなる群から選ばれる少なくとも1種類の雰囲気で、300〜1200℃で30分〜4時間熱処理してなることを特徴とする前記1.〜3.のいずれかに記載の燃料電池用触媒。
5.前記1〜4.のいずれかに記載の燃料電池用触媒において、イオン伝導性のポリマーで被覆されることを特徴とするポリマー被覆燃料電池用触媒。
6.前記1〜5.のいずれかに記載の燃料電池用触媒を用いたことを特徴とする膜電極接合体。
7.前記6.に記載の膜電極接合体を用いたことを特徴とする燃料電池。
8.前記1〜5.のいずれかに記載の燃料電池用触媒を用いる酸化還元触媒。
有する。そのため、前記配位高分子金属錯体を熱処理、並びに前記配位高分子金属錯体を熱処理した後、導電性担体に担持、又は、前記配位高分子金属錯体を導電性担体に担持した後、熱処理することにより、高い触媒活性や導電性、耐久性を有し、高活性の酸化還元触媒、特に、燃料電池において優れた発電特性を示す燃料電池用触媒、又は、前記燃料電池用触媒をイオン伝導性のポリマーで被覆することにより三相界面を増大させたポリマー被覆燃料電池用触媒、並びにこれら燃料電池用触媒を用いた膜電極接合体、及び燃料電池を提供することができる。
本発明における燃料電池用触媒は、分子内に−NH2、=NH、=N−から選択される化学構造を2個以上含有し、平面構造を有する配位子と、金属からなる高度に構造制御された金属−N4構造を含有し、かつ、多孔質であるために高い比表面積を有する配位高分
子金属錯体を熱処理、並びに前記配位高分子金属錯体を熱処理した後、導電性担体に担持、又は、前記配位高分子金属錯体を導電性担体に担持した後、熱処理することを特徴とする。
多孔質骨格構造を有する配位高分子金属錯体が不溶性の沈殿として析出する。この沈殿物を遠心分離や濾過など任意の方法で反応溶媒から分離し、乾燥して反応溶剤を揮発除去すると、粉末状の多孔質骨格を有する配位高分子金属錯体を得ることができる。
、かつ、高い比表面積を有することから三相界面の増大に寄与する。BET比表面積が100m2/g未満では、三相界面の増大に寄与できず、逆に、5000m2/gを超えると微細孔が形成され、その微細孔内部表面が反応場全体に占める割合が高くなるため、酸素の拡散等の物質移動が律速、及び/又は、反応生成水の排出が困難となり、発電特性は劣化してしまう可能性がある。
比表面積はASAP2010(micromeritics社)を用い、BET法により算出した。液体窒素温度(77K)における窒素吸着等温線の測定結果から下式(1)、(2)により単分子層吸着量を算出し、窒素の分子占有面積(0.162nm2)より比表面積を算出するBET多点法により実施した。
、vm:単分子層吸着量、C:固体表面と吸着質との相互作用の大きさに関する定数(BET定数)、S:比表面積、およびσN:窒素単分子占有面積である。
デュポン社製20%ナフィオン(登録商標)溶液に、調製した燃料電池用触媒と少量の超純水及びイソプロパノールを加え、均一になるまで攪拌し、ポリマー被覆燃料電池用触媒ペーストを調製した。このポリマー被覆燃料電池用触媒ペーストを、別途疎水化した東レ製カーボンペーパーTGPH−060に金属付着量が0.1mg/cm2になるようにアプリケーターを用いて均一に塗布、乾燥して、カソード用の触媒層付ガス拡散層を作製した。同様の手法で、市販の40%白金触媒担持カーボンを用いて、別途疎水化した前記カーボンペーパー上に電極触媒層を形成することで、アノード用の触媒層付ガス拡散層を作製した(0.4mg−白金/cm2)。前記2種類の触媒層付ガス拡散層の間に、触媒層がプロトン交換膜に接するように膜を挟み、ホットプレス機により180℃、3分間加熱することで膜電極接合体(以下MEAと略記する場合もある)を作製した。このMEAを用い、評価用燃料電池セルに組み込んで、アノード側には水素ガスを、カソード側には酸素を供給し、セル温度80℃、常圧、水素利用率を70%、酸素利用率を40%とし、ガス加湿は水素及び酸素を85℃のバブラーを通して行い、電流−電圧特性試験を実施した。
アルゴン雰囲気下で、ベンゾイミダゾール0.80gと炭酸ナトリウム0.72gにN,N−ジメチルホルムアミド5mlを加え、しばらく撹拌した後、銅(II)アセチルアセトナート1.77gを溶解したN,N−ジメチルホルムアミド溶液10mlを滴下して、還流反応を36時間行った。放冷した後、粉末を吸引ろ過より取り出し、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノールの順で十分に洗浄した後、60℃で真空乾燥して配位高分子金属錯体を得た。
上記配位高分子金属錯体を窒素雰囲気、5℃/分で600℃まで加熱し、600℃で2時間熱処理した。その後、室温まで放冷し、燃料電池用触媒を得た。これを乳鉢で粉砕した後、前記手法によりMEAを作製し、発電特性を評価した。その結果を表1に示す。
アルゴン雰囲気下で、イミダゾール0.80gと2,6−ナフタレンジカルボン酸1.27gにN,N−ジメチルホルムアミド10mlを加え、しばらく撹拌した後、水素化ナトリウム0.28gを加え、銅(II)アセチルアセトナート3.08gを溶解したメタノール溶液2mlを滴下して、還流反応を72時間行った。放冷した後、粉末を吸引ろ過より取り出し、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノールの順で十分に洗浄した後、60℃で真空乾燥して配位高分子金属錯体を得た。
上記配位高分子金属錯体を窒素雰囲気、5℃/分で600℃まで加熱し、600℃で2時間熱処理した。その後、室温まで放冷し、燃料電池用触媒を得た。これを乳鉢で粉砕した後、前記手法によりMEAを作製し、発電特性を評価した。その結果を表1に示す。
116%のポリリン酸59.30gに窒素雰囲気下、1,2,4,5−テトラアミノベンゼン四塩酸塩4.20gと安息香酸3.60gを加え、70℃で15分間撹拌した。さらに120℃まで昇温させ、21時間撹拌した後、150℃まで昇温させ3時間撹拌した。この反応液を水1L中へ再沈して、析出してきた粉末を吸引ろ過より取り出した。得られた粉末を水で十分に洗浄した後、90℃で真空乾燥し、ビスベンゾイミダゾール誘導体を得た。
アルゴン雰囲気下で、前記ビスベンゾイミダゾール誘導体0.80gと2,5−ジメチルテレフタル酸0.25g、炭酸ナトリウム0.27gにN,N−ジメチルホルムアミド15mlを加え、しばらく撹拌した後、酢酸ニッケル(II)四水和物1.28gを溶解したメタノール溶液2mlを滴下して、還流反応を96時間行った。放冷した後、粉末を吸引ろ過より取り出し、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノールの順で十分に洗浄した後、60℃で真空乾燥して配位高分子金属錯体を得た。
上記配位高分子金属錯体をアンモニア雰囲気、5℃/分で700℃まで加熱し、700℃で2時間熱処理した。その後、室温まで放冷し、燃料電池用触媒を得た。これを乳鉢で粉砕した後、前記手法によりMEAを作製し、発電特性を評価した。その結果を表1に示す。
116%のポリリン酸59.30gに窒素雰囲気下、2,5−ジアミノ−1,4−ベンゼンジチオール二塩酸塩4.20gと安息香酸4.20gを加え、70℃で15分間撹拌した。さらに120℃まで昇温させ、21時間撹拌した後、150℃まで昇温させ3時間撹拌した。この反応液を水1L中へ再沈して、析出してきた粉末を吸引ろ過より取り出した。得られた粉末を水で十分に洗浄した後、90℃で真空乾燥し、ビスベンゾチアゾール誘導体を得た。
アルゴン雰囲気下で、前記ビスベンゾチアゾール誘導体0.80gとピロメリット酸無水物0.25gにN,N−ジメチルホルムアミド20mlを加え、しばらく撹拌した後、水素化ナトリウム0.22gを加え、酢酸ニッケル(II)四水和物1.16gを溶解したメタノール溶液2mlを滴下して、還流反応を96時間行った。放冷した後、粉末を吸引ろ過より取り出し、N,N−ジメチルホルムアミド、メタノールの順で十分に洗浄した後、60℃で真空乾燥して配位高分子金属錯体を得た。
上記配位高分子金属錯体を窒素雰囲気、5℃/分で700℃まで加熱し、700℃で2時間熱処理した。その後、室温まで放冷し、燃料電池用触媒を得た。これを乳鉢で粉砕した後、前記手法によりMEAを作製し、発電特性を評価した。その結果を表1に示す。
ピロール100mg、テトラn−ブチルアンモニウムパークロレート2.10gをアセトニトリル30mlに溶解し、電解液を調製した。この電解液を用いて、ネサガラスを陽極、白金を陰極として定電位法(1.2V対銀/塩化銀電極)で電解重合を行ったところ、陽極板上に黒色のフィルム状生成物が得られた。次いで、前記電解液と同濃度のテトラn−ブチルアンモニウムパークロレート/アセトニトリル溶液中で脱ドーピングを行い、その後電極よりフィルムを剥離し、すり鉢を用いて粉末状に粉砕し脱ドーピングしたポリピロール粉末を得た。予め、モレキュラーシーブス、水素化カルシウムで乾燥、蒸留したジメチルスルホキシド50mlに硝酸コバルト500mgを溶解した塩基溶液を調製した。この塩基溶液に前記の脱ドーピングしたポリピロール粉末を添加し、窒素雰囲気下、50℃で3時間攪拌し、ポリピロール金属錯体を得た。得られたポリピロール金属錯体の粉末をろ過し、ジメチルスルホキシド、アセトンの順に洗浄し、真空乾燥した。
なお、ポリピロールは脱プロトン化して取り出すことが困難であったため、金属イオン溶液に直接脱ドーピングしたポリピロール粉末を入れる方法にした。
得られた導電性重合体金属錯体を用いて、MEAを実施例1と同様に作製し、発電特性を評価した。その結果を表1に示す。
アルゴン雰囲気下で、インドール0.80gにメタノール5mlを加え、しばらく撹拌した後、水素化ホウ素ナトリウム0.28gと水酸化ナトリウム0.30gを加え、硝酸コバルト(II)六水和物0.50gを溶解したメタノール溶液2mlを滴下して、還流反応を1日間行った。放冷した後、粉末を吸引ろ過より取り出し、メタノールで十分に洗浄した後、60℃で真空乾燥してインドール金属錯体を得た。
得られたインドール金属錯体を用いて、MEAを実施例1と同様に作製し、発電特性を評価した。その結果を表1に示す。
配位高分子金属錯体を熱処理、並びに前記配位高分子金属錯体を熱処理した後、導電性担体に担持、又は、前記配位高分子金属錯体を導電性担体に担持した後、熱処理することにより、高活性の酸化還元触媒、特に、燃料電池において優れた発電特性を示す燃料電池用触媒、又は、前記燃料電池用触媒をイオン伝導性のポリマーで被覆したポリマー被覆燃料電池用触媒、並びにこれら燃料電池用触媒を用いた膜電極接合体、及び燃料電池として好適に使用できる。
2 配位子
3 金属
4 多孔質骨格構造
5 空孔
6 三次元格子構造
7 金属−N4構造
Claims (8)
- イミダゾール骨格、ビスベンゾチアゾール骨格、ビスベンゾオキサゾール骨格からなる群から選ばれる少なくとも1種類以上の化学構造を含む配位子と、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Ruからなる群から選ばれる少なくとも1種以上の金属からなる多孔質骨格構造を有する配位高分子金属錯体を300〜1200℃で30分〜4時間熱処理してなることを特徴とする燃料電池用触媒。
- 請求項1に記載の配位高分子金属錯体を300〜1200℃で30分〜4時間熱処理後導電性担体に担持させてなることを特徴とする燃料電池用触媒。
- 請求項1に記載の配位高分子金属錯体を導電性担体に担持した後、300〜1200℃で30分〜4時間熱処理してなることを特徴とする燃料電池用触媒。
- ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン、アルゴン、窒素、アンモニア、アセトニトリルからなる群から選ばれる少なくとも1種類の雰囲気で、300〜1200℃で30分〜4時間熱処理してなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の燃料電池用触媒。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の燃料電池用触媒において、イオン伝導性のポリマーで被覆されることを特徴とするポリマー被覆燃料電池用触媒。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池用触媒を用いたことを特徴とする膜電極接合体。
- 請求項6に記載の膜電極接合体を用いたことを特徴とする燃料電池。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池用触媒を用いる酸化還元触媒。
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