JP5727884B2 - 点灯回路 - Google Patents
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Description
一方、灯具の部品点数を削減するために、DRL用灯具をクリアランス・ランプ(CLL:Clearance Lamp)と兼用することが行われているが、DRLの最低照度とCLLの最低照度との間に、例えば10倍程度の照度差があるので、照度制御が必要となる。また、省電力化のために発光源としてLED(Light Emitting Diode)を用いるものも出現しているが、複数のLEDのうちの一つでも断線すると、直列接続された当該グループのLEDが全て消灯して、全体としてDRLの最低照度を確保できなくなるため、安全上、ユニット全体を消灯するように規定されている。
従来技術として、LEDを採用し、DRL用灯具をCLL用灯具と兼用したものとして、特許文献1が知られている。
特に、LEDは省電力効果が大きい一方で、LED一つ当たりの発光量が小さいので、必然的に多数のLEDを配列する必要がある。従って、一部のLEDの断線に起因して発光源ユニット全体の機能を停止せざるを得なくなる可能性が高い。
本発明はこのような現状に鑑みてなされたものであって、その目的は、発光源の一部が断線、或いは破損した場合であっても、残余の発光源を使用してDRL又は/及びCLL機能を維持し得る点灯回路の提供にある。
この態様による点灯回路は、LED等の半導体発光素子を含む第一光源と、二つのフィラメント又は二つの単一フィラメントを夫々第二、第三光源として点灯させるものであり、これら第一乃至第三光源を選択的に組み合わせて第一モード、又は第二モードとして点灯させると共に、点灯中の光源の断線等による電流の低下を検出したとき、自己消灯手段によって第一光源を自動的に消灯するものである。この態様により、光源の断線を自動的に検出して運転者に報知することができる。
本発明の点灯回路は、上記第一光源に流れる電流の経路が断状態に設定された後、点灯状態が異なるモードに設定された場合、少なくとも第一光源の経路の状態をリセットして接状態に設定する自己消灯リセット手段を含むように構成することもできる。
この実施態様によれば、発光状態切換手段が操作されたとき、迅速、且つ、確実に灯具を他方モードで再点灯することができる。即ち、消灯状態において、運転者が発光状態切換手段を操作することにより、非断線状態の光源を使用した他方のモードに切り替えることができる。従って、光量不足状態での点灯を防止し、且つ、非断線状態のフィラメントを使用した他方モードによる灯具としての機能を維持することができる。
この態様によれば、発光量切替手段により、第一モードと第二モード夫々においてデイタイムランニングモード(デイタイム・ランニング・ランプ(DRL)を点灯したときの光量に相当するモード)とクリアランスモード(クリアランス・ランプ(CLL)を点灯したときの光量に相当するモード)とに適合するような光量に第一光源の発光量を制御することにより、本発明をDRL/CLL切替機能をもった車両灯具として実現することができる。
本発明の点灯回路において、上記自己消灯手段が、第二光源又は第三光源に流れる電流が所定値以下になった場合、少なくとも第一光源に流れる電流経路を断状態に保持する保持回路を備えるように構成してもよい。
この態様によれば、多くの電気的ノイズが発生する環境であっても安定した光源点灯制御を行う点灯回路を実現することができる。
本発明の点灯回路において、上記自己消灯リセット手段は、第一モード又は第二モードに切替える指示信号を受け、その指示信号を微分する微分回路と、この微分回路出力信号によって自己消灯手段の保持回路の保持電荷を放電させる放電回路と、を含むように構成してもよい。
この態様によれば、比較的簡単な回路構成によって、迅速、且つ、確実に自己消灯回路による断状態を解除して、所要の光源を再点灯することができる。
また、フィラメントはLEDに比べ寿命が短いため、フィラメントが先に断線する確率が高く、断線した異常状態でDRLまたはCLLを点灯させて走行すると、LEDだけの点灯となり所定の照度に達しない状態となるため、DRL又はCLLによる発光量を「0」として、ドライバーに異常状態であることを知らせることが可能となる。
図1は、本発明の一実施形態に係る光源点灯回路、及びその周辺の構成を示す概要ブロック図である。この例では、DRL光源、及びCLL光源として、複数フィラメントバルブと、複数の発光ダイオード(LED)とを使用する。
以下の説明で、複数フィラメントバルブとは、バルブ(ガラスチューブ等)内に2つ以上のフィラメントを備えた発光源をいう。また、単一フィラメントバルブとは、バルブ内に1つのフィラメントを備えた発光源をいう。
図1において駆動回路15は、外部接続端子として、DRL点灯用電源を供給するDRL入力端子1、CLL点灯用電源を供給するCLL入力端子2、接地(アース)用のGND入力端子3、DRL用光源(DRLフィラメント)に電力を出力するDRL(+)端子4、CLL用光源(CLLフィラメント)に電力を出力するCLL(+)端子5、LEDに電力を供給するLED(+)端子6及びLED(−)端子7、DRL用光源とCLL用光源からの帰還電流を入力するDRL/CLL(−)端子8を備えている。
発光源としては、複数フィラメントバルブ20と、複数の発光ダイオードを配列したLEDユニット21とが上述した夫々の端子に接続されている。なお、複数フィラメントバルブ20にあっては、DRLに適した発光量のDRLフィラメント20−1と、それより発光量が小さいCLLフィラメント20−2が一つのバルブ内に封入されており、夫々のフィラメントの一端は共にDRL/CLL(−)端子8に接続され、他方端は、電力供給用のDRL(+)端子4とCLL(+)端子5に接続されている。
なお、駆動回路15には、車両搭載のバッテリ(蓄電池)14のプラス極(+)から、キースイッチ13、切替スイッチ10を介してDRL入力端子1とCLL入力端子2に駆動電力(点灯信号)が供給されている(この構成を発光状態切換手段9と称する)。また、キースイッチ13から分岐してイグニッションスイッチ12を介してセルモータ11が接続されている。尚、バッテリ14から発光源への電力の供給方法としては、直結型(特許文献2)や変圧型(特許文献3)が知られているので参照することができる。
例えば、キースイッチ13をONするとDRL入力端子1に電力が供給され、複数フィラメントバルブ20のDRLフィラメント20−1(第二光源)が点灯し、他方のCLLフィラメント20−2(第三光源)は消灯状態となる。
LEDユニット21(第一光源)には、同様にDLR入力端子1から供給された電力が、LED(+)端子6を経て供給され、DRL点灯に適した光量で発光する。ここでは、DRLフィラメント20−1とLEDユニット21によるDRLの両者を光源としてDRLを行う状態を第一の発光状態、又は、DRLモード(第一モード)と云う。
第一、第二の発光状態は、複数フィラメントバルブ20のDRLフィラメント20−1、CLLフィラメント20−2の両者が正常であれば、運転者のスイッチ操作によって随時切替可能である。
図1において、DRLフィラメント20−1が断線すると、そこに流れていた電流が停止するので、FET42と接地間に挿入されたバルブ電流検出回路43の出力から「電流なし」を示す信号45が自己消灯回路50に供給される。自己消灯回路50は、この信号45を受けると、信号46によりバルブ電流断接手段であるFET42のゲート電圧を制御してFET42をオフ状態(遮断状態)にすると共に、信号47により電流クランプ回路40に含まれるLED電流断接手段をオフ状態(遮断状態)にしてLEDユニット21によるDRL発光も停止する。
この状態において、DRL機能が停止したことに気付いた運転者が、不図示のライトスイッチ等を操作して前照灯(ヘッドライト)への切替操作、或いは、CLLへの切替スイッチ10をCLL側に切り替える操作を行うと、駆動回路15のCLL入力端子2へ電力が供給される。
CLL入力端子2に供給された電力(入力信号)がDRL/CLL切替回路30に供給されると、複数フィラメントバルブ20の他方のCLLフィラメント20−2が非断線状態であれば、CLL点灯モードに切替える操作によって所定時間後にCLLフィラメント20−2に電流が流れ、二つのFET42、FET44は共に接(オン)状態となるので、LEDユニット21とCLLフィラメント20−2が共に点灯する。
更に、自己消灯回路50を備えたので、DRL光源の一部(DRLフィラメント20−1による発光)が停止した状態のまま、規定値に満たない照度でのDRL運用を防止することができる。なお、フィラメントが断線してDRL/CLLの両者が消灯したことを運転者に報知するために、運転席のパネルに、液晶表示器やLED表示器を設けても良い。
尚、LEDユニット21中のLEDが断線する可能性が考えられるが、その場合に備えて、LED発光ユニット中に複数の独立したLED発光回路を備え、LEDが断線した場合、それを含むLED回路のみを消灯させて、残りのLED回路とダブルフィラメントとにより、DRL/CLLとしての最低発光量を維持できるようにすることも考えられる。或いは、LEDユニット21全体が発光停止した場合であっても、複数フィラメントバルブにより最低発光量以上となるように構成することも可能である。その場合、LEDユニットやLED回路の交換を促すために、LEDが断線した旨を運転者に知らせる報知手段を備えることが望ましい。
図2において、符号50は自己消灯回路であって、Tr1、Tr2、Tr3はトランジスタ、R1乃至R7、及びRは抵抗、C1、C2はコンデンサである。
このうち第一のトランジスタTr1はNPN型で、エミッタ(e)を接地し、コレクタ(c)は二つの抵抗R1、R2の直列抵抗回路を介してVcc電源に接続されている。更に、このトランジスタTr1のベース(b)と接地間には、抵抗R3と、抵抗R4及びコンデンサC1の直列回路が接続されている。
第二のトランジスタTr2はPNP型で、上記第一のトランジスタTr1にベース電流を供給するものであり、エミッタ(e)をVccに接続し、コレクタ(c)は抵抗R5を介して上記コンデンサC1と抵抗R4との結合点に接続すると共に、ベース(b)は上記二つの抵抗R1、R2の結合点に接続されている。
この電流検出信号は、上述したように、複数フィラメントバルブ20のフィラメント電流の有無、及び、LEDユニット21に流れる電流の有無を示すもので、この例では、電流が流れない場合に電流が所定値以下と見なし、Lo信号を出力する。
複数フィラメントバルブ20のDRLフィラメント20−1と、LED21とに通電し、DRLモードでの点灯状態(第一の発光状態)であるときは、FET42及びFET44は共に導通状態であり、そのソース(s)と接地間に挿入した電流検出回路41、43からは「電流あり」を示す信号(抵抗Rの両端に発生する高電位信号)が自己消灯回路50の第三のトランジスタTr3のベースに供給されている。
この状態では、PNP型トランジスタTr3はベース電流が流れないのでオフ状態であり、エミッタに印加されているVcc電圧はコンデンサC1に印加されない。更に、第一のトランジスタTr1が導通しない状態では第二のトランジスタTr2もオフ状態である。従って、第一のトランジスタTr1はベース電流が流れないのでオフ状態であり、二つのFET42、FET44は共に導通状態を保ち、DRLモードでの点灯が継続される。
この結果、複数フィラメントバルブ20とLEDユニット21夫々に接続された二つのFET42、FET44は共に断(オフ)状態となるので、LEDユニット21も消灯した状態となる。
複数フィラメントバルブ20の他方のCLLフィラメント20−2が非断線状態であれば、CLL点灯モードに切替えた操作によってCLLフィラメント20−2に電流が流れ、自己消灯回路50の第三のトランジスタTr3のベースに供給される「断線時Lo信号」の電位が高電位に変化する。その結果、第三のトランジスタTr3がオフし、コンデンサC1と抵抗R4及びR3の時定数で決定される時間後にコンデンサC1の電荷が放電されて、第一のトランジスタTr1のベース(及びコンデンサC1)に印加されていたVcc電圧の供給が停止するので、二つのFET42、FET44は共に接(オン)状態となり、LEDユニット21とCLLフィラメント20−2が共に点灯する。
なお、図2に示した回路の場合、自己消灯回路50のスイッチング素子として構成する第一のトランジスタTr1のベースに所要容量のコンデンサC1が接続されているので、トランジスタTr1をオフして再点灯するためには、コンデンサC1の電荷を放電させて、ベース電位を低下させる必要がある。そのための操作としては、光源点灯回路の電源を一旦断状態にした後、再び電源を投入すればよいが、コンデンサC1の放電ルートに電流調整用のバイアス抵抗R3、R4を含んでいるので、時定数に応じた遅延を伴うことが考えられる。コンデンサC1の電荷が完全に放電しない状態では、電源断後、再投入しても第一のトランジスタTr1がオフせず、再点灯し難い場合が考えられる。
そこで、その遅延を排除して、迅速、且つ、確実に灯具への再点灯を行う手段として、例えば、図3、図4に示すような自己消灯リセット回路を備えてもよい。
この例に示す自己消灯リセット回路60は、駆動回路15のDRL入力端子1とCLL入力端子2の夫々から信号を供給し、自己消灯リセット回路60のリセット制御端子を自己消灯回路50の所要部と接続している。自己消灯リセット回路60は、DRL入力端子1、又は、CLL入力端子2の何れかに電力が(電圧)が印加された際、その変化を検出して、リセット信号Resetを発生し、自己消灯回路50に供給する。この信号によって自己消灯回路50の断状態保持機能を解除し、図1、図2に示したFET42、FET44をオンして、夫々に接続された発光源を再点灯させるように機能する。
このための自己消灯リセット回路60の回路構成としては、例えば、図4に示すように構成することができる。
図4において、60が新たに付加した自己消灯リセット回路であり、自己消灯回路50のコンデンサC1にチャージされた電荷を、第4のトランジスタTr4のコレクタ・エミッタのスイッチング動作により放電(デスチャージ)させるように構成したものである。
この例のように第4のトランジスタTr4としてNPN型トランジスタを用いる場合は、駆動回路15に供給されるDRL入力信号及びCLL入力信号夫々を、逆流防止用ダイオードD4、D5とコンデンサC3、C4を介してトランジスタTr4のベースに供給すると共に、ダイオードとコンデンサの接続点を所要値の抵抗R8、R9で接地して微分回路を形成する。
従って、図3、図4に示す光源点灯回路全体の動作としても、図1、図2に関連して説明したように、複数フィラメントバルブ20のDRLフィラメント20−1とLEDユニット21によるDRLの両者を光源としてDRLを行う第一の発光状態と、複数フィラメントバルブ20のCLLフィラメント20−2と、減光したLEDユニット21による第二の発光状態とを、運転者のスイッチ操作によりDRL入力端子、又は、CLL入力端子の何れかに電力を投入することによって随時切替えて点灯させることが可能である。
また、第一の発光状態(DRLモード)において、DRLフィラメント20−1が断線した場合の動作については、既に説明したように、自己消灯回路50によって、LEDユニット21によるDRL発光も停止し、運転者の所要スイッチの操作により、駆動回路15のCLL入力端子2へ電力が供給されると、直ちに、自己消灯回路50のコンデンサC1の電荷が放電されて速やかに再点灯することができる。
以上、本発明の光源点灯回路について幾つか実施態様例を説明したが、本発明はこれらに限定する必要は無く種々変形が可能である。
例えば、以上の説明では、一つのバルブ中に二つのフィラメントを封入した複数フィラメントバルブを使用する場合を示したが、この例に限らず、図5に示すように、一つのフィラメントを封入した単一フィラメントバルブを複数用いたものであっても構わない。
即ち、図5に示すものでは、DRLフィラメントとCLLフィラメントとして夫々、単一フィラメントバルブ70−1と、70−2を使用したものである。なお、バルブ電流断接回路、バルブ電流検出回路については、図1乃至図4に示したように、一組の回路を両者兼用としてもよいが、図5に示すように、夫々独立した回路として備えても構わない。この回路によっても、既に説明したものと同様に機能させることができる。
更に、図示を省略するが、フィラメントの数は二つに限らず、それ以上であっても構わないし、フィラメント方式のバルブ以外にも、キセノンランプやナトリウムランプ等のアーク放電ランプであっても構わない。
更に、第一又は第二の発光状態において点灯中の何れかの発光源が断線した場合、自動的に他方の発光状態に切替えるように構成することも可能である。その際、運転者に第一/第二何れの発光状態であるかを報知する表示手段を備えておくことが望ましい。
Claims (4)
- 半導体発光素子を含む第一光源、第一フィラメントを含む第二光源、及び第二フィラメントを含む第三光源を点灯させ、
少なくとも前記第一光源、及び前記第二光源を点灯させる第一モードと、前記第一光源、及び前記第三光源を点灯させる第二モードの、何れか一方のモードに前記第一光源乃至前記第三光源の点灯状態を設定する点灯回路であり、
前記第二光源、又は前記第三光源に流れる電流が所定値以下となった場合、前記第一光源に流れる電流経路を断状態に設定して該第一光源を消灯させる自己消灯手段を備え、
前記第一モードはデイタイム・ランニング・ランプに対応し、前記第二モードはクリアランス・ランプに対応し、前記第一モードと前記第二モードに夫々対応して前記第一光源の発光量を切り替える発光量切替手段を含むことを特徴とする点灯回路。 - 前記自己消灯手段は、前記第二光源、又は前記第三光源に流れる電流が所定値以下になった場合、前記第一光源に流れる電流経路を断状態に保持する保持回路を含むことを特徴とする請求項1に記載の点灯回路。
- 前記第一光源に流れる電流の経路が断状態に設定された後、前記点灯状態が異なるモードに設定された場合、前記電流経路の状態をリセットして接状態に設定する自己消灯リセット手段を含むことを特徴とする請求項2に記載の点灯回路。
- 前記自己消灯リセット手段は、前記第一モード、又は前記第二モードに切替える指示信号を受け、該指示信号を微分する微分回路と、前記自己消灯手段の前記保持回路の保持電荷を放電する放電回路と、を含んでいることを特徴とする請求項3に記載の点灯回路。
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