JP5727430B2 - セパレータ付燃料電池セル,および燃料電池 - Google Patents

セパレータ付燃料電池セル,および燃料電池 Download PDF

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Description

本発明は,セパレータ付燃料電池セル,および燃料電池に関する。
電解質に固体酸化物を用いた固体酸化物形燃料電池(以下,「SOFC」又は単に「燃料電池」とも記す場合がある)が知られている。SOFCは,例えば,板状の固体電解質層の各面に燃料極と空気極とを備えた燃料電池セルを多数積層したスタック(燃料電池スタック)を有する。燃料極および空気極それぞれに,燃料ガス(例えば,水素)および酸化剤ガス(例えば,空気中の酸素)を供給し,固体電解質層を介して化学反応させることで,電力を発生させる。
燃料電池セルは,一般に,燃料ガスと酸化剤ガスとが存在する区画を区分するセパレータに接続して,用いられる。
Agロウやガラスで燃料電池セルとセパレータを接合するための技術が開示されている(特許文献1参照)。
また,耐熱金属とセラミックスをAlのような非還元性酸化物を添加したAgロウで大気ロウ付けする技術が開示されている(特許文献2参照)。
さらに,SOFC向けガラス材としてAlを含有するものが開示されている(特許文献3参照)。
特許03466960号公報 特開2007−331026号公報 特開2009−199970号公報 特開2010−207863号公報
ここで,Agロウ中を水素と酸素が拡散し,結合することで,ボイドが発生する現象が知られている(特許文献4参照)。ボイドが発生するとAgロウ中にガスの通り道ができるため,ガスの分離が困難となる。
特許文献1にAgロウやガラスによるシールが示されているが,Agロウだけでシールすると,期間の経過により,ボイドが広がり,ガスリークする畏れがある。また,ガラスだけでシールすると,接合強度が弱く,スタック組付け時に剥がれたり,ガラスが割れたりして,ガスリークする畏れがある。
本発明は,燃料電池セルとセパレータの接合および封止の信頼性を向上した,セパレータ付燃料電池セル,および燃料電池を提供することを目的とする。
セパレータ付燃料電池セルは,固体電解質層を挟んで,片面側に空気極が,該片面側とは反対の面側に燃料極が配置される燃料電池セル本体と,Agを含むロウ材で構成される接合部を介して,前記燃料電池セル本体に取り付けられ,開口部を有する,金属製セパレータと,を具備する,セパレータ付燃料電池セルであって,前記接合部よりも前記開口部側の,前記金属製セパレータと前記燃料電池セル本体との間に,前記開口部の全周にわたって配置され,ガラスを含む封止材を有する封止部を具備し,前記金属製セパレータが,1.5質量%以上10質量%以下のAlを含み,前記接合部が,1体積%以上25体積%以下の,Alの酸化物または複合酸化物を含み,前記封止部が,Al換算で,1質量%以上30質量%以下の,Alを含む,ことを特徴とする。
金属製セパレータが,1.5質量%以上10質量%以下のAlを含み,前記接合部が,1体積%以上25体積%以下の,Alの酸化物または複合酸化物を含み,前記封止部が,Al換算で,1質量%以上30質量%以下の,Alを含む。即ち,金属製セパレータ,接合部,封止部の何れもがAlを含むことから,これらの間での親和性が良好となり,接合および封止の信頼性が向上する。
また,金属製セパレータが燃料電池セル本体に接合部により接合されていることから,外部から応力が印加された場合に,封止部の変形が防止され,封止部が割れる可能性を低減できる。
また,封止部が接合部よりも開口部側に配置されることから,接合部が直接酸化剤ガスに接触することが無いので,接合部への酸素の接触が阻止される。この結果,接合部中への酸素の拡散が抑制され,水素と酸素の反応によって発生するボイドを防止することができる。
(1)前記金属製セパレータが,2質量%以上10質量%以下のAlを含み,前記接合部が,2体積%以上15体積%以下の,Alの酸化物または複合酸化物を含み,前記封止部が,Al換算で,2質量%以上20質量%以下の,Alを含んでいるとより好ましい。
Alによって,金属製セパレータ,接合部,封止部の親和性がより良好となり,接合および封止の信頼性がより向上する。
(2)前記Alの酸化物または複合酸化物の少なくとも一部が,前記金属セパレータと前記接合部の界面に配置されても良い。
Alの酸化物または複合酸化物の少なくとも一部が,前記金属セパレータと前記接合部の界面に配置されることで,この界面での親和性が良好となる。
(3)前記Alの酸化物または複合酸化物が,Al,Al含有スピネル型酸化物(例えば,MgAl),またはムライトを有しても良い。
これらAlの酸化物を用い,親和性を良好にできる。
(4)前記金属製セパレータは板状であり,前記板状の金属製セパレータを挟んで,前記封止部と対向する位置における,前記金属製セパレータ表面上に配置され,前記封止材と同じ材料で構成される拘束部をさらに具備しても良い。
前記金属製セパレータ表面上に配置され,前記封止材と同じ材料で構成される拘束部を設けると,金属製セパレータと封止部間での熱膨張差に起因する応力を打ち消すことができ,剥がれを防止できる。
(5)前記金属製セパレータの開口部の側面に配置された連結部によって,前記封止部と前記拘束部とが一体に形成されていても良い。
封止部と拘束部とを連結し,一体化することで,接合および封止の信頼性がより向上する。
(6)燃料電池が(1)〜(5)記載のセパレータ付燃料電池セルを具備しても良い。
接合および封止の信頼性が向上した燃料電池を提供できる。
本発明によれば,燃料電池セルとセパレータの接合および封止の信頼性を向上した,セパレータ付燃料電池セル,および燃料電池スタックを提供できる。
固体酸化物形燃料電池10を表す斜視図である。 固体酸化物形燃料電池10の模式断面図である。 燃料電池セル40の断面図である。 セパレータ付燃料電池セル50の上面図である。 燃料電池セル40aの断面図である。 燃料電池セル40bの断面図である。 燃料電池セル40cの断面図である。 燃料電池セル40dの断面図である。 実施例に係る燃料電池セルの断面写真である。 実施例に係る燃料電池セルの拡大断面写真である。 実施例に係る燃料電池セルの拡大断面写真である。 比較例に係る燃料電池セルの拡大断面写真である。
以下,本発明に係る固体酸化物形燃料電池について図面を用いて説明する。
図1は,本発明の一実施形態に係る固体酸化物形燃料電池(燃料電池スタック)10を表す斜視図である。固体酸化物形燃料電池10は,燃料ガス(例えば,水素)と酸化剤ガス(例えば,空気(詳しくは空気中の酸素))との供給を受けて発電する。
固体酸化物形燃料電池10は,エンドプレート11,12,燃料電池セル40(1)〜40(4)が積層され,ボルト21,22(22a,22b),23(23a,23b)およびナット35で固定される。
図2は,固体酸化物形燃料電池10の模式断面図である。
固体酸化物形燃料電池10は,燃料電池セル40(1)〜40(4)を積層して構成される燃料電池スタックである。ここでは,判り易さのために,4つの燃料電池セル40(1)〜40(4)を積層しているが,一般には,20〜60個程度の燃料電池セル40を積層することが多い。
エンドプレート11,12,燃料電池セル40(1)〜40(4)は,ボルト21,22(22a,22b),23(23a,23b)に対応する貫通孔31,32(32a,32b),33(33a,33b)を有する。
エンドプレート11,12は,積層される燃料電池セル40(1)〜40(4)を押圧,保持する保持板であり,かつ燃料電池セル40(1)〜40(4)からの電流の出力端子でもある。
図3は,燃料電池セル40の断面図である。図4は,燃料電池セル本体44と金属製セパレータ53(セパレータ付燃料電池セル50)を表す上面図である。
図3に示すように,燃料電池セル40は,金属製セパレータ53と燃料電池セル本体44を有し,インターコネクタ41,45,集電体42,枠部43を備える。
燃料電池セル本体44は,固体電解質層56を空気極(カソード,空気極層ともいう)55,および,燃料極(アノード,燃料極層ともいう)57で挟んで構成される。固体電解質層56の酸化剤ガス流路47側,燃料ガス流路48側それぞれに,空気極55,燃料極57が配置される。
空気極55としては,ペロブスカイト系酸化物(例えば,LSCF(ランタンストロンチウムコバルト鉄酸化物),LSM(ランタンストロンチウムマンガン酸化物),各種貴金属及び貴金属とセラミックとのサーメットが使用できる。
固体電解質層56としては,YSZ,ScSZ,SDC,GDC,ペロブスカイト系酸化物等の材料が使用できる。
燃料極57としては,金属が好ましく,Ni及びNiとセラミックとのサーメットやNi基合金が使用できる。
インターコネクタ41,45は,燃料電池セル本体44間の導通を確保し,かつ燃料電池セル本体44間でのガスの混合を防止し得る,導電性を有する板状の部材(例えば,ステンレス鋼等の金属)である。
なお,燃料電池セル本体44間には,1個のインターコネクタ(41若しくは45)のみが配置される(直列に接続される二つの燃料電池セル本体44の間に一つのインターコネクタを共有しているため)。また,最上層および最下層の燃料電池セル本体44それぞれでは,インターコネクタ41,45に替えて,導電性を有するエンドプレート11,12が配置される。
集電体42は,燃料電池セル本体44の空気極55とインターコネクタ41との間の導通を確保するためのものであり,例えば,SUS(ステンレス)等の金属材料からなる。また,集電体42が,弾性を有していてもよい。
枠部43は,酸化剤ガス,燃料ガスが流れる開口46を有する。この開口46は,気密に保持され,かつ酸化剤ガスが流れる酸化剤ガス流路47,燃料ガスが流れる燃料ガス流路48に区分される。また,本実施形態の枠部43は,空気極フレーム51,絶縁フレーム52,金属製セパレータ53,燃料極フレーム54で構成される。
空気極フレーム51は,空気極55側に配置される金属製の枠体で,中央部には開口46を有する。該開口46によって,酸化剤ガス流路47を区画する。
絶縁フレーム52は,インターコネクタ41,45間を電気的に絶縁する枠体で,例えば,Alなどのセラミックスやマイカ,バーミキュライトなどが使用でき,中央部には開口46を有する。該開口46によって,酸化剤ガス流路47を区画する。具体的には,絶縁フレーム52は,インターコネクタ41,45の間において,一方の面が空気極フレーム51に,他方の面が金属製セパレータ53に接触して配置されている。この結果,絶縁フレーム52により,インターコネクタ41,45間が電気的に絶縁されている。
金属製セパレータ53は,開口部58を有する枠状の金属製の薄板(例えば,厚さ:0.1mm)であり,燃料電池セル本体44の固体電解質層56に取り付けられ,かつ酸化剤ガスと燃料ガスとの混合を防止する金属製の枠体である。金属製セパレータ53によって,枠部43の開口46内の空間が,酸化剤ガス流路47と燃料ガス流路48に区切られ,酸化剤ガスと燃料ガスとの混合が防止される。
金属製セパレータ53の上面と下面の間を貫通する貫通孔によって開口部58が形成され,この開口部58内に,燃料電池セル本体44の空気極55が配置される。金属製セパレータ53が接合された燃料電池セル本体44を「セパレータ付燃料電池セル」という。なお,この詳細は後述する。
燃料極フレーム54は,絶縁フレーム52と同様に,燃料極57側に配置される絶縁フレームであり,中央部には開口46を有する。該開口46によって,燃料ガス流路48を区画する。
空気極フレーム51,絶縁フレーム52,金属製セパレータ53,燃料極フレーム54は,ボルト21,22(22a,22b),23(23a,23b)が挿入されるか,もしくは酸化剤ガスか燃料ガスが流通する貫通孔31,32(32a,32b),33(33a,33b)をそれぞれの周辺部に有する。
(セパレータ付燃料電池セル50の詳細)
本実施形態では,燃料電池セル本体44と金属製セパレータ53の間に接合部61,封止部62が配置され,セパレータ付燃料電池セル50を構成する。開口部58に沿って,金属製セパレータ53の下面と固体電解質層56の上面が接合部61で接合され,封止部62で封止される。
金属製セパレータ53は,主成分として,鉄(Fe),クロム(Cr)を含む金属材料から構成され,Alを含む。この結果,金属製セパレータ53の表面にアルミナの被膜が形成され,耐酸化性が向上する。また,いずれもAlを含む接合部61のAgロウ,封止部62のガラスとの親和性が良好となり,接合の強度,封止の気密性(金属製セパレータ53界面との隙間のない封止)を確保できる。
金属製セパレータ53は,1.5質量%以上10質量%未満(一例として,3質量%)のAlを含むことが好ましい。Al含有量が1.5質量%未満の場合,接合部61での接合(ガラス接合)時に,アルミナの被膜とガラスが一部反応することで,Alが枯渇しやすくなり,耐酸化性が低下するためである(Al添加量が1wt%未満では短い時間でAlが枯渇するため耐酸化性効果自体が期待できない)。
Al枯渇に対する耐性の観点から金属製セパレータ53は,2wt%以上のAlを含むことがより好ましい。一方,金属製セパレータ53が,10質量%以上のAlを含むと,硬くなり,加工および応力緩和が困難になる。
また,Al含有量が1.5質量%以上であれば,金属製セパレータ53のアルミナ被膜と接合部61(Agロウ)中のAlを含む酸化物が親和してアンカー材として働き,接合が強化される。
金属製セパレータ53は,0.5mm以下(例えば,0.1mm)の厚みを有することが好ましい。厚みが0.5mmを超えると,固体酸化物形燃料電池10(燃料電池スタック)を形成するときに,燃料電池セル本体44と金属製セパレータ53を接続する接合部61や封止部62に印加される応力が緩和されず,接合部61や封止部62が損傷する(割れる)畏れがある。
接合部61は,例えば,2〜6mmの幅,10〜80μmの厚さを有し,開口部58に沿って,全周にわたって配置され,燃料電池セル本体44と金属製セパレータ53とを接合する。
接合部61は,Alの酸化物または複合酸化物を含んだAgを主成分として含むロウ材(Agロウ)を使用することが好ましい。例えば,Agに還元雰囲気でも安定な,Al,Al含有スピネル型酸化物(MgAlなど),ムライト(酸化アルミニウムと二酸化ケイ素の化合物)をフィラーとして添加したもの,または,Agに少なくともAlを添加した合金などが挙げられる。これらを組み合わせてもよい。
接合工程において,空気極55に使用する材料は真空や還元雰囲気で特性を変化させてしまうため,ロウ材が大気下でロウ付けされることが好ましい。Agは,大気雰囲気でもロウ付け温度で酸化し難い。このため,Agロウを用いると,燃料電池セル本体44と金属製セパレータ53とを大気雰囲気で接合できる。
接合部61中のAlの酸化物または複合酸化物が,金属製セパレータ53表面のアルミナ被膜と親和してアンカー材として働くので,接合強度が向上する。同時に濡れ性が向上するため,ロウ付け時に,Agロウが金属製セパレータ53から弾かれるのを防止できる。また接合部61がロウ垂れや位置ズレを起こして,封止部62との接触が必要になった場合でも,Agロウ表面のAlの酸化物または複合酸化物とAlを含むガラスとが親和性を有することで,Agロウと封止材の界面に隙間が生じるのを防止することができる。
接合部61中のAlの酸化物または複合酸化物の添加量は,1体積%以上(より好ましくは2体積%以上),25体積%(より好ましくは15体積%以下)以下である。添加量が25体積%を越えると,接合部61中のAg間のネッキングが弱くなり,強度が弱くなる。
封止部62は,例えば,1〜4mmの幅,80〜200μmの厚さを有し,開口部58に沿って,全周にわたって,接合部61よりも開口部58側(内周側)に配置され,金属製セパレータ53の開口部58内にある酸化剤ガスと開口部58外にある燃料ガスとの混合を防ぐために燃料電池セル本体44と金属製セパレータ53間を封止する。封止部62が接合部61よりも開口部58側に配置されることから,接合部61が酸化剤ガスに接触することが無くなり,酸化剤ガス流路47側から接合部61への酸素の移動が阻止される。
この結果,水素と酸素の反応によって接合部61にボイドが発生してガスリークすることを防止できる。さらに,封止部62は金属製セパレータ53と燃料電池セル本体44の間に配置されることから,封止部62に働く熱応力が,引張応力ではなくせん断応力になる。このため,封止材が割れにくくなり,また封止部62と金属セパレータ53若しくは燃料電池セル本体44との界面での剥がれを抑制でき,封止部62の信頼性を向上できる。
封止部62は,ガラスを含む封止材で構成されていて,Al換算で1wt%以上(より好ましくは,2wt%以上),30wt%以下(より好ましくは,20wt%以下)のAlを含むことが好ましい。
添加量が1wt%より少ないと,金属製セパレータ53のアルミナ被膜や接合部61が,Agロウと親和性が無くなり,封止(熱処理)時に,Agロウをはじきやすくなる。Alの添加量が30wt%より多いと,熱膨張係数が低くなって,金属製セパレータ53との熱膨張差によって封止材が割れる畏れがある。
封止部62は,封止機能部621,拘束部623,連結部622に区分できる。封止機能部621は,金属製セパレータ53,燃料電池セル本体44間を封止し,接合部61に酸化剤ガスが接触しないようにする。拘束部623は,金属製セパレータ53を挟んで,封止機能部621と対向する位置における,金属製セパレータ53の上面(表面)に配置される。金属製セパレータ53と封止機能部621間での熱膨張差に起因する応力を拘束部623が打ち消すため,金属製セパレータ53と封止機能部621間の剥がれを防止できる。連結部622は,封止機能部621と拘束部623とを連結する。封止機能部621と拘束部623とを連結し,一体化することで,接合および封止の信頼性がより向上する。
(変形例1)
変形例1を説明する。図5は,変形例1に係る燃料電池セル40aの断面図である。
燃料電池セル40aでは,接合部61と封止部62の間に間隙を有する。このように,接合部61と封止部62とが接触していなくても,接合および封止の信頼性向上は可能である。
燃料電池セル40,40aでは,接合部61と封止部62が開口部58の全周に亘って,接触している,または間隙を有する。その中間の態様として,開口部58の周の一部で接合部61と封止部62とが接触し,開口部58の周の一部で接合部61と封止部62とが接触しないことも考えられる。
(変形例2)
変形例2を説明する。図6は,変形例2に係る燃料電池セル40bの断面図である。
燃料電池セル40bでは,封止機能部621のみであり,拘束部622,連結部623を有しない。このように,封止機能部621のみでも,接合および封止の信頼性向上は可能である。
(変形例3)
変形例3を説明する。図7は,変形例3に係る燃料電池セル40cの断面図である。
燃料電池セル40cでは,接合部61と封止機能部621の間に間隙を有する。このように,接合部61と封止機能部621とが接触していなくても,接合および封止の信頼性向上は可能である。
(変形例4)
変形例4を説明する。図8は,変形例4に係る燃料電池セル40dの断面図である。
燃料電池セル40dでは,接合部61と封止部62の境界が傾斜している。この傾斜は,例えば,接合時でのAgロウの垂れや位置ズレで生じる。この結果,金属製セパレータ53と封止部62の接触面積が小さくなる。この場合でも,封止材と金属製セパレータ53のアルミナ被膜との親和性が高いので,封止が不十分になることはない。
(実施例)
図9〜図11は,実施例に係る燃料電池セルの断面を表す写真である。図9〜図11に行くに従って,拡大して表している。この実施例では,金属製セパレータ53,接合部61,封止部62のいずれもがAlを含有し,接合部61にはAl粉末を添加したAgロウを使用し,封止部62はAlを添加したガラスで構成される封止材を使用している。
図10,図11に示すように,金属製セパレータ53,接合部61,封止部62が隙間無く接触している。金属製セパレータ53にアルミナ被膜が形成され,この被膜とガラスの親和性が良好なことで,金属製セパレータ53がガラスをはじくことなく接合されている。また,金属製セパレータ53のAl含有被膜とAgロウ中のAlの親和性が良好なことから,金属製セパレータ53の界面がAgロウですきまなく接合されている。
(比較例)
図12は,比較例に係る燃料電池セルの断面を表す写真である。この図の拡大率は図11と同様である。この比較例では,接合部61を有するが,封止部62を有しない。図12に示すように,封止部62を有しないと,接合部61中での酸素と水素の拡散,結合により,ボイドが発生する。
表1は,金属製セパレータ53の組成,AgロウへのAlの添加量,ガラスへのAlの添加量を変化させて,燃料電池セルを評価した結果を表す表である。
Figure 0005727430
ここで,はじきの( )内の表記はそれぞれS:セパレータ,A:Agロウ,Gガラスに対するはじきを示す
このとき,次のような項目を評価した。
(1)金属製セパレータ53の耐酸化性(○:良,×:不良)
金属製セパレータ53の耐酸化性の良否は,水蒸気を含む大気中で850℃−1000hrの耐久試験後に,異常酸化している箇所があるかどうかで判断した。
(2)金属製セパレータ53の変形容易性(○:良,×:不良)
金属製セパレータ53の変形容易性の良否は,厚さt=0.2の鋼材を90°に折り曲げて伸ばした際にひび割れが入るかどうかで判断した。
(3)Agロウのはじきの有無(○:無し,×:有り)
Agロウのはじきの有無は,Agロウによる接合(熱処理)後に,金属製セパレータ53に対してはじきが見られるかどうかで判断した。
(4)Agロウの強度(○:良,×:不良)
Agロウの強度は,厚さt=0.2の鋼材との接合部(5mm幅)で,ピールした際に,金属製セパレータ53から剥がれるかどうかで判断した。
(5)ガラスのはじきの有無(○:無し,×:有り)
ガラスのはじきは,封止(熱処理)後に,金属製セパレータ53に対して,はじきが見られるかどうかで判断した。
(6)ガラスのクラックの有無(○:無し,×:有り)
ガラスのクラックは,レッドチェックで,ガラスにクラックが入っているかどうかで判断した。
以上の結果,金属製セパレータ53のAl含有率が1.5重量%以上,10重量%以下,AgロウのAl酸化物含有量が1重量%以上,25重量%以下,ガラスのAl酸化物含有量が1重量%以上,30重量%以下のときに良好な結果が得られた。
金属製セパレータ53のAl含有率が0.5重量%のときは,金属製セパレータ53の耐酸化性,Agロウとの接合強度,ガラスとの親和性が十分でなかった。
金属製セパレータ53のAl含有率が1重量%のときは,Agロウとの接合強度が十分でなかった。
金属製セパレータ53のAl含有率が13重量%のときは,金属製セパレータ53の変形容易性が十分でなかった。
AgロウのAl酸化物含有量が0.5重量%のときは,Agロウと金属製セパレータ53およびガラスとの親和性,金属製セパレータ53との接合の強度が十分でなかった。
AgロウのAl酸化物含有量が28重量%のときは,金属製セパレータ53との接合の強度が十分でなかった。
ガラスのAl酸化物含有量が0.5重量%のときは,ガラスとAgロウの親和性が十分でなかった。
ガラスのAl酸化物含有量が35重量%のときは,ガラスにクラックが発生した。
(その他の実施形態)
本発明の実施形態は上記の実施形態に限られず拡張,変更可能であり,拡張,変更した実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
10 固体酸化物形燃料電池
11,12 エンドプレート
21,22 ボルト
31,32 貫通孔
35 ナット
40 燃料電池セル
40a 燃料電池セル
40b 燃料電池セル
40c 燃料電池セル
40d 燃料電池セル
41,45 インターコネクタ
42 集電体
43 枠部
44 燃料電池セル本体
46 開口
47 酸化剤ガス流路
48 燃料ガス流路
50 セパレータ付燃料電池セル
51 空気極フレーム
52 絶縁フレーム
53 金属製セパレータ
54 燃料極フレーム
55 空気極
56 固体電解質層
57 燃料極
58 開口部
61 接合部
62 封止部
621 封止機能部
622 連結部
623 拘束部

Claims (7)

  1. 固体電解質層を空気極および燃料極で挟んで構成される燃料電池セル本体と,
    Agを含むロウ材で構成される接合部を介して,前記燃料電池セル本体に取り付けられ,開口部を有する,金属製セパレータと,
    を具備する,セパレータ付燃料電池セルであって,
    前記接合部よりも前記開口部側の,前記金属製セパレータと前記燃料電池セル本体との間に,前記開口部の全周にわたって配置され,ガラスを含む封止材を有する封止部を具備し,
    前記金属製セパレータが,1.5質量%以上10質量%以下のAlを含み,
    前記接合部が,1体積%以上25体積%以下の,Alの酸化物または複合酸化物を含み,
    前記封止部が,Al換算で,1質量%以上30質量%以下の,Alを含む,
    ことを特徴とするセパレータ付燃料電池セル。
  2. 前記金属製セパレータが,2質量%以上10質量%以下のAlを含み,
    前記接合部が,2体積%以上15体積%以下の,Alの酸化物または複合酸化物を含み,
    前記封止部が,Al換算で,2質量%以上20質量%以下の,Alを含む,
    ことを特徴とする請求項1記載のセパレータ付燃料電池セル。
  3. 前記Alの酸化物または複合酸化物の少なくとも一部が,前記金属セパレータと前記接合部の界面に配置される,
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のセパレータ付燃料電池セル。
  4. 前記Alの酸化物または複合酸化物が,Al,Al含有スピネル型酸化物,またはムライトを有する,
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のセパレータ付燃料電池セル。
  5. 前記金属製セパレータは板状であり,
    前記板状の金属製セパレータを挟んで,前記封止部と対向する位置における,前記金属製セパレータ表面上に配置され,前記封止材と同じ材料で構成される拘束部をさらに具備する,
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のセパレータ付燃料電池セル。
  6. 前記金属製セパレータの開口部の側面に配置された連結部によって,前記封止部と前記拘束部とが一体に形成されている,
    ことを特徴とする請求項5記載のセパレータ付燃料電池セル。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のセパレータ付燃料電池セル
    を具備することを特徴とする燃料電池。
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