(各実施形態の共通事項)
図1は、以下に詳述する本発明の各実施形態に係る半導体装置(例えばチップ領域を1重に取り囲むシールリングを有する半導体装置)が設けられているウェハの一部分を示す平面図である。また、図2(a)は、図1の領域R1(破線によって囲まれた領域)を拡大した平面図であり、図2(b)は、チップ領域の内部に位置するパッド形成領域の断面図(図1及び図2(a)に示すパッド90近傍領域の断面図)であり、図2(c)は、チップ領域の内部に位置する最上層配線形成領域の断面図(最上層配線については図1及び図2(a)で図示を省略している)である。
図1及び図2(a)に示すように、例えばシリコン基板等に代表される半導体基板となるウェハ201上には、それぞれ半導体装置となる複数のチップ領域102が配置されている。各チップ領域102には、複数の素子からなり且つ所定の機能を有するIC(integrated circuit)回路が設けられている。各チップ領域102は、格子状に設けられたスクライブ領域103によって区画されている。すなわち、ダイシング前の半導体装置はチップ領域102とスクライブ領域103とから構成されている。ここで、1個の半導体装置(つまり1個の半導体チップ)は、複数の素子からなり且つ所定の機能を有するIC回路が配置されているチップ領域102と、チップ領域102の周縁部に該チップ領域102を取り囲むように設けられているシールリング104とから構成されている。すなわち、シールリング104は、チップ領域102におけるスクライブ領域103との境界付近に設けられている。また、チップ領域102の内部には例えばシールリング104に沿って複数のパッド90が配置されている。
また、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、ウェハ201よりなる基板101上に第1の層間絶縁膜105及び第2の層間絶縁膜107が順次積層されている。基板101中には、素子を構成する活性層60が形成されており、第1の層間絶縁膜105の下部には、活性層60と接続するプラグ(ビア)61が形成されており、第1の層間絶縁膜105の上部には、プラグ61と接続する配線62が形成されており、第2の層間絶縁膜107の下部には、配線62と接続するプラグ(ビア)63が形成されており、第2の層間絶縁膜107の上部には、プラグ63と接続する配線64が形成されている。プラグ61と配線62、及びプラグ63と配線64はそれぞれデュアルダマシン配線を構成している。第2の層間絶縁膜107の上には、配線64上に開口を有する第1のパッシベーション膜109が形成されており、当該開口には、配線64と接続するパッド90が設けられており、第1のパッシベーション膜109の上には、パッド90上に開口を有する第2のパッシベーション膜150が形成されている。
さらに、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、ウェハ201よりなる基板101上に第1の層間絶縁膜105及び第2の層間絶縁膜107が順次積層されている。基板101中には、素子を構成する活性層70が形成されており、第1の層間絶縁膜105の下部には、活性層70と接続するプラグ(ビア)71が形成されており、第1の層間絶縁膜105の上部には、プラグ71と接続する配線72が形成されており、第2の層間絶縁膜107の下部には、配線72と接続するプラグ(ビア)73が形成されており、第2の層間絶縁膜107の上部には、プラグ73と接続する配線74が形成されている。プラグ71と配線72、及びプラグ73と配線74はそれぞれデュアルダマシン配線を構成している。第2の層間絶縁膜107の上には、配線74上に開口を有する第1のパッシベーション膜109が形成されており、当該開口には、配線74と接続する最上層配線75が設けられており、第1のパッシベーション膜109の上には、最上層配線75を覆うように第2のパッシベーション膜150が形成されている。
尚、第1のパッシベーション膜109は、第2の層間絶縁膜107よりも硬くてもろい材料、例えばシリコン窒化膜(SiN膜)からなる。
以上のように複数の半導体装置が形成されたウェハ201は、各チップの完成後、スクライブ領域103に沿ってダイシングされ、それによって個々の半導体装置が分離される。このとき、個々の半導体装置は、チップ領域102に加えてウェハ状態でのスクライブ領域103のうちのダイシング残り(チップ領域隣接部分)を含むものである。以下、ダイシング後の個々の半導体装置について説明する際には、スクライブ領域103のうちのダイシング残りを単に「スクライブ領域103」と称するものとする。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図3は、第1の実施形態に係る半導体装置(具体的にはダイシング後のチップ)の端部(チップ領域102の周縁部に位置するシールリング104を含む半導体装置端部)の断面構成を示している。尚、図3は図2(a)のA−A’線の断面図である。
図3に示すように、基板101上に、スクライブ領域103と隣接してチップ領域102が設けられている。基板101上には第1の層間絶縁膜105及び第2の層間絶縁膜107が順次積層されている。層間絶縁膜105及び107の積層構造中には、当該積層構造を貫通し且つチップ領域102を連続的に取り囲むシールリング104が形成されている。ここで、シールリング104は、基板101中に形成された活性層(又は導電層)110と、第1の層間絶縁膜105の下部に形成され且つ活性層(又は導電層)110と接続する第1のシールビア111及び121と、第1の層間絶縁膜105の上部に形成され且つ第1のシールビア111及び121とそれぞれ接続する第1のシール配線112及び122と、第2の層間絶縁膜107の下部に形成され且つ第1のシール配線112及び122とそれぞれ接続する第2のシールビア113及び123と、第2の層間絶縁膜107の上部に形成され且つ第2のシールビア113及び123とそれぞれ接続する第2のシール配線114及び124とから構成されている。
本実施形態の特徴として、第2の層間絶縁膜107の上には、チップ領域102から見てシールリング104の外側に開口部131を有する第1のパッシベーション膜109が形成されている。すなわち、第1のパッシベーション膜109は開口部131によって、チップ領域102側に位置する部分と、スクライブ領域103側に位置する部分とに分離されている。尚、開口部131はシールリング104上まで設けられており、シールリング104上に位置する部分の開口部131には、シールリング104と接続するキャップ層125が形成されている。ここで、キャップ層125は、開口部131から見てチップ領域102側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部を覆うように形成されている。また、キャップ層125が形成されていない部分の開口部131において第2の層間絶縁膜107の表面が露出している。さらに、第1のパッシベーション膜109の上には、その開口部131上に開口部161を有する第2のパッシベーション膜150が形成されている。
以下、図3に示す構造を有する本実施形態の半導体装置を製造するための方法について、図4(a)〜(c)、図5(a)、(b)及び図6(a)、(b)の工程断面図を参照しながら説明する。尚、以下に説明する各工程は、基本的にダイシング前のウェハ状態で行われるものである。
まず、図4(a)に示すように、ウェハ(例えば図1に示すウェハ201)よりなる基板101のうちチップ領域102内に位置する部分に活性層(又は導電層)110を形成する。活性層(又は導電層)110は、トランジスタ等の素子を構成してもよい。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、基板101中に素子を構成する活性層60を形成しても良いし、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、基板101中に素子を構成する活性層70を形成しても良い。
次に、図4(a)に示すように、基板101上に第1の層間絶縁膜105を堆積した後、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、チップ領域102のうちのシールリング形成領域に位置する部分の第1の層間絶縁膜105に、第1のシールビア111及び121(図4(b)参照)を形成するための2本の溝状凹部105aを活性層(又は導電層)110に達するように形成する。尚、シールビアとは、シールリングを構成するパーツであって溝状凹部に導電材料を埋め込むことによって形成される。すなわち、シールビアは、チップ領域内において上下配線間接続のために形成されるビアと同程度の幅を持ったライン状構造を有する。
尚、本実施形態において、シールビアのアスペクト比(つまりシールビアが埋め込まれた溝状凹部における幅に対する深さの比)は1以上であることが好ましい。
続いて、図4(a)に示すように、リソグラフィー法を用いて第1の層間絶縁膜105上に、第1のシール配線112及び122(図4(b)参照)を埋め込む配線溝を形成するためのレジストパターン(図示省略)を形成した後、当該レジストパターンをマスクとしてドライエッチング法を用いることにより、チップ領域102のうちのシールリング形成領域に位置する部分の第1の層間絶縁膜105の上部に、2本の溝状凹部105aとそれぞれ接続する2本の配線溝105cを形成し、その後、残存するレジストパターンをアッシングにより除去する。
尚、溝状凹部105a及び配線溝105cはチップ領域102を連続的に取り囲むように形成される。
次に、図4(b)に示すように、第1の層間絶縁膜105に形成された溝状凹部105a及び配線溝105cに、例えばW(タングステン)からなる導電膜を例えばCVD(chemical vapor deposition )法により埋め込み、その後、例えばCMP(化学的機械研磨法)を用いて配線溝105cからはみ出した余分な導電膜を除去し、それによって、活性層(又は導電層)110と接続する第1のシールビア111及び121、並びに第1のシールビア111及び121とそれぞれ接続する第1のシール配線112及び122を形成する。ここで、シールビア111とシール配線112、及びシールビア121とシール配線122はそれぞれデュアルダマシン配線を構成している。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、第1の層間絶縁膜105中に、活性層60と接続するプラグ(ビア)61、及びプラグ61と接続する配線62が形成されると共に、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、第1の層間絶縁膜105中に、活性層70と接続するプラグ(ビア)71、及びプラグ71と接続する配線72が形成される。
次に、図4(c)に示すように、第1の層間絶縁膜105上に第2の層間絶縁膜107を堆積した後、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、チップ領域102に位置する部分の第2の層間絶縁膜107に、第2のシールビア113及び123(図5(a)参照)を形成するための2本の溝状凹部107aをそれぞれ第1のシール配線112及び122に達するように形成する。
続いて、図4(c)に示すように、リソグラフィー法を用いて第2の層間絶縁膜107上に、第2のシール配線114及び124(図5(a)参照)を埋め込む配線溝を形成するためのレジストパターン(図示省略)を形成した後、当該レジストパターンをマスクとしてドライエッチング法を用いることにより、チップ領域102に位置する部分の第2の層間絶縁膜107の上部に、2本の溝状凹部107aとそれぞれ接続する2本の配線溝107cを形成し、その後、残存するレジストパターンをアッシングにより除去する。
尚、溝状凹部107a及び配線溝107cはチップ領域102を連続的に取り囲むように形成される。
次に、図5(a)に示すように、第2の層間絶縁膜107に形成された溝状凹部107a及び配線溝107cに、例えばCu(銅)からなる導電膜を埋め込む。その後、配線溝107cからはみ出した導電膜(第2の層間絶縁膜107よりも上側に存在する導電膜)を例えばCMP法により除去する。これにより、チップ領域102に位置する部分の第2の層間絶縁膜107中に、第1のシール配線112及び122とそれぞれ接続する第2のシールビア113及び123、並びに第2のシールビア113及び123とそれぞれ接続する第2のシール配線114及び124が形成される。ここで、シールビア113とシール配線114、及びシールビア123とシール配線124はそれぞれデュアルダマシン配線を構成している。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、第2の層間絶縁膜107中に、配線62と接続するプラグ(ビア)63、及びプラグ63と接続する配線64が形成されると共に、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、第2の層間絶縁膜107中に、配線72と接続するプラグ(ビア)73、及びプラグ73と接続する配線74が形成される。
尚、以上に説明したような、凹部に導電膜を埋め込むことによってビアと配線とを同時に形成する方法を一般的にデュアルダマシン法という。
また、以上のように形成された、活性層(又は導電層)110と、第1のシールビア111及び121と、第1のシール配線112及び122と、第2のシールビア113及び123と、第2のシール配線114及び124とによって、シールリング104が構成される。
その後、図5(b)に示すように、最上層の層間絶縁膜である第2の層間絶縁膜107上に、シール配線114及び124並びに配線64及び74(図2(b)及び(c)参照)の保護膜となる第1のパッシベーション膜109を堆積する。第1のパッシベーション膜109としては例えばSiN膜の単層構造又はTEOS膜(下層)とSiN膜(上層)との積層構造を用いる。続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、チップ領域102から見てシールリング104の外側からシールリング104(具体的にはシール配線124)上までに位置する部分の第1のパッシベーション膜109に開口部131を形成する。尚、開口部131は、チップ領域102を連続的に取り囲む溝形状を有する。また、このとき、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する部分の開口部131の下側において、第2の層間絶縁膜107に溝を形成してもよい。すなわち、第1のパッシベーション膜109のエッチングにおいてシール配線124をストッパーとして用いることにより、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する部分の第2の層間絶縁膜107の上部をエッチングして第2の層間絶縁膜107のみに溝を形成してもよい。
その後、開口部131を含む第1のパッシベーション膜109の上に全面に亘って、例えばスパッタ法により例えばAl(アルミニウム)膜を堆積し、続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、当該Al膜を所定の形状にパターニングする。具体的には、シール配線124上に位置する部分の開口部131及びその近傍を除く他の領域に形成されている不要なAl膜を除去する。これにより、図6(a)に示すように、シール配線124上に位置する部分の開口部131に、シール配線124と接続するキャップ層125が形成される。すなわち、シールリング形成領域つまりチップ領域102の周縁部において、シールリング104の最上部のうちチップ領域102内部側の第2のシール配線114を第1のパッシベーション膜109によって覆い、シールリング104の最上部のうちスクライブ領域103側の第2のシール配線124を第1のパッシベーション膜109とキャップ層125とによって覆う。このとき、キャップ層125は、開口部131から見てチップ領域102側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部を覆うように形成されていると共に、チップ領域102から見てシール配線124の外側に位置する部分の開口部131における第2の層間絶縁膜107の露出部分と隣接する。言い換えれば、開口部131から見てスクライブ領域103側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部はキャップ層125によって覆われることなくキャップ層125から離間している。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線64と接続するパッド90が形成されると共に、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線74と接続する最上層配線75が形成される。すなわち、本実施形態では、シールリング104の最上部である第2のシール配線124と接続するキャップ層125は、チップ領域102における配線・パッド形成工程において同時に形成される。これにより、新たにキャップ層形成工程を追加することなく、シールリング104の最上部である第2のシール配線124と接続するキャップ層125を形成することができる。
その後、図6(b)に示すように、開口部131を含む第1のパッシベーション膜109の上及びキャップ層125の上に、つまり基板101上の全面に亘って、キャップ層125、パッド90(図2(b)参照)及び最上層配線75(図2(c)参照)の保護膜となる第2のパッシベーション膜150を堆積する。第2のパッシベーション膜150としては例えばSiN膜の単層構造を用いる。続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第1のパッシベーション膜109の開口部131の上及びキャップ層125の上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150に開口部161を形成する。ここで、第2のパッシベーション膜150の開口部161と第1のパッシベーション膜109の開口部131とが一体となって、チップ領域102を連続的に取り囲む溝が構成される。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、パッド90上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150は開口される一方、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、最上層配線75は第2のパッシベーション膜150によって覆われたままである。
以上に説明したように、本実施形態によると、パッシベーション膜109及び150がシールリング104の外側(チップ領域102の周縁部近傍)で開口部131及び161によって分離されているため、ウェハのダイシング時の衝撃によってチップ領域102の外側(つまりスクライブ領域103)のパッシベーション膜109及び150に剥がれが生じたとしても、チップ領域102の内側のパッシベーション膜109及び150まで連続的に剥がれてしまうことを防止することができる。また、パッシベーション膜109及び150をチップ領域102の内外で分離する開口部131及び161において下地である第2の層間絶縁膜107が露出した状態にあるため、当該開口部131及び161の全体にキャップ層等を埋め込んだ構成と比較して、チップ領域102の外側でパッシベーション膜109及び150が受けた衝撃が該パッシベーション膜109及び150を伝搬してチップ領域102の内部へ伝わることをより確実に防止することができる。従って、ウェハを個々のチップに分割する際のダイシングによって生じる欠けや割れ等がチップ領域102内に伝播することを防止でき、それによってチップ表面から水分や可動イオン等の汚染物質が装置内部に侵入することを防止できるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性を向上させることができる。
また、本実施形態によると、パッシベーション膜109の開口部131はシールリング104(具体的にはシール配線124)上まで設けられており、当該シール配線124上に位置する部分の開口部131に当該シール配線124と接続するキャップ層125が形成されている。このため、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側(スクライブ領域103)からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等を、靭性及び展性を有するキャップ層125及びシールリング104によって阻止することができるので、チップ領域102内のパッシベーション膜109及び150が剥がれてしまうことをより確実に防止でき、それによって半導体装置の信頼性及び耐湿性をより一層向上させることができる。
また、本実施形態によると、開口部131から見てチップ領域102側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部を覆うようにキャップ層125が形成されているため、チップ領域102内の第1のパッシベーション膜109における開口部131側の側面に、ウェハのダイシング時の衝撃によって発生した応力が集中することを防ぐことができる。従って、チップ領域102内の第1のパッシベーション膜109が剥がれてしまうことをより一層確実に防止することができる。
尚、本実施形態において、パッシベーション膜109に設けられる開口部131は、シールリング104の外側のチップ領域102の端部の上のみならず、スクライブ領域103のうちのダイシング残りの上にも形成されていてもよい。また、ウェハ状態でのスクライブ領域103にはパッシベーション膜109を形成しないことにより開口部131を設けてもよい。
また、本実施形態において、シールリング104(具体的にはシール配線114及び124)はパッシベーション膜109及びキャップ層125によって覆われているため、シールリング104に腐食が生じることはない。
また、本実施形態において、スクライブ領域103に位置する部分の層間絶縁膜105及び107中に配線構造を設けてもよい。
また、本実施形態において、例えば第2のシール配線124等の1個のシール配線の底面に対して例えば第2のシールビア123等の1個のシールビアが接続された構成を用いているが、これに代えて、1個のシール配線の底面に複数のシールビアが接続された構成を用いてもよい。
また、本実施形態において、開口部131における層間絶縁膜107の露出部分に溝が形成されていると、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側(スクライブ領域103)からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路を遮断することができるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下をより確実に防止することができる。
また、本実施形態において、シール配線114及び124並びに配線64及び74を確実に保護するために、第1のパッシベーション膜109の厚さは150nm以上であることが好ましい。
また、本実施形態において、シールリング104を構成する各シール配線及び各シールビアの構成材料は、特に限定されるものではないが、例えばW、Al及びCuのうちの少なくとも1つを用いてもよい。
また、本実施形態において、シールリング104と接続するキャップ層125の構成材料は、特に限定されるものではないが、キャップ層125が例えばAlから構成されていると、シールリング104(特にCuから構成されたシールリング104)の腐食を確実に防止することができる。
(第1の実施形態の第1変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図7は、本変形例に係る半導体装置(具体的にはダイシング後のチップ)の端部(図1に示すチップ領域102の周縁部に位置するシールリング104を含む半導体装置端部)の断面構成を示している。尚、図7は図2(a)のA−A’線の断面図である。また、図7において、図3に示す第1の実施形態に係る半導体装置と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
本変形例が第1の実施形態と異なっている点は次の通りである。すなわち、第1の実施形態においては、図3に示すように、第1のパッシベーション膜109をチップ領域102側に位置する部分とスクライブ領域103側に位置する部分とに分離する開口部131が、チップ領域102から見てシールリング104の外側からシールリング104上まで配置されていた。それに対して、本変形例においては、図7に示すように、開口部131はシールリング104上には配置されず、チップ領域102から見てシールリング104の外側のみに配置されている。また、第1の実施形態においては、図3に示すように、シールリング104となる第2のシール配線124上に位置する部分の開口部131に、シールリング104となる第2のシール配線124と接続するキャップ層125が形成されていたが、本変形例においては、図7に示すように、開口部131から見てチップ領域102側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部を覆うようにキャップ層126が形成されており、当該キャップ層126はシールリング104と接続することなく、開口部131に露出する第2の層間絶縁膜107と部分的に接触している。すなわち、本変形例においては、図7に示すように、シールリング104(具体的にはシール配線114及び124)は第1のパッシベーション膜109のみによって覆われている。
尚、本変形例においても、第1の実施形態と同様に、図7に示すように、開口部131において第2の層間絶縁膜107の表面が露出しており、第1のパッシベーション膜109の上には、その開口部131上及びキャップ層126上に開口部161を有する第2のパッシベーション膜150が形成されている。
以下、図7に示す構造を有する本変形例の半導体装置を製造するための方法について説明する。尚、以下に説明する各工程は、基本的にダイシング前のウェハ状態で行われるものである。
まず、図4(a)〜図5(a)に示す第1の実施形態の各工程を実施する。その後、図7に示すように、最上層の層間絶縁膜である第2の層間絶縁膜107上に、シール配線114及び124並びに配線64及び74(図2(b)及び(c)参照)の保護膜となる第1のパッシベーション膜109を堆積する。第1のパッシベーション膜109としては例えばSiN膜の単層構造又はTEOS膜(下層)とSiN膜(上層)との積層構造を用いる。続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109に開口部131を形成する。尚、開口部131は、チップ領域102を連続的に取り囲む溝形状を有するが、シールリング104(具体的にはシール配線124)上には配置されていない。また、開口部131の下側において、第2の層間絶縁膜107に溝が形成されてもよい。
その後、開口部131を含む第1のパッシベーション膜109の上に全面に亘って、例えばスパッタ法により例えばAl(アルミニウム)膜を堆積し、続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、当該Al膜を所定の形状にパターニングする。具体的には、開口部131から見てチップ領域102側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部及びその近傍を除く他の領域に形成されている不要なAl膜を除去する。これにより、図7に示すように、開口部131から見てチップ領域102側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部を覆うように(但しシールリング104とは接しないように)キャップ層126が形成される。すなわち、シールリング形成領域つまりチップ領域102の周縁部において、シールリング104の最上部である第2のシール配線124を第1のパッシベーション膜109を挟んでキャップ層126によって覆う。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線64と接続するパッド90が形成されると共に、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線74と接続する最上層配線75が形成される。すなわち、本変形例では、シールリング104と接続しないキャップ層126は、チップ領域102における配線・パッド形成工程において同時に形成される。これにより、新たにキャップ層形成工程を追加することなく、シールリング104の上方にキャップ層126を形成することができる。
その後、図7に示すように、開口部131を含む第1のパッシベーション膜109の上及びキャップ層126の上に、つまり基板101上の全面に亘って、キャップ層126、パッド90(図2(b)参照)及び最上層配線75(図2(c)参照)の保護膜となる第2のパッシベーション膜150を堆積する。第2のパッシベーション膜150としては例えばSiN膜の単層構造を用いる。続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第1のパッシベーション膜109の開口部131の上及びキャップ層126の上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150に開口部161を形成する。ここで、第2のパッシベーション膜150の開口部161と第1のパッシベーション膜109の開口部131とが一体となって、チップ領域102を連続的に取り囲む溝が構成される。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、パッド90上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150は開口される一方、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、最上層配線75は第2のパッシベーション膜150によって覆われたままである。
以上に説明したように、本変形例によると、パッシベーション膜109及び150がシールリング104の外側(チップ領域102の周縁部近傍)で開口部131及び161によって分離されているため、ウェハのダイシング時の衝撃によってチップ領域102の外側のパッシベーション膜109及び150に剥がれが生じたとしても、チップ領域102の内側のパッシベーション膜109及び150まで連続的に剥がれてしまうことを防止することができる。また、パッシベーション膜109及び150をチップ領域102の内外で分離する開口部131及び161において下地である第2の層間絶縁膜107が露出した状態にあるため、当該開口部131及び161の全体にキャップ層等を埋め込んだ構成と比較して、チップ領域102の外側でパッシベーション膜109及び150が受けた衝撃が該パッシベーション膜109及び150を伝搬してチップ領域102の内部へ伝わることをより確実に防止することができる。従って、ウェハを個々のチップに分割する際のダイシングによって生じる欠けや割れ等がチップ領域102内に伝播することを防止でき、それによってチップ表面から水分や可動イオン等の汚染物質が装置内部に侵入することを防止できるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性を向上させることができる。
また、本変形例によると、開口部131から見てチップ領域102側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部を覆うようにキャップ層126が形成されているため、チップ領域102内の第1のパッシベーション膜109における開口部131側の側面に、ウェハのダイシング時の衝撃によって発生した応力が集中することを防ぐことができる。従って、チップ領域102内の第1のパッシベーション膜109が剥がれてしまうことをより一層確実に防止することができる。また、本変形例では、シールリング104が第1のパッシベーション膜109によって覆われているので、ウェハのダイシング時の衝撃や応力等によってキャップ層126が剥離されてもよい。
尚、本変形例において、シールリング104(具体的にはシール配線114及び124)はパッシベーション膜109によって覆われているため、シールリング104に腐食が生じることはない。
また、本変形例において、開口部131における層間絶縁膜107の露出部分に溝が形成されていると、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路を遮断することができるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下をより確実に防止することができる。
(第1の実施形態の第2変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図8は、本変形例に係る半導体装置(具体的にはダイシング後のチップ)の端部(図1に示すチップ領域102の周縁部に位置するシールリング104を含む半導体装置端部)の断面構成を示している。尚、図8は図2(a)のA−A’線の断面図である。また、図8において、図3に示す第1の実施形態に係る半導体装置と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
本変形例が第1の実施形態と異なっている点は、図8に示すように、シールリング104と接続するキャップ層125に加えて、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部を覆うキャップ層136が形成されていることである。また、本変形例においては、図8に示すように、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109はキャップ層136と共に、同じ側に位置する部分の第2のパッシベーション膜150によって覆われる。
尚、本変形例においても、第1の実施形態と同様に、図8に示すように、開口部131において第2の層間絶縁膜107の表面が露出しており、第1のパッシベーション膜109の上には、その開口部131上に開口部161を有する第2のパッシベーション膜150が形成されている。
以下、図8に示す構造を有する本変形例の半導体装置を製造するための方法について説明する。尚、以下に説明する各工程は、基本的にダイシング前のウェハ状態で行われるものである。
まず、図4(a)〜図5(b)に示す第1の実施形態の各工程を実施した後、開口部131を含む第1のパッシベーション膜109の上に全面に亘って、例えばスパッタ法により例えばAl(アルミニウム)膜を堆積し、続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、当該Al膜を所定の形状にパターニングする。具体的には、シール配線124上に位置する部分の開口部131及びその近傍、並びに開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部及びその近傍を除く他の領域に形成されている不要なAl膜を除去する。これにより、図8に示すように、シール配線124上に位置する部分の開口部131に、シール配線124と接続するキャップ層125が形成されると共に、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部を覆うキャップ層136が形成される。尚、キャップ層125は、シールリング104の最上部、及び開口部131から見てチップ領域102側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部を覆うように形成される。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線64と接続するパッド90が形成されると共に、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線74と接続する最上層配線75が形成される。すなわち、本変形例では、キャップ層125及び136は、チップ領域102における配線・パッド形成工程において同時に形成される。これにより、新たにキャップ層形成工程を追加することなく、キャップ層125及び136を形成することができる。
その後、図8に示すように、開口部131を含む第1のパッシベーション膜109の上並びにキャップ層125及び136の上に、つまり基板101上の全面に亘って、キャップ層125及び136、パッド90(図2(b)参照)並びに最上層配線75(図2(c)参照)の保護膜となる第2のパッシベーション膜150を堆積する。第2のパッシベーション膜150としては例えばSiN膜の単層構造を用いる。続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第1のパッシベーション膜109の開口部131の上及びキャップ層125の上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150に開口部161を形成する。但し、本変形例では、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109がキャップ層136と共に、同じ側に位置する部分の第2のパッシベーション膜150によって覆われるように開口部161を形成する。ここで、第2のパッシベーション膜150の開口部161と第1のパッシベーション膜109の開口部131とが一体となって、チップ領域102を連続的に取り囲む溝が構成される。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、パッド90上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150は開口される一方、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、最上層配線75は第2のパッシベーション膜150によって覆われたままである。
以上に説明した本変形例によると、第1の実施形態と同様の効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部と、開口部161から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第2のパッシベーション膜150の端部とが位置ずれしているため、最上層配線75(図2(c)参照)等を覆うために均等な厚さで平滑に形成される第2のパッシベーション膜150に対するエッチング加工を容易に行うことができる。
尚、本変形例において、開口部131における層間絶縁膜107の露出部分に溝が形成されていると、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路を遮断することができるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下をより確実に防止することができる。
また、本変形例において、開口部161から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第2のパッシベーション膜150は、同じ側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109とキャップ層136とを覆うように形成されている。しかし、これに代えて、開口部161から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第2のパッシベーション膜150の端部が、例えばキャップ層136上に位置していてもよいし、又は同じ側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109上に位置していてもよい。
(第1の実施形態の第3変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の第3変形例に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図9は、本変形例に係る半導体装置(具体的にはダイシング後のチップ)の端部(図1に示すチップ領域102の周縁部に位置するシールリング104を含む半導体装置端部)の断面構成を示している。尚、図9は図2(a)のA−A’線の断面図である。また、図9において、図3に示す第1の実施形態に係る半導体装置と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
本変形例が第1の実施形態と異なっている点は、図9に示すように、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部と、開口部161から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第2のパッシベーション膜150の端部とが位置ずれしていることである。具体的には、図9に示すように、開口部161から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第2のパッシベーション膜150の端部は、同じ側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の上側に位置する。
尚、本変形例においても、第1の実施形態と同様に、図9に示すように、開口部131において第2の層間絶縁膜107の表面が露出しており、第1のパッシベーション膜109の上には、その開口部131上に開口部161を有する第2のパッシベーション膜150が形成されている。
以下、図9に示す構造を有する本変形例の半導体装置を製造するための方法について説明する。尚、以下に説明する各工程は、基本的にダイシング前のウェハ状態で行われるものである。
まず、図4(a)〜図6(a)に示す第1の実施形態の各工程を実施した後、図9に示すように、開口部131を含む第1のパッシベーション膜109の上及びキャップ層125の上に、つまり基板101上の全面に亘って、キャップ層125、パッド90(図2(b)参照)及び最上層配線75(図2(c)参照)の保護膜となる第2のパッシベーション膜150を堆積する。第2のパッシベーション膜150としては例えばSiN膜の単層構造を用いる。続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第1のパッシベーション膜109の開口部131の上及びキャップ層125の上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150に開口部161を形成する。但し、本変形例では、開口部161から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第2のパッシベーション膜150の端部が、同じ側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の上側に位置するように開口部161を形成する。ここで、第2のパッシベーション膜150の開口部161と第1のパッシベーション膜109の開口部131とが一体となって、チップ領域102を連続的に取り囲む溝が構成される。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、パッド90上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150は開口される一方、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、最上層配線75は第2のパッシベーション膜150によって覆われたままである。
以上に説明した本変形例によると、第1の実施形態と同様の効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部と、開口部161から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第2のパッシベーション膜150の端部とが位置ずれしているため、最上層配線75(図2(c)参照)等を覆うために均等な厚さで平滑に形成される第2のパッシベーション膜150に対するエッチング加工を容易に行うことができる。
尚、本変形例において、開口部131における層間絶縁膜107の露出部分に溝が形成されていると、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路を遮断することができるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下をより確実に防止することができる。
(第1の実施形態の第4変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の第4変形例に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図10は、本変形例に係る半導体装置(具体的にはダイシング後のチップ)の端部(図1に示すチップ領域102の周縁部に位置するシールリング104を含む半導体装置端部)の断面構成を示している。尚、図10は図2(a)のA−A’線の断面図である。また、図10において、図3に示す第1の実施形態に係る半導体装置と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
本変形例が第1の実施形態と異なっている点は、図10に示すように、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部と、開口部161から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第2のパッシベーション膜150の端部とが位置ずれしていることである。具体的には、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部は、同じ側に位置する部分の第2のパッシベーション膜150の下側に位置する。言い換えると、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109は、同じ側に位置する部分の第2のパッシベーション膜150によって覆われる。
尚、本変形例においても、第1の実施形態と同様に、図10に示すように、開口部131において第2の層間絶縁膜107の表面が露出しており、第1のパッシベーション膜109の上には、その開口部131上に開口部161を有する第2のパッシベーション膜150が形成されている。
以下、図10に示す構造を有する本変形例の半導体装置を製造するための方法について説明する。尚、以下に説明する各工程は、基本的にダイシング前のウェハ状態で行われるものである。
まず、図4(a)〜図6(a)に示す第1の実施形態の各工程を実施した後、図10に示すように、開口部131を含む第1のパッシベーション膜109の上及びキャップ層125の上に、つまり基板101上の全面に亘って、キャップ層125、パッド90(図2(b)参照)及び最上層配線75(図2(c)参照)の保護膜となる第2のパッシベーション膜150を堆積する。第2のパッシベーション膜150としては例えばSiN膜の単層構造を用いる。続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第1のパッシベーション膜109の開口部131の上及びキャップ層125の上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150に開口部161を形成する。但し、本変形例では、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部が、同じ側に位置する部分の第2のパッシベーション膜150によって覆われるように開口部161を形成する。ここで、第2のパッシベーション膜150の開口部161と第1のパッシベーション膜109の開口部131とが一体となって、チップ領域102を連続的に取り囲む溝が構成される。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、パッド90上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150は開口される一方、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、最上層配線75は第2のパッシベーション膜150によって覆われたままである。
以上に説明した本変形例によると、第1の実施形態と同様の効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部と、開口部161から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第2のパッシベーション膜150の端部とが位置ずれしているため、最上層配線75(図2(c)参照)等を覆うために均等な厚さで平滑に形成される第2のパッシベーション膜150に対するエッチング加工を容易に行うことができる。
尚、本変形例において、開口部131における層間絶縁膜107の露出部分に溝が形成されていると、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路を遮断することができるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下をより確実に防止することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図11は、第2の実施形態に係る半導体装置(具体的にはダイシング後のチップ)の端部(図1に示すチップ領域102の周縁部に位置するシールリング104を含む半導体装置端部)の断面構成を示している。尚、図11は図2(a)のA−A’線の断面図である。また、図11において、図3に示す第1の実施形態に係る半導体装置と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
本実施形態が第1の実施形態と異なっている点は、図11に示すように、第1のパッシベーション膜109が、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する開口部131に加えて、シールリング104の最上部である第2のシール配線124上に位置する開口部132を有しており、当該開口部132にシールリング104(具体的にはシール配線124)と接続するキャップ層127が形成されていることである。
尚、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、図11に示すように、開口部131において第2の層間絶縁膜107の表面が露出しており、第1のパッシベーション膜109の上には、その開口部131上及びキャップ層127上に開口部161を有する第2のパッシベーション膜150が形成されている。
また、本実施形態においては、図11に示すように、開口部131における第2の層間絶縁膜107の露出部分には溝が形成されている。
以下、図11に示す構造を有する本実施形態の半導体装置を製造するための方法について、図12(a)、(b)及び図13(a)、(b)の工程断面図を参照しながら説明する。尚、以下に説明する各工程は、基本的にダイシング前のウェハ状態で行われるものである。
まず、図4(a)〜図5(a)に示す第1の実施形態の各工程を実施する。その後、図12(a)に示すように、最上層の層間絶縁膜である第2の層間絶縁膜107上に、第2のシール配線114及び124並びに配線64及び74(図2(b)及び(c)参照)の保護膜となる第1のパッシベーション膜109を堆積する。第1のパッシベーション膜109としては例えばSiN膜の単層構造又はTEOS膜(下層)とSiN膜(上層)との積層構造を用いる。続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第1のパッシベーション膜109に、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する開口部131と、シールリング104における第2のシール配線124上のみに位置する開口部132とを形成する。このとき、第1のパッシベーション膜109をエッチングする際の条件を調整することによって、開口部131(本実施形態ではスクライブ領域103に位置する)に露出する第2の層間絶縁膜107をエッチングして溝を形成する。尚、開口部131はシールリング104(具体的には第2のシール配線124)から離間しており、開口部131と開口部132との間には第1のパッシベーション膜109の一部分が介在しており、開口部131及び132は、チップ領域102を連続的に取り囲む溝形状を有する。
その後、開口部131及び132を含む第1のパッシベーション膜109の上に全面に亘って、例えばスパッタ法により例えばAl(アルミニウム)膜を堆積し、続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、当該Al膜を所定の形状にパターニングする。具体的には、第2のシール配線124上の開口部132及びその近傍を除く他の領域に形成されている不要なAl膜を除去する。これにより、図12(b)に示すように、第2のシール配線124上の開口部132に、第2のシール配線124と接続するキャップ層127が形成される。すなわち、シールリング形成領域つまりチップ領域102の周縁部において、シールリング104の最上部のうちチップ領域102内部側の第2のシール配線114を第1のパッシベーション膜109によって覆い、シールリング104の最上部のうちスクライブ領域103側の第2のシール配線124を第1のパッシベーション膜109とキャップ層127とによって覆う。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線64と接続するパッド90が形成されると共に、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線74と接続する最上層配線75が形成される。すなわち、本実施形態では、シールリング104の最上部である第2のシール配線124と接続するキャップ層127は、チップ領域102における配線・パッド形成工程において同時に形成される。これにより、新たにキャップ層形成工程を追加することなく、シールリング104の最上部である第2のシール配線124と接続するキャップ層127を形成することができる。
その後、図13(a)に示すように、開口部131を含む第1のパッシベーション膜109の上及びキャップ層127の上に、つまり基板101上の全面に亘って、キャップ層127、パッド90(図2(b)参照)及び最上層配線75(図2(c)参照)の保護膜となる第2のパッシベーション膜150を堆積する。第2のパッシベーション膜150としては例えばSiN膜の単層構造を用いる。続いて、図13(b)に示すように、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第1のパッシベーション膜109の開口部131の上からキャップ層127の上までに位置する部分の第2のパッシベーション膜150に開口部161を形成する。ここで、第2のパッシベーション膜150の開口部161と第1のパッシベーション膜109の開口部131とが一体となって、チップ領域102を連続的に取り囲む溝が構成される。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、パッド90上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150は開口される一方、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、最上層配線75は第2のパッシベーション膜150によって覆われたままである。
以上に説明したように、本実施形態によると、パッシベーション膜109及び150がシールリング104の外側(チップ領域102の周縁部近傍)で開口部131及び161によって分離されているため、ウェハのダイシング時の衝撃によってチップ領域102の外側(つまりスクライブ領域103)のパッシベーション膜109及び150に剥がれが生じたとしても、チップ領域102の内側のパッシベーション膜109及び150まで連続的に剥がれてしまうことを防止することができる。また、パッシベーション膜109及び150をチップ領域102の内外で分離する開口部131及び161において下地である第2の層間絶縁膜107が露出した状態にあるため、当該開口部131及び161の全体にキャップ層等を埋め込んだ構成と比較して、チップ領域102の外側(つまりスクライブ領域103)でパッシベーション膜109及び150が受けた衝撃が該パッシベーション膜109及び150を伝搬してチップ領域102の内部へ伝わることをより確実に防止することができる。従って、ウェハを個々のチップに分割する際のダイシングによって生じる欠けや割れ等がチップ領域102内に伝播することを防止でき、それによってチップ表面から水分や可動イオン等の汚染物質が装置内部に侵入することを防止できるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性を向上させることができる。
また、本実施形態によると、シールリング104における第2のシール配線124上に位置する部分の第1のパッシベーション膜109に開口部132が設けられており、開口部132に第2のシール配線124と接続するキャップ層127が形成されている。このため、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側(つまりスクライブ領域103)からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等を、靭性及び展性を有するキャップ層127及びシールリング104によって阻止することができるので、チップ領域102内のパッシベーション膜109及び150が剥がれてしまうことをより確実に防止でき、それによって半導体装置の信頼性及び耐湿性をより一層向上させることができる。
また、本実施形態によると、シールリング104の外側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109に設けられた開口部131において露出する第2の層間絶縁膜107に溝が形成されている。言い換えると、当該溝の底面は、比較的硬度が低くやわらかい第2の層間絶縁膜107中に位置する。このため、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側(つまりスクライブ領域103)からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路を遮断することができる。その結果、ウェハのダイシング時にパッシベーション膜109及び150にクラック等が生じることを抑制でき、それによってチップ領域102の内部におけるパッシベーション膜109及び150の剥がれを防止できる。従って、半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下をより確実に防止することができる。
尚、本実施形態において、パッシベーション膜109に設けられる開口部131は、シールリング104の外側のチップ領域102の端部の上のみならず、スクライブ領域103のうちのダイシング残りの上にも形成されていてもよい。また、ウェハ状態でのスクライブ領域103にはパッシベーション膜109を形成しないことにより開口部131を設けてもよい。
また、本実施形態において、シールリング104(具体的には第2のシール配線114及び124)はパッシベーション膜109及びキャップ層127によって覆われているため、シールリング104に腐食が生じることはない。
また、本実施形態において、スクライブ領域103に位置する部分の層間絶縁膜105及び107中に配線構造を設けてもよい。
また、本実施形態において、第2のシール配線114及び124並びに配線64及び74を確実に保護するために、第1のパッシベーション膜109の厚さは150nm以上であることが好ましい。
また、本実施形態において、シールリング104を構成する各シール配線及び各シールビアの構成材料は、特に限定されるものではないが、例えばW、Al及びCuのうちの少なくとも1つを用いてもよい。
また、本実施形態において、シールリング104における第2のシール配線124と接続するキャップ層127の構成材料は、特に限定されるものではないが、キャップ層127が例えばAlから構成されていると、シールリング104(特にCuから構成されたシールリング104)の腐食を確実に防止することができる。
また、本実施形態において、開口部131における第2の層間絶縁膜107の露出部分に溝を形成したが、これに代えて、当該溝を形成しなくてもよい。すなわち、第1のパッシベーション膜109の下面と、開口部131における第2の層間絶縁膜107の露出部分の表面とが同じ高さに位置していてもよい。
(第2の実施形態の第1変形例)
以下、本発明の第2の実施形態の第1変形例に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図14は、本変形例に係る半導体装置(具体的にはダイシング後のチップ)の端部(図1に示すチップ領域102の周縁部に位置するシールリング104を含む半導体装置端部)の断面構成を示している。尚、図14は図2(a)のA−A’線の断面図である。また、図14において、図3に示す第1の実施形態又は図11に示す第2の実施形態に係る半導体装置と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
本変形例が図11に示す第2の実施形態と異なっている点は、図14に示すように、開口部131と開口部132との間に位置する部分の第1のパッシベーション膜109における開口部131側の側面に、キャップ層127と同一の材料からなるサイドウォールスペーサ142が形成されていることである。尚、本変形例においては、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109における開口部131側の側面にもサイドウォールスペーサ142が形成されている。また、本変形例においては、図14に示すように、開口部131における第2の層間絶縁膜107の露出部分には溝が形成されており、サイドウォールスペーサ142の下面は第1のパッシベーション膜109の下面よりも下方に位置する。
尚、本変形例においても、第1及び第2の実施形態と同様に、図14に示すように、開口部131において第2の層間絶縁膜107の表面が露出しており、第1のパッシベーション膜109の上には、その開口部131上及びキャップ層127上に開口部161を有する第2のパッシベーション膜150が形成されている。
また、本変形例においても、第2の実施形態と同様に、図14に示すように、第1のパッシベーション膜109が、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する開口部131に加えて、シールリング104における第2のシール配線124上に位置する開口部132を有しており、当該開口部132に第2のシール配線124と接続するキャップ層127が形成されている。
以下、図14に示す構造を有する本変形例の半導体装置を製造するための方法について、図15(a)、(b)及び図16(a)、(b)の工程断面図を参照しながら説明する。尚、以下に説明する各工程は、基本的にダイシング前のウェハ状態で行われるものである。
まず、図4(a)〜図5(a)に示す第1の実施形態の各工程を実施する。その後、図15(a)に示すように、最上層の層間絶縁膜である第2の層間絶縁膜107上に、第2のシール配線114及び124並びに配線64及び74(図2(b)及び(c)参照)の保護膜となる第1のパッシベーション膜109を堆積する。第1のパッシベーション膜109としては例えばSiN膜の単層構造又はTEOS膜(下層)とSiN膜(上層)との積層構造を用いる。続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第1のパッシベーション膜109に、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する開口部131と、シールリング104(具体的には第2のシール配線124)上に位置する開口部132とを形成する。このとき、第1のパッシベーション膜109をエッチングする際の条件を調整することによって、開口部131(本実施形態ではスクライブ領域103に位置する)に露出する第2の層間絶縁膜107をエッチングして溝を形成する。尚、開口部131はシールリング104(具体的には第2のシール配線124)から離間しており、開口部131と開口部132との間には第1のパッシベーション膜109の一部分が介在しており、開口部131及び132は、チップ領域102を連続的に取り囲む溝形状を有する。
その後、開口部131及び132を含む第1のパッシベーション膜109の上に全面に亘って、例えばスパッタ法により例えばAl(アルミニウム)膜を堆積し、続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、当該Al膜を所定の形状にパターニングする。具体的には、第2のシール配線124上の開口部132及びその近傍を除く他の領域に形成されている不要なAl膜を除去する。これにより、図15(b)に示すように、第2のシール配線124上の開口部132に、第2のシール配線124と接続するキャップ層127が形成される。すなわち、シールリング形成領域つまりチップ領域102の周縁部において、第1のパッシベーション膜109に形成された開口部132内に露出するシールリング104の最上部(具体的には第2のシール配線124)をキャップ層127によって覆う。ここで、本変形例においては、キャップ層127となるAl膜をエッチングする際の条件を調整することによって、開口部131と開口部132との間に位置する部分の第1のパッシベーション膜109における開口部131側の側面に、キャップ層127と同一の材料からなるサイドウォールスペーサ142を形成する。このとき、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109における開口部131側の側面にもサイドウォールスペーサ142を形成する。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線64と接続するパッド90が形成されると共に、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線74と接続する最上層配線75が形成される。すなわち、本実施形態では、シールリング104の最上部である第2のシール配線124と接続するキャップ層127は、チップ領域102における配線・パッド形成工程において同時に形成される。これにより、新たにキャップ層形成工程を追加することなく、シールリング104の最上部である第2のシール配線124と接続するキャップ層127を形成することができる。
その後、図16(a)に示すように、サイドウォールスペーサ142及び開口部131を含む第1のパッシベーション膜109の上並びにキャップ層127の上に、つまり基板101上の全面に亘って、キャップ層127、パッド90(図2(b)参照)及び最上層配線75(図2(c)参照)の保護膜となる第2のパッシベーション膜150を堆積する。第2のパッシベーション膜150としては例えばSiN膜の単層構造を用いる。続いて、図16(b)に示すように、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第1のパッシベーション膜109の開口部131の上からキャップ層127の上までに位置する部分の第2のパッシベーション膜150に開口部161を形成する。ここで、第2のパッシベーション膜150の開口部161と第1のパッシベーション膜109の開口部131とが一体となって、チップ領域102を連続的に取り囲む溝が構成される。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、パッド90上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150は開口される一方、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、最上層配線75は第2のパッシベーション膜150によって覆われたままである。
以上に説明した本変形例によると、第2の実施形態と同様の効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、開口部131と開口部132との間に位置する部分の第1のパッシベーション膜109における開口部131側の側面に、キャップ層127と同一の材料からなるサイドウォールスペーサ142が形成されている。このため、チップ領域102内の第1のパッシベーション膜109における開口部131側の側面に、ウェハのダイシング時の衝撃によって発生した応力が集中することを防ぐことができるので、チップ領域102内の第1のパッシベーション膜109が剥がれてしまうことをより一層確実に防止することができる。
尚、本変形例において、開口部131における第2の層間絶縁膜107の露出部分に溝を形成したが、これに代えて、当該溝を形成しなくてもよい。すなわち、第1のパッシベーション膜109の下面と、開口部131における第2の層間絶縁膜107の露出部分の表面とが同じ高さに位置していてもよい。言い換えると、第1のパッシベーション膜109の下面と、サイドウォールスペーサ142の下面とが同じ高さに位置していてもよい。
(第2の実施形態の第2変形例)
以下、本発明の第2の実施形態の第2変形例に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図17は、本変形例に係る半導体装置(具体的にはダイシング後のチップ)の端部(図1に示すチップ領域102の周縁部に位置するシールリング104を含む半導体装置端部)の断面構成を示している。尚、図17は図2(a)のA−A’線の断面図である。また、図17において、図3に示す第1の実施形態又は図11若しくは図14に示す第2の実施形態若しくはその第1変形例に係る半導体装置と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
本変形例が図14に示す第2の実施形態の第1変形例と異なっている点は、図17に示すように、第1のパッシベーション膜109の開口部131におけるサイドウォールスペーサ142に囲まれた領域に露出する部分の第2の層間絶縁膜107に溝145が形成されていることである。従って、本変形例においては、図17に示すように、溝145の底面つまり第2の層間絶縁膜107の露出部分の表面は、サイドウォールスペーサ142の下面よりも下方に位置する。尚、本変形例においても、第2の実施形態の第1変形例と同様に、図17に示すように、サイドウォールスペーサ142の下面は第1のパッシベーション膜109の下面よりも下方に位置する。
すなわち、図17に示す構造を有する本変形例の半導体装置は、第2の実施形態の第1変形例における図15(a)に示す工程で、第1のパッシベーション膜109をエッチングする際の条件を調整することによって、開口部131に露出する第2の層間絶縁膜107をエッチングして溝を形成し、第2の実施形態の第1変形例における図16(b)に示す工程で、第2のパッシベーション膜150をエッチングする際の条件を調整することによって、開口部131におけるサイドウォールスペーサ142に囲まれた領域に露出する第2の層間絶縁膜107をさらにエッチングして溝145を形成したものである。ここで、第2のパッシベーション膜150の開口部161と第1のパッシベーション膜109の開口部131と第2の層間絶縁膜107の溝145とが一体となって、チップ領域102を連続的に取り囲む溝が構成される。
尚、本変形例においても、第1及び第2の実施形態と同様に、図17に示すように、開口部131において第2の層間絶縁膜107の表面が露出しており、第1のパッシベーション膜109の上には、その開口部131上及びキャップ層127上に開口部161を有する第2のパッシベーション膜150が形成されている。
また、本変形例においても、第2の実施形態と同様に、図17に示すように、第1のパッシベーション膜109が、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する開口部131に加えて、シールリング104における第2のシール配線124上に位置する開口部132を有しており、当該開口部132にシールリング104(具体的にはシール配線124)と接続するキャップ層127が形成されている。
以上に説明した本変形例によると、第2の実施形態又はその第1変形例と同様の効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、第1のパッシベーション膜109の開口部131におけるサイドウォールスペーサ142に囲まれた領域に露出する部分の第2の層間絶縁膜107に溝145が形成されている。言い換えると、溝145の底面は、比較的硬度が低くやわらかい第2の層間絶縁膜107中に位置する。このため、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側(つまりスクライブ領域103)からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路を遮断することができる。その結果、ウェハのダイシング時にパッシベーション膜109及び150にクラック等が生じることを抑制でき、それによってチップ領域102の内部におけるパッシベーション膜109及び150の剥がれを防止できる。従って、半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下をより確実に防止することができる。
尚、本変形例において、第2の実施形態の第1変形例における図15(a)に示す工程で、第1のパッシベーション膜109をエッチングする際の条件を調整することによって、開口部131に露出する第2の層間絶縁膜107をエッチングして溝を形成したが、これに代えて、当該工程では溝を形成しなくてもよい。すなわち、第1のパッシベーション膜109の下面と、サイドウォールスペーサ142の下面とが同じ高さに位置していてもよい。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図18は、第3の実施形態に係る半導体装置(具体的にはダイシング後のチップ)の端部(図1に示すチップ領域102の周縁部に位置するシールリング104を含む半導体装置端部)の断面構成を示している。尚、図18は図2(a)のA−A’線の断面図である。また、図18において、図3に示す第1の実施形態に係る半導体装置と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
本実施形態が第1の実施形態と異なっている点は、図18に示すように、第1のパッシベーション膜109が、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する開口部131に加えて、シールリング104における第2のシール配線124上に位置する開口部132を有しており、当該開口部132にシールリング104(具体的にはシール配線124)と接続するキャップ層127が形成されていることである。
尚、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、図18に示すように、開口部131において第2の層間絶縁膜107の表面が露出しており、第1のパッシベーション膜109の上には、その開口部131上及びキャップ層127上に開口部161を有する第2のパッシベーション膜150が形成されている。
また、本実施形態においては、図18に示すように、開口部131における第2の層間絶縁膜107の露出部分には溝145が形成されている。
以下、図18に示す構造を有する本実施形態の半導体装置を製造するための方法について、図19(a)、(b)及び図20(a)、(b)の工程断面図を参照しながら説明する。尚、以下に説明する各工程は、基本的にダイシング前のウェハ状態で行われるものである。
まず、図4(a)〜図5(a)に示す第1の実施形態の各工程を実施する。その後、図19(a)に示すように、最上層の層間絶縁膜である第2の層間絶縁膜107上に、第2のシール配線114及び124並びに配線64及び74(図2(b)及び(c)参照)の保護膜となる第1のパッシベーション膜109を堆積する。第1のパッシベーション膜109としては例えばSiN膜の単層構造又はTEOS膜(下層)とSiN膜(上層)との積層構造を用いる。続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第1のパッシベーション膜109に、シールリング104における第2のシール配線124上に位置する開口部132のみを形成する。言い換えると、この時点では、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する開口部131の形成は行わない。尚、開口部132は、チップ領域102を連続的に取り囲む溝形状を有する。
その後、開口部132を含む第1のパッシベーション膜109の上に全面に亘って、例えばスパッタ法により例えばAl(アルミニウム)膜を堆積し、続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、当該Al膜を所定の形状にパターニングする。具体的には、第2のシール配線124上の開口部132及びその近傍を除く他の領域に形成されている不要なAl膜を除去する。これにより、図19(b)に示すように、第2のシール配線124上の開口部132に、第2のシール配線124と接続するキャップ層127が形成される。すなわち、シールリング形成領域つまりチップ領域102の周縁部において、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口部132内に露出するシールリング104の最上部(具体的には第2のシール配線124)をキャップ層127によって覆う。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線64と接続するパッド90が形成されると共に、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線74と接続する最上層配線75が形成される。すなわち、本実施形態では、シールリング104の最上部である第2のシール配線124と接続するキャップ層127は、チップ領域102における配線・パッド形成工程において同時に形成される。これにより、新たにキャップ層形成工程を追加することなく、シールリング104の最上部である第2のシール配線124と接続するキャップ層127を形成することができる。
その後、図20(a)に示すように、第1のパッシベーション膜109の上及びキャップ層127の上に、つまり基板101上の全面に亘って、キャップ層127、パッド90(図2(b)参照)及び最上層配線75(図2(c)参照)の保護膜となる第2のパッシベーション膜150を堆積する。第2のパッシベーション膜150としては例えばSiN膜の単層構造を用いる。続いて、図20(b)に示すように、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、チップ領域102から見てシールリング104の外側からキャップ層127の上までに位置する部分の第2のパッシベーション膜150に開口部161を形成する。このとき、第2のパッシベーション膜150をエッチングする際の条件を調整することによって、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する部分の(キャップ層127が形成されていない部分の開口部161の下側の)第1のパッシベーション膜109及び第2の層間絶縁膜107を順次エッチングする。これにより、チップ領域102から見てシールリング104の外側において、第1のパッシベーション膜109に開口部131が形成されると共に開口部131における第2の層間絶縁膜107の露出部分に溝145が形成される。ここで、第2のパッシベーション膜150の開口部161と第1のパッシベーション膜109の開口部131と第2の層間絶縁膜107の溝145とが一体となって、チップ領域102を連続的に取り囲む溝が構成される。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、パッド90上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150は開口される一方、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、最上層配線75は第2のパッシベーション膜150によって覆われたままである。
以上に説明したように、本実施形態によると、パッシベーション膜109及び150がシールリング104の外側(チップ領域102の周縁部近傍)で開口部131及び161によって分離されているため、ウェハのダイシング時の衝撃によってチップ領域102の外側(つまりスクライブ領域103)のパッシベーション膜109及び150に剥がれが生じたとしても、チップ領域102の内側のパッシベーション膜109及び150まで連続的に剥がれてしまうことを防止することができる。また、パッシベーション膜109及び150をチップ領域102の内外で分離する開口部131及び161において下地である第2の層間絶縁膜107が露出した状態にあるため、当該開口部131及び161の全体にキャップ層等を埋め込んだ構成と比較して、チップ領域102の外側(つまりスクライブ領域103)でパッシベーション膜109及び150が受けた衝撃が該パッシベーション膜109及び150を伝搬してチップ領域102の内部へ伝わることをより確実に防止することができる。従って、ウェハを個々のチップに分割する際のダイシングによって生じる欠けや割れ等がチップ領域102内に伝播することを防止でき、それによってチップ表面から水分や可動イオン等の汚染物質が装置内部に侵入することを防止できるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性を向上させることができる。
また、本実施形態によると、シールリング104上に位置する部分の第1のパッシベーション膜109に開口部132が設けられており、開口部132にシールリング104と接続するキャップ層127が形成されている。このため、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側(つまりスクライブ領域103)からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等を、靭性及び展性を有するキャップ層127及びシールリング104によって阻止することができるので、チップ領域102内のパッシベーション膜109及び150が剥がれてしまうことをより確実に防止でき、それによって半導体装置の信頼性及び耐湿性をより一層向上させることができる。
また、本実施形態によると、シールリング104の外側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109に設けられた開口部131において露出する第2の層間絶縁膜107に溝145が形成されている。言い換えると、当該溝145の底面は、比較的硬度が低くやわらかい第2の層間絶縁膜107中に位置する。このため、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側(つまりスクライブ領域103)からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路を遮断することができる。その結果、ウェハのダイシング時にパッシベーション膜109及び150にクラック等が生じることを抑制でき、それによってチップ領域102の内部におけるパッシベーション膜109及び150の剥がれを防止できる。従って、半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下をより確実に防止することができる。
尚、本実施形態において、パッシベーション膜109に設けられる開口部131は、シールリング104の外側のチップ領域102の端部の上のみならず、スクライブ領域103のうちのダイシング残りの上にも形成されていてもよい。また、ウェハ状態でのスクライブ領域103にはパッシベーション膜109を形成しないことにより開口部131を設けてもよい。
また、本実施形態において、シールリング104(具体的には第2のシール配線114及び124)はパッシベーション膜109及びキャップ層127によって覆われているため、シールリング104に腐食が生じることはない。
また、本実施形態において、スクライブ領域103に位置する部分の層間絶縁膜105及び107中に配線構造を設けてもよい。
また、本実施形態において、第2のシール配線114及び124並びに配線64及び74を確実に保護するために、第1のパッシベーション膜109の厚さは150nm以上であることが好ましい。
また、本実施形態において、シールリング104を構成する各シール配線及び各シールビアの構成材料は、特に限定されるものではないが、例えばW、Al及びCuのうちの少なくとも1つを用いてもよい。
また、本実施形態において、シールリング104と接続するキャップ層127の構成材料は、特に限定されるものではないが、キャップ層127が例えばAlから構成されていると、シールリング104(特にCuから構成されたシールリング104)の腐食を確実に防止することができる。
また、本実施形態において、開口部131における第2の層間絶縁膜107の露出部分に溝145を形成したが、これに代えて、溝145を形成しなくてもよい。すなわち、第1のパッシベーション膜109の下面と、開口部131における第2の層間絶縁膜107の露出部分の表面とが同じ高さに位置していてもよい。
(第3の実施形態の変形例)
以下、本発明の第3の実施形態の変形例に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図21は、本変形例に係る半導体装置(具体的にはダイシング後のチップ)の端部(図1に示すチップ領域102の周縁部に位置するシールリング104を含む半導体装置端部)の断面構成を示している。尚、図21は図2(a)のA−A’線の断面図である。また、図21において、図3に示す第1の実施形態又は図18に示す第3の実施形態に係る半導体装置と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
本変形例が図18に示す第3の実施形態と異なっている点は次の通りである。すなわち、第3の実施形態においては、図18に示すように、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109に開口部131が形成されていた。それに対して、本変形例においては、図21に示すように、開口部131は形成されておらず、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109が薄膜化されており、当該薄膜化部分133が露出している。
すなわち、図21に示す構造を有する本変形例の半導体装置は、第3の実施形態における図20(b)に示す工程で、第2のパッシベーション膜150をエッチングする際の条件を調整することによって、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する部分の(キャップ層127が形成されていない部分の開口部161の下側の)第1のパッシベーション膜109を途中までエッチングして薄膜化部分133を形成したものである。ここで、第2のパッシベーション膜150の開口部161と第1のパッシベーション膜109の薄膜化部分133とが一体となって、チップ領域102を連続的に取り囲む溝が構成される。
以上に説明したように、本変形例によると、パッシベーション膜150がシールリング104の外側(チップ領域102の周縁部近傍)で開口部161によって分離されていると共に、シールリング104の外側(チップ領域102の周縁部近傍)において、つまり開口部161の下側においてパッシベーション膜109が薄膜化されている。このため、ウェハのダイシング時の衝撃によってチップ領域102の外側のパッシベーション膜109及び150に剥がれが生じたとしても、当該剥がれをパッシベーション膜109の薄膜化部分133で終端させることができるので、チップ領域102の内側のパッシベーション膜109及び150まで連続的に剥がれてしまうことを防止することができる。また、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路であるパッシベーション膜109をシールリング104の外側で薄膜化することによって、当該薄膜化部分133で衝撃や応力等の伝搬を遮断することができる。従って、ウェハを個々のチップに分割する際のダイシングによって生じる欠けや割れ等がチップ領域102内に伝播することを防止でき、それによってチップ表面から水分や可動イオン等の汚染物質が装置内部に侵入することを防止できるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性を向上させることができる。
また、本変形例によると、シールリング104上に位置する部分の第1のパッシベーション膜109に開口部132が設けられており、開口部132にシールリング104と接続するキャップ層127が形成されている。このため、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等を、靭性及び展性を有するキャップ層127及びシールリング104によって阻止することができるので、チップ領域102内のパッシベーション膜109及び150が剥がれてしまうことをより確実に防止でき、それによって半導体装置の信頼性及び耐湿性をより一層向上させることができる。
尚、本変形例において、パッシベーション膜109に設けられる薄膜化部分133は、シールリング104の外側のチップ領域102の端部の上のみならず、スクライブ領域103のうちのダイシング残りの上にも形成されていてもよい。