JP5726989B2 - 半導体装置 - Google Patents

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本発明は、チップ領域の周囲を取り囲むように形成されたシールリングを有する半導体装置及びその製造方法に関する。
一般に、半導体装置は、例えばシリコンなどの半導体ウェハ上に、複数の素子から構成され且つ所定の機能を有する多数のIC回路をマトリックス状に配置することによって作られる。
また、ウェハ上において多数配置されたチップ領域同士の間は、格子状に設けられたスクライブ領域(スクライブライン)によって隔てられている。半導体製造工程を経て1枚のウェハ上に多数のチップ領域を形成した後、該ウェハはスクライブ領域に沿って個々のチップにダイシングされ、それによって半導体装置が形成される。
しかし、ウェハをダイシングして個々のチップに分割する時、スクライブライン周辺のチップ領域が機械的衝撃を受け、その結果、分離されたチップつまり半導体装置のダイシング断面に部分的にクラックや欠けが生じる場合がある。
この問題に対して特許文献1では、チップ領域の周囲にリング状の防御壁であるシールリングを設けることにより、ダイシング時にチップ領域をクラックが伝播することを防止する技術が提案されている。
図22は、従来のシールリングを有する半導体装置(ウェハに作り込まれている状態)の断面構造を示している。
図22に示すように、ウェハよりなる基板1上には、スクライブ領域3によって区画されたチップ領域2が設けられている。基板1上には複数の層間絶縁膜5〜10の積層構造が形成されている。基板1におけるチップ領域2には、素子を構成する活性層20が形成されている。層間絶縁膜5には、活性層20と接続するプラグ(ビア)21が形成され、層間絶縁膜6には、プラグ21と接続する配線22が形成され、層間絶縁膜7には、配線22と接続するプラグ23が形成され、層間絶縁膜8には、プラグ23と接続する配線24が形成され、層間絶縁膜9には、配線24と接続するプラグ25が形成され、層間絶縁膜10には、プラグ25と接続する配線26が形成されている。
また、図22に示すように、チップ領域2の周縁部における複数の層間絶縁膜5〜10の積層構造には、該積層構造を貫通し且つチップ領域2を連続的に取り囲むシールリング4が形成されている。シールリング4は、例えば特許文献1に示すように、配線形成用マスクとビア形成用マスクとを交互に用いて形成される。具体的には、シールリング4は、基板1に形成された導電層30と、層間絶縁膜5に形成され且つ導電層30と接続するシールビア31と、層間絶縁膜6に形成され且つシールビア31と接続するシール配線32と、層間絶縁膜7に形成され且つシール配線32と接続するシールビア33と、層間絶縁膜8に形成され且つシールビア33と接続するシール配線34と、層間絶縁膜9に形成され且つシール配線34と接続するシールビア35と、層間絶縁膜10に形成され且つシールビア35と接続するシール配線36とから構成されている。尚、本願においては、シールリングのうち配線形成用マスクによって形成される部分をシール配線、シールリングのうちビア形成用マスクによって形成される部分をシールビアと称する。
さらに、図22に示すように、配線(22、24、26)とビア(21、23、25)とシールリング4とが設けられた、複数の層間絶縁膜5〜10の積層構造の上にはパッシベーション膜11が設けられている。パッシベーション膜11は、配線26上に開口部を有すると共に該開口部には配線26と接続するパッド27が形成されている。また、パッシベーション膜11は、シール配線36上に他の開口部を有すると共に該他の開口部にはシール配線36と接続するキャップ層57が形成されている。
特開2005−167198号公報
しかしながら、従来の半導体装置においては、ウェハのダイシング時の衝撃によってパッシベーション膜に剥がれが生じたり又は該衝撃がパッシベーション膜を伝搬してチップ領域の内部へ伝わったりするという問題があった。
具体的には、特許文献1に示す半導体装置のように、シールリング上のパッシベーション膜が開口され且つ当該開口部にキャップ層を設けた構造においては、シールリング上で、つまりチップ領域の内外でパッシベーション膜が分離されてはいるものの、当該分離されたパッシベーション膜同士は、シールリングの腐食を防止するためのキャップ層を挟んで物理的に接続された状態にある。このため、層間絶縁膜等に使用されるTEOS(tetraethylorthosilicate)等と比較して硬くてもろい材料(例えばSiN)が用いられるパッシベーション膜において、チップ領域の外側から内側に向けて衝撃やクラック等が伝搬することを十分には防止できていなかった。
前記に鑑み、本発明は、ウェハを個々のチップに分割する際のダイシングによってチップ(半導体装置)側面に生じる欠けや割れ等がチップ領域内に伝播することを防止し、それにより半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下を防止することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る第1の半導体装置は、基板上に形成された層間絶縁膜と、前記基板のチップ領域に位置する部分の前記層間絶縁膜中に形成された配線と、前記チップ領域の周縁部に位置する部分の前記層間絶縁膜中に形成され且つ前記チップ領域を連続的に取り囲むシールリングと、前記配線と前記シールリングとが設けられた前記層間絶縁膜上に形成された第1の保護膜とを備え、前記チップ領域から見て前記シールリングの外側に位置する部分の前記第1の保護膜に第1の開口部が設けられており、当該第1の開口部において前記層間絶縁膜が露出している。
本発明の第1の半導体装置によると、例えばパッシベーション膜等の第1の保護膜がシールリングの外側(チップ領域の周縁部近傍)で第1の開口部によって分離されているため、ウェハのダイシング時の衝撃によってチップ領域外の第1の保護膜に剥がれが生じたとしても、チップ領域内の第1の保護膜まで連続的に剥がれてしまうことを防止することができる。また、第1の保護膜をチップ領域の内外で分離する第1の開口部において下地である層間絶縁膜が露出した状態にあるため、当該第1の開口部にキャップ層等を埋め込んだ構成と比較して、チップ領域の外側で第1の保護膜が受けた衝撃が該第1の保護膜を伝搬してチップ領域の内部へ伝わることをより確実に防止することができる。従って、ウェハを個々のチップに分割する際のダイシングによって生じる欠けや割れ等がチップ領域内に伝播することを防止でき、それにより半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下を防止することができる。
尚、本発明の第1の半導体装置(後述する本発明の第2の半導体装置も同様)は、ダイシング後のチップを対象とするものであるが、当該チップは、チップ領域に加えてウェハ状態でのスクライブ領域のうちのダイシング残り(チップ領域隣接部分)を含むものである。従って、第1の保護膜に設けられる第1の開口部は、シールリング外側のチップ領域端部の上のみならず、スクライブ領域のうちのダイシング残りの上にも形成されていてもよい。また、ウェハ状態でのスクライブ領域には第1の保護膜を形成しないことにより第1の開口部を設けてもよい。また、本発明の第1の半導体装置(後述する本発明の第2の半導体装置も同様)において、シールリングは第1の保護膜又は後述するキャップ層(他の開口部又は第1の開口部の一部に形成される)の少なくとも一方によって覆われているため、シールリングに腐食が生じることはない。
本発明の第1の半導体装置において、前記層間絶縁膜の露出部分に溝が形成されていることが好ましい。
このようにすると、層間絶縁膜の露出部分に溝を設けることによって、ウェハのダイシング時にチップ領域の外側からチップ領域の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路を遮断することができるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下をより確実に防止することができる。
本発明の第1の半導体装置において、前記第1の開口部は前記シールリング上まで設けられており、前記シールリング上に位置する部分の前記第1の開口部に前記シールリングと接続するキャップ層が形成されていることが好ましい。
このようにすると、ウェハのダイシング時にチップ領域の外側からチップ領域の内部に向かう衝撃や応力等を、靭性及び展性を有するキャップ層及びシールリングによって阻止することができるので、チップ領域内の第1の保護膜が剥がれてしまうことをより確実に防止でき、それによって半導体装置の信頼性及び耐湿性をより一層向上させることができる。また、この場合、前記キャップ層と前記層間絶縁膜の露出部分とが互いに隣接していてもよい。
本発明の第1の半導体装置において、前記シールリング上に位置する部分の前記第1の保護膜に第2の開口部が設けられており、前記第2の開口部に前記シールリングと接続するキャップ層が形成されていることが好ましい。
このようにすると、ウェハのダイシング時にチップ領域の外側からチップ領域の内部に向かう衝撃や応力等を、靭性及び展性を有するキャップ層及びシールリングによって阻止することができるので、チップ領域内の第1の保護膜が剥がれてしまうことをより確実に防止でき、それによって半導体装置の信頼性及び耐湿性をより一層向上させることができる。また、この場合、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間に位置する部分の前記第1の保護膜における前記第1の開口部側の側面に、前記キャップ層と同一の材料からなるサイドウォールスペーサが形成されていると、チップ領域内の第1の保護膜における第1の開口部側の側面に、ウェハのダイシング時の衝撃によって発生した応力が集中することを防ぐことができるので、チップ領域内の第1の保護膜が剥がれてしまうことをより一層確実に防止することができる。このとき、前記サイドウォールスペーサの下面は前記第1の保護膜の下面よりも下方に位置していてもよい。また、前記層間絶縁膜の露出部分の表面が前記サイドウォールスペーサの下面よりも下方に位置すると、言い換えると、層間絶縁膜の露出部分に溝が形成されていると、ウェハのダイシング時にチップ領域の外側からチップ領域の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路を遮断することができるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下をより確実に防止することができる。
本発明の第1の半導体装置において、前記第1の開口部から見て前記チップ領域側に位置する部分の前記第1の保護膜の端部を覆うようにキャップ層が形成されていることが好ましい。
このようにすると、チップ領域内の第1の保護膜における第1の開口部側の側面に、ウェハのダイシング時の衝撃によって発生した応力が集中することを防ぐことができるので、チップ領域内の第1の保護膜が剥がれてしまうことをより一層確実に防止することができる。この場合、シールリングが第1の保護膜によって覆われていれば、キャップ層は剥離されてもよい。また、前記第1の開口部から見て前記チップ領域の反対側に位置する部分の前記第1の保護膜の端部を覆うように他のキャップ層が形成されていてもよい。
本発明の第1の半導体装置において、前記配線上に位置する部分の前記第1の保護膜にパッド用開口部が設けられており、当該パッド用開口部に前記配線と接続するパッドが形成されていてもよい。
本発明の第1の半導体装置において、前記配線上に位置する部分の前記第1の保護膜に最上層配線用開口部が設けられており、当該最上層配線用開口部に前記配線と接続する最上層配線が形成されていてもよい。この場合、前記第1の保護膜上に前記最上層配線を覆うように第2の保護膜が形成されており、前記第1の開口部上に位置する部分の前記第2の保護膜に第3の開口部が設けられていてもよい。
尚、本発明の第1の半導体装置において、最上層配線を覆う第2の保護膜を形成する場合、均等な厚さで平滑に形成される第2の保護膜に対するエッチング加工を容易にするため、前記第1の開口部から見て前記チップ領域の反対側に位置する部分の前記第1の保護膜の端部と、前記第3の開口部から見て前記チップ領域の反対側に位置する部分の前記第2の保護膜の端部とは位置ずれしていることが好ましい。この場合、前記第3の開口部から見て前記チップ領域の反対側に位置する部分の前記第2の保護膜の端部は、前記第1の開口部から見て前記チップ領域の反対側に位置する部分の前記第1の保護膜の上側に位置していてもよいし、又は前記第1の開口部から見て前記チップ領域の反対側に位置する部分の前記第1の保護膜の端部は、前記第3の開口部から見て前記チップ領域の反対側に位置する部分の前記第2の保護膜の下側に位置していてもよい。
前記の目的を達成するために、本発明に係る第2の半導体装置は、基板上に形成された層間絶縁膜と、前記基板のチップ領域に位置する部分の前記層間絶縁膜中に形成された配線と、前記チップ領域の周縁部に位置する部分の前記層間絶縁膜中に形成され且つ前記チップ領域を連続的に取り囲むシールリングと、前記配線と前記シールリングとが設けられた前記層間絶縁膜上に形成された第1の保護膜とを備え、前記チップ領域から見て前記シールリングの外側に位置する部分の前記第1の保護膜が薄膜化されており、当該薄膜化部分が露出している。
本発明の第2の半導体装置によると、例えばパッシベーション膜等の第1の保護膜がシールリングの外側(チップ領域の周縁部近傍)で薄膜化されているため、ウェハのダイシング時の衝撃によってチップ領域外の第1の保護膜に剥がれが生じたとしても、当該剥がれを第1の保護膜の薄膜化部分で終端させることができるので、チップ領域内の第1の保護膜まで連続的に剥がれてしまうことを防止することができる。また、ウェハのダイシング時にチップ領域の外側からチップ領域の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路である第1の保護膜をシールリングの外側で薄膜化することによって、当該薄膜化部分で衝撃や応力等の伝搬を遮断することができる。従って、ウェハを個々のチップに分割する際のダイシングによって生じる欠けや割れ等がチップ領域内に伝播することを防止でき、それにより半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下を防止することができる。
尚、本発明の第1又は第2の半導体装置において、チップ領域を確実に保護するために、前記第1の保護膜の厚さは150nm以上であることが好ましい。
また、本発明の第1又は第2の半導体装置において、シールリングは、例えばW、Al及びCuのうちの少なくとも1つから構成されていてもよい。
また、本発明の第1又は第2の半導体装置において、第1の保護膜は、例えばSiNから構成されていてもよい。
また、本発明の第1又は第2の半導体装置において、シールリング上等にキャップ層を設ける場合、当該キャップ層が例えばAlから構成されていると、シールリング(特にCuから構成されたシールリング)の腐食を確実に防止することができる。
前記の目的を達成するために、本発明に係る第1の半導体装置の製造方法は、基板上に層間絶縁膜を形成する工程(a)と、前記基板のチップ領域に位置する部分の前記層間絶縁膜中に配線を形成すると共に、前記チップ領域の周縁部に位置する部分の前記層間絶縁膜中にシールリングを前記チップ領域を連続的に取り囲むように形成する工程(b)と、前記配線と前記シールリングとが設けられた前記層間絶縁膜上に第1の保護膜を形成する工程(c)と、前記チップ領域から見て前記シールリングの外側に位置する部分の第1の保護膜に第1の開口部を形成して、当該第1の開口部において前記層間絶縁膜を露出させる工程(d)とを備えている。
すなわち、本発明に係る第1の半導体装置の製造方法は、前述の本発明の第1の半導体装置を製造するための方法であるため、前述の本発明の第1の半導体装置と同様の効果が得られる。
本発明の第1の半導体装置の製造方法において、前記工程(d)は前記層間絶縁膜の露出部分に溝を形成する工程を含むことが好ましい。
このようにすると、層間絶縁膜の露出部分に溝を設けることによって、ウェハのダイシング時にチップ領域の外側からチップ領域の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路を遮断することができるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下をより確実に防止することができる。
本発明の第1の半導体装置の製造方法において、前記工程(d)は、前記第1の開口部を前記シールリング上まで形成する工程を含み、前記工程(d)の後に、前記シールリング上に位置する部分の前記第1の開口部に前記シールリングと接続するキャップ層を形成する工程(e)をさらに備えていることが好ましい。
このようにすると、ウェハのダイシング時にチップ領域の外側からチップ領域の内部に向かう衝撃や応力等を、靭性及び展性を有するキャップ層及びシールリングによって阻止することができるので、チップ領域内の第1の保護膜が剥がれてしまうことをより確実に防止でき、それによって半導体装置の信頼性及び耐湿性をより一層向上させることができる。
本発明の第1の半導体装置の製造方法において、前記工程(d)は、前記シールリング上に位置する部分の前記第1の保護膜に第2の開口部を形成する工程を含み、前記工程(d)の後に、前記第2の開口部に前記シールリングと接続するキャップ層を形成する工程(e)をさらに備えていることが好ましい。
このようにすると、ウェハのダイシング時にチップ領域の外側からチップ領域の内部に向かう衝撃や応力等を、靭性及び展性を有するキャップ層及びシールリングによって阻止することができるので、チップ領域内の第1の保護膜が剥がれてしまうことをより確実に防止でき、それによって半導体装置の信頼性及び耐湿性をより一層向上させることができる。また、この場合、前記工程(e)は、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間に位置する部分の前記第1の保護膜における前記第1の開口部側の側面に、前記キャップ層と同一の材料からなるサイドウォールスペーサを形成する工程を含むと、チップ領域内の第1の保護膜における第1の開口部側の側面に、ウェハのダイシング時の衝撃によって発生した応力が集中することを防ぐことができるので、チップ領域内の第1の保護膜が剥がれてしまうことをより一層確実に防止することができる。
本発明の第1の半導体装置の製造方法において、キャップ層を形成する工程(e)をさらに備えている場合、前記工程(e)の後に、前記第1の保護膜上に第2の保護膜を形成する工程(f)と、前記第1の開口部上に位置する部分の前記第2の保護膜に第3の開口部を形成する工程(g)とを備えていてもよい。ここで、前記工程(g)が前記層間絶縁膜の露出部分に溝を形成する工程を含むと、ウェハのダイシング時にチップ領域の外側からチップ領域の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路を遮断することができるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下をより確実に防止することができる。
本発明の第1の半導体装置の製造方法において、前記工程(c)と前記工程(d)との間に、前記シールリング上に位置する部分の前記第1の保護膜に第2の開口部を形成した後、前記第2の開口部に前記シールリングと接続するキャップ層を形成し、その後、前記第1の保護膜上に第2の保護膜を形成する工程とをさらに備え、前記工程(d)は、前記チップ領域から見て前記シールリングの外側に位置する部分の前記第2の保護膜に第3の開口部を形成した後、当該第3の開口部の下側に位置する部分の前記第1の保護膜に前記第1の開口部を形成する工程を含むことが好ましい。
このようにすると、ウェハのダイシング時にチップ領域の外側からチップ領域の内部に向かう衝撃や応力等を、靭性及び展性を有するキャップ層及びシールリングによって阻止することができるので、チップ領域内の第1の保護膜が剥がれてしまうことをより確実に防止でき、それによって半導体装置の信頼性及び耐湿性をより一層向上させることができる。
前記の目的を達成するために、本発明に係る第2の半導体装置の製造方法は、基板上に層間絶縁膜を形成する工程と、前記基板のチップ領域に位置する部分の前記層間絶縁膜中に配線を形成すると共に、前記チップ領域の周縁部に位置する部分の前記層間絶縁膜中にシールリングを前記チップ領域を連続的に取り囲むように形成する工程と、前記配線と前記シールリングとが設けられた前記層間絶縁膜上に第1の保護膜を形成する工程と、前記チップ領域から見て前記シールリングの外側に位置する部分の前記第1の保護膜を薄膜化する工程とを備えている。
すなわち、本発明に係る第2の半導体装置の製造方法は、前述の本発明の第2の半導体装置を製造するための方法であるため、前述の本発明の第2の半導体装置と同様の効果が得られる。
本発明によると、ウェハを個々のチップに分割する際のダイシングによって生じる欠けや割れ等がチップ領域内に伝播することを防止できるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下を防止することができる。
図1は本発明の第1〜第3の実施形態(変形例を含む)に係る半導体装置が設けられているウェハの一部分を示す平面図である。 図2(a)は図1の領域R1(破線によって囲まれた領域)を拡大した平面図であり、図2(b)は、本発明の第1〜第3の実施形態(変形例を含む)に係る半導体装置におけるチップ領域の内部に位置するパッド形成領域の断面図であり、図2(c)は、本発明の第1〜第3の実施形態(変形例を含む)に係る半導体装置におけるチップ領域の内部に位置する最上層配線形成領域の断面図である。 図3は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の端部の断面構成を示す図である。 図4(a)〜(c)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。 図5(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。 図6(a)及び(b)は本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。 図7は本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る半導体装置の端部の断面構成を示す図である。 図8は本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る半導体装置の端部の断面構成を示す図である。 図9は本発明の第1の実施形態の第3変形例に係る半導体装置の端部の断面構成を示す図である。 図10は本発明の第1の実施形態の第4変形例に係る半導体装置の端部の断面構成を示す図である。 図11は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の端部の断面構成を示す図である。 図12(a)及び(b)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。 図13(a)及び(b)は本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。 図14は本発明の第2の実施形態の第1変形例に係る半導体装置の端部の断面構成を示す図である。 図15(a)及び(b)は本発明の第2の実施形態の第1変形例に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。 図16(a)及び(b)は本発明の第2の実施形態の第1変形例に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。 図17は本発明の第2の実施形態の第2変形例に係る半導体装置の端部の断面構成を示す図である。 図18は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の端部の断面構成を示す図である。 図19(a)及び(b)は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。 図20(a)及び(b)は本発明の第3の実施形態に係る半導体装置の製造方法の各工程を示す断面図である。 図21は本発明の第3の実施形態の変形例に係る半導体装置の端部の断面構成を示す図である。 図22は従来の半導体装置の断面図である。
(各実施形態の共通事項)
図1は、以下に詳述する本発明の各実施形態に係る半導体装置(例えばチップ領域を1重に取り囲むシールリングを有する半導体装置)が設けられているウェハの一部分を示す平面図である。また、図2(a)は、図1の領域R1(破線によって囲まれた領域)を拡大した平面図であり、図2(b)は、チップ領域の内部に位置するパッド形成領域の断面図(図1及び図2(a)に示すパッド90近傍領域の断面図)であり、図2(c)は、チップ領域の内部に位置する最上層配線形成領域の断面図(最上層配線については図1及び図2(a)で図示を省略している)である。
図1及び図2(a)に示すように、例えばシリコン基板等に代表される半導体基板となるウェハ201上には、それぞれ半導体装置となる複数のチップ領域102が配置されている。各チップ領域102には、複数の素子からなり且つ所定の機能を有するIC(integrated circuit)回路が設けられている。各チップ領域102は、格子状に設けられたスクライブ領域103によって区画されている。すなわち、ダイシング前の半導体装置はチップ領域102とスクライブ領域103とから構成されている。ここで、1個の半導体装置(つまり1個の半導体チップ)は、複数の素子からなり且つ所定の機能を有するIC回路が配置されているチップ領域102と、チップ領域102の周縁部に該チップ領域102を取り囲むように設けられているシールリング104とから構成されている。すなわち、シールリング104は、チップ領域102におけるスクライブ領域103との境界付近に設けられている。また、チップ領域102の内部には例えばシールリング104に沿って複数のパッド90が配置されている。
また、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、ウェハ201よりなる基板101上に第1の層間絶縁膜105及び第2の層間絶縁膜107が順次積層されている。基板101中には、素子を構成する活性層60が形成されており、第1の層間絶縁膜105の下部には、活性層60と接続するプラグ(ビア)61が形成されており、第1の層間絶縁膜105の上部には、プラグ61と接続する配線62が形成されており、第2の層間絶縁膜107の下部には、配線62と接続するプラグ(ビア)63が形成されており、第2の層間絶縁膜107の上部には、プラグ63と接続する配線64が形成されている。プラグ61と配線62、及びプラグ63と配線64はそれぞれデュアルダマシン配線を構成している。第2の層間絶縁膜107の上には、配線64上に開口を有する第1のパッシベーション膜109が形成されており、当該開口には、配線64と接続するパッド90が設けられており、第1のパッシベーション膜109の上には、パッド90上に開口を有する第2のパッシベーション膜150が形成されている。
さらに、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、ウェハ201よりなる基板101上に第1の層間絶縁膜105及び第2の層間絶縁膜107が順次積層されている。基板101中には、素子を構成する活性層70が形成されており、第1の層間絶縁膜105の下部には、活性層70と接続するプラグ(ビア)71が形成されており、第1の層間絶縁膜105の上部には、プラグ71と接続する配線72が形成されており、第2の層間絶縁膜107の下部には、配線72と接続するプラグ(ビア)73が形成されており、第2の層間絶縁膜107の上部には、プラグ73と接続する配線74が形成されている。プラグ71と配線72、及びプラグ73と配線74はそれぞれデュアルダマシン配線を構成している。第2の層間絶縁膜107の上には、配線74上に開口を有する第1のパッシベーション膜109が形成されており、当該開口には、配線74と接続する最上層配線75が設けられており、第1のパッシベーション膜109の上には、最上層配線75を覆うように第2のパッシベーション膜150が形成されている。
尚、第1のパッシベーション膜109は、第2の層間絶縁膜107よりも硬くてもろい材料、例えばシリコン窒化膜(SiN膜)からなる。
以上のように複数の半導体装置が形成されたウェハ201は、各チップの完成後、スクライブ領域103に沿ってダイシングされ、それによって個々の半導体装置が分離される。このとき、個々の半導体装置は、チップ領域102に加えてウェハ状態でのスクライブ領域103のうちのダイシング残り(チップ領域隣接部分)を含むものである。以下、ダイシング後の個々の半導体装置について説明する際には、スクライブ領域103のうちのダイシング残りを単に「スクライブ領域103」と称するものとする。
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図3は、第1の実施形態に係る半導体装置(具体的にはダイシング後のチップ)の端部(チップ領域102の周縁部に位置するシールリング104を含む半導体装置端部)の断面構成を示している。尚、図3は図2(a)のA−A’線の断面図である。
図3に示すように、基板101上に、スクライブ領域103と隣接してチップ領域102が設けられている。基板101上には第1の層間絶縁膜105及び第2の層間絶縁膜107が順次積層されている。層間絶縁膜105及び107の積層構造中には、当該積層構造を貫通し且つチップ領域102を連続的に取り囲むシールリング104が形成されている。ここで、シールリング104は、基板101中に形成された活性層(又は導電層)110と、第1の層間絶縁膜105の下部に形成され且つ活性層(又は導電層)110と接続する第1のシールビア111及び121と、第1の層間絶縁膜105の上部に形成され且つ第1のシールビア111及び121とそれぞれ接続する第1のシール配線112及び122と、第2の層間絶縁膜107の下部に形成され且つ第1のシール配線112及び122とそれぞれ接続する第2のシールビア113及び123と、第2の層間絶縁膜107の上部に形成され且つ第2のシールビア113及び123とそれぞれ接続する第2のシール配線114及び124とから構成されている。
本実施形態の特徴として、第2の層間絶縁膜107の上には、チップ領域102から見てシールリング104の外側に開口部131を有する第1のパッシベーション膜109が形成されている。すなわち、第1のパッシベーション膜109は開口部131によって、チップ領域102側に位置する部分と、スクライブ領域103側に位置する部分とに分離されている。尚、開口部131はシールリング104上まで設けられており、シールリング104上に位置する部分の開口部131には、シールリング104と接続するキャップ層125が形成されている。ここで、キャップ層125は、開口部131から見てチップ領域102側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部を覆うように形成されている。また、キャップ層125が形成されていない部分の開口部131において第2の層間絶縁膜107の表面が露出している。さらに、第1のパッシベーション膜109の上には、その開口部131上に開口部161を有する第2のパッシベーション膜150が形成されている。
以下、図3に示す構造を有する本実施形態の半導体装置を製造するための方法について、図4(a)〜(c)、図5(a)、(b)及び図6(a)、(b)の工程断面図を参照しながら説明する。尚、以下に説明する各工程は、基本的にダイシング前のウェハ状態で行われるものである。
まず、図4(a)に示すように、ウェハ(例えば図1に示すウェハ201)よりなる基板101のうちチップ領域102内に位置する部分に活性層(又は導電層)110を形成する。活性層(又は導電層)110は、トランジスタ等の素子を構成してもよい。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、基板101中に素子を構成する活性層60を形成しても良いし、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、基板101中に素子を構成する活性層70を形成しても良い。
次に、図4(a)に示すように、基板101上に第1の層間絶縁膜105を堆積した後、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、チップ領域102のうちのシールリング形成領域に位置する部分の第1の層間絶縁膜105に、第1のシールビア111及び121(図4(b)参照)を形成するための2本の溝状凹部105aを活性層(又は導電層)110に達するように形成する。尚、シールビアとは、シールリングを構成するパーツであって溝状凹部に導電材料を埋め込むことによって形成される。すなわち、シールビアは、チップ領域内において上下配線間接続のために形成されるビアと同程度の幅を持ったライン状構造を有する。
尚、本実施形態において、シールビアのアスペクト比(つまりシールビアが埋め込まれた溝状凹部における幅に対する深さの比)は1以上であることが好ましい。
続いて、図4(a)に示すように、リソグラフィー法を用いて第1の層間絶縁膜105上に、第1のシール配線112及び122(図4(b)参照)を埋め込む配線溝を形成するためのレジストパターン(図示省略)を形成した後、当該レジストパターンをマスクとしてドライエッチング法を用いることにより、チップ領域102のうちのシールリング形成領域に位置する部分の第1の層間絶縁膜105の上部に、2本の溝状凹部105aとそれぞれ接続する2本の配線溝105cを形成し、その後、残存するレジストパターンをアッシングにより除去する。
尚、溝状凹部105a及び配線溝105cはチップ領域102を連続的に取り囲むように形成される。
次に、図4(b)に示すように、第1の層間絶縁膜105に形成された溝状凹部105a及び配線溝105cに、例えばW(タングステン)からなる導電膜を例えばCVD(chemical vapor deposition )法により埋め込み、その後、例えばCMP(化学的機械研磨法)を用いて配線溝105cからはみ出した余分な導電膜を除去し、それによって、活性層(又は導電層)110と接続する第1のシールビア111及び121、並びに第1のシールビア111及び121とそれぞれ接続する第1のシール配線112及び122を形成する。ここで、シールビア111とシール配線112、及びシールビア121とシール配線122はそれぞれデュアルダマシン配線を構成している。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、第1の層間絶縁膜105中に、活性層60と接続するプラグ(ビア)61、及びプラグ61と接続する配線62が形成されると共に、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、第1の層間絶縁膜105中に、活性層70と接続するプラグ(ビア)71、及びプラグ71と接続する配線72が形成される。
次に、図4(c)に示すように、第1の層間絶縁膜105上に第2の層間絶縁膜107を堆積した後、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、チップ領域102に位置する部分の第2の層間絶縁膜107に、第2のシールビア113及び123(図5(a)参照)を形成するための2本の溝状凹部107aをそれぞれ第1のシール配線112及び122に達するように形成する。
続いて、図4(c)に示すように、リソグラフィー法を用いて第2の層間絶縁膜107上に、第2のシール配線114及び124(図5(a)参照)を埋め込む配線溝を形成するためのレジストパターン(図示省略)を形成した後、当該レジストパターンをマスクとしてドライエッチング法を用いることにより、チップ領域102に位置する部分の第2の層間絶縁膜107の上部に、2本の溝状凹部107aとそれぞれ接続する2本の配線溝107cを形成し、その後、残存するレジストパターンをアッシングにより除去する。
尚、溝状凹部107a及び配線溝107cはチップ領域102を連続的に取り囲むように形成される。
次に、図5(a)に示すように、第2の層間絶縁膜107に形成された溝状凹部107a及び配線溝107cに、例えばCu(銅)からなる導電膜を埋め込む。その後、配線溝107cからはみ出した導電膜(第2の層間絶縁膜107よりも上側に存在する導電膜)を例えばCMP法により除去する。これにより、チップ領域102に位置する部分の第2の層間絶縁膜107中に、第1のシール配線112及び122とそれぞれ接続する第2のシールビア113及び123、並びに第2のシールビア113及び123とそれぞれ接続する第2のシール配線114及び124が形成される。ここで、シールビア113とシール配線114、及びシールビア123とシール配線124はそれぞれデュアルダマシン配線を構成している。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、第2の層間絶縁膜107中に、配線62と接続するプラグ(ビア)63、及びプラグ63と接続する配線64が形成されると共に、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、第2の層間絶縁膜107中に、配線72と接続するプラグ(ビア)73、及びプラグ73と接続する配線74が形成される。
尚、以上に説明したような、凹部に導電膜を埋め込むことによってビアと配線とを同時に形成する方法を一般的にデュアルダマシン法という。
また、以上のように形成された、活性層(又は導電層)110と、第1のシールビア111及び121と、第1のシール配線112及び122と、第2のシールビア113及び123と、第2のシール配線114及び124とによって、シールリング104が構成される。
その後、図5(b)に示すように、最上層の層間絶縁膜である第2の層間絶縁膜107上に、シール配線114及び124並びに配線64及び74(図2(b)及び(c)参照)の保護膜となる第1のパッシベーション膜109を堆積する。第1のパッシベーション膜109としては例えばSiN膜の単層構造又はTEOS膜(下層)とSiN膜(上層)との積層構造を用いる。続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、チップ領域102から見てシールリング104の外側からシールリング104(具体的にはシール配線124)上までに位置する部分の第1のパッシベーション膜109に開口部131を形成する。尚、開口部131は、チップ領域102を連続的に取り囲む溝形状を有する。また、このとき、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する部分の開口部131の下側において、第2の層間絶縁膜107に溝を形成してもよい。すなわち、第1のパッシベーション膜109のエッチングにおいてシール配線124をストッパーとして用いることにより、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する部分の第2の層間絶縁膜107の上部をエッチングして第2の層間絶縁膜107のみに溝を形成してもよい。
その後、開口部131を含む第1のパッシベーション膜109の上に全面に亘って、例えばスパッタ法により例えばAl(アルミニウム)膜を堆積し、続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、当該Al膜を所定の形状にパターニングする。具体的には、シール配線124上に位置する部分の開口部131及びその近傍を除く他の領域に形成されている不要なAl膜を除去する。これにより、図6(a)に示すように、シール配線124上に位置する部分の開口部131に、シール配線124と接続するキャップ層125が形成される。すなわち、シールリング形成領域つまりチップ領域102の周縁部において、シールリング104の最上部のうちチップ領域102内部側の第2のシール配線114を第1のパッシベーション膜109によって覆い、シールリング104の最上部のうちスクライブ領域103側の第2のシール配線124を第1のパッシベーション膜109とキャップ層125とによって覆う。このとき、キャップ層125は、開口部131から見てチップ領域102側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部を覆うように形成されていると共に、チップ領域102から見てシール配線124の外側に位置する部分の開口部131における第2の層間絶縁膜107の露出部分と隣接する。言い換えれば、開口部131から見てスクライブ領域103側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部はキャップ層125によって覆われることなくキャップ層125から離間している。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線64と接続するパッド90が形成されると共に、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線74と接続する最上層配線75が形成される。すなわち、本実施形態では、シールリング104の最上部である第2のシール配線124と接続するキャップ層125は、チップ領域102における配線・パッド形成工程において同時に形成される。これにより、新たにキャップ層形成工程を追加することなく、シールリング104の最上部である第2のシール配線124と接続するキャップ層125を形成することができる。
その後、図6(b)に示すように、開口部131を含む第1のパッシベーション膜109の上及びキャップ層125の上に、つまり基板101上の全面に亘って、キャップ層125、パッド90(図2(b)参照)及び最上層配線75(図2(c)参照)の保護膜となる第2のパッシベーション膜150を堆積する。第2のパッシベーション膜150としては例えばSiN膜の単層構造を用いる。続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第1のパッシベーション膜109の開口部131の上及びキャップ層125の上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150に開口部161を形成する。ここで、第2のパッシベーション膜150の開口部161と第1のパッシベーション膜109の開口部131とが一体となって、チップ領域102を連続的に取り囲む溝が構成される。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、パッド90上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150は開口される一方、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、最上層配線75は第2のパッシベーション膜150によって覆われたままである。
以上に説明したように、本実施形態によると、パッシベーション膜109及び150がシールリング104の外側(チップ領域102の周縁部近傍)で開口部131及び161によって分離されているため、ウェハのダイシング時の衝撃によってチップ領域102の外側(つまりスクライブ領域103)のパッシベーション膜109及び150に剥がれが生じたとしても、チップ領域102の内側のパッシベーション膜109及び150まで連続的に剥がれてしまうことを防止することができる。また、パッシベーション膜109及び150をチップ領域102の内外で分離する開口部131及び161において下地である第2の層間絶縁膜107が露出した状態にあるため、当該開口部131及び161の全体にキャップ層等を埋め込んだ構成と比較して、チップ領域102の外側でパッシベーション膜109及び150が受けた衝撃が該パッシベーション膜109及び150を伝搬してチップ領域102の内部へ伝わることをより確実に防止することができる。従って、ウェハを個々のチップに分割する際のダイシングによって生じる欠けや割れ等がチップ領域102内に伝播することを防止でき、それによってチップ表面から水分や可動イオン等の汚染物質が装置内部に侵入することを防止できるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性を向上させることができる。
また、本実施形態によると、パッシベーション膜109の開口部131はシールリング104(具体的にはシール配線124)上まで設けられており、当該シール配線124上に位置する部分の開口部131に当該シール配線124と接続するキャップ層125が形成されている。このため、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側(スクライブ領域103)からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等を、靭性及び展性を有するキャップ層125及びシールリング104によって阻止することができるので、チップ領域102内のパッシベーション膜109及び150が剥がれてしまうことをより確実に防止でき、それによって半導体装置の信頼性及び耐湿性をより一層向上させることができる。
また、本実施形態によると、開口部131から見てチップ領域102側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部を覆うようにキャップ層125が形成されているため、チップ領域102内の第1のパッシベーション膜109における開口部131側の側面に、ウェハのダイシング時の衝撃によって発生した応力が集中することを防ぐことができる。従って、チップ領域102内の第1のパッシベーション膜109が剥がれてしまうことをより一層確実に防止することができる。
尚、本実施形態において、パッシベーション膜109に設けられる開口部131は、シールリング104の外側のチップ領域102の端部の上のみならず、スクライブ領域103のうちのダイシング残りの上にも形成されていてもよい。また、ウェハ状態でのスクライブ領域103にはパッシベーション膜109を形成しないことにより開口部131を設けてもよい。
また、本実施形態において、シールリング104(具体的にはシール配線114及び124)はパッシベーション膜109及びキャップ層125によって覆われているため、シールリング104に腐食が生じることはない。
また、本実施形態において、スクライブ領域103に位置する部分の層間絶縁膜105及び107中に配線構造を設けてもよい。
また、本実施形態において、例えば第2のシール配線124等の1個のシール配線の底面に対して例えば第2のシールビア123等の1個のシールビアが接続された構成を用いているが、これに代えて、1個のシール配線の底面に複数のシールビアが接続された構成を用いてもよい。
また、本実施形態において、開口部131における層間絶縁膜107の露出部分に溝が形成されていると、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側(スクライブ領域103)からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路を遮断することができるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下をより確実に防止することができる。
また、本実施形態において、シール配線114及び124並びに配線64及び74を確実に保護するために、第1のパッシベーション膜109の厚さは150nm以上であることが好ましい。
また、本実施形態において、シールリング104を構成する各シール配線及び各シールビアの構成材料は、特に限定されるものではないが、例えばW、Al及びCuのうちの少なくとも1つを用いてもよい。
また、本実施形態において、シールリング104と接続するキャップ層125の構成材料は、特に限定されるものではないが、キャップ層125が例えばAlから構成されていると、シールリング104(特にCuから構成されたシールリング104)の腐食を確実に防止することができる。
(第1の実施形態の第1変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の第1変形例に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図7は、本変形例に係る半導体装置(具体的にはダイシング後のチップ)の端部(図1に示すチップ領域102の周縁部に位置するシールリング104を含む半導体装置端部)の断面構成を示している。尚、図7は図2(a)のA−A’線の断面図である。また、図7において、図3に示す第1の実施形態に係る半導体装置と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
本変形例が第1の実施形態と異なっている点は次の通りである。すなわち、第1の実施形態においては、図3に示すように、第1のパッシベーション膜109をチップ領域102側に位置する部分とスクライブ領域103側に位置する部分とに分離する開口部131が、チップ領域102から見てシールリング104の外側からシールリング104上まで配置されていた。それに対して、本変形例においては、図7に示すように、開口部131はシールリング104上には配置されず、チップ領域102から見てシールリング104の外側のみに配置されている。また、第1の実施形態においては、図3に示すように、シールリング104となる第2のシール配線124上に位置する部分の開口部131に、シールリング104となる第2のシール配線124と接続するキャップ層125が形成されていたが、本変形例においては、図7に示すように、開口部131から見てチップ領域102側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部を覆うようにキャップ層126が形成されており、当該キャップ層126はシールリング104と接続することなく、開口部131に露出する第2の層間絶縁膜107と部分的に接触している。すなわち、本変形例においては、図7に示すように、シールリング104(具体的にはシール配線114及び124)は第1のパッシベーション膜109のみによって覆われている。
尚、本変形例においても、第1の実施形態と同様に、図7に示すように、開口部131において第2の層間絶縁膜107の表面が露出しており、第1のパッシベーション膜109の上には、その開口部131上及びキャップ層126上に開口部161を有する第2のパッシベーション膜150が形成されている。
以下、図7に示す構造を有する本変形例の半導体装置を製造するための方法について説明する。尚、以下に説明する各工程は、基本的にダイシング前のウェハ状態で行われるものである。
まず、図4(a)〜図5(a)に示す第1の実施形態の各工程を実施する。その後、図7に示すように、最上層の層間絶縁膜である第2の層間絶縁膜107上に、シール配線114及び124並びに配線64及び74(図2(b)及び(c)参照)の保護膜となる第1のパッシベーション膜109を堆積する。第1のパッシベーション膜109としては例えばSiN膜の単層構造又はTEOS膜(下層)とSiN膜(上層)との積層構造を用いる。続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109に開口部131を形成する。尚、開口部131は、チップ領域102を連続的に取り囲む溝形状を有するが、シールリング104(具体的にはシール配線124)上には配置されていない。また、開口部131の下側において、第2の層間絶縁膜107に溝が形成されてもよい。
その後、開口部131を含む第1のパッシベーション膜109の上に全面に亘って、例えばスパッタ法により例えばAl(アルミニウム)膜を堆積し、続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、当該Al膜を所定の形状にパターニングする。具体的には、開口部131から見てチップ領域102側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部及びその近傍を除く他の領域に形成されている不要なAl膜を除去する。これにより、図7に示すように、開口部131から見てチップ領域102側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部を覆うように(但しシールリング104とは接しないように)キャップ層126が形成される。すなわち、シールリング形成領域つまりチップ領域102の周縁部において、シールリング104の最上部である第2のシール配線124を第1のパッシベーション膜109を挟んでキャップ層126によって覆う。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線64と接続するパッド90が形成されると共に、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線74と接続する最上層配線75が形成される。すなわち、本変形例では、シールリング104と接続しないキャップ層126は、チップ領域102における配線・パッド形成工程において同時に形成される。これにより、新たにキャップ層形成工程を追加することなく、シールリング104の上方にキャップ層126を形成することができる。
その後、図7に示すように、開口部131を含む第1のパッシベーション膜109の上及びキャップ層126の上に、つまり基板101上の全面に亘って、キャップ層126、パッド90(図2(b)参照)及び最上層配線75(図2(c)参照)の保護膜となる第2のパッシベーション膜150を堆積する。第2のパッシベーション膜150としては例えばSiN膜の単層構造を用いる。続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第1のパッシベーション膜109の開口部131の上及びキャップ層126の上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150に開口部161を形成する。ここで、第2のパッシベーション膜150の開口部161と第1のパッシベーション膜109の開口部131とが一体となって、チップ領域102を連続的に取り囲む溝が構成される。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、パッド90上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150は開口される一方、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、最上層配線75は第2のパッシベーション膜150によって覆われたままである。
以上に説明したように、本変形例によると、パッシベーション膜109及び150がシールリング104の外側(チップ領域102の周縁部近傍)で開口部131及び161によって分離されているため、ウェハのダイシング時の衝撃によってチップ領域102の外側のパッシベーション膜109及び150に剥がれが生じたとしても、チップ領域102の内側のパッシベーション膜109及び150まで連続的に剥がれてしまうことを防止することができる。また、パッシベーション膜109及び150をチップ領域102の内外で分離する開口部131及び161において下地である第2の層間絶縁膜107が露出した状態にあるため、当該開口部131及び161の全体にキャップ層等を埋め込んだ構成と比較して、チップ領域102の外側でパッシベーション膜109及び150が受けた衝撃が該パッシベーション膜109及び150を伝搬してチップ領域102の内部へ伝わることをより確実に防止することができる。従って、ウェハを個々のチップに分割する際のダイシングによって生じる欠けや割れ等がチップ領域102内に伝播することを防止でき、それによってチップ表面から水分や可動イオン等の汚染物質が装置内部に侵入することを防止できるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性を向上させることができる。
また、本変形例によると、開口部131から見てチップ領域102側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部を覆うようにキャップ層126が形成されているため、チップ領域102内の第1のパッシベーション膜109における開口部131側の側面に、ウェハのダイシング時の衝撃によって発生した応力が集中することを防ぐことができる。従って、チップ領域102内の第1のパッシベーション膜109が剥がれてしまうことをより一層確実に防止することができる。また、本変形例では、シールリング104が第1のパッシベーション膜109によって覆われているので、ウェハのダイシング時の衝撃や応力等によってキャップ層126が剥離されてもよい。
尚、本変形例において、シールリング104(具体的にはシール配線114及び124)はパッシベーション膜109によって覆われているため、シールリング104に腐食が生じることはない。
また、本変形例において、開口部131における層間絶縁膜107の露出部分に溝が形成されていると、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路を遮断することができるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下をより確実に防止することができる。
(第1の実施形態の第2変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の第2変形例に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図8は、本変形例に係る半導体装置(具体的にはダイシング後のチップ)の端部(図1に示すチップ領域102の周縁部に位置するシールリング104を含む半導体装置端部)の断面構成を示している。尚、図8は図2(a)のA−A’線の断面図である。また、図8において、図3に示す第1の実施形態に係る半導体装置と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
本変形例が第1の実施形態と異なっている点は、図8に示すように、シールリング104と接続するキャップ層125に加えて、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部を覆うキャップ層136が形成されていることである。また、本変形例においては、図8に示すように、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109はキャップ層136と共に、同じ側に位置する部分の第2のパッシベーション膜150によって覆われる。
尚、本変形例においても、第1の実施形態と同様に、図8に示すように、開口部131において第2の層間絶縁膜107の表面が露出しており、第1のパッシベーション膜109の上には、その開口部131上に開口部161を有する第2のパッシベーション膜150が形成されている。
以下、図8に示す構造を有する本変形例の半導体装置を製造するための方法について説明する。尚、以下に説明する各工程は、基本的にダイシング前のウェハ状態で行われるものである。
まず、図4(a)〜図5(b)に示す第1の実施形態の各工程を実施した後、開口部131を含む第1のパッシベーション膜109の上に全面に亘って、例えばスパッタ法により例えばAl(アルミニウム)膜を堆積し、続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、当該Al膜を所定の形状にパターニングする。具体的には、シール配線124上に位置する部分の開口部131及びその近傍、並びに開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部及びその近傍を除く他の領域に形成されている不要なAl膜を除去する。これにより、図8に示すように、シール配線124上に位置する部分の開口部131に、シール配線124と接続するキャップ層125が形成されると共に、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部を覆うキャップ層136が形成される。尚、キャップ層125は、シールリング104の最上部、及び開口部131から見てチップ領域102側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部を覆うように形成される。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線64と接続するパッド90が形成されると共に、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線74と接続する最上層配線75が形成される。すなわち、本変形例では、キャップ層125及び136は、チップ領域102における配線・パッド形成工程において同時に形成される。これにより、新たにキャップ層形成工程を追加することなく、キャップ層125及び136を形成することができる。
その後、図8に示すように、開口部131を含む第1のパッシベーション膜109の上並びにキャップ層125及び136の上に、つまり基板101上の全面に亘って、キャップ層125及び136、パッド90(図2(b)参照)並びに最上層配線75(図2(c)参照)の保護膜となる第2のパッシベーション膜150を堆積する。第2のパッシベーション膜150としては例えばSiN膜の単層構造を用いる。続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第1のパッシベーション膜109の開口部131の上及びキャップ層125の上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150に開口部161を形成する。但し、本変形例では、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109がキャップ層136と共に、同じ側に位置する部分の第2のパッシベーション膜150によって覆われるように開口部161を形成する。ここで、第2のパッシベーション膜150の開口部161と第1のパッシベーション膜109の開口部131とが一体となって、チップ領域102を連続的に取り囲む溝が構成される。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、パッド90上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150は開口される一方、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、最上層配線75は第2のパッシベーション膜150によって覆われたままである。
以上に説明した本変形例によると、第1の実施形態と同様の効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部と、開口部161から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第2のパッシベーション膜150の端部とが位置ずれしているため、最上層配線75(図2(c)参照)等を覆うために均等な厚さで平滑に形成される第2のパッシベーション膜150に対するエッチング加工を容易に行うことができる。
尚、本変形例において、開口部131における層間絶縁膜107の露出部分に溝が形成されていると、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路を遮断することができるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下をより確実に防止することができる。
また、本変形例において、開口部161から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第2のパッシベーション膜150は、同じ側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109とキャップ層136とを覆うように形成されている。しかし、これに代えて、開口部161から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第2のパッシベーション膜150の端部が、例えばキャップ層136上に位置していてもよいし、又は同じ側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109上に位置していてもよい。
(第1の実施形態の第3変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の第3変形例に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図9は、本変形例に係る半導体装置(具体的にはダイシング後のチップ)の端部(図1に示すチップ領域102の周縁部に位置するシールリング104を含む半導体装置端部)の断面構成を示している。尚、図9は図2(a)のA−A’線の断面図である。また、図9において、図3に示す第1の実施形態に係る半導体装置と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
本変形例が第1の実施形態と異なっている点は、図9に示すように、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部と、開口部161から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第2のパッシベーション膜150の端部とが位置ずれしていることである。具体的には、図9に示すように、開口部161から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第2のパッシベーション膜150の端部は、同じ側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の上側に位置する。
尚、本変形例においても、第1の実施形態と同様に、図9に示すように、開口部131において第2の層間絶縁膜107の表面が露出しており、第1のパッシベーション膜109の上には、その開口部131上に開口部161を有する第2のパッシベーション膜150が形成されている。
以下、図9に示す構造を有する本変形例の半導体装置を製造するための方法について説明する。尚、以下に説明する各工程は、基本的にダイシング前のウェハ状態で行われるものである。
まず、図4(a)〜図6(a)に示す第1の実施形態の各工程を実施した後、図9に示すように、開口部131を含む第1のパッシベーション膜109の上及びキャップ層125の上に、つまり基板101上の全面に亘って、キャップ層125、パッド90(図2(b)参照)及び最上層配線75(図2(c)参照)の保護膜となる第2のパッシベーション膜150を堆積する。第2のパッシベーション膜150としては例えばSiN膜の単層構造を用いる。続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第1のパッシベーション膜109の開口部131の上及びキャップ層125の上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150に開口部161を形成する。但し、本変形例では、開口部161から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第2のパッシベーション膜150の端部が、同じ側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の上側に位置するように開口部161を形成する。ここで、第2のパッシベーション膜150の開口部161と第1のパッシベーション膜109の開口部131とが一体となって、チップ領域102を連続的に取り囲む溝が構成される。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、パッド90上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150は開口される一方、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、最上層配線75は第2のパッシベーション膜150によって覆われたままである。
以上に説明した本変形例によると、第1の実施形態と同様の効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部と、開口部161から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第2のパッシベーション膜150の端部とが位置ずれしているため、最上層配線75(図2(c)参照)等を覆うために均等な厚さで平滑に形成される第2のパッシベーション膜150に対するエッチング加工を容易に行うことができる。
尚、本変形例において、開口部131における層間絶縁膜107の露出部分に溝が形成されていると、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路を遮断することができるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下をより確実に防止することができる。
(第1の実施形態の第4変形例)
以下、本発明の第1の実施形態の第4変形例に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図10は、本変形例に係る半導体装置(具体的にはダイシング後のチップ)の端部(図1に示すチップ領域102の周縁部に位置するシールリング104を含む半導体装置端部)の断面構成を示している。尚、図10は図2(a)のA−A’線の断面図である。また、図10において、図3に示す第1の実施形態に係る半導体装置と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
本変形例が第1の実施形態と異なっている点は、図10に示すように、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部と、開口部161から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第2のパッシベーション膜150の端部とが位置ずれしていることである。具体的には、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部は、同じ側に位置する部分の第2のパッシベーション膜150の下側に位置する。言い換えると、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109は、同じ側に位置する部分の第2のパッシベーション膜150によって覆われる。
尚、本変形例においても、第1の実施形態と同様に、図10に示すように、開口部131において第2の層間絶縁膜107の表面が露出しており、第1のパッシベーション膜109の上には、その開口部131上に開口部161を有する第2のパッシベーション膜150が形成されている。
以下、図10に示す構造を有する本変形例の半導体装置を製造するための方法について説明する。尚、以下に説明する各工程は、基本的にダイシング前のウェハ状態で行われるものである。
まず、図4(a)〜図6(a)に示す第1の実施形態の各工程を実施した後、図10に示すように、開口部131を含む第1のパッシベーション膜109の上及びキャップ層125の上に、つまり基板101上の全面に亘って、キャップ層125、パッド90(図2(b)参照)及び最上層配線75(図2(c)参照)の保護膜となる第2のパッシベーション膜150を堆積する。第2のパッシベーション膜150としては例えばSiN膜の単層構造を用いる。続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第1のパッシベーション膜109の開口部131の上及びキャップ層125の上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150に開口部161を形成する。但し、本変形例では、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部が、同じ側に位置する部分の第2のパッシベーション膜150によって覆われるように開口部161を形成する。ここで、第2のパッシベーション膜150の開口部161と第1のパッシベーション膜109の開口部131とが一体となって、チップ領域102を連続的に取り囲む溝が構成される。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、パッド90上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150は開口される一方、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、最上層配線75は第2のパッシベーション膜150によって覆われたままである。
以上に説明した本変形例によると、第1の実施形態と同様の効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109の端部と、開口部161から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第2のパッシベーション膜150の端部とが位置ずれしているため、最上層配線75(図2(c)参照)等を覆うために均等な厚さで平滑に形成される第2のパッシベーション膜150に対するエッチング加工を容易に行うことができる。
尚、本変形例において、開口部131における層間絶縁膜107の露出部分に溝が形成されていると、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路を遮断することができるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下をより確実に防止することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図11は、第2の実施形態に係る半導体装置(具体的にはダイシング後のチップ)の端部(図1に示すチップ領域102の周縁部に位置するシールリング104を含む半導体装置端部)の断面構成を示している。尚、図11は図2(a)のA−A’線の断面図である。また、図11において、図3に示す第1の実施形態に係る半導体装置と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
本実施形態が第1の実施形態と異なっている点は、図11に示すように、第1のパッシベーション膜109が、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する開口部131に加えて、シールリング104の最上部である第2のシール配線124上に位置する開口部132を有しており、当該開口部132にシールリング104(具体的にはシール配線124)と接続するキャップ層127が形成されていることである。
尚、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、図11に示すように、開口部131において第2の層間絶縁膜107の表面が露出しており、第1のパッシベーション膜109の上には、その開口部131上及びキャップ層127上に開口部161を有する第2のパッシベーション膜150が形成されている。
また、本実施形態においては、図11に示すように、開口部131における第2の層間絶縁膜107の露出部分には溝が形成されている。
以下、図11に示す構造を有する本実施形態の半導体装置を製造するための方法について、図12(a)、(b)及び図13(a)、(b)の工程断面図を参照しながら説明する。尚、以下に説明する各工程は、基本的にダイシング前のウェハ状態で行われるものである。
まず、図4(a)〜図5(a)に示す第1の実施形態の各工程を実施する。その後、図12(a)に示すように、最上層の層間絶縁膜である第2の層間絶縁膜107上に、第2のシール配線114及び124並びに配線64及び74(図2(b)及び(c)参照)の保護膜となる第1のパッシベーション膜109を堆積する。第1のパッシベーション膜109としては例えばSiN膜の単層構造又はTEOS膜(下層)とSiN膜(上層)との積層構造を用いる。続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第1のパッシベーション膜109に、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する開口部131と、シールリング104における第2のシール配線124上のみに位置する開口部132とを形成する。このとき、第1のパッシベーション膜109をエッチングする際の条件を調整することによって、開口部131(本実施形態ではスクライブ領域103に位置する)に露出する第2の層間絶縁膜107をエッチングして溝を形成する。尚、開口部131はシールリング104(具体的には第2のシール配線124)から離間しており、開口部131と開口部132との間には第1のパッシベーション膜109の一部分が介在しており、開口部131及び132は、チップ領域102を連続的に取り囲む溝形状を有する。
その後、開口部131及び132を含む第1のパッシベーション膜109の上に全面に亘って、例えばスパッタ法により例えばAl(アルミニウム)膜を堆積し、続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、当該Al膜を所定の形状にパターニングする。具体的には、第2のシール配線124上の開口部132及びその近傍を除く他の領域に形成されている不要なAl膜を除去する。これにより、図12(b)に示すように、第2のシール配線124上の開口部132に、第2のシール配線124と接続するキャップ層127が形成される。すなわち、シールリング形成領域つまりチップ領域102の周縁部において、シールリング104の最上部のうちチップ領域102内部側の第2のシール配線114を第1のパッシベーション膜109によって覆い、シールリング104の最上部のうちスクライブ領域103側の第2のシール配線124を第1のパッシベーション膜109とキャップ層127とによって覆う。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線64と接続するパッド90が形成されると共に、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線74と接続する最上層配線75が形成される。すなわち、本実施形態では、シールリング104の最上部である第2のシール配線124と接続するキャップ層127は、チップ領域102における配線・パッド形成工程において同時に形成される。これにより、新たにキャップ層形成工程を追加することなく、シールリング104の最上部である第2のシール配線124と接続するキャップ層127を形成することができる。
その後、図13(a)に示すように、開口部131を含む第1のパッシベーション膜109の上及びキャップ層127の上に、つまり基板101上の全面に亘って、キャップ層127、パッド90(図2(b)参照)及び最上層配線75(図2(c)参照)の保護膜となる第2のパッシベーション膜150を堆積する。第2のパッシベーション膜150としては例えばSiN膜の単層構造を用いる。続いて、図13(b)に示すように、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第1のパッシベーション膜109の開口部131の上からキャップ層127の上までに位置する部分の第2のパッシベーション膜150に開口部161を形成する。ここで、第2のパッシベーション膜150の開口部161と第1のパッシベーション膜109の開口部131とが一体となって、チップ領域102を連続的に取り囲む溝が構成される。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、パッド90上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150は開口される一方、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、最上層配線75は第2のパッシベーション膜150によって覆われたままである。
以上に説明したように、本実施形態によると、パッシベーション膜109及び150がシールリング104の外側(チップ領域102の周縁部近傍)で開口部131及び161によって分離されているため、ウェハのダイシング時の衝撃によってチップ領域102の外側(つまりスクライブ領域103)のパッシベーション膜109及び150に剥がれが生じたとしても、チップ領域102の内側のパッシベーション膜109及び150まで連続的に剥がれてしまうことを防止することができる。また、パッシベーション膜109及び150をチップ領域102の内外で分離する開口部131及び161において下地である第2の層間絶縁膜107が露出した状態にあるため、当該開口部131及び161の全体にキャップ層等を埋め込んだ構成と比較して、チップ領域102の外側(つまりスクライブ領域103)でパッシベーション膜109及び150が受けた衝撃が該パッシベーション膜109及び150を伝搬してチップ領域102の内部へ伝わることをより確実に防止することができる。従って、ウェハを個々のチップに分割する際のダイシングによって生じる欠けや割れ等がチップ領域102内に伝播することを防止でき、それによってチップ表面から水分や可動イオン等の汚染物質が装置内部に侵入することを防止できるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性を向上させることができる。
また、本実施形態によると、シールリング104における第2のシール配線124上に位置する部分の第1のパッシベーション膜109に開口部132が設けられており、開口部132に第2のシール配線124と接続するキャップ層127が形成されている。このため、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側(つまりスクライブ領域103)からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等を、靭性及び展性を有するキャップ層127及びシールリング104によって阻止することができるので、チップ領域102内のパッシベーション膜109及び150が剥がれてしまうことをより確実に防止でき、それによって半導体装置の信頼性及び耐湿性をより一層向上させることができる。
また、本実施形態によると、シールリング104の外側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109に設けられた開口部131において露出する第2の層間絶縁膜107に溝が形成されている。言い換えると、当該溝の底面は、比較的硬度が低くやわらかい第2の層間絶縁膜107中に位置する。このため、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側(つまりスクライブ領域103)からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路を遮断することができる。その結果、ウェハのダイシング時にパッシベーション膜109及び150にクラック等が生じることを抑制でき、それによってチップ領域102の内部におけるパッシベーション膜109及び150の剥がれを防止できる。従って、半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下をより確実に防止することができる。
尚、本実施形態において、パッシベーション膜109に設けられる開口部131は、シールリング104の外側のチップ領域102の端部の上のみならず、スクライブ領域103のうちのダイシング残りの上にも形成されていてもよい。また、ウェハ状態でのスクライブ領域103にはパッシベーション膜109を形成しないことにより開口部131を設けてもよい。
また、本実施形態において、シールリング104(具体的には第2のシール配線114及び124)はパッシベーション膜109及びキャップ層127によって覆われているため、シールリング104に腐食が生じることはない。
また、本実施形態において、スクライブ領域103に位置する部分の層間絶縁膜105及び107中に配線構造を設けてもよい。
また、本実施形態において、第2のシール配線114及び124並びに配線64及び74を確実に保護するために、第1のパッシベーション膜109の厚さは150nm以上であることが好ましい。
また、本実施形態において、シールリング104を構成する各シール配線及び各シールビアの構成材料は、特に限定されるものではないが、例えばW、Al及びCuのうちの少なくとも1つを用いてもよい。
また、本実施形態において、シールリング104における第2のシール配線124と接続するキャップ層127の構成材料は、特に限定されるものではないが、キャップ層127が例えばAlから構成されていると、シールリング104(特にCuから構成されたシールリング104)の腐食を確実に防止することができる。
また、本実施形態において、開口部131における第2の層間絶縁膜107の露出部分に溝を形成したが、これに代えて、当該溝を形成しなくてもよい。すなわち、第1のパッシベーション膜109の下面と、開口部131における第2の層間絶縁膜107の露出部分の表面とが同じ高さに位置していてもよい。
(第2の実施形態の第1変形例)
以下、本発明の第2の実施形態の第1変形例に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図14は、本変形例に係る半導体装置(具体的にはダイシング後のチップ)の端部(図1に示すチップ領域102の周縁部に位置するシールリング104を含む半導体装置端部)の断面構成を示している。尚、図14は図2(a)のA−A’線の断面図である。また、図14において、図3に示す第1の実施形態又は図11に示す第2の実施形態に係る半導体装置と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
本変形例が図11に示す第2の実施形態と異なっている点は、図14に示すように、開口部131と開口部132との間に位置する部分の第1のパッシベーション膜109における開口部131側の側面に、キャップ層127と同一の材料からなるサイドウォールスペーサ142が形成されていることである。尚、本変形例においては、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109における開口部131側の側面にもサイドウォールスペーサ142が形成されている。また、本変形例においては、図14に示すように、開口部131における第2の層間絶縁膜107の露出部分には溝が形成されており、サイドウォールスペーサ142の下面は第1のパッシベーション膜109の下面よりも下方に位置する。
尚、本変形例においても、第1及び第2の実施形態と同様に、図14に示すように、開口部131において第2の層間絶縁膜107の表面が露出しており、第1のパッシベーション膜109の上には、その開口部131上及びキャップ層127上に開口部161を有する第2のパッシベーション膜150が形成されている。
また、本変形例においても、第2の実施形態と同様に、図14に示すように、第1のパッシベーション膜109が、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する開口部131に加えて、シールリング104における第2のシール配線124上に位置する開口部132を有しており、当該開口部132に第2のシール配線124と接続するキャップ層127が形成されている。
以下、図14に示す構造を有する本変形例の半導体装置を製造するための方法について、図15(a)、(b)及び図16(a)、(b)の工程断面図を参照しながら説明する。尚、以下に説明する各工程は、基本的にダイシング前のウェハ状態で行われるものである。
まず、図4(a)〜図5(a)に示す第1の実施形態の各工程を実施する。その後、図15(a)に示すように、最上層の層間絶縁膜である第2の層間絶縁膜107上に、第2のシール配線114及び124並びに配線64及び74(図2(b)及び(c)参照)の保護膜となる第1のパッシベーション膜109を堆積する。第1のパッシベーション膜109としては例えばSiN膜の単層構造又はTEOS膜(下層)とSiN膜(上層)との積層構造を用いる。続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第1のパッシベーション膜109に、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する開口部131と、シールリング104(具体的には第2のシール配線124)上に位置する開口部132とを形成する。このとき、第1のパッシベーション膜109をエッチングする際の条件を調整することによって、開口部131(本実施形態ではスクライブ領域103に位置する)に露出する第2の層間絶縁膜107をエッチングして溝を形成する。尚、開口部131はシールリング104(具体的には第2のシール配線124)から離間しており、開口部131と開口部132との間には第1のパッシベーション膜109の一部分が介在しており、開口部131及び132は、チップ領域102を連続的に取り囲む溝形状を有する。
その後、開口部131及び132を含む第1のパッシベーション膜109の上に全面に亘って、例えばスパッタ法により例えばAl(アルミニウム)膜を堆積し、続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、当該Al膜を所定の形状にパターニングする。具体的には、第2のシール配線124上の開口部132及びその近傍を除く他の領域に形成されている不要なAl膜を除去する。これにより、図15(b)に示すように、第2のシール配線124上の開口部132に、第2のシール配線124と接続するキャップ層127が形成される。すなわち、シールリング形成領域つまりチップ領域102の周縁部において、第1のパッシベーション膜109に形成された開口部132内に露出するシールリング104の最上部(具体的には第2のシール配線124)をキャップ層127によって覆う。ここで、本変形例においては、キャップ層127となるAl膜をエッチングする際の条件を調整することによって、開口部131と開口部132との間に位置する部分の第1のパッシベーション膜109における開口部131側の側面に、キャップ層127と同一の材料からなるサイドウォールスペーサ142を形成する。このとき、開口部131から見てチップ領域102の反対側(つまりスクライブ領域103側)に位置する部分の第1のパッシベーション膜109における開口部131側の側面にもサイドウォールスペーサ142を形成する。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線64と接続するパッド90が形成されると共に、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線74と接続する最上層配線75が形成される。すなわち、本実施形態では、シールリング104の最上部である第2のシール配線124と接続するキャップ層127は、チップ領域102における配線・パッド形成工程において同時に形成される。これにより、新たにキャップ層形成工程を追加することなく、シールリング104の最上部である第2のシール配線124と接続するキャップ層127を形成することができる。
その後、図16(a)に示すように、サイドウォールスペーサ142及び開口部131を含む第1のパッシベーション膜109の上並びにキャップ層127の上に、つまり基板101上の全面に亘って、キャップ層127、パッド90(図2(b)参照)及び最上層配線75(図2(c)参照)の保護膜となる第2のパッシベーション膜150を堆積する。第2のパッシベーション膜150としては例えばSiN膜の単層構造を用いる。続いて、図16(b)に示すように、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第1のパッシベーション膜109の開口部131の上からキャップ層127の上までに位置する部分の第2のパッシベーション膜150に開口部161を形成する。ここで、第2のパッシベーション膜150の開口部161と第1のパッシベーション膜109の開口部131とが一体となって、チップ領域102を連続的に取り囲む溝が構成される。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、パッド90上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150は開口される一方、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、最上層配線75は第2のパッシベーション膜150によって覆われたままである。
以上に説明した本変形例によると、第2の実施形態と同様の効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、開口部131と開口部132との間に位置する部分の第1のパッシベーション膜109における開口部131側の側面に、キャップ層127と同一の材料からなるサイドウォールスペーサ142が形成されている。このため、チップ領域102内の第1のパッシベーション膜109における開口部131側の側面に、ウェハのダイシング時の衝撃によって発生した応力が集中することを防ぐことができるので、チップ領域102内の第1のパッシベーション膜109が剥がれてしまうことをより一層確実に防止することができる。
尚、本変形例において、開口部131における第2の層間絶縁膜107の露出部分に溝を形成したが、これに代えて、当該溝を形成しなくてもよい。すなわち、第1のパッシベーション膜109の下面と、開口部131における第2の層間絶縁膜107の露出部分の表面とが同じ高さに位置していてもよい。言い換えると、第1のパッシベーション膜109の下面と、サイドウォールスペーサ142の下面とが同じ高さに位置していてもよい。
(第2の実施形態の第2変形例)
以下、本発明の第2の実施形態の第2変形例に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図17は、本変形例に係る半導体装置(具体的にはダイシング後のチップ)の端部(図1に示すチップ領域102の周縁部に位置するシールリング104を含む半導体装置端部)の断面構成を示している。尚、図17は図2(a)のA−A’線の断面図である。また、図17において、図3に示す第1の実施形態又は図11若しくは図14に示す第2の実施形態若しくはその第1変形例に係る半導体装置と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
本変形例が図14に示す第2の実施形態の第1変形例と異なっている点は、図17に示すように、第1のパッシベーション膜109の開口部131におけるサイドウォールスペーサ142に囲まれた領域に露出する部分の第2の層間絶縁膜107に溝145が形成されていることである。従って、本変形例においては、図17に示すように、溝145の底面つまり第2の層間絶縁膜107の露出部分の表面は、サイドウォールスペーサ142の下面よりも下方に位置する。尚、本変形例においても、第2の実施形態の第1変形例と同様に、図17に示すように、サイドウォールスペーサ142の下面は第1のパッシベーション膜109の下面よりも下方に位置する。
すなわち、図17に示す構造を有する本変形例の半導体装置は、第2の実施形態の第1変形例における図15(a)に示す工程で、第1のパッシベーション膜109をエッチングする際の条件を調整することによって、開口部131に露出する第2の層間絶縁膜107をエッチングして溝を形成し、第2の実施形態の第1変形例における図16(b)に示す工程で、第2のパッシベーション膜150をエッチングする際の条件を調整することによって、開口部131におけるサイドウォールスペーサ142に囲まれた領域に露出する第2の層間絶縁膜107をさらにエッチングして溝145を形成したものである。ここで、第2のパッシベーション膜150の開口部161と第1のパッシベーション膜109の開口部131と第2の層間絶縁膜107の溝145とが一体となって、チップ領域102を連続的に取り囲む溝が構成される。
尚、本変形例においても、第1及び第2の実施形態と同様に、図17に示すように、開口部131において第2の層間絶縁膜107の表面が露出しており、第1のパッシベーション膜109の上には、その開口部131上及びキャップ層127上に開口部161を有する第2のパッシベーション膜150が形成されている。
また、本変形例においても、第2の実施形態と同様に、図17に示すように、第1のパッシベーション膜109が、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する開口部131に加えて、シールリング104における第2のシール配線124上に位置する開口部132を有しており、当該開口部132にシールリング104(具体的にはシール配線124)と接続するキャップ層127が形成されている。
以上に説明した本変形例によると、第2の実施形態又はその第1変形例と同様の効果に加えて、次のような効果が得られる。すなわち、第1のパッシベーション膜109の開口部131におけるサイドウォールスペーサ142に囲まれた領域に露出する部分の第2の層間絶縁膜107に溝145が形成されている。言い換えると、溝145の底面は、比較的硬度が低くやわらかい第2の層間絶縁膜107中に位置する。このため、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側(つまりスクライブ領域103)からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路を遮断することができる。その結果、ウェハのダイシング時にパッシベーション膜109及び150にクラック等が生じることを抑制でき、それによってチップ領域102の内部におけるパッシベーション膜109及び150の剥がれを防止できる。従って、半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下をより確実に防止することができる。
尚、本変形例において、第2の実施形態の第1変形例における図15(a)に示す工程で、第1のパッシベーション膜109をエッチングする際の条件を調整することによって、開口部131に露出する第2の層間絶縁膜107をエッチングして溝を形成したが、これに代えて、当該工程では溝を形成しなくてもよい。すなわち、第1のパッシベーション膜109の下面と、サイドウォールスペーサ142の下面とが同じ高さに位置していてもよい。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図18は、第3の実施形態に係る半導体装置(具体的にはダイシング後のチップ)の端部(図1に示すチップ領域102の周縁部に位置するシールリング104を含む半導体装置端部)の断面構成を示している。尚、図18は図2(a)のA−A’線の断面図である。また、図18において、図3に示す第1の実施形態に係る半導体装置と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
本実施形態が第1の実施形態と異なっている点は、図18に示すように、第1のパッシベーション膜109が、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する開口部131に加えて、シールリング104における第2のシール配線124上に位置する開口部132を有しており、当該開口部132にシールリング104(具体的にはシール配線124)と接続するキャップ層127が形成されていることである。
尚、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、図18に示すように、開口部131において第2の層間絶縁膜107の表面が露出しており、第1のパッシベーション膜109の上には、その開口部131上及びキャップ層127上に開口部161を有する第2のパッシベーション膜150が形成されている。
また、本実施形態においては、図18に示すように、開口部131における第2の層間絶縁膜107の露出部分には溝145が形成されている。
以下、図18に示す構造を有する本実施形態の半導体装置を製造するための方法について、図19(a)、(b)及び図20(a)、(b)の工程断面図を参照しながら説明する。尚、以下に説明する各工程は、基本的にダイシング前のウェハ状態で行われるものである。
まず、図4(a)〜図5(a)に示す第1の実施形態の各工程を実施する。その後、図19(a)に示すように、最上層の層間絶縁膜である第2の層間絶縁膜107上に、第2のシール配線114及び124並びに配線64及び74(図2(b)及び(c)参照)の保護膜となる第1のパッシベーション膜109を堆積する。第1のパッシベーション膜109としては例えばSiN膜の単層構造又はTEOS膜(下層)とSiN膜(上層)との積層構造を用いる。続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、第1のパッシベーション膜109に、シールリング104における第2のシール配線124上に位置する開口部132のみを形成する。言い換えると、この時点では、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する開口部131の形成は行わない。尚、開口部132は、チップ領域102を連続的に取り囲む溝形状を有する。
その後、開口部132を含む第1のパッシベーション膜109の上に全面に亘って、例えばスパッタ法により例えばAl(アルミニウム)膜を堆積し、続いて、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、当該Al膜を所定の形状にパターニングする。具体的には、第2のシール配線124上の開口部132及びその近傍を除く他の領域に形成されている不要なAl膜を除去する。これにより、図19(b)に示すように、第2のシール配線124上の開口部132に、第2のシール配線124と接続するキャップ層127が形成される。すなわち、シールリング形成領域つまりチップ領域102の周縁部において、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口部132内に露出するシールリング104の最上部(具体的には第2のシール配線124)をキャップ層127によって覆う。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線64と接続するパッド90が形成されると共に、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、第1のパッシベーション膜109に設けられた開口に配線74と接続する最上層配線75が形成される。すなわち、本実施形態では、シールリング104の最上部である第2のシール配線124と接続するキャップ層127は、チップ領域102における配線・パッド形成工程において同時に形成される。これにより、新たにキャップ層形成工程を追加することなく、シールリング104の最上部である第2のシール配線124と接続するキャップ層127を形成することができる。
その後、図20(a)に示すように、第1のパッシベーション膜109の上及びキャップ層127の上に、つまり基板101上の全面に亘って、キャップ層127、パッド90(図2(b)参照)及び最上層配線75(図2(c)参照)の保護膜となる第2のパッシベーション膜150を堆積する。第2のパッシベーション膜150としては例えばSiN膜の単層構造を用いる。続いて、図20(b)に示すように、リソグラフィー法及びドライエッチング法を用いて、チップ領域102から見てシールリング104の外側からキャップ層127の上までに位置する部分の第2のパッシベーション膜150に開口部161を形成する。このとき、第2のパッシベーション膜150をエッチングする際の条件を調整することによって、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する部分の(キャップ層127が形成されていない部分の開口部161の下側の)第1のパッシベーション膜109及び第2の層間絶縁膜107を順次エッチングする。これにより、チップ領域102から見てシールリング104の外側において、第1のパッシベーション膜109に開口部131が形成されると共に開口部131における第2の層間絶縁膜107の露出部分に溝145が形成される。ここで、第2のパッシベーション膜150の開口部161と第1のパッシベーション膜109の開口部131と第2の層間絶縁膜107の溝145とが一体となって、チップ領域102を連続的に取り囲む溝が構成される。また、このとき、チップ領域102のうちのパッド形成領域においては、図2(b)に示すように、パッド90上に位置する部分の第2のパッシベーション膜150は開口される一方、チップ領域102のうちの最上層配線形成領域においては、図2(c)に示すように、最上層配線75は第2のパッシベーション膜150によって覆われたままである。
以上に説明したように、本実施形態によると、パッシベーション膜109及び150がシールリング104の外側(チップ領域102の周縁部近傍)で開口部131及び161によって分離されているため、ウェハのダイシング時の衝撃によってチップ領域102の外側(つまりスクライブ領域103)のパッシベーション膜109及び150に剥がれが生じたとしても、チップ領域102の内側のパッシベーション膜109及び150まで連続的に剥がれてしまうことを防止することができる。また、パッシベーション膜109及び150をチップ領域102の内外で分離する開口部131及び161において下地である第2の層間絶縁膜107が露出した状態にあるため、当該開口部131及び161の全体にキャップ層等を埋め込んだ構成と比較して、チップ領域102の外側(つまりスクライブ領域103)でパッシベーション膜109及び150が受けた衝撃が該パッシベーション膜109及び150を伝搬してチップ領域102の内部へ伝わることをより確実に防止することができる。従って、ウェハを個々のチップに分割する際のダイシングによって生じる欠けや割れ等がチップ領域102内に伝播することを防止でき、それによってチップ表面から水分や可動イオン等の汚染物質が装置内部に侵入することを防止できるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性を向上させることができる。
また、本実施形態によると、シールリング104上に位置する部分の第1のパッシベーション膜109に開口部132が設けられており、開口部132にシールリング104と接続するキャップ層127が形成されている。このため、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側(つまりスクライブ領域103)からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等を、靭性及び展性を有するキャップ層127及びシールリング104によって阻止することができるので、チップ領域102内のパッシベーション膜109及び150が剥がれてしまうことをより確実に防止でき、それによって半導体装置の信頼性及び耐湿性をより一層向上させることができる。
また、本実施形態によると、シールリング104の外側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109に設けられた開口部131において露出する第2の層間絶縁膜107に溝145が形成されている。言い換えると、当該溝145の底面は、比較的硬度が低くやわらかい第2の層間絶縁膜107中に位置する。このため、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側(つまりスクライブ領域103)からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路を遮断することができる。その結果、ウェハのダイシング時にパッシベーション膜109及び150にクラック等が生じることを抑制でき、それによってチップ領域102の内部におけるパッシベーション膜109及び150の剥がれを防止できる。従って、半導体装置の信頼性及び耐湿性の低下をより確実に防止することができる。
尚、本実施形態において、パッシベーション膜109に設けられる開口部131は、シールリング104の外側のチップ領域102の端部の上のみならず、スクライブ領域103のうちのダイシング残りの上にも形成されていてもよい。また、ウェハ状態でのスクライブ領域103にはパッシベーション膜109を形成しないことにより開口部131を設けてもよい。
また、本実施形態において、シールリング104(具体的には第2のシール配線114及び124)はパッシベーション膜109及びキャップ層127によって覆われているため、シールリング104に腐食が生じることはない。
また、本実施形態において、スクライブ領域103に位置する部分の層間絶縁膜105及び107中に配線構造を設けてもよい。
また、本実施形態において、第2のシール配線114及び124並びに配線64及び74を確実に保護するために、第1のパッシベーション膜109の厚さは150nm以上であることが好ましい。
また、本実施形態において、シールリング104を構成する各シール配線及び各シールビアの構成材料は、特に限定されるものではないが、例えばW、Al及びCuのうちの少なくとも1つを用いてもよい。
また、本実施形態において、シールリング104と接続するキャップ層127の構成材料は、特に限定されるものではないが、キャップ層127が例えばAlから構成されていると、シールリング104(特にCuから構成されたシールリング104)の腐食を確実に防止することができる。
また、本実施形態において、開口部131における第2の層間絶縁膜107の露出部分に溝145を形成したが、これに代えて、溝145を形成しなくてもよい。すなわち、第1のパッシベーション膜109の下面と、開口部131における第2の層間絶縁膜107の露出部分の表面とが同じ高さに位置していてもよい。
(第3の実施形態の変形例)
以下、本発明の第3の実施形態の変形例に係る半導体装置及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
図21は、本変形例に係る半導体装置(具体的にはダイシング後のチップ)の端部(図1に示すチップ領域102の周縁部に位置するシールリング104を含む半導体装置端部)の断面構成を示している。尚、図21は図2(a)のA−A’線の断面図である。また、図21において、図3に示す第1の実施形態又は図18に示す第3の実施形態に係る半導体装置と同一の構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を適宜省略する。
本変形例が図18に示す第3の実施形態と異なっている点は次の通りである。すなわち、第3の実施形態においては、図18に示すように、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109に開口部131が形成されていた。それに対して、本変形例においては、図21に示すように、開口部131は形成されておらず、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する部分の第1のパッシベーション膜109が薄膜化されており、当該薄膜化部分133が露出している。
すなわち、図21に示す構造を有する本変形例の半導体装置は、第3の実施形態における図20(b)に示す工程で、第2のパッシベーション膜150をエッチングする際の条件を調整することによって、チップ領域102から見てシールリング104の外側に位置する部分の(キャップ層127が形成されていない部分の開口部161の下側の)第1のパッシベーション膜109を途中までエッチングして薄膜化部分133を形成したものである。ここで、第2のパッシベーション膜150の開口部161と第1のパッシベーション膜109の薄膜化部分133とが一体となって、チップ領域102を連続的に取り囲む溝が構成される。
以上に説明したように、本変形例によると、パッシベーション膜150がシールリング104の外側(チップ領域102の周縁部近傍)で開口部161によって分離されていると共に、シールリング104の外側(チップ領域102の周縁部近傍)において、つまり開口部161の下側においてパッシベーション膜109が薄膜化されている。このため、ウェハのダイシング時の衝撃によってチップ領域102の外側のパッシベーション膜109及び150に剥がれが生じたとしても、当該剥がれをパッシベーション膜109の薄膜化部分133で終端させることができるので、チップ領域102の内側のパッシベーション膜109及び150まで連続的に剥がれてしまうことを防止することができる。また、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等の伝搬経路であるパッシベーション膜109をシールリング104の外側で薄膜化することによって、当該薄膜化部分133で衝撃や応力等の伝搬を遮断することができる。従って、ウェハを個々のチップに分割する際のダイシングによって生じる欠けや割れ等がチップ領域102内に伝播することを防止でき、それによってチップ表面から水分や可動イオン等の汚染物質が装置内部に侵入することを防止できるので、半導体装置の信頼性及び耐湿性を向上させることができる。
また、本変形例によると、シールリング104上に位置する部分の第1のパッシベーション膜109に開口部132が設けられており、開口部132にシールリング104と接続するキャップ層127が形成されている。このため、ウェハのダイシング時にチップ領域102の外側からチップ領域102の内部に向かう衝撃や応力等を、靭性及び展性を有するキャップ層127及びシールリング104によって阻止することができるので、チップ領域102内のパッシベーション膜109及び150が剥がれてしまうことをより確実に防止でき、それによって半導体装置の信頼性及び耐湿性をより一層向上させることができる。
尚、本変形例において、パッシベーション膜109に設けられる薄膜化部分133は、シールリング104の外側のチップ領域102の端部の上のみならず、スクライブ領域103のうちのダイシング残りの上にも形成されていてもよい。
以上に説明したように、本発明は、チップ領域を取り囲むように形成されたシールリングを有する半導体装置及びその製造方法に関し、本発明の適用により、ウェハを個々のチップに分割する際のダイシングによってチップ(半導体装置)側面に生じる欠けや割れ等がチップ領域内に伝播することを防止できるという効果が得られ、非常に有用である。
60 活性層
61 プラグ(ビア)
62 配線
63 プラグ(ビア)
64 配線
70 活性層
71 プラグ(ビア)
72 配線
73 プラグ(ビア)
74 配線
75 最上層配線
90 パッド
101 基板
102 チップ領域
103 スクライブ領域
104 シールリング
105 第1の層間絶縁膜
105a 溝状凹部
105c 配線溝
107 第2の層間絶縁膜
107a 溝状凹部
107c 配線溝
109 第1のパッシベーション膜
110 活性層(又は導電層)
111 第1のシールビア
112 第1のシール配線
113 第2のシールビア
114 第2のシール配線
121 第1のシールビア
122 第1のシール配線
123 第2のシールビア
124 第2のシール配線
125 キャップ層
126 キャップ層
127 キャップ層
131 開口部
132 開口部
133 薄膜化部分
136 キャップ層
142 サイドウォールスペーサ
145 溝
150 第2のパッシベーション膜
161 開口部
201 ウェハ

Claims (14)

  1. 基板上に形成された層間絶縁膜と、
    前記基板のチップ領域に位置する部分の前記層間絶縁膜中に形成された配線と、
    前記チップ領域の周縁部に位置する部分の前記層間絶縁膜中に形成され且つ前記チップ領域を連続的に取り囲むシールリングと、
    前記配線と前記シールリングとが設けられた前記層間絶縁膜上に形成された第1の保護膜と
    前記第1の保護膜上に形成された第2の保護膜とを備え、
    前記第1の保護膜には前記チップ領域から見て前記シールリングの外側に位置する部分に第1の開口部と、前記シールリング上に位置する部分に第2の開口部とが設けられており、
    前記第1の開口部から露出する前記層間絶縁膜の露出部分に溝が形成されており、
    前記第2の開口部において前記第1の保護膜の端部を覆うように前記シールリングと接続するキャップ層が形成されており、
    前記第1の開口部上及び前記キャップ層上に位置する部分の前記第2の保護膜に第3の開口部が設けられており、
    前記チップ領域側に位置する前記キャップ層の端部は、前記第2の保護膜に覆われていることを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記第1の開口部と前記第2の開口部との間に位置する部分の前記第1の保護膜における前記第1の開口部側の側面に、前記キャップ層と同一の材料からなるサイドウォールスペーサが形成されていることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項2に記載の半導体装置において、
    前記サイドウォールスペーサの下面は前記第1の保護膜の下面よりも下方に位置することを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項2又は3に記載の半導体装置において、
    前記層間絶縁膜の露出部分の表面は前記サイドウォールスペーサの下面よりも下方に位置することを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記配線上に位置する部分の前記第1の保護膜にパッド用開口部が設けられており、当該パッド用開口部に前記配線と接続するパッドが形成されていることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記配線上に位置する部分の前記第1の保護膜に最上層配線用開口部が設けられており、当該最上層配線用開口部に前記配線と接続する最上層配線が形成されていることを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記第1の開口部から見て前記チップ領域の反対側に位置する部分の前記第1の保護膜の端部と、前記第3の開口部から見て前記チップ領域の反対側に位置する部分の前記第2の保護膜の端部とは位置ずれしていることを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項に記載の半導体装置において、
    前記第3の開口部から見て前記チップ領域の反対側に位置する部分の前記第2の保護膜の端部は、前記第1の開口部から見て前記チップ領域の反対側に位置する部分の前記第1の保護膜の上側に位置することを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項に記載の半導体装置において、
    前記第1の開口部から見て前記チップ領域の反対側に位置する部分の前記第1の保護膜の端部は、前記第3の開口部から見て前記チップ領域の反対側に位置する部分の前記第2の保護膜の下側に位置することを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記第1の保護膜の厚さは150nm以上であることを特徴とする半導体装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記キャップ層は、アルミニウムであることを特徴とする半導体装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記シールリングは、シール配線とシールビアとから構成されており、前記シール配線の一つの底面には、複数の前記シールビアが接続されていることを特徴とする半導体装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記第1の保護膜はシリコン窒化膜を含むことを特徴とする半導体装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記チップ領域から見て前記シールリングの外側に位置する部分の前記層間絶縁膜に形成された配線を備えたことを特徴とする半導体装置。
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