JP5725986B2 - 液体洗浄剤組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、液体洗浄剤組成物に関する。更には家庭での繊維製品用、特には衣料用の液体洗浄剤組成物に関する。
近年、家庭における洗濯環境に大きな変化が起こっている。まず、「洗濯機の変化」という点では、生活者の節約志向と環境意識の高まりを反映し、ドラム式洗濯機に代表される節水・省電力化型へシフトしている。節水型故に、大容量化にも関わらず使用水が少なく設定されているため、衣料重量に対する水量の比(浴比)は低下している。この様な衣料を詰め込んだ状態での洗濯では、高濃度の汚れが分散しきれず、洗浄力が十分に発揮されない。
また、「洗剤形態の変化」という点では、液体洗剤市場の伸長が著しい。しかしながら、液体洗剤は、原液のpHを高めることなく、洗濯時の水希釈後に緩衝能を有する弱アルカリの洗濯液を得ることが難しい。従って緩衝能を有するアルカリ性洗濯液を達成することが容易な粉末洗剤に比べて、菌に対する静菌作用や殺菌作用を向上させた製品が得られ難い。菌体に対する作用が低下すると、菌の代謝によるニオイ発生が助長される。
次に、「洗濯スタイルの変化」という点では、悪天候に限らず洗濯物を屋内で干す「夜洗濯・室内干し」の割合が増加している。これは、単身及び共働き世帯の増加といったライフスタイルの変化や、安価な夜間電力を有効に利用するオール電化住宅の普及、花粉等の大気環境の悪化による住宅環境の変化などがその要因である。室内干しは、日光照射によって得られる紫外線や熱による殺菌効果が失われるばかりか、乾燥に時間がかかることで衣類から不快な臭いが発生し易くなる。
これら洗濯環境の変化に伴って、近年、衣類の除菌・消臭を目的に、漂白剤を使用する人が増加している。漂白剤としては、粉末漂白剤と液体漂白剤があり、漂白基材としては過酸化水素や過炭酸ナトリウムなどの過酸化水素放出体を用いる酸素系漂白剤と、次亜塩素酸塩系の塩素系漂白剤がある。液体酸素系漂白剤は部分汚れに直接塗布する方法で使用でき、漂白基材である過酸化水素は、色柄物衣料にも使用できることから普及してきたが、衣類のニオイ消しとして使われることで更に市場が拡大している。
しかしながら、酸素液体漂白剤は、過酸化水素の安定化のために溶液のpHが酸性であることが求められることから、一般的な弱アルカリ性の液体洗浄剤とは別の容器に入れられ、洗濯時に液体洗剤と同時に投入する方法がとられている。この様な背景のもと、液体洗剤の洗浄力を下げることなく、過酸化水素を液体洗剤中に安定配合する技術の開発が重要となっている。
これまでに、フェノール誘導体を用いて、中性からアルカリ領域(pH5〜11)で過酸化水素を安定化させた液体漂白剤組成物が開示されている(特許文献1)。しかしながらpHが高くなると、どうしても過酸化水素の分解速度が速くなり、また洗浄剤成分と反応することもあって、液体洗浄剤の着色したり、ガスが発生し容器を膨張させたりする問題があり、安定性を保つことが難しくなる。そのため液体洗浄剤原液のpHは酸性であるが、使用時の水希釈の際にアルカリ側にジャンプする技術が開発されている。特許文献2には、非イオン界面活性化剤(45〜80質量%)含有系において、ホウ素化合物とポリオール化合物を配合することで、漂白活性化剤と過酸化水素を安定化させた洗浄剤組成物が開示されている。また特許文献3には、特定の非イオン界面活性剤(40〜70質量%)とアニオン界面活性剤及び飽和脂肪酸とを含有した過酸化水素配合液体漂白洗剤組成物が開示されている。
特開平10−310792号公報 特開2007−177145号公報 特開2010−229405号公報
しかしながら、界面活性剤濃度の高い液体洗剤に過酸化水素を配合する場合、界面活性剤量に依存して過酸化水素の分解が促進したり、配合する安定化剤の種類に起因して溶液の黄変などが経時で進行し、商品価値を損ねるという問題があった。特に、使用後に、計量キャップを水道水で洗浄することで液体洗浄剤に重金属イオンが混入するような場合や、露光などの過酷な条件下に置かれた場合は、上記の問題が加速し易く、これまでは十分な検討が為されていなかった。
特許文献1に使用する種々のフェノール誘導体の中には、ヒドロキノンの様に界面活性剤濃縮配合にてそれらを配合することで液の着色化が起こるという問題があった。また、特許文献2では使用時の際にpHをアルカリ側にシフトさせる目的から多量のホウ素化合物やポリオール化合物を配合する必要があり、洗浄性に直接的に関係しない成分が増えるため、他の洗浄成分の配合を制限してしまうだけでなく、非イオン界面活性剤に加えて非イオン性のポリオール化合物を多量に配合した場合に、例えば保存時に周囲温度が上昇すると、非イオン界面活性剤が不溶化し易くなり、高温での安定性が損なわれる傾向があることがわかった。また、特許文献3では、低温(5℃)での液性を確保するために実質上モノエタノールアミンを配合する必要があり、これによって過酸化水素の分解が生じるという問題があった。また過酸化水素の分解が低い場合であっても、ガスを生じることがあり容器への影響が懸念される。
従って、本発明の課題は、金属の混入や露光などの過酷な条件下においても過酸化水素を安定に配合でき、その結果、過酸化水素分解を抑制すると共に、ガスの発生も抑制し、長期保存後も液の黄変化や分離など、品質劣化を起こさない、過酸化水素と高濃度の界面活性剤を含有する液体洗浄剤組成物を提供することである。
本発明は、
(A)過酸化水素〔以下、(A)成分という〕 0.1〜10質量%、
(B)炭素数8〜22の鎖式炭化水素基とポリオキシアルキレン鎖とを有し、該ポリオキシアルキレン鎖が平均付加モル数10以上のエチレンオキシ基を含む、非イオン界面活性剤〔以下、(B)成分という〕 30〜70質量%、
(C)有機ポリホスホン酸又はその塩〔以下、(C)成分という〕を酸型に換算して 0.01〜0.5質量%、
(D)下記から選ばれる1種以上のヒドロキシフェニル化合物〔以下、(D)成分という〕 0.001〜0.5質量%、
Figure 0005725986
(E)(E1)炭素数8〜22の脂肪酸又はその塩及び(E2)不飽和カルボン酸単量体由来の構成単位を有する高分子重合体又はその塩から選ばれる1種以上のカルボン酸系化合物〔以下、(E)成分という〕を酸型に換算して0.5質量%以上10質量%未満、及び、
水を含有し、
JIS K3362:2008の8.3項に記載の20℃におけるpHが3.0〜6.0である、
液体洗浄剤組成物に関する。
本発明によれば、過酸化水素と高濃度の界面活性剤とを含有し、過酸化水素が高いレベルで安定化され、ガスの発生によるボトル容器の変形を防ぐと共に、長期保存後において液の黄変化や香料劣化などの品質劣化を起こさない液体洗浄剤組成物が提供される。
実施例、比較例で用いたガラス容器の概略図である。
[(A)成分]
本発明の液体洗浄剤組成物は、(A)成分として過酸化水素を含有する。過酸化水素の含有量は、本発明の液体洗浄剤組成物中、0.1〜10質量%であり、好ましくは0.3〜8質量%、より好ましくは0.5〜6質量%である。0.1質量%以上では、酸化力に基づく消臭効果が得られる。一方、6質量%以下では、優れた過酸化水素安定性が得られ、例えば、得られる液体洗浄剤組成物を容器等に入れて保存した時に、分解により発生するガスによって、容器が膨張するのを抑制でき、保存安定性が極めて良好となる。
[(B)成分]
本発明の液体洗浄剤組成物は、(B)成分として炭素数8〜22の鎖式炭化水素基とポリオキシアルキレン鎖を有し、該ポリオキシアルキレン鎖を構成しているアルキレンオキシ基の中にエチレンオキシ基を平均10モル以上有する非イオン界面活性剤を含有する。
(B)成分は、ポリオキシエチレン鎖を含むポリオキシアルキレン鎖を有することで、過酸化水素の安定性が向上する。過酸化水素が重金属や光などによって生成するラジカルは、(D)成分の化合物によって捕捉される。(D)成分に捕捉されたラジカルは、(B)成分のポリオキシアルキレン鎖に吸収され、それにより(D)成分が再生するものと思われる。(B)成分の非イオン界面活性剤は、親水性の目的のみならず、ラジカルを吸収するためには、ポリオキシエチレン鎖の部位が必要であり、エチレンオキシ基の平均付加モル数は、10モル以上、好ましくは12以上、より好ましくは14以上、より好ましくは16以上である。また、(B)成分の非イオン界面活性剤は、ポリオキシアルキレン鎖におけるアルキレンオキシ基の平均付加モル数、すなわちエチレンオキシ基と他のアルキレンオキシ基の平均付加モル数の合計が、50以下、更に30以下、より更に25以下であることが好ましく、また11以上、更に13以上、より更に16以上であることが好ましい。(B)成分は、ポリオキシアルキレン鎖を構成しているアルキレンオキシ基中、エチレンオキシ基と他のアルキレンオキシ基とのモル比が、エチレンオキシ基/他のアルキレンオキシ基=10〜50、更に12〜30であることが好ましい。なお、他のアルキレンオキシ基としては、プロピレンオキシ基、ブチレンオキシ基等が挙げられ、プロピレンオキシ基が好ましい。
(B)成分は、ポリオキシアルキレン鎖の一方の末端に炭素数8〜22の鎖式炭化水素基が結合した構造を有するものが好ましく、この場合、ポリオキシアルキレン鎖の他方の末端に、ヒドロキシエチルエーテル基(−OC24OH)が結合した構造を有するものが、(D)成分に捕捉されたラジカルを吸収する上でより好ましい。
(B)成分は、下記一般式(I)で表される非イオン界面活性剤が好ましい。
1b(CO)lO−[(C24O)m/(AO)n]R2b (I)
〔式中、R1bは炭素数8〜22のアルキル基又はアルケニル基である。R2bは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。lは0又は1の数であって、AOは炭素数3〜5のアルキレンオキシ基である。m、nは平均付加モル数であって、mは10以上の数であり、nは0〜5の数である。m+nは50以下の数である。“/”はC24O基及びAO基が、ランダム又はブロックのいずれに結合したものであってもよいことを示す。〕
本発明の液体洗浄剤組成物は、(B)成分として一般式(I)の非イオン界面活性剤を含有することにより、水への溶解性に優れ、高い洗浄力が得られやすくなる。加えて、高濃度の界面活性剤を含有しても粘度が著しく増大(ゲル化)せずに液性が良好で、流動性も良好な界面活性剤濃度の高い濃縮型の液体洗浄剤組成物が得られる。
一般式(I)において、R1bは、炭素数が好ましくは9〜18、より好ましくは11〜14であり、アルキル基、更に直鎖アルキル基が好ましい。また、R1bは、lが1の場合はCOのカルボニル炭素原子と結合するR1bの炭素原子が、lが0の場合は酸素原子と結合するR1bの炭素原子が、第1炭素原子又は第2炭素原子であるアルキル基、更に直鎖アルキル基であることが好ましい。より詳細には、R1bは、炭素数が11〜14であり且つ直鎖アルキル基であって前記規定の炭素原子が第1炭素原子であるアルキル基が好ましい。
一般式(I)中、mはエチレンオキシ基の平均付加モル数であり、10以上、好ましくは12以上、より好ましくは14以上、より好ましくは16以上の数である。また、一般式(I)中のAOは、炭素数3〜5のアルキレンオキシドを付加反応させることによって得られるものであり、付加反応により結合した部分はメチル分岐、エチル分岐又はプロピル分岐した構造を有するものが好ましい。更にはAO基は炭素数3のアルキレンオキシ基及び/又は炭素数4のアルキレンオキシ基が好ましく、具体的にはトリメチレンオキシ基、オキシプロパン−1,2−ジイル基、オキシブタン−1,2−ジイル基、オキシブタン−1,3−ジイル基、オキシブタン−2,3−ジイル基、オキシテトラメチレン基を挙げることができる。特にはAO基は、オキシプロパン−1,2−ジイル基(以下、本発明ではオキシプロパン−1,2−ジイル基をプロピレンオキシ基又はPO基とする場合もある。)が好ましい。nの好ましい数値は、0〜4であり、更には0.5〜3であり、更には1〜2である。R2bは、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基、更には水素原子、メチル基又はエチル基が好ましく、更には水素原子又はメチル基が好ましい。
一般式(I)で示される非イオン界面活性剤としては、(B1)下記一般式(I−1)で示されるポリオキシアルキレンアルキルエーテル(脂肪酸エステル)型非イオン界面活性剤〔以下、(B1)成分という〕及び(B2)下記一般式(I−2)で示されるポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル型非イオン界面活性剤〔以下、(B2)成分という〕から選ばれる非イオン界面活性剤が好ましい。
1b(CO)O−[(C24O)m/(AO)n]R2b (I−1)
〔式中、R1b、n及びAOは、前記一般式(I)の要件と同じであり、好ましい範囲及び好ましい構造も前記と同じである。mは5〜30、更には8〜25、更には10〜20が好ましい。R1bは水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、好ましくは水素原子又はメチル基である。“/”も前記と同じ定義である。〕
1b−O[(C24O)m/(AO)n]H (I−2)
〔式中、R1b、m、n及びAOは、前記一般式(I)の要件と同じであり、好ましい範囲及び好ましい構造も同じである。“/”も前記と同じ定義である。〕
更に、一般式(I−1)で表される非イオン界面活性剤としては、下記一般式(I−11)、(I−12)又は(I−13)で表される非イオン界面活性剤が好ましく、これらの中では、液体の保存安定性の観点から、一般式(I−12)で表される非イオン界面活性剤が好ましい。
1b(CO)O−(PO)n−(C24O)m−CH3 (I−11)
1b(CO)O−(C24O)m−(PO)n−CH3 (I−12)
1b(CO)O−(C24O)m−CH3 (I−13)
〔式中、R1b、m、及びnは、前記一般式(I−1)の要件と同じであり、好ましい範囲及び好ましい構造も前記と同じである。POはプロピレンオキシ基である。〕
また、一般式(I−2)で表される非イオン界面活性剤としては、下記一般式(I−21)〜(I−26)で表される非イオン界面活性剤が挙げられる。
R1bO-(AO)n-(C2H4O)mH (I-21)
R1bO-(C2H4O)m-(AO)nH (I-22)
R1bO-[(C2H4O)m1・(AO)n]-(C2H4O)m2H (I-23)
R1bO-(C2H4O)m1-[(AO)n・(C2H4O)m2]H (I-24)
R1bO-(C2H4O)m1-(AO)n-(C2H4O)m2H (I-25)
R1bO-(C2H4O)m1-[(AO)n・(C2H4O)m3]-(C2H4O)m2H (I-26)
〔式中、R1b、m、n、AOは、前記一般式(I−2)の要件と同じであり、好ましい範囲及び好ましい構造も前記と同じである。m1、m2、m3は平均付加モル数であり、それぞれ、0ではない数であって、m=m1+m2又はm=m1+m2+m3である。“・”はランダム結合であることを示す。〕
一般式(I−21)〜(I−26)で示される非イオン界面活性剤は、R1bOHに対するアルキレンオキシドの反応割合及び反応順序を考慮することで調製することができる。一般式(I−21)〜(I−26)において、各アルキレンオキシ基の平均付加モル数は、反応時のR1aOHに対して用いた各アルキレンオキシドのモル数であってもよく、或いは得られた化合物のアルキレンオキシ基の平均付加モル数のいずれの場合であってもよい。なお、m1及びm2は独立して1〜20が好ましく、更には、m1は3〜20及びm2は1〜15がより好ましく、特にはm1は4〜15、m2は3〜15が好ましい。またm3は0.1〜10が好ましい。m1、m2及びm3の範囲は、mやnの各範囲条件ないし好適な各範囲条件に従属するものとする。
一般式(I−2)中のR1bは前記したように天然油脂由来のアルコールのものを用いることができる。保存安定性の点から、前記一般式(I−22)、(I−24)、(I−25)又は(I−26)の非イオン界面活性剤が好ましく、このなかでも一般式(I−25)又は(I−26)の非イオン界面活性剤がより好ましく、一般式(I−25)の非イオン界面活性剤が最も好ましい。
一般式(I−25)の非イオン界面活性剤は、m1が3〜14、好ましくは8〜12、m2が3〜14、好ましくは8〜12、nが1〜3であり、m1+m2が14以上、好ましくは22以下であるものが好ましい。一般式(I−25)中、m1+m2+nは15以上、25以下であることが好ましい。
本発明の(B2)成分は、例えば、R1bOHに対して、一般式(I−21)〜(I−26)の構造に従って炭素数3〜5のアルキレンオキシドとエチレンオキシドとを反応させることで得られる。目的とする構造から、配合順序や条件を検討し、ブロックないしランダムに付加反応させてもよい。また、R1bOH、1モル当りに対する炭素数3〜5のアルキレンオキシドとエチレンオキシドの反応割合は、前記一般式(I)のm及びnの範囲の条件や前記記載の好ましい範囲をもってくることができる。
一般的に、前記R1bOHの1モルに付加反応させた各々のエチレンオキシドやプロピレンオキシドの割合と、前記各々の一般式で示されるアルキレンオキシ基の平均付加モル数は実質的に同一になるが、製法によっては、本発明では異なっていてもよい。
本発明の(B2)成分として最も好ましい非イオン界面活性剤は、一般式(I−25)又は(I−26)の構造であり、特には一般式(I−25)の構造である。更に、一般式(I−25)において、m1/(m1+m2)は0.2〜0.8が好ましい。
前記m1、m2、m3及びnの範囲を更に絞り込んだ最適な製造条件として、下記、工程A〜工程Dを有する製造方法が挙げられる。
工程A:R1bOH1モル当りに対して、エチレンオキシドを4モル〜14モル、好ましくは8〜12モル(数値範囲は前記、式中のm1として規定されてもよい)の割合で付加反応させる。
工程B:次にプロピレンオキシドを1〜3モル、好ましくは2〜3モル(数値範囲は前記式中のmとして規定されてもよい)及びエチレンオキシドを0〜4モル(数値範囲は前記式中のm3として規定されてもよい)をランダムないしブロック付加反応させる。特に好ましくはプロピレンオキシドだけを2〜3モル(数値範囲は前記式中のnとして規定されてもよい)付加反応させる。
工程C:その後再びエチレンオキシドを4〜14モル、好ましくは8〜12モル(数値範囲は前記式中のm2として規定されてもよい)付加反応させる。
工程D:反応に用いた触媒のための処理を行う。例えばアルカリ触媒を用いた場合は酸で中和するか、固体触媒の場合は、ろ過などを行う。
(B2)成分についてのm及びn等は、NMRや液体クロマトグラフ分析により求めることができる。
(B2)成分は、[(C24O)m/(AO)n]のうち、R1bOと結合する末端の他方の末端が、エチレンオキシ基であること、すなわち、−C24OHなる末端を有するものが好ましい。(B2)成分の構造において、−C24OHを含んで構成されるヒドロキシエチルエーテル基末端は、(D)成分が捕捉したラジカルを解放しやすく、(D)成分を再生させることが考えられ、界面活性剤を高濃度で含有する本発明の液体洗浄剤組成物の安定化効果に有効に働くものと思われる。ラジカルを受け取った(B2)成分の末端は、炭酸ガスになることが推測される。従ってエチレンオキシ基の付加モル数が少ない非イオン界面活性剤の場合は、疎水性が強くなるため、安定性に影響する可能性がある。末端の確認はNMR法による分析によって検討することができる。このような理由もあって、前記一般式(I−21)、(I−23)、(I−25)及び(I−26)の非イオン界面活性剤が最も好ましい。
本発明では(B)成分として(B2)成分を含有することが好ましく、(B)成分に占める(B2)成分の割合が、80〜100質量%、更には90〜100質量%であることが好ましい。
(B)成分は、1種または2種以上を混合して用いることができる。(B1)成分と(B2)成分を併用する場合は、(B1)成分と(B2)成分で規定されるm及びnの数字は異なっていてもよい。
(B)成分は、ポリオキシアルキレン鎖の一方の末端に炭素数8〜22の鎖式炭化水素基が、他方の末端にヒドロキシエチルエーテル基(−OC24OH)が結合した構造を有するもの、なかでも、一般式(I−21)、(I−23)、、(I−25)、及び(I−26)で表される非イオン界面活性剤、更にR1b−O−に結合する基が炭素数3〜5のアルキレンオキシ基の場合よりも、エチレンオキシ基の方が液体安定性の観点から好ましく、一般式(I−25)又は(I−26)、更には製造の観点から一般式(I−25)で表される非イオン界面活性剤が好ましい。またAO基はプロピレンオキシ基(PO基)が好ましい。このような構造を有する非イオン界面活性剤を用いることで、溶液の黄変化も抑制することができ、商品価値を損ねることもない。加えて、良好な洗浄力が得られため、濃縮型の液体洗浄剤組成物としての商品価値は高くなる。
(B)成分の含有量は、本発明の液体洗浄組成物中、30〜70質量%であり、好ましくは40〜65質量%である。(B)成分の含有量が組成物中30質量%以上、好ましくは40質量%以上であると、後述する(D)ヒドロキシフェニル化合物のラジカル捕捉能の失活反応を抑制し優れた安定性を実現できる。一方、(B)成分の含有量が70質量%以下、好ましくは65質量%以下であると、経時に伴う液表面での液体洗浄剤組成物のゲル化等が起きにくくなって、液表面において皮膜が形成されにくくなり、均一溶液を保持できる。
[(C)成分]
本発明に係る液体洗浄剤組成物は、過酸化水素の安定化のために、(C)成分として有機ポリホスホン酸又はその塩を含有する。(C)成分は、ホスホン酸基を2〜5個有する分子量が500以下の化合物が好ましい。具体例としては、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、ヒドロキシエタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、ヒドロキシメタンホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ニトリロトリ(メチレンホスホン酸)、2−ヒドロキシエチルイミノジ(メチレンホスホン酸)、ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)等の有機ホスホン酸誘導体やその塩を挙げることができる。これらの中でも1−ヒドロキシエタン−1,1−ジホスホン酸やその塩が、原料自身及び過酸化水素の安定性の点から好ましい。塩はアルカリ金属塩が好ましい。
本発明に係る液体洗浄剤組成物中の(C)成分の含有量は、酸型に換算して0.01〜0.5質量%であり、好ましくは0.03〜0.3質量%、更に好ましくは0.05〜0.2質量%である。(C)成分の含有量を組成物中0.5質量%以下とする理由は、(C)成分増量に基づく界面活性剤の塩析作用により液体組成物が白濁し易くなるのを防ぐためである。
[(D)成分]
本発明に係る液体洗浄剤組成物は、(D)成分として、下記構造を有するヒドロキシフェニル化合物を含有する。
Figure 0005725986
本発明では、長期保存後における、過酸化水素分解に伴うガス発生の抑制効果、並びに液の黄変化防止の点から、(D)成分として特定構造を有するヒドロキシフェニル化合物を含有する。(D)成分はラジカル捕捉剤として知られている多数の化合物のうちから選ばれる化合物であり、他のラジカル捕捉剤では効果は不十分である。
(D)成分としては、過酸化水素の安定化、黄変し難さ、香料安定化効果の点から、一般式(II−1)の化合物である、ジ−t−ブチル−ヒドロキシトルエンが好ましい。
本発明に係る液体洗浄洗浄剤組成物中の(D)成分の含有量は0.001〜0.5質量%であり、好ましくは0.01〜0.3質量%、より好ましくは0.02〜0.1質量%である。
本発明に係る液体洗浄剤組成物において、(A)成分と(D)成分の質量比(D)/(A)は、ガスの発生が少なく、(A)成分の安定性の観点から、0.002〜1が好ましく、より好ましくは0.005〜0.35、更に好ましくは0.01〜0.2である。
[(E)成分]
本発明の液体洗浄剤組成物は、(E)成分として、炭素数8〜22の脂肪酸又はその塩[以下、(E1)成分という]及び不飽和カルボン酸単量体由来の構成単位を有する高分子重合体又はその塩[以下、(E2)成分という]から選ばれる1種以上のカルボン酸系化合物を含有する。(E)成分は、液体洗浄剤組成物のpHを所定範囲、例えば3.0〜6.0、更には4〜5付近に保つpHの変動を抑制する剤として含有される。更に(E)成分は、20℃での1質量%水溶液のpHが6.0以下になるものが好ましく使用される。該1質量%水溶液のpHが6.0以下であれば、組成物全体のpHが適度に抑えられ、過酸化水素の安定性への影響も少ないため好ましい。
一般に緩衝能を持つ化合物としてクエン酸、コハク酸等のカルボン酸化合物が知られているが、該化合物は過酸化水素により分解されやすく、逆に過酸化水素の安定性を低下させる原因にもなる。よって、本発明では、カルボキシ基を2〜5個有する分子量500以下の有機ポリカルボン酸の含有量は、液体洗浄剤組成物中、0.5質量%以下、更には0.1質量%以下であることが好ましい。本発明では、(E)成分である所定炭素数の脂肪酸及び/又は不飽和カルボン酸単量体由来の構成単位を有する高分子重合体又はその塩を用いることで、安定性に優れた液体洗浄剤組成物が得られる。
(E1)成分は炭素数8〜22の脂肪酸又はその塩であり、炭素数8〜18の脂肪酸又はその塩が好ましい。(E1)成分の塩は、アルカリ金属塩が好ましい。具体的には、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸又はそれらの塩が挙げられる。更に炭素数10〜18の飽和又は不飽和の直鎖の脂肪酸又はその塩が好ましく、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸又はそれらの塩、なかでもアルカリ金属塩が好ましい。これらの中で、20℃での1質量%水溶液のpHが6.0以下になるものが好ましい。
(E2)成分は、不飽和カルボン酸単量体由来の構成単位を有する高分子重合体又はその塩である。(E2)成分において、高分子化重合体のカルボキシ基は塩となっていてもよい。(E2)成分としては、ポリアクリル酸、アクリル酸−マレイン酸共重合体、アクリル酸又はマレイン酸と炭素数2〜5のオレフィンとの共重合体及びそれらの塩を挙げることができる。
また、(E2)成分としては、液体安定性の観点から、不飽和カルボン酸単量体由来の構成単位と、ポリオキシエチレン鎖を有する構成単位とを有するカルボン酸系高分子重合体が挙げられる。具体的には、(i)炭素数2〜5のエポキシド単量体由来の構成単位を含んで構成されるポリエーテル鎖部分〔以下、(i)鎖部分という〕と、(ii)アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸から選ばれる一種以上の不飽和カルボン酸単量体由来の構成単位を含んで構成されるポリマー鎖部分〔以下、(ii)鎖部分という〕とを有し、(i)又は(ii)はいずれかが幹鎖となり、他方が枝鎖となったグラフト構造を有する高分子重合体又はそれらの塩が好ましい。この場合、炭素数2〜5のエポキシド、特にはエチレンオキシド単量体由来の構成単位の平均重合度は10〜100、更に15〜80が好ましい。
(i)鎖部分は、炭素数2〜5のエポキシド、好ましくはエチレンオキシド、プロピレンオキシド、グリシジルエーテル(例えば、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル)などのエポキシ基を有する一種以上のエポキシド由来の構成単位を含んで構成されるポリエーテル鎖である。(i)鎖部分の平均重合度は、保存安定性の観点から、(i)鎖部分が幹鎖になる場合は、枝鎖との結合部分の構成単位を含んだ上で、好ましくは10〜100、更に好ましくは15〜80であり、(i)鎖部分が枝鎖になる場合は、枝鎖当り好ましくは10〜100、更に好ましくは15〜80である。また(i)鎖部分の末端は水酸基でもよく、メチル基、フェニル基又はベンジル基でキャップされていてもよい。
(i)鎖部分は、安定性の観点より、最も好ましくはポリオキシアルキレン鎖であり、更にはエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド、特にはエチレンオキシド由来の構成単位より構成されるポリオキシアルキレン鎖を基礎とする。この場合、アルキレンオキシドの平均付加モル数は、(i)鎖部分が幹鎖になる場合は、枝鎖との結合部分の構成単位を含んだ上で、好ましくは10〜100、更に好ましくは15〜80、特に好ましくは19〜30であり、(i)鎖部分が枝鎖になる場合は、枝鎖当り好ましくは10〜100、更に好ましくは15〜80、特に好ましくは19〜30である。平均付加モル数が10モル以上であれば常温以上の安定性が良好となり、100モル以下であれば低温安定性が良好となる。ポリオキシアルキレン鎖中のエチレンオキシ基の構成単位の割合は付加量から換算して平均80〜100モル%、好ましくは平均90〜100モル%であることが好ましい。
(ii)鎖部分は、アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸から選ばれる一種以上の不飽和カルボン酸単量体由来の構成単位を含んで構成される。なおマレイン酸単量体由来の構成単位は無水マレイン酸経由で合成されるものを含む。(ii)鎖部分は、前記不飽和カルボン酸単量体以外のモノエチレン性不飽和単量体由来の構成単位を含むことができる。その他の構成単位は、非イオン性又はアニオン性の単量体由来の構成単位が好ましい。例えば前記以外の不飽和カルボン酸由来の構成単位を含んでいてもよい。アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸以外に併用できる不飽和カルボン酸としては、フマル酸、イタコン酸を挙げることができる。また、アリルアルコール等の不飽和アルコール単量体由来の構成単位などを挙げることができる。本発明では特に(ii)鎖部分が幹鎖の場合は、例えば、
・不飽和アルコール単量体や不飽和カルボン酸単量体などのエチレン性不飽和単量体に炭素数2〜5のエポキシドが付加した単量体、或いは
・不飽和アルコール単量体や不飽和カルボン酸単量体などのエチレン性不飽和単量体に構成単位が炭素数2〜5のオキシアルキレンであるポリアルキレングリコールが結合した単量体、
を、(i)鎖部分が結合した単量体として用いて(E2)成分を製造してもよい。以下、(i)鎖部分が結合した単量体をマクロモノマーという場合がある。
(ii)鎖部分において、アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸から選ばれる一種以上の不飽和カルボン酸単量体由来の構成単位が占める割合は、(ii)鎖部分が枝鎖である場合、枝鎖を占める全構成単位中、好ましくは80〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%であり、最も好ましくは実質的に前記不飽和カルボン酸単量体由来の構成単位から構成されていることである。また(ii)鎖部分が幹鎖である場合は、アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸から選ばれる一種以上の不飽和カルボン酸単量体由来の構成単位が占める割合は、枝鎖との結合部分を除いた幹鎖を占める全構成単位中、好ましくは80〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%であり、最も好ましくは実質的に前記不飽和カルボン酸単量体由来の構成単位から構成されていることである。
(i)鎖を幹鎖とし、(ii)鎖を枝鎖とする場合、(i)鎖に付加した(ii)鎖の不飽和カルボン酸単量体の重合度は、好ましくは合計で1〜50、より好ましくは2〜20、更に好ましくは2〜10の構造又は構造単位であってもよい。また(i)の幹鎖に付加した不飽和カルボン酸単量体由来の構成単位は、枝鎖あたり1〜5であってもよい。
一方、(i)を幹鎖とする高分子重合体としては、特開平10−60476号公報の高分子重合体を用いることができる。
また(ii)鎖を幹鎖とする高分子重合体については、WO2010/137635号に記載のものを用いることができる。
高分子重合体を構成している(ii)鎖の割合は、不飽和カルボン酸として、10〜80質量%を占めることが好ましく、更には15〜50質量%を占めることがより好ましい。本発明では、(i)を幹鎖、(ii)を枝鎖とである高分子重合体が好ましい。
本発明に用いられる(E2)成分は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で、カラムに東ソー(株)製G4000PWXL+G2500PWXL(2本連結)、検出器に示差屈折率計を使用し、溶離液を0.2Mリン酸緩衝液/アセトニトリル=9/1(容量比)、標品をポリエチレングリコールとした条件で測定した場合の重量平均分子量が1000〜20万のものが好ましく、1500〜10万のものがより好ましい。なお、(E2)成分は、前記高分子重合体の塩であってもよく、塩は、アルカリ金属塩が好ましい。
本発明は(E)成分として(E1)成分を含有することが好ましい。更には(E1)成分として、ドデカン酸又はその塩が含まれていることが好ましい。(E1)成分として、ドデカン酸等の(E1)成分を含有する混合脂肪酸又はその塩を使用することができる。(E1)成分の組成物中の含有量は、0.5〜5質量%、更に1〜3質量%であることが好ましい。
本発明に係る液体洗浄剤組成物中の(E)成分の含有量は、酸型に換算して、0.5質量%以上、10質量%未満であり、好ましくは1〜8質量%、より好ましくは1.5〜6質量%である。
[水]
本発明の液体洗浄剤組成物は、残部として水を含有する。水の含有量は、安定性、溶解性向上の点で、本発明の液体洗浄剤組成物中、5〜60質量%が好ましく、10〜50質量%がより好ましい。水はイオン交換水などの組成に影響しないものを用いることが好ましい。
<その他の成分>
[(F)成分]
本発明の液体洗浄剤組成物は、(B)成分及び(E2)成分の脂肪酸塩以外の界面活性剤〔以下、(F)成分という〕を本発明の効果を損なわない範囲で含有することができる。(F)成分としては、下記の(F1)〜(F4)が挙げられる。陰イオン界面活性剤の塩はアルカリ金属塩であることが好ましい。
(F1)陰イオン界面活性剤
例えば、下記(f1−1)〜(f1−4)の陰イオン界面活性剤を挙げることができる。
(f1−1)炭素数8〜22、好ましくは炭素数10〜14の直鎖のアルキル基を有する、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、好ましくはアルカリ金属塩
(f1−2)炭素数8〜22、好ましくは炭素数10〜18の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を有し、エチレンオキシ基を平均0〜5モル有し、平均2モルまでプロピレンオキシ基を有してもよい、[ポリオキシエチレン(ポリオキシプロピレン)]アルキルエーテル硫酸エステル塩又はアルキルエーテル硫酸エステル塩。アルキル基は直鎖1級アルコール由来のものが好ましい。
(f1−3)炭素数8〜22のアルカンスルホン酸塩
(f1−4)α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩
(F2)(B)成分に該当しない非イオン界面活性剤。
例えば、下記(f2−1)〜(f2−3)が挙げられる。
(f2−1)次の一般式で表されるアルキルグリコシド型非イオン界面活性剤。 R1g−(OR2gxy
〔式中、R1gは直鎖又は分岐鎖の炭素数8〜18のアルキル基又はアルケニル基、R2gは炭素数2〜4のアルキレン基、Gは炭素数5又は6の還元糖に由来する残基、xは平均値0〜6の数、yは平均値1〜10の数を示す。〕
(f2−2)脂肪酸アルカノールアミド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド。
(f2−3)アルキル基の炭素数が8〜22、好ましくは炭素数10〜14の直鎖のアルキル基であって、エチレンオキシ基の平均付加モル数が2以上であって10未満、更には3〜9モルであるポリオキシアルキレンアルキルエーテル。この場合、アルキル基は直鎖の2級アルコール由来のものが好ましい。すなわち酸素原子と結合するアルキル基の炭素原子は第2炭素原子であることが好ましい。またアルキレンオキシ基は全てエチレンオキシ基であることが好ましい。
(F3)陽イオン界面活性剤。
例えば、長鎖アルキル基を有する1級〜3級のアミン(但し後述のアルカノールアミンを除く)であって、好ましくは途中にエーテル結合、エステル結合又はアミド結合を有してもよい炭素数8〜22のアルキル基を1つ又は2つ有し、残りが水素原子又は炭素数4以下のヒドロキシ基を有してもよいアルキル基である陽イオン界面活性剤を挙げることができる。本発明では、炭素数8〜22の長鎖アルキル基を1つ有する第4級アンモニウム型界面活性剤、炭素数8〜22の長鎖アルキル基を1つ有する3級アミンが好ましい。
(F4)両性界面活性剤
例えば、炭素数10〜18のアルキル基を有するスルホベタイン又はカルボベタインを挙げることができる。
(F)成分の含有量は、本発明の液体洗浄剤組成物中、好ましくは0.5〜20質量%、より好ましくは0.5〜15質量%である。(F2)成分として(f2−3)の非イオン界面活性剤を用いる場合は(f2−3)成分の液体洗浄剤組成物中の濃度は、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは5〜15質量%であって、更に(B)/(F2)は質量比として、60/40〜95/5が好ましく、70/30〜90/10がより好ましい。なお、(F1)である陰イオン界面活性剤の含有量は、本発明の液体洗浄剤組成物中、5質量%以下、更には3質量%以下、更には1質量%以下であることが好ましい。
[(G)成分]
本発明の液体洗浄剤組成物は、(G)成分として水混和性有機溶剤を含有することが好ましい。本発明でいう水混和性有機溶剤とは、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解するものであり、すなわち、溶解の程度が50g/L以上である溶剤を指す。
(G)成分としては、水酸基及び/又はエーテル基を有する水混和性有機溶剤が好ましい。
水混和性有機溶剤としては、(g1)エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノールなどのアルカノール類、(g2)プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコールなどのグリコール類、(g3)ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコールなどのグリコール類、(g4)ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−メチルグリセリンエーテル、2−メチルグリセリンエーテル、1,3−ジメチルグリセリンエーテル、1−エチルグリセリンエーテル、1,3−ジエチルグリセリンエーテル、トリエチルグリセリンエーテル、1−ペンチルグリセリルエーテル、2−ペンチルグリセリルエーテル、1−オクチルグリセリルエーテル、2−エチルヘキシルグリセリルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのアルキルエーテル類、(g5)2−フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、平均分子量約480のポリエチレングリコールモノフェニルエーテル、フェノキシプロピレングリコール、2−ベンジルオキシエタノール、ジエチレングリコールモノベンジルエーテル等の芳香族エーテル類、が挙げられる。
(G)成分は、組成物の粘度調整剤、ゲル化抑制剤として有効であり、上記の(g1)アルカノール類、(g2)グリコール類、(g4)アルキルエーテル類、(g5)芳香族エーテル類から選ばれる1種以上が好ましく、より好ましくは(g2)グリコール類、(g4)アルキルエーテル類、(g5)芳香族エーテル類から選ばれる1種以上を含有することで、より効果的に組成物の粘度調整、ゲル化抑制することができる。
また、本発明の液体洗浄剤組成物において、過酸化水素を安定化させるために、(g4)アルキルエーテル類及び/又は(g5)芳香族エーテル類が好ましく、中でもジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、またはフェノキシプロピレングリコールが好適である。特に、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及び/又はトリエチレングリコールモノフェニルエーテルがより好適である。
本発明の液体洗浄剤組成物は、(G)成分を、好ましくは1〜40質量%、更に好ましくは2〜40質量%、より好ましくは4〜20質量%、特に好ましくは5〜10質量%含有する。なお(g1)アルコール類のうち、エタノールの含有量は、安定性の点から、組成物中、1質量%以下、特には0.1質量%以下であることが好ましい。
[(H)ハイドロトロープ剤]
本発明の液体洗浄剤組成物には、組成物の安定性のために(H)成分として、ハイドロトロープ剤を配合することが好ましい。本発明のハイドロトロープ剤は、陰イオン性基を有する有機化合物であり、更にはメチル基、エチル基又はプロピル基から選ばれるアルキル基を1〜2つ含み、スルホン酸基又はカルボキシ基を1つ有するアルキルベンゼンカルボン酸又はアルキルベンゼンスルホン酸又はそれらの塩、並びに安息香酸又はその塩を挙げることができる。より具体的にはパラトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、メタキシレンスルホン酸、安息香酸であり、塩はアルカリ金属塩が好ましい。本発明ではパラトルエンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩が好ましく、酸として配合し、組成物中のアルカリ剤で中和してもよい。
(H)成分のハイドロトロープ剤はアルカリ金属塩として配合することが好ましいが、酸型で配合して中和してもよい。本発明の液体洗浄剤組成物は、(H)成分を、酸型化合物に換算したときに、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.5〜4質量%、更に好ましくは1〜3質量%含有する。
[(I)アルカリ剤]
本発明の液体洗浄剤組成物では、過酸化水素の安定性などの点から、(E)成分、(F)成分、陰イオン界面活性剤、ハイドロトロープ剤、キレート剤等を酸型化合物で配合した場合のpHを調整するために、アルカリ剤を使用するのが好ましい。本発明の液体洗浄剤組成物はpH(20℃)が3.0〜6.0であり、このpH範囲では遊離のアルカリ剤は殆ど存在しないと考えられる。なお中和に用いるアルカリ剤としては、アルカリ金属水酸化物を使用することが好ましく、水酸化カリウム及び/又は水酸化ナトリウムがより好ましい。
なお、水混和性有機アミン化合物、なかでもモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミン等の総炭素数6以下のアルカノールアミン化合物は、pH調整中和剤として用いる場合、過酸化水素の安定性の点から、組成物中の含有量が0.5質量%以下、更には0.1質量%以下、更には0.01質量%以下であることが好ましい。水混和性有機アミン化合物はアルカリ剤(pH調整のための中和剤)以外に陰イオン性化合物の塩の形で配合した場合も(I)の量に算入するものとする。
[上記以外の成分]
更に本発明の液体洗浄剤組成物には、次の(i)〜(viii)に示す成分を本発明の効果を損なわない程度で配合することができる。
(i)テトラアセチルエチレンジアミン、特開平6−316700号の一般式(I−2)〜(I−7)で表される漂白活性化剤等の漂白活性化剤、
(ii)セルラーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ等の酵素
(iii)カルシウムイオン源(カルシウムイオン供給化合物)、ビヒドロキシ化合物、蟻酸等の酵素安定化剤
(iv)蛍光染料、例えばチノパールCBS(商品名、チバスペシャリティケミカルズ製)やホワイテックスSA(商品名、住友化学社製)として市販されている蛍光染料
(vi)特表平11−513067号公報に記載されているゲル化防止重合体、特には重量平均分子量が600〜5000、さらには1000〜4000のポリプロピレングリコール又はポリエチレングリコール。なお重量平均分子量は光散乱法を用いて決定することができ、ダイナミック光散乱光度計(DLS−8000シリーズ、大塚電子株式会社製等)により測定することができる。
(vii)オクタン、デカン、ドデカン、トリデカンなどのパラフィン類、デセン、ドデセンなどのオレフィン類、塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタンなどのハロゲン化アルキル類、D−リモネンなどのテルペン類などの水非混和性有機溶剤。
(viii)その他、色素、香料、抗菌防腐剤、シリコーン等の消泡剤
以下に本発明の液体洗浄剤組成物中、前記任意成分を配合する場合の指標としての濃度を示すが、本効果を損なわない程度に適宜調整され、配合に適さない場合は除外される。
(i)の漂白活性化剤の含有量は、保存安定性の観点から0〜0.5質量%が好ましい。(ii)の酵素の含有量は0〜2質量%が好ましい。(iii)の酵素安定化剤の含有量は0〜2質量%が好ましい。(iv)の蛍光染料の含有量は0〜1質量%が好ましい。(vi)のポリアルキレングリコール系ゲル化防止重合体は0〜2%が好ましい。(vii)の水非混和性有機溶剤は0〜2質量%が好ましい。(viii)のその他の成分は例えば公知の濃度で配合することができる。
本発明の液体洗浄剤組成物は、ホウ酸などのホウ素化合物を実質的に含有しないことが望ましい。ここで、ホウ素化合物について「実質的に含有しない」とは、例えば酵素の安定化剤として酵素製剤等から混入するような場合を除くことを指す。組成物中にホウ酸に換算して0.1質量%未満、特には0.01質量%未満であることをいう。なお、ホウ素化合物は、ホウ酸、ホウ砂又はホウ酸塩などであって、具体的には、ホウ酸塩としては、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウム、4ホウ酸ナトリウム、4ホウ酸カリウム、4ホウ酸アンモニウム等が挙げられる。
本発明の液体洗浄剤組成物は、JIS K3362:2008の8.3項に記載の20℃におけるpHが3.0〜6.0であり、更に3.5〜6.0、より更に4.0〜5.5が好ましい。
本発明の液体洗浄物組成物は、その100gをpH7(20℃)にするために必要な1/10N−NaOH水溶液の量が50ml〜150mlであることが好ましい。このような性質は、(E)成分を所定量で配合し、適宜、アルカリ金属水酸化物、特には水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを用いて、液体洗浄剤組成物のpHを上記の所定範囲に調整することにより付与することが好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物の20℃における粘度は、取り扱いの容易さの点で10〜1,000mPa・sが好ましく、50〜600mPa・sがより好ましく、100〜300mPa・sが更に好ましい。(G)成分によりこのような範囲になるように調整することが好ましい。
本発明において粘度はB型粘度計により測定する。ローターは粘度に合ったものを選択する。回転数60r/minで回転し、回転開始から60秒後の粘度を液体洗浄剤組成物の粘度とする。
また本発明の液体洗浄剤組成物は、(B)成分の非イオン界面活性剤が、一般式(I−25)の非イオン界面活性剤及び/又は一般式(I−26)の非イオン界面活性剤であり、そして(G)成分の水混和性有機溶剤を含有することが、更には、これらに加え(f2−3)成分である、炭素数10〜14の直鎖2級アルコールにエチレンオキシドを付加反応させて得られる、エチレンオキシ基の平均付加モル数が3〜9のポリオキシエチレンアルキルエーテルを含有することが、低温水による希釈時に、ゲル化や高粘度化が起こらない組成物となることから好ましい。
具体的にはゲル化の測定は、20倍以下の希釈率で測定すればよく、液体洗浄剤組成物をイオン交換水で0を超え20倍の範囲で希釈値を違えた複数のサンプルの液状性から判断することができる。具体的には、5℃の液体洗浄剤組成物と5℃のイオン交換水とを、下記式で示される濃度範囲となるように、5質量%刻みで混合した計19サンプル全ての粘度が5℃において1500mPa・s以下であることが好ましい。このような性質を得るために、(B)成分として、一般式(I−25)又は(I−26)、特には一般式(I−25)の非イオン界面活性剤を用いることが好ましく、更に該(B)成分に加えて、(F)成分として(f2)成分、特には(f2−3)成分を併用することがより好ましい。
〔(液体洗浄剤組成物の質量)/(液体洗浄剤組成物の質量+イオン交換水の質量〕×100=5〜95質量%
本発明の液体洗浄剤組成物は、容器、例えば計量キャップとボトルとを含んで構成されるプラスチック容器に充填して容器入り液体洗浄剤物品とすることができる。ボトルの材質としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、塩化ビニル(PVC)等のプラスチックを用いることができる。本発明の液体洗浄剤組成物を充填するための容器としては、プラスチック材の成型容器の内圧減少による減圧変形抑制の観点から、液体洗浄剤組成物の収容部を有するプラスチック容器であって、前記収容部が曲げ弾性率(JIS K7171)が2000MPa以上、好ましくは5000MPa以下、より好ましくは3000MPa以下のプラスチックから構成され、且つ肉厚が0.3〜1.5mmであるプラスチック容器が好ましく、通常は、ボトルがこのような曲げ弾性率と肉厚を満たすものが使用される。容器変形の理由としては、本発明の液体洗浄剤組成物は非イオン界面活性剤を高濃度で配合するため、ボトル内の空間に存在する酸素が溶解することが推測される。光の透過は非イオン界面活性剤を含有する液体洗浄剤組成物中への酸素の溶解性を促進することから、本発明では遮光性を有するボトルを用いることが好ましく、特に、本発明の液体洗浄剤組成物の酸素の溶解は光透過率が波長600nm〜700nmの範囲の光による影響が大きいことから、該波長について15%以下であることが好ましい。遮光性を高めるために酸化チタンやカーボンブラックを、容器を構成するプラスチックに添加することができる。
また、詰め替え用の容器に充填した物品として、本発明の液体洗浄剤組成物は、保存安定性の観点から、可撓性の積層樹脂フィルムを貼り合わせて形成した袋に封入されるのが好ましい。
更に、袋本体の上部端縁部の一部に注出流路を有するノズル部を設け、レーザー加工やスコア加工等を施し、手で袋上端縁部を開封することでノズル部吐出口を形成できるものが使い易さの観点から好ましく、袋の形状としては、スタンディングパウチ形式の袋は、取り扱い易く、好ましい形式である。
袋を形成するフィルムとしては、可撓性の単層樹脂フィルムを使用することも可能であるが、積層樹脂フィルムが使用するのが一般的である。積層樹脂フィルムの基材層としては、延伸ナイロンフィルム(ONy)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、延伸ポリプロピレン(OPP)、シーラント層として無延伸ポリプロピレン(CPP)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、バリヤー層としてアルミ蒸着ポリエチレンテレフタレート(VM−PET)、セラミック蒸着ポリエチレンテレフタレート、アルミニウム箔等を例示することができる。
特に、積層樹脂フィルムは3層以上からなる構成とし、中間層と最内層の間に印刷インキ(インキ層)が介在しない構成が好ましい。生産適性や落下強度、開封性や包材コストの面を考慮すると、外層(液体洗浄剤組成物に接する層から最も遠い層)より、PET(好ましくは厚さが9〜25μm)/[インキ層+接着剤層]/ONy(好ましくは厚さが15〜25μm)/接着剤層/LLDPE(好ましくは厚さが60〜200μm)の積層フィルムが最も好ましい。
本発明の液体洗浄剤組成物は、繊維製品用液体洗浄剤組成物として好適に使用される。特に衣類、タオル、足拭きマット、シーツ寝具製品等の家庭生活に使用される繊維製品に関する液体洗浄剤組成物であって、特に、水洗い可能な繊維製品の洗浄剤として好適である。
実施例1〜12及び比較例1〜9
表1に示す組成の液体洗浄剤組成物を調製した。得られた液体洗浄剤組成物について、60℃にて2週間の保存を行い、保存後の液体洗浄剤組成物について、以下に示す方法により、過酸化水素の残存率を測定し、洗浄性能の評価、外観評価(溶液状態と色の変化の2点)を行った。また、同時にガス発生量を測定した一連の結果を表1に示す。なお、実施例の組成物は、何れも、該組成物100gをpH7(20℃)にするために必要な1/10N−NaOH水溶液の量が50ml〜150mlの範囲にあった。
<過酸化水素の残存率の測定>
保存前後の液体洗剤組成物中の過酸化水素濃度を、ヨウ化カリウムを用いて滴定(試料をヨウ化カリウムで還元し、遊離するヨウ素をチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し、その量を過酸化水素の量に換算して、試料に対する質量百分率で算出)し、下記式により求めた過酸化水素の残存率により過酸化水素の安定性を評価した。
過酸化水素の残存率(%)=保存後の過酸化水素濃度/保存前の過酸化水素濃度×100
<ガス発生量の測定>
図1に示すガラス容器1(内容量1000mL)に液体洗浄剤組成物を充填する。充填の際、目盛り付きガラス管(図中2)内に空気ないし泡が入らないように注意する。目盛りの付いたガラス管は上部が閉じているため、ガラス容器1を図1のように設置してもガラス管内に空気が入らない。液体洗浄剤組成物で充填されたガラス容器は、60℃の恒温室に2週間静置される。保存後、液体洗浄剤組成物から発生したガスが閉じた目盛り付きガラス管(図中2)中に溜るので、溜まったガス量(mL)を目盛り2(100mLまで測定可能)により測定する。ガス発生量が少ない事は、分解が少なく組成物の安定性が高い事を示している。過酸化水素残存率が比較的高いものでもガス発生が確認されるものについては、製品容器での膨れが予想されることから、そのまま製品として配合することは困難と考えられる。表1中の本発明の液体洗浄剤組成物に該当する組成物は何れもガス発生量が極めて少なく、良好な安定性を示す。
<洗浄性能(衿汚れに対する洗浄性能)の評価>
夏場3日間着用した綿/ポリエステル混紡ワイシャツの衿部分を裁断し、汚れの程度で衿片を3つのグループに分け、中程度に汚れた衿片を用い、洗浄評価に供した。30cm×30cmの綿布に洗浄評価用衿片を5枚縫付けたものを2枚用意した。洗濯機(ナショナル製洗濯機NA−F60E)を用いて、表1に示す洗浄剤組成物を0.033%濃度で溶解させ、標準コースにて20℃、3°DH硬水の条件にて洗浄を行った。自然乾燥後、定常作業にて訓練されたパネラー10人(30歳代の男性5人、女性5人)により、下記の基準で評価を行ない、平均点を算出した。
1:満足できるレベルまで汚れが落ちている
2:汚れが残っているが、気にならない程度である
3:気になる程度に汚れが残っている
4:汚れがかなり残っている。
<外観評価>
50mLのサンプルビン(No.6広口規格ビン、ガラス製、直径40mm、高さ80mmの円筒形)に、液体洗浄剤組成物を40mL充填し、蓋をした後、60℃の恒温室で2週間静置した。保存終了後、室温に戻して組成物の安定性を目視で外観を観察し、下記の基準で判定した。なお、この色の状態の評価には、それぞれの組成物について5℃で2週間保管したサンプルも用意し、色の対比は5℃で保管したサンプルを室温に戻したもので行った。
(溶液状態)
○;液晶、結晶を形成していない均一液体相であり、液安定性に優れる。
×;液晶形成、又は結晶形成、又は分離、又は析出が認められる。
(色の状態)
○:無色(5℃保管サンプルと同等)
×:黄色に変色(5℃保管サンプルよりも黄変している)
<配合成分>
表1の液体洗浄剤組成物の調製に用いた成分を以下に示す。なお、塩になっている陰イオン性有機化合物は、酸型化合物に換算した濃度を表中に示した。また組成物のpHは水酸化カリウム水溶液又は硫酸水溶液で調整した。
・A−1:過酸化水素(三菱ガス化学社製)
・B−1;炭素数10〜14の直鎖飽和1級アルコール1モルにエチレンオキシドを10モル付加反応させたもの。(一般式(I−2)において、R1bが炭素数10〜14の直鎖飽和のアルキル基であって、R1b−O−と結合するR1bの炭素原子が1級炭素原子であり、m=10、n=0である化合物)
・B−2;炭素数10〜14の1級アルコール1モルにエチレンオキシドを14モル付加反応させた後、プロピレンオキシドを2モル付加反応させ、その後エチレンオキシドを5モルの順にブロック付加させたもの(一般式(I−25)において、R1bが炭素数10〜14の直鎖飽和のアルキル基であって、R1b−O−と結合するR1bの炭素原子が1級炭素原子であり、AOがプロピレンオキシ基であり、m1=14、n=2、m2=5である化合物)
・B−3;炭素数10〜14の1級アルコール1モルにエチレンオキシドを9モル付加反応させた後、プロピレンオキシドを2モル付加反応させ、その後エチレンオキシドを10モルの順にブロック付加させたもの(一般式(I−25)において、R1bが炭素数10〜14の直鎖飽和のアルキル基であって、R1b−O−と結合するR1bの炭素原子が1級炭素原子であり、AOがプロピレンオキシ基であり、m1=9、n=2、m2=10である化合物)
・B−4;炭素数10〜14の2級アルコール1モルにエチレンオキシドを15モル付加反応させた後、プロピレンオキシドを2モル付加反応させ、その後エチレンオキシドを15モルの順にブロック付加させたもの(一般式(I−25)において、R1bが炭素数10〜14の直鎖飽和のアルキル基であって、R1b−O−と結合するR1bの炭素原子が1級炭素原子であり、AOがプロピレンオキシ基であり、m1=15、n=2、m2=15である化合物)
・B−5:C1123CO(OC2415OCH3、合成品。
・B−6:C1123CO(OC2415OCH3と、C1327CO(OC2415OCH3との質量比で8/2の混合物、合成品。
・B’−1:炭素数10〜14の1級アルコール1モルにエチレンオキシドを8モル付加反応させたもの(便宜的に、一般式(I−2)で示す場合、R1bが炭素数10〜14の直鎖飽和のアルキル基であって、R1b−O−と結合するR1bの炭素原子が1級炭素原子であり、m=8、n=0である化合物)
・B’−2:炭素数10〜14の1級アルコール1モルにエチレンオキシドを60モル付加反応させたもの(便宜的に、一般式(I−2)で示す場合、R1bが炭素数10〜14の直鎖飽和のアルキル基であって、R1b−O−と結合するR1bの炭素原子が1級炭素原子であり、m=60、n=0である化合物)
・C−1:1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸(サーモフォスジャパン社製、ディクエスト2010)
・D−1:式(II−1)の化合物(ジ−t−ブチル−ヒドロキシトルエン)
・D−2:式(II−2)の化合物
・D’−1;4−メトキシフェノール
・D’−2;t−ブチル−ヒドロキノン
・E1−1:ルナックL−55(商品名)(ヤシ油系脂肪酸(該脂肪酸は、炭素数10〜18の脂肪酸を約100質量%、またドデカン酸を57質量%含有する);花王株式会社製)
・E2−1:下記合成方法による高分子重合体。
温度計、撹拌機、窒素導入管、還流冷却器を備えたガラス製反応器に、平均分子量1500のフェノキシポリエチレングリコール100重量部、マレイン酸5重量部を仕込んで、窒素気流下、加熱して溶解させ、撹拌下150℃まで昇温した。次に、温度を150〜151℃に保ちながら、アクリル酸30重量部、ジ−t−ブチルパーオキシド4.5重量部を別々に、1時間にわたって連続的に滴下し、その後40分間撹拌を続けた。冷却後、純水135重量部を加え、高分子重合体を得た。得られた高分子重合体は、(i)鎖部分を幹鎖、(ii)鎖部分を枝鎖とする高分子重合体である。(i)鎖のアルキレンオキシ基の平均重合度は32である。高分子重合体中(ii)鎖を構成している不飽和カルボン酸単量体の構成単位の割合は26質量%である。
・F1−1:炭素数10〜14の直鎖アルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸(平均炭素数11.7)
・F2−1:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(日本触媒社製、「ソフタノール70」、炭素数12〜14の2級アルコール1モルにエチレンオキシドを7モル付加させたもの)
・F3−1:直鎖アルキル(炭素数12)トリメチルアンモニウムエチルサルフェート。ここで直鎖アルキル基は天然油脂由来のものである。
・G−1:ジエチレングリコールモノブチルエーテル
・G−2:トリエチレングリコールフェニルエーテル(PHG−30;日本乳化剤製)
・H−1:パラトルエンスルホン酸
Figure 0005725986
1 ガラス容器
2 目盛り

Claims (12)

  1. (A)過酸化水素 0.1〜10質量%、
    (B)炭素数8〜22の鎖式炭化水素基とポリオキシアルキレン鎖とを有し、該ポリオキシアルキレン鎖が平均付加モル数10以上のエチレンオキシ基を含む、非イオン界面活性剤 30〜70質量%、
    (C)有機ポリホスホン酸又はその塩を酸型に換算して 0.01〜0.5質量%、
    (D)下記から選ばれる1種以上のヒドロキシフェニル化合物 0.001〜0.5質量%、
    Figure 0005725986

    (E)(E1)炭素数8〜22の脂肪酸又はその塩及び(E2)不飽和カルボン酸単量体由来の構成単位を有する高分子重合体又はその塩から選ばれる1種以上のカルボン酸系化合物を酸型に換算して0.5質量%以上10質量%未満、及び、
    水を含有し、
    JIS K3362:2008の8.3項に記載の20℃におけるpHが3.0〜6.0である、
    液体洗浄剤組成物。
  2. (B)非イオン界面活性剤のポリオキシアルキレン鎖のオキシアルキレン基の平均付加モル数が50以下である請求項1に記載の液体洗浄剤組成物。
  3. 液体洗浄物組成物100gをpH7(20℃)にするために必要な1/10N−NaOH水溶液の量が50ml〜150mlである請求項1又は2記載の液体洗浄剤組成物。
  4. 更に、(G)25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解する水混和性有機溶剤であって、水酸基及び/又はエーテル基を有する水混和性有機溶剤を1〜40質量%含有する請求項1〜3の何れかに記載の液体洗浄剤組成物。
  5. (G)の水混和性有機溶剤が、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、及びフェノキシプロピレングリコールから選ばれる水混和性有機溶剤である請求項4記載の液体洗浄剤組成物。
  6. (B)非イオン界面活性剤が、ポリオキシアルキレン鎖の一方の末端に炭素数8〜22の鎖式炭化水素基が、他方の末端にヒドロキシエチルエーテル基(−OC24OH)が結合した構造を有する請求項1〜の何れかに記載の液体洗浄剤組成物。
  7. (E2)の高分子重合体が、(i)炭素数2〜5のエポキシド由来の構成単位を含んで構成されるポリエーテル鎖部分と、(ii)アクリル酸、メタクリル酸及びマレイン酸から選ばれる一種以上の不飽和カルボン酸単量体由来の構成単位を含んで構成されるポリマー鎖部分とを有し、(i)又は(ii)はいずれかが幹鎖となり、他方が枝鎖となったグラフト構造を有する高分子重合体又はそれらの塩である、請求項1〜の何れかに記載の液体洗浄剤組成物。
  8. (E)カルボン酸系化合物として(E1)を含有する請求項1〜の何れかに記載の液体洗浄剤組成物。
  9. (E)カルボン酸系化合物の(E1)がドデカン酸又はその塩である請求項1〜の何れかに記載の液体洗浄剤組成物。
  10. ホウ素化合物の含有量がホウ酸に換算して0.1質量%未満である請求項1〜の何れかに記載の液体洗剤組成物。
  11. エタノールの含有量が1質量%未満である請求項1〜10の何れかに記載の液体洗剤組成物。
  12. モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンから選ばれる水混和性有機アミン化合物の含有量が0.5質量%以下である請求項1〜11の何れかに記載の液体洗剤組成物。
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