JP5725633B2 - アクセサリ留具の開放具 - Google Patents
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Description
本発明は、アクセサリの留具を容易に開錠できるアクセサリ留具の開放具に関する。
引き輪、カニカンのようなアクセサリの留具の開放具は、ピンセット状の小型で出来ている金属又は木製で製造されたものが使用されている。特開2000−245517号は、ネックレスチェーンの留め金部分を開閉させるピンセットを開示している。特許第4238276号は、装飾品用操作具を開示している。
アクセサリの留め金(留具)部分は、非常に小さくて指先で摘むことが非常に困難であると共に、開放のためには指先に比較的大きな力が必要である。よって例えば爪を長く伸ばしている女性や、特に指先に力が無い高齢者には操作が容易でなく、大変に不便である。本発明は、上記従来の各種の問題点を解決するものである。
本発明の第1の態様に従えば、
身体の一部にまきつけて使用する線状アクセサリの一部を通す切欠部と、前記切欠部を閉じる閉部材と、前記閉部材を開閉操作するため前記閉部材に連結された可動把手と、前記線状アクセサリの他部を通す固定把手とを有する環状のアクセサリ留具のための開放具であって、
固定把手を保持する第1保持部と、
可動把手を保持する第2保持部と、
前記第2保持部を前記第1保持部に相対して移動可能に連結する連結部と、
前記第1保持部と前記第2保持部とを互いに接近する方向に付勢する付勢部材とを備え、
前記第2保持部に保持された前記可動把手と前記第1保持部に保持された前記固定把手とを接近させて前記環状のアクセサリ留具を開状態とする開放具が提供される。
身体の一部にまきつけて使用する線状アクセサリの一部を通す切欠部と、前記切欠部を閉じる閉部材と、前記閉部材を開閉操作するため前記閉部材に連結された可動把手と、前記線状アクセサリの他部を通す固定把手とを有する環状のアクセサリ留具のための開放具であって、
固定把手を保持する第1保持部と、
可動把手を保持する第2保持部と、
前記第2保持部を前記第1保持部に相対して移動可能に連結する連結部と、
前記第1保持部と前記第2保持部とを互いに接近する方向に付勢する付勢部材とを備え、
前記第2保持部に保持された前記可動把手と前記第1保持部に保持された前記固定把手とを接近させて前記環状のアクセサリ留具を開状態とする開放具が提供される。
本発明の開放具によれば、環状のアクセサリ留具の微小な可動把手及び固定把手を直接操作することなく、開放具を操作して開放具の第1保持部と第2保持部とを接近させるだけで、環状のアクセサリ留具を容易に開状態とすることができる。また本発明の開放具によれば、使用者は、環状のアクセサリ留具を一旦開状態とすれば、なんら力を与えることなく開状態を維持することができ、ひいてはアクセサリの装着をより快適に行うことができる。
本発明の開放具において、前記第2保持部が前記第1保持部に向かって突出する突出部を有してもよく、前記可動把手と前記固定把手との接近は、前記突出部によって、前記可動把手の前記固定把手とは反対側に位置する部分を押圧することにより行われてもよい。このような開放具によれば、付勢部材又は使用者によって与えられる、第1保持部と第2保持部とを互いに接近させる力を、より効率よく、可動把手と固定把手とを接近させる力に変換することができ、ひいては、より少ない力で環状のアクセサリ留具を開状態とすることができる。
本発明の開放具において、前記第1保持部に固定された第1取手と、前記第2保持部に固定された第2取手とを更に有してもよく、前記連結部は、前記第1保持部と前記第1取手との間且つ前記第2保持部と前記第2取手との間に配置され、前記第2保持部を前記第1保持部に相対して枢動可能に連結する回動軸であってもよく、前記第2保持部は前記回動軸中心に枢動して前記第1保持部に接近してもよい。また、本発明の開放具において、前記第2保持部の突出部は板状であってよく、前記第2保持部が前記板状の突出部に形成された凹孔を有してもよく、第1保持部が可撓性部材を有してもよく、該可撓性部材が前記固定把手を保持する凹孔を有してもよい。このような開放具によれば、付勢部材又は使用者によって与えられる、第1保持部と第2保持部とを互いに接近させる力を、より効率よく、可動把手と固定把手とを接近させる力に変換することができ、かつ、開状態の環状のアクセサリ留具を、アクセサリの装着に好適な状態で保持することができる。
本発明の開放具において、前記連結部は、前記第2保持部を前記第1保持部に相対して枢動可能に連結する回動軸であってよく、前記第1保持部は可撓性部材を有してもよく、前記可撓性部材には前記回転軸方向に複数の凹部が形成されていてもよく、前記第2保持部は前記第1保持部に向かって突出する突出部を有してもよく、前記突出部には前記回転軸方向に複数の凹部が形成されていてもよい。このような開放具によれば、使用者は、第1保持部と第2保持部との間にアクセサリ留具を適当に配置するだけで、可撓性部材の複数の凹部の1つと突出部の複数の凹部の1つとを用いて、好適にアクセサリ留具を開放し、かつ安定した状態で開状態に維持することができる。
本発明の開放具において、前記可撓性部材は、前記アクセサリ留具の固定把手のみに面接触して、前記固定把手を保持してもよい。このような開放具によれば、可撓性部材は、面接触により好適かつ安定した状態で固定把手を保持することが可能となる。また、可撓性部材が固定把手のみに接触してアクセサリ留具を保持するため、開放具は、様々な形状、サイズのアクセサリ留具に対して使用可能となる。
前記第1保持部が引き輪の固定把手と閉部材との間に画成される可動把手が存在しない半環部又はカニカンの閉部材と可動把手との枢動軸を収容する土台を収容する収容孔を有してもよい。このような構成を有する開放具によれば、使用者は、第1保持部による固定把手の保持をより一層容易に行うことができる。
本発明の開放具において、ブレスレットを手首に装着する使用者が把持する把持棒が、前記第1取手又は前記第2取手のいずれか一方に連結されていてもよい。これにより使用者は、前記把持棒を把持して、前記第1保持部と前記第2保持部とによって保持されて開状態となった環状のアクセサリ留具をブレスレットを装着する手首近傍に配置することができる。このような開放具によれば、使用者は、片手のみしか使用できないブレスレットの手首への装着も容易に行うことができる。
本発明の開放具において、ブレスレットを手首に装着する使用者が把持する把持棒が、前記第1取手又は前記第2取手のいずれか一方に連結されていてもよい。これにより使用者は、前記把持棒を把持して、前記第1保持部と前記第2保持部とによって保持されて開状態となった環状のアクセサリ留具をブレスレットを装着する手首近傍に配置することができる。このような開放具によれば、使用者は、片手のみしか使用できないブレスレットの手首への装着も容易に行うことができる。
本発明は、以上のように構成されているので、留具の開放を容易に行うことができる。
<第1実施形態>
次に、本発明の用法を説明すると、第1実施形態の開放部100の開放具本体1は、下側の下部可動翼片2と上側の上部可動翼片3とを、相対応して突設した接続片15を回動軸13に可動自在に軸着して形成されている。下部可動翼片2には、先端の一部に弾性体4を取着ける。弾性体4には、長手方向の凹状溝5を形成すると共に、先端に下部凹孔6を形成する(図2)。上部可動翼片3の先端に設けた外周縁14には、下部凹孔6と相対応する位置に上部凹孔7が形成されている(図3)。下部可動翼片2と上部可動翼片3とを開放し、留め金具8の可動把手10と固定把手11とを開放し、留め金具8の可動把手10と固定把手11とに掛合して可動軸9を開放方向に操作するものである。
次に、本発明の用法を説明すると、第1実施形態の開放部100の開放具本体1は、下側の下部可動翼片2と上側の上部可動翼片3とを、相対応して突設した接続片15を回動軸13に可動自在に軸着して形成されている。下部可動翼片2には、先端の一部に弾性体4を取着ける。弾性体4には、長手方向の凹状溝5を形成すると共に、先端に下部凹孔6を形成する(図2)。上部可動翼片3の先端に設けた外周縁14には、下部凹孔6と相対応する位置に上部凹孔7が形成されている(図3)。下部可動翼片2と上部可動翼片3とを開放し、留め金具8の可動把手10と固定把手11とを開放し、留め金具8の可動把手10と固定把手11とに掛合して可動軸9を開放方向に操作するものである。
本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。図面に示す如く、ネックレス留め金具の開放具本体1は、相対する下部可動翼片2と、上部可動翼片3とを、各々の接続片15を回動軸13に軸着して開閉自在に連結した構成を有する。回動軸13の外周には、復元用の発条12を捲着してある。下部可動翼片2は、長手方向(図1の左右方向)の一方に保持端部2a、他方に柄(取手)2bを有し、保持端部2aと柄2bとの間に回動軸13、発条12が配置されている。上部可動翼片3は下部可動翼片2とは別体であり、長手方向の一方に保持端部3a、他方に柄(取手)3bを有し、保持端部3aと柄3bとの間に回動軸13、発条12が配置されている。発条12は、保持端部2aと保持端部3aとが接近する方向に向けて、下部可動翼片2、上部可動翼片3を付勢する。なお、以下の説明においては、下部可動翼片2の長手方向に直交し、回動軸13と平行な方向を開放具100の左右方向とし、保持端部2a側から柄2b側を見た左側、右側をそれぞれ開放具100の左側、右側とする。また、下部可動翼片2の長手方向及び左右方向と直交する方向を開放具100の上下方向とする。
下部可動翼片2には、保持端部2a近傍にゴム等よりなる弾性体(可撓性部材)4が取り付けられている。弾性体4の上面には、長手方向に凹状溝5が形成されており、弾性体4の保持端部2a側の端部に下部凹孔6が形成されている。上部可動翼片3には、保持端部3aの外周縁14の下部凹孔6と相対応する位置に上部凹孔7が形成されている。
図6に示す留め金具(留具)8は、内部に可動軸(閉部材)9と、その一部に可動把手10を有する。また、留め金具8には、可動把手10と対向する位置に固定把手11を取着けてある。
本実施形態の開放具100の効果を以下にまとめる。
開放具本体1は、上部可動翼片3と下部可動翼片2とで構成されているので、留め金部分が小さくて、指先に力が弱い人や高齢者でも容易に操作ができる。また、上下の可動翼片と発条12を使用しているので、力が無くとも容易に挟むことが可能である。更に、下部可動翼片2には、保持端部2aにゴム等の弾性体4を使用しているので、挟んだ時に滑ることが無い。また、弾性体4に設けた下部凹孔6と凹状溝5は、相対する可動把手9と固定把手10とを確実強固に挟持する効果を有する。
本実施形態の開放具100によれば、上部可動翼片3の保持端部3aにおいて留め金具8の可動把手10を保持し且つ下部可動翼片2の保持端部2aにおいて留め金具8の固定把手11を保持した状態で、発条12の付勢力により上部可動翼片3の保持端部3aと下部可動翼片2の保持端部2aとを接近させ、留め金具8の可動把手10と固定把手11とを接近させている。これにより、留め金具8の可動軸9が移動し、留め金具8が開放される。したがって本実施形態の開放具100によれば、使用者は、開放具100の下部可動翼片2の柄2b及び上部可動翼片3の柄3bを操作するのみで、留め金具8の開閉を行うことができる。換言すれば、使用者は、微小な部分である留め金具8の可動把手10及び固定把手11を直接に指で操作することなく、留め金具8の開閉を行うことができる。なお、保持端部2aを操作すべく保持端部2aと一体に形成された下部可動翼片2の柄2bは、上部可動翼片3及び上部可動翼片3の柄3bと対向して延在しており、上部可動翼片3及び柄3bに対向した状態を維持したまま、上部可動翼片3及び柄3bに対して相対移動することで、保持端部2aを保持端部3aに対して、接近・離間させる。さらに言えば、下部可動翼片2の柄2bは、上部可動翼片3の長手方向に直線移動することはなく、よって保持端部2aは保持端部3aに対して直線移動せずに、回動軸13回りに枢動して、保持端部3aに接近・離間する。同様に、保持端部3aを操作すべく保持端部3aと一体に形成された上部可動翼片3の柄3bは、下部可動翼片2及び下部可動翼片2の柄2bと対向して延在しており、下部可動翼片2及び柄2bに対向した状態を維持したまま、下部可動翼片2及び柄2bに対して相対移動することで、保持端部3aを保持端部2aに対して、接近・離間させる。さらに言えば、上部可動翼片3の柄3bは、下部可動翼片2の長手方向に直線移動することはなく、よって保持端部3aは保持端部2aに対して直線移動せずに、回動軸13回りに枢動して、保持端部2aに接近・離間する。したがって使用者は、柄2b、3bを把持、解放するだけで本実施形態の開放具100を容易に使用することができ、任意の2本の指のみで開放具100を容易に操作することが可能であるのみならず、柄2b、3bの一方を何らかの静止物に当接させて、任意の1本の指のみで開放具100を操作することも可能である。
本実施形態の開放具100によれば、使用者が下部可動翼片2及び上部可動翼片3に力を付与しない間は、下部可動翼片2の保持端部2a及び上部可動翼片3の保持端部3aは、発条12の付勢力により接近した位置に維持され、ひいては留め金具8が開放状態に維持される。よって本実施形態の開放具100によれば、使用者は、一旦留め金具8を開放した後は、なんら力を加えることなく留め金具8の開放状態を維持することができる。ネックレス等のアクセサリーを装着するために留め金具8を開放した使用者は、次いで留め金具8と、ネックレスの留め金具8とは異なる位置(一例として反対側の端部)に設けられた部分(一例としてリング部(不図示))とを連結して、ネックレスを閉環状態とする必要がある。そのためには、微小である留め金具8の開放部に、同様に微小であるリング部等を係合させるという集中力を有する作業が求められる。本実施形態の開放具100によれば、使用者は、留め金具8の開放状態の維持に労力を払うことなく、留め金具8の開放部にネックレスのリング部等を通す作業のみに集中することができる。
本実施形態の下部可動翼片2には、図1、図2に示すように、保持端部2a近傍に弾性体4が取り付けられており、弾性体4の保持端部2a側の端部には、深さ方向に切断した断面、すなわち長手方向に直交する面で切断した断面が略半円形である下部凹孔6が形成されている(図5)。下部可動翼片2は、弾性体4の下部凹孔6に、留め金具8の固定把手11を嵌入させた状態で、固定把手11を保持する。よって本実施形態の下部可動翼片2は、固定把手11の左右方向のすべりを抑制して、安定して保持することができる。なお、保持端部2a及び弾性体4は線状部材ではなく、固定把手11に面接触してこれを保持する。
本実施形態の開放具100の上部可動翼片3の保持端部3aには、図1、図3に示すように、周縁部から立ち上がって下部可動翼片2に向かって突出する外周縁14(突出部)が形成されており、外周縁14の一部に、深さ方向に切断した断面、すなわち長手方向に直交する面で切断した断面が略半円形である上部凹孔7が形成されている(図5)。図7に示すように、上部可動翼片3は、上部凹孔7の上端部7aにより留め金具8の可動把手10を押圧し、可動把手10を固定把手11に向けてスライドさせる。ここで、上部凹孔7の上端部7aは、可動把手10の、固定把手11とは反対側に位置する側面を押圧する。よって発条12の付勢力は、可動把手10を固定把手11に接近させる押圧力へと、効率よく変換される。また上部可動翼片3は、上部凹孔7に可動把手10が嵌入した状態で可動把手10を押圧する。よって可動把手10の左右方向へのすべりが抑制される。なお、保持端部3aは線状部材ではなく、可動把手10を取り囲むことなくこれを押圧する。
本実施形態の開放具100は、下部可動翼片2の保持端部2aにより、留め金具8の固定把手11の左右方向のすべりを抑制して安定して保持することができ、且つ上部可動翼片3の保持端部3aにより、留め金具8の可動把手10の左右方向のすべりを抑制して安定して保持することができる。したがって本実施形態の開放具100によれば、留め金具8が開放具100に対して立った状態(留め金具8が開放具100の上下方向に沿って配置された状態、あるいは、留め金具8の環部8Cの中心軸X1、X4(図12)が、保持端部2aと保持端部3aとが接近し離間する所定方向に略直交する方向に配置された状態、あるいは留め金具8の環部8Cの中心軸X1、X4(図12)が、開放具100の回動軸13と略平行に配置された状態)で留め金具8を保持して、留め金具8を開放することができる。
なお、図6においては留め金具8は引き輪として描かれているが、留め金具8は、図8に示すカニカンであっても良いことはいうまでもない。カニカンも引き輪と同様に、可動軸9、可動把手10、固定把手11を有する。カニカンを開放する際は、可動把手10を固定把手11に接近させ、可動軸9を図8中の上方に移動する。なお、引き輪の固定把手11(図6)、カニカンの固定把手11(図8)には、引き輪又はカニカンとアクセサリ本体とを連結するための円環が形成されている。その他留め金具8は、可動軸9、可動把手10、固定把手11を有し、引き輪、カニカンと同等に作用可能な任意の部品であり得る。本実施形態においては、下部可動翼片2の保持端部2aは、留め金具8の環部8Cを保持することなく、固定把手11のみを保持する。したがって、本実施形態の開放具100は、留め金具8が引き輪である場合は、引き輪の環部8Cがどのようなサイズであっても、固定把手11のみを保持して、好適に留め金具8を保持できる。また、保持端部2aは、留め金具8が一般に引き輪とは厚みが異なるカニカンであっても好適に保持することが可能であり、さらにカニカンがどのようなサイズであっても、固定把手11のみを保持して、好適に留め金具8を保持することが可能である。
上記の実施形態において、保持端部2aを、固定把手11に加えて環部8Cも保持するように形成してもよい。また、上記の実施形態において、下部可動翼片2の保持端部2aは、様々な変形が可能である。一例として、弾性体4の保持端部2a側の端部には、左右方向に3つの下部凹孔6が形成されていてもよく(図9(f))、2つ又は3つ以上の下部凹孔6が形成されていてもよい。または、弾性体4に形成される下部凹孔6は、左右方向の両端部から中央部に向かって傾斜する略V字の切り込みであってもよい(図9(g))。または、弾性体4の下部凹孔6として左右方向に複数の略V字切り込みを形成してもよく、その数は2つ以上で任意である(図9(h))。
上記の実施形態において、凹状溝5を有することは必須ではなく、弾性体4は、下部凹孔6のみを有し、凹状溝5を有さない構造であってもよい。また弾性体4は、凹状溝5と下部凹孔6の両方を有さない構造であってもよい(図9(i))。
上記の実施形態において、下部可動翼片2の保持端部2aには、弾性体4が取り付けられていなくてもよい。この場合は、例えば、保持端部2aに、深さ方向の断面が略半球状である3つの下部凹孔6を形成してもよく、2つ以下又は4つ以上の下部凹孔6を形成してもよい(図9(a))。または、保持端部2aに形成する下部凹孔6は、左右方向の両端部から中央部に向かって傾斜する略V字の切り込みであってよく(図9(b))、左右方向に配置された複数の略V字切り込みであってもよい(図9(c))。または、保持端部2aは下部凹孔6を有さず、保持端部2aから立ち上がる外周縁14を有するのみでもよい(図9(d))。
上記の実施形態において、上部可動翼片3の保持端部3aは、様々な変形が可能である。一例として、保持端部3aには、左右方向に3つの上部凹孔7が形成されていてもよく(図10(a))、2つ又は4つ以上の上部凹孔7が形成されていてもよい。または、保持端部3aに形成される上部凹孔7は、左右方向の両端部から中央部に向かって傾斜する略V字の切り込みであってもよい(図10(b))。または、保持端部3aに形成される上部凹孔7として左右方向に複数の略V字切り込みを形成してもよく、その数は2つ以上で任意である(図10(c))。また保持端部3aは、上部凹孔7を有さなくてもよい(図10(d))。
上記の実施形態において、上部可動翼片3の保持端部3aに、弾性体43が取り付けられていてもよい。この場合は、例えば弾性体43は左右方向の中央部に、深さ方向に切断した断面、すなわち長手方向に直交する面で切断した断面が略半円形である上部凹孔7を有していてもよく(図10(e))、左右方向に3つの上部凹孔7を有していてもよく(図10(f))、2つ又は4つ以上の上部凹孔7を有していてもよい。または弾性体43の有する上部凹孔7は、左右方向の両端部から中央部に向かって傾斜する略V字の切り込みであってよく(図10(g))、左右方向に配置された複数の略V字切り込みであってもよい(図10(h))。または、弾性体43は上部凹孔7を有さなくてもよい。
上記様々な変形例の保持端部2a、保持端部3aを組み合せることで、様々な効果を得ることができる。一例として、左右方向に3つの下部凹孔6が形成された弾性体4を有する保持端部2a(図9(f))と、左右方向に3つの上部凹孔が形成された保持端部3a(図10(a))とを用いることで、保持端部2a、3aによる留め金具8の保持がより容易となる。下部凹孔6、上部凹孔7がそれぞれ3つ存在することにより、使用者は、開放具100の左右方向の中心近傍に留め金具8を配置しなくても、下部凹孔6と固定把手11との係合、及び上部凹孔7と可動把手10との係合をより容易に行うことが可能となる。なお、保持端部2aを、保持端部2aに直接3つの下部凹孔6が形成された態様(図9(a))や、保持端部2a又は弾性体4に複数のV字切り込みが形成された態様(図9(c)、図9(h))に置き換え、及び/又は保持端部3aを、弾性体43に3つの上部凹孔7が形成された態様(図10(f))や保持端部3a又は弾性体43に複数のV字切り込みが形成された態様(図10(c)、図10(h))に置き換えた場合も、同様に留め金具8の保持の容易化という効果を得ることができる。
他の例として、下部凹孔6としてV字切り込みが形成された弾性体4を有する保持端部2a(図9(g))と、上部凹孔7としてV字切り込みが形成された保持端部3a(図10(b))とを用いることで、保持端部2a、3aによる留め金具8の保持がより容易となる。下部凹孔6がV字切り込みであるため、左右方向の任意の位置において下部凹孔6の近傍に配置された留め金具8の固定把手11は、下部凹孔6と当接した後、下部凹孔6の表面を摺動して左右方向の中央部にガイドされる。同様に、上部凹孔7がV字切り込みであるため、左右方向の任意の位置において上部凹孔7の近傍に配置された留め金具8の可動把手10は、上部凹孔7と当接した後、上部凹孔7の表面を摺動して左右方向の中央部にガイドされる。よって使用者は、左右方向の任意の位置に留め金具8を配置するだけで、左右方向の中央部(V字切り込みの最も深い部分)において、好適に留め金具8を開放し、かつ開放状態を維持することができる。なお、保持端部2aを、保持端部2aに直接V字切り込みである下部凹孔6が形成された態様(図9(b))に置き換え、及び/又は保持端部3aを、弾性体43にV字切り込みである上部凹孔7が形成された態様(図10(g))に置き換えた場合も、同様に留め金具8の保持の容易化という効果を得ることができる。その他、保持端部2aと保持端部3aとは、図9、図10に示した変形例の任意の組合せであってよい。
なお、弾性体4、43としては、シリコン、ゴム等任意の可撓性部材を使用することができる。この可撓性部材は、留め金具8を開放する際に、可動把手10及び固定把手11が沈み込まない程度(埋没しない程度)の硬度を有し、且つ保持した可動把手10、固定把手11の左右方向の摺動を抑制できる程度の静摩擦係数を備えることが望ましい。
上記の実施形態において、発条12は、回転軸13の周囲に配置されたねじりばねであるが、発条12はこれには限られず、板バネ等任意の構造であってよい。また発条12は、下部可動翼片2の保持端部2aと接続片15との間、及び上部可動翼片3の保持端部3aと接続片15との間に取り付けられた引張ばねであってもよく、下部可動翼片2の柄2bと上部可動翼片3の柄3bとの間に取り付けられた圧縮ばねであってもよい。これらの発条12によっても、保持端部2aと保持端部3aとが接近する方向に、下部可動翼片2、上部可動翼片3を付勢することができる。
上記の実施形態においては、発条12は、保持端部2aと保持端部3aとを接近方向に付勢していたが、発条12は、保持端部2aと保持端部3aとを互いに離間する方向に付勢してもよい。このような開放具100によっても、使用者は、開放具100の柄2b及び柄3bを操作するのみで、留め金具8の開閉を行うことができる。換言すれば、使用者は、微小な部分である留め金具8の可動把手10及び固定把手11を直接に指で操作することなく、留め金具8の開閉を行うことができる。
上記の実施形態において、下部可動翼片2に弾性体4を設けない場合は、下部可動翼片2の保持端部2aに研磨処理を施し、保持端部2aとの接触による留め金具8の固定把手11の損傷を防止することが好ましい。同様に、上部可動翼片3に弾性体43を設けない場合は、上部可動翼片3の保持端部3aに研磨処理を施し、保持端部3aとの接触による留め金具8の可動把手10の損傷を防止することが好ましい。
上記の実施形態において、上部可動翼片3上面に、上部凹孔7の位置を示す目印を有していてもよい。使用者は、目印を目視して、留め金具8の可動把手10と上部凹孔7との係合を容易に行うことができる。または、上部可動翼片3の少なくとも保持端部3a近傍を透明とすることによっても、留め金具8の可動把手10と上部凹孔7との係合を容易とすることができる。
<第2実施形態>
次に図11〜図13を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の開放具300は、下部可動翼片32の保持端部32aが、留め金具8を保持する保持孔31を備える点において、第1実施形態の開放具100と主に異なっている。
次に図11〜図13を用いて、本発明の第2実施形態について説明する。第2実施形態の開放具300は、下部可動翼片32の保持端部32aが、留め金具8を保持する保持孔31を備える点において、第1実施形態の開放具100と主に異なっている。
図11に示す通り、第2実施形態の開放具300は、長手方向(図11の左右方向)に延在する下部可動翼片32と、同じく長手方向に延在する上部可動翼片33とを有し、下部可動翼片32と上部可動翼片33とは、回動軸34を介して一体に連結されている。下部可動翼片32及び上部可動翼片33は、回動軸34周りに枢動可能である。
下部可動翼片32の長手方向の一方の端部は、保持端部32aであり、他方の端部及びその近傍は柄32bである。図11では、図中の左方に保持端部32aを、右方に柄32bを示している。また下部可動翼片32の、保持端部32aと柄32bとの間にはネック32cが画成されている。保持端部32aは、略半球形であり、上面32auが、ネック32cの延在方向に対して所定角だけ傾いている。
保持端部32aの上面32auには、保持孔31が形成されている。保持孔31は、略楕円形の主孔31m、略矩形の縦溝31v及び略矩形の横溝31hを有する。主孔31mは略楕円形であり、その主軸方向と下部可動翼片32の長手方向とが平行である。縦溝31vは、主孔31mのネック32c側の端部に連接して、主孔31mの主軸方向に形成されている。横孔31hは、主孔31mのネック32c側の端部に連接し、主孔31mの主軸方向と直交する方向に形成されている。
主孔31mは、留め金具8の一部を収容する収容孔であり、それにより留め金具8を保持する。主孔31mによる留め金具8の保持は、留め金具8の環部8Cを、中心軸X1、X4(図12)方向の両側から支持してなされ、これにより、留め金具8が開放具300に対して立った状態(留め金具8が開放具300の上下方向に沿って配置された状態、あるいは、留め金具8の環部8Cの中心軸X1、X4(図12)が、保持端部32aと保持端部33aとが接近し離間する所定方向に略直交する方向に配置された状態、あるいは留め金具8の環部8Cの中心軸X1、X4(図12)が、開放具300の回動軸34と平行に配置された状態)で保持される。第2実施形態の開放具300においては、このように主孔31mを用いて留め金具8の保持を行うため、留め金具8の閉部材9を開放する際に、使用者が指で留め金具8を保持する必要がない。また、第2実施形態の開放具300においては、主孔31mに留め金具8の環部8Cを収容して留め金具8を保持する。したがって、第2実施形態の開放具300は、留め金具8が引き輪であってもカニカンであっても、あるいはその他の構造であっても、また、引き輪やカニカンの環部8Cがどのようなサイズであっても、主孔31m内で開放具300に対して立った状態で保持され得る限り、主孔31mにより好適に留め金具8を保持することができる。なお主孔31mは、留め金具8が引き輪である場合は、環部8Cのうち、固定把手11と可動軸9との間に位置し、可動把手10が存在しない円弧部である半環部8Chを収容・支持し、留め金具8がカニカンである場合は、環部8Cのうち、可動軸9と可動把手10との枢動軸X7を収容する土台8Cbを収容・支持する(図12)。なお主孔31mの形状は略楕円形に限られず、種々の形状・寸法の留め金具8を、開放具300に対して立った状態で支持できるよう、適宜調整可能である。縦溝35vは、留め金具8に連結されたマルカンC(図12)の一部を、留め金具8と平行に保持する部分(収容溝)である。横溝35hは、留め金具8に連結されたマルカンCの一部を、留め金具8と直交して保持する部分(収容溝)である。
留め金具8が引き輪である場合は、図12(a)に示すように、固定把手11が、引き輪の環部8Cの中心軸X1と直交する方向に中心軸X2を有する略円環として形成されることが多い。よって固定把手11に連結されるマルカンCの中心軸X3は、引き輪の環部8Cの中心軸X1と平行となる。一方で、留め金具8がカニカンである場合は、図12(b)に示すように、固定把手11が、カニカンの環部8Cの中心軸X4と平行な方向に中心軸X5を有する略円環として形成されることが多い。よって固定把手11に連結されるマルカンCの中心軸X6は、カニカンの環部8Cの中心軸X4と直交する。したがって、限定はされないが、保持孔31の縦溝35vは引き輪に連結されたマルカンCを保持するのに適しており、横溝35hはカニカンに連結されたマルカンCを保持するのに適している。
上部可動翼片33の一方の端部は、保持端部33aであり、他方の端部及びその近傍は柄33bである。図11では、図中の左方に保持端部33aを、右方に柄33bを示している。保持端部33aは、保持端部32aに向けて折り返された折返し部(薄板部)33a1を有しており、折返し部33a1には上部凹孔37が形成されている。
下部可動翼片32と上部可動翼片33とは、回動軸34の近傍に配置された板バネ(不図示)によって、保持端部32aと保持端部33aとが接近する方向に付勢されている。よって使用者は、柄32b、33bを把持して保持端部32aと保持端部33aとを離間することができ(図13(a))、柄32b、33bを解放(リリース)して保持端部32aと保持端部33aとを接近させることができる(図13(b))。なお、保持端部32aを操作すべく保持端部32aと一体に形成された下部可動翼片32の柄32bは、上部可動翼片33及び上部可動翼片33の柄33bと対向して延在しており、上部可動翼片33及び柄33bに対向した状態を維持したまま、上部可動翼片33及び柄33bに対して相対移動することで、保持端部32aを保持端部33aに対して、接近・離間させる。さらに言えば、下部可動翼片32の柄32bは、上部可動翼片33の長手方向に直線移動することはなく、よって保持端部32aは保持端部33aに対して直線移動せずに、回動軸34回りに枢動して、保持端部33aに接近・離間する。同様に、保持端部33aを操作すべく保持端部33aと一体に形成された上部可動翼片33の柄33bは、下部可動翼片32及び下部可動翼片32の柄32bと対向して延在しており、下部可動翼片32及び柄32bに対向した状態を維持したまま、下部可動翼片32及び柄32bに対して相対移動することで、保持端部33aを保持端部32aに対して、接近・離間させる。さらに言えば、上部可動翼片33の柄33bは、下部可動翼片32の長手方向に直線移動することはなく、よって保持端部33aは保持端部32aに対して直線移動せずに、回動軸34回りに枢動して、保持端部32aに接近・離間する。したがって使用者は、柄32b、33bを把持、解放するだけで本実施形態の開放具300を容易に使用することができ、任意の2本の指のみで開放具300を容易に操作することが可能であるのみならず、柄32b、33bの一方を何らかの静止物に当接させて、任意の1本の指のみで開放具300を操作することも可能である。
次に、第2実施形態の開放具300の使用方法を説明する。
留め金具8を開放する際は、まず、柄32b、33bを指Fで把持して保持端部32aと保持端部33aとを互いに離間させ、保持孔31に留め金具8を配置する(図13(a))。具体的には、引き輪又はカニカンの環部8Cを主孔31mに、引き輪又はカニカンに連結されたマルカンCを、縦溝31v又は横溝31hに配置する。この時、留め金具8の固定把手11は、縦溝31vと横溝31hとの交差部31x(図11)において保持され、マルカンCは縦溝31v又は横溝31hによって保持される。また、留め金具8の環部8Cの中心軸X1、X4は、保持端部32aと保持端部33aとが互いに接近、離間する所定方向に略直交する方向(回動軸34と平行な方向)に配置される。なお、保持孔31は、留め金具8の固定把手11又は固定把手11に連結されたマルカンCのいずれか一方のみを保持して留め金具8を開放するように構成されていてもよい。また、保持孔31は主孔31mのみを有し、縦溝35v、横溝35hを有さなくてもよい。この場合、固定把手11の保持は、主孔31mの縁において、保持端部32aの上面32auによりなされる。すなわち、保持端部32aの上面32auが固定把手11を保持する保持部となる。
次に、柄32b、33bを把持する力を弱めて柄32b、33bを解放(リリース)すると、保持端部33aが保持端部32aに接近し、留め金具8の可動把手10に折返し部33a1の上部凹孔37が係合する。その後折返し部33a1は、可動把手10の、固定把手11とは反対側に位置する部分を押圧することにより、縦溝31vと横溝31hとの交差部31xで保持された固定把手11に向けて可動把手10をスライドさせ、留め金具8を開放する(図13(b))。使用者は、この状態で留め金具8に、ネックレスの留め金具8とは異なる部分(一例として、反対側の端部)に配置されたリング等を通した後、再度柄32b、33bを把持して留め金具8の保持を解除することで、ネックレスの装着を完了することができる。
第2実施形態の開放具300によれば、留め金具8を保持孔31を用いて容易に保持することができ、次いで柄32b、33bを保持する力を弱めれば容易に留め金具8を開放することができる。よって第2実施形態の開放具300によれば、使用者は第1実施形態の開放具100と同様の効果を得ることができ、さらに留め金具8をより一層容易に保持できるという効果を得ることができる。
第2実施形態の開放具300において、主孔31mの形状は略楕円形に限られず、種々の形状・寸法の留め金具8を、留め金具8の環部8Cの中心軸X1、X4が保持端部32aと保持端部33aとが互いに接近、離間する所定方向に略直交する方向(回動軸34と平行な方向)に配置される状態で保持できるよう、適宜調整可能である。一例として、主孔31mは、引き輪である留め金具8の半環部8Chの少なくとも2分の1を、中心軸X1方向の両側から支持する形状とすることが好ましく、略3分の2を中心軸X1方向の両側から支持する形状とすることがより望ましく、かつ、カニカンである留め金具8の土台8Cbの固定把手11と可動軸9との間に延在する辺を略全域にわたって中心軸X4方向の両側から支持する形状とすることが好ましい。
第2実施形態の開放具300において、保持端部33aの折返し部33a1は上部凹孔37を有さなくてもよい。その他、保持端部33aの構造は、単一の上部凹孔37を有するものには限定されず、第1実施形態の開放具100と同様に、図10(a)〜図10(i)に示した様々な形態とすることができる。
第2実施形態の開放具300において、保持端部33aの折返し部33a1は上部凹孔37を有さなくてもよい。その他、保持端部33aの構造は、単一の上部凹孔37を有するものには限定されず、第1実施形態の開放具100と同様に、図10(a)〜図10(i)に示した様々な形態とすることができる。
第2実施形態の開放具300において、保持端部32aは任意の材料により形成し得るが、例えばシリコンやプラスチックを用いることができる。また、保持孔31の表面にシリコン等をコーティングし、保持孔31にクッション性を与えても良い。また、保持孔31に弾性を与えることにより、より多彩な形状・寸法の留め金具8を好適に保持できるようにしてもよい。
<第3実施形態>
次に図14を用いて、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態の開放具500は、下部可動翼片52に連結された把持棒58を備える点で、第1実施形態の開放具100、第2実施形態の開放具300と異なる。
次に図14を用いて、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態の開放具500は、下部可動翼片52に連結された把持棒58を備える点で、第1実施形態の開放具100、第2実施形態の開放具300と異なる。
図14に示す通り、第3実施形態の開放具500は、長手方向(図14の左右方向)に延在する下部可動翼片52と、同じく長手方向に延在する上部可動翼片53とを有し、下部可動翼片52と上部可動翼片53とは、回動軸54を介して一体に連結されている。下部可動翼片52及び上部可動翼片53は、回動軸54周りに枢動可能である。
下部可動翼片52の長手方向の一方の端部は、保持端部52aであり、他方の端部及びその近傍は柄52bである。図14では、図中の左方に保持端部52aを、右方に柄52bを示している。また下部可動翼片52の、保持端部52aと柄52bとの間にはネック52cが画成されている。保持端部52aは、略半球形であり、上面52auが、ネック52cの延在方向に対して所定角だけ傾いている。
保持端部52aの上面52auには、保持孔51が形成されている。保持孔51の構成は、第2実施形態の開放具300の保持孔31と同一である。また、柄52bには、下部可動翼片52の長手方向に直交して、把持棒58が着脱可能に連結されている。把持棒58は、直径が約1センチほどの円柱状である。
上部可動翼片53の長手方向の一方の端部は、保持端部53aであり、他方の端部及びその近傍は柄53bである。図14では、図中の左方に保持端部53aを、右方に柄53bを示している。保持端部53aは、第2実施形態の開放具300の保持端部33aと同様の構造を有し、折返し部53a1と上部凹孔57とを有する。
下部可動翼片52と上部可動翼片53とは、軸54の近傍に配置された板バネ(不図示)によって、保持端部52aと保持端部53aとが接近する方向に付勢されている。よって使用者は、把持棒58を把持して、親指により柄53bに押圧力を与えることで、保持端部52aと保持端部53aとを離間することができ(図14)、柄53bを解放(リリース)して保持端部52aと保持端部53aとを接近させることができる。なお、保持端部52aを操作すべく保持端部52aと一体に形成された下部可動翼片52の柄52bは、上部可動翼片53及び上部可動翼片53の柄53bと対向して延在しており、上部可動翼片53及び柄53bに対向した状態を維持したまま、上部可動翼片53及び柄53bに対して相対移動することで、保持端部52aを保持端部53aに対して、接近・離間させる。さらに言えば、下部可動翼片52の柄52bは、上部可動翼片53の長手方向に直線移動することはなく、よって保持端部52aは保持端部53aに対して直線移動せずに、回動軸54回りに枢動して、保持端部53aに接近・離間する。同様に、保持端部53aを操作すべく保持端部53aと一体に形成された上部可動翼片53の柄53bは、下部可動翼片52及び下部可動翼片52の柄52bと対向して延在しており、下部可動翼片52及び柄52bに対向した状態を維持したまま、下部可動翼片52及び柄52bに対して相対移動することで、保持端部53aを保持端部52aに対して、接近・離間させる。さらに言えば、上部可動翼片53の柄53bは、下部可動翼片52の長手方向に直線移動することはなく、よって保持端部53aは保持端部52aに対して直線移動せずに、回動軸54回りに枢動して、保持端部52aに接近・離間する。したがって使用者は、柄52b、53bを把持、解放するだけで本実施形態の開放具500を容易に使用することができ、任意の2本の指のみで開放具500を容易に操作することが可能であるのみならず、柄52b、53bの一方を何らかの静止物に当接させて、任意の1本の指のみで開放具500を操作することも可能である。
第3実施形態の開放具500を用いて、留め金具8を開放する方法は、第2実施形態の開放具300における方法と同様である。第3実施形態の開放具500の把持棒58は、一例として、ブレスレットを腕に装着する際に使用することができる。
ブレスレットを左腕に装着しようとする使用者は、まず保持孔51と保持端部53aとを用いて、留め金具8を開状態で保持する。次いで使用者は、把持棒58の先端部を左手の指と手の平とで挟持し、開放具500の保持端部52aを左手首の上に配置する。これにより、開放された留め金具8は、保持端部52a、下部可動翼片52、把持棒58を介して、左手により、左手首の上に安定して配置される。この状態の下、使用者は、留め金具8に、ブレスレットの留め金具8とは反対側の端部等に配置されたリング等を係合させて、容易にブレスレットの装着を完了することができる。
他の例として、把持棒58は、ネックレスを装着する際にも使用することができる。ネックレスを装着しようとする使用者は、把持棒58を把持することで、首周りの高い位置まで腕を上げることなく、開状態の留め金具8を首元に保持することができる。したがって、リング等を通す作業に手間取った場合であっても、開放具500を保持する腕を高い位置に維持する必要がないので、開放具500を保持する腕の疲労が軽減される。
なお、把持棒58は長さが可変であってもよい。一例として、入れ子状に配置された複数の円筒によって把持棒58を形成することで、長さ可変の把持棒58を得ることができる。また、把持棒58と下部可動翼片52との間の角度は可変であってもよい。使用者は、把持棒58の長さ、及び把持棒58と下部可変翼片52との間の角度を調整することにより、自在な位置において、開放した留め金具8を保持することができる。また、上記実施形態においては、把持棒58は下部可動翼片52に対して取り外し可能に取り付けられていたが、把持棒58と下部可動翼片52とは互いに分離不可能であってもよい。また把持棒58は、上部可動翼片53に取り付けられていてもよい。
上記の第1実施形態の開放具100、第2実施形態の開放具300に、第3実施形態の把持棒58を与えても良い。
上記の第2実施形態の開放具300、第3実施形態の開放具500において、下部可動翼片32、52の保持端部32a、52aは、ネック32c、52cに対して着脱可能であってもよい。この場合、保持孔31、51の寸法、形状が異なる複数の保持端部32a、52aを用い、これを択一的にネック32c、52cに取り付けることで、様々な寸法・形状の留め金具8に対して使用可能な開放具300、500を得ることができる。
上記の第2実施形態の開放具300、第3実施形態の開放具500において、保持孔31、51に連通する逃がし溝が形成されていてもよい。保持孔31、51によって保持されるマルカンCに連結しているネックレス等のアクセサリ本体を、この逃がし溝に配置することで、アクセサリ本体と、上部可動翼片33、53との接触を回避して、より好適に留め金具8を開放できる。
上記の第2実施形態の開放具300、第3実施形態の開放具500においては、板ばねを用いて保持端部32a、52aと保持端部33a、53aを付勢しているがこれには限られない。第2実施形態の開放具300、第3実施形態の開放具500においても、第1実施形態の開放具100と同様に、ねじりばね、引張ばね、圧縮ばね等を用いた様々な構成により、保持端部32a、52aと保持端部33a、53aを付勢することができる。
上記の第2実施形態の開放具300、第3実施形態の開放具500においては、板ばね(付勢部材)は、保持端部32a、52aと、保持端部33a、53aとを接近方向に付勢していたが、板ばね等の付勢部材は、保持端部32a、52aと、保持端部33a、53aとを互いに離間する方向に付勢してもよい。このような開放具300、500によっても、使用者は、開放具300、500の下部可動翼片32、52の柄32b、52b及び上部可動翼片33、53の柄33b、53bを操作するのみで、留め金具8の開閉を行うことができる。換言すれば、使用者は、微小な部分である留め金具8の可動把手10及び固定把手11を直接に指で操作することなく、留め金具8の開閉を行うことができる。
上記の各実施形態の開放具100、300、500は、ルーペが一体に取り付けられているか、又はルーペを取り付け可能な取付け部を有していてもよい。開放具を用いて留め金具8とリングとを係合し、アクセサリーを装着する作業は両手を必要とするため、留め金具8とリングとの係合時にルーペを用いることは困難である。しかしこのような開放具によれば、開放具を保持するだけでルーペを介して留め金具8を視認できるため、留め金具8及びリングを拡大視して、留め金具8とリングとの係合を容易に行うことができる。
上記の各実施形態の開放具100、300、500において、保持端部2a、32a、52aと、保持端部3a、33a、53aとを接近方向に付勢する発条12等の付勢部材は、付勢を停止するロック機能を備えていてもよい。このような開放具によれば、ロック機能を用いて保持端部2a、32a、52aと保持端部3a、33a、53aとが離間した状態を維持できるため、保持端部2a、32a、52aによる留め金具8の固定把手11の保持、保持端部3a、33a、53aによる可動把手10の保持を、より容易に行うことができる。ロック機能は、柄2b、32b、52b及び柄3b、33b、53bに押圧力を与えるのみで解除できる機構であることが望ましい。
上記実施形態では、引き輪とカニカンの両方に使用可能な開放具を例示したが、カニカン又は引き輪、あるいはそのいずれかに類似したアクセサリー留め具に特化した開放具になるように、開放具の構造を改変してもよい。
本発明の特徴を維持する限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
本発明の特徴を維持する限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
本発明によれば、指の力や爪の長さ、視力等に関わらず、誰でも簡単にネックレス等のアクセサリーの留具を開放できる開放具を提供することができる。
100、300、500 開放具
1 開放具本体
2、32、52 下部可動翼片
2a、32a、52a 保持端部
2b、32b、52b 柄
3、33、53 上部可動翼片
3a、33a、53a 保持端部
3b、33b、53b 柄
31、51 保持孔
4、43 弾性体
5 凹状溝
58 把持棒
6 下部凹孔
7、37、57 上部凹孔
8 留め金具
9 可動軸
10 可動把手
11 固定把手
12 発条
13、34、54 回動軸
14 外周縁
15 接続片
1 開放具本体
2、32、52 下部可動翼片
2a、32a、52a 保持端部
2b、32b、52b 柄
3、33、53 上部可動翼片
3a、33a、53a 保持端部
3b、33b、53b 柄
31、51 保持孔
4、43 弾性体
5 凹状溝
58 把持棒
6 下部凹孔
7、37、57 上部凹孔
8 留め金具
9 可動軸
10 可動把手
11 固定把手
12 発条
13、34、54 回動軸
14 外周縁
15 接続片
Claims (10)
- 身体の一部にまきつけて使用する線状アクセサリの一部を通す切欠部と、前記切欠部を閉じる閉部材と、前記閉部材を開閉操作するため前記閉部材に連結された可動把手と、前記線状アクセサリの他部を通す固定把手とを有する環状のアクセサリ留具のための開放具であって、
固定把手を保持する第1保持部と、
可動把手を保持する第2保持部と、
前記第2保持部を前記第1保持部に相対して移動可能に連結する連結部とを備え、
前記第2保持部に保持された前記可動把手と前記第1保持部に保持された前記固定把手とを接近させて前記環状のアクセサリ留具を開状態とし、
前記環状のアクセサリ留め具は引き輪又はカニカンであり、
前記第1保持部が、前記環状のアクセサリ留め具としての引き輪の一部及び前記環状のアクセサリ留め具としてのカニカンの一部のいずれをも収容する収容部を有し、
前記第1保持部は、前記収容部により、前記第1保持部のみで前記環状アクセサリ留め具としての引き輪及びカニカンのいずれをも保持する開放具。 - 前記収容部は収容孔であり、前記収容孔は前記環状のアクセサリ留め具が引き輪である場合は引き輪の固定把手と閉部材との間に画成される可動把手が存在しない半環部を収容し、前記環状のアクセサリ留め具がカニカンである場合はカニカンの閉部材と可動把手との枢動軸を収容する土台を収容し、前記収容孔の縁が前記固定把手を保持する請求項1に記載の開放具。
- 前記収容部は、収容孔と、引き輪の固定把手に連結された円環を収容する第1溝と、カニカンの固定把手に連結された円環を収容する第2溝とを有し、前記収容孔は前記第1溝及び前記第2溝と連結しており、前記第1溝と前記第2溝とが互いに直交する請求項1に記載の開放具。
- 前記収容孔は、前記環状のアクセサリ留め具が引き輪である場合は引き輪の固定把手と閉部材との間に画成される可動把手が存在しない半環部を収容し、前記環状のアクセサリ留め具がカニカンである場合はカニカンの閉部材と可動把手との枢動軸を収容する土台を収容し、前記第1溝と前記第2溝との交差部が前記固定把手を保持する請求項3に記載の開放具。
- 前記収容孔は、前記環状のアクセサリ留め具が引き輪である場合は、前記半環部の少なくとも2分の1の領域を保持する請求項2又は4に記載の開放具。
- 前記第1保持部が、前記収容部に連通する溝部であって、前記収容部が前記環状のアクセサリ留め具を収容する時に、前記環状のアクセサリ留め具に連結された前記線状アクセサリの一部が配置される溝部を更に有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の開放具。
- 前記第1保持部と前記第2保持部とを互いに接近する方向に付勢する付勢部材を更に備える請求項1〜6のいずれか一項に記載の開放具。
- 前記第2保持部が、前記第1保持部に向かって突出する突出部を有し、前記可動把手と前記固定把手との接近は、前記突出部によって、前記可動把手の前記固定把手とは反対側に位置する部分を押圧することにより行われる請求項1〜7のいずれか一項に記載の開放具。
- 前記突出部は板状であり、前記第2保持部は、前記板状の突出部に形成された凹孔を有する請求項8に記載の開放具。
- 前記第1保持部に連結された第1取手と、前記第2保持部に連結された第2取手とを有し、前記第1取手又は前記第2取手のいずれか一方に把持棒が連結されている請求項1〜9のいずれか一項に記載の開放具。
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