JPH09122187A - 食事用自助装具 - Google Patents

食事用自助装具

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JPH09122187A
JPH09122187A JP28551395A JP28551395A JPH09122187A JP H09122187 A JPH09122187 A JP H09122187A JP 28551395 A JP28551395 A JP 28551395A JP 28551395 A JP28551395 A JP 28551395A JP H09122187 A JPH09122187 A JP H09122187A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 手指の機能が不全な人,利き手交換をする人
等でも箸を容易に操れる食事用自助装具を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 2本の箸の基端部の内側にバネ18を固
着し、ガイド板19を箸の基端部に設け、一方の箸の基
端から離れた位置にグリップ22を形成し、他方の箸の
基端から離れた位置に指当て部23を形成し、係止杆2
4をグリップ上方に設けると共に他の指用の係止杆25
を指当て部に設ける。又、箸先の内面を平坦にする。 【効果】 手指の機能が不全な人等でも、片手で単独で
箸を着脱でき、容易に箸を操り食事ができる。又、箸先
の圧着面積が広く、箸先が交錯しても食物を把持でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は手指の機能が不全な障害
者及び利き手交換する人等が使用する食事用自助装具に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来の食事用自助具の箸は図1に示すよ
うに2本の箸1を箸先が分離しないようにかつ箸先4が
開閉自在となるようにその基端部を板バネ2で連結して
あり、また指で箸を挟持できるよう指を差し入れるリン
グ3を設けている。しかし、箸を把持するグリップがな
いため、指に箸を保持し固定させる力が要求され、又、
箸先の動きを導くガイドが不十分なため、指で箸先4を
コントロ−ルする能力が要求される。即ち、物を摘むと
いう手指の高等な運動動作が要求されている。所が、手
の5指のそれぞれの機能が正常に働かない機能障害者に
とって箸を掴むことはできても箸を固定させ食物を把持
することは極めて困難である。さらに、図2に示すよう
に箸先4の断面が丸くなっているため、接着点が1点で
あり、手指の力をコントロ−ルできないと箸先が左右に
交錯しやすく、箸先が合着せず食物を把持できない。従
って、従来の食事用自助具を有効に使用できるのは障害
の程度が軽い人、即ち手指の高等な運動動作を可能とす
る巧緻機能を有する人等に限定されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】手にはものを押す、押
さえる、引っ掛ける、摘む、握る等多数の動作の仕方が
あるが、最も基本となる動作は「摘み」と「握り」であ
り、「摘み」は、より正確な動作が要求される。一方、
箸には「摘み」を中心とした挟む、支えるという基本機
能と、切る、分ける等の特殊機能とがあり、食物の大
小、形状、硬軟等によって手指の力の入れ方、挟み方、
使い方にも微妙な違いが要求され、手の指先同様に多様
な働きをしている。
【0004】所で、上肢の機能障害が発生すると、手関
節、手指の対立、屈曲、伸展等の運動が制限され、又は
機能が低下し、日常生活動作の上で障害が出現する。図
3は、右手における箸使用時の箸と手指との位置関係を
示したものであり、図4は、箸先方向より見た指と箸の
位置関係を示す断面図である。箸は上下2本から成立し
ているが、その役割は、下方の箸6は目的物を指示し箸
先を誘導する働きをし、上方の箸5は指示に従って動
き、摘む、挟む、切る、裂く、掬う等の作業をする。こ
の時の手指と箸との関係は、ガイドとして働く下方の箸
6を、第4指10の指先背側、第2指8の基底部で支
え、これを第1指7の基節骨(図5の12)内側で押さ
えて固定する。尚、第5指11は固定と作業時の安定性
を向上させるために第4指の指腹方向より支持される。
次に、上方の箸5は第3指9の指先の橈骨(図5の1
6)側と第2指8の基節部13で支えられ、第1指7の
指腹で押さえて箸を支えている。第2指8の指先部は箸
5上での第1指7と第3指9の中間点に上方から沿えら
れ箸先の合わせの調整と開閉の補助をする。第1指7の
支持部を支点として、第2指8と第3指9を屈曲すれば
箸先が閉じ第2指8と第3指9を伸展させて開き、種々
の作業を行う。つまり機能的な箸の使い方をする場合、
手指(特に第1指)は3次元方向の指示と運動を必要と
し、それらをコントロ−ルするためには各関節、筋神経
等に機能障害を伴っていないことが条件とされる。言い
換えれば、上肢に何らかの機能障害がある場合やコント
ロ−ルが未熟な場合は、箸を自由に使用することが著し
く困難となる。これは、単に箸の使用が不自由になると
いうだけでなく、食事に費やす多大な労力、時間による
ストレス、疲労が増加し、食事に対する興味、意欲を低
下させ、食欲低下、栄養摂取不足による健康状態の悪化
を招く恐れもある。
【0005】そこで本発明は、手指の機能が不全な障害
者及び利き手交換を余儀なくされた人等が残存能力を活
用して無理なく容易に箸を操れ、同時に手指の訓練効果
をも奏する食事用自助装具を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】2本の箸の基端部の内面
に弾性体の両端部をそれぞれ固着し、箸の先端部の開閉
軌跡が同一平面上にあるよう規制するガイド板を箸の基
端部に設け、一方の箸の基端から離れた所望位置に下向
きに軟性素材で把持用のグリップを屈曲可能に形成し、
他方の箸の基端から離れた所望位置に、指当て部を一体
的に形成し、第1指用の係止杆をグリップ上方に屈曲可
能に設けると共に他の指用の係止杆を指当て部に屈曲可
能に設ける。
【0007】又、2本の箸の先端内面を平坦にする。
【0008】
【作用】手の掌部にグリップを当接させると共に第3
指、第4指及び第5指をそれぞれ平行に伸ばし第1指を
第1指の係止杆へ差し入れると共に他の指(1本又は複
数本)を指当て部に当接させ、係止杆へ差し入れて装着
すると、第1指と他の4指をそれぞれ平行に伸ばした、
指にとって最も楽な状態である図6に示す休息肢位に近
い形で手指を箸に沿わせることができ、さらに手の掌の
母指球(図5の14)、小指球(図5の15)の間でグ
リップが固定され、又第1指、第2指間の基部(水かき
部)に箸の基端部に設けられたガイド板が乗ってくるこ
とによって箸が固定・保持され、各指が固定、保持のた
めに要する力から開放される。
【0009】又、箸の基端部内面に弾性体、即ちバネの
開放端が固着されているため、箸先が常に開いた状態に
付勢され、指の屈曲力により箸先は閉じられ、屈曲力を
開放することにより、箸は開いた状態へと復元する。こ
の際、箸は弾性体の反発力により指の伸展に追随して開
くため常に箸は指の指腹部に位置している。
【0010】更に、バネとガイド板により箸の先端部の
開閉軌跡が同一平面上に描かれるため、2本の箸先がず
れることなく正確に合着し、又、図10aに示すように
箸先が平坦になっているため圧着面積が広く、図10b
のように箸先4が左右にずれたとしても、合着可能面積
が広く、作業性の向上が図られる。
【0011】又、グリップ及び係止杆は屈曲可能なた
め、手指の障害の程度・状態、即ち各指の屈曲・伸展の
度合い、関節等の方向に合せてグリップ及び係止杆の位
置、角度の調節が自由にできる。
【0012】
【実施例】図7は本発明の左手用平面図を示し、2本の
箸を連結し、開いた状態を保持するために箸の基端部の
内面にバネ18の両端部を固着し、箸先4の軌跡が同一
平面上にあるようにするため、箸の基端部を両側からガ
イド板19で挟みかつガイド板19の一方の下縁を固定
箸(第1指側の箸)26の基端部に沿わせてネジ20で
固着すると共に、移動箸(第2指側の箸)27の基端部
にガイド板19の上方の端縁各部をネジ20で枢着し、
移動箸27の開閉を規制するストッパ−21を2個、ガ
イド板19を貫く形で2カ所にわたり立設することによ
り箸の開閉を制御している。次に固定箸26の基端から
離れた位置より下方向で手の掌にあたる位置にシリコン
ゴム等の軟性素材によるグリップ22を箸のグリップ取
付部17との細い接合部28より屈曲可能に形成し、移
動箸27の基端から離れた手指の運動軌道位置に沿って
同素材による指当て部23を設け、第1指と固定箸26
との安定性を向上させるため係止杆24をグリップ取付
部17より屈曲可能に設け、その他の指と移動箸27と
の装着性を向上させるため係止杆25を指当て部23の
側方に屈曲可能に設ける。更に箸先4の内面を平坦に
し、圧着面積を大きくすることにより麺類等のすべりや
すい食物を食する時の滑り止めとすると共に箸先の交錯
を防止し、箸操作に要する手指の労力を軽減する。
【0013】図11は本発明の使用状態を示し、図6の
休息肢位でグリップ22を手の掌に当て箸の基端部とガ
イド板19を第1指と第2指の付け根(水かき部)背面
に乗せ、係止杆24に第1指を通し、第2指を係止杆2
5に通し箸を支持し(この場合は残り3指はフリ−にな
る)、第2指の屈曲、抜力動作により移動箸の開閉をコ
ントロ−ルする。
【0014】
【発明の効果】手指の機能が不全なため、又、利き手で
ない手を使用することを余儀なくされているため、他の
道具(スプ−ン、フォ−ク等)を使用して食事をしてい
た人、あるいは介護者に食べさせてもらっていた人で
も、自力で箸を操ることができ、箸の操作に手間どり時
間がかかっていた食事をスム−ズに行え、疲労を軽減で
き、食事に対する意欲が増加する。
【0015】手指が曲がらない人、手に力の入らない人
でも図5に示す第1指の内転(第1指の指先と第5指の
指先を合着させる時の母指球の動き)を含む、5指の内
の1指の屈曲が可能であれば、僅かな力で箸を動かすこ
とが可能である。
【0016】グリップがシリコンゴムやゴム等の軟性素
材であるため肌ざわりが良く、滑りにくく、握力の弱い
人や手にしびれ感のある人に適している。
【0017】グリップ、及び係止杆は屈曲可能なため、
手指の障害の程度・状態、即ち各指の屈曲・伸展の度合
い、関節等の方向に合せてグリップ及び係止杆の位置、
角度の調節が自由にできる。
【0018】手の掌の母指球、小指球で箸を固定するた
め、単独で片手で箸を着脱できる。
【0019】図9、図10aに示すように箸の圧着面積
が広く、圧力が分散され、安定して食物を摘むことがで
き、指のコントロ−ルが不十分なため、箸が左右に交錯
して図10bに示すようになっても、箸先4が点でなく
面で接するため箸先4の合着可能性が高く、箸そのもの
の機能に支障を与えることが少ない。
【0020】手指の開閉運動を行うため、中枢性の神経
障害により手指の力をコントロ−ルすることが困難とな
る麻痺、痙性、感覚障害がある場合に、食事動作をしな
がら機能回復作業が同時に行われ、脳の活性化にもつな
がる。
【0021】尚、同原理を活用すると、上肢前腕以遠に
障害がある場合でも、義肢等の装具の併用により、本発
明を改造して取付け可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の自助具としての箸を示す平面図。
【図2】 従来の自助具としての箸の箸先から見た正面
図。
【図3】 健常者が右手で箸を把持する斜視図。
【図4】 箸と5指との位置関係を示す説明図。
【図5】 右手の構造を示す説明図。
【図6】 手の休息肢位を示す斜視図。
【図7】 本発明の実施例を示す箸の平面図。
【図8】 同、正面図。
【図9】 同、箸先の拡大平面図。
【図10】a 同、箸先の拡大正面図。 b 同、箸先が交錯した状態を示す説明図。
【図11】 本発明の使用状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1、箸 4、箸先 17、取付部 18、バネ 19、
ガイド板 20、ネジ 21、ストッパ− 22、グリップ 23、指当て部
24、第1指用係止杆 25、第2指用係止杆 26、固定箸 27、移動箸
28、接合部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2本の箸の基端部の内面に弾性体の両端部
    をそれぞれ固着し、箸の先端部の開閉軌跡が同一平面上
    にあるよう規制するガイド板を箸の基端部に設け、一方
    の箸の基端から離れた所望位置に下向きに軟性素材で把
    持用のグリップを屈曲可能に形成し、他方の箸の基端か
    ら離れた所望位置に、指当て部を一体的に形成し、第1
    指用の係止杆をグリップ上方に屈曲可能に設けると共に
    他の指用の係止杆を指当て部に屈曲可能に設けてなる食
    事用自助装具。
  2. 【請求項2】2本の箸の先端内面を平坦にした請求項1
    記載の食事用自助装具。
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