JP5723218B2 - ループアンテナ - Google Patents

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    • H01Q1/36Structural form of radiating elements, e.g. cone, spiral, umbrella; Particular materials used therewith
    • H01Q1/38Structural form of radiating elements, e.g. cone, spiral, umbrella; Particular materials used therewith formed by a conductive layer on an insulating support

Description

本発明は、無線通信機器に使用されるループアンテナに関する。
近年、無線通信技術が注目されてきており、デジタルカメラなど小型の機器にも無線通信のための回路やアンテナが搭載されるようになっている。無線通信回路やアンテナをデジタルカメラなどの小型機器に搭載するためには、回路やアンテナの小型化が要望されており、例えば、アンテナを誘電体基板に実装することで、低コスト化、且つ、小型化が実現されている。
ループアンテナ近傍に無給電素子を配置した先行技術として特許文献1、2が挙げられる。特許文献1では波長の4分の1程度の無給電素子をループアンテナ近傍に配置し、通信周波数を広帯域化している。特許文献2では、3種類の無給電素子の形状を開示している。第1の形状は開口部がループ素子の給電側に有る無給電素子を配置することで共振周波数可変と利得向上を図っている。第2の形状は開口部の無い無給電素子を配置することで特性インピーダンスの変化を図っている。第3の形状は窓型の無給電素子を配置することで共振周波数の低周波化を行っている。
特開2006−295545号公報 特開平09−148838号公報
無線通信機器における高周波回路の設計においては50Ωの特性インピーダンスで設計することが一般的である。基本的な形状のループアンテナの入力インピーダンスは75Ωである。そのため、ループアンテナをそのまま50Ω系の高周波回路と接続するとインピーダンスの不整合を生じ、良好な特性が得られない。入力インピーダンスを75Ωとしたループアンテナでは良好な特性が得られる。そのため、無線通信機器の高周波回路の特性インピーダンスを50Ωから75Ωに変換するため、アンテナへの入力の前段に別途、インピーダンス変換手段(バラン)を設ける必要がある。
本発明は、インピーダンス変換手段を設けることなく、50Ω等の所定値のインピーダンスの特性を有する回路と接続することが可能なループアンテナを提供することを目的とする。
上記の目的を達成する本願発明の一つの側面にかかるループアンテナは、ループ素子と略同心の位置に配置され、ループ素子の給電部と対向する位置にループ素子の半周より小さな開口部が形成された無給電素子を有し、ループ素子の半径は、無給電素子が誘電体基板の他の面上に配置されていない状態のループアンテナが、当該無給電素子が誘電体基板の他の面上に配置されている状態のループアンテナによる無線通信で使用される周波数帯域の中心周波数よりも5%乃至10%低い周波数で共振するように決定される。
本発明によれば、インピーダンス変換手段を設けることなく、インピーダンスの特性が異なる回路と接続できるループアンテナを提供することができる。
第1実施形態にかかるループアンテナの構成を説明する図。 (a)はループ半径(r)を変化させたときのループアンテナの反射特性のシミュレーション結果を示す図、(b)はループ素子の幅(WL)を変化させたときの、ループアンテナの反射特性のシミュレーション結果を示す図。 (a)は無給電素子103の開き角(Φ)を変化させたときのループアンテナの反射特性のシミュレーション結果を示す図。(b)は開き角Φ=284°のときに無給電素子103の幅(Wp)を変化させた場合の反射特性のシミュレーション結果を示す図。 (a)開き角Φ=300°のときに無給電素子103幅(Wp)を変化させた場合の反射特性のシミュレーション結果を示す図。(b)は開き角Φ=316°のときに無給電素子103の幅(Wp)を変化させた場合の反射特性のシミュレーション結果を示す図。 (a)は開き角Φ=300°における周波数2.45GHzでのアンテナ放射指向特性を示す図。(b)開き角Φ=316°における周波数2.45GHzでのアンテナ放射指向特性を示す図。(c)無給電素子が配置されていないループアンテナ単体の場合における、周波数2.45GHzでのアンテナ放射指向特性を示す図。 (a)無給電素子103の開き角(Φ)を変化させたときの反射特性のシミュレーション結果を示す図、(b)最適な開き角Φ=350°における放射指向特性を示す図。 (a)は無給電素子103の開き角(Φ)を変化させたときの反射特性のシミュレーション結果を示す図、(b)は周波数5.4GHzにおける放射指向特性を示す図。 (a)第4実施形態にかかるループアンテナの構成を説明する図、(b)ループ半径(r)を変化させたときの、ループアンテナの反射特性のシミュレーション結果を示す図。 (a)誘電体基板101の厚さ(t)=1mmとし、開き角(Φ)を変化させたときのループアンテナの反射特性のシミュレーション結果を示す図。(b)所望の周波数帯域の中心周波数である2.45GHzにおける最適な開き角Φ=300°におけるループアンテナの放射指向特性を示す図。(c)正八角形無給電素子803を配置しない、八角形ループアンテナ単体の放射指向特性を示す図。
(第1実施形態)
図1の参照により、第1実施形態にかかるループアンテナの構成を説明する。誘電体基板101の一の面上(上面)に導体の円形ループ素子(以下、単に「ループ素子」という)102が配置され、一の面に対して反対側の面である他の面上(下面)に導体の円形無給電素子(以下、単に「無給電素子」という)103が配置されている。無給電素子103のxy平面における中心点とループ素子102のxy平面における中心点とを結ぶ線は略同心で、誘電体基板101の面に対して垂直になるように、無給電素子103とループ素子102とが配置されている。なお、無給電素子103のxy平面における中心点とループ素子102のxy平面における中心点とを結ぶ線は同心にした方がよいが、多少ずれてもよく、本発明が適用できるずれ量は、ループ素子の半径、幅、材質等により異なる。ループ素子102の給電部104が配置されている位置に対して、対向する位置(180°ずれた位置)に無給電素子103は開口部105を有する。半径(r)は、ループ素子102のループ半径を示し、幅(WL)は、ループ素子102のループ幅を示す。角度(Φ)は、無給電素子103の開口部105の開き角であり、幅(Wp)は無給電素子103の幅を示す。厚さ(t)は誘電体基板101の厚さを示す。
誘電体基板101は、一例としてガラスエポキシを用いることが可能であり、比誘電率を4.4とする。また、ループアンテナの周波数として、IEEE802.11b/gの周波数帯域である2.4〜2.5GHzを所望の周波数帯域とする。
次に、本実施形態のループアンテナにおけるパラメータの設定方法を説明する。パラメータの設定方法は3つのステップを有する。第1のステップでは、ループ半径(r)を決定する。本ステップでは、無給電素子103を配置しないで、ループ素子102と誘電体基板101と、における反射特性からループ素子102のループ半径(r)を決定する。
図2は、特性インピーダンスが50Ωの高周波回路に入力インピーダンスが75Ωのループ素子を接続し、無給電素子を配置しない場合の反射特性のシミュレーション結果である。リターンロス:−9.5dBは電圧定在波比(VSWR:Voltage Standing Wave Ratio)が「2」であることと等価である。これは入力された電力のおよそ90%がアンテナに供給されることを示している。本実施形態においては、ループアンテナとして良好な特性をもつための指標として、電圧定在波比(VSWR)の値「2」(リターンロス:−9.5dB)以下を設定する。図2のように、特性インピーダンスが50Ωの高周波回路に入力インピーダンスが75Ωのループ素子を接続し、無給電素子を配置しない場合は、電圧定在波比(VSWR)の値2(リターンロス:−9.5dB)を上回っており、反射特性が良好ではないことが判る。
図2(a)に、ループ半径(r)を変化させたときのループアンテナの反射特性のシミュレーション結果を示す。ここで、誘電体基板101の厚さ(t)=1mmとする。無給電素子103を図1のように配置することで、共振周波数が5%乃至10%高くなる。そのため、ループ半径(r)の決定においては、無給電素子103を配置しない状態で、所望の周波数帯の中心周波数より5%乃至10%低い周波数が共振周波数となるようにループ半径(r)を決定する。ここでは、図2(a)より、例えば、所望の周波数帯域の中心周波数である2.45GHzから5%程度(100MHz程度)低い周波数2.35GHzで共振するループ半径は、(r)=17mmと、(r)=17.5mmである。以下の説明では、ループ半径(r)=17mmを用いることに決定する。ループ素子の長さ(ループ半径)は無給電素子が無い場合の使用周波数より低い周波数(5%乃至10%低い周波数)で共振する長さである。
第2のステップでは、ループ幅(WL)を決定する。誘電体基板101の厚さ(t)=1mm、ループ半径(r)=17mmの場合において、ループ素子の幅(WL)を変化させたときの、ループアンテナの反射特性のシミュレーション結果を図2(b)に示す。図2(b)より、所望の周波数帯域の中心周波数である2.45GHzから5%程度(100MHz程度)低い周波数2.35GHzで共振するループ素子の幅は、WL=0.5mm、1.0mmである。また、WL=1.5〜2.5mmのとき、共振周波数が所望の周波数帯域2.35GHzより高くなる。以下の説明では、所望の周波数帯域内の周波数で共振するループ幅として、WL=1mmを用いることに決定する。
第3のステップでは、無給電素子103の開口部105の開き角(Φ)と、無給電素子103の幅(Wp)と、を決定する。図3は、特性インピーダンスが50Ωの高周波回路に入力インピーダンスが75Ωのループ素子を接続し、無給電素子を配置した場合の反射特性のシミュレーション結果である。図3では、第1のステップ、第2のステップで決定したように、ループ半径(r)=17mm、幅(WL)=1mmのループ素子を用いている。誘電体基板101の厚さ(t)=1mmとし、暫定的に無給電素子103の幅(Wp)=3mmとし、開き角(Φ)を変化させたときのループアンテナの反射特性のシミュレーション結果を図3(a)に示す。図3(a)より、開き角Φを増加させると(開口部を狭くすると)、共振周波数が低くなることがわかる。図3(a)に示したリターンロス:−9.5dBは電圧定在波比(VSWR:Voltage Standing Wave Ratio)が「2」であることと等価である。これは入力された電力のおよそ90%がアンテナに供給されることを示している。本実施形態においては、ループアンテナとして良好な特性をもつための指標として、電圧定在波比(VSWR)の値「2」(リターンロス:−9.5dB)以下を設定する。以下、ループアンテナの電圧定在波比(VSWR)の値は「2」以下で調整するものとして説明する。
2.4〜2.5GHz帯域でリターンロスが−9.5dB以下(電圧定在波比(VSWR)が2以下)となる開き角Φは282°〜318°である。開き角Φが282°は、2.4Ghzにおいてリターンロスが−9.5dBとなり、開き角Φが318°は、2.5GHzにおいてリターンロスが−9.5dBとなる。そのため、本実施例では、2.4〜2.5GHz帯域においてリターンロスが−9.5dBを下回る開き角Φは284°〜316°であり、この開き角を2.4〜2.5GHz帯域で使用可能な開き角Φの許容範囲とする。ここで、開き角Φが300°のとき、所望の周波数帯域(2.4〜2.5GHz帯域)で最も反射特性が良好なため、開き角Φ300°は、最適な開き角Φとなる。無給電素子の開口部は、ループアンテナの使用周波数において電圧定在波比が2以下になる開口量である。
開き角Φの許容範囲で最小値(=284°)、中間値(=300°)、最大値(=316°)としたときの無給電素子103の幅(Wp)を求める。
開き角Φ=284°のときに無給電素子103の幅(Wp)を変化させた場合の反射特性のシミュレーション結果を図3(b)に示す。図3(b)によると、無給電素子103の幅(Wp)が1mmより小さいと、2.4〜2.5GHz帯域の一部においてリターンロスが−9.5dBを越えてしまうため十分な特性が得られていない。図3(b)より所望の周波数帯域(2.4〜2.5GHz帯域)で使用可能な無給電素子103の幅(Wp)は1.5〜5mmであり、無給電素子103の幅(Wp)は大きい方が所望の周波数帯域で良好な特性を得ることができることがわかる。
開き角Φ=300°のときに無給電素子103幅(Wp)を変化させた場合の反射特性のシミュレーション結果を図4(a)に示す。図4(a)より、本シミュレーションでは、所望の周波数帯域(2.4〜2.5GHz帯域)において、無給電素子103の幅(Wp)が0.5mmの場合は2.4GHz付近で十分な特性が得られない。また、無給電素子103の幅(Wp)が12mmの場合は、2.4〜2.5GHz帯域の全域に渡りリターンロスが−9.5dBを越えてしまっている。そのため、有効な無給電素子103の幅(Wp)は0.6mm〜11.0mmである。また、最も反射特性が良好となる最適な無給電素子103の幅(Wp)は3mmである。
開き角Φ=316°のときに無給電素子103の幅(Wp)を変化させた場合の反射特性のシミュレーション結果を図4(b)に示す。無給電素子103の幅(Wp)が7.0mm、8.0mmの場合には2.5Hzにおいてリターンロスが−9.5dBになる。無給電素子103の幅(Wp)が5.0mmになると、所望の周波数帯域(2.4〜2.5GHz帯域)の全てにおいてリターンロスが−9.5dBを下回る。よって、リターンロスが-9.5dB以下の良好な反射特性を得ている無給電素子103の幅(Wp)は0.1mm〜5.0mmであり、無給電素子103の幅(Wp)は小さい方が所望の周波数帯域(2.4〜2.5GHz帯域)で良好な特性を得ている。以上の結果から、所望の周波数帯域(2.4〜2.5GHz帯域)で、最も反射特性が良好となる最適な無給電素子103の開き角は300°であり、最適な無給電素子103の幅(Wp)は3mmである。所望の周波数帯域(2.4〜2.5GHz帯域)において、ループ素子102の幅(WL)と無給電素子103の幅(Wp)との比は、1:3である。
開き角300°と開き角316°における周波数2.45GHzでのアンテナ放射指向特性をそれぞれ、図5(a)、(b)に示す。比較のために図5(c)に、高周波回路に接続せず、無給電素子103が配置されていないループアンテナ(入力インピーダンス75Ωのループアンテナ単体)の場合における、周波数2.45GHzでのアンテナ放射指向特性を示す。図5(a)、(b)、(c)より、無給電素子103を配置しても、ループ素子102単体における放射指向特性とほぼ相似形の良好な放射指向特性である。また、図5(a)、(b)の比較により、開き角を変えても放射指向特性に変化が現れないことがわかる。
先に説明したループアンテナのパラメータの設定方法では無給電素子103の幅(Wp)を暫定的に仮定し、無給電素子103の開き角を決定後、無給電素子103の幅(Wp)の妥当性を検証したが、逆順に設計しても構わない。つまり、無給電素子103の開き角を暫定的に仮定し、無給電素子103の幅(Wp)を決定後、無給電素子103の開き角の妥当性を検証してもよい。
以上のように、ループ素子102の半径、無給電素子103の開き角を順番に設計、あるいは、ループ素子102の半径、無給電素子103の幅を順番に設計すれば、反射特性が良好なループアンテナを設計することが可能である。また、他の誘電体を用いた基板や無線通信に使用する他の周波数帯域においても反射特性が良好なループアンテナを設計することが可能である。
本実施形態によれば、インピーダンス変換手段を設けることなく、インピーダンス特性の異なる高周波回路とループ素子とを接続しても反射特性が良好なループアンテナを設計でき、周波数帯域幅を広げたループアンテナを提供することができる。
(第2実施形態)
本実施形態では、異なる誘電体材料としてテフロン(登録商標)を用いた例を説明する。ループアンテナの構成は第1実施形態の図1と同様である。テフロンは第1実施形態の誘電体基板101で使用したガラスエポキシと比較して低誘電率材料であり、シミュレーションにおいては比誘電率を2.1として計算している。また、無線通信に使用する周波数帯域は、第1実施形態と同様に2.4〜2.5GHzとする。第1実施形態で説明したのと同様のパラメータの設定方法で設計すると、誘電体基板101の厚さ(t)=1mmのとき、ループ素子102のループ半径(r)=18.5mmとなる。ここで、テフロンの場合のループ半径がガラスエポキシのループ半径より大きいのはテフロンの誘電率がガラスエポキシの誘電率より低いためである。また、このとき、ループ幅(WL)=1mm、無給電素子の幅(Wp)=3mmとなる。図6(a)に無給電素子103の開き角を変化させたときの反射特性のシミュレーション結果を示す。図6(a)より、開き角Φが334°、335°では、2.4GHzにおいてリターンロスが−9.5dBになる。開き角Φが340°であれば、所望の周波数帯域(2.4〜2.5GHz帯域)においてリターンロスが−9.5dBを下回る。無線通信に使用する周波数帯域でリターンロスが−9.5dB以下となる良好な反射特性が得られる開き角は340°〜359°となる。開き角Φが350°のとき、所望の周波数帯域(2.4〜2.5GHz帯域)で最も反射特性が良好なため、開き角Φ350°は、最適な開き角Φであることがわかる。最適な開き角=350°における放射指向特性を図6(b)に示す。図5(a)に示した放射指向特性と図6(b)に示した放射指向特性とは相似形であり、異なる誘電体材料を誘電体基板101に用いた場合においても、放射指向特性を変えずに良好な反射特性のループアンテナを設計することが可能である。
(第3実施形態)
本実施形態では、無線通信に使用する周波数帯域を第1実施形態の周波数とは異なる周波数を用いる例を説明する。本実施形態では、無線通信に使用する周波数帯域として、IEEE802.11aの周波数帯域である5.15〜5.35GHz、5.47〜5.725GHzを所望の周波数帯域の例として説明する。ループアンテナの構成は第1実施形態の図1と同様である。誘電体基板101は第1実施形態と同様にガラスエポキシとする。第1実施形態で説明したのと同様の設計手法でループアンテナのパラメータ設計をすると、誘電体基板101の厚さ(t)=1mmのとき、ループ素子102の半径(r)=7.5mmとなる。このとき、無線通信に使用する周波数帯域の中心周波数は約5.5GHzであるので、5.5GHzより500MHz程度低い周波数(約5.0GHz)で共振するループ素子102の半径として、(r)=7.5mmを決定する。このとき、ループ幅(WL)=1mm、無給電素子の幅(Wp)=3mmとなる。図7(a)に開き角を変化させたときの反射特性のシミュレーション結果を示す。図7(a)より、開き角Φが286°の場合は、5.15gHZにおいてリターンロスが−9.5dBになり、開き角Φが306°の場合は、5.75GHzにおいてリターンロスが−9.5dBを上回っている。無線通信に使用する周波数帯域でリターンロスが−9.5dB以下となる良好な反射特性が得られる開き角は287°〜305°となる。
ループ半径(r)=7.5mm, 誘電体基板の厚さ(t)=1mm、開き角294°、無給電素子103の幅(Wp)=3mmとした場合、周波数5.4GHzにおける放射指向特性を図7(b)に示す。図5(a)に示した放射指向特性と図7(b)に示した放射指向特性とは相似形であり、無線通信に使用する周波数帯域による放射指向特性への影響はない。従って、異なる周波数帯域において、放射指向特性を変えずに良好な反射特性のループアンテナを設計することが可能である。
(第4実施形態)
第1実施形態〜第3実施形態で示した例では、ループアンテナを構成するループ素子102および無給電素子103は円形である場合を説明したが、本発明の趣旨は、この例に限定されずに、多角形としてもよい。本実施形態では、ループ素子および無給電素子が正八角形である場合のループアンテナを示す。図8(a)の参照により、第4実施形態にかかるループアンテナの構成を説明する。誘電体基板801の一の面上(上面)に導体の正八角形ループ素子802が配置され、一の面に対して反対側の面である他の面上(下面)に導体の正八角形無給電素子803が配置される(図8(a)の8a、8b)。正八角形無給電素子803の中心点と正八角形ループ素子802の中心点とを結ぶ線は略同心であり、誘電体基板801に対して垂直になるように、正八角形無給電素子803と正八角形ループ素子802とが配置されている。なお、正八角形無給電素子803の中心点と正八角形ループ素子802の中心点とを結ぶ線は同心であることが望ましいが、多少ずれてもよい。
また、正八角形無給電素子803には、正八角形ループ素子802の給電部804が配置されている位置に対して、対向する位置(180°ずれた位置)に開口部805が形成されている(図8(a)の8c)。
半径(r)は、正八角形ループ素子802の中心から頂点までの距離(ループ半径)を示し、幅(WL)は、正八角形ループ素子802のループ幅を示す。角度(Φ)は、正八角形無給電素子803の開口部805の開き角であり、幅(Wp)は正八角形無給電素子803の幅を示す。厚さ(t)は誘電体基板801の厚さを示す。
第1実施形態と同様に誘電体基板801はガラスエポキシとし、無線通信に使用する所望の周波数帯域として、IEEE802.11b/gの周波数帯域である2.4〜2.5GHzとした例を説明する。
正八角形無給電素子803を配置しないで、正八角形ループ素子802と誘電体基板801とにおける反射特性から正八角形ループ素子802のループ半径(r)を決定する。図8(b)に、特性インピーダンスが50Ωの高周波回路に入力インピーダンスが75Ωのループ素子を接続し、無給電素子を配置せずに、ループ半径(r)を変化させたときの、ループアンテナの反射特性のシミュレーション結果を示す。
第1実施形態と同様の手法により、所望の周波数帯の中心周波数より5%乃至10%低い周波数が共振周波数となるようにループ半径(r)を決定する。図8(b)より、例えば、所望の周波数帯域の中心周波数である2.45GHzから5%程度(100MHz程度)低い周波数で共振するループ半径として、(r)=17.5mmを決定する。第1実施形態と同様の手法により、他のパラメータを決定することができる。ここでは、ループ幅(WL)=1mm、正八角形無給電素子803の幅(Wp)=3mm、誘電体基板801の厚さ(t)=1mmとし、開き角を変化させたときのループアンテナの反射特性のシミュレーション結果を図9(a)に示す。図9(a)より、リターンロスが-9.5dB以下となる開き角の範囲は282°〜311°であり、所望の周波数帯域で、最も反射特性が良好となる最適な開き角は300°である。
また、所望の周波数帯域の中心周波数である2.45GHzにおける最適な開き角300°におけるループアンテナの放射指向特性を図9(b)に示す。比較のために、正八角形無給電素子803を配置しない、八角形ループアンテナ単体の放射指向特性を図9(c)に示す。図9(b)、(c)より正八角形無給電素子803を付加した本実施形態の八角形ループアンテナの放射指向特性は、八角形ループアンテナ単体の放射指向特性と相似形であることがわかる。すなわち、八角形ループアンテナにおいても正八角形無給電素子803の付加による放射指向特性に影響はないことがわかる。
本実施形態では異なる形状として正八角形を例に説明したが、同様の手法で多角形形状のループアンテナにおいても良好な反射特性を得ることが可能である。第1乃至第4実施形態では誘電体基板の厚さを1mmとして説明しているが、この例に限定されず厚さが異なる誘電体基板の場合においても同様の手法により、リターンロスが-9.5dB以下の良好な反射特性をもつループアンテナを設計することができる。
第1乃至第4実施形態では誘電体基板としてガラスエポキシとテフロン、周波数帯域としてIEEE802.11b/gとIEEE802.11a、ループアンテナの形状として円形と正八角形について例示的に説明した。本発明の趣旨はこの例に限定されず、第1乃至第4実施形態におけるループアンテナのパラメータの設定方法(設計手順)を適用することにより、他の誘電体、周波数帯域、ループアンテナの形状においても同様に設計することが可能である。
本実施形態によれば、インピーダンス変換手段を設けることなく、50Ω等の所定値のインピーダンスの特性を有する回路と接続することが可能であり、周波数帯域幅を広げたループアンテナを提供することができる。
上記各実施形態によれば、誘電体基板を挟んでループ素子と無給電素子を略同心の位置に配置し、無給電素子には、ループ素子の給電部の位置に対向する半周上の位置に、ループ素子の半周より小さな開口部を設ける。いいかえると、ループ素子のループ面に対して対向し、ループ素子と略同心の位置に無給電素子を配置する。無給電素子には、ループ素子のループ周上の給電部の位置に対向するループ周上の位置に、ループ素子の半周より小さな開口部を設ける。ループアンテナをこのような構成にすることにより、インピーダンスの特性が異なる回路と接続しても好適な特性を得ることができる。
(その他の実施例)
また、本発明ループアンテナのパラメータを設計する手法は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。

Claims (6)

  1. 誘電体基板の一の面上に配置され、給電部が設けられたループ素子と、
    前記誘電体基板の一の面に対して反対側の面である他の面上において、前記ループ素子と略同心の位置に配置され、前記給電部が設けられている位置に対向する位置に前記ループ素子の半周より小さな開口部が形成された無給電素子と、を有し、
    前記ループ素子の半径は、前記無給電素子が前記誘電体基板の前記他の面上に配置されていない状態のループアンテナが、当該無給電素子が前記誘電体基板の前記他の面上に配置されている状態のループアンテナによる無線通信で使用される周波数帯域の中心周波数よりも5%乃至10%低い周波数で共振するように決定されることを特徴とするループアンテナ。
  2. 前記ループアンテナによる無線通信で使用される周波数帯域内の周波数で前記ループアンテナが共振するように前記ループ素子の幅は決定されることを特徴とする請求項に記載のループアンテナ。
  3. 前記ループ素子の幅と、前記無給電素子の幅と、の比は1:3であることを特徴とする請求項に記載のループアンテナ。
  4. 前記ループ素子および前記無給電素子は導体で形成されることを特徴とする請求項1に記載のループアンテナ。
  5. 前記無給電素子の開口部は、ループアンテナの使用周波数において電圧定在波比が2以下になる開口量であることを特徴とする請求項1に記載のループアンテナ。
  6. 前記ループ素子の長さは前記ループアンテナに前記無給電素子が無い場合の使用周波数より低い周波数で共振する長さであることを特徴とする請求項1に記載のループアンテナ。
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