JP5722514B1 - 内視鏡処置具 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2013年05月17日に、日本に出願された特願2013−105605号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
この処置具の先端には、回動軸回りに相対的に回動可能に支持された一対の鉗子部材が設けられている。
そして、操作部を操作してシースに対して操作ワイヤを進退させることで一対の鉗子部材を回動軸回りに相対的に回動させる。このようにして、一対の鉗子部材が互いに当接した閉状態と、一対の鉗子部材が互いに離間した全開状態とを切り替えている。
本発明の第1の態様に係る内視鏡処置具は、シースと、前記シースの先端部に取り付けられた支持部と、前記シースより前方に配置され前記支持部に設けられた回動軸回りに相対的に回動可能に支持され、一対の対向面を有する鉗子部材と、前記シースに進退可能に挿通され、前記回動軸から離間するにしたがって前記回動軸より先端側に前記一対の対向面を互いに接近させ、前記回動軸に接近するにしたがって前記一対の対向面を互いに離間させる線状部材と、前記線状部材または前記支持部に支持された弾性部材と、前記線状部材または前記鉗子部材に設けられた係止部と、を備え、前記線状部材が前記回動軸から離間するように移動して前記一対の対向面が互いに当接したときに前記係止部は自然状態の前記弾性部材から離間し、前記線状部材が前記回動軸に接近するように移動して前記一対の対向面が互いに離間したときに前記係止部は前記自然状態の前記弾性部材に接触する接触位置に移動し、前記接触位置に移動した前記係止部が前記回動軸に接近するようにさらに前記係止部が移動することで、前記弾性部材を弾性的に変形させるとともに、前記係止部が前記接触位置に位置するときよりも前記一対の対向面が離間される。
本発明の第3態様に係る内視鏡処置具によれば、上記第2態様において、前記線状部材は、前記コイルばねが弾性的に圧縮されて前記軸線方向に隣り合う前記素線が互いに当接する位置まで前記回動軸に接近するように移動可能であってもよい。
本発明の第5態様に係る内視鏡処置具によれば、上記第4態様において、前記線状部材は、前記板ばねが平坦な形状に変形するまで前記回動軸に接近するように移動可能であってもよい。
本発明の第7態様に係る内視鏡処置具によれば、上記第6態様において、前記係止部は前記鉗子部材の基端に設けられていてもよい。
以下、本発明に係る内視鏡処置具の第1実施形態を、図1から図3を参照しながら説明する。以下では、内視鏡処置具が把持鉗子である場合を例にとって説明する。
図1に示すように、把持鉗子1は、組織を把持する把持部10と、把持部10の基端側に設けられ可撓性を有する挿入部30と、挿入部30の基端側に設けられ把持部10を操作する操作部40とを備えている。
図1では、後述する滑り防止面12a、13aが閉状態となった把持鉗子1の第1使用形態を示している。
先端カバー部材11は、軸線Cが前後に延びる円筒状をなす円筒部15と、円筒部15の先端面から軸線Cを挟むように延びる一対のカバー16とを有している(一方のカバー16は図示していない)。
円筒部15の先端部には、内周面から突出する環状部材15aが設けられている。環状部材15aの基端側の面は、支持面15bである。円筒部15の基端の内部には、円筒部15の他の部分より内径が大きく設定された段部15cが形成されている。
一対のカバー16の先端部には、カバー16同士を接合する回動軸17が設けられている。
鉗子部材12、13は、一対のカバー16の間に配置されている。先端カバー部材11、および鉗子部材12、13は、ステンレス鋼などの生体適合性を有する金属により形成されている。
このように構成された、鉗子部材12、13、リンク部材19、21、および、回動軸18、20、22は、公知のパンタグラフ型リンク機構を構成する。すなわち、共通回動軸22が基端側に移動して回動軸17から離間するにしたがって鉗子部材12、13が回動軸17回りに回動することで、滑り防止面12a、13aが互いに接近して滑り防止面12a、13aの開き角度が0の閉状態となる。一方で、共通回動軸22が先端側に移動して回動軸17に接近するにしたがって滑り防止面12a、13aが互いに離間して開き角度が最大の全開状態となる。共通回動軸22が先端側に移動して後述するコイルばね35が密巻き状態となるまで、滑り防止面12a、13aの開き角度を大きくすることができる。
なお、ワイヤつなぎ32および操作ワイヤ34で、線状部材を構成する。
シース31としては、ワイヤがシース31の軸線Cに平行なシース31の長手方向Dにいわゆる密巻に巻回されたコイルシースが用いられている。シース31は、可撓性を有するとともに、長手方向Dに耐圧縮性を有している。
シース31の先端の外周面には段部31aが形成されている。シース31の段部31aと先端カバー部材11の段部15cとを係合させた状態で、段部31aと段部15cとをレーザー溶接することなどで、先端カバー部材11の基端部にシース31が取り付けられている。
先端カバー部材11およびシース31をこのように取り付けることで、先端カバー部材11およびシース31の外径を等しくし、把持部10および挿入部30の挿入性を高めることができる。
シース31の外周面には、摩擦抵抗の小さな被覆チューブが設けられていてもよい。
ストッパ33は、ステンレス鋼などで略円柱状に形成され、ストッパ33の軸線が長手方向Dに平行になるように配置されている。ストッパ33の外径は、円筒部15の内径およびシース31の内径よりも小さく設定されている。
操作ワイヤ34はシース31内に進退可能に挿通され、操作ワイヤ34の基端側は操作部40まで延びている。
コイルばね35の素線35aが螺旋状に巻回されるとともに、重力以外の外力が作用しない自然状態で、隣り合う素線35aが螺旋の軸線方向に離間するように、コイルばね35は形成されている。コイルばね35の内径は、ストッパ33の外径よりも大きく設定されている。
コイルばね35は、円筒部15内に配置されている。コイルばね35は、コイルばね35内に螺旋の軸線方向に略平行にワイヤつなぎ32が挿通された状態で先端カバー部材11の支持面15bに取り付けられることで、先端カバー部材11に支持されている。
操作部本体41は略筒状に形成され、操作部本体41の外面には操作部本体41の管路に連通する不図示のスリットが形成されている。操作部本体41の基端部には、指掛けリング41aが設けられている。
スライダ42の側面には、周方向に全周にわたり凹部42aが形成されている。
スライダ42は、操作部本体41の前述のスリットを通して操作ワイヤ34の基端部に取り付けられている。
まず、本実施形態の把持鉗子1の把持部10および挿入部30を生体内などに挿入し、食道の内部など、周囲の空間に比較的余裕がない環境下で把持鉗子1を用いる場合について説明する。
術者は第1使用形態の把持鉗子1の指掛けリング41aに親指を挿通し、スライダ42の凹部に人差し指と中指をかけて把持鉗子1を支持する。把持部10を生体内に挿入する。把持部10が処置対象となる組織の近傍に達したら、操作部本体41に対してスライダ42を押し込む。これにより、図2に示すように、操作ワイヤ34およびワイヤつなぎ32とともに共通回動軸22が先端側に移動して滑り防止面12a、13aが互いに離間していく過程で、ストッパ33が自然状態にあるコイルばね35の基端に接触する接触位置P2に移動し、コイルばね35に係止される。
このとき、滑り防止面12a、13aは、完全には離間していない状態、言い換えれば、開き角度が閉状態と全開状態との間の半開状態となり、把持鉗子1は第2使用形態となる。
また、自然状態にあるコイルばね35の基端の位置は、先端カバー部材11に対して一定であるため、半開状態となった滑り防止面12a、13aの開き角度も一定の値である。
この場合は、前述の第2使用形態となった把持鉗子1において、スライダ42をさらに押し込むと、ストッパ33が接触位置P2から図3に示すようにさらに先端側に移動して圧縮位置P3に移り、ストッパ33と支持面15bとによってコイルばね35が長手方向Dに弾性的に圧縮される。
このとき、操作ワイヤ34とともに共通回動軸22が先端側に移動することで、滑り防止面12a、13aはストッパ33が接触位置P2にあるときよりも開き角度が大きくなる。
長手方向Dに隣り合う素線35aが互いに当接する位置まで、すなわち、コイルばね35がいわゆる密巻き状態になるまで圧縮されると、コイルばね35をこれ以上圧縮できなくなる。このときの滑り防止面12a、13aは開き角度が最も大きい全開状態となり、把持鉗子1は第3使用形態となる。
自然状態にあるコイルばね35にストッパ33が接触する接触位置P2は一定となるため、半開状態での滑り防止面12a、13aの開き角度を一定にすることができる。
さらに、密巻き状態となるまで圧縮されたコイルばね35は、これ以上圧縮することができなくため、滑り防止面12a、13aが全開状態であることを術者が容易に認識することができる。
密巻き状態になったときのコイルばね35の基端の位置は一定となるため、全開状態となった滑り防止面12a、13aの開き角度を一定にすることができる。
次に、本発明の第2実施形態について図4から図6を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図4に示すように、本実施形態の把持鉗子2は、第1実施形態の把持鉗子1のコイルばね35に代えて板ばね(弾性部材)51を備えている。
自然状態における板ばね51の外径は先端カバー部材11の環状部材15aの内径よりも大きく設定され、貫通孔51aの内径はストッパ33の外径より小さく設定されている。
本実施形態では、板ばね51は支持面15bに取り付けられておらず、支持面15bとストッパ33との間に配置されている。
そして、スライダ42を押し込むことで、図5に示すように、ストッパ33は自然状態にある板ばね51の基端に接触する接触位置P2に移動する。このとき、滑り防止面12a、13aは一定距離離間した半開状態となり、把持鉗子2は第2使用形態となる。自然状態にある板ばね51の基端の位置は先端カバー部材11に対して一定となるため、半開状態となった滑り防止面12a、13aの開き角度も一定の値となる。
板ばねが平坦な形状に変形するまでストッパ33が先端側に移動して圧縮位置P3に達すると、ストッパ33はこれ以上先端側に移動できなくなる。このときの滑り防止面12a、13aは開き角度が最も大きい全開状態となり、把持鉗子2は第3使用形態となる。
さらに、弾性部材が板ばね51であるため、第1実施形態のようにコイルばね35を用いる場合に比べて弾性部材の長手方向Dの長さが短くなる。これにより、把持鉗子2の長手方向Dの長さを短くすることができる。
把持鉗子2の第3使用形態において、板ばね51が平坦な形状になるまで変形させることで、スライダ42をさらに押し込むことができなくなる。したがって、滑り防止面12a、13aが全開状態であることを術者が容易に認識することができる。
次に、本発明の第3実施形態について図7から図10を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図7および図8に示すように、本実施形態の把持鉗子3は、第1実施形態の把持鉗子1のワイヤつなぎ32、ストッパ33、操作ワイヤ34、およびコイルばね35に代えて、操作ワイヤ(線状部材)61、および弾性部材62を備えている。
弾性部材62は、ゴムなどの弾性を有する材料で円筒状に形成されている。弾性部材62の内径は、カバー16の外径(一対のカバー16が並んだ方向の一対のカバー16全体としての外形)と等しいか、わずかに小さい程度に設定されている。弾性部材62は、一対のカバー16に外嵌するときに、カバー16に接触している接触部62a(図8参照)がカバー16の外周面に圧縮力を作用させることで、一対のカバー16に支持されている。弾性部材62のうちカバー16に接触していない非接触部62bは、重力以外の外力が作用しない自然状態にある。
本実施形態では、鉗子部材12、13の基端が係止部12b、13bである。
そして、スライダ42を押し込むことで、図9に示すように、係止部12b、13bは径方向外側に移動し、自然状態にある弾性部材62の非接触部62bに接触する接触位置P2に移動する。自然状態にある非接触部62bの位置は、先端カバー部材11に対して一定となるため、半開状態となった滑り防止面12a、13aの開き角度も一定の値となる。
このとき、操作ワイヤ61とともに共通回動軸22が先端側に移動するため、滑り防止面12a、13aは開き角度が最も大きい全開状態となり、把持鉗子3は第3使用形態となる。
鉗子部材12、13の基端が係止部12b、13bであるため、係止部12b、13bが変形させる弾性部材62を鉗子部材12、13の先端側に設けられた滑り防止面12a、13aから遠ざけることができる。これにより、滑り防止面12a、13aが開く際に弾性部材62が支障となるのを防止することができる。
また、弾性部材62は円筒状に形成されているとしたが、長手方向Dに直交する平面による弾性部材の断面形状は、楕円形や多角形などでもよい。
次に、本発明の第4実施形態について図11から図13を参照しながら説明するが、前記実施形態と同一の部位には同一の符号を付してその説明は省略し、異なる点についてのみ説明する。
図11に示すように、本実施形態の把持鉗子4は、第3実施形態の把持鉗子3の先端カバー部材11、シース31、および弾性部材62に代えて、先端カバー部材71、シース72、および被覆チューブ73を備えている。
シース72は、先端側に設けられた先端側シース75と、基端側に設けられた基端側シース76とが溶接などで接続された構成である。
先端側シース75の外径は円筒部15の外径とほぼ等しく設定され、基端側シース76の外径はカバー16の外径とほぼ等しく設定されている。先端側シース75と基端側シース76との接続部分には段部76aが形成されている。
被覆チューブ73には先端カバー部材71およびシース72が挿通されていて、長手方向Dにおいて、先端カバー部材71の段部16aとシース72の段部76aとの間にストッパ部材77が配置されている。
図13に示すように、シース72に対して被覆チューブ73を引き戻してストッパ部材77をシース72の段部76aに係止させることで、長手方向Dにおいて係止部12b、13bより基端側に被覆チューブ73の先端が配置される。この状態を保持したままスライダ42をさらに押し込むと、係止部12b、13bが径方向外側に移動し滑り防止面12a、13aの開き角度が大きくなることで、滑り防止面12a、13aは全開状態となり、把持鉗子4は第3使用形態となる。
たとえば、前記第1実施形態から第4実施形態では、鉗子部材12、13の両方が回動軸17回りに回動するとしたが、一方の鉗子部材を先端カバー部材に固定するとともに、他方の鉗子部材のみが回動軸17回りに回動するように構成してもよい。
11、71 先端カバー部材(支持部)
12、13 鉗子部材
12a、13a 滑り防止面(対向面)
12b、13b 係止部
15b 支持面
17 回動軸
31、72 シース
33 ストッパ(係止部)
35 コイルばね(弾性部材)
35a 素線
51 板ばね(弾性部材)
51a 貫通孔
P2 接触位置
Claims (7)
- シースと、
前記シースの先端部に取り付けられた支持部と、
前記シースより前方に配置され前記支持部に設けられた回動軸回りに相対的に回動可能に支持され、一対の対向面を有する鉗子部材と、
前記シースに進退可能に挿通され、前記回動軸から離間するにしたがって前記回動軸より先端側に前記一対の対向面を互いに接近させ、前記回動軸に接近するにしたがって前記一対の対向面を互いに離間させる線状部材と、
前記線状部材または前記支持部に支持された弾性部材と、
前記線状部材または前記鉗子部材に設けられた係止部と、
を備え、
前記線状部材が前記回動軸から離間するように移動して前記一対の対向面が互いに当接したときに前記係止部は自然状態の前記弾性部材から離間し、
前記線状部材が前記回動軸に接近するように移動して前記一対の対向面が互いに離間したときに前記係止部は前記自然状態の前記弾性部材に接触する接触位置に移動し、
前記接触位置に移動した前記係止部が前記回動軸に接近するようにさらに前記係止部が移動することで、前記弾性部材を弾性的に変形させるとともに、前記係止部が前記接触位置に位置するときよりも前記一対の対向面が離間される
内視鏡処置具。 - 前記弾性部材は、素線が螺旋状に巻回されるとともに、隣り合う前記素線が前記自然状態で螺旋の軸線方向に離間したコイルばねであり、
前記コイルばねは、前記コイルばね内に前記螺旋の軸線方向に略平行に前記線状部材が挿通されて支持され、
前記係止部は、前記コイルばねより前記線状部材の基端側に設けられ、
前記支持部は、前記コイルばねより先端側に、前記コイルばねを支持する支持面を有し、
前記線状部材が前記回動軸に接近するように移動したときに、前記係止部と前記支持面とで前記コイルばねを前記シースの長手方向に圧縮させる
請求項1に記載の内視鏡処置具。 - 前記線状部材は、前記コイルばねが弾性的に圧縮されて前記軸線方向に隣り合う前記素線が互いに当接する位置まで前記回動軸に接近するように移動可能である
請求項2に記載の内視鏡処置具。 - 前記弾性部材は、前記弾性部材の厚さ方向が前記シースの長手方向に平行となるように配置されるとともに、前記自然状態で前記長手方向のいずれか一方が凸となるように湾曲した板ばねであり、
前記板ばねには、前記厚さ方向に貫通する貫通孔が形成され、
前記板ばねの前記貫通孔に前記線状部材が挿通されて支持され、
前記係止部は、前記板ばねより前記線状部材の前記基端側に設けられ、
前記支持部は、前記板ばねより先端側に、前記板ばねを支持する支持面を有し、
前記線状部材が前記回動軸に接近するように移動したときに、前記係止部と前記支持面とで前記板ばねを平坦な形状に近づける
請求項1に記載の内視鏡処置具。 - 前記線状部材は、前記板ばねが平坦な形状に変形するまで前記回動軸に接近するように移動可能である
請求項4に記載の内視鏡処置具。 - 前記弾性部材は、筒状に形成され、前記支持部に外嵌することで前記支持部に支持され、
前記係止部は、少なくとも一方の前記鉗子部に設けられ、
前記線状部材が前記回動軸に接近するように移動したときに、前記係止部が前記弾性部材を変形させる
請求項1に記載の内視鏡処置具。 - 前記係止部は前記鉗子部材の基端に設けられている
請求項6に記載の内視鏡処置具。
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