JP5721449B2 - 軌道輪および転がり軸受 - Google Patents

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Description

本発明は軌道輪および転がり軸受に関し、より特定的には、高周波焼入によって焼入硬化層が転走面に沿って全周にわたって形成された転がり軸受の軌道輪、および当該軌道輪を備えた転がり軸受に関するものである。
鋼からなる転がり軸受の軌道輪に対する焼入硬化処理として、高周波焼入が採用される場合がある。この高周波焼入は、軌道輪を炉内で加熱した後、油などの冷却液中に浸漬する一般的な焼入硬化処理に比べて、設備を簡略化できるとともに、短時間での熱処理が可能となるなどの利点を有している(たとえば、特許文献1および2参照)。
特開平6−17823号公報 特開平6−200326号公報
しかしながら、高周波焼入により焼入硬化された軌道輪は、使用環境によっては耐久性が不十分になるという問題があった。たとえば、1000mm以上の内径を有する大型の転がり軸受の軌道輪においては、転動体と軌道輪との接触応力が大きくなる場合が多い。また、大型の転がり軸受においては、運転と停止とが繰り返されることにより、転動体と軌道輪との間の油膜の形成が不十分となり、十分な耐久性を確保するためには高い耐摩耗性が要求される場合も少なくない。このような過酷な環境下において使用される大型の転がり軸受の軌道輪に用いられる場合、高周波焼入により焼入硬化された従来の軌道輪は十分な耐久性を有していないという問題があった。
本発明は上述のような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、高周波焼入によって焼入硬化層が転走面に沿って全周にわたって形成され、かつ耐久性に優れた転がり軸受の軌道輪、および当該軌道輪を備えた転がり軸受を提供することである。
本発明に従った軌道輪は、1000mm以上の内径を有する転がり軸受の軌道輪である。この軌道輪は、過共析鋼からなり、高周波焼入によって焼入硬化層が転走面に沿って全周にわたって形成されており、転走面における炭化物の面積率が5.2%以上であり、硬度が60HRC以上である。上記過共析鋼はJIS規格高炭素クロム軸受鋼のうち、SUJ3またはSUJ5である。
従来、高周波焼入により焼入硬化層が形成される軌道輪の素材としては、亜共析鋼が採用されていた。これは以下のような理由による。すなわち、素材として亜共析鋼を採用した場合、焼入の加熱において鋼に含まれる炭素を全量素地に溶け込ませ、その状態で冷却して硬化させることで本来の特性が得られる。一方、素材として過共析鋼を採用した場合、同様に焼入硬化処理を実施すると、十分な特性が得られないばかりか、焼割れが発生する場合もある。そのため、高周波焼入により焼入硬化層が形成される軌道輪の素材としては、亜共析鋼が採用されていた。
また、内径が1000mm以上であるような大型の軌道輪の高周波焼入には、小型の誘導加熱コイルを用いた移動焼入が採用される場合がある。この移動焼入においては、軌道輪の加熱すべき環状の領域の一部に対向して配置され、当該領域に沿って相対的に移動するコイルを用いて高周波誘導加熱を実施し、加熱された領域に対してコイルの通過直後に水などの冷却液を噴射することにより、当該領域を順次焼入硬化する。しかし、このような方法では、焼入が開始された領域(焼入開始領域)からコイルが一回りし、最後に焼入を実施すべき領域(焼入終了領域)を焼入硬化する際、焼入開始領域と焼入終了領域とが部分的に重複する。そのため、当該領域の周辺に硬度が低下した領域が形成され、焼入硬化層を転走面に沿って全周にわたって形成することができない。そのため、硬化層の途切れた領域の硬度不足に起因した耐久性の低下が避けられないという問題があった。
これに対し、本発明者は、1000mm以上の内径を有する転がり軸受の軌道輪のような大型軸受の軌道輪においては、焼入硬化処理において鋼に含まれる炭素の一部を炭化物として残存させた状態で冷却して硬化させることが可能な過共析鋼を用いて焼入硬化層を転走面に沿って全周にわたって形成することにより、従来よりも耐久性に優れた軌道輪が得られることを見出し、本発明に想到した。
すなわち、本発明の軌道輪は、素材として過共析鋼が採用されるとともに、高周波焼入によって焼入硬化層が転走面に沿って全周にわたって形成された大型軸受の軌道輪である。これにより、本発明の軌道輪によれば、高周波焼入によって焼入硬化層が転走面に沿って全周にわたって形成され、かつ耐久性に優れた転がり軸受の軌道輪を提供することができる。
上記軌道輪においては、転走面における炭化物の面積率が5.2%以上であり、硬度が60HRC以上であ。このように転走面において十分な量の炭化物を残存させつつ60HRC以上という高い硬度を確保することにより耐摩耗性が向上し、転動体と軌道輪との接触応力が大きく、かつ転動体と軌道輪との間の油膜の形成が不十分な環境下において用いられた場合でも十分な耐久性を有する軌道輪を提供することができる。
ここで、「炭化物」とはFeCで表わされる鉄の炭化物(セメンタイト)を主体とした炭化物である。また、炭化物の面積率は、たとえば以下のような方法で調査することができる。まず、軌道輪を転走面に垂直な断面において切断し、当該断面を研磨する。その後、腐食液としてピクラル(ピクリン酸アルコール溶液)を用いて断面を腐食し、転走面直下の金属組織を光学顕微鏡または走査型電子顕微鏡にて観察し、写真を撮影する。そして、当該写真を画像処理装置により画像処理し、炭化物の面積率を算出する。
上記軌道輪においては、上記過共析鋼はJIS規格高炭素クロム軸受鋼のうち、SUJ3またはSUJ5である。高炭素クロム軸受鋼は、規格鋼であるため入手が容易で、かつ軌道輪の素材として好適である。また、軌道輪の体積が大きく、高い焼入性が要求される場合、高炭素クロム軸受鋼の中でもSUJ3またはSUJ5が採用されることが好ましい。
上記軌道輪においては、転走面が全周にわたって負荷域となっていてもよい。高周波焼入によって焼入硬化層が転走面に沿って全周にわたって形成された本発明の軌道輪は、転走面が全周にわたって負荷域となっている軌道輪に好適である。なお、負荷域とは、転走面において転動体との間で接触応力が発生する領域をいう。
本発明に従った転がり軸受は、内輪と、内輪の外周側を取り囲むように配置された外輪と、内輪と外輪との間に配置された複数の転動体とを備えている。そして、内輪および外輪の少なくともいずれか一方は上記本発明の軌道輪である。
本発明の転がり軸受によれば、上記本発明の軌道輪を備えていることにより、耐久性に優れた大型の転がり軸受を提供することができる。
上記転がり軸受は、油膜パラメータΛの値が1以下の環境下において使用されるものであってもよい。素材として過共析鋼を採用し、耐久性が向上した軌道輪を含む本発明の転がり軸受は、油膜パラメータΛの値が1以下という過酷な環境下での使用に好適である。
上記転がり軸受は、風力発電装置において、内輪にはブレードに接続された主軸が貫通して固定され、外輪はハウジングに対して固定されることにより、主軸をハウジングに対して回転自在に支持する転がり軸受(風力発電装置用転がり軸受)として用いることができる。上記耐久性に優れた大型の転がり軸受である本発明の転がり軸受は、風力発電装置用転がり軸受として好適である。
また、上記風力発電装置は洋上風力発電に用いられるものであってもよい。洋上風力発電に用いられる転がり軸受は、補修作業が困難であるため、特に高い耐久性を有していることが好ましい。そして、耐久性に優れた軌道輪を備えた本発明の転がり軸受は、このような用途に好適である。
以上の説明から明らかなように、本発明の軌道輪および転がり軸受によれば、高周波焼入によって焼入硬化層が転走面に沿って全周にわたって形成され、かつ耐久性に優れた転がり軸受の軌道輪、および当該軌道輪を備えた転がり軸受を提供することができる。
転がり軸受内輪の製造方法の概略を示すフローチャートである。 焼入硬化工程を説明するための概略図である。 図2の線分III−IIIに沿う断面を示す概略断面図である。 実施の形態2における焼入硬化工程を説明するための概略図である。 実施の形態3における焼入硬化工程を説明するための概略図である。 風力発電装置用転がり軸受を備えた風力発電装置の構成を示す概略図である。 図6における主軸用軸受の周辺を拡大して示す概略断面図である。 各温度における保持時間と炭化物の面積率との関係を示す図である。 各温度における保持時間と硬さとの関係を示す図である。 適切な保持時間および保持温度の範囲を示す図である。 移動焼入を実施した場合の転走面の任意の一点における温度履歴を示す図である。 実施の形態における焼入を実施した場合の転走面の任意の一点における温度履歴を示す図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
まず、転がり軸受の軌道輪である内輪の製造方法を例に、本発明の一実施の形態である実施の形態1について説明する。図1を参照して、本実施の形態における内輪の製造方法では、まず工程(S10)として成形体準備工程が実施される。この工程(S10)では、過共析鋼の鋼材が準備され、鍛造、旋削などの加工が実施されることにより、所望の内輪の形状に応じた形状を有する成形体が作製される。より具体的には、たとえば1000mm以上の内径を有する内輪の形状に応じた成形体が作製される。ここで、上記過共析鋼としては、たとえばJIS規格高炭素クロム軸受鋼であるSUJ3、SUJ5などを採用することができる。
次に、工程(S20)として、焼ならし工程が実施される。この工程(S20)では、工程(S10)において作製された成形体がA変態点以上の温度に加熱された後、A変態点未満の温度に冷却されることにより焼ならし処理が実施される。このとき、焼ならし処理の冷却時における冷却速度は、成形体を構成する鋼がマルテンサイトに変態しない冷却速度、すなわち臨界冷却速度未満の冷却速度であればよい。そして、焼ならし処理後の成形体の硬度は、この冷却速度が大きくなると高く、冷却速度が小さくなると低くなる。そのため、当該冷却速度を調整することにより、所望の硬度を成形体に付与することができる。
次に、図1を参照して、焼入硬化工程が実施される。この焼入硬化工程は、工程(S30)として実施される誘導加熱工程と、工程(S40)として実施される冷却工程とを含んでいる。工程(S30)では、図2および図3を参照して、誘導加熱部材としてのコイル21が、成形体10において転動体が転走すべき面である転走面11(環状領域)の一部に面するように配置される。ここで、コイル21において転走面11に対向する面は、図3に示すように転走面11に沿った形状を有している。次に、成形体10が中心軸周り、具体的には矢印αの向きに回転されるとともに、コイル21に対して電源(図示しない)から高周波電流が供給される。これにより、成形体10の転走面11を含む表層領域がA点以上の温度に誘導加熱され、転走面11に沿った円環状の加熱領域11Aが形成される。このとき、転走面11の表面の温度は、放射温度計などの温度計22により測定され、管理される。
次に、工程(S40)においては、工程(S30)において形成された加熱領域11Aを含む成形体10全体に対して、たとえば冷却液としての水が噴射されることにより、加熱領域11A全体がM点以下の温度に同時に冷却される。これにより、加熱領域11Aがマルテンサイトに変態し、硬化する。以上の手順により、高周波焼入が実施され、焼入硬化工程が完了する。
ここで、高周波焼入においては、加熱温度が高く保持時間が長いほど、鋼中の炭化物が鋼の素地に溶け込み、素地の炭素濃度が上昇する。そして、その後M点以下の温度に冷却されて焼入硬化が完了した時点における鋼の硬度は、基本的には素地の炭素濃度の上昇に伴って上昇する。しかし、素地の炭素濃度が高くなり過ぎると、残留オーステナイト量が上昇し、硬さが低下する。また、炭化物の素地への溶け込み量が上昇すると、これに伴って焼入硬化後の鋼中に存在する炭化物の量が少なくなり、耐摩耗性が低下する。したがって、加熱領域11A全体が冷却された後、転走面11に所定量以上の炭化物が残存し、かつ転走面11が所定の硬度以上となる予め決定された温度および時間の範囲となるように、加熱領域11Aの温度が保持された後、加熱領域11A全体が冷却されることが好ましい。これにより、耐摩耗性を含む耐久性に優れた内輪(軌道輪)を製造することができる。
より具体的には、本発明者の検討によれば、耐摩耗性を含む耐久性に優れた軌道輪を得るためには、加熱領域11A全体が冷却された後、転走面11における炭化物の面積率が5.2%以上、硬度が62HRC以上となる予め決定された温度および時間の範囲となるように、加熱領域11Aの温度が保持された後、加熱領域11A全体が冷却されることが好ましい。
なお、A点とは鋼を加熱した場合に、鋼の組織がフェライトからオーステナイトに変態を開始する温度に相当する点をいう。また、M点とはオーステナイト化した鋼が冷却される際に、マルテンサイト化を開始する温度に相当する点をいう。
次に、工程(S50)として焼戻工程が実施される。この工程(S50)では、工程(S30)および(S40)において焼入硬化された成形体10が、たとえば炉内に装入され、A点以下の温度に加熱されて所定の時間保持されることにより、焼戻処理が実施される。これにより、転走面11の硬度は低下するものの、好ましくは60HRC以上の硬度が確保される。
次に、工程(S60)として仕上工程が実施される。この工程(S60)では、たとえば転走面11に対して研磨加工などの仕上げ加工が実施される。以上のプロセスにより、転がり軸受の軌道輪である内輪が完成し、本実施の形態における軌道輪の製造は完了する。
このようにして製造される本実施の形態における内輪10は、図2および図3を参照して、たとえば1000mm以上の内径dを有し、高炭素クロム軸受鋼などの過共析鋼(SUJ3、SUJ5など)からなり、高周波焼入によって焼入硬化層11Aが転走面11に沿って全周にわたって均質に形成されている。これにより、本実施の形態における内輪10は、高周波焼入によって焼入硬化層11Aが転走面11に沿って全周にわたって形成され、かつ耐久性に優れた転がり軸受の軌道輪となっている。
また、内輪10においては、転走面11における炭化物の面積率が5.2%以上であり、硬度が60HRC以上であることが好ましい。これにより、転動体と内輪10との接触応力が大きく、かつ転動体と内輪10との間の油膜の形成が不十分な環境下において用いられた場合でも十分な耐久性を有する内輪10を得ることができる。なお、このような構成は、上記焼入硬化工程において、転走面11における上記炭化物の面積率および硬度を達成可能な予め決定された温度および時間の範囲となるように、加熱領域11Aの温度が保持された後、加熱領域11A全体が冷却されることにより得られる。
また、本実施の形態では、工程(S30)において、成形体10の転走面の一部に面するように配置されたコイル21を周方向に沿って相対的に回転させることにより、成形体10に加熱領域11Aが形成される。そのため、成形体10の外形形状に対して小さいコイル21を採用することが可能となっており、大型の成形体10を焼入硬化する場合でも、焼入装置の製作コストを抑制することができる。また、本実施の形態では、加熱領域11A全体がM点以下の温度に同時に冷却される。そのため、周方向に均質な環状の焼入硬化領域を形成することが可能となり、一部の領域に残留応力が集中することが抑制される。さらに、本実施の形態では、焼入硬化により十分に高い硬度および十分な炭化物量を実現できる過共析鋼が素材として採用されている。その結果、本実施の形態における内輪の製造方法によれば、焼入装置の製作コストを抑制しつつ、高周波焼入によって焼入硬化層を転走面に沿って全周にわたって均質に形成し、かつ耐摩耗性を含む耐久性に優れた内輪(軌道輪)を製造することができる。
なお、上記工程(S20)は、本発明の軌道輪の製造方法において必須の工程ではないが、これを実施することにより、製造される軌道輪の非硬化領域(焼入硬化層以外の領域)の硬度を調整することができる。
また、上記工程(S20)においては、成形体10に気体とともに硬質の粒子が吹き付けられることにより、成形体10が冷却されつつショットブラスト処理が実施されてもよい。これにより、焼ならし処理の際の衝風冷却と同時にショットブラスト処理を実施することができる。そのため、焼きならし処理の加熱によって成形体10の表層部に生成したスケールが除去され、スケールの生成に起因した軌道輪の特性低下やスケールの生成による熱伝導率の低下が抑制される。ここで、硬質の粒子(投射材)としては、たとえば鋼や鋳鉄などからなる金属製の粒子を採用することができる。
さらに、上記工程(S30)では、成形体10は少なくとも1回転すればよいが、周方向における温度のばらつきを抑制し、より均質な焼入硬化を実現するためには、複数回回転することが好ましい。すなわち、誘導加熱部材としてのコイル21は、成形体10の転走面の周方向に沿って相対的に2周以上回転することが好ましい。
(実施の形態2)
次に、本発明の他の実施の形態である実施の形態2について説明する。実施の形態2における内輪の製造方法は、基本的には実施の形態1の場合と同様に実施され、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態2における内輪の製造方法は、工程(S30)におけるコイル21の配置において、実施の形態1の場合とは異なっている。
すなわち、図4を参照して、実施の形態2における工程(S30)では、成形体10を挟んで一対のコイル21が配置される。そして、成形体10が矢印αの向きに回転されるとともに、コイル21に対して電源(図示しない)から高周波電流が供給される。これにより、成形体10の転走面11を含む表層領域がA点以上の温度に誘導加熱され、転走面11に沿った円環状の加熱領域11Aが形成される。
このように、コイル21が成形体10の周方向に沿って複数個(本実施の形態では2個)配置されることにより、実施の形態2における転がり軸受の内輪の製造方法は、周方向における温度のばらつきを抑制し、均質な焼入硬化を実現可能な軌道輪の製造方法となっている。また、周方向における温度のばらつきを一層抑制するためには、コイル21は成形体10の周方向において等間隔に配置されることが好ましい。
(実施の形態3)
次に、本発明のさらに他の実施の形態である実施の形態3について説明する。実施の形態3における内輪の製造方法は、基本的には実施の形態1および2の場合と同様に実施され、同様の効果を奏する。しかし、実施の形態3における内輪の製造方法は、工程(S30)における温度計22の配置において、実施の形態1および2の場合とは異なっている。
すなわち、図5を参照して、実施の形態3における工程(S30)では、加熱領域である転走面11の複数箇所(ここでは4箇所)の温度が測定される。より具体的には、実施の形態3の工程(S30)では、成形体10の転走面11の周方向に沿って等間隔に複数の温度計22が配置される。
これにより、転走面11の周方向において同時に複数箇所の温度が測定されるため、転走面11の周方向において均質な加熱が実現されていることを確認した上で成形体10を急冷し、焼入硬化処理を実施することができる。その結果、実施の形態3における転がり軸受の内輪の製造方法によれば、転走面11の周方向において一層均質な焼入硬化を実現することができる。
なお、上記実施の形態においてはコイル21を固定し、成形体10を回転させる場合について説明したが、成形体10を固定し、コイル21を成形体10の周方向に回転させてもよいし、コイル21および成形体10の両方を回転させることにより、コイル21を成形体10の周方向に沿って相対的に回転させてもよい。ただし、コイル21には、コイル21に電流を供給する配線などが必要であるため、上述のようにコイル21を固定することが合理的である場合が多い。
また、上記実施の形態においては、軌道輪の一例としてラジアル型転がり軸受の内輪が製造される場合について説明したが、本発明を適用可能な軌道輪はこれに限られず、たとえばラジアル型転がり軸受の外輪であってもよいし、スラスト型軸受の軌道輪であってもよい。ここで、工程(S20)において、たとえばラジアル型転がり軸受の外輪を加熱する場合、コイル21を成形体の内周側に形成された転走面に面するように配置すればよい。また、工程(S20)において、たとえばスラスト型転がり軸受の軌道輪を加熱する場合、コイル21を成形体の端面側に形成された転走面に面するように配置すればよい。
さらに、成形体10の周方向における誘導加熱部材としてのコイル21の長さは、効率よく均質な加熱を実現するように適切に決定することができるが、たとえば加熱すべき領域の長さの1/12程度、すなわち成形体(軌道輪)の中心軸に対する中心角が30°となる程度の長さとすることができる。
さらに、本発明における高周波焼入の具体的な条件は、軌道輪(成形体)の大きさ、肉厚、材質、電源の容量など条件を考慮して、適切に設定することができる。
また、周方向における温度のばらつきを抑制するためには、誘導加熱完了後、M点以下の温度への冷却前に、成形体を加熱が停止された状態に保持する工程を設けることが好ましい。より具体的には、上記成形体の形状および加熱条件の下においては、たとえば加熱完了後3秒間加熱を停止した状態に保持することにより、加熱された領域の表面における周方向の温度のばらつきを20℃以下程度にまで抑制することができる。
(実施の形態4)
次に、本発明の軌道輪が風力発電装置用軸受(風力発電装置用転がり軸受)を構成する軌道輪として用いられる実施の形態4について説明する。
図6を参照して、風力発電装置50は、旋回翼であるブレード52と、ブレード52の中心軸を含むように、一端においてブレード52に接続された主軸51と、主軸51の他端に接続された増速機54とを備えている。さらに、増速機54は、出力軸55を含んでおり、出力軸55は、発電機56に接続されている。主軸51は、風力発電装置用転がり軸受である主軸用軸受3により、軸まわりに回転自在に支持されている。また、主軸用軸受3は、主軸51の軸方向に複数個(図6では2個)並べて配置されており、それぞれハウジング53により保持されている。主軸用軸受3、ハウジング53、増速機54および発電機56は、機械室であるナセル59の内部に格納されている。そして、主軸51は一端においてナセル59から突出し、ブレード52に接続されている。
次に、風力発電装置50の動作について説明する。図6を参照して、風力を受けてブレード52が周方向に回転すると、ブレード52に接続された主軸51は、主軸用軸受3によりハウジング53に対して支持されつつ、軸まわりに回転する。主軸51の回転は、増速機54に伝達されて増速され、出力軸55の軸まわりの回転に変換される。そして、出力軸55の回転は、発電機56に伝達され、電磁誘導作用により起電力が発生して発電が達成される。
次に、風力発電装置50の主軸51の支持構造について説明する。図7を参照して、風力発電装置用転がり軸受としての主軸用軸受3は、風力発電装置用転がり軸受の軌道輪としての環状の外輪31と、外輪31の内周側に配置された風力発電装置用転がり軸受の軌道輪としての環状の内輪32と、外輪31と内輪32との間に配置され、円環状の保持器34に保持された複数のころ33とを備えている。外輪31の内周面には外輪転走面31Aが形成されており、内輪32の外周面には2つの内輪転走面32Aが形成されている。そして、2つの内輪転走面32Aが、外輪転走面31Aに対向するように、外輪31と内輪32とは配置されている。さらに、複数のころ33は、2つの内輪転走面32Aのそれぞれに沿って、外輪転走面31Aと内輪転走面32Aとに、ころ接触面33Aにおいて接触し、かつ保持器34に保持されて周方向に所定のピッチで配置されることにより複列(2列)の円環状の軌道上に転動自在に保持されている。また、外輪31には、外輪31を径方向に貫通する貫通孔31Eが形成されている。この貫通孔31Eを通して、外輪31と内輪32との間の空間に潤滑剤を供給することができる。以上の構成により、主軸用軸受3の外輪31および内輪32は、互いに相対的に回転可能となっている。
一方、ブレード52に接続された主軸51は、主軸用軸受3の内輪32を貫通するとともに、外周面51Aにおいて内輪の内周面32Fに接触し、内輪32に対して固定されている。また、主軸用軸受3の外輪31は、ハウジング53に形成された貫通孔の内壁53Aに外周面31Fにおいて接触するように嵌め込まれ、ハウジング53に対して固定されている。以上の構成により、ブレード52に接続された主軸51は、内輪32と一体に、外輪31およびハウジング53に対して軸まわりに回転可能となっている。
さらに、内輪転走面32Aの幅方向両端には、外輪31に向けて突出する鍔部32Eが形成されている。これにより、ブレード52が風を受けることにより発生する主軸51の軸方向(アキシャル方向)の荷重が支持される。また、外輪転走面31Aは、球面形状を有している。そのため、外輪31と内輪32とは、ころ33の転走方向に垂直な断面において、当該球面の中心を中心として互いに角度をなすことができる。すなわち、主軸用軸受3は、複列自動調心ころ軸受である。その結果、ブレード52が風を受けることにより主軸51が撓んだ場合であっても、ハウジング53は、主軸用軸受3を介して主軸51を安定して回転自在に保持することができる。
そして、実施の形態4における風力発電装置用転がり軸受の軌道輪としての外輪31および内輪32は、たとえば上記実施の形態1〜3に記載の軌道輪の製造方法により製造されており、上記実施の形態1における内輪10と同様の構成を有している。すなわち。この外輪31および内輪32は、1000mm以上の内径を有する風力発電装置用転がり軸受の軌道輪である。そして、外輪31および内輪32は、過共析鋼からなり、高周波焼入によって焼入硬化層が外輪転走面31Aおよび内輪転走面32Aに沿って全周にわたって均質に形成されている。すなわち、外輪31および内輪32は、1000mm以上の内径を有するとともに、過共析鋼からなり、高周波焼入により形成され、周方向に沿った円環形状の一様な深さの焼入硬化層を有し、当該焼入硬化層の表面が、それぞれ外輪転走面31Aおよび内輪転走面32Aとなっている。その結果、上記外輪31および内輪32は、熱処理のコストが抑制されつつ、高周波焼入によって焼入硬化層が転走面に沿って全周にわたって均質に形成され、かつ耐久性に優れた大型の軌道輪となっており、過酷な環境下においても使用可能な風力発電装置用軸受を構成する軌道輪となっている。
また、上記内輪32は主軸51とともに回転するため、内輪転走面32Aが全周にわたって負荷域となっている。一方、内輪32においては、高周波焼入によって焼入硬化層が内輪転走面32Aに沿って全周にわたって形成されている。そのため、内輪転走面32Aが全周にわたって負荷域となった場合でも、内輪32は十分な耐久性を有している。
さらに、主軸用軸受3は、主軸51が回転および停止を繰り返すこと等に起因して、油膜パラメータΛの値が1以下の環境下において使用され得る。一方、主軸用軸受3を構成する外輪31および内輪32は耐摩耗性を含む耐久性に優れた本発明の軌道輪である。そのため、このような過酷な環境下において使用された場合でも、主軸用軸受3は十分な耐久性を有している。また、耐久性に優れた主軸用軸受3は、補修作業が困難な洋上風力発電の主軸用軸受としても好適である。
なお、上記実施の形態4においては、大型の転がり軸受の一例として風力発電装置用軸受について説明したが、他の大型の転がり軸受への適用も可能である。具体的には、たとえばCTスキャナのX線照射部が設置された回転架台を、当該回転架台に対向するように配置される固定架台に対して回転自在に支持するCTスキャナ用転がり軸受の軌道輪に、本発明の軌道輪を好適に適用することができる。また、本発明の軌道輪は、たとえば深溝玉軸受、アンギュラ玉軸受、円筒ころ軸受、円すいころ軸受、自動調心ころ軸受、スラスト玉軸受など、任意の転がり軸受の軌道輪に適用可能である。
焼入硬化工程において、軌道輪の転走面に所定量以上の炭化物が残存し、かつ転走面が所定の硬度以上となる温度および時間の範囲を決定する方法の一例として、転走面における炭化物の面積率が5.2%以上、硬度が62HRC以上となる温度および時間の範囲を決定する実験を実施した。実験の手順は以下の通りである。
まず、JIS規格SUJ5からなる試験片を準備した。そして、この試験片を高周波加熱により3℃/secの昇温速度にて800、850、875、900、950、1000℃の各温度で10、30、60、300、600、1800秒の各時間保持し、その後急冷することにより焼入硬化させた。そして、得られた試験片を切断し、切断面を研磨した。さらに腐食液としてピクラル(ピクリン酸アルコール溶液)を用いて断面を腐食し、金属組織中に観察される炭化物の面積率を調査した。また、得られた試験片を切断し、ビッカース硬度計を用いて硬度を調査した。調査結果を図8および図9に示す。なお、図8および図9において横軸は保持時間を示している。また、図8の縦軸は炭化物の面積率、図9の縦軸はビッカース硬度を示している。
図8を参照して、炭化物の面積率は、加熱温度が高くなるにつれて少なくなり、かつ保持時間が長くなるにつれて少なくなることが確認される。これは、加熱温度が高いほど多くの炭化物が素地に溶け込み、かつ保持時間が長いほど多くの炭化物が素地に溶け込んだためであると考えられる。
一方、図9を参照して、硬度に関しては、加熱温度が800〜850℃の範囲では、保持時間が長くなるにつれて高くなっている。また、加熱温度が875〜900℃の範囲では、保持時間が長くなるにつれて硬度が高くなった後、さらに保持時間が長くなると硬度が低下している。さらに、加熱温度が950〜1000℃の範囲では、保持時間が長くなるにつれて硬度が低下している。これは、加熱温度が低い場合、保持時間が長くなるにつれて焼入後のマルテンサイト組織に含まれる炭素量が増加して硬度が高くなる一方、加熱温度が高い場合において保持時間が長くなると焼入後の残留オーステナイト量が増加し、硬度を低下させたためであると考えられる。
上記実験結果より、炭化物の面積率が5.2%以上、硬度が62HRC以上となる温度および時間の範囲を決定することができる。図10は当該範囲を示す図である。なお、硬度62HRCは、硬度746HVに相当する。図10において横軸は保持時間、縦軸は保持温度を示している。そして、図10において各点を結ぶ線分により取り囲まれた領域に該当する温度および時間の範囲で高周波焼入を実施することにより、転走面における炭化物の面積率が5.2%以上、硬度が62HRC以上という好ましい構成を得ることができる。このように、単に硬度だけに着目するのではなく、炭化物の面積率をも考慮したTTA(Time Temperature Austenitization)線図を作成し、焼入硬化工程においてこれに基づいて予め決定された温度および時間の範囲となるように加熱領域の温度が保持された後、加熱領域全体が冷却されることにより、容易に耐摩耗性を含む耐久性に優れた軌道輪を製造することができる。
上記実施の形態における軌道輪の製造方法の優位性を確認するシミュレーションを行なった。外径φ2000mmの軌道輪を焼入硬化処理する場合を想定し、転走面の任意の一点における温度履歴を算出した。焼入硬化の方法として、転走面の周方向の一部に対向するコイルを用いて高周波誘導加熱を実施し、加熱された領域に対してコイルの通過直後に冷却液を噴射することにより当該領域を順次焼入硬化する方法(移動焼入)と、転走面の一部に面するコイルを周方向に沿って相対的に回転させて環状の加熱領域を形成し、加熱領域全体をM点以下の温度に同時に冷却する方法(実施例;上記実施の形態における軌道輪の製造方法に対応)とについて検討した。なお、上記移動焼入は、上述の特許文献2に記載された方法に相当する。
図11に示すように、移動焼入を実施した場合、転走面の一点は短時間で急速に加熱された後、直ちに冷却されている。ここで、本発明において対象とする過共析鋼を素材とした軌道輪の焼入硬化においては、軌道輪を構成する鋼のミクロ組織中に所望の量の炭化物(セメンタイト)を残存させつつ、素地に必要十分な量の炭素を固溶させた適切な炭素の固溶状態から軌道輪を急冷することにより、適切な焼入硬化が達成される。炭化物の残存量が多く炭素の固溶量が少ない場合は転走面に十分な硬度を付与することが困難となる。逆に炭化物の残存量が少なく炭素の固溶量が多い場合は、十分な耐摩耗性を付与することが困難となることに加えて、焼割れ発生のリスクが高まる。また、鋼の素地への炭素の固溶量は加熱温度および保持時間に依存するが、加熱温度の変化が小さければ固溶量の増加は時間の経過によって飽和する。そのため、加熱温度の変化を小さくするとともに当該加熱温度で長時間保持することにより、炭素の固溶量を容易にコントロールすることができる。しかし、上述のように、図11に示す移動焼入を用いた焼入硬化では、加熱温度の変化が大きく、かつ保持時間が短いため、炭素の固溶量をコントロールすることは極めて困難である。そのため、過共析鋼からなる軌道輪の製造方法に移動焼入を採用して適切な焼入硬化を達成することは現実的であるとはいえない。
一方、図12に示すように、上記実施の形態における軌道輪の製造方法に対応する実施例の焼入硬化方法を採用した場合、転走面の一点は焼入硬化が可能なA変態点以上の温度に加熱された後、温度の変化が小さい状態で長時間保持されている(M点以下の温度への冷却はさらに時間が経過した後に実施されるため、図中には示されていない。)。そのため、実施例の方法においては、炭素の固溶量を容易にコントロールすることができる。その結果、実施例の焼入方法を採用した場合、適切な焼入硬化を容易に達成することができる。
以上の結果より、上記実施の形態における軌道輪の製造方法によれば、過共析鋼からなる軌道輪の適切な焼入硬化を容易に達成できることが確認された。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の軌道輪および転がり軸受は、耐久性の向上が求められる軌道輪、および当該軌道輪を備えた転がり軸受に、特に有利に適用され得る。
3 主軸用軸受、10 成形体(内輪)、11 転走面、11A 加熱領域(焼入硬化層)、21 コイル、22 温度計、31 外輪、31A 外輪転走面、31E 貫通孔、31F 外周面、32 内輪、32A 内輪転走面、32E 鍔部、32F 内周面、33 ころ、33A ころ接触面、34 保持器、50 風力発電装置、51 主軸、51A 外周面、52 ブレード、53 ハウジング、53A 内壁、54 増速機、55 出力軸、56 発電機、59 ナセル。

Claims (6)

  1. 1000mm以上の内径を有する転がり軸受の軌道輪であって、
    過共析鋼からなり、
    高周波焼入によって焼入硬化層が転走面に沿って全周にわたって形成されており、
    前記転走面における炭化物の面積率が5.2%以上であり、硬度が60HRC以上であり、
    前記過共析鋼はJIS規格高炭素クロム軸受鋼のうち、SUJ3またはSUJ5である、軌道輪。
  2. 前記転走面が全周にわたって負荷域となっている、請求項1に記載の軌道輪。
  3. 内輪と、
    前記内輪の外周側を取り囲むように配置された外輪と、
    前記内輪と前記外輪との間に配置された複数の転動体とを備え、
    前記内輪および前記外輪の少なくともいずれか一方は請求項1または請求項2に記載の転がり軸受の軌道輪である、転がり軸受。
  4. 油膜パラメータΛの値が1以下の環境下において使用される、請求項に記載の転がり軸受。
  5. 風力発電装置において、前記内輪にはブレードに接続された主軸が貫通して固定され、前記外輪はハウジングに対して固定されることにより、前記主軸を前記ハウジングに対して回転自在に支持する、請求項またはに記載の転がり軸受。
  6. 前記風力発電装置は洋上風力発電に用いられる、請求項に記載の転がり軸受。
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