JP5719879B2 - トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

トレッド用ゴム組成物及び空気入りタイヤ Download PDF

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Description

本発明は、トレッド用ゴム組成物、及びそれを用いた空気入りタイヤに関する。
近年、自動車に対する安全性及び低燃費性への要求にともなって、タイヤ用ゴム材料において、互い二律背反の関係にある機械特性、耐摩耗性、低燃費性、ウェットグリップ性能などの性能の同時改良が望まれている。このような二律背反の問題を解決する方法として、低発熱化充填剤としてシリカを使用する方法や高補強性と優れた耐摩耗性を有する微粒子カーボンブラックを使用する方法が知られている。
例えば、溶液重合ゴムにシリカやシランカップリング剤を配合することにより、前記性能をある程度改善することが可能となるが、一般に溶液重合ゴムは、分子量分布が狭いため、加工性が悪化しやすく、更に製造コストが高いという問題もある。
一方、ラジカル重合は取り扱いが容易であることから、工業的に広く使用され、一般に広く単峰性な分子量分布を持ち、加工性が良好な乳化重合ゴムを製造できるが、乳化重合ゴムにシリカやシランカップリング剤を配合しても、溶液重合ゴムに比べて改善効果が小さくなってしまう。これは、乳化重合ゴムには、乳化重合用試薬として重合開始剤や乳化剤、重合調整剤、pH調整剤、重合停止剤などが使用され、残留乳化剤の一部がシランカップリング剤とシリカとの反応を阻害し、加硫ゴム組成物の耐摩耗性などに悪影響を及ぼしていると考えられている。
この点に関し、特許文献1には、シリカ配合ゴムのゴム成分として、乳化剤などの乳化重合用試薬などの成分をアセトン抽出分が2.5重量%以下にまで取り除いた乳化重合ゴムを使用することで、低発熱性、耐摩耗性を両立したトレッド用ゴム組成物が開示されている。しかしながら、シリカ配合が示されているだけで、カーボンブラック配合は検討されておらず、カーボンブラック配合でも前記の性能を同時に改善することが望まれている。
特許第4272289号公報
本発明は、前記課題を解決し、良好な加工性を有するとともに、ウェットグリップ性能、低燃費性、耐摩耗性をバランスよく改善できるトレッド用ゴム組成物、及びこれを用いた空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、アセトン抽出法により求められるアセトン抽出分が2.5質量%以下、Mpが25万以上、Mw/Mnが3以上である乳化重合ゴムと、カーボンブラックと、シリカとを含むトレッド用ゴム組成物に関し、また、石けん分及び有機酸分が2.5質量%以下、Mpが25万以上、Mw/Mnが3以上である乳化重合ゴムと、カーボンブラックと、シリカとを含むトレッド用ゴム組成物に関する。
ゴム成分100質量部に対して前記カーボンブラックを5〜100質量部、前記シリカを5〜100質量部、前記シリカ100質量部に対してシランカップリング剤を2〜20質量部含有することが好ましい。
前記乳化重合ゴムは、乳化重合スチレンブタジエンゴムであることが好ましい。
本発明はまた、前記ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明によれば、アセトン抽出法により求められるアセトン抽出分が2.5質量%以下、Mpが25万以上、Mw/Mnが3以上である乳化重合ゴムと、カーボンブラックと、シリカとを含むトレッド用ゴム組成物、又は、石けん分及び有機酸分が2.5質量%以下、Mpが25万以上、Mw/Mnが3以上である乳化重合ゴムと、カーボンブラックと、シリカとを含むトレッド用ゴム組成物であるので、良好な加工性を有するとともに、ウェットグリップ性能、低燃費性、耐摩耗性をバランスよく改善できる。
第1の本発明は、アセトン抽出法により求められるアセトン抽出分が2.5質量%以下、Mpが25万以上、Mw/Mnが3以上である乳化重合ゴムと、カーボンブラックと、シリカとを含むトレッド用ゴム組成物であり、また、第2の本発明は、石けん分及び有機酸分が2.5質量%以下、Mpが25万以上、Mw/Mnが3以上である乳化重合ゴムと、カーボンブラックと、シリカとを含むトレッド用ゴム組成物である。
カーボンブラック及びシリカを配合したゴム組成物において、アセトン抽出分(主にゴム中に残存している乳化重合用試薬)を2.5質量%以下に低減し、かつ特定の分子量特性に調整した乳化重合ゴム、又は、石けん分及び有機酸分を2.5質量%以下に低減し、かつ特定の分子量特性に調整した乳化重合ゴムを使用することにより、良好な加工性が得られるとともに、ウェットグリップ性能、低燃費性、耐摩耗性の性能をバランスよく改善したゴム組成物を提供できる。これは、特定の分子量特性を有する乳化重合ゴム中の脂肪酸などの乳化剤由来成分を除去することで、ゴム組成物内における乳化重合ゴムとカーボンブラックの相互作用が高まることにより、前記性能が改善されるものと推察される。
前記乳化重合ゴムとしては、たとえば乳化重合により得られるスチレン−ブタジエンゴム(E−SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(E−NBR)、クロロプレン系ラテックスなどがあげられる。なかでも、ウェットグリップ特性、耐摩耗性の点から、E−SBRが好ましい。
前記乳化重合ゴムは、乳化重合で合成され、例えば、乳化剤を用いてラジカル重合性モノマーを水中に乳化させ、得られた乳化液にラジカル開始剤を添加してラジカル重合する工程を含む製造方法により好適に得られる。
本発明で使用するラジカル重合性モノマーとしては、ジエン系モノマー、スチレン系モノマーなどが挙げられる。該ジエン系モノマーとしては、ブタジエン、イソプレン、ミルセンなどが挙げられ、該スチレン系モノマーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、メトキシスチレンなどが挙げられる。タイヤに使用した際の性能が良好であるという点から、ラジカル重合性モノマーは、ジエン系モノマーを用いることが好ましく、ジエン系モノマー及びスチレン系モノマーの併用がより好ましい。
乳化液は、公知の乳化剤を用いて公知の方法で乳化することで調製できる。乳化重合は、公知のラジカル重合開始剤を用いた公知の方法で実施できる。ここで、乳化重合の温度は使用するラジカル開始剤の種類によって適宜調整すればよいが、好ましくは0〜50℃、より好ましくは0〜20℃である。
乳化重合の停止は、重合系に公知の重合停止剤を添加することによって実施できる。停止後、ゴム成分が分散したゴムラテックスが得られる。
本発明では、例えば、得られたゴムラテックスと後述のカーボンブラック分散液を混合、凝固させ、凝固物のゴム中に含まれる石けん分や有機酸分を除去することにより、アセトン抽出分が2.5質量%以下、又は、石けん分及び有機酸分が2.5質量%以下であるウェットマスターバッチを作製し、該ウェットマスターバッチを用いて本発明のゴム組成物を調製できる。また、得られたゴムラテックスを凝固させて乳化重合ゴムを作製し、該乳化重合ゴム中に含まれる石けん分や有機酸分を除去することにより、アセトン抽出分が2.5質量%以下、又は、石けん分及び有機酸分が2.5質量%以下である高純度ゴムを作製し、該高純度ゴムとカーボンブラックとを混錬して得たマスターバッチを用いて本発明のゴム組成物を調製することも可能である。
第1の本発明に用いられる乳化重合ゴムは、アセトン抽出法により求められるアセトン抽出分を2.5質量%以下に除去、低減したものである。2.5質量%をこえると、前記性能の改善効果が充分に得られないおそれがある。一方、乳化重合用試薬の中には脂肪酸セッケンのように物性を阻害する試薬もあるが、ロジン酸カリウムのように物性に好影響を与える試薬もある。そのため、物性を阻害する試薬をある程度除去でき、かつ好影響を与える試薬をある程度残すという点から、アセトン抽出分は、好ましくは0.1〜2.5質量%、より好ましくは0.5〜2.5質量%である。
乳化重合ゴム中のアセトン抽出分とは、JIS K6350に準拠するアセトン抽出法により求められるアセトン抽出分(%)をいう。なお、ゴム成分がオイルを含有する油展ポリマー(OEP)である場合、アセトン抽出物にはオイルも含まれるが、アセトン抽出分には該オイルは含まない。
アセトン抽出分を低減した乳化重合ゴムは、例えば、乳化重合で得られ、前記特定の分子量特性を持つゴムを、トルエンなどの有機溶剤に溶解してろ過した後、メタノールなどのアルコールにより沈殿させる操作を繰り返し、乳化重合用試薬などの成分を抽出することにより、調製できる。
前記アセトン抽出分に主に含まれる乳化重合用試薬とは、具体的には、乳化剤、重合開始剤、重合調整剤(反応の連鎖移動剤)、pH調整剤、重合停止剤などのうちアセトン抽出可能なものをいう。
前記乳化剤は、乳化重合用試薬としてもっとも多く含まれ、ゴム組成物の物性への影響も大きいと考えられる成分であり、たとえば、高級脂肪酸の石けん、ロジンを構成する有機酸の石けん、及びこれらの組み合わせ(混合セッケン)などがあげられる。
前記重合開始剤としては、ホットラバーの場合には、たとえば過硫酸カリウムなど、コールドラバーの場合には、たとえば酸化剤と還元剤とを併用するレドックス系重合開始剤などがあげられる。
前記重合調整剤は、分子量調整剤として作用するものであり、ホットラバーの場合には、たとえばn−ドデシルメルカプタンなど、コールドラバーの場合には、たとえば第3級ドデシルメルカプタン、混合第3級メルカプタン(炭素数14、16および18のものの混合物)などがあげられる。
前記pH調整剤は、pH調整の緩衝剤、また、ラテックス粘度をさげ、ゲル化を防ぐなどのために使用される電解質成分をいい、たとえば苛性アルカリ、リン酸ナトリウム、硫酸カリウムなどがあげられる。
前記重合停止剤としては、たとえば第3級ブチルヒドロキノン、ジニトロクロロベンゼン、ヒドロキノンと水、ジメチルジチオカルバミン酸塩、多硫化ナトリウム、ポリエチレンポリアミンなどがあげられる。
第2の本発明に用いられる乳化重合ゴムは、石けん分及び有機酸分をそれぞれ2.5質量%以下に除去、低減したものである。2.5質量%をこえると、前記性能の改善効果が充分に得られないおそれがある。一方、前記のとおり、石けん分や有機酸分中の物性を阻害する試薬をある程度除去し、かつ好影響を与える試薬をある程度残すという点から、石けん分及び有機酸分は、それぞれ好ましくは0.1〜2.5質量%、より好ましくは0.5〜2.5質量%である。
乳化重合ゴム中の石けん分及び有機酸分とは、JIS K6237に準拠する石けん分及び有機酸分の求め方により求められる石けん分及び有機酸分(%)をいう。
乳化重合ゴム中の石けん分及び有機酸分を低減した乳化重合ゴムは、例えば、乳化重合で得られ、前記特定の分子量特性を持つゴムを、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性化合物の水溶液による洗浄を繰り返すことにより、調製できる。
ゴム中に存在する石けん分と有機酸分は単独の化学物質ではないが、前記石けん分としては、ステアリン酸ナトリウム、ロジン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ロジン酸カリウムなどの高級脂肪酸及びロジンを構成する有機酸のナトリウム、カルシウム、カリウム塩などが挙げられる。前記有機酸分としては、ステアリン酸、ロジン酸などの高級脂肪酸及びロジンを構成する有機酸などが挙げられる。
前記乳化重合ゴムのピークトップ分子量Mpは、25万以上であり、また、好ましくは100万以下、より好ましくは90万以下である。Mpが下限未満では、低燃費性、耐摩耗性がバランスよく得られないおそれがある。一方、Mpが上限を超えると、加工性が悪化するおそれがある。
前記乳化重合ゴムの分子量分布Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は、3以上であり、また、好ましくは6以下、より好ましくは5以下である。Mw/Mnが下限未満では、加工性が悪化するおそれがある。一方、Mw/Mnが上限を超えると、低燃費性、耐摩耗性及びウェットグリップ性能がバランス良く得られないおそれがある。
なお、前記乳化重合ゴムのMp、Mw/Mnは、後述の実施例の方法で測定できる。
ゴム成分100質量%中の前記乳化重合ゴムの含有量は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。5質量%未満であると、前記乳化重合ゴムを配合した効果が充分に得られない傾向がある。該含有量の上限は特に限定されないが、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下である。
本発明に使用されるゴム成分としては、前記乳化重合ゴムを1種又は2種以上使用しても、更に溶液重合ゴムや天然ゴム(NR)をブレンドしてもよい。乳化重合ゴムは、引張り強度、耐摩耗性の点で溶液重合ゴムよりも好ましい。
前記溶液重合ゴムとしては、たとえば、溶液重合により得られるスチレン−ブタジエンゴム(S−SBR)、シス−1,4−ポリイソプレン、低シス−1,4−ポリブタジエン、高シス−1,4−ポリブタジエン、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)などがあげられる。なかでも、ウェットグリップ特性と耐摩耗性の点から、S−SBR、シス−1,4−ポリイソプレン、低シス−1,4−ポリブタジエン、高シス−1,4−ポリブタジエンが好ましく、S−SBRが特に好ましい。なお、前記溶液重合ゴムは、炭化水素などの溶媒中で適した溶液重合用試薬(有機リチウム化合物など)用いて合成でき、溶液重合法は当業者に周知である。
NRとしては、特に限定されず、例えば、SIR20、RSS♯3、TSR20等、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。
ブレンドする場合の溶液重合ゴムの配合割合は、乳化重合ゴムを用いることによる効果を充分に得る点から、全ゴム成分100質量%中、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下であり、配合する場合の下限は、好ましくは5質量%以上である。また、NRをブレンドする場合、その配合割合の下限は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上であり、上限は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。
本発明では、カーボンブラックが配合される。前記乳化重合ゴムにカーボンブラックを配合することで、補強効果などが効果的に発揮され、本発明の効果が良好に得られる。カーボンブラックとしては、特に限定されないが、SAF、ISAF、HAFなどを好適に使用できる。特に、カーボンブラック源としてカーボンブラック分散液を使用し、ゴム源としてゴムラテックスを使用することで、本発明の効果が顕著に得られる。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは80m/g以上、より好ましくは100m/g以上である。80m/g未満では、補強効果が小さく、耐摩耗性を充分に改善できない傾向がある。カーボンブラックのNSAは、好ましくは200m/g以下、より好ましくは150m/g以下である。200m/gを超えると、カーボンブラックが分散しにくくなり、低燃費性が悪化する傾向がある。
なお、カーボンブラックのNSAは、JIS K 6217−2:2001に準拠して測定できる。
カーボンブラックの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは25質量部以上である。5質量部未満では、充分な耐摩耗性が得られない傾向がある。該カーボンブラックの含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは60質量部以下である。100質量部を超えると、カーボンブラックが分散しにくくなり、低燃費性が悪化する傾向がある。
本発明では、シリカが配合される。前記乳化重合ゴムによってシリカの分散が促進され、低燃費性、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性の向上効果を高めることができる。使用できるシリカとしては特に限定されず、タイヤ工業において一般的なものを使用できる。また、シリカは公知のシランカップリング剤と併用することが好ましい。
シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは100m/g以上、より好ましくは150m/g以上である。100m/g未満では、補強効果が小さく、耐摩耗性を充分に改善できない傾向がある。シリカのNSAは、好ましくは300m/g以下、より好ましくは200m/g以下である。300m/gを超えると、シリカが分散しにくくなり、低燃費性が悪化する傾向がある。
なお、シリカのBET法によるチッ素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準拠した方法により測定することができる。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは5質量部以上、より好ましくは25質量部以上である。5質量部未満では、充分な耐摩耗性が得られない傾向がある。該シリカの含有量は、好ましくは100質量部以下、より好ましくは60質量部以下である。100質量部を超えると、シリカが分散しにくくなり、低燃費性が悪化する傾向がある。
カーボンブラック及びシリカの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは30質量部以上、より好ましくは50質量部以上であり、また、好ましくは120質量部以下、より好ましくは80質量部以下である。上記範囲内であれば、良好な耐摩耗性が得られるとともに、優れた低燃費性も得られ、本発明の効果が充分に発揮される。
また、カーボンブラック及びシリカの合計100質量%中のカーボンブラック含有率は、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上である。また、該カーボンブラックの含有率は、好ましくは80質量%以下、より好ましくは70質量%以下である。上記範囲内であれば、良好な耐摩耗性が得られるとともに、優れた低燃費性も得られ、本発明の効果が充分に発揮される。
本発明のゴム組成物には、シリカと共に、シランカップリング剤を使用することが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、スルフィド系、メルカプト系、ビニル系、アミノ系、グリシドキシ系、ニトロ系、クロロ系シランカップリング剤などが挙げられる。なかでも、本発明の効果が良好に得られるという理由から、スルフィド系が好ましい。
スルフィド系シランカップリング剤としては、本発明の効果が良好に得られるという理由から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ジスルフィドが好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィドがより好ましい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは2質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。2質量部未満では、本発明の効果が充分に得られない傾向がある。また、該シランカップリング剤の含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは12質量部以下である。20質量部を超えると、コストの増加に見合った効果が得られない傾向がある。
本発明のゴム組成物には、上記の材料以外にも、タイヤ工業において一般的に用いられているオイル、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、硫黄などの加硫剤、加硫促進剤などの各種材料が適宜配合されていてもよい。
本発明のゴム組成物は、一般的な方法で製造される。すなわち、バンバリーミキサーやニーダー、オープンロールなどで前記各成分を混練りし、その後加硫する方法などにより製造できる。
なかでも、(製法1)乳化重合ゴムラテックス及びカーボンブラック分散液を混合する工程1と、得られた混合物を凝固し、作製された凝固物中に含まれるゴムのアセトン抽出法により求められるアセトン抽出分を2.5質量%以下、又は石けん分及び有機酸分が2.5質量%以下に調整する工程2と、得られたウェットマスターバッチ(WMB)及び他の成分を混練りする工程3とを含む製造方法により得られるゴム組成物が好ましい。また、(製法2)乳化重合ゴムに含まれるアセトン抽出分を2.5質量%以下、又は石けん分及び有機酸分を2.5質量%以下に調整する工程Iと、得られた高純度ゴム及びカーボンブラックを混錬してマスターバッチ(MB)を作製する工程IIと、得られたマスターバッチ及び他の成分を混練りする工程IIIとを含む製造方法により、本発明のゴム組成物を調製することも可能である。これにより、カーボンブラックを高分散でき、本発明の効果が顕著に得られる。
製法1において、前記乳化重合ゴムラテックス中のゴム成分(ゴム固形分)の濃度は特に限定されないが、ラテックス(100質量%)中での均一分散性の点から、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜60質量%である。
製法1において、カーボンブラック分散液としては、前記カーボンブラックを水性媒体中に分散させたものが挙げられる。これを使用することにより、ゴム分子とカーボンブラックを液体状態で混合することができ、カーボンブラックを充分に分散できる。
カーボンブラック分散液は、公知の方法で製造でき、例えば、高圧ホモジナイザー、超音波ホモジナイザー、コロイドミル等を用いて調製できる。具体的には、コロイドミルに水性媒体を入れ、攪拌しながらカーボンブラックを添加し、次いでホモジナイザーを用いて必要に応じて界面活性剤とともに循環することにより、上記分散液を調製できる。なお、上記分散液中のカーボンブラックの濃度は特に限定されないが、分散液(100質量%)中での均一分散性の点から、好ましくは0.5〜10質量%、より好ましくは3〜7質量%である。
前記カーボンブラック分散液には、分散性の点から、適宜界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、特に限定されず、公知の陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤などを適宜使用できる。なお、上記分散液において、界面活性剤の添加量は特に限定されないが、分散液(100質量%)中の充填剤の均一分散性の点から、好ましくは0.01〜3質量%、より好ましくは0.05〜1質量%である。
また、水性媒体としては、水、アルコールなどが挙げられ、なかでも、水を使用することが好ましい。
製法1の工程1〜2において、前記WMBは、具体的には、前記乳化重合ゴムラテックス及びカーボンブラック分散液を混合して混合物を作製し、該混合物を凝固した後、凝固物中のゴムに含まれる石けん分や有機酸分(アセトン抽出分)を除去して、アセトン抽出分や、石けん分及び有機酸分を2.5質量%以下に調整し、次いで、乾燥することにより、調製できる。
前記乳化重合ゴムラテックス及びカーボンブラック分散液の混合方法としては、特に限定されず、例えば、ブレンダーミル中に乳化重合ゴムラテックスを入れ、撹拌しながら、カーボンブラック分散液を滴下する方法などが挙げられる。凝固工程は、通常、ギ酸、硫酸等の酸性化合物や、塩化ナトリウム等の塩等の凝固剤を添加して行われる。石けん分や有機酸分(アセトン抽出分)の除去工程は、凝固物を有機溶剤に溶解し、アルコールで沈殿させる操作を繰り返すこと、凝固物をアルカリ性化合物の水溶液による洗浄を繰り返すこと、等で実施できる。除去後、乾燥することで、WMBが得られる。乾燥には、エアドライヤーなどの公知の乾燥機を使用できる。なお、WMB中のカーボンブラックの含有量は、製造するゴム組成物、混合性などを考慮して適宜設定すればよい。
次いで工程3では、工程2で得られたWMBと、他の成分とを公知の方法で混練りし、更に加硫工程を行うことにより、優れた性能を持つゴム組成物を調製できる。前記製法などにより製造される本発明のゴム組成物は、タイヤのトレッドに好適に使用できる。
製法2の工程Iに使用される乳化重合ゴムとして、固形ゴム(乳化重合ゴムラテックスを凝固させて得られる凝集ゴム)などを使用できる。
製法2の工程I〜IIにおいて、前記MBは、具体的には、前記固形ゴムに含まれる石けん分や有機酸分(アセトン抽出分)を除去して、アセトン抽出分や、石けん分及び有機酸分を2.5質量%以下に調整し、得られた高純度ゴム及びカーボンブラックを混合して混合物を作製し、次いで、乾燥することにより、調製できる。石けん分や有機酸分(アセトン抽出分)の除去工程、混合物の乾燥工程は、前記と同様の方法で実施でき、高純度ゴム及びカーボンブラックの混合工程は、従来公知の混練法などを用いて実施可能である。
次いで工程IIIでは、工程IIで得られたMBと、他の成分とを公知の方法で混練りし、更に加硫工程を行うことにより、優れた性能を持つゴム組成物を調製できる。作製されるゴム組成物は、前記と同様、タイヤのトレッドに好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法で製造される。
すなわち、上記成分を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でトレッドの形状にあわせて押出し加工し、他のタイヤ部材とともに、タイヤ成型機上にて通常の方法で成形することにより、未加硫タイヤが作製され、更に加硫機中で加熱加圧することにより空気入りタイヤが得られる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
以下に、MBの製造で用いた各種薬品について説明する。
乳化剤(1):ハリマ化成(株)製のロジン酸石鹸
乳化剤(2):和光純薬工業(株)製の脂肪酸石鹸
電解質:和光純薬工業(株)製のリン酸ナトリウム
スチレン:和光純薬工業(株)製のスチレン
ブタジエン:高千穂化学工業(株)製の1,3−ブタジエン
分子量調整剤:和光純薬工業(株)製のtert−ドデシルメルカプタン
ラジカル開始剤:日油(株)製のパラメンタンヒドロペルオキシド
SFS:和光純薬工業(株)製のソディウム・ホルムアルデヒド・スルホキシレート
EDTA:和光純薬工業(株)製のエチレンジアミン四酢酸ナトリウム
触媒:和光純薬工業(株)製の硫酸第二鉄
重合停止剤:和光純薬工業(株)製のN,N’−ジメチルジチオカルバメート
アルコール:関東化学(株)製のメタノール、エタノール
ギ酸:関東化学(株)製のギ酸
塩化ナトリウム:和光純薬工業(株)製の塩化ナトリウム
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220
デモールN:花王(株)製の界面活性剤デモールN(β−ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物のナトリウム塩(陰イオン性界面活性剤))
炭酸ナトリウム水溶液:和光純薬工業(株)製の炭酸ナトリウム(濃度:0.15質量%)
テトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン:BASFジャパン(株)製のIrganox1010
<MB(1)の製造>
(乳化重合ゴムの製造)
攪拌機付き耐圧反応器に蒸留水2000g、乳化剤(1)45g、乳化剤(2)1.5g、電解質8g、スチレン250g、ブタジエン750g及び分子量調整剤2gを仕込んだ。反応器温度を5℃とし、ラジカル開始剤1g及びSFS1.5gを溶解した水溶液と、EDTA0.7g及び触媒0.5gを溶解した水溶液とを反応器に添加して重合を開始した。重合開始から5時間後、重合停止剤2gを添加して反応を停止させ、ラテックスを得た。
得られたラテックスから、水蒸気蒸留により、未反応単量体を除去した。その後、該ラテックスをアルコールに添加し、飽和塩化ナトリウム水溶液又はギ酸でpH3〜5になるように調整しながら、凝固させ、クラム状の重合体を得た。該重合体を40℃の減圧乾燥器で乾燥し、固形ゴム(乳化重合ゴム)を得た。
(ポリマー(1))
2リットルのガラス製セパラブルフラスコに、得られた乳化重合ゴム100gとトルエン1.0リットルを入れ、撹拌下に60℃に昇温して、乳化重合ゴムを完全に溶解させた。完全に溶解後、室温に冷却して、乳化重合ゴムのトルエン溶液を250メッシュの金網で濾過し、メタノール1.5リットルを加えてゴム成分を沈殿させた。その後、再度トルエンによる溶解、メタノールによる沈殿の操作を行い、合計4回繰り返して乳化重合ゴムに含まれていた乳化重合用試薬などの成分を抽出し、酸化防止剤としてテトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを乳化重合ゴムに対して1000ppmになるように練り混んだ後、100℃で1時間乾燥させてポリマー(1)を得た。ポリマー(1)に含まれるアセトン抽出分をJIS K6350に準じてアセトン抽出法により求めたところ、アセトン抽出分は0.5質量%であった。
(MB(1))
ポリマー(1)とカーボンブラックを質量比30:30になるようにバンバリーミキサーで混錬し、MB(1)を得た。
<MB(2)の製造>
再沈殿の回数を合計3回にした以外はMB(1)と同様にしてMB(2)を得た。アセトン抽出分は1.5質量%であった。
<MB(3)の製造>
再沈殿の回数を合計2回にした以外はMB(1)と同様にしてMB(3)を得た。アセトン抽出分は2.5質量%であった。
<MB(4)の製造>
再沈殿の回数を合計1回にした以外はMB(1)と同様にしてMB(4)を得た。アセトン抽出分は5.0質量%であった。
<MB(5)の製造>
(乳化重合ゴムラテックスの製造)
攪拌機付き耐圧反応器に蒸留水2000g、乳化剤(1)45g、乳化剤(2)1.5g、電解質8g、スチレン250g、ブタジエン750g及び分子量調整剤2gを仕込んだ。反応器温度を5℃とし、ラジカル開始剤1g及びSFS1.5gを溶解した水溶液と、EDTA0.7g及び触媒0.5gを溶解した水溶液とを反応器に添加して重合を開始した。重合開始から5時間後、重合停止剤2gを添加して反応を停止させ、水蒸気蒸留により未反応単量体を除去して、乳化重合ゴムラテックスを得た。
(カーボンブラック分散液の調製)
ローター径30mmのコロイドミルに脱イオン水1900gと、カーボンブラック100gとを投入し、ローター・ステーター間隔1mm、回転数2000rpmで10分間撹拌した。次いで、デモールNを0.05質量%の濃度となるように加え、圧力式ホモジナイザーを用いて3回循環させ、カーボンブラック分散液を調製した。
(乳化重合ゴムラテックス、カーボンブラック分散液の混合、凝固、乾燥)
ゴム成分:カーボンブラックの固形分比(質量比)が30:30となるように、上記乳化重合ゴムラテックスと、カーボンブラック分散液とを混合し、均一になった後、撹拌を続けながら硫酸を添加し、pH5に調整して凝固させた。得られた固形物をろ過してゴム分を回収し、洗浄後の液体(洗浄水)がpH7になるまで純水でゴム分を洗浄、乾燥し、複合体(乳化重合ゴム及びカーボンブラックの複合体)を得た。
(MB(5))
2リットルのガラス製セパラブルフラスコに、得られた複合体100gと炭酸ナトリウム水溶液1.0リットルを入れ、60℃に昇温して15分間撹拌した後、室温に冷却して、該複合体の分散液を250メッシュの金網で濾過した。その後、再度炭酸ナトリウム水溶液による撹拌、濾過の洗浄操作を行い、合計4回繰り返して複合体に含まれていた石けん分及び有機酸分を抽出し、酸化防止剤としてテトラキス−[メチレン−3−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンを複合体に対して1000ppmになるように練り混んだ後、100℃で1時間乾燥させてMB(5)を得た。MB(5)に含まれる石けん分及び有機酸分をJIS K6237に準じて求めたところ、石けん分は0.1質量%、有機酸分は0.1質量%であった。
<MB(6)の製造>
洗浄、濾過の回数を合計3回にした以外はMB(5)と同様にしてMB(6)を得た。石けん分は0.5質量%、有機酸分は0.5質量%であった。
<MB(7)の製造>
洗浄、濾過の回数を合計2回にした以外はMB(5)と同様にしてMB(7)を得た。石けん分は1.0質量%、有機酸分は1.5質量%であった。
<MB(8)の製造>
洗浄、濾過の回数を合計1回にした以外はMB(5)と同様にしてMB(8)を得た。石けん分は2.0質量%、有機酸分は3.0質量%であった。
<MB中に含まれるゴムの分析>
上記により得られたMBの他の分析は以下の方法で行い、表1に示した。
(ピークトップ分子量Mp、分子量分布Mw/Mnの測定)
MBのピークトップ分子量Mp、分子量分布Mw/Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)(東ソー(株)製GPC−8000シリーズ、検出器:示差屈折計、カラム:東ソー(株)製のTSKGEL SUPERMULTIPORE HZ−M)による測定値を基に標準ポリスチレン換算により求めた。
(ミクロ構造同定)
重合体のミクロ構造同定は、日本電子(株)製のJNM−ECAシリーズの装置を用いて測定した。測定結果から、重合体中のスチレンの含有量(質量%)を算出した。
Figure 0005719879
<実施例及び比較例>
以下に、実施例及び比較例で用いた各種薬品について説明する。
NR:RSS#3
MB(1)〜(8):上記で合成
乳化重合SBR:JSR(株)製のSBR1502
カーボンブラック:キャボットジャパン(株)製のショウブラックN220
シリカ:デグッサ社製のウルトラシルVN3
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69
オイル:(株)ジャパンエナジー製のプロセスX−140
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華1号
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックワックス
硫黄:鶴見化学(株)製の粉末硫黄
加硫促進剤(1):大内新興化学工業(株)製のノクセラーCZ
加硫促進剤(2):大内新興化学工業(株)製のノクセラーD
表2に示す配合処方にしたがって薬品を混練り配合し、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を170℃で20分間プレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
得られた未加硫ゴム組成物及び加硫ゴム組成物について、以下に示す試験方法により低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性及び加工性を評価した。
(低燃費性(転がり抵抗))
(株)上島製作所製スペクトロメーターを用いて、動的歪振幅1%、周波数10Hz、温度60℃で上記加硫ゴム組成物のtanδを測定し、下記計算式により指数表示した。数値が大きいほど転がり抵抗が小さく、低燃費性に優れることを示す。
(低燃費性指数)=(比較例1のtanδ)/(各配合のtanδ)×100
(耐摩耗性)
ランボーン型摩耗試験機を用いて、室温、負荷荷重1.0kgf、スリップ率30%の条件で上記加硫ゴム組成物の摩耗量を測定し、下記計算式により指数表示した。数値が大きいほど耐摩耗性に優れることを示す。
(耐摩耗性指数)=(比較例1の摩耗量)/(各配合の摩耗量)×100
(ウェットグリップ性能)
(株)上島製作所製フラットベルト式摩擦試験機(FR5010型)を用いてウェットグリップ性能を評価した。上記加硫ゴム組成物からなる幅20mm、直径100mmの円筒形のゴム試験片をサンプルとして用い、速度20km/時間、荷重4kgf、路面温度20℃の条件で、路面に対するサンプルのスリップ率を0〜70%まで変化させ、その際に検出される摩擦係数の最大値を読みとり、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほどウェットグリップ性能に優れることを示す。
(ウェットグリップ性能指数)=(各配合の摩擦係数の最大値)/(比較例1の摩擦係数の最大値)×100
(加工性)
JIS K 6300−1「未加硫ゴム−物理特性−第1部:ムーニー粘度計による粘度及びスコーチタイムの求め方」に準じて、ムーニー粘度試験機を用いて、1分間の予熱によって熱せられた130℃の温度条件にて、小ローターを回転させ、4分間経過した時点での上記未加硫ゴム組成物のムーニー粘度(ML1+4/130℃)を測定し、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほど粘度が低く、加工性に優れることを示す。
(加工性指数)=(比較例1のムーニー粘度)/(各配合のムーニー粘度)×100
Figure 0005719879
アセトン抽出分、又は石けん分及び有機酸分を低減し、かつ特定の分子量特性を持つ乳化重合SBRに、カーボンブラック及びシリカを配合した実施例では、優れた加工性を有すると同時に、低燃費性、ウェットグリップ性能、耐摩耗性をバランス良く改善でき、特にMBを用いることで顕著な効果が得られることが明らかとなった。

Claims (4)

  1. アセトン抽出法により求められるアセトン抽出分が2.5質量%以下、Mpが25万以上、Mw/Mnが3以上である乳化重合ゴムと、カーボンブラックと、シリカとを含むトレッド用ゴム組成物。
  2. ゴム成分100質量部に対して前記カーボンブラックを5〜100質量部、前記シリカを5〜100質量部、前記シリカ100質量部に対してシランカップリング剤を2〜20質量部含有する請求項1記載のトレッド用ゴム組成物。
  3. 前記乳化重合ゴムは、乳化重合スチレンブタジエンゴムである請求項1又は2記載のトレッド用ゴム組成物。
  4. 請求項1〜のいずれかに記載のゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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