JP5717388B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
このような再付着を防止するために、排泄物を保持するポケットを設けた吸収性物品(例えば特許文献1,2)が提案されている。
しかし、拘縮等が原因で、寝たきりの人や車いすが手放せない人、自分では体の向きや位置を変えられない人においては、太腿が痩せて、内腿の窪みや裏腿に窪みを生じており、このような着用者においては、従来の吸収性物品の立体ギャザー構造では、内腿の窪みや腿外側の窪みに対しては十分なフィット性が得られず、脚周りからの漏れが発生することがあった。
<請求項1記載の発明>
尾骨対向部と、尾骨対向部の前側をなす物品前側部分と、この物品前側部分よりも後側であって尾骨対向部を含む物品後側部分とを有し、
下層吸収部、及びその上に位置する上層吸収部が、それぞれ物品前側部分から物品後側部分にかけて前後方向に延在し、前記下層吸収部は少なくとも上層吸収部側の面から、及び前記上層吸収部は少なくとも下層吸収部側の面から、それぞれ排泄物を吸収するように構成され、
前記上層吸収部は、尾骨対向部の前側をなす上層前側部分と、上層前側部分よりも後側であって尾骨対向部を含む上層後側部分とから構成され、
前記上層吸収部は、その前後方向全体が、幅方向中央に対して左側に位置する左側部分、及び右側に位置する右側部分からなり、
前記左側部分及び右側部分は、幅方向外側の側縁部が前後方向全体にわたり前記下層吸収部の表面に対して固定され、この固定部よりも幅方向中央側の部分のうち、前端部及び後端部は前記下層吸収部の表面に対して固定され、前端部及び後端部以外の部分は前記下層吸収部の表面に対して固定されていない自由部分とされ、且つこの自由部分の幅方向中央側の縁部に、先端部弾性伸縮部材が各縁部に沿う方向に伸長した状態で固定されており、
少なくとも展開状態において、上層吸収部の左側部分の幅方向中央側の側縁と右側部分の幅方向中央側の側縁とが、尾骨対向部の前側をなす上層前側部分では対応する下層吸収部が露出するように幅方向に離間し、かつ上層前側部分よりも後側であって尾骨対向部を含む上層後側部分では前後方向全体にわたり一致している、
ことを特徴とする吸収性物品。
本発明では、上層吸収部と下層吸収部を有する吸収性物品において、上層吸収部をその前後方向全体にわたり左側部分と右側部分とに分離し、左側部分及び右側部分における幅方向中央側の縁部に沿うように先端部弾性伸縮部材を配した。加えて、少なくとも展開状態において、上層吸収部の左側部分の幅方向中央側の側縁と右側部分の幅方向中央側の側縁とが、上層前側部分では対応する下層吸収部が露出するように幅方向に離間し、かつ上層後側部分では前後方向全体にわたり一致する構成とした。このような構成とすることで、上層吸収部における左側部分及び右側部分が、先端部弾性伸縮部材の収縮作用により、装着者の肌側に盛り上がり、物品前側部分は内腿の窪みや裏腿の窪みに対してフィットし、物品後側部分は臀裂の形状にフィットするだけでなく、吸収性物品の着用者の排泄口に当接する部分には左側部分及び右側部分の離間部が位置し、その後側では左側部分及び右側部分が閉じた状態で臀裂にフィットした状態となる。よって、吸収性物品の着用者の排泄口に当接する部分においては、直接排泄物が下層吸収部より吸収され、かつ、吸収された排泄物が物品の後側へ移行したとしても、上層吸収部が障壁となって着用者の臀部に付着しにくい、という効果を奏する。
前記左側部分及び右側部分は、前端部において、幅方向中央側端部が幅方向外側に一部肌側に向かって折り返された状態で前記下層吸収部の表面に固定されている、請求項1記載の吸収性物品。
このように、上層吸収部の前端部においては、左側部分、右側部分ともにその幅方向中央側端部を一部、肌側に折り返した状態で下層吸収部の表面に固定する構成とすると、内蔵吸収体によりクッション性に優れる折り返し部分が三角形の面状で鼠径部及びその内側近傍に接するため、線状で接した場合と比して着用者の内腿の窪みにフィットしやすくなる。
前記下層吸収部の吸収体の幅が、前記上層吸収部の吸収体のなす幅よりも狭い、請求項1または2に記載の吸収性物品。
下層吸収部の吸収体の幅が、上層吸収部の吸収体の幅よりも狭いと、特に股間部においては、装着者の股間が狭い場合や脚の動きにより股間が狭くなり、これに伴い物品の股間部が装着者の股間に挟まれて狭くなったとき、上層前側部分の両側部が下層吸収部の両脇に逃げ出て落ち込むことにより、左側部分及び右側部分が盛り上がりによる窪みに対するフィット性を維持したまま、脚周りに追従して姿勢変化及び位置変化することができる。その結果、内腿の窪みや裏腿の窪みに起因する漏れの防止効果に優れるようになる。
前記上層吸収部の、少なくとも上層前側部分における前記左側部分及び右側部分が幅方向にアーチ状をなしている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
上層前側部分がこのようなアーチ状をなしていることによって、左側部分及び右側部分が裏腿の窪みに対して良好にフィットするようになる。
前記上層前側部分は、後端部から前側に向かうにつれて前記左側部分の幅方向中央側の側縁及び右側部分の幅方向中央側の側縁の離間距離が拡大しつつ装着者の脚の付け根に沿って鼠径部に達するように形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
本項記載の発明では、上層吸収部における左側部分及び右側部分の幅方向中央側の側縁は、後端部では一致又は近接し、後端部から前側に向かうにつれて離間距離が拡大するように形成されており、また、これら左側部分と右側部分との離間部分を入口とするポケットが、上層後側部分と下層吸収部との間に形成される。よって、このポケットの入口縁部は、上層前側部分における左側部分及び右側部分の幅方向中央側の側縁により形成され、その後端部では両側縁が一致又は近接することにより山状をなして肛門又はその近傍にフィットし、後端部から前側では両側縁が装着者の各脚の付け根に沿って鼠径部までフィットするようになる。その結果、股間部においても上層吸収部が身体表面にフィットし、肌を伝う尿もポケットへ導入して、上層吸収部及び下層吸収部の少なくとも一方により吸収することができ、褥瘡が発生し易い尾骨部及び仙骨部の尿汚染を低減することができる。
前記上層吸収部は、上層吸収体と、上層吸収体における下層吸収部側の反対側を覆う液不透過性シートとを有するものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
このように、上層吸収体における下層吸収部側の反対側の面を覆うように液不透過性シートを設けると、下層吸収体に吸収された排泄物が上層吸収部を透過して装着者の肌に逆戻りするのを防止できるため好ましい。
下層吸収部10は、下層裏面側シート11の内面と下層表面側シート13との間に、下層吸収体14が介在された基本構造を有している。
より詳細には、下層吸収体14としては、パルプ繊維の積繊体、セルロースアセテート等のフィラメントの集合体、あるいは不織布を基本とし、必要に応じて粒子状等の高吸収性ポリマーを混合、固着等してなるものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子を混合する場合等、必要に応じて、下層吸収体14はクレープ紙等の液透過性包装シート(図示せず)により包むことができる。
上層吸収部20は、幅方向中央に対して左側に位置する左側部分20L、及び右側に位置する右側部分20Rから構成されている。左側部分20L、及び右側部分20Rは、上層裏面側シート21L,21Rと上層表面側シート23L,23Rとの間に、上層吸収体24L,24Rがそれぞれ介在された基本構造を有している。
(イ)図15に示すように、左側部分20L及び右側部分20Rの上層前側部分20Fの幅方向中央側の側縁20Le,20Reは前後方向に沿う直線状をなしていても良い。
(ロ)上層後側部分20Bは、両側部37及び後端部38が下層吸収部10の表面に固定され、これら固定部37,38により囲まれる部分は非固定となっているが、後端部38のみ等、前後方向の少なくとも一部が下層吸収部10の表面に対して固定されているだけでも良い。
Claims (6)
- 尾骨対向部と、尾骨対向部の前側をなす物品前側部分と、この物品前側部分よりも後側であって尾骨対向部を含む物品後側部分とを有し、
下層吸収部、及びその上に位置する上層吸収部が、それぞれ物品前側部分から物品後側部分にかけて前後方向に延在し、前記下層吸収部は少なくとも上層吸収部側の面から、及び前記上層吸収部は少なくとも下層吸収部側の面から、それぞれ排泄物を吸収するように構成され、
前記上層吸収部は、尾骨対向部の前側をなす上層前側部分と、上層前側部分よりも後側であって尾骨対向部を含む上層後側部分とから構成され、
前記上層吸収部は、その前後方向全体が、幅方向中央に対して左側に位置する左側部分、及び右側に位置する右側部分からなり、
前記左側部分及び右側部分は、幅方向外側の側縁部が前後方向全体にわたり前記下層吸収部の表面に対して固定され、この固定部よりも幅方向中央側の部分のうち、前端部及び後端部は前記下層吸収部の表面に対して固定され、前端部及び後端部以外の部分は前記下層吸収部の表面に対して固定されていない自由部分とされ、且つこの自由部分の幅方向中央側の縁部に、先端部弾性伸縮部材が各縁部に沿う方向に伸長した状態で固定されており、
少なくとも展開状態において、上層吸収部の左側部分の幅方向中央側の側縁と右側部分の幅方向中央側の側縁とが、尾骨対向部の前側をなす上層前側部分では対応する下層吸収部が露出するように幅方向に離間し、かつ上層前側部分よりも後側であって尾骨対向部を含む上層後側部分では前後方向全体にわたり一致している、
ことを特徴とする吸収性物品。 - 前記左側部分及び右側部分は、前端部において、幅方向中央側端部が幅方向外側に一部肌側に向かって折り返された状態で前記下層吸収部の表面に固定されている、請求項1記載の吸収性物品。
- 前記下層吸収部の吸収体の幅が、前記上層吸収部の吸収体のなす幅よりも狭い、請求項1または2に記載の吸収性物品。
- 前記上層吸収部の、少なくとも上層前側部分における前記左側部分及び右側部分が幅方向にアーチ状をなしている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記上層前側部分は、後端部から前側に向かうにつれて前記左側部分の幅方向中央側の側縁及び右側部分の幅方向中央側の側縁の離間距離が拡大しつつ装着者の脚の付け根に沿って鼠径部に達するように形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
- 前記上層吸収部は、上層吸収体と、上層吸収体における下層吸収部側の反対側を覆う液不透過性シートとを有するものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸収性物品。
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