JP5716533B2 - 分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖オルガノポリシロキサンの製造方法 - Google Patents
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〔請求項1〕
下記一般式(1)
で示される環状三量体のトリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメチルシクロトリシロキサンと、下記一般式(2)
(式中、pは0<p≦100の整数である。)
で示されるオルガノシラン又はオルガノポリシロキサンを有機溶剤である1,4−ジオキサン中、アルキルリチウム触媒又はリチウムシラノレート触媒と、ジグライム、テトラグライム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びジメチルアセトアミドから選ばれる少なくとも1種の重合促進剤の存在下に共重合させて分子鎖末端シラノール基(又はそのリチウム塩)封鎖の共重合体を調製し、そこに弱酸を添加して該触媒に対する中和処理を行い、次いで1,4−ジオキサンを留去後に、トリオルガノシリルトリフラート又は強酸と、ヘキサオルガノジシラザンを添加して、分子鎖末端のシラノール基をトリオルガノシロキシ基で封鎖し、加熱減圧により加硫阻害物質を取り除くことによって、下記一般式(3)
(式中、R1は炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、R2〜R6は炭素数1〜8の非置換又は置換の脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基であり、mは0≦m≦100の整数、nは3<nの整数で、3<m+n≦130である。)
で示されるオルガノポリシロキサンを得ることを特徴とする分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖オルガノポリシロキサンの製造方法。
〔請求項2〕
トリオルガノシリルトリフラートがジメチルビニルシリルトリフラートであり、ヘキサオルガノジシラザンが1,3−ジビニルテトラメチルジシラザンであり、一般式(3)で示されるオルガノポリシロキサンが下記一般式(6)
(式中、R2〜R6は炭素数1〜8の非置換又は置換の脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基であり、mは0≦m≦100の整数、nは3<nの整数で、3<m+n≦130である。)
で示されるものである請求項1記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
〔請求項3〕
下記一般式(1)
で示される環状三量体のトリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメチルシクロトリシロキサンと、下記一般式(2)
(式中、pは0<p≦100の整数である。)
で示されるオルガノシラン又はオルガノポリシロキサンを重合促進剤を兼ねる有機溶剤であるテトラヒドロフラン中、他の重合促進剤の不存在下で、かつアルキルリチウム触媒又はリチウムシラノレート触媒の存在下に共重合させて分子鎖末端シラノール基(又はそのリチウム塩)封鎖の共重合体を調製し、そこに弱酸を添加して該触媒に対する中和処理を行い、次いでテトラヒドロフランを留去後に、トリオルガノシリルトリフラート又は強酸と、ヘキサオルガノジシラザンを添加して、分子鎖末端のシラノール基をトリオルガノシロキシ基で封鎖し、加熱減圧により加硫阻害物質を取り除くことによって、下記一般式(3)
(式中、R1は炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、R2〜R6は炭素数1〜8の非置換又は置換の脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基であり、mは0≦m≦100の整数、nは3<nの整数で、3<m+n≦131である。)
で示されるオルガノポリシロキサンを得ることを特徴とする分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖オルガノポリシロキサンの製造方法。
〔請求項4〕
トリオルガノシリルトリフラートがジメチルビニルシリルトリフラートであり、ヘキサオルガノジシラザンが1,3−ジビニルテトラメチルジシラザンであり、一般式(3)で示されるオルガノポリシロキサンが下記一般式(6)
(式中、R2〜R6は炭素数1〜8の非置換又は置換の脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基であり、mは0≦m≦100の整数、nは3<nの整数で、3<m+n≦131である。)
で示されるものである請求項3記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
〔請求項5〕
弱酸が、酢酸、トリフロロ酢酸及びトリストリメチルシリルホスフェートから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
〔請求項6〕
リチウムシラノレート触媒として、下記一般式(4)
(式中、qは0<q≦100の整数である。)
で示されるリチウムシラノレート触媒及び/又は下記一般式(5)
(式中、R2,R3,R6は炭素数1〜8の非置換又は置換の脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基であり、rは0<r≦100の整数である。)
で示される有機リチウム化合物のシロキサンオリゴマーを使用することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
〔請求項7〕
ヘキサオルガノジシラザンが、ヘキサメチルジシラザン及び1,3−ジビニルテトラメチルジシラザンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は3記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
〔請求項8〕
トリオルガノシリルトリフラートが、トリメチルシリルトリフラート及びジメチルビニルシリルトリフラートから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1,3,5,6及び7から選ばれるいずれか1項記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
〔請求項9〕
強酸が、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、濃硫酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体及び線状塩化窒化リンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
〔請求項10〕
加硫阻害物質を150℃以上の高温、減圧下で除去する請求項1〜9のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
(式中、R1は炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、R2〜R6は炭素数1〜8の非置換又は置換の脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基であり、mは0≦m≦100の整数、nは3<nの整数である。)
で示される環状三量体のトリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメチルシクロトリシロキサンと、下記一般式(2)
(式中、pは0<p≦100の整数である。)
で示されるオルガノシラン又はオルガノポリシロキサンを有機溶剤中、アルキルリチウム触媒又はリチウムシラノレート触媒と重合促進剤の存在下に共重合させて分子鎖末端シラノール基(又はそのリチウム塩)封鎖の共重合体を調製する。即ち、リビング重合することによってトリフルオロプロピルメチルポリシロキサンの鎖長延長を行う。
有機溶剤としては、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、4−メチル−2−ペンタノン(メチルイソブチルケトン)などを用いることができるが、溶媒和による重合触媒の反応性並びに分散制御が容易なエーテル系有機溶剤であるテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンがより好ましい。
なお、上記例示の有機溶剤のうち、テトラヒドロフランは、後述する重合促進剤としても作用するものである。
重合促進剤としては、テトラヒドロフラン、ジグライム(即ち、ビス(2−メトキシエチル)エーテル)、テトラグライム(即ち、ビス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]エーテル)、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、又はジメチルアセトアミドなどを用いることができるが、上記式(1)で示される環状三量体のトリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメチルシクロトリシロキサンと相溶性が高く、低分子シロキサン留去時に同時に除去できるため、ジグライムがより好ましい。
なお、上述したように、テトラヒドロフランは、重合促進剤としても溶剤としても作用するものであるため、有機溶剤としてテトラヒドロフランを使用する場合には、これとは別個に重合促進剤を添加する必要はない。
なお、テトラヒドロフランを使用する場合にはこの限りではなく、前記した有機溶剤としての添加量の好適範囲内で適用することができる。
(式中、qは0<q≦100の整数である。)
で示される、ジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなる主鎖骨格(分子鎖)の両末端がリチウムイオンで封鎖された、2官能性のリチウムシラノレート触媒、あるいは下記一般式(5)
(式中、R2,R3,R6は炭素数1〜8の非置換又は置換の脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基であり、rは0<r≦100の整数である。)
で示される有機リチウム化合物のシロキサンオリゴマー(即ち、分子鎖の片末端がリチウムイオンで封鎖されている、単官能性のリチウムシラレート触媒)であることが好ましい。
また、rは、値が増加にするにつれて、ポリマーの耐燃料性、耐油性、耐溶剤性、耐薬品性の低下につながることから、0<r≦100の整数であり、好ましくは0<r≦50の整数、より好ましくは0<r≦20の整数、更に好ましくは1≦r≦10の整数である。
分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖オルガノポリシロキサンの揮発分は、一般に1質量%未満であることが望ましく、高温減圧ストリップにより揮発分を除去し得る。高温減圧ストリップについては特段の制限はないが、得られた分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖オルガノポリシロキサンを真空に引いて、150℃以上の温度に加熱することによって達成し得る。別法として減圧、加熱条件下、窒素パージ、その他これに相当する手段を用いてもよい。好ましくは温度は150〜200℃、特に160〜200℃、減圧度は500mmHg以下(即ち、0〜500mmHg)、特に300mmHg以下(0〜300mmHg)とすることが好ましい。
(式中、R2〜R6、m、nは上記と同じ。)
で示される分子鎖両末端にビニル基を有するオルガノポリシロキサンであることが好ましい。
フルオロシリコーンポリマー(I)の合成
5Lのセパラブルフラスコに、トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメチルシクロトリシロキサン2,686.3g(5.74モル)及び下記平均分子式(7)
で示される分子鎖両末端がシラノール基で封鎖されたオルガノポリシロキサン487.4g(0.17モル)、1,4−ジオキサン317.4gを加え、室温、窒素ガス雰囲気下で撹拌し、下記式(8)
で示される有機リチウム化合物のシロキサンオリゴマー1.7g(0.003モル)、ジグライム1.6g(0.01モル)を撹拌しながら添加し、室温で6時間重合反応を行った。酢酸0.2g(0.004モル)を加え、室温で1時間中和反応を行い、加熱減圧にて1,4−ジオキサン、酢酸を留去させてオルガノポリシロキサンを得た。100℃まで加熱した後、該オルガノポリシロキサンにトリフルオロメタンスルホン酸0.9g(0.006モル)と1,3−ジビニルテトラメチルジシラザン151.7g(0.82モル)を添加し、100℃で3時間撹拌して、シロキサンポリマー末端をジメチルビニルシロキシ基で封鎖して160℃で窒素パージを行い、8,000Paで3時間減圧ストリップを行うことで、フルオロシリコーンポリマー(I)を3,187.9g得た。1H−NMR、29Si−NMR測定を行ったところ、下記平均分子式(9)、(10)の混合物であることが確認された。
フルオロシリコーンポリマー(II)の合成
1Lのセパラブルフラスコに、トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメチルシクロトリシロキサン537.3g(1.15モル)及び上記平均分子式(7)で示される分子鎖両末端がシラノール基で封鎖されたオルガノポリシロキサン97.5g(0.03モル)、テトラヒドロフラン63.5gを加え、室温、窒素ガス雰囲気下で撹拌し、上記式(8)で示される有機リチウム化合物のシロキサンオリゴマー0.4g(0.0006モル)を撹拌しながら添加し、室温で6時間重合反応を行った。酢酸0.05g(0.001モル)を加え、室温で1時間中和反応を行い、加熱減圧にてテトラヒドロフラン、酢酸を留去させてオルガノポリシロキサンを得た。100℃まで加熱した後、該オルガノポリシロキサンにトリフルオロメタンスルホン酸0.2g(0.001モル)と1,3−ジビニルテトラメチルジシラザン30.5g(0.16モル)を添加し、100℃で3時間撹拌して、シロキサンポリマー末端をジメチルビニルシロキシ基で封鎖して160℃で窒素パージを行い、8,000Paで3時間減圧ストリップを行うことで、フルオロシリコーンポリマー(II)を610.6g得た。1H−NMR、29Si−NMR測定を行ったところ、下記平均分子式(11)、(12)の混合物であることが確認された。
フルオロシリコーンポリマー(III)の合成
1Lのセパラブルフラスコに、トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメチルシクロトリシロキサン537.3g(1.15モル)及び上記平均分子式(7)で示される分子鎖両末端がシラノール基で封鎖されたオルガノポリシロキサン97.2g(0.03モル)、1,4−ジオキサン54.4gを加え、室温、窒素ガス雰囲気下で撹拌し、上記式(8)で示される有機リチウム化合物のシロキサンオリゴマー0.3g(0.0005モル)を撹拌しながら添加し、室温で6時間重合反応を行った。GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)分析による分子量測定を行ったところ、重合が進行していないことが確認され、フルオロシリコーンポリマー(III)を得ることができなかった。
Claims (10)
- 下記一般式(1)
で示される環状三量体のトリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメチルシクロトリシロキサンと、下記一般式(2)
(式中、pは0<p≦100の整数である。)
で示されるオルガノシラン又はオルガノポリシロキサンを有機溶剤である1,4−ジオキサン中、アルキルリチウム触媒又はリチウムシラノレート触媒と、ジグライム、テトラグライム、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド及びジメチルアセトアミドから選ばれる少なくとも1種の重合促進剤の存在下に共重合させて分子鎖末端シラノール基(又はそのリチウム塩)封鎖の共重合体を調製し、そこに弱酸を添加して該触媒に対する中和処理を行い、次いで1,4−ジオキサンを留去後に、トリオルガノシリルトリフラート又は強酸と、ヘキサオルガノジシラザンを添加して、分子鎖末端のシラノール基をトリオルガノシロキシ基で封鎖し、加熱減圧により加硫阻害物質を取り除くことによって、下記一般式(3)
(式中、R1は炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、R2〜R6は炭素数1〜8の非置換又は置換の脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基であり、mは0≦m≦100の整数、nは3<nの整数で、3<m+n≦130である。)
で示されるオルガノポリシロキサンを得ることを特徴とする分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖オルガノポリシロキサンの製造方法。 - 下記一般式(1)
で示される環状三量体のトリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメチルシクロトリシロキサンと、下記一般式(2)
(式中、pは0<p≦100の整数である。)
で示されるオルガノシラン又はオルガノポリシロキサンを重合促進剤を兼ねる有機溶剤であるテトラヒドロフラン中、他の重合促進剤の不存在下で、かつアルキルリチウム触媒又はリチウムシラノレート触媒の存在下に共重合させて分子鎖末端シラノール基(又はそのリチウム塩)封鎖の共重合体を調製し、そこに弱酸を添加して該触媒に対する中和処理を行い、次いでテトラヒドロフランを留去後に、トリオルガノシリルトリフラート又は強酸と、ヘキサオルガノジシラザンを添加して、分子鎖末端のシラノール基をトリオルガノシロキシ基で封鎖し、加熱減圧により加硫阻害物質を取り除くことによって、下記一般式(3)
(式中、R1は炭素数1〜8の非置換又は置換の一価炭化水素基であり、R2〜R6は炭素数1〜8の非置換又は置換の脂肪族不飽和結合を含有しない一価炭化水素基であり、mは0≦m≦100の整数、nは3<nの整数で、3<m+n≦131である。)
で示されるオルガノポリシロキサンを得ることを特徴とする分子鎖両末端トリオルガノシロキシ基封鎖オルガノポリシロキサンの製造方法。 - 弱酸が、酢酸、トリフロロ酢酸及びトリストリメチルシリルホスフェートから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
- ヘキサオルガノジシラザンが、ヘキサメチルジシラザン及び1,3−ジビニルテトラメチルジシラザンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は3記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
- トリオルガノシリルトリフラートが、トリメチルシリルトリフラート及びジメチルビニルシリルトリフラートから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1,3,5,6及び7から選ばれるいずれか1項記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
- 強酸が、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、濃硫酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸、塩化アルミニウム、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体及び線状塩化窒化リンから選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
- 加硫阻害物質を150℃以上の高温、減圧下で除去する請求項1〜9のいずれか1項記載のオルガノポリシロキサンの製造方法。
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