JP5715941B2 - 被成形ガラス素材の浮上搬送装置、及びガラス光学素子の製造方法 - Google Patents

被成形ガラス素材の浮上搬送装置、及びガラス光学素子の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、得ようとする光学素子の形状にもとづいて精密加工された成形型を用いて、被成形ガラス素材を成形するにあたり、被成形ガラス素材を浮上させた状態で加熱により軟化させてから成形型に搬送する被成形ガラス素材の浮上搬送装置と、そのような装置を用いたガラス光学素子の製造方法に関する。
光学レンズなどのガラス光学素子を製造するにあたり、被成形ガラス素材(プリフォーム)を加熱して軟化させ、予熱した成形型で被成形ガラス素材をプレス成形することにより、成形型の成形面形状を被成形ガラス素材に転写して、ガラス光学素子を製造するモールドプレス成形方法が実用化されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
被成形ガラス素材の成形型への供給は、被成形ガラス素材を加熱軟化した状態で供給する場合は、浮上皿、好ましくは割型式浮上皿を用いることができる。例えば、支持アーム上に長手方向一列に配置された複数の割型式浮上皿上に、下方から噴出する気流により浮上させ、その状態で加熱軟化した複数の被成形ガラス素材を搬送し、下型の直上で浮上皿を分割して被成形ガラス素材を落下させることにより被成形ガラス素材を成形型に供給することができる。このような浮上皿は、例えば、特許文献2に記載のものを用いることができる。
近年、高精度のガラス光学レンズをモールドプレス成形するにあたり、目的とする光学レンズの形状に近似したガラス素材を用いることがある。
例えば、高屈折率の光学ガラスは、その硝材の成分などに起因してプレス温度が高い。このため、成形型や離型膜の耐久性に問題が発生し、プレス成形ができなくなったり、離型膜が劣化することにより、連続成形可能数が減少したり、プレス機構の熱膨張の影響で偏芯などが生じて成形精度が悪化するなど、好ましくない事態を招来する。その対策として、プリフォーム形状を最終的に得ようとするレンズ形状に近づけてプレス時の変形量を減らすとともに、プレス温度を低くする方法が有効となる。
また、プレス成形が比較的困難な形状のガラスレンズをプレス成形する場合も、なるべく最終的なレンズ形状に近い形状の被成形ガラス素材を用いることにより、被成形ガラス素材の変形量を減らして成形面形状をガラス素材に転写して、カンワレなどの成形不良を低減することができる。
このように、精密プレスによって成形されるレンズの高屈折率化や難形状化により、装置の耐久性や成形精度に問題が発生し易くなり、その対策として被成形ガラス素材の薄肉化や平板化、そして近似形状化が求められるようになってきており、このような被成形ガラス素材は、通常、上面側の形状や曲率半径(非球面の場合は近軸曲率半径)が、下面側のそれと異なっている。
近似形状プリフォームのような上下面の形状が非対称の被成形ガラス素材を浮上させながら加熱により軟化させ、成形面に落下供給する場合、落下の途中で被成形ガラス素材の上下が反転することがある。被成形ガラス素材が反転した状態で成形型に供給され、そのままプレス成形されると、成形面とガラス素材の曲率半径の相違に起因して成形品にガス溜まりが生じたり、成形不良が多発したりする。
そこで、本出願人は、被成形ガラス素材の落下途中での反転を防止し、上下面が常に一定の配置となるように下型上に安定的に供給するために、特許文献4において、下型上に成形素材を落下供給する成形素材供給手段と、成形素材が下型上に落下供給されるとき、その落下経路で成形素材の姿勢を制御するガイド手段とを備える構成としたモールドプレス成形装置を提案した。
特開平8−133765号公報 特開平8−133758号公報 特開平10−67525号公報 特開2005−281106号公報
しかしながら、所望の光学レンズの形状に近似した被成形ガラス素材を用いてプレス成形する場合、外径に対して肉厚が極端に薄い被成形ガラス素材や、上下非対称な軽量の被成形ガラス素材を落下供すると、ガイド手段から下型の成形面上に被成形ガラス素材が落下移動する際に反転してしまうことがあり、特許文献4で提案した方法でも被成形ガラス素材の反転を確実に防止することは困難であった。
その原因としては、被成形ガラス素材の厚さに比べてガイド手段から成形面までの落下距離が長いため、落下中に反転することが考えられるが、落下距離を短くするためにガイド手段を成形型(下型)に接近させると、成形型と干渉してプレス成形の妨げになってしまう。
本発明は、上記した事情に鑑みてなされた発明であって、モールドプレス成形によってガラス光学素子を製造するにあたり、被成形ガラス素材を浮上状態で軟化させてから成形型の成形面上に落下供給する際に、上記したような近似形状プリフォームに限らず、いかなる形状の被成形ガラス素材であっても、これを反転させることなく正確に成形面上に落下供給することができる被成形ガラス素材の浮上搬送装置、及びそのような装置を用いて精度の高い光学素子をより効率よく製造することができるガラス光学素子の製造方法の提供を目的とする。
本発明の被成形ガラス素材の浮上搬送装置は、被成形ガラス素材を浮上させた状態で保持する一対の浮上皿分割体を有する浮上皿と、前記浮上皿に浮上用ガスを供給するガス供給路が内部に設けられ、かつ、対になる前記浮上皿分割体をそれぞれ接離可能に支持する一対のアーム分割体を有する支持アームとを備え、前記浮上皿が、前記各浮上皿分割体が突き合わされる突き合わせ面とはそれぞれ反対側に張り出す張り出し部と、前記張り出し部の下方に突出する底部とを有し、前記支持アームには、前記各アーム分割体が突き合わされる部位を跨いで前記浮上皿を支持する支持部を設けるとともに、前記支持部に貫通孔を穿設し、前記貫通孔に前記浮上皿の底部を挿通しつつ、前記浮上皿の張り出し部の下面を前記支持部に支持させた状態で、前記浮上皿を前記支持アームに取り付けた構成としてある。
また、本発明におけるガラス光学素子の製造方法は、互いに対向する成形面を有する下型と上型とを用い、加熱により軟化した被成形ガラス素材をプレス成形する光学素子の製造方法において、上記したような被成形ガラス素材の浮上搬送装置により、加熱により軟化した前記被成形ガラス素材を前記下型上に落下供給する方法としてある。
本発明によれば、被成形ガラス素材を成形型に落下供給する際の落下距離を短くすることができ、これによって、被成形ガラス素材が反転してしまうなどの不具合を有効に回避し、成形型に被成形ガラス素材を正確に供給することが可能になる。
本発明の実施形態に係る被成形ガラス素材の浮上搬送装置の要部の概略を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る被成形ガラス素材の浮上搬送装置の要部の概略を示す平面図である。 本発明の実施形態に係る被成形ガラス素材の浮上搬送装置の動作を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る被成形ガラス素材の浮上搬送装置の動作を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る被成形ガラス素材の浮上搬送装置において、浮上皿と支持アームとを分離して示す説明図である。 図2のC−C断面図である。 図2のD−D断面図である。 本発明の実施形態に係る被成形ガラス素材の浮上搬送装置の要部の概略を示す平面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[被成形ガラス素材の浮上搬送装置]
まず、本実施形態に係る被成形ガラス素材の浮上搬送装置について説明する。
図1及び図2は、本実施形態に係る被成形ガラス素材の浮上搬送装置の要部について、その概略を示す平面図である。また、図3及び図4は、本実施形態に係る被成形ガラス素材の浮上搬送装置の動作を示す説明図であり、図3の浮上搬送装置1は、図1のA−A断面の概略を示し、図4の浮上搬送装置1は、図2のB−B断面の概略を示している。
これらの図に示すように、浮上搬送装置1は、被成形ガラス素材Pを浮上させた状態で保持する一対の浮上皿分割体2a,2bを有する浮上皿2と、この浮上皿2に浮上用ガスを供給するガス供給路35が内部に設けられ、かつ、対になる浮上皿分割体2a,2bをそれぞれ接離可能に支持する一対のアーム分割体3a,3bを有する支持アーム3とを備えている。
このような構成とされる浮上搬送装置1は、被成形ガラス素材Pを成形型4によりプレス成形して所定の光学素子を製造するにあたり、被成形ガラス素材Pを浮上させた状態で保持しつつ、加熱により軟化させてから成形型4まで搬送するためのものである。このため、支持アーム3の内部に設けられたガス供給路35を経て浮上皿2に供給され、浮上皿2側に設けたガス供給路29に導かれて噴出口28から噴出する浮上用ガスによって、被成形ガラス素材Pが浮上皿2内で僅かに浮上しながら搬送されるようになっている(図3参照)。
支持アーム3は、例えば、ステンレス合金などの耐熱性の高い金属によって長尺状に成形されている。この支持アーム3は、図示しない駆動手段に取り付けられており、その長手方向に直交する方向に各アーム分割体3a,3bが平行に往復動することによって開閉するようになっている。
なお、図1は、支持アーム3が閉じて近接した浮上皿分割体2a,2bが突き合わされた状態を示しおり、図2は、支持アーム3が開いて浮上皿分割体2a,2bが離間した状態を示している。
このような支持アーム3の開閉動作によって、各アーム分割体3a,3bに支持された浮上皿分割体2a,2bが接離する。これにより、加熱により軟化した被成形ガラス素材Pを浮上させた状態で保持する支持アーム3が、被成形ガラス素材Pをプレス成形する成形型4が型開きして待機する下型4aの上方に到達すると(図3参照)、支持アーム3が開いて、下型4a上に被成形ガラス素材Pを落下供給することができるようになっている(図4参照)。
なお、特に図示しないが、浮上搬送装置1は、下型4a上に被成形ガラス素材Pを落下供給した後は、下型4aと上型4bとを近接させてプレス成形をする妨げとならないように、支持アーム3を閉じて退避し、次の成形に備える。
浮上皿2は、支持アーム3の開閉動作によって、対になる浮上皿分割体2a,2bが突き合わされた際に凹陥状に形成される受け部25を有しており、この受け部25に投下された被成形ガラス素材Pを浮上させた状態で保持する。被成形ガラス素材Pを浮上させた状態で保持する上で、受け部25は、図示するように、噴出口28が開口する底面側からテーパー部を経て開口部へと至るすり鉢状とするのが好ましいが、受け部25の具体的な形状や寸法は、搬送対象となる被成形ガラス素材Pに応じて適宜変更することができる。
このような浮上皿32の材質としては、加熱により軟化した被成形ガラス素材Pとの融着を防ぐために、例えば、高密度カーボン、グラッシーカーボンなどのカーボン材を用いることができる。このようなカーボン材は、熱伝導性にも優れているという点からも浮上皿2の材質として好ましい。
また、浮上皿2は、図5に示すように、対となる浮上皿分割体2a,2bが互いに突き合わされる突き合わせ面22a,22bとはそれぞれ反対側に張り出す張り出し部23a,23bと、張り出し部23a,23bの下方に突出する底部24とを有している。これとともに、支持アーム3には、支持アーム3が閉じたときにアーム分割体3a,3bが突き合わされる部位を跨いで、浮上皿2を支持する支持部31が設けられている。さらに、この支持部31には、浮上皿2の底部24が挿通可能な貫通孔32が穿設されている。
このようにすることで、浮上皿2は、支持部31に穿設された貫通孔32に、その底部24を挿通しつつ、張り出し部23a,23bの下面を支持部31に支持させた状態で、支持アーム3に取り付けられるようになっている。
なお、図5は、浮上皿2と支持アーム3とを分離して示す説明図である。図5において、支持アーム3については、図1のA−A断面に相当する断面の概略を示しており、分割皿2については、その側面の概略を示している。
このようにして浮上皿2を支持アーム3に取り付けると、浮上皿2の底部24の下面側が開放された状態で、浮上皿2が支持アーム3に支持されることになり、被成形ガラス素材Pを下型4a上に落下供給する際の落下距離D1(浮上皿2の受け部25の最下点から下型4aの成形面4sの中心部までの距離)を短くすることができる(図3及び図4参照)。すなわち、浮上皿2の底部24の下面側が支持アーム3で覆われていると、浮上皿2の底部24の下面側に位置する支持アーム3の厚みの分だけ被成形ガラス素材Pの落下距離が長くなってしまうが、この分の距離をなくすことができる。
これにより、被成形ガラス素材Pを下型4a上に落下供給する際に、その落下距離を短くして被成形ガラス素材Pが反転してしまうなどの不具合を有効に回避し、下型4a上に被成形ガラス素材Pを正確に供給することが可能になる。
ここで、図示する例では、浮上皿2の底部24の下面と支持アーム3の下面とが面一となるようにしているが、下型4aと干渉しない範囲で浮上皿2の底部24を下型4aに近づけて、被成形ガラス素材Pを下型4a上に落下供給する際の落下距離を短くする上での妨げにならなければ、浮上皿2の底部24の下面は、支持アーム3の下面よりも突出していてもよく、支持アーム3の支持部31に穿設された貫通孔32内に位置していてもよい。
なお、下型4a上に落下供給される被成形ガラス素材Pの反転をより有効に回避するには、その落下距離D1が被成形ガラス素材Pの半径D2よりも短くなるように、各部の形状や寸法などを適宜調整するのが好ましい。
また、図示する例において、支持アーム3の先端側に位置する浮上皿20は、対となる浮上皿分割体20a,20bのうち一方の浮上皿分割体20aが、これを支持するアーム分割体3aに固定されている。そして、アーム分割体3aの内部に設けられたガス供給35が、アーム分割体3aに固定された側の浮上皿分割体20aに設けたガス供給路29に連通し、これによって、ガス供給路29に導かれてきた浮上用ガスが、受け部25の底面側に開口する噴出口28から噴出するようになっている。もう一つの浮上皿21についても同様に、一方の浮上皿分割体21aが、これを支持するアーム分割体3bに固定されており、アーム分割体3bの内部に設けられたガス供給35が、アーム分割体3bに固定された側の浮上皿分割体21aに設けたガス供給路29に連通している。
アーム分割体3a,3bに固定される側の浮上皿分割体20a,21aにガス供給路29を設けて、当該浮上皿分割体20a,21aのそれぞれが固定されるアーム分割体3a,3bの内部に設けられたガス供給路35に連通させるようにすれば、その途中に可動部がないため、ガス供給路35,29内の気密性を高めることが容易となる。このため、浮上用ガスが供給される経路の途中で漏れ出すことなく、浮上用ガスをより確実に噴出口28まで導くことができる。
また、図示する例にあっては、アーム分割体3a,3bに固定される側の浮上皿分割体20a,21aの位置を、支持アーム3の長手方向に沿って交互に入れ替えている。すなわち、支持アーム3の先端側に位置する浮上皿20にあっては、固定される側の浮上皿分割体20aを図中左側に位置するアーム分割体3aに支持させ、もう一つの浮上皿21にあっては、固定される側の浮上皿分割体20aを図中右側に位置するアーム分割体3bに支持させている。
このような態様は、アーム分割体3a,3bの内部にガス供給路35を設けるにあたり、その混み合いを低減するとともに、両者の内部構造を近似させて熱的な影響を均等化することができるため好ましい。
浮上皿分割体20a,21aをアーム分割体3a,3bに固定するにあたり、その具体的な手段は特に限定されない。例えば、図6に示すように、アーム分割体3aに螺設した雌ネジ孔52と同軸となるように、浮上皿分割体20aに挿通孔51を穿設し、この挿通孔51に挿通させたネジ50をアーム分割体3aに螺設した雌ネジ孔52にネジ締めするなどすればよい。
なお、図6は、図2のC−C断面図である。
一方、支持アーム3の先端側に位置する浮上皿20における他方の浮上皿分割体20bにあっては、これを支持するアーム分割体3bに、付勢部材6によって一方の浮上皿分割体20a側に付勢された状態で、対となる浮上皿分割体20a,20bが互いに接離する方向に沿って摺動可能となるように取り付けられている。もう一つの浮上皿21についても同様に、他方の浮上皿分割体21bが、付勢部材6によって一方の浮上皿分割体21a側に付勢された状態で、これを支持するアーム分割体3aに摺動可能に取り付けられている。
ここで、浮上皿分割体20b,21bの摺動可能な方向は、相互に平行であって、且つ、突き合わせ面22a,22bに対して直交するように構成されている。かかる構成により、温度環境や経時変化などに伴って支持アーム3に変形が生じたとしても、それぞれ対となる浮上皿分割体(20aと20b、21aと21b)は、付勢部材6によって互いに隙間なく密接するため、被成形ガラス素材Pの安定的な浮上を実現できる。
付勢部材6としては、図示するようなコイルバネのほか、板ばねなどを用いることができる。付勢部材6の材質は、耐熱性に優れ、高温に曝されてもばね弾性が失われ難いものであればよい。例えば、ジルコニア、窒化ケイ素などのファインセラミックス類を用いることができる。このような付勢部材6は、例えば、コイルバネとした場合には、図示する例のように、浮上皿分割体20aに設けたガイド部26にガイドさせて、浮上皿分割体20aを支持する支持部31の側壁との間に収納されるようにすることができる。
浮上皿分割体20b,21bを摺動可能となるようにアーム分割体3b,3aに取り付けるにあたり、その具体的な手段も特に限定されない。例えば、図7に示すように、浮上皿分割体20bに長穴56を穿設し、この長穴56に挿通されたネジ55をスリーブ58やワッシャー59を介してアーム分割体3bに螺設した雌ネジ孔57にネジ締めするなどすればよい。
なお、図7は、図2のD−D断面図である。
このように、一方の浮上皿分割体20a,21aを、それぞれを支持するアーム分割体3a,3bに固定するとともに、他方の浮上皿分割体20b,21bを、それぞれを支持するアーム分割体3b,3aに、付勢部材6によって一方の浮上皿分割体20a,21a側に付勢された状態で摺動可能に取り付けることで、一方の浮上皿分割体20a,21aと、他方の浮上皿分割体20b,21bとの突き合わせ面22a,22bに隙間が生じることなく、これらの突き合わせ面22a,22bが互いに密着した状態を維持できるようになる。すなわち、浮上皿2に保持した被成形ガラス素材Pを加熱により軟化させる際には、支持アーム3も熱に曝され、その熱膨張によって、図8に示すように、アーム分割体3a,3bの突き合わせ面に隙間Wが生じてしまうが、このような隙間Wが生じても、一方の浮上皿分割体20a,21aと、他方の浮上皿分割体20b,21bとの突き合わせ面22a,22bに隙間が生じないようにすることができる。
なお、図8は、図1及び図2と同様に、本実施形態に係る被成形ガラス素材の浮上搬送装置の要部の概略を示す平面図であり、アーム分割体3a,3bの突き合わせ面に隙間Wが生じても、一方の浮上皿分割体20a,21aと、他方の浮上皿分割体20b,21bとの突き合わせ面22a,22bが互いに密着した状態にあることを示している。
しかも、前述した特許文献4で提案した方法にあっては、異なる硝材からなる被成形ガラス素材Pをプレス成形する場合には、各硝材に適した加熱温度に基づいてアーム末端の突き合わせ面の隙間を設定する必要があるが、本実施形態にあっては、そのような必要はない。付勢部材6によって浮上皿分割体2a,2bの突き合わせ面22a,22bが互いに密着した状態を維持しているため、被成形ガラス素材Pの加熱温度が異なることに起因して、アーム分割体3a,3bの突き合わせ面に熱膨張によって生じる隙間Wの間隔が違ってきても、浮上皿分割体2a,2bの突き合わせ面22a,22bに隙間が生じるのを防止することができる。さらに、アーム分割体3a,3bの双方の突き合わせ部が繰り返し衝突し、経時的にアーム分割体3a,3bの位置にずれが生じたとしても、浮上皿分割体2a,2bの突き合わせ面22a,22bに隙間が生じないようすることができる。
したがって、本実施形態によれば、被成形ガラス素材Pを加熱する際の浮上用ガスの漏出をより確実に防止して、被成形ガラス素材Pを安定に浮上させた状態で保持しつつ、加熱により軟化させてから成形型4まで搬送することが可能になる。
[ガラス光学素子の製造方法]
次に、上記したような浮上搬送装置1を用いる本発明のガラス光学素子の製造方法の実施形態について説明する。
本実施形態におけるガラス光学素子の製造方法は、互いに対向する成形面を有する下型4aと上型4bとからなる成形型4によって、被成形ガラス素材Pをプレス成形して所定のガラス光学素子を製造するものであり、プレス成形に先立って、上記した浮上搬送装置1により被成形ガラス素材Pを浮上させた状態で保持しつつ、加熱により軟化させてから型開きして待機する成形型4まで搬送する。
被成形ガラス素材Pとしては、所望の性質を有する光学ガラスを平板状、柱状、球状、平凸形状、平凹形状、又は両凸形状などの形状に加工したものとすることができるが、得ようとする光学素子の形状に近似した形状に溶融ガラスを予備成形したものであってもよい。特に、被成形ガラス素材Pとして、上面側の曲率又は形状と、下面側の曲率又は形状とが互いに異なるもの、例えば、上面が凹面で下面が凸面の被成形ガラス素材Pを用いる場合に、本発明に係る浮上搬送装置を採用することが好適である。
また、被成形ガラス素材Pに用いる硝材に特に制限はなく、通常、この種のプレス成形に用いられる各種のものを用いることができる。
被成形ガラス素材Pを浮上させた状態で保持するにあたり、浮上皿2に形成された受け部25の底面側に開口させた噴出口28から浮上用ガスを噴出させるが、浮上用ガスとしては、例えば、窒素ガスなどの非酸化性ガスを用いることができる。浮上用ガスを噴出口28から噴出させるに際し、その流量は、噴出口28の形状や、被成形ガラス素材Pの形状及び重量などを考慮して適宜調整するが、通常は、0.005〜20リットル/分程度とすることができる。
浮上搬送装置1により浮上した状態で保持された被成形ガラス素材Pは、公知の加熱装置を用いて加熱により軟化させるが、下型4a上に落下供給する際の被成形ガラス素材Pの温度は、その粘度が10〜10dPa・sとなる温度であることが好ましい。このような温度とすることで、得られる光学素子の十分な面精度を確保することができる。
また、プレス成形を開始するに際し、下型4aと上型4bを加熱して所定の温度に維持しておく。プレス成形時における下型4aと上型4bの温度は、被成形ガラス素材Pの温度とほぼ同一であってもよいが、サイクルタイムの短縮のためには被成形ガラス素材Pの温度よりも低いことが好ましく、具体的には、被成形ガラス素材Pの粘度で10〜1012dPa・sとなる温度に予熱しておくのが好ましい。
なお、下型4aと上型4bを予熱する際の温度は同一でもよく、差を設けても良い。得ようとする光学素子の形状や、用いた硝材などに応じて適宜調整することができる。
型開きして待機する成形型4の下型4aの上方に浮上搬送装置1が到達すると、浮上搬送装置1は、一対のアーム分割体3a,3bを略平行に開いて、浮上搬送装置1で保持された被成形ガラス素材Pを下型4a上に落下供給する。このとき、被成形ガラス素材Pの落下距離D1(図3参照)、すなわち、浮上皿2の受け部25の最下点から下型4aの成形面4sの中心部までの距離が、被成形ガラス素材Pの半径D2よりも短くなるように構成されているため、落下途中における被成形ガラス素材Pの反転を未然に防止することができる。したがって、浮上搬送装置1で被成形ガラス素材Pを保持しているときの被成形ガラス素材Pの姿勢は、被成形ガラス素材Pを下型4a上に供給した後の姿勢と一致する。
下型4a上に被成形ガラス素材Pを落下供給すると浮上搬送装置1は退避し、次いで、下型4aと上型4bとを接近させることにより、被成形ガラス素材Pプレス成形する。そして、プレス成形開始後の任意の時点で、冷却を開始し、被成形ガラス素材Pの粘度で1012dPa・sに相当する温度以下になったときに、下型4aと上型4bとを離間して成形された光学素子(成形体)を取り出す。
以上のような本実施形態の光学素子の製造方法は、前述したような浮上搬送装置1を用いることで、被成形ガラス素材Pを加熱する際の浮上用ガスの漏出をより確実に防止して、型開きして待機する成形型4の下型4a上に被成形ガラス素材P落下供給するまでの間、被成形ガラス素材Pを安定に浮上させた状態で保持することが可能になる。しかも、被成形ガラス素材Pを下型4a上に落下供給する際には、その落下距離を短くして被成形ガラス素材Pが反転してしまうなどの不具合を有効に回避し、下型4a上に被成形ガラス素材Pを正確に供給することが可能になる。このため、本実施形態によれば、精度の高い光学素子をより効率よく製造することが可能になる。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、前述した実施形態では、支持アーム3の長手方向に沿って二つの浮上皿2が一列に配置された例を示して説明したが、支持アーム3に支持させる浮上皿2は一つであっても、三つ以上であってもよい。支持アーム3に支持させる浮上皿2の数は、搬送すべき被成形ガラス素材Pの数に応じて適宜変更することができる。また、アーム分割体3a,3bに固定される側の浮上皿分割体2aの位置を、支持アーム3の長手方向に沿って交互に入れ替えるのが好ましいのは、三つ以上の浮上皿2を支持アーム3に支持させる場合も同様である。
また、前述した実施形態では、一方の浮上皿分割体20a,21aが、アーム分割体3a,3bのそれぞれに固定されるとともに、他方の浮上皿分割体20b,21bが、付勢部材6によって一方の浮上皿分割体20a,21a側に付勢された状態で摺動可能に取り付けられるようにすることで、浮上皿分割体20a,21aの突き合わせ面22a,22bが互いに密着した状態を維持できるようにした例を示したが、必ずしも付勢部材6を設ける必要はない。
例えば、アーム分割体3a,3bの熱膨張率に基づいて、常温における浮上皿分割体20a,21aの突合せ面22a,22bどうしの隙間を予め設定しておき、被成形ガラス素材Pの軟化温度において、一対のアーム分割体3a,3bを突き合わせたとき、浮上皿分割体20a,21aの突き合わせ面22a,22bどうしが隙間なく接触するようにしてもよい。
本発明は、得ようとする光学素子の形状にもとづいて精密加工された成形型を用い、被成形ガラス素材をプレス成形する精密モールドプレス成形技術に適用される。
1 浮上搬送装置
2(20,21) 浮上皿
2a(20a,21a) 浮上皿分割体
2b(20b、21b) 浮上皿分割体
22a,22b 突き合わせ面
23a,23b 張り出し部
24 底部
25 受け部
28 噴出口
29 ガス供給路
3 支持アーム
3a,3b アーム分割体
35 ガス供給路
6 付勢部材
P 被成形ガラス素材


Claims (9)

  1. 被成形ガラス素材を浮上させた状態で保持する一対の浮上皿分割体を有する浮上皿と、
    前記浮上皿に浮上用ガスを供給するガス供給路が内部に設けられ、かつ、対になる前記浮上皿分割体をそれぞれ接離可能に支持する一対のアーム分割体を有する支持アームとを備え、
    前記浮上皿が、前記各浮上皿分割体が突き合わされる突き合わせ面とはそれぞれ反対側に張り出す張り出し部と、前記張り出し部の下方に突出する底部とを有し、
    前記支持アームには、前記各アーム分割体が突き合わされる部位を跨いで前記浮上皿を支持する支持部を設けるとともに、前記支持部に貫通孔を穿設し、
    前記貫通孔に前記浮上皿の底部を挿通しつつ、前記浮上皿の張り出し部の下面を前記支持部に支持させた状態で、前記浮上皿を前記支持アームに取り付けたことを特徴とする被成形ガラス素材の浮上搬送装置。
  2. 前記一対の浮上皿分割体のうち一方の浮上皿分割体が、当該浮上皿分割体を支持する一方のアーム分割体に固定されるとともに、
    前記一対の浮上皿分割体のうち他方の浮上皿分割体が、当該浮上皿分割体を支持する他方のアーム分割体に、付勢部材によって前記一方の浮上皿分割体側に付勢された状態で、前記一対の浮上皿分割体が互いに接離する方向に沿って摺動可能に取り付けられている請求項1に記載の被成形ガラス素材の浮上搬送装置。
  3. 前記浮上皿が、前記一対の浮上皿分割体を突き合わせた際に凹陥状に形成される受け部を有し、
    前記ガス供給路が、前記一方のアーム分割体に固定された側の前記一方の浮上皿分割体と、当該一方のアーム分割体とに連通して形成され、前記受け部の底面側に開口する噴出口から前記浮上用ガスが噴出する請求項1に記載の被成形ガラス素材の浮上搬送装置。
  4. 前記浮上皿が、前記支持アームの長手方向に沿って複数支持され、前記アーム分割体に固定される側の前記浮上皿分割体の位置を、前記支持アームの長手方向に沿って交互に入れ替えた請求項2又は3に記載の被成形ガラス素材の浮上搬送装置。
  5. 前記浮上皿がカーボン材からなる請求項1〜4のいずれか一項に記載の被成形ガラス素材の浮上搬送装置。
  6. 互いに対向する成形面を有する下型と上型とを用い、加熱により軟化した被成形ガラス素材をプレス成形する光学素子の製造方法において、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の被成形ガラス素材の浮上搬送装置により、
    加熱により軟化した前記被成形ガラス素材を前記下型上に落下供給することを特徴とする光学素子の製造方法。
  7. 前記被成形ガラス素材の粘度で10〜1012dPa・sとなる温度に前記下型と前記上型とを予熱するとともに、
    前記被成形ガラス素材の加熱温度を粘度が10〜10dPa・sとなる温度として、
    加熱により軟化した前記被成形ガラス素材を前記下型上に落下供給し、前記下型と前記上型とを近接させることによりプレス成形した後に、前記被成形ガラス素材の粘度で1012dPa・sに相当する温度以下に冷却し、次いで、前記上型と前記下型とを離間して成形体を取り出す請求項6に記載の光学素子の製造方法。
  8. 前記浮上搬送装置から前記下型上に被成形ガラス素材を落下供給する際の落下距離が、前記被成形ガラス素材の半径よりも短くなるようにした請求項6又は7に記載の光学素子の製造方法。
  9. 前記被成形ガラス素材として、上面側の曲率又は形状と、下面側の曲率又は形状とが互いに異なるものを用いる請求項6〜8のいずれか一項に記載の光学素子の製造方法。


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