<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部又は非優先始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部又は優先始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
遊技盤24の背面側には、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34のそれぞれに対応させて検知センサ(図示略)が設けられており、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが対応する検知センサにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。
なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、上作動口33に対する下作動口34の有利性を高める上では、上作動口33に係る払出個数よりも下作動口34に係る払出個数を多く設定することが好ましい。また、各作動口33,34に対する可変入賞装置32の有利性を高める上では、各作動口33,34に係る払出個数よりも可変入賞装置32に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は上下方向、より詳細には鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。電動役物34aは開放状態と閉鎖状態とに切替可能であり、電動役物34aが開放状態である場合に閉鎖状態である場合よりも遊技球が入球し易くなる。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、遊技盤24の背面側に設けられたソレノイドなどの駆動部と連結されており、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。
ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
窓パネル62は、2枚のガラス板を有している。窓パネル62は、2枚のガラス板が重ね合わせられた状態にて、その表面と裏面とが略平行となった板状を有している。2枚のガラス板を重ね合わせたことにより、窓パネル62の耐久性を高め、遊技球が接触した場合に窓パネル62が破損することが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
メイン表示部43には、作動口33,34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための結果表示部ASが設定されている。
結果表示部ASでは、作動口33,34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、作動口33,34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。作動口33,34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ここで、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、結果表示部ASにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、メイン表示部43及び役物用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置を用いてもよい。
可変表示ユニット36には、図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、結果表示部ASにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、結果表示部AS及び図柄表示装置41に対応した第1保留ランプ部45が設けられている。遊技球が作動口33,34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留ランプ部45及び第2保留ランプ部47の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44に対応した第2保留ランプ部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留ランプ部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部45,47が図柄表示装置41の一部で表示される構成等であってもよい。
センターフレーム42の前面側における上部には、測距センサ48が設けられている。測距センサ48は、当該センサから遊技者までの距離を測定するものである。測距センサ48の測定結果に応じて各種処理が実行される。
ここで、測距センサ48の測距原理について図5を用いて説明する。測距センサ48は、発光手段としての発光部48aと、受光手段としての位置検出素子(位置検出素子)48bとを備えている。発光部48aと位置検出素子48bとのそれぞれは、パチンコ機10前方に露出した状態にて併設されている。発光部48aはLEDである。発光部48aから照射された光が位置検出素子48bに受光されることにより、測距センサ48からの距離が測定される。具体的には、三角測距の原理を使用したものであり、図5に示すように、発光部48aから照射されたビーム光は、パチンコ機10前方に投光される。そして、投光されたビーム光が反射物にあたることにより反射し、この反射してきたビーム光を位置検出素子48bで受光する。測距センサ48は、パチンコ機10における窓パネル62の裏面に対して垂直にビーム光を照射する。
ビーム光を受光した場合の位置検出素子48bの検出範囲(受光範囲)により、反射物までの距離を検出する。より詳しくは、反射物がA点にある場合と、B点にある場合では、位置検出素子(PSD)上のスポット位置が図のように変化する。そして、このスポット位置の変化によるビーム光の受光範囲を信号処理回路で電気的に処理し、一直線上の反射物の位置(距離)を検出するようにしている。具体的には、スポット位置が変化することにより、測距センサ48から出力される電圧の大きさが変化するようになっている。
測距センサ48がセンターフレームの前面側の上部に設けられていることにより、測距センサ48の前方を遊技球が流下することを防止している。つまり、測距センサ48の前方又は上方を遊技球が通過できないように、測距センサ48の上方の隙間が遊技球の直径よりも小さく設定されている。これにより、測距センサ48の前方を遊技球が通過し、測距センサ48による距離の検出が遊技球により阻害されることを防止している。なお、測距センサ48から窓パネル62までの隙間を遊技球が通過できない大きさとしてもよい。
ここで、位置検出素子48bがビーム光を受信した場合について説明する。図6(a)は、パチンコ機10が遊技ホール等に設置された状態にて遊技者が遊技を行っている場合の一例を示す説明図である。図6(b)は、位置検出素子48bがビーム光を受光した場合に、測距センサ48から出力される電圧の大きさである。
測距センサ48は、0.1m〜0.8mまでの距離を測定可能となっている。具体的には、図6(b)に示すように、ビーム光を受光した場合に、測距センサ48から出力される電圧の大きさが4.5Vの場合が0.1mに対応している。そして、測距センサ48からの距離が0.1m離れるにつれ、電圧の大きさが約0.6V小さくなる。このため、測距センサ48が測定可能な最大値である0.8mの場合には電圧の大きさが0.3Vとなるように設定されている。
測距センサ48は、測定対象が、0.1m未満にある場合には出力する電圧の大きさが4.5Vより大きくなり、0.8mより離れている場合には出力する電圧の大きさが0.3V未満となる。この場合、0.1m未満にあることと、0.8mより離れていることは特定できるが、それ以上具体的な測距センサ48からの距離を特定することができないように設定されている。
図6(a)に示すように、測距センサ48からパチンコ機10の表面までの距離がおよそ0.1m(詳細には0.1mより若干大きい)に設定されている。遊技者がパチンコ機10にて遊技を行う場合、座席に着席するようになっている。そして、遊技者が着席した状態にて測距センサ48から遊技者までの距離に対応したXの距離がおよそ0.5mとなっている。このため、遊技者が遊技を行っている場合、位置検出素子48bがビーム光を受光した場合に、測距センサ48から出力される電圧の大きさがおよそ2.1Vとなっており、座席に遊技者が着席していない場合、出力される電圧の大きさがおよそ0.3V未満となっている。測距センサ48からパチンコ機10の表面までの距離を0.1mとしたことにより、遊技者がパチンコ機10の表面に触れた場合に、測距センサ48にて遊技者までの距離が測定できなくなることを抑制している。
測距センサ48の測定可能な範囲の最大距離である0.8mには、座席までの距離及び座席に着席した遊技者までの距離が含まれるようになっている。これにより、少なくとも座席に着席した遊技者の上半身までの距離を測距センサ48が検出できるようになっている。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示ランプ部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び音声ランプ制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る主制御基板と、電源を監視する停電監視基板とを具備しており、これら主制御基板及び停電監視基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83の一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
音声ランプ制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や音声ランプ制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子板99が設けられている。外部出力端子板99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源・発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源・発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源・発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図7のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵された素子である。なお、MPU202が有する機能の一部、例えば、ROM203の機能やRAM204の機能などを別の素子として有する構成としてもよい。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a〜211eなどが接続されている。この場合に、停電監視基板205には電源・発射制御装置98が接続されており、MPU202には停電監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a〜211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、上作動口33及び下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、停電監視基板205、払出制御装置97及び音声ランプ制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU202において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物34aの開放状態当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるように、MPU202において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU202においてメイン表示部43における結果表示部ASの表示制御が実行される。
停電監視基板205は、主制御基板201と電源・発射制御装置98とを中継し、また電源・発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源・発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を所定の電力経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置98は、遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置82に設けられた音声ランプ制御基板212には、MPU215が搭載されている。MPU215には、当該MPU215により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM216と、そのROM216内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM217と、が内蔵されている。
音声ランプ制御装置82のMPU215の入力側には、主制御装置81のMPU202が接続されている。そして、主制御装置81のMPU202から大当たり発生抽選の結果に対応したコマンド等の各種コマンドを受信する。音声ランプ制御装置82には電源・発射制御装置98から電力が供給されている。
音声ランプ制御装置82のMPU215には、A/Dポート218が設けられている。A/Dポート218の入力側には、測距センサ48が接続されている。A/Dポート218には、測距センサ48の電圧が印加される。A/Dポート218では、入力した電圧の値をMPU215で読み取り可能な電気信号に変換する。なお、測距センサ48には、音声ランプ制御装置82から電力が供給(5Vの電圧が印加)されている。
音声ランプ制御装置82のMPU202の出力側には、第1,第2保留ランプ部45,47、表示ランプ部63、スピーカ部64及び表示制御装置220が接続されている。音声ランプ制御装置82は、主制御装置81から受信したコマンドに基づいて各種ランプ部45,47,63及びスピーカ部64を制御するとともに、表示制御装置220にコマンドを出力する。
表示制御装置220では、音声ランプ制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、音声ランプ制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容を決定する。
ここで、各遊技回の図柄の変動表示に係る内容について、図8を用いて説明する。
表示制御装置220には、キャラクタROMが設けられている。当該キャラクタROMには、「1」〜「9」の数字が付された9種類の主図柄のデータと、数字が付されていない副図柄のデータとが予め記憶されている。
また、図8(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向き(具体的には、右から左)にスクロールするように変動表示される。この場合、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されるとともに、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。
また、図8(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、通常大当たり結果又は確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
なお、上記のように各図柄列の変動表示が停止されることに鑑みれば、上図柄列Z1を第1図柄列(又は第1絵柄列)、下図柄列Z3を第2図柄列(又は第2絵柄列)、中図柄列Z2を第3図柄列(又は第3絵柄列)と称することができる。
上記各主図柄のうち、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。例えば、複数の図柄列を横並びとなるように設定し、図柄列における図柄の変動表示の方向を縦方向に設定してもよい。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図9に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43の結果表示部AS及び図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。RAM204には、結果表示部用保留エリアRaと、実行エリアAEと、総保留数記憶領域とよりなる保留球格納エリア232(第1エリア〜第4エリア)が設けられている。そして、この保留球格納エリア232に、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。総保留数記憶領域には上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜299の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜299)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、各作動口33,34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の結果表示部用保留エリアRaに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルには、2進数の情報からなるアドレス情報と、同じく2進数の情報からなる大当たり数値情報とが1対1で対応させて設定されている。具体的には、アドレス情報は10進数で表して「1」〜「10」の10種類が設定されているとともに、大当たり数値情報は10進数で表して「7」,「36」,「67」,「100」,「131」,「164」,「195」,「223」,「241」,「272」の10種類が設定されており、これらアドレス情報と大当たり数値情報とが1対1で対応付けられている。各大当たり数値情報の数値は、大当たり乱数カウンタC1において更新され得る乱数情報の数値範囲である「0」〜「299」に含まれている。
ここで、本パチンコ機10では、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。そして、低確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数と、高確率モードにおいて参照される大当たり数値情報の数とが異なっており、前者の方が後者よりも少ない数となっている。具体的には、低確率モードにおいては当否抽選に際して、アドレス情報が「1」である大当たり数値情報のみが参照され、高確率モードにおいては当否抽選に際して、全てのアドレス情報に対応した大当たり数値情報が参照される。つまり、低確率モードでは大当たり当選となる数値情報が1個であり、高確率モードでは低確率モードよりも多い10個である。これにより、低確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/300であるのに対して高確率モードにおいて大当たり当選となる確率が1/30であり、高確率モードの方が低確率モードよりも大当たり当選となる確率が高くなる。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、各作動口33,34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の結果表示部用保留エリアRaに格納される。
ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という2つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部44における1回の変動表示時間を短くする)及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリアに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
振分テーブルにおいて、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が確変大当たり結果に対応しているが、この数値の振分は任意である。また、大当たり結果の振分先は、上記の2種類に限定されることはなく、例えば、開閉実行モードにおいて遊技球の獲得期待値が高低となるように複数のモードを設定し、当該開閉実行モードの移行先のモードに差異を設けることで大当たり結果の種別を上記の2種類よりも増やす構成としてもよい。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、各作動口33,34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の結果表示部用保留エリアRaに格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。例えば、「0〜99」がリーチ発生当選に対応した数値情報となるようにリーチ用テーブルが設定されている。
ちなみに、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図8の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、高頻度入賞モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の結果表示部ASにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、結果表示部ASにおける変動表示の開始時及び図柄表示装置41による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜249の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリア233に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜199であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=200〜249であれば、電動役物34aを開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU202では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、結果表示部ASにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223が用いられる。また、MPU202では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、結果表示部ASにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM203の停止結果テーブル記憶エリア224が用いられる。
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置81内のMPU202にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図10のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントすると共に、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
その後、ステップS104にて、作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行する。作動口用の入賞処理では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生していた場合には、保留球格納エリア232に記憶されている始動保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を保留球格納エリア232の保留用エリアに格納する。この場合、保留用エリアの第1エリア〜第4エリアのうち最初の空き保留エリア、すなわち現状の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。また、音声ランプ制御装置82に対して、始動保留記憶数と対応する第1保留ランプ部45を点灯させるための処理を実行する。
続くステップS105にて、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート35への入賞が発生していた場合には、電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、音声ランプ制御装置82に対して、役物保留記憶数と対応する第2保留ランプ部47を点灯させるための処理を実行する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図11のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S206の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS208,S209のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントすると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、払出制御装置97より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込む。その後、ステップS204では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、変動表示を行う側の結果表示部ASの表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS205では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行するとともに、開閉実行モードにおいては、大入賞口32aを開放状態とするよう可変入賞駆動部32cの制御等が実行される。
ステップS206では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、電動役物34aを開放状態とするか否かの判定、役物用表示部44の表示制御などを行う。
続くステップS207では、次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する(ステップS208,S209)。つまり、ステップS208では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。また、ステップS209では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
ここで、ステップS201〜S206の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS204の遊技回制御処理を図12のフローチャートを参照しながら説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS301にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理、すなわちステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理及びステップS306〜ステップS308の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS302にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、保留球格納エリア232の総保留数記憶領域を参照し、保留記憶されている保留情報の数である始動保留記憶数Nが「0」か否かを判定する。始動保留記憶数Nが「0」である場合とは、保留球格納エリア232に保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。始動保留記憶数Nが「0」でない場合には、ステップS304にてデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では先ず始動保留記憶数Nを1減算する。また、保留球格納エリア232における第1エリアに格納されているデータを実行エリアAEに移動する。その後、各エリア1〜4に格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアするとともに、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
なお、データ設定処理では、保留情報のシフトが行われたことを音声ランプ制御装置82に認識させて第1保留ランプ部45における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるための処理を実行する。
データ設定処理を実行した後は、ステップS305にて変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。ここで、変動開始処理について、図13のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS401では当否判定処理を実行する。当否判定処理では、先ず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア221に記憶されているテーブルのうち高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア221に記憶されているテーブルのうち低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS402では、ステップS401における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、ステップS403にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を把握する。そして、振分テーブル記憶エリアに記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2に係る数値情報がいずれの大当たり種別に対応しているのかを特定する。
続くステップS404ではステップS403の種別判定処理にて特定した大当たり種別が確変大当たり結果に対応しているか否かを判定する。確変大当たり結果に対応している場合には、ステップS405にて確変大当たり用の停止結果設定処理を実行し、確変大当たり結果でない場合には、ステップS406にて通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。さらにまた、ステップS401における当否判定処理の結果が大当たり当選結果でないと判定した場合(ステップS402:NO)には、ステップS407にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS405〜ステップS407の停止結果設定処理では、メイン表示部43に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM203に予め記憶されている停止結果テーブル記憶エリア224から特定し、その特定した情報をRAM204に記憶する。また、ステップS405及びステップS406では、今回の遊技回の当否判定結果が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果であることをMPU202にて特定するための情報をRAM204に格納する。具体的には、ステップS405では確変大当たりフラグを格納し、ステップS406では通常大当たりフラグを格納する。
ステップS405〜ステップS407のいずれかの処理を実行した後は、ステップS408にて、表示継続期間の設定処理を実行する。
かかる処理では、RAM204の抽選カウンタ用バッファ231における変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、RAM204に確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、上記各フラグのいずれもが格納されていない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ発生用表示継続期間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続期間情報を取得し、その表示継続期間情報をRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた表示継続期間カウンタエリアにセットする。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ非発生用表示継続期間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続期間を取得し、その表示継続期間情報を上記表示継続期間カウンタエリアにセットする。ちなみに、リーチ非発生用変動表示テーブルを参照して取得され得る表示継続期間は、リーチ発生用表示継続期間テーブルを参照して取得され得る表示継続期間と異なっている。
なお、リーチ非発生時における表示継続期間情報は、始動保留記憶数Nの数が多いほど、表示継続期間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い表示継続期間が選択されるようにリーチ非発生用表示継続期間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、始動保留記憶数Nやサポートモードに応じて表示継続期間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における表示継続期間に対して、上記構成を適用してもよい。また、確変大当たり結果の場合、通常大当たり結果の場合、外れリーチ時の場合及び完全外れ時の場合のそれぞれに対して個別に表示継続期間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた表示継続期間の振分が行われることとなる。
ステップS408にて、表示継続期間の設定処理を実行した後は、ステップS409にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、表示継続期間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用変動表示テーブルを参照して取得され得る表示継続期間は、リーチ発生用表示継続期間テーブルを参照して取得され得る表示継続期間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置では表示継続期間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報及び外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS409にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図11)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置82に送信される。音声ランプ制御装置82では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における表示ランプ部63の発光パターンやスピーカ部64からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように表示ランプ部63及びスピーカ部64を制御する。また、音声ランプ制御装置82は、上記変動用コマンド及び種別コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置220に送信する。表示制御装置220では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における図柄表示装置41での変動表示パターンを決定し、その変動表示パターンが実行されるように図柄表示装置41を表示制御する。当該表示制御の具体的な内容については、後に説明する。
ステップS409の処理を実行した後は、ステップS410にてメイン表示部43において絵柄の変動表示を開始させる。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図12)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS306〜ステップS308の遊技回進行用処理を実行する。
遊技回進行用処理では、先ずステップS306にて、今回の遊技回の表示継続期間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の表示継続期間カウンタエリアに格納されている表示継続期間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該表示継続期間情報の値は、上述したように、表示継続期間の設定処理(ステップS408)においてセットされる。また、このセットされた表示継続期間情報の値は、タイマ割込み処理(図10)が起動される度に1減算される。
表示継続期間が経過していない場合には、ステップS307にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、メイン表示部43における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
表示継続期間が経過している場合には、ステップS308にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS405〜ステップS407のいずれかの処理にてRAM204に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様がメイン表示部43にて表示されるように当該メイン表示部43を表示制御する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、従来のパチンコ機では変動終了処理を実行する場合又は実行した場合に確定コマンドが音声ランプ制御装置82や表示制御装置220といったサブ側の制御装置に送信されていたが、本パチンコ機10では確定コマンドの送信は行われない。つまり、本パチンコ機10では、遊技回の終了タイミングとなったことを示す指令情報が主制御装置81から送信されない構成となっている。
<音声ランプ制御装置82により実行される特別演出について>
音声ランプ制御装置82では、測距センサ48の検出結果に基づいて表示態様を決定する特別演出が設定されている。具体的には、測距センサ48を用いて基準位置情報を予め特定する。そして、予め定められたタイミングにおける測距センサ48の検出結果と、基準位置情報と、が比較され、その結果に応じて特別演出が実行される。以下、基準位置情報の特定に係る処理について説明した後に、特別演出の実行に係る処理について説明する。
<音声ランプ制御装置82により実行される初期位置設定処理>
音声ランプ制御装置82により実行される初期位置設定処理について図14のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU215により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS501では、RAM217に設けられた各種フラグ格納エリア250の基準位置設定フラグ格納エリアに基準位置設定フラグがセットされているか否かを判定する。基準位置設定フラグは、基準位置情報が特定されている場合にセットされているものである。基準位置情報は、遊技者が遊技を行っている場合の基準となる位置を特定するための情報であり、後述する特別演出を実行する遊技回にて参照される。
ステップS501にて基準位置設定フラグがセットされていない場合、ステップS502〜ステップS506の基準位置情報の特定処理を実行する。
ステップS502では、1遊技回の実行中か否かを判定する。詳細な説明は省略するが、音声ランプ制御装置82では、主制御装置81にて決定された1遊技回の期間としての変動表示時間を特定した場合に、その変動表示時間に対応した値をタイマカウンタにセットするようになっている。そのタイマカウンタは所定周期にて減算されるようになっており、音声ランプ制御装置82では、そのタイマカウンタの値から1遊技回の実行中であるかを特定するとともに、1遊技回の実行中である場合にはそのタイマカウンタの値を用いて表示ランプ部63及びスピーカ部64の制御を実行するようになっている。ステップS502にて1遊技回の実行中でない場合、そのまま本初期位置設定処理を終了する。
ステップS502にて1遊技回の実行中である場合、ステップS503に進み、位置情報特定処理を実行する。つまり、パチンコ機10にて遊技者が遊技を開始し、作動口33,34に遊技球が入賞した場合に初期位置情報が設定される。位置情報特定処理では、A/Dポート218に印加されている測距センサ48の電圧の情報を読み込む。ここで、A/Dポート218は、受信した電圧を、当該電圧の値に対応付けられた数値情報(8ビットの数値情報)に変換している。これにより、MPU215では、その電圧の値を数値情報として読み込むことができる。その電圧の数値情報を、ROM216に設けられた距離特定テーブル記憶エリア251に記憶された距離情報特定テーブルを参照して、距離情報の値を特定する。
ここで、距離情報特定テーブルについて図15を用いて説明する。距離情報特定テーブルは、電圧の情報と距離情報とが対応付けられて記憶されている。具体的には、電圧の値の情報が4.5Vに対応していた場合、距離情報が「10」となるように設定されており、電圧の値の情報が4.44Vに対応していた場合、距離情報が「11」となるように設定されている。つまり、電圧の値の情報が0.06小さくなる毎に距離情報が1大きくなるように設定されている。ステップS503の位置情報特定処理では、この距離情報の値を位置情報として特定する。
位置情報特定処理にて印加されている電圧に対応した数値情報(位置情報)を特定したらステップS504に進む。ステップS504では、位置情報の値が規定範囲内か否かを判定する。具体的には、位置情報特定処理にて特定した値が「30」以上「60」未満であるか否かを判定する。位置情報の値が規定範囲内でない場合には、そのまま本初期位置設定処理を終了する。
一方、位置情報の値が規定範囲内である場合、ステップS505に進み、基準位置情報記憶処理を実行する。基準位置情報記憶処理では、RAM217に設けられた基準位置情報記憶エリア253にステップS503にて特定した位置情報を記憶する。続くステップS506では、基準位置設定フラグを基準位置設定フラグ格納エリアにセットする。基準位置設定フラグをセットしたら本初期位置設定処理を終了する。
以上よりステップS503〜ステップS506の処理では、位置情報特定処理にて特定された値が規定範囲内である場合に、その値が基準位置情報として設定される。上述したように、測距センサ48から遊技者までの距離(Xの距離)がおよそ0.5mに設定されている。この値は、基準位置情報が設定されるための規定範囲に含まれている。
一方、ステップS501にて基準位置設定フラグがセットされている場合、ステップS507〜ステップS515の基準位置情報クリア処理を実行する。
ステップS507では開閉実行モード中であるか否かを判定し、ステップS508では1遊技回の実行中であるか否かを判定する。ステップS507及びステップS508が共に否定判定である場合、ステップS509に進む。ステップS509では、基準カウンタフラグがRAM217の各種フラグ格納エリア250に設けられた基準カウンタフラグ格納エリアにセットされているか否かを判定する。基準カウンタフラグは、開閉実行モード中でなく、かつ1遊技回の実行中でない状態が継続している期間の計測が開始される場合にセットされる。
ステップS509にて基準カウンタフラグがセットされていない場合、ステップS510に進み、基準カウンタフラグを基準カウンタフラグ格納エリアにセットする。続くステップS511では、RAM217に設けられた各種タイマカウンタエリア255の基準タイマカウンタエリアに「30000」をセットする。基準タイマカウンタエリアに値をセットしたら本初期位置設定処理を終了する。
ステップS509にて基準カウンタフラグがセットされている場合、ステップS512に進み、基準タイマ更新処理としての基準タイマ減算処理を実行する。基準タイマ減算処理では、基準タイマカウンタエリアの値を1ディクリメントする。続くステップS513では、基準タイマカウンタエリアの値が「0」か否かを判定する。基準タイマカウンタエリアの値が「0」でない場合、本初期位置設定処理を終了する。基準タイマカウンタの値が「0」である場合、ステップS514に進む。ステップS514では、基準位置情報記憶エリア253の値、基準位置設定フラグ及び基準カウンタフラグをそれぞれクリアする。つまり、ステップS513にて肯定判定した場合、パチンコ機10にて遊技が行われていないものとして、設定されている基準位置情報がクリアされる。ステップS514の処理を実行したら本初期位置設定処理を終了する。
ステップS514の処理が実行されるためには、基準タイマカウンタエリアに「30000」がセットされた後に、その値が「0」となる必要がある。つまり、開閉実行モード中でなく、かつ1遊技回の実行中でない期間が所定期間(60sec)継続した場合に遊技が行われていないと判定される。これは、遊技球の発射操作は行われているが、作動口33,34に遊技球が入賞しておらず、1遊技回が実行されていない場合に、即座に基準位置情報がクリアされることを防止するための工夫である。
ステップS507又はステップS508のいずれかにて肯定判定された場合、ステップS515に進む。ステップS515では、基準カウンタフラグのクリアとして、基準カウンタフラグ格納エリアがクリアされる。基準カウンタフラグをクリアしたら本初期位置設定処理を終了する。なお、基準カウンタフラグがセットされていない状態にてステップS515の処理が実行された場合、基準カウンタフラグ格納エリアに基準カウンタフラグがセットされていない状態が維持される。
<変動表示制御処理>
音声ランプ制御装置82にて実行される変動表示制御処理について以下に説明する。変動表示制御処理では、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信している場合に、音声ランプ制御装置82による表示ランプ部63及びスピーカ部64の制御と、表示制御装置220による図柄表示装置41の制御と、を同期させるための予告コマンドを決定する。
図16のフローチャートに示すように、ステップS601にて、1遊技回の実行中であるか否かを判定する。1遊技回の実行中でない場合にはステップS602にて、主制御装置81から送信された変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。変動用コマンドを受信していない場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。変動用コマンドを受信している場合には、ステップS603にて変動開始用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
一方、1遊技回分の図柄の変動表示が行われている場合には、ステップS604にて、主制御装置81から送信された変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。変動終了コマンドを受信していない場合には、ステップS605にて変動中用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
変動終了コマンドを受信している場合には、ステップS606にて変動終了用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動終了用処理では、ステップS604にて受信した変動終了コマンドを、表示制御装置220に出力する。表示制御装置220では、変動終了コマンドを受信することにより、図柄の変動表示を終了し、主制御装置81の抽選結果に対応した最終停止図柄を停止するよう図柄表示装置41を制御する。
以下、ステップS603の変動開始用処理及びステップS605の変動中用処理について詳細に説明する。
<変動開始処理>
先ず変動開始処理について図17のフローチャートを用いて説明する。
ステップS701にて、今回受信した変動用コマンドを読み出し、当該コマンドからリーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報を特定する。また、既に説明したように主制御装置81は変動用コマンドを送信する場合には種別コマンドも送信する。ステップS701では、今回受信した変動用コマンドとともに受信している種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報又は外れ結果の情報といった遊技結果の情報を特定する。そして、ステップS701では、上記特定した情報から、大当たり当選の有無の情報、大当たり当選である場合には大当たり種別の情報、大当たり非当選である場合にはリーチ発生の有無の情報、及び変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報をMPU215のレジスタに記憶する。
続くステップS702では、ステップS701にてレジスタに記憶した情報から今回の遊技回にて大当たりが発生するか否かを特定する。大当たりが発生する遊技回である場合、ステップS703に進み、大当たりに対応した停止図柄コマンド設定処理を実行する。本処理では、ROM216に記憶された停止図柄テーブル記憶エリアに記憶された停止図柄テーブルを参照して停止図柄コマンドを設定する。当該コマンドは表示制御装置220に出力されるものである。表示制御装置220では、受信したコマンドに対応した停止図柄を最終停止させるように図柄表示装置41を制御する。
具体的には、大当たりの結果が通常大当たり結果である場合には通常大当たりに対応した停止図柄テーブルが参照され、確変大当たり結果である場合には確変大当たりに対応した停止図柄テーブルが参照される。そして、各停止図柄テーブルから停止図柄コマンドが設定される。通常大当たりに対応した停止図柄コマンドが設定された場合には、当該コマンドに対応した同一の非特定図柄の組み合わせが図柄表示装置41にて停止表示される。確変大当たりに対応した停止図柄コマンドが設定された場合には、当該コマンドに対応した同一の特定図柄の組み合わせが図柄表示装置41にて停止表示される。
停止図柄コマンドを設定したらステップS704に進む。ステップS704では、基準位置設定フラグ(上述した初期位置設定処理にてセットされるフラグ)が基準位置設定フラグ格納エリアにセットされているか否かを判定する。
基準位置設定フラグがセットされている場合、ステップS705に進み、特別演出抽選処理を実行する。特別演出抽選処理は、特別演出の実行に係る遊技回とするか否かの決定のために行われる。特別演出抽選処理では、RAM217の特別演出抽選カウンタから値を読み出す。そして、その値をROM216に記憶された大当たり用の特別演出用テーブルを参照して、上記読み出したカウンタ値が特別演出抽選の当選に対応しているか否かを判定する。なお、本パチンコ機10では、ステップS705にて特別演出抽選処理が実行された場合、当該抽選に当選する確率が約50%に設定されている。但し、特別演出抽選に当選する確率は任意に変更できる。
続くステップS706では、特別演出抽選に当選していたか否かを判定する。特別演出抽選に当選している場合、ステップS707に進み、特別演出フラグをRAM217の各種フラグ格納エリア250に設けられた特別演出フラグ格納エリアにセットする。
特別演出フラグをセットしたらステップS708に進み、大当たり特別演出用の予告コマンド設定処理を実行する。当該予告コマンド設定処理では、ROM216の予告コマンド用テーブル記憶エリア260(予告用情報群記憶手段)に記憶された大当たり特別演出用の予告コマンド用テーブル(予告用情報群)を参照して、所定の予告コマンドを設定する。具体的には、音声ランプ制御装置82では、MPU215のレジスタに記憶されている変動表示時間の情報に基づいて予告コマンドを設定する。設定された予告コマンドは、受信した変動用コマンドに合わせて表示制御装置220に出力される。表示制御装置220は、受信した予告コマンドと変動用コマンドとからリーチ表示とするタイミング等を把握する。大当たり特別演出用の予告コマンド設定処理を実行したら本変動開始処理を終了する。
なお、設定した予告コマンドの情報は、音声ランプ制御装置82のレジスタに記憶されており、その遊技回においていずれの予告コマンドが設定されたかを、遊技回の中途にて特定できるようになっている。
ここで、音声ランプ制御装置82のROM216には、表示ランプ部63及びスピーカ部64の制御プログラムを記憶した制御プログラム用テーブル記憶エリア263(制御用情報群記憶手段)が設定されている。制御プログラム用テーブル記憶エリア263には、予告コマンドのアドレス情報に対応付けて表示ランプ部63及びスピーカ部64の制御プログラムの情報が記憶されている。そして、予告コマンドのアドレス情報に対応した制御プログラム用テーブル記憶エリア263のアドレス情報をMPU215のレジスタに記憶し、その記憶したアドレス情報に対応した制御プログラムを用いて表示ランプ部63及びスピーカ部64の制御を実行する。
なお、後述するその他の予告コマンド(大当たり演出用の予告コマンド、外れ特別演出用の予告コマンド、及び、外れ演出用の予告コマンド)が設定された場合も同様に、設定された予告コマンドに基づいて制御プログラム用テーブル記憶エリア263からアドレス情報を特定する。そして、そのアドレス情報に対応した制御プログラムを用いて表示ランプ部63及びスピーカ部64の制御を実行する。
一方、ステップS704にて基準位置設定フラグがセットされていない場合、又は、ステップS706にて特別演出抽選に当選していない場合、ステップS709に進む。ステップS709では、大当たり演出用の予告コマンド設定処理を実行する。大当たり演出用の予告コマンド設定処理を実行したら本変動開始処理を終了する。
大当たり演出用の予告コマンド設定処理は、ROM216の予告コマンド用テーブル記憶エリア260に記憶されている大当たり演出に対応した予告コマンド用テーブルを参照する点を除き、上述した大当たり特別演出用の予告コマンド設定処理と同様のため説明を省略する。表示制御装置220では、大当たり演出用の予告コマンドを受信した場合、その予告コマンドから大当たり発生に対応した遊技回であることを特定できる。
一方、ステップS702にて大当たりが発生する遊技回ではない場合、ステップS710に進み、外れに対応した停止図柄コマンド設定処理を実行する。本処理では、リーチ発生に対応している場合にはリーチ発生に対応した停止図柄テーブルを、リーチ発生に対応していない場合にはリーチ発生に対応していない停止図柄テーブルを参照する点を除き、上述した大当たり特別演出用の停止図柄コマンド設定処理と同様のため説明を省略する。表示制御装置220では、リーチ発生に対応した停止図柄コマンドを受信した場合、リーチ表示となるように、リーチ発生に対応していない停止図柄コマンドを受信した場合、リーチ表示とならないように図柄表示装置41を制御する。これらの停止図柄コマンドが設定された場合、図柄表示装置41にて同一の数字が付された図柄が一直線上に停止表示されることがないように設定されている。
ステップS710にて停止図柄コマンドを設定したら、ステップS711に進む。ステップS711では、基準位置設定フラグがセットされているか否かを判定する。基準位置設定フラグがセットされている場合、ステップS712に進み、特別演出抽選処理を実行する。本処理は、外れ用の特別演出抽選テーブルを参照する点を除き、ステップS705の特別演出抽選処理と同様のため説明を省略する。なお、外れ用の特別演出抽選テーブルにはリーチ発生に対応したものと、リーチ発生に対応していないものとが設定されている。そして、リーチ発生に対応した遊技回では特別演出抽選に当選する確率が20%となっており、リーチ発生に対応していない遊技回では特別演出抽選に当選する確率が5%となっている。つまり、大当たりに対応した遊技回に比べ、特別演出抽選に当選する期待度が低く設定されている。但し、この特別演出抽選に当選する期待度は任意に変更でき、例えば、ステップS705における特別演出抽選に当選する期待度と略同率、又は、ステップS705における特別演出抽選に当選する期待度よりも高くすることも可能である。
ステップS712にて特別演出抽選処理を実行したら、ステップS713に進む。ステップS713では、特別演出抽選に当選していたか否かを判定する。特別演出抽選に当選していた場合、ステップS714に進み特別演出フラグをセットする。続くステップS715にて外れ特別演出用の予告コマンド設定処理を実行する。外れ特別演出用の予告コマンド設定処理を実行したら本変動開始処理を終了する。
外れ特別演出用の予告コマンドは、ROM216の予告コマンド用テーブル記憶エリア260に記憶された外れ特別演出用の予告コマンド用テーブルを参照する点を除き、上述した大当たり特別演出用の予告コマンド設定処理と同様のため説明を省略する。表示制御装置220では、外れ特別演出用の予告コマンドを受信した場合、その予告コマンドから外れ特別演出を実行する遊技回であることを特定できる。なお、外れ特別演出用の予告コマンド用テーブルには、リーチ発生に対応したものと、リーチ発生に対応していないものとが設定されている。そして、レジスタに記憶されているリーチ発生の有無から参照される予告コマンド用テーブルが特定される。
ステップS711にて基準位置設定フラグがセットされていない場合、又は、ステップS713にて特別演出抽選に当選していない場合、ステップS716に進む。ステップS716では、外れ演出用の予告コマンド設定処理を実行する。外れ演出用の予告コマンド設定処理を実行したら本変動開始処理を終了する。
外れ演出用の予告コマンド設定処理では、ROM216の予告コマンド用テーブル記憶エリア260に記憶されている外れ特別演出用の予告コマンド用テーブルを参照する点を除き、上述した大当たり特別演出用の予告コマンド設定処理と同様のため説明を省略する。表示制御装置220では、外れ演出用の予告コマンドを受信した場合、その予告コマンドから外れ演出を実行する遊技回であることを特定できる。なお、外れ演出用の予告コマンド用テーブルには、リーチ発生に対応したものと、リーチ発生に対応していないものとが設定されている。そして、レジスタに記憶されているリーチ発生の有無から参照される予告コマンド用テーブルが特定される。
<変動中用処理>
次に、変動表示制御処理におけるステップS605の変動中用処理について、図18のフローチャートを用いて説明する。
ステップS801では、特別演出フラグが特別演出フラグ格納エリアにセットされているか否かを判定する。特別演出フラグがセットされていない場合、そのまま本変動中用処理を終了する。
特別演出フラグがセットされている場合、ステップS802に進み、実行位置特定タイミングであるか否かを判定する。実行位置特定タイミングは、設定した予告コマンドの情報から一義的に導出される。そして、上述した1遊技回の実行中であるかを特定するためのタイマカウンタの値から実行位置特定タイミングであるか否かが判定される。具体的には、タイマカウンタの値が、設定した予告コマンドに応じた所定範囲内に含まれている場合に実行位置特定タイミングであると判定される。つまり、予め定められた期間が実行位置特定タイミングとして設定されている。実行位置特定タイミングでない場合、本変動中用処理を終了する。
ステップS802にて実行位置特定タイミングである場合、ステップS803に進む。ステップS803では、上述した位置情報特定処理を実行する。続くステップS804では基準特定演算処理を実行する。基準特定演算処理では、基準位置情報記憶エリア253に記憶されている位置情報に対して予め定められた演算処理を実行する。具体的には、記憶されている基準位置情報の値を0.7倍したものと0.5倍したものとを算出する。そして、それぞれ0.7倍したものを第1情報、0.5倍したものを第2情報としてレジスタに記憶する。第1情報及び第2情報のそれぞれは、実行される演出を、測距センサ48からの距離に応じて段階的に異ならせるために用いられる。
続くステップS805では、ステップS803にて特定した位置情報が第1範囲に含まれるか否かを判定する。具体的には、ステップS803にて特定した位置情報の値が、第1情報の値より小さく、かつ「10」以上である場合に第1範囲内であると判定される。位置情報の値が「10」である場合、測距センサ48の測定可能な範囲の限界値(最小距離)であり、位置情報の値が最小値であることを意味している。第1範囲を第1情報の値より小さく、かつ「10」以上とすることで、位置情報として特定され得る範囲(「10」〜「80」)のうち、基準位置情報に対応した距離よりも、予め定められた距離以上、測距センサ48に遊技者が近づいた場合に第1範囲内であると判定することが可能となる。第1範囲の最小値を位置情報として特定され得る最小値とすることにより、第1範囲の下限値を基準位置情報から算出する必要がなくなる。
ステップS805にて位置情報が第1範囲内に含まれていない場合、本変動中用処理を終了する。
ステップS805にて位置情報が第1範囲内に含まれている場合、ステップS806に進む。ステップS806では、特別演出フラグをクリアする。続くステップS807では、ステップS803にて特定した位置情報が第2範囲に含まれるか否かを判定する。具体的には、ステップS803にて特定した位置情報の値が、第2情報の値より小さく、かつ「10」より大きい場合に第2範囲内であると判定される。
ステップS807にて位置情報が第2範囲に含まれている場合、ステップS808に進む。ステップS808では、第1特別演出用の予告コマンド設定処理を実行する。第1特別演出用の予告コマンド設定処理では、第1特別演出用の予告コマンドを設定する。第1特別演出用の予告コマンドは、表示制御装置220に出力される。表示制御装置220では、第1特別演出用の予告コマンドを受信した場合、第1特別演出を実行するよう図柄表示装置41を制御する。
一方、ステップS807にて第2範囲に含まれていない場合、ステップS809に進む。ステップS809では、第2特別演出用の予告コマンド設定処理を実行する。第2特別演出用の予告コマンド設定処理では、第2特別演出用の予告コマンドを設定する。第2特別演出用の予告コマンドは、表示制御装置220に出力される。表示制御装置220では、第2特別演出用の予告コマンドを受信した場合、第2特別演出を実行するよう図柄表示装置41を制御する。つまり、本パチンコ機10では、特別演出が実行される遊技回にて特定された測距センサ48から遊技者までの距離に応じて実行される特別演出の内容を異ならせることができる。ステップS808又はステップS809にて予告コマンド設定処理を実行したら本変動中用処理を終了する。
表示制御装置220は、ステップS808又はステップS809にて設定された予告コマンドを受信した場合、予め定められたタイミングにて第1特別演出又は第2特別演出を実行する。具体的には、実行位置特定タイミングが経過した場合に特別演出を実行する。つまり、ステップS808又はステップS809にて設定された特別演出用の予告コマンドを受信した場合、所定タイミングが経過した後の変動表示の内容を切り替えている。これにより、ステップS808又はステップS809にて設定される特別演出用の予告コマンドを不規則なタイミングにて受信するとしても、表示態様を切り替えるタイミングを限定できる。この結果、表示態様を切り替えるために予め記憶する情報量を削減できる。
なお、表示制御装置220は、第1特別演出又は第2特別演出用の予告コマンドを受信した場合に実行する特別演出の内容を、変動表示を開始する場合に音声ランプ制御装置82から受信していた予告コマンド(ステップS708又はステップS715にて設定される予告コマンド)から一義的に導出できるよう設定されている。
また、第1特別演出又は第2特別演出用の予告コマンドが設定された場合に、図柄の変動表示が開始されてからその図柄の変動表示が終了するまでの期間が変更されないように設定されている。つまり、変動表示の内容を切り替える場合に1遊技回の期間が変更されない。これにより、第1特別演出又は第2特別演出用の予告コマンドが設定され、変動表示の内容が変更されるために、パチンコ機10における遊技回の消化率が変化することを抑制できる。
<特別演出が実行される場合の様子>
特別演出が実行される場合について、図6(a)に加え、図19のタイムチャートを参照して説明する。
ta1のタイミングでは、図19(a)に示すように、図柄の変動表示が開始されている。そして、ta2のタイミングにて、図19(b)に示すように、パチンコ機10に近づくよう特別演出の一部である特別報知が実行される(例えば、「近づけ」)。ちなみに、表示制御装置220は、この報知のタイミングを、受信した予告コマンドと変動表示時間の情報と、から一義的に導出できるように予め報知のタイミングを記憶している。ta3のタイミングまでに、第1特別演出又は第2特別演出用予告コマンドを受信しなかった場合(ステップS805にて肯定判定されなかった場合)、ta3のタイミングにて、図19(c)に示すように、いずれの特別演出も行われることなく、図柄の変動表示が実行されている。その後、ta4のタイミングにて図19(d)に示すように、上図柄列Z1が停止表示される。
ta2のタイミングからta3のタイミングまでに第2特別演出用の予告コマンドを受信している場合、ta3のタイミングにて図19(e)に示すように、第2特別演出が実行される(例えば、クラゲを模したキャラクタが表示される)。具体的には、基準位置情報に対応した距離が図6(a)に対応したXの距離である場合に、基準位置情報を0.5倍したものから0.7倍したものの範囲に対応したX2の範囲にて遊技者が検出された場合に、第2特別演出が実行される。その後、ta4のタイミングにて、図19(d)に示すように、上図柄列Z1が停止表示される。
一方、ta2のタイミングからta3のタイミングまでに第1特別演出用の予告コマンドを受信している場合、ta3のタイミングにて図19(f)に示すように、第2特別演出とは異なる第1特別演出が実行される(例えば、魚を模したキャラクタが表示される)。具体的には、基準位置情報に対応した距離が図6(a)に対応したXの距離である場合に、基準位置情報を0.5倍したものから、位置情報の最小値である「10」までの範囲に対応したX1の範囲(第2範囲)に遊技者が移動している場合に、第2特別演出が実行される。その後、ta4のタイミングにて図19(d)に示すように、上図柄列Z1が停止表示される。
上述したように、測距センサ48は座席に着席した遊技者の上半身を検出可能となっている。このため、遊技者が自身の上半身(頭部や胴体)の前に手をかざす等の動作を行うことによって、第1特別演出や第2特別演出を実行させることが可能となっている。
本パチンコ機10では、いずれの特別演出が実行されるとしても、停止図柄を変更しないように設定されている。これにより、特別演出を実行ために変動表示の内容を変更する上で、変動表示の内容を変更するためにかかる処理負荷を軽減できる。
なお、第1特別演出と第2特別演出とでは、大当たり発生となるか否かによって、選択され易くなる特別演出の内容が異なるようになっている。具体的には、大当たり発生となる遊技回においては、第2特別演出よりも第1特別演出の方が、大当たりが発生する期待度が高い演出が選択され易くなっている。
一方、大当たり発生とならない遊技回においては、第1特別演出よりも第2特別演出の方が、大当たりが発生する期待度が高い演出が選択され易くなっている。これにより、演出を認識したくない遊技者は第1特別演出及び第2特別演出のいずれも実行させないように、遊技回が終了し遊技結果が表示されるまで演出を楽しみたい遊技者は第2特別演出を実行させ、遊技結果が表示される前に遊技結果を予測し易くしたい遊技者は第1特別演出を実行させるように、それぞれ遊技を行わせることが可能となる。この結果、遊技者が望む演出を遊技者に選択させることが可能となり、遊技が単調化することを防止するとともに、特別演出の実行を望まない遊技者が、特別演出が実行されることで煩わしさを感じることを防止できる。
また、本パチンコ機10では、第1特別演出として実行される演出が第2特別演出として実行されないようになっている。また、第2特別演出として実行される演出が第1特別演出として実行されないようになっている。これにより、第1特別演出及び第2特別演出のうちいずれのものが実行されているかを遊技者が把握し易くなる。
ここで、基準位置情報について説明を補足する。上述したように、基準位置情報は、初期位置設定処理における位置情報特定処理にて位置情報の値が規定範囲内(「30」以上「60」未満)である場合に設定される。これは、遊技者が遊技を行っている場合に任意に姿勢を変化でき位置情報が変化するとしても、適正な位置情報を基準位置情報として設定するための工夫である。ここで、遊技者の姿勢が変化した場合について説明する。図20は、図6(a)において遊技者の姿勢が変化した場合の説明図である。
遊技者が屈んでいる等によってP1の位置からP2の位置に測距センサ48の検出位置が変化していることが考えられる。遊技者がP2の位置の状態にて基準位置情報が設定されると、第1情報と第2情報との値が近似してしまい、第1特別演出及び第2特別演出のいずれを実行させるかを遊技者が選択しにくくなる不具合の発生が考えられる。さらには、特別演出が実行される遊技回において遊技者がP2の位置からP1の位置に戻っていることが想定される。この場合、パチンコ機10に近づくよう特別報知が実行された場合に、遊技者がパチンコ機10に近づいたにも関わらず、位置情報が第1範囲内に含まれないことが考えられる。このため、第1特別演出及び第2特別演出のいずれも実行されない不具合の発生が考えられる。
また、遊技者が背伸びをしている等によってP1の位置からP3の位置に測距センサ48の検出位置が変化していることが考えられる。そして、特別演出が実行される遊技回において遊技者がP3の位置からP1の位置に戻っていることが考えられる。この場合に、P3の位置にて基準位置情報が設定されていると、パチンコ機10に近づくよう特別報知が実行された場合に、遊技者がパチンコ機10に近づいていないにも関わらず、第1特別演出や第2特別演出が実行される不具合の発生が考えられる。
この点、本パチンコ機10では、特定された位置情報が規定範囲内に含まれていることに基づいて基準位置情報を設定する。このため、遊技者が任意に移動することにより、発生し得る上記不具合が発生することを抑制できる。つまり、特定された位置情報が基準位置情報として設定されるための上限値及び下限値を設けたことは、遊技者が移動している場合の位置情報が基準位置情報として設定されることを防止するための工夫である。
なお、基準位置情報記憶処理が実行されるための規定範囲は任意に変更できる。例えば、位置情報特定処理にて特定した値が「20」以上「50」未満である場合に基準位置情報記憶処理が実行されるようにしてもよい。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
測距センサ48を設け、測距センサ48から遊技者までの距離に応じて特別演出を実行する構成とした。ここで、測距センサ48の前方には窓パネル62が設置されている。このため、測距センサ48から照射されるビーム光が窓パネル62にて光が屈折したり、パチンコ機10が設置される遊技ホール等の照明が測距センサ48に照射されたりして、測距センサ48の検出結果には誤差が生じ易い。特に、窓パネル62は2枚のガラス板が重ね合わされて設けられていることにより、窓パネル62による屈折に起因した誤差は大きいことが想定される。
この点、本パチンコ機10では、基準位置情報を特定し、その基準位置情報に基づく情報(第1情報、第2情報)と変動中用処理にて特定される位置情報との比較結果に応じて第1特別演出及び第2特別演出を実行する。つまり、基準位置情報に基づく情報と、ステップS803にて特定される位置情報との相対関係に応じて特別演出を実行する。この結果、測距センサ48の検出結果に誤差が生じるとしても、同じ環境下にて基準位置情報及び位置情報の特定を行うことにより、遊技者の位置に基づく特別演出を良好に実行できる。
位置情報の値に応じて実行する特別演出を異ならせる構成とした。これにより、実行される特別演出を多様化できる。また、位置情報を特定する場合、そのことを遊技者に報知する構成とした。この結果、いずれの特別演出を実行させるかを遊技者に選択させることが可能となる。以上より、遊技者の遊技への積極的参加を促す効果も期待される。
基準位置情報を特定した場合、その基準位置情報に予め定められた演算処理を実行し、その演算結果である第1情報及び第2情報を特定する。そして、それら第1情報及び第2情報を用いて実行する特別演出を決定する構成とした。これにより、基準位置情報に応じた第1情報及び第2情報のそれぞれを予め記憶する必要がなくなる。また、第1情報及び第2情報に対応した位置情報のそれぞれを個別に特定する必要がなくなる。
基準位置情報から当該基準位置情報とは異なる第1情報及び第2情報のそれぞれを特定することにより、基準位置情報を特定する場合に遊技者に報知を行なわなくとも、遊技者の位置から第1特別演出及び第2特別演出を行うための第1範囲及び第2範囲のそれぞれを特定できる。つまり、基準位置情報を特定する場合に、姿勢を変化させる等を遊技者に報知する必要がなくなる。
第1情報及び第2情報を、基準位置情報よりも測距センサ48に近い位置に対応するようにした。これにより、基準位置情報を特定する場合に、そのことを遊技者に報知しなくとも、第1範囲及び第2範囲のそれぞれが、遊技者から測距センサ48までの範囲に含まれるようにすることができる。この結果、遊技者が手をかざす等の動作を行えば、第1特別演出及び第2特別演出のそれぞれを実行させることができる。
初期位置設定処理において特定された位置情報が予め定められた範囲に含まれている場合に基準位置情報を記憶する構成とした。つまり、検出結果が予め定められた範囲外である場合には基準位置情報が記憶されない。遊技者が遊技を行っているとしても、遊技者が測距センサ48の前に手をおいている状態等、基準位置情報として特定すると不都合が発生することが想定される。この点、予め定められた範囲の値を基準位置情報として設定する上で、特別演出の実行に不具合が発生すると想定される値が基準位置情報として設定されることを防止できる。
1遊技回の実行中である場合に基準位置情報を特定する構成とした。これにより、遊技者により遊技が行われていない場合に基準位置情報が特定されることを抑制できる。この結果、遊技を行わない視認者等が、パチンコ機10の前に着席した場合に基準位置情報が特定されることを抑制できる。
1遊技回の実行中でもなく、かつ、開閉実行モードでもない場合に予め定められた期間が経過したことに基づいて、基準位置情報をクリアする構成とした。ここで、遊技が実行されていない期間が継続した場合、遊技者がパチンコ機10の前に着席していないことが考えられる。この場合、新たな遊技者が本パチンコ機10にて遊技を開始することが想定される。この遊技者の変更に伴い、遊技者の姿勢や体格が変化することが考えられ、基準位置情報を特定し直すことが望ましい。この点、遊技が所定期間行われていないことに基づいて、基準位置情報を初期化することにより、遊技者の変更が発生した場合に基準位置情報を設定し直すことが可能となる。
<第2の実施の形態>
本実施の形態では、上記第1の実施の形態と音声ランプ制御装置82による初期位置設定処理が異なっている。本実施の形態における初期位置設定処理について図21のフローチャートを用いて説明する。本初期位置設定処理におけるステップS901及びステップS902は、上記第1の実施の形態にて説明した初期位置設定処理におけるステップS1501及びステップS502と同様のため説明を省略する。また、本初期位置設定処理におけるステップS904〜ステップS912は、上記第1の実施の形態にて説明した初期位置設定処理におけるステップS507〜ステップS515と同様のため説明を省略する。
ステップS902にて1遊技回の実行中である場合、ステップS903に進み、位置情報特定開始処理を実行する。位置情報特定開始処理を実行したら本初期位置設定処理を終了する。位置情報特定開始処理について図22のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1001では、報知コマンド設定フラグがRAM217の各種フラグ格納エリア250に設けられた報知コマンド設定フラグ格納エリアにセットされているか否かを判定する。報知コマンド設定フラグは、位置情報の特定を開始することを示す位置情報特定報知用のコマンドが設定された場合にセットされる。
ステップS1001にて報知コマンド設定フラグがセットされている場合、ステップS1002に進み、位置情報特定報知用のコマンドを設定する。当該コマンドは、表示制御装置220に出力される。表示制御装置220は、当該コマンドを受信した場合、基準位置を測定することを報知するよう図柄表示装置41を制御する。これにより、基準位置を測定するタイミングであることを遊技者が把握できる。
続くステップS1003では、報知コマンド設定フラグを報知コマンド設定フラグ格納エリアにセットする。その後ステップS1004にて、RAM217の各種タイマカウンタエリア255に設けられた特定タイミングカウンタエリアに「1500」をセットする。特定タイミングカウンタエリアに値をセットしたら本位置情報特定開始処理を終了する。
一方、ステップS1001にて報知コマンド設定フラグがセットされている場合、ステップS1005に進む。ステップS1005では、特定タイミングカウンタエリアの値が「0」か否かを判定する。特定タイミングカウンタエリアの値が「0」でない場合、ステップS1006に進む。ステップS1006では、特定タイミングカウンタ減算処理を実行する。特定タイミングカウンタ減算処理では、特定タイミングカウンタエリアの値を1ディクリメントする。その後、本位置情報特定開始処理を実行する。
ステップS1005にて特定タイミングカウンタエリアの値が「0」である場合、ステップS1007に進む。ステップS1007では上述した位置情報特定処理を実行する。続くステップS1008では、上述した初期位置設定処理のステップS504と同様に特定した位置情報の値が規定範囲内か否かを判定する。規定範囲内でない場合、本位置情報特定開始処理を終了する。
位置情報の値が規定範囲内に含まれている場合、ステップS1009に進む。ステップS1009では、位置情報特定報知終了用のコマンドを設定する。当該コマンドは、表示制御装置220に出力される。表示制御装置220は、当該コマンドを受信した場合、基準位置を測定することの報知を終了するよう図柄表示装置41を制御する。その後、ステップS1010にて上述した基準位置情報記憶処理を実行する。続くステップS1011にて基準位置設定フラグをセットするとともに報知コマンド設定フラグをクリアする。ステップS1011の処理を実行したら本位置情報特定開始処理を終了する。
以上のように、本位置情報特定開始処理では、特定タイミングカウンタエリアの値が「0」となった場合に、位置情報特定処理を実行する。これは、位置情報特定報知用のコマンドが表示制御装置220に出力されてから、図柄表示装置41にて基準位置を測定することの報知が開始されるまでの期間に相等している。これにより、当該報知が開始される前に基準位置情報が設定されることを抑制できる。
<基準位置を測定する場合の報知の様子>
図23のタイムチャートを参照して基準位置を測定する場合の報知の様子について説明する。
図23(a)に示すように、tb1のタイミングにて図柄の変動表示が開始され、位置情報特定報知用のコマンドを受信した場合、図23(b)に示すように、tb2のタイミングにて基準位置を測定することの報知するメッセージ(例えば、「基準位置を測定します」)の表示が開始される。その後、図23(c)に示すように、tb3のタイミングにて、基準位置の測定が行われ、位置情報特定報知用のコマンドを受信したことに基づいてその報知が終了される。
本実施の形態では、基準位置情報を特定することを遊技者に報知する。上記第1の実施の形態では、基準位置情報を特定する場合に報知しないため、遊技者が姿勢を崩した状態にて特定した位置情報の値が規定範囲内であった場合、その値が基準位置情報として記憶されてしまう。この点本実施の形態では、基準位置情報を特定する場合に報知するため基準位置情報を正確に特定し易くなる。特に、基準位置情報が良好に設定されていない場合、特別演出の実行の際に、特定された位置情報の値が第1範囲内及び第2範囲内となりにくかったり、遊技者が第1特別演出及び第2特別演出のどちらを実行させるかを選択しにくくなったりする不具合の発生が想定される。この点、本実施の形態では、基準位置情報を特定するタイミングを報知することにより、上記不具合が発生することを防止できる。
基準位置情報は、遊技回が開始されたタイミングで特定される。これにより、特別演出の実行に係る遊技回にて基準位置情報を特定する必要がなくなる。この結果、特別演出の実行に係る遊技回にて基準位置情報を特定することの報知が実行されることを防止できる。また、基準位置情報が記憶された場合、基準位置情報がクリアされるまで、再び基準位置情報が特定されることの報知が実行されない。これにより、基準位置情報を特定することの報知が頻繁に行われることを防止できる。
<第3の実施の形態>
本実施の形態では、特別演出を実行する場合、記憶されている基準位置情報の値よりも、その遊技回にて特定された位置情報が大きいか小さいかによって実行する特別演出を決定する。このため、第2の実施の形態にて説明した位置情報特定開始処理のステップS1002にて位置情報特定報知用のコマンドが設定された場合、表示制御装置220は、第1特別演出及び第2特別演出のいずれを実行させるかの選択位置を特定することを報知するよう図柄表示装置41を制御する。
なお、本実施の形態における位置情報特定開始処理では、ステップS1008における基準位置情報が設定されるための規定範囲が異なっており、位置情報の値が「10」より大きく「50」未満である場合に基準位置情報が設定されるようになっている。上述したように遊技者がパチンコ機10の前に着席している場合、測距センサ48から遊技者までの距離がおよそ0.5mとなっている。上記のように規定範囲を設定したことは、第1特別演出及び第2特別演出のいずれを実行させるかの選択位置を特定する上で、当該選択位置を遊技者よりも測距センサ48側に設定するための工夫である。但し、基準位置情報が設定されるための規定範囲は任意に変更してもよいし、規定範囲が設けられておらず、位置情報が正常に特定された場合(つまり、位置情報の値が「10」〜「80」に含まれる場合)に基準位置情報が設定されるようにしてもよい。
また、本実施の形態では、第2の実施形態にて基準位置情報を特定した後に実行される変動中用処理が異なっている。図24は、本実施の形態における変動中用処理を示すフローチャートである。なお、ステップS1101〜ステップS1103の処理は、上記第1の実施の形態の変動中用処理におけるステップS801〜ステップS803と同様のため説明を省略する。
ステップS1103にて位置情報特定処理を実行した場合、ステップS1104に進む。ステップS1104では、位置情報が特定されたか否かを判定する。具体的には、ステップS1104では測距センサ48によって距離が測定されたか否かを判定する。つまり、位置情報の値が「10」〜「80」の範囲に含まれているか否かを判定する。位置情報の値が「10」〜「80」に含まれていない場合、位置情報が特定できなかったものとして本変動中用処理を終了する。
ステップS1104にて位置情報が特定されている場合、ステップS1105に進む。ステップS1105では、特別演出フラグ格納エリアにセットされている特別演出フラグをクリアする。続くステップS1106では、ステップS1103にて特定した位置情報の値が記憶されている基準情報の値以上であるか否かを判定する。位置情報の値が基準位置情報の値より小さい場合、ステップS1107に進み、第1特別演出用の予告コマンド設定処理を実行する。一方、位置情報の値が基準位置情報の値以上である場合、ステップS1108に進み、第2特別演出用の予告コマンド設定処理を実行する。
ステップS1107又はステップS1108にて特別演出用の予告コマンドを設定したら本変動中用処理を終了する。
本実施の形態では、第1特別演出及び第2特別演出を実行するかの選択を、その遊技回にて特定された位置情報の値が基準位置情報の値よりも小さいか否かによって行っている。これにより、基準位置情報を測定するタイミングを遊技者に報知しつつ、その基準位置情報を第1特別演出及び第2特別演出のいずれの特別演出を実行するかの境界の値とすることが可能となる。この結果、遊技者にしてみれば、基準位置を測定した後に、その基準位置よりもパチンコ機10に近ければ第1特別演出が実行され、遠ければ第2特別演出が実行される。よって、第1特別演出及び第2特別演出のいずれを実行させるかを遊技者が選択し易くなる効果を得ることができる。
<第4の実施の形態>
本実施の形態における音声ランプ制御装置82では、初期位置設定処理とは個別に、着席確認処理が所定周期(本パチンコ機10では、2msec周期)にて実行される。着席確認処理について図25のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1201では、基準位置設定フラグがセットされているか否かを判定する。基準位置設定フラグがセットされている場合、本着席確認処理を終了する。
基準位置設定フラグがセットされていない場合、ステップS1202に進み、発射ハンドル操作信号を受信しているか否かを判定する。発射ハンドル操作信号は、遊技球の発射動作が行われている(発射ハンドルが操作されている)ことに基づいて、主制御装置81から音声ランプ制御装置82に対して出力される。発射ハンドル操作信号を受信していない場合、ステップS1203に進み、1遊技回の実行中か否かを判定する。1遊技回の実行中である場合、本着席確認処理を終了する。
1遊技回の実行中でない場合、ステップS1204に進む。ステップS1204では、上述した位置情報特定処理を実行する。続くステップS1205では、位置情報の値が規定範囲内か否かを判定する。具体的には、位置情報特定処理にて特定した値が「30」以上「60」未満であるか否かを判定する。位置情報の値が規定範囲内でない場合、遊技者がパチンコ機10の前に着席していないものとして本着席確認処理を終了する。
位置情報が規定範囲内である場合、ステップS1206に進む。ステップS1206では、着席フラグが各種フラグ格納エリア250に設けられた着席フラグ格納エリアにセットされているか否かを判定する。着席フラグがセットされていない場合、ステップS1207に進む。ステップS1207では、着席確認フラグを着席フラグ格納エリアにセットする。続くステップS1208にて、各種タイマカウンタエリア255に設けられた確認タイマカウンタエリアに「60000」をセットする。その後、本着席確認処理を終了する。
一方、ステップS1206にて着席フラグがセットされている場合、ステップS1209に進む。ステップS1209では、確認タイマカウンタ減算処理を実行する。確認タイマカウンタ減算処理では、確認タイマカウンタエリアの値を1減算する。続くステップS1210にて、確認タイマカウンタエリアの値が「0」か否かを判定する。確認タイマカウンタエリアの値が「0」でない場合、本着席確認処理を終了する。
確認タイマカウンタエリアの値が「0」である場合、ステップS1211に進む。ステップS1211では、着席確認用処理を実行する。着席確認用処理では、遊技者に遊技の実行を促す音(音声メッセージ)を出力するようスピーカ部64を制御する。着席タイマカウンタエリアの値が「0」となるためには、発射ハンドル操作信号を受信することなく遊技者が着席している状態(ステップS1205にて肯定判定されている状態)にて120sec経過する必要がある。120secが経過した場合に着席している遊技者に遊技の実行を促すメッセージが出力されることにより、遊技者が遊技を開始する又は遊技者が席を離れることが期待される。これにより、遊技者が遊技を行っていない状態にて着席していることにより、パチンコ機10の稼働率が低下することを抑制できる。ステップS1211の処理を実行したら本着席確認処理を終了する。
ステップS1202にて発射ハンドル操作信号を入力している場合、ステップS1212にて着席確認フラグをクリアして本着席確認処理を終了する。なお、着席確認フラグがセットされていない状態にてステップS1212の処理が実行された場合、着席確認フラグがセットされていない状態が維持される。
本実施の形態によれば、遊技者により遊技が行われている場合、位置情報の値を特別演出の実行の判定に用いている。また、遊技が行われていない場合、位置情報の値を遊技者が着席しているか否かの判定に用いている。つまり、遊技が行われている場合と、行われていない場合と、で位置情報を用いた処理が異なっており、測距センサ48を設置することにより、演出を多様化させつつ、パチンコ機10の稼働率を高める効果を得ることができる。
<第5の実施の形態>
本実施の形態では、上記第1の実施の形態にて説明した初期位置設定処理におけるステップS504にて位置情報の値が規定範囲でない場合、位置特定異常処理が実行される。以下、位置特定異常処理について図26のフローチャートを用いて説明する。
ステップS1301では、位置情報カウンタエリア加算処理を実行する。位置情報カウンタエリア加算処理では、各種タイマカウンタエリア255に設けられた位置情報タイマカウンタエリアの値を1インクリメントする。
続くステップS1302では、位置情報タイマカウンタエリアの値が「2500」か否かを判定する。位置情報タイマカウンタエリアの値が「2500」でない場合、本位置特定異常処理を終了する。
位置情報タイマカウンタエリアの値が「2500」である場合、ステップS1303及びステップS1304の特定異常時処理を実行する。ステップS1303では、基準位置情報記憶エリア253に予め定められた値をセットする。具体的には、基準位置情報記憶エリア253に「50」をセットする。続くステップS1304では、基準位置が特定されたものとして基準位置設定フラグをセットする。その後、ステップS1305にて位置情報タイマカウンタエリアをクリアして本位置特定異常処理を終了する。なお、位置情報タイマカウンタエリアの値は、ステップS504に肯定判定され、基準位置設定フラグがセットされた場合にもクリアされるように設定されている。
ここで、上記第1の実施形態では、遊技者が体格や姿勢等により、位置情報の値が常に規定範囲内とならず、基準位置情報が設定されない不具合が想定される。この場合、特別演出が実行されなくなることが考えられる。この点本実施の形態では、所定期間に亘って基準位置情報が設定されない場合、予め定められた値を基準位置情報として設定することにより、基準位置情報が設定されず、特別演出が実行されなくなることを抑制できる。
また、予め定められた範囲に含まれていないとの検出結果が予め定められた期間継続しなければ、予め定められた情報が検出結果の情報として特定されない。これにより、遊技者の位置の検出結果の情報に基づいて基準位置情報を特定する頻度を高めることが可能となる。この結果、遊技者の位置に応じた特別演出を良好に実行することが可能となる。
なお、ステップS1303にて設定する予め定められた位置情報の値は任意に変更できる。但し、初期位置設定処理にて基準位置情報記憶処理が実行されるための規定範囲に含まれる値を予め定められた位置情報の値とするとよい。
<他の実施形態>
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の別形態の構成を、上記実施の形態における構成に対して、個別に適用してもよく、相互に組み合わせて適用してもよい。
(1)MPU215に設けられたA/Dポート218に測距センサ48から電圧が印加されることにより、電圧の情報を数値情報としてMPU215にて特定できるものとしたが、かかる構成に限定されない。本構成では、図27に示すように、測距センサ48に変換回路300が接続されている。変換回路300は、測距センサ48から印加された電圧を8ビットの情報に変化してMPU215に入力する。具体的には、変換回路300からMPU215に対して8本のコードが接続されている。変換回路300は、印加された電圧に応じて各配線から「0」又は「1」の情報をMPU215に対して出力する。これにより、MPU215は、「00000000」〜「11111111」までの情報として測距センサ48の電圧の情報を把握できる。なお、接続されているコードの数は任意であり、電圧の情報をMPU215で読み取り可能な情報に変換できればよい。
(2)測距センサ48は、発光及び受光を行うことにより、距離を測定するものとしたが、測距センサ48による距離の特定方法は任意である。例えば、超音波や電磁波を発し、反射してきた波を受信することよって距離を特定するものが考えられる。超音波や電磁波を用いて距離を特定する場合においても、遊技者の距離を測定する前に各波が反射し検出誤差が生じることが考えられる。さらには、パチンコ機10やパチンコ機10が設置される遊技ホールには、電子部品が設置されていることが考えられ、それら電子部品からも電磁波が発せられていることが考えられる。このため、電磁波にて距離を測定する場合には検出誤差が大きくなることが考えられる。この点上記実施の形態を適用することにより、測距センサによる検出誤差による不具合を防止できる。
また、測距センサ48は、0.1m〜0.8mまでの距離を特定できるものとしたが、かかる構成に限定されない。測距センサ48の測定可能な範囲は任意に変更できる。例えば、0.05m〜1.5mまでの距離を特定できるようにしてもよい。
(3)測距センサ48の位置を変更してもよい。例えば、パチンコ機10の上部に設けられているものやパチンコ機10の下部に設けられているものが考えられる。この場合、測距センサ48の位置に応じて測距センサ48が発光する方向を任意に設定するとよい。
測距センサ48は、その前方が窓パネル62に覆われているものとしたが、測距センサ48の前方が開放されているようにしてもよい。この場合、少なくとも窓パネル62による測距センサ48の検出誤差が生じることを抑制できる。
また、測距センサ48が光を照射する方向を変更してもよく、例えばパチンコ機10に対して斜め方向に光を照射するようにするものが考えられる。
(4)基準位置情報を記憶した場合、特別演出を実行する場合に、その基準位置情報に予め定められた演算処理を実行するものとしたが、演算処理を実行するタイミングを変更してもよい。例えば、初期位置設定処理にて特定した位置情報が規定範囲内であった場合、そのタイミングにて演算処理を実行し、第1情報及び第2情報のそれぞれを記憶してもよい。
(5)測距センサ48から遊技者までの距離の情報に応じて実行する特別演出を異ならせるものとしたが、遊技者の位置(パチンコ機10からみた方向)に応じて実行する特別演出を異ならせるようにしてもよい。例えば、遊技者がパチンコ機10の左前方に位置している場合や、右前方に位置している場合に実行される特別演出が異なるものが考えられる。この場合、測距センサ48をパチンコ機10に対して斜め方向に光を照射するようにするか、複数の測距センサ48を設置し、それぞれの測距センサ48の検出結果に基づいて遊技者の位置を特定するようにしてもよい。本構成においても、基準位置情報を測距センサ48の検出結果から設定しておくことにより、特別演出を良好に実行できる。
(6)特別演出の実行にかかる遊技回において、位置情報に応じて第1特別演出又は第2特別演出が実行されたが、位置情報に応じて実行される特別演出のパターンは任意に変更できる。
例えば、基準位置情報に応じて、特別演出を実行するか否か位置情報の閾値が設定されており、位置情報が予め定められた範囲に含まれる場合、特別演出が実行されないようにしてもよい。
また例えば、特別演出が実行される位置情報の範囲が2段階に区分けされていたが、特別演出が実行される位置情報の範囲が3段階以上に区分けされていてもよい。
第1特別演出として選択された演出が、異なる遊技回において第2特別演出として選択されるようにしてもよい。また、第2特別演出として選択された演出が異なる遊技回において第1特別演出として選択されるようにしてもよい。
(7)実行する基準特定演算処理の内容は任意に変更できる。例えば、基準位置情報を0.5倍したものを第1情報とし、基準位置情報を0.25倍したものを第2情報としてもよい。
(8)基準特定演算処理を実行することにより第1情報及び第2情報を特定するものしたが、基準位置情報の値に応じた第1情報及び第2情報を予め記憶していてもよい。この場合、第1情報及び第2情報の特定にかかる処理負荷を軽減できる。
(9)実行される特別演出の内容を変更するようにしてもよい。例えば、特別演出としてスピーカ部64から音声が出力されるものや、表示ランプ部63の発光の模様によって特別演出を実行するものが考えられる。
また、例えば、第1特別演出又は第2特別演出の一方が実行された場合、大当たり発生となる遊技回であるか否かが告知されるようにしてもよい。
(10)測距センサ48は、音声ランプ制御装置82に接続されていたが、主制御装置81や表示制御装置220に接続されていてもよい。例えば、主制御装置81に測距センサ48が接続されている場合、特定された位置情報の値に対応した情報を音声ランプ制御装置82や表示制御装置220に出力するようにすればよい。
(11)初期位置設定処理では、1遊技回の実行中である場合に、位置情報特定処理を実行するものとしたが、遊技者による発射操作が行われていることに基づいて位置情報特定処理を実行するようにしてもよい。
(12)全図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている場合に、第1特別演出又は第2特別演出を行うものとしたが、各特別演出を実行するタイミングは任意である。例えば、上図柄列Z1が停止表示されたタイミングやリーチ表示となったタイミングにて各特別演出が実行されようにしてもよい。
(13)基準タイマカウンタ減算処理及び確認タイマカウンタ減算処理では、セットされている値を1ディクリメントしていくものとしたが、かかる構成に限定されない。例えば、値を1インクリメントしていき、その値が予め定められた値となったか否かを判定する。そして、その判定結果に応じて実行する処理を異ならせる(処理を実行するか否かを決定する)ようにすればよい。つまり、各タイマカウンタエリアの値の更新態様を任意に変更できる。
(14)上記第2の実施の形態において、基準位置情報を特定する場合の報知態様は任意に変更できる。図柄表示装置41を用いたもの以外に表示ランプ部63の発光の模様やスピーカ部64から音声を出力することにより基準位置情報を特定することを報知するものが考えられる。
(15)初期位置設定処理にて、位置情報の値が規定範囲内に含まれていない場合、そのことを報知するようにしてもよい。特に第2の実施の形態では、初期位置設定処理にて位置情報特定処理を実行する場合と、その特定した位置情報に基づいて基準位置情報が設定されなかったことと、を遊技者に教示できる。これにより、基準位置情報が設定されなくなることを一層抑制できる。
(16)上記第4の実施の形態において、着席確認用処理として、遊技者に報知する報知態様は任意に変更できる。例えば、図柄表示装置41に遊技の実行を促すメッセージが表示されるようにしてもよいし、席を離れるよう促すメッセージが表示されてもよい。また、着席確認用処理として、パチンコ機10が設置される遊技ホール等のホールコンピュータに、遊技者が遊技を行っていない状態にて着席していることを示す信号を出力してもよい。
(17)上記第4の実施の形態において、本着席確認処理は、初期位置設定処理と個別に実行されるものとしたが、初期位置設定処理にて実行されるようにしてもよい。この場合、初期位置設定処理のステップS502にて1遊技回の実行中ではないと判定された場合に本着席確認処理を実行するようにすればよい。本構成においては、基準位置設定フラグがセットされている場合と、基準位置設定フラグがセットされておらず、遊技が実行されている場合と、基準位置設定フラグがセットされておらず、遊技が実行されていない場合と、で実行される処理を異ならせることが可能となる。
また、遊技者が着席しているか否かをホールコンピュータに随時出力するようにすれば、遊技ホールにおける遊技者の着席率等を算出することも可能となる。
(18)測距センサ48の検出結果に基づいて特別演出を実行するものとしたが、測距センサ48の検出結果に基づいて実行される処理を変更してもよい。例えば、測距センサ48の検出結果に基づいてパチンコ機10に対する不正検知を行うようにしてもよい。この場合、パチンコ機10に近づいている頻度が高い又は期間が長い場合にパチンコ機10に対して不正行為を行われている可能性があると判定するものが考えられる。不正行為が行われている可能性があると判定した場合、そのことをホールコンピュータ等に対して報知するようにすればよい。
(19)基準位置情報が設定された場合、その基準位置情報がクリアされるまで、基準位置情報の設定を行わないものとしたが、かかる構成に限定されない。例えば、基準位置情報が毎遊技回設定し直されるようにしてもよい。つまり、基準位置情報を設定するタイミングは任意に変更できる。
(20)窓パネル62を介して測距センサ48から遊技者までの距離を基準位置情報として特定するものとしたが、かかる構成に限定されない。例えば、窓パネル62と測距センサ48との間に基準位置情報を特定するための部材が設置されているものが考えられる。つまり、基準位置情報を特定するための部材が予めパチンコ機10に設置されており、その部材までの距離を測定した場合の位置情報から第1情報や第2情報を導出するようにしてもよい。
また、例えばパチンコ機10の前方に設置されている座席までの距離を基準位置情報として特定するようにしてもよい。
また、例えば、発射ハンドル54又は発射ハンドル54を操作する遊技者の手までの距離を、基準位置情報として特定するようにしてもよい。本構成においては、発射ハンドル54又は発射ハンドル54を操作する遊技者の手(遊技者による操作部分)に向けて測距センサ48から光が照射される。そして、発射ハンドル54又はその遊技者の手から反射した光を測距センサ48が受光する。その受光結果から基準位置情報を特定する。そして、発射ハンドル54又は発射ハンドル54を操作する遊技者の手と、測距センサ48との間において、遊技者が手をかざす等遊技者が位置することが可能な領域に対応した距離を、測距センサ48が検出した場合に、特別演出等の特別制御を実行するようにすればよい。この場合、特別演出を実行する遊技回においては、測距センサ48と発射ハンドル54との間に手をかざすよう遊技者に報知するようにするとよい。つまり、発射ハンドル54等のパチンコ機10に移動することがないように固定された部材、又はその部材に接触する遊技者までの距離を、基準位置情報としてもよい。
(21)第1情報と第2情報とのそれぞれは、基準位置情報よりも測距センサ48に近い位置に対応するものとしたが、かかる構成に限定されない。第1情報及び第2情報との少なくとも一方よりも、基準位置情報が測距センサ48に近い位置に対応するようにしてもよい。
(22)第1情報と第2情報とのそれぞれは、基準位置情報に予め定められた乗算を行うことにより算出されたが、かかる構成に限定されない。例えば、基準位置情報の値から予め定められた値を減算又は加算することにより、第1情報と第2情報とのそれぞれが算出されるようにしてもよい。
(23)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
(24)上記各実施の形態では、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置82により表示制御装置220が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置220が音声ランプ制御装置82を制御する構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82と表示制御装置220とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置82,220が一のサブ側の制御装置として設けられた構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置82又は表示制御装置220の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよく、音声ランプ制御装置82及び表示制御装置220の両方の機能が主制御装置81に集約された構成としてもよい。
(25)弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
以上の構成においては、リールが回転している場合や、メダルが投入された場合、又は取込装置に遊技球が取り込まれた場合に、基準位置情報が特定されるようにしてもよい。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
なお、下記発明は、「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、表示画面に複数の絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えたものが知られている。かかる遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口に遊技球が入球したことを契機として、絵柄の変動表示が開始される等の演出が実行される。実行される演出を多様化させる上で、センサを設け、当該センサの検出範囲内に遊技者が手をかざすことにより、演出が変化するものも提案されている。例えば、上記センサによる検出が行われる場合、遊技機(センサ)からビーム光が照射される。そして、そのビーム光が遊技者にあたって反射する。その反射したビーム光がセンサにて受光され、受光結果を用いて予め定められた演算処理が実行される。(例えば、特許文献1参照)。その演算処理の結果から検出範囲内に遊技者(遊技者の手等)が位置しているか否かが特定される。」という背景技術の一例を前提とし、「しかしながら、遊技機が設置される遊技ホール等においては、照明が設置されていたり、設置されている遊技機が若干傾倒していたりすることが考えられる。この場合、照明から照射される光や遊技機の傾きによってビーム光が屈折すること等が考えられる。このため、ビーム光を受信した場合に検出誤差が生じ、遊技者の位置を良好に特定できないことが考えられる。したがって、遊技者の位置が特定された場合の結果に基づいた特別処理を実行する上で改善の余地がある。」との技術的課題を解決すべくなされたものである。
特徴A1.遊技者の位置又は遊技者までの距離を検出可能な検出手段(測距センサ48)と、
予め定められた第1タイミングにおける前記検出手段の検出結果に対応した情報を、先情報(基準位置情報、第1情報、第2情報)として特定する先特定手段(音声ランプ制御装置82による初期位置設定処理、変動中用処理における基準特定演算処理)と、
前記第1タイミングよりも後の第2タイミングにおける前記検出手段の検出結果に対応した情報を、後情報として特定する後特定手段(音声ランプ制御装置82による変動中用処理の位置情報特定処理)と、
前記先情報と前記後情報との比較結果に応じて特別処理を実行する特別処理実行手段(音声ランプ制御装置82による変動中用処理における各特別演出用の予告コマンド設定処理、表示制御装置220による特別演出を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、先情報を特定した後に後情報を特定し、先情報と後情報との比較結果によって特別処理が実行される。つまり、先情報を基準として、その基準と後情報とを比較することによって特別処理を実行できる。ここで、遊技機が設置される遊技ホール等においては、照明が設置されていたり、遊技機が傾いていたりすることが想定される。このため、検出結果に誤差が生じること等の不具合が発生することが考えられる。この場合、遊技者の位置又は遊技者までの距離を良好に特定できないことが考えられる。この点本特徴では、先情報を基準として、後情報に応じた特別処理が実行される。つまり、遊技機が設置されている状況にて特別処理の実行の基準となる先情報を特定する。この結果、上記不具合が発生するとしても、同じ環境下にて先情報及び後情報の特定を行うことにより、遊技者の位置又は遊技者までの距離に基づく特別処理を良好に実行できる。
特徴A2.遊技者による遊技操作に基づき進行する遊技の過程において特定事象が発生していることを特定する遊技特定手段(音声ランプ制御装置82による初期位置設定処理におけるステップS502)を備え、
前記第1タイミングは、前記遊技特定手段による前記特定が行われているタイミングであり、前記先特定手段は、前記遊技特定手段による前記特定が行われている場合における前記検出手段の検出結果に対応した情報を、前記先情報として特定するものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、遊技者による遊技操作に基づき進行する遊技の過程において特定事象が発生している場合に先情報の特定が実行される。これにより、遊技者により遊技が行われていないにも関わらず先情報が特定されることに起因した特別処理の実行の不具合が発生することを抑制できる。
なお、「遊技者による遊技操作に基づき進行する遊技の過程」には、表示手段と、遊技者の発射操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、遊技球が入球可能な入球部と、前記入球部に遊技球が入球したことに基づいて前記表示手段を表示制御する表示制御手段と、を備えた構成においては、遊技者により発射操作が行われていることや、表示制御手段による表示制御が実行されていることが含まれる。また、複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示手段と、遊技媒体が投入される投入手段と、遊技媒体が投入されている状態にて操作されることにより前記絵柄の可変表示を開始させる始動操作手段と、前記絵柄の可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段と、を備えた構成においては、遊技者により遊技媒体を投入させる投入操作が行われていることや、始動操作手段の操作に基づいて絵柄の可変表示が実行されていることが含まれる。
特徴A3.前記先特定手段により特定された前記先情報を記憶する先情報記憶手段(基準位置情報記憶エリア253)と、
前記遊技特定手段による前記特定が行われていない状態が予め定められた期間継続した場合に、前記先情報記憶手段に記憶されている前記先情報を初期化する初期化手段(音声ランプ制御装置82による初期位置設定処理におけるステップS509〜ステップS514)と、
を備えていることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、遊技特定手段による特定が行われていない期間が予め定められた期間継続した場合に、記憶されている先情報が初期化される。ここで、遊技特定手段による特定が行われていない期間が継続した場合、遊技者が遊技を終了し、遊技機の前に位置していないことが考えられる。この場合、新たな遊技者が遊技機にて遊技を開始することが想定される。この遊技者の変更に伴い、遊技者の姿勢や体格が変化することが考えられ、先情報を記憶し直すことが望ましい。この点本特徴では、遊技特定手段による特定が予め定められた期間行われていないことに基づいて、先情報を初期化することにより、遊技者の変更が発生した場合に先情報を設定し直すことが可能となる。
特徴A4.前記遊技特定手段による前記特定が行われていない場合、前記検出手段の検出結果に応じて、予め定められた範囲内に遊技者が位置していることを特定する遊技位置特定手段(音声ランプ制御装置82による着席確認処理におけるステップS1205)と、
前記遊技位置特定手段による前記特定が行われている場合に、当該特定に対応した第2特別処理を実行する第2特別処理実行手段(音声ランプ制御装置82による着席確認処理)と、
を備えていることを特徴とする特徴A2又はA3に記載の遊技機。
特徴A4によれば、遊技者が遊技を行っていない場合、遊技機から予め定められた範囲内に遊技者が位置しているか否かを特定する。予め定められた範囲内に遊技者が位置している場合、それに応じた第2特別処理が実行される。これにより、例えば、遊技が行われていない状態にて遊技者が遊技機周辺に位置していることを遊技ホール等にて把握することも可能となり、それに対処することが可能となる。
なお、「予め定められた範囲内に遊技者が位置している」を、「遊技者が遊技機正面に位置しており、且つ、その遊技者が予め定められた距離以内に位置している」としてもよい。
特徴A5.前記先特定手段は、前記検出手段の検出結果に対応した情報が、遊技者が予め定められた範囲内に位置していることに対応している場合に、当該情報に基づいて前記先情報を特定することを特徴とする特徴A1乃至A4のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、検出手段の検出結果に対応した情報が、予め定められた範囲内に遊技者が位置していることに対応している場合に、その情報に基づいて先情報が特定される。つまり、予め定められた範囲外に遊技者が位置していることに検出結果が対応している場合には先情報が特定されない。
遊技者が遊技を行っているとしても、検出結果が検出手段から予め定められた距離以上離れているものに対応していた場合、遊技者が偶発的に検出手段から離れていることが考えられる。この場合の位置情報を先情報として特定すると、先情報に対応した値から導出される予め定められた範囲に後情報に対応した値が含まれているか否かによって特別処理を異ならせる構成においては、後情報に対応した値が、その範囲に常に含まれなかったり、その範囲に常に含まれたりする不都合の発生が考えられる。この点、検出手段の検出結果の情報が、当該検出手段から予め定められた距離以上離れているものに対応していた場合、その検出結果に基づいて先情報を特定しないようにすれば、上記不都合が発生することを抑制できる。
また例えば、検出手段の検出結果の情報が、当該検出手段から予め定められた距離以上離れていないものに対応していた場合、その検出結果に基づいて先情報を特定しないものが考えられる。検出結果が検出手段から予め定められた距離以上離れていないものに対応していた場合、遊技者が偶発的に遊技機に近づいていることが考えられる。この場合の位置情報を先情報として特定すると、先情報に対応した値から導出される予め定められた範囲に後情報に対応した値が含まれているか否かによって特別処理を異ならせる構成においては、その範囲が過度に狭くなり、後情報に対応した値がその範囲に含まれると判定されなくなる不都合の発生が考えられる。この点、検出手段の検出結果の情報が、当該検出手段から予め定められた距離以上離れているものに対応していない場合、その検出結果に基づいて先情報を特定しないようにすれば、上記不都合が発生することを抑制できる。
特徴A6.遊技者による遊技操作に基づき進行する遊技の過程において特定事象が発生していることを特定する遊技特定手段(音声ランプ制御装置82による初期位置設定処理におけるステップS502)を備え、
前記先特定手段は、前記遊技特定手段による前記特定が行われた場合に、前記検出手段の検出結果に対応した情報を特定するものであり、当該情報が予め定められた範囲内に遊技者が位置していることに対応していないことに基づいて、予め定められた情報を、前記先情報として特定することを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、検出結果の情報が予め定められた範囲内に遊技者が位置していることに対応していない場合、予め定められた情報を先情報として特定する。ここで、遊技者の体格や姿勢によっては、遊技特定手段による特定が行われているとしても、先情報が特定されないことが考えられる。この場合、先情報が特定されないことにより、特別処理が実行されなくなるおそれがある。この点本特徴では、遊技特定手段による特定が行われている場合には、先情報を確実に特定できる。この結果、特別処理が実行されなくなる不具合が発生することを抑制できる。
特徴A7.前記先特定手段は、
前記第1タイミングにて前記検出手段の検出結果に対応した検出情報を特定する検出結果特定手段(音声ランプ制御装置82による初期位置設定処理におけるステップS503〜ステップS506)と、
前記検出情報に予め定められた演算処理を実行することにより、演算結果情報を特定する演算実行手段(音声ランプ制御装置82による変動中用処理における基準特定演算処理)と、
を備え、前記演算結果情報を前記先情報(第1情報、第2情報)として特定することを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、検出手段の検出結果に対応した検出情報に演算処理が実行される。その演算処理の結果である演算結果情報が先情報として特定される。これにより、後情報との比較を行う場合においてその境界となる位置や距離そのものを検出手段が検出する必要がなくなる。この結果、先情報を特定することを遊技者に報知しなくとも、第1タイミングにおける遊技者の位置又は遊技者までの距離とは異なる位置又は距離を先情報として設定できる。よって、第1タイミングにおいて先情報を特定するために遊技者に姿勢を変えるよう促す等の報知を行う必要がなくなる。
なお、「前記検出情報に予め定められた演算処理を実行することにより、演算結果情報を特定する」には、検出情報に予め定められた四則演算処理を行い、演算結果情報を特定するものが含まれる。
特徴A8.前記先情報(基準位置情報)に対して予め定められた演算処理を実行することにより、第1位置から当該第1位置とは異なる第2位置までの範囲に対応した範囲情報(第2範囲)を特定する演算実行手段(音声ランプ制御装置82による変動中用処理における基準特定演算処理にて第1情報及び第2情報を特定する機能)を備え、
前記特別処理実行手段は、
前記範囲情報に前記後情報が含まれる場合に第1特別演出を実行するよう演出実行手段(図柄表示装置41)を制御する第1特別演出制御手段(音声ランプ制御装置82による変動中用処理におけるステップS809、表示制御装置220による第2特別演出を実行する機能)と、
前記範囲情報に前記後情報が含まれない場合に、前記第1特別演出とは異なる第2特別演出を実行するよう前記演出実行手段を制御する第2特別演出制御手段(音声ランプ制御装置82による変動中用処理におけるステップS808、表示制御装置220による第1特別演出を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、後情報に応じて実行される特別演出を異ならせ、実行される特別演出を多様化できる。
いずれの特別演出を実行するかの基準となる範囲情報を、先情報から算出する構成とした。つまり、第1タイミングにて一の検出情報を特定すれば、その検出情報から第1位置に対応した情報と第2位置に対応した情報とをそれぞれ算出して範囲情報を導出できる。これにより、第1位置及び第2位置のそれぞれに対応した情報のそれぞれを、検出手段が個別に検出する必要がなくなる。
特徴A9.前記検出手段に対してその前方にて対向する対向部材(窓パネル62)を備え、前記検出手段は、前記対向部材よりも遊技機前方に存在する遊技者の位置又は遊技者までの距離を検出可能に設けられており、
前記後特定手段は、前記対向部材を隔てて遊技機前方に存在する遊技者の位置又は遊技者までの距離に対応した情報を前記後情報として特定可能であるとともに、
前記先特定手段は、前記対向部材を隔てて遊技機前方に存在する検出対象の位置又は当該検出対象までの距離に対応した情報を前記先情報として特定可能であることを特徴とする特徴A1乃至A8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A9によれば、先情報と後情報とのそれぞれが同じ環境下にて特定される。この結果、検出結果による検出誤差の影響を小さくできる。よって、遊技者の位置又は遊技者までの距離に基づく特別処理を一層良好に実行できる。
特徴A10.前記先特定手段は、
前記第1タイミングにて前記対向部材を隔てた前記検出手段の検出結果に対応した検出情報を特定する検出結果特定手段(音声ランプ制御装置82による初期位置設定処理におけるステップS503〜ステップS506)と、
前記検出結果特定手段により検出された前記検出情報よりも前記対向部材に近い位置に対応した情報となるように、当該検出情報に予め定められた演算処理を実行することにより演算結果情報を特定する演算実行手段(音声ランプ制御装置82による変動中用処理における基準特定演算処理)と、
を備え、前記演算結果情報を前記先情報(第1情報、第2情報)として特定することを特徴とする特徴A9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、検出手段の検出結果に対応した検出情報よりも対向部材に近い位置に対応した情報となるように演算処理が実行される。その演算処理の結果である演算結果情報が先情報として特定される。これにより、先情報を特定することを遊技者に報知しなくとも、検出手段と遊技者との間の位置に対応するように先情報を設定できる。
ここで、特別位置が先情報に対応した位置よりも検出手段からみて遠い位置である場合、検出情報から先情報を算出する場合に、検出情報に対応した値に乗算を行うことによって先情報を算出すると、先情報を特定した場合における検出誤差の影響が大きくなることが考えられる。この点本特徴では、検出情報よりも先情報に対応した位置の方が検出手段近くなることにより、先情報を算出する場合に上記検出誤差による影響が大きくなることを抑制できる。
特徴A11.前記検出手段は、その検出範囲に、遊技場において遊技機の前方に配置されている座席又はその座席に着座している遊技者が含まれるように設けられていることを特徴とする特徴A1乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、検出手段は座席又は座席に着座した遊技者を検出できる。これにより、第1タイミングにて検出手段による検出が行われる場合に、遊技者に姿勢を変えるよう促すことなく、遊技者の位置又は遊技者までの距離を検出手段が検出できる。
特徴A12.前記検出手段は、疎密波又は電磁波である検出用の波を出力する出力手段(発光部48a)と、検出対象にて反射した前記検出用の波を入力する入力手段(位置検出素子48b)と、を備えており、前記入力手段に入力された結果に基づいて検出結果を特定するものであり、
前記出力手段は、前記検出用の波の出力先に、遊技場において遊技機の前方に配置されている座席又はその座席における着座部分の上方の少なくとも一部が含まれ、且つ、前記座席に着座した遊技者の位置又は遊技者までの距離に対応した情報を前記先特定手段が前記先情報として特定可能なように構成されており、
前記特別処理実行手段は、前記後情報が、前記先情報よりも前記出力手段側の位置又は前記出力手段に近い距離に対応した情報である場合に前記特別処理を実行することを特徴とする特徴A1乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、座席に着座した遊技者の位置又は遊技者までの距離に対応した情報を、先特定手段が先情報として特定できる。これにより、先情報を特定する場合に遊技者に姿勢を変えるよう促す等の報知を行う必要がなくなる。
特徴B1.遊技者の位置又は遊技者までの距離を検出可能な検出手段(測距センサ48)と、
予め定められた第1タイミングにおける前記検出手段の検出結果に対応した情報を、先情報として特定する先特定手段(音声ランプ制御装置82による初期位置設定処理、変動中用処理における基準特定演算処理)と、
前記第1タイミングよりも後の第2タイミングにおける前記検出手段の検出結果に対応した情報を、後情報として特定する後特定手段(音声ランプ制御装置82による変動中用処理の位置情報特定処理)と、
前記先情報と前記後情報との比較結果に応じて特別演出を実行するよう演出実行手段(図柄表示装置41)を制御する特別演出制御手段(音声ランプ制御装置82による変動中用処理における各特別演出用の予告コマンド設定処理、表示制御装置220による特別演出を実行する機能)と、
前記第1タイミングにて前記検出手段による検出が行われることを、遊技者が認識可能な内容の報知を行うよう前記演出実行手段又は報知手段を制御する報知制御手段(音声ランプ制御装置82による初期位置設定処理における位置情報特定報知用のコマンドを設定する機能、表示制御装置220による特別報知を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、先情報を特定した後に後情報を特定し、先情報と後情報との比較結果によって特別演出が実行される。つまり、先情報を基準として、その基準と後情報とを比較することによって特別演出を実行できる。ここで、遊技機が設置される遊技ホール等においては、照明が設置されていたり、遊技機が傾いていたりすることが想定される。このため、検出結果に誤差が生じること等の不具合が発生することが考えられる。この場合、遊技者の位置又は遊技者までの距離を良好に特定できないことが考えられる。この点本特徴では、先情報を基準として、後情報に応じた特別演出が実行される。つまり、遊技機が設置されている状況にて特別演出の実行の基準となる先情報を特定する。この結果、上記不具合が発生するとしても、同じ環境下にて先情報及び後情報の特定を行うことにより、遊技者の位置に基づく特別演出を良好に実行できる。
ここで、先情報を特定する場合に遊技者が屈んでいる等、先情報を良好に特定できないことが考えられる。この点本特徴では、検出手段による位置検出が行われることが報知される。これにより、先情報を特定することを遊技者に把握させることが可能となる。つまり、先情報を良好に特定できるように遊技者に促すことが可能となる。
特徴B2.前記先特定手段は、前記第1タイミングにおける前記検出手段の検出結果から、前記第1タイミングにおける遊技者の位置又は遊技者までの距離を前記先情報として特定するものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、第1タイミングにおける遊技者の位置又は遊技者までの距離が先情報として設定される。このため、第1タイミングにて検出手段による位置検出が報知されることにより、先情報としての位置又は距離を遊技者が把握することができる。この結果、第2タイミングにおける報知が実行された場合に遊技者がいずれの特別演出を実行させるかを選択し易くなる効果を得ることができる。
特徴B3.前記先特定手段により特定された前記先情報を記憶する先情報記憶手段(基準位置情報記憶エリア253)を備え、
前記先特定手段は、前記先情報記憶手段に前記先情報が記憶されていないことを条件として、前記先情報の特定を行うために前記検出手段による検出結果を把握するものであり、
前記報知制御手段は、前記先特定手段により前記検出結果の把握が行われる場合に前記報知が行われるようにするものであることを特徴とする特徴B1又はB2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、先情報が記憶されている場合には第1タイミングとはならない。これにより、先情報が記憶されている状態にて、先情報を特定するための報知が実行されることを抑制できる。つまり、先情報が特定された後に、検出手段による位置検出が行われることの報知が実行されることを抑制できる。
特徴B4.遊技者による遊技操作に基づき進行する遊技の過程において生じる特定事象が発生していることを特定する遊技特定手段(音声ランプ制御装置82による初期位置設定処理におけるステップS502)と、
前記先特定手段により特定された前記先情報を記憶する先情報記憶手段(基準位置情報記憶エリア253)と、
を備え、
前記第1タイミングは、前記先情報記憶手段に前記先情報が記憶されていない状況にて、前記遊技特定手段による前記特定が行われた場合であることを特徴とする特徴B1乃至B3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B4によれば、先情報が記憶されておらず、遊技特定手段による特定が行われた場合に、位置検出が行われることが報知される。つまり、遊技者による遊技が開始されたタイミングにて先情報を特定するための報知が実行される。また、先情報が記憶された場合には、再び先情報の特定が行われることを抑制できる。これにより、先情報が特定された後に検出手段による位置検出が行われることの報知が実行されることを抑制できる。この結果、特別演出が実行される直前に先情報を特定するための報知が実行されることを抑制できる。
特徴B5.前記遊技特定手段による前記特定が行われていない状態が予め定められた期間継続した場合に、前記先情報記憶手段に記憶されている前記先情報を初期化する初期化手段(音声ランプ制御装置82による初期位置設定処理におけるステップS509〜ステップS514)を備えていることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、遊技特定手段による特定が行われていない期間が予め定められた期間継続した場合に、記憶されている先情報が初期化される。ここで、遊技特定手段による特定が行われていない期間が継続した場合、遊技者が遊技を終了し、遊技機の前に位置していないことが考えられる。この場合、新たな遊技者が遊技機にて遊技を開始することが想定される。この遊技者の変更に伴い、遊技者の姿勢や体格が変化することが考えられ、先情報を記憶し直すことが望ましい。この点本特徴では、遊技特定手段による特定が予め定められた期間行われていないことに基づいて、先情報を初期化することにより、遊技者の変更が発生した場合に先情報を設定し直すことが可能となる。
また、本特徴によれば、先情報が記憶された場合、その遊技者による遊技が中断又は終了されるまで、新たに先情報が特定されることを抑制できる。この結果、遊技者が遊技を行っている場合に、頻繁に先情報を特定することが報知されることを抑制できる。
なお、上記特徴A1〜A12のいずれか1の構成に対して、上記特徴B1〜B5のいずれにて限定したものを適用してもよい。また、上記特徴B1〜B5の構成に対して上記特徴A1〜A12のいずれかにて限定したものを適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。