<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。外枠11は木製の板材などを四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技ホールに設置される。
遊技機本体12は、内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機本体12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として内枠13が前方へ回動可能とされている。
内枠13には、図2に示すように、前扉枠14が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に支持されており、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、図3に示すように、その回動先端部に施錠装置16が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠13に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
次に、遊技機本体12の前面側の構成について説明する。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース21を主体に構成されている。樹脂ベース21の中央部には略楕円形状の窓孔23が形成されている。樹脂ベース21には遊技盤24が着脱可能に取り付けられている。遊技盤24は合板よりなり、遊技盤24の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース21の窓孔23を通じて内枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤24の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤24には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口31,可変入賞装置32,上作動口(第1始動入球部又は非優先始動入球部)33,下作動口(第2始動入球部又は優先始動入球部)34,スルーゲート35、可変表示ユニット36、メイン表示部43及び役物用表示部44等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33及び下作動口34への入球が発生すると、それが遊技盤24の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。この場合に、一般入賞口31への入球が発生した場合には10個の遊技球の払出が実行され、可変入賞装置32への入球が発生した場合には15個の遊技球の払出が実行され、上作動口33への入球が発生した場合には3個の遊技球の払出が実行され、下作動口34への入球が発生した場合には4個の遊技球の払出が実行される。
なお、遊技球の払出個数は上記のものに限定されることはない。但し、上作動口33に対する下作動口34の有利性を高める上では、上作動口33に係る払出個数よりも下作動口34に係る払出個数を多く設定することが好ましい。また、各作動口33,34に対する可変入賞装置32の有利性を高める上では、各作動口33,34に係る払出個数よりも可変入賞装置32に係る払出個数を多く設定することが好ましい。
その他に、遊技盤24の最下部にはアウト口37が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口37を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤24には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘38が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口37への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34又はスルーゲート35への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口33及び下作動口34は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤24に設置されている。上作動口33及び下作動口34は共に上向きに開放されている。また、上作動口33が上方となるようにして両作動口33,34は鉛直方向に並んでいる。下作動口34には、左右一対の可動片よりなるガイド片としての電動役物34aが設けられている。
電動役物34aについて説明する。電動役物34aは、下作動口34に遊技球が入賞しにくい閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)と、閉鎖状態よりも遊技球が入賞し易い開放状態(サポート状態又はガイド状態)とに切り換えられる。
上作動口33を構成する作動口ケース33aは、手前側に張り出すとともに正面から見て略台形状をなしており、上辺長<下辺長となっている。このとき、作動口ケース33aの上辺長(すなわち上作動口33の左右幅)は、遊技球の直径よりも僅かに大きい長さとされ、下辺長は、電動役物34aが閉鎖状態にある場合において左右の電動役物34a間の距離よりも大きい長さとされている。また、電動役物34aが閉鎖状態にある場合には作動口ケース33aと電動役物34aの上端部との間隔が遊技球の直径よりも僅かに短くなるよう両作動口33,34の設置間隔が調整されている。
上記構成によれば、電動役物34aの閉鎖状態では遊技球が下作動口34に入賞できず、電動役物34aが開放されることで下作動口34への入賞が可能となる。特にこのとき、電動役物34aが閉鎖状態から開放状態に移行する動作途中では、上記のとおり上作動口33の作動口ケース33aが略台形状をなしておりそれが障害となることから、電動役物34aが十分に開放されるまでは下作動口34への遊技球の入賞が不可能となり、電動役物34aのほぼ全開状態でのみ入賞が可能となっている。つまり、上方から落下してきた遊技球は作動口ケース33aの側面に当たって外側に弾かれ、下作動口34に直接入賞することはない。これにより、電動役物34aが極短時間で開放される場合には下作動口34への入賞が極めて困難となり、電動役物34aの開放状態が継続される場合にのみ下作動口34への入賞が容易となる。
なお、上作動口33の作動口ケース33aを上記の如く略台形状とする構成以外にも、上作動口33の作動口ケース33aを上部幅狭、下部幅広の2段構成としたり、上作動口33の左右両側に略ハ字状のガイド片を設けたり、作動口ケース33aの斜め下方に障害釘を植設したりしても良い。
可変入賞装置32は、遊技盤24の背面側へと通じる大入賞口32aを備えているとともに、当該大入賞口32aを開閉する開閉扉32bを備えている。開閉扉32bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞しにくい閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選又は特別外れ当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置32の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置32が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部43及び役物用表示部44は、遊技領域の下部側の外縁に沿って配設された装飾部材39に設けられている。装飾部材39は、遊技盤24の盤面からパチンコ機10前方に延出している。より具体的には、装飾部材39の前面は、遊技領域をパチンコ機10前方から視認可能とするために前扉枠14に設けられた窓パネル62と対向しており、さらに窓パネル62との間の距離は遊技球1個分よりも狭くなっている。これにより、装飾部材39の前面の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。
装飾部材39の前面から露出するようにしてメイン表示部43及び役物用表示部44が設けられている。つまり、メイン表示部43及び役物用表示部44は、前扉枠14の窓パネル62を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら両表示部43,44の前方を遊技球が落下していくのが防止されている。なお、装飾部材39の上面には、上述した複数の一般入賞口31の一部が上方に開放された状態で設置されている。
メイン表示部43には、大当たり当選となることで可変入賞装置32が開閉実行モードとなった場合(又は開閉実行モードとなる場合)において、その開閉実行モードにおける可変入賞装置32の大入賞口32aが開放される回数を明示するためのラウンド表示部RSと、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第1結果表示部ASと、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための第2結果表示部BSとが設定されている。
ラウンド表示部RSでは、開閉実行モードの開始に際して開放回数の表示が開始され、開閉実行モードの終了に際して当該表示が終了される。
第1結果表示部ASでは、上作動口33への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口33への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。上作動口33への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第1結果表示部ASにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
第2結果表示部BSでは、下作動口34への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口34への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。下作動口34への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、第2結果表示部BSにて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
ここで、いずれかの作動口33,34への入賞に基づいて、対応する結果表示部AS,BSにて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまでが遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の結果表示部が設けられ、いずれの作動口33,34への入賞が発生したとしてもその単一の結果表示部にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の結果表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とする。
役物用表示部44は、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果を明示するための表示部である。この場合、役物用表示部44では、スルーゲート35への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート35への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート35への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部44にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口34に設けられた電動役物34aが所定の態様で開放状態となる。
なお、メイン表示部43及び役物用表示部44は、複数のセグメントを有するセグメント表示装置により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置など他の表示装置を用いてもよい。
可変表示ユニット36には、図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置41が設けられている。また、可変表示ユニット36には、図柄表示装置41を囲むようにしてセンターフレーム42が配設されている。このセンターフレーム42は、その上部がパチンコ機10前方に延出している。これにより、図柄表示装置41の表示画面の前方を遊技球が落下していくのが防止されており、遊技球の落下により表示画面の視認性が低下するといった不都合が生じない構成となっている。
図柄表示装置41は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。図柄表示装置41には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置41における変動表示は、上作動口33又は下作動口34への入賞に基づいて開始される。すなわち、第1結果表示部ASにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われるとともに、第2結果表示部BSにおいて変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置41において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置32の大入賞口32aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置41では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
センターフレーム42の前面側における左上部分には、第1結果表示部AS及び図柄表示装置41に対応した第1保留発光部45が設けられている。遊技球が上作動口33に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留発光部45の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。また、センターフレーム42の前面側における右上部分には、第2結果表示部BS及び図柄表示装置41に対応した第2保留発光部46が設けられている。遊技球が下作動口34に入賞した個数は最大4個まで保留され、第2保留発光部46の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上述したように、センターフレーム42の上部がパチンコ機10前方に延出していることにより、第1保留発光部45及び第2保留発光部46の視認性が遊技球の落下により阻害されない構成となっている。
センターフレーム42の下部には、役物用表示部44に対応した第3保留発光部47が設けられている。遊技球がスルーゲート35を通過した回数は最大4回まで保留され、第3保留発光部47の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留発光部45〜47が図柄表示装置41の一部で表示される構成等であってもよい。
遊技盤24には、内レール部51と外レール部52とが取り付けられており、これら内レール部51と外レール部52とにより誘導レールが構成され、遊技球発射機構53から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構53は、図2に示すように、樹脂ベース21における窓孔23の下方に取り付けられており、前扉枠14に設けられた発射ハンドル54が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠13の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部61が形成されている。窓部61は、略楕円形状をなし、上述した窓パネル62が嵌め込まれている。窓パネル62は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成してもよい。
窓部61の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。当該各種発光部の一部として表示発光部63が窓部61の上方に設けられている。また、表示発光部63の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部64が設けられている。
前扉枠14における窓部61の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部65と下側膨出部66とが上下に並設されている。上側膨出部65内側には上方に開口した上皿71が設けられており、下側膨出部66内側には同じく上方に開口した下皿72が設けられている。上皿71は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構53側へ導くための機能を有する。また、下皿72は、上皿71内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿71及び下皿72には、裏パックユニット15の払出装置96から払い出された遊技球が前扉枠14の背面に設けられた通路形成ユニット73を通じて排出される。
また、上側膨出部65においてパチンコ機10前方を向く領域には、遊技者により手動操作される演出用操作部75(詳しくは操作ボタン)が設けられている。例えば、図柄表示装置41の表示画面Gに表示された示唆等に従って同演出用操作部75が手動操作されることにより、図柄表示装置41の表示画面G等における演出内容が同操作に対応した所定の演出内容となる。
次に、遊技機本体12の背面側の構成について説明する。
図3に示すように、内枠13(具体的には、遊技盤24)の背面には、主制御装置81及び演出制御装置82が搭載されている。
主制御装置81は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス83に収容されて構成されている。基板ボックス83は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは分離阻止手段(又は、結合手段)としてのボックス結合部85によって分離不能に連結され、これにより基板ボックス83が封印されている。そして、これらボックス結合部85によって分離不能に連結されていることで、基板ボックス83の内部空間の開放に際しては当該基板ボックス83の破壊又は一部の切除を要する構成となっている。ボックス結合部85は、基板ボックス83の長辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも一つが用いられて結合処理が行われる。
ボックス結合部85はボックスベースとボックスカバーとを開放不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス結合部85を構成する長孔に係止爪を挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開放不能に結合されるようになっている。ボックス結合部85による結合処理は、その結合後の不正な開放を防止し、また万一不正開放が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開放した後でも再度開放処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス結合部85のうち、少なくとも一つの長孔に係止爪を挿入することにより結合処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス83を開放する場合には、係止爪が挿入されたボックス結合部85と他のボックス結合部85との連結部分やボックス本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス83のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度結合処理する場合は他のボックス結合部85の長孔に係止爪を挿入する。基板ボックス83の開放を行った旨の履歴を当該基板ボックス83に残しておけば、基板ボックス83を見ることで不正な開放が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス83一方の短辺部には、その側方に突出するようにして複数の結合片86が設けられている。これら結合片86は、主制御装置81の取付台に形成された複数の被結合片87と1対1で対応しており、結合片86と被結合片87とにより基板ボックス83と取付台との間で結合処理が行われる。
なお、上記基板ボックス83の不正な開放を発見するための痕跡手段として、封印シールをボックスベースとボックスカバーとの境界を跨ぐようにして貼り付ける構成としてもよい。この場合、封印シールをその貼付箇所から剥がした場合には、当該封印シールの接着剤層が基板ボックス83側に残り、その痕跡が残ることとなる。さらには、当該封印シールに所定周波数の呼び出し波に対して識別情報を含む応答波を発信するICタグを設け、封印シールを剥がした場合には、当該ICタグのアンテナが切断されて、上記応答波の発信が不可となる構成としてもよい。
演出制御装置82は、主制御装置81からの指示に従い音声やランプ表示、及び図示しない表示制御装置の制御を司る演出制御基板を具備しており、演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス84に収容されて構成されている。
裏パックユニット15は、図3に示すように、裏パック91を備えており、当該裏パック91に対して、払出機構部92及び制御装置集合ユニット93が取り付けられている。なお、裏パック91は透明性を有する合成樹脂により形成されており、主制御装置81や演出制御装置82などを後方から覆うように、後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部94を有している。
払出機構部92は、保護カバー部94を迂回するようにして配設されており、遊技場の島設備から供給される遊技球が逐次補給されるタンク95と、当該タンク95に貯留された遊技球を払い出すための払出装置96と、を備えている。払出装置96より払い出された遊技球は、当該払出装置96の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、上皿71又は下皿72に排出される。また、払出機構部92には、例えば交流24ボルトの主電源が供給されるとともに、電源のON操作及びOFF操作を行うための電源スイッチが設けられた裏パック基板が搭載されている。
また、裏パック91には、裏パックユニット15の回動軸側であって上縁側に外部出力端子99が設けられている。外部出力端子99には、タンク95などで遊技球が不足した場合に信号出力するための出力端子、所定個数の賞球を払い出す毎に信号出力するための出力端子、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子、遊技機本体12の開放時に信号出力するための出力端子、前扉枠14の開放時に信号出力するための出力端子、及び開閉実行モードなどの状態移行に際して(又は、状態に移行している間)信号出力するための出力端子が設けられている。そして、これらの出力端子を通じて、遊技ホール側の管理制御装置に対して枠側の状態に関する信号が出力される。なお、所定個数の遊技球を貸し出す毎に信号出力するための出力端子はいわゆる現金機においては不要である。
制御装置集合ユニット93は、払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とを備えている。これら払出制御装置97と電源及び発射制御装置98とは、払出制御装置97がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置97は、払出装置96を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。この場合、当該払出制御装置97の基板ボックスに対して、主制御装置81の基板ボックス83と同様の不正抑制手段を適用してもよい。
電源及び発射制御装置98は、電源及び発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電力が生成されて出力され、さらに遊技者による発射ハンドル54の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。
<電気的構成>
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図5のブロック図に基づいて説明する。
主制御装置81に設けられた主制御基板201には、MPU202が搭載されている。MPU202には、当該MPU202により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM203と、そのROM203内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM204と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU202には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU202の入力側には、主制御装置81に設けられた停電監視基板205、払出制御装置97及び各種検知センサ211a〜211eなどが接続されている。この場合に、停電監視基板205には電源及び発射制御装置98が接続されており、MPU202には停電監視基板205を介して電力が供給される。また、各種検知センサ211a〜211eの一部として、一般入賞口31、可変入賞装置32、上作動口33、下作動口34及びスルーゲート35などといった入賞対応入球部(払出対応入球部)に設けられた複数の検知センサが接続されており、主制御装置81のMPU202において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU202では、上作動口33及び下作動口34への入賞に基づいて大当たり発生抽選を実行するとともに、スルーゲート35への入賞に基づいてサポート発生抽選を実行する。
MPU202の出力側には、停電監視基板205、払出制御装置97及び演出制御装置82が接続されている。払出制御装置97には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。そして、一般入賞口31への入賞を特定した場合には、10個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、可変入賞装置32への入賞を特定した場合には、15個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、上作動口33への入賞を特定した場合には、3個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力され、下作動口34への入賞を特定した場合には、4個の遊技球の払出に対応した賞球コマンドが出力される。
演出制御装置82には、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド、オープニングコマンド及びエンディングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM203のコマンド情報記憶エリア225が参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。なお、上記各コマンドは、所定のバイト数の情報として構成されており、当該所定のバイト数の情報として各種情報が含まれている。
また、MPU202の出力側には、可変入賞装置32の開閉扉32bを開閉動作させる可変入賞駆動部32c、下作動口34の電動役物34aを開閉動作させる電動役物駆動部34b、及びメイン表示部43が接続されている。主制御基板201には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU202は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口32aが開閉されるように、MPU202において可変入賞駆動部32cの駆動制御が実行される。また、電動役物34aの開放状態当選となった場合には、電動役物34aが開閉されるように、MPU202において電動役物駆動部34bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU202においてメイン表示部43における第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSの表示制御が実行されるとともに、可変入賞装置32の開閉実行モードに際してはメイン表示部43におけるラウンド表示部RSの表示制御が実行される。
さらには、MPU202の出力側に外部出力端子99が接続されており、この外部出力端子99を通じて遊技ホール側の管理制御装置(ホールコンピュータHC)に対して各種入球部への入球情報や大当たり等の抽選結果に関する情報が出力される。これにより、ホールコンピュータHCにてパチンコ機10の状態等を把握することが可能となっている。
停電監視基板205は、主制御基板201と電源及び発射制御装置98とを中継し、また電源及び発射制御装置98から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置97は、主制御装置81から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置96により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置98は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板201や払出制御装置97等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて供給する。また、電源及び発射制御装置98は、遊技球発射機構53の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構53は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
演出制御装置82は、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、可変表示ユニット36に設けられた各保留発光部45〜47及び前扉枠14に設けられた表示発光部63やスピーカ部64を駆動制御するとともに、表示制御装置212を制御するものである。
表示制御装置212では、演出制御装置82から入力したコマンドに基づいて、図柄表示装置41の表示制御を実行する。この場合に、演出制御装置82では、主制御装置81から入力した各種コマンドに基づいて、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間及び最終的に停止表示させる図柄の組み合わせの種類を決定するとともに、リーチ発生の有無及びリーチ演出の内容の抽選を実行する。
ここで、図柄表示装置41の表示内容について図6に基づいて説明する。図6は図柄表示装置41の表示画面Gを示す図である。
図6(a)に示すように、図柄表示装置41の表示画面Gには、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。また、図6(b)に示すように、表示画面Gは、図柄列毎に3個の図柄が停止表示されるようになっており、結果として3×3の計9個の図柄が停止表示されるようになっている。
また、表示画面Gには、5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、後述する通常大当たり結果又は15R確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、15R確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
また、後述する明示2R確変大当たり結果となる場合には、異なる数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、明示用動画が表示されるようになっている。また、後述する非明示2R確変大当たり結果又は特別外れ結果となる場合には、異なる数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了し、その後に、共通用動画が表示されるようになっている。
なお、図柄表示装置41における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。
表示画面Gの下部における左側には、第1保留表示領域Gaが設定されており、表示画面Gの下部における右側には、第2保留表示領域Gbが設定されている。
第1保留表示領域(非優先側保留表示領域)Gaは、遊技球が上作動口33に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1〜Ga4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が上作動口33に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第1保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3、第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
例えば、遊技球が上作動口33に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示され、遊技球が上作動口33に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1〜第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて所定の保留用画像が表示される。
また、第2保留表示領域(優先側保留表示領域)Gbは、遊技球が下作動口34に入賞した場合の最大保留個数と同一の数の単位保留表示領域Gb1〜Gb4が左右方向に並設されるように区画表示されている。具体的には、遊技球が下作動口34に入賞した場合の最大保留個数は4個であり、これに対応させて第2保留表示領域Gbには、第1単位保留表示領域Gb1、第2単位保留表示領域Gb2、第3単位保留表示領域Gb3、第4単位保留表示領域Gb4が設定されている。
例えば、遊技球が下作動口34に入賞した場合の保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1のみにて保留用画像が表示され、遊技球が下作動口34に入賞した場合の保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Gb1〜第4単位保留表示領域Gb4の全てにおいて保留用画像が表示される。
<各種カウンタについて>
次に、上記の如く構成されたパチンコ機10の動作について説明する。
MPU202は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部43の表示の設定、図柄表示装置41の図柄表示の設定、役物用表示部44の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図7に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置41が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BS並びに図柄表示装置41における変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口34の電動役物34aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM204の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファ231に適宜格納される。抽選カウンタ用バッファ231において、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段としての保留球格納エリア232に格納される。
保留球格納エリア232は、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbからなる保留エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留エリアRa,Rbは、それぞれ、第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアを備えており、上作動口33又は下作動口34への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファ231に格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報が保留情報として、いずれかのエリアに格納される。なお、当該保留情報が特別情報に相当する。
この場合、第1エリア〜第4エリアには、上作動口33又は下作動口34への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1エリア→第2エリア→第3エリア→第4エリアの順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このようにそれぞれ4つのエリアが設けられていることにより、上作動口33又は下作動口34への遊技球の入賞履歴がそれぞれ最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留球格納エリア232には総保留数記憶領域が設けられており、当該総保留数記憶領域には上作動口33又は下作動口34への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
実行エリアAEは、メイン表示部43の変動表示を開始する際に、保留エリアREの第1エリアに格納された各値を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり599)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM203における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア221に当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。ここで、当否テーブルの内容について図8を用いて説明する。図8に示すように、当否テーブルとしては、図8(a)の低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、図8(b)の高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図8(a)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、図8(b)に示すように、大当たり当選となる乱数の値は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数及び値は任意である。
また、各抽選モードにおいて、大当たり当選となる乱数の値以外は、抽選結果が外れ結果となるが、本パチンコ機10においては、外れ結果として、特別外れ結果と通常外れ結果との2種類が設定されている。これらの違いについては後に説明する。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり29)に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本実施の形態では、複数の大当たり結果が設定されている。これら複数の大当たり結果は、(1)開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様、(2)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における抽選モード、(3)開閉実行モード終了後の下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモード、という3つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。
ここで、開閉実行モードにおける可変入賞装置32の開閉制御の態様としては、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が相対的に高低となるように高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとが設定されている。具体的には、高頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が15回(高頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は30sec(高頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が10個(高頻度個数)となるまで継続される。一方、低頻度入賞モードでは、開閉実行モードの開始から終了までに、大入賞口32aの開閉が2回(低頻度用回数)行われるとともに、1回の開放は0.2sec(低頻度時間)が経過するまで又は大入賞口32aへの入賞個数が6個(低頻度個数)となるまで継続される。
この場合に、本パチンコ機10では、発射ハンドル54が遊技者により操作されている状況では、0.6secに1個の遊技球が遊技領域に向けて発射されるように遊技球発射機構53が駆動制御される。これに対して、低頻度入賞モードでは、上記のとおり1回の大入賞口32aの開放時間は0.2secとなっている。つまり、低頻度入賞モードでは、遊技球の発射周期よりも1回の大入賞口32aの開放時間が短くなっている。したがって、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは実質的に遊技球の入賞が発生しない。
なお、高頻度入賞モード及び低頻度入賞モードにおける大入賞口32aの開閉回数、1回の開放に対する開放限度時間及び1回の開放に対する開放限度個数は、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉実行モードが開始されてから終了するまでの間における可変入賞装置32への入賞の発生頻度が高くなるのであれば、上記の値に限定されることはなく任意である。具体的には、高頻度入賞モードの方が低頻度入賞モードよりも、開閉回数が多い、1回の開放に対する開放限度時間が長い又は1回の開放に対する開放限度個数が多く設定されていればよい。
但し、高頻度入賞モードと低頻度入賞モードとの間での特典の差異を明確にする上では、低頻度入賞モードにかかる開閉実行モードでは、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成とするとよい。例えば、高頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも短く設定する一方、低頻度入賞モードでは、1回の開放について、遊技球の発射周期と開放限度個数との積を、開放限度時間よりも長く設定する構成としてもよい。また、遊技球の発射間隔及び1回の大入賞口32aの開放時間が上記のものでなかったとしても、低頻度入賞モードでは、前者よりも後者の方が短くなるように設定することで、実質的に可変入賞装置32への入賞が発生しない構成を容易に実現することができる。
下作動口34の電動役物34aにおけるサポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口34の電動役物34aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に1/2)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物34aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で最低限確保される確保時間が短く設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口34よりも上作動口33への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口33よりも下作動口34への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口34への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。さらには、回数、開放時間及び当選確率のうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を相違させることで、高頻度サポートモードと低頻度サポートモードとの設定を行う構成としてもよい。
大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM203における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア222に振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。ここで、振分テーブルの内容について図9を用いて説明する。図9に示すように、振分テーブルとしては、図9(a)の第1結果表示部用の振分テーブル(第1振分情報群)と、図9(b)の第2結果表示部用の振分テーブル(第2振分情報群)とが設定されている。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、図9(a)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)、非明示2R確変大当たり結果(非明示高確率対応遊技結果又は潜伏確変状態となる結果)、明示2R確変大当たり結果(明示高確率対応遊技結果又は突然確変状態となる結果)、15R確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)が設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。但し、この高頻度サポートモードは、移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)に達した場合に低頻度サポートモードに移行する。換言すれば、通常大当たり結果は、通常大当たり状態(低確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
非明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが低頻度サポートモードとなる大当たり結果である。換言すれば、非明示2R確変大当たり結果は、非明示2R確変大当たり状態(非明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
明示2R確変大当たり結果は、開閉実行モードが低頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、明示2R確変大当たり結果は、明示2R確変大当たり状態(明示高確率対応遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
15R確変大当たり結果は、開閉実行モードが高頻度入賞モードとなり、さらに開閉実行モードの終了後には、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。換言すれば、15R確変大当たり結果は、15R確変大当たり状態(高確率対応特別遊技状態)へ遊技状態を移行させる大当たり結果である。
なお、上記各遊技状態との関係で通常遊技状態とは、当否抽選モードが低確率モードであり、サポートモードが低頻度サポートモードである状態をいう。
第1結果表示部用の振分テーブルでは、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜14」が非明示2R確変大当たり結果に対応しており、「15〜19」が明示2R確変大当たり結果に対応しており、「20〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように、確変大当たり結果として、非明示2R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果が設定されていることにより、確変大当たり結果の態様が多様化する。すなわち、3種類の確変大当たり結果を比較した場合、遊技者にとっての有利度合いは、開閉実行モードにおいて高頻度入賞モードとなり且つサポートモードでは高頻度サポートモードとなる15R確変大当たり結果が最も高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるもののサポートモードでは高頻度サポートモードとなる明示2R確変大当たり結果が次に高く、開閉実行モードにおいて低頻度入賞モードとなるとともにサポートモードでは低頻度サポートモードとなる非明示2R確変大当たり結果が最も低くなる。これにより、遊技の単調化が抑えられ、遊技への注目度を高めることが可能となる。
特に、非明示2R確変大当たり結果では、開閉実行モードの終了後において、当否抽選モードが高確率モードに移行するものの、サポートモードが通常遊技状態と同様に低頻度サポートモードとなる。そうすると、遊技状態として、電動役物34aのサポートモードが低頻度サポートモードで共通しているにも関わらず、当否抽選モードが高確率モードとなる遊技状態を作り出すことができ、遊技者に対して当否抽選モードが高確率モード又は低確率モードのいずれであるか予測させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
一方、第2結果表示部用の振分テーブルでは、図9(b)に示すように、遊技結果の振分先として、通常大当たり結果及び15R確変大当たり結果のみが設定されている。そして、「0〜29」の大当たり種別カウンタC2の値のうち、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が15R確変大当たり結果に対応している。
上記のように本パチンコ機10では、大当たり当選となった場合の遊技結果の振分態様は、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで異なっている。
ここで、第1結果表示部用の振分テーブル及び第2結果表示部用の振分テーブルのいずれであっても、大当たり当選となった場合に確変大当たり結果となる確率は、同一となっている。つまり、第1結果表示部用の振分テーブルでは、非明示2R確変大当たり結果、明示2R確変大当たり結果及び15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。また、第2結果表示部用の振分テーブルでは、15R確変大当たり結果に割り当てられている大当たり種別カウンタC2の値の数は、20個となっている。したがって、開閉実行モードの終了後に当否抽選モードが高確率モードとなる確率は、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合と、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合とで同一となっている(具体的には、2/3)。
但し、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果が発生する場合、必ず15R確変大当たり結果となるのに対して、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となり且つ確変大当たり結果となる場合、1/4の確率で非明示2R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果となり、1/2の確率で15R確変大当たり結果となる。つまり、確変大当たり結果のうち遊技者にとって最も有利度合いが高い15R確変大当たり結果の発生確率は、下作動口34への入賞に基づいて大当たり当選となった場合の方が、上作動口33への入賞に基づいて大当たり当選となった場合よりも高くなる。
また、非明示2R確変大当たり結果では、上記のとおり開閉実行モードの終了後に当否抽選モードは高確率モードに移行するものの、サポートモードは低頻度サポートモードへ移行することとなるため、15R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果と比較した場合に、電動役物34aが開放状態となりにくいことによりそれだけ遊技球の払出を受ける機会が減り、さらには第2結果表示部用の振分テーブルに基づいて振分抽選が行われる可能性が低くなる。
以上のとおり、上作動口33と下作動口34とにおいて、遊技者にとっての有利性に明確な差異が設けられている。したがって、遊技者は上作動口33及び下作動口34のうち、下作動口34への入賞が発生することを期待しながら遊技を行うこととなり、それに伴って、下作動口34への入賞頻度が高くなる高頻度サポートモードへの遊技者の注目度が高くなる。
また、本パチンコ機10では、上記のとおり、当否抽選において外れ結果となった場合に、通常外れ結果又は特別外れ結果となる。この場合、外れ結果となった場合に比較的高確率で発生する通常外れ結果では、開閉実行モードに移行することはなく、さらに当否抽選モード及びサポートモードの変更は発生しない。
一方、外れ結果となった場合に比較的低確率で発生する特別外れ結果では、特別外れ状態となる。特別外れ状態では、当否抽選において外れ結果となった状況において開閉実行モードに移行することとなる。但し、移行先の開閉実行モードは、低頻度入賞モードである。したがって、特別外れ結果となったとしても、大入賞口32aへの遊技球の入賞は期待できない。また、開閉実行モードの終了後には、当否抽選モード及びサポートモードの移行は発生しない。
上記のように特別外れ結果を設定することで、可変入賞装置32の大入賞口32aの開放を演出として用いることができる。ここで、開閉実行モードではなく、さらに当否抽選モードが低確率モードであってサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態下で、特別外れ結果となった場合、低頻度入賞モードとして開閉実行モードに移行するのみであり、その後には上記通常遊技状態に復帰する。これに対して、上記非明示2R確変大当たり結果が発生した場合には、低頻度入賞モードである開閉実行モードに移行し、その後にはサポートモードが低頻度サポートモードであるものの当否抽選モードが高確率モードとなる。そうすると、通常遊技状態下での特別外れ結果の発生及び非明示2R確変大当たり結果の発生は、同一の低頻度入賞モードとして開閉実行モードに移行すること及びその後にサポートモードが低頻度サポートとなることで共通し、両者の差異は前者においては当否抽選モードが低確率モードとなるのに対して後者においては高確率モードとなることで相違する。つまり、通常遊技状態下での特別外れ結果の発生及び非明示2R確変大当たり結果の発生は、可変入賞装置32の挙動及び下作動口34の電動役物34aの挙動といった各可動物の挙動が共通し、内部的な抽選状態のみが相違することとなる。これにより、通常遊技状態下において低頻度入賞モードである開閉実行モードが発生した場合には、その後に当否抽選モードが高確率モードに移行しているか否かを想像させることが可能となり、遊技への注目度を高めることが可能となる。
なお、当否抽選モードが低確率モードである場合には、図8(a)に示すように、特別外れ結果となる乱数の値は大当たり当選となる乱数の値と同様に2個である。一方、当否抽選モードが高確率モードである場合には、図8(b)に示すように、特別外れ結果となる乱数の値は、大当たり当選となる乱数の値の数及び低確率モードで特別外れ結果となる乱数の値の数よりも少ない1個である。このように特別外れ結果となる乱数の値の数を、高確率モード下における大当たり当選となる乱数の値の数よりも少なくすることで、高確率モード下では特別外れ結果となる確率よりも大当たり当選となる確率を高くすることができる。また、特別外れ結果となる乱数の値の数を、低確率モード下よりも高確率モード下の方を少なく設定することで、高確率モード下では特別外れ結果となる確率を低確率モード下よりも低くすることができる。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。そして、ROM203のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルに基づいてリーチを発生させるか否かを決定することとしている。但し、開閉実行モードに移行する遊技回においては、MPU202では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なくリーチ発生の決定を行う。なお、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数は、各遊技状態において同一となっているが、遊技状態に応じて各々個別に設定されるものであってもよい。例えば、サポートモードが高頻度サポートモードである場合の方が、低頻度サポートモードよりも、リーチ表示の発生に対応したリーチ乱数カウンタC3の数が多く設定された構成としてもよい。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置41を備え、可変入賞装置32の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となる遊技機において、図柄表示装置41における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置41の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置41の表示画面内の予め設定された有効ライン上に、高頻度入賞モードの発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
図6の表示内容について具体的に説明すると、最初に上段の図柄列Z1において図柄の変動表示が終了され、さらに下段の図柄列Z3において図柄の変動表示が終了された状態において、いずれかの有効ラインL1〜L5に同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成され、当該リーチラインが形成されている状況化において中段の図柄列Z2において図柄の変動表示が行われることでリーチ表示となる。そして、高頻度入賞モードが発生する場合には、リーチラインを形成している主図柄と同一の数字が付された主図柄がリーチライン上に停止表示されるようにして中段の図柄列Z2における図柄の変動表示が終了される。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。また、リーチ表示が行われている場合又はリーチ表示の前に所定のキャラクタといった所定画像を用いた予告表示を行うか否かの決定を、リーチ乱数カウンタC3やその他のカウンタを用いて行うようにしてもよい。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部43の第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間と、図柄表示装置41における図柄の変動表示時間とをMPU202において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、変動種別カウンタCSは、遊技球が上作動口33又は下作動口34に入賞したタイミングでRAM204の保留球格納エリア232に格納される。より詳しくは、上作動口33に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第1結果表示部用保留エリアRaに格納され、下作動口34に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の第2結果表示部用保留エリアRbに格納される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート35に遊技球が入賞したタイミングでRAM204の電役保留エリア233に格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物34aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。例えば、C4=0〜190であれば、電動役物34aを開放状態に制御し、C4=191〜250であれば、電動役物34aを開放状態に制御しない。
既に説明したように、MPU202では、実行エリアAEに格納されている変動種別カウンタCSの値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける変動表示時間が決定されるが、その決定に際してはROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223が用いられる。また、MPU202では、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値及び大当たり種別カウンタC2の値を用いて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSにおける停止結果が決定されるが、その決定に際してはROM203の停止結果テーブル記憶エリア224が用いられる。
<主制御装置81にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置81内のMPU202にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU202では、上記タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図10のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU202により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。すなわち、主制御装置81に接続されている各種検知センサの状態を読み込むとともに、当該検知センサの状態(検知センサからの検知情報)を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。例えば、上作動口33への入球が発生したと判定した場合には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に上作動口用の入賞検知フラグを格納し、下作動口34への入球が発生したと判定した場合には、同各種フラグ格納エリア235に下作動口用の入賞検知フラグを格納する。また、スルーゲート35を遊技球が通過したと判定した場合には、RAM204の各種フラグ格納エリア235にスルーゲート用の入賞検知フラグを格納する。
その後、ステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1インクリメントするとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1インクリメントすると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104では、スルーゲート35への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、RAM204の各種フラグ格納エリア235にスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されているか否かを判定し、同フラグが格納されている場合には電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が4未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、演出制御装置82に対して、保留記憶数と対応する可変表示ユニット36の保留発光部46を点灯させるための処理を実行する。そして、各種フラグ格納エリア235にスルーゲート用の入賞検知フラグが格納されている場合には、同入賞検知フラグを消去して当該スルーゲート用の入賞処理を終了する。
ステップS104のスルーゲート用の入賞処理を実行した後はステップS105に進み、当該ステップS105にて作動口33,34への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行し、本タイマ割込み処理を終了する。
<作動口用の入賞処理>
ここで、図10及び図11のフローチャートを参照して作動口用の入賞処理について説明する。
ステップS201では、遊技球が上作動口33に入賞(始動入賞)したか否かを上作動口33に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が上作動口33に入賞したと判定すると、ステップS202では、払出制御装置97に遊技球を3個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS203では、上作動口33に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS204では、第1結果表示部用保留エリアRaの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第1結果表示部用保留エリアRaに保留記憶されている始動保留記憶数RaNをセットする(以下、第1始動保留記憶数RaNともいう)。その後、ステップS205では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を格納する情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
ステップS201にて遊技球が上作動口33に入賞していないと判定した場合、ステップS206では、遊技球が下作動口34に入賞(始動入賞)したか否かを下作動口34に対応した検知センサの検知状態により判定する。遊技球が下作動口34に入賞したと判定すると、ステップS207にて払出制御装置97に遊技球を4個払い出させるための賞球コマンドをセットする。続くステップS208では、下作動口34に遊技球が入賞したことを遊技ホール側の管理制御装置に対して信号出力すべく、外部信号設定処理を行う。ステップS209では、第2結果表示部用保留エリアRbの保留数記憶領域に格納された値を読み出し、当該第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている始動保留記憶数RbNをセットする(以下、第2始動保留記憶数RbNともいう)。その後、ステップS205にて情報取得処理を行い、本入賞処理を終了する。
一方、ステップS201,ステップS206が共にNOの場合、すなわち上作動口33,下作動口34のいずれにも遊技球が入賞しなかった場合には、そのまま本入賞処理を終了する。
なお、上記ステップS202,S207にてセットした賞球コマンドは、後述する通常処理の外部出力処理S401にて払出制御装置97に対して送信される。
ここで、ステップS205の情報取得処理を図12のフローチャートにより詳細に説明する。
情報取得処理においては先ずステップS301にて、上述したステップS204又はステップS209にてセットした始動保留記憶数N(RaN又はRbN)が上限値(本実施の形態では4)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値である場合にはそのまま本情報取得処理を終了し、上限値未満である場合には、ステップS302にて対応する結果表示部用保留エリアの始動保留記憶数Nを1インクリメントするとともに、ステップS303にて総保留数記憶領域に格納された値(以下、共通保留数CRNと言う)を1インクリメントする。
続くステップS304では、上記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、対応する結果表示部用保留エリアの空き記憶領域エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした保留記憶数と対応する記憶エリアに格納する。
つまり、上作動口用の始動保留記憶数RaNがセットされている場合には、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び変動種別カウンタCSの各値を、上作動口用の保留エリアRaの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした上作動口用の始動保留記憶数RaNと対応する保留エリアRaに格納する。
また、下作動口用の始動保留記憶数RbNがセットされている場合には、上記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値を、下作動口用の保留エリアRbの空き記憶エリアのうち最初の記憶エリア、すなわち上記ステップS302にて1インクリメントした下作動口用の始動保留記憶数RbNと対応する保留エリアRbに格納する。
続くステップS305及びステップS306では、上作動口33又は下作動口34への入賞が発生したことをサブ側(副側)の制御装置である演出制御装置82及び表示制御装置212に認識させるとともに後述する保留予告を実行させるための処理である保留用の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行する。その後、上記入賞検知フラグが格納されている場合には同フラグを消去し、本情報取得処理を終了する。
ステップS306の保留コマンドの設定処理にて設定された保留コマンドは後述する通常処理の外部出力処理(ステップS401)にて演出制御装置82に送信されることとなるが、保留コマンドには上作動口33及び下作動口34への入賞のうちいずれの作動口への入賞に基づくものであるかの情報が含まれており、演出制御装置82においては当該保留コマンドを受信することにより保留表示領域Ga,Gbにおける表示を、保留個数の増加に対応させて変更するための処理を実行する。
具体的には、演出制御装置82を経由して表示制御装置212にて同コマンドを受信したコマンドが上作動口33への入賞に対応している場合には、上作動口用の保留表示領域Gaに上記保留用画像を表示させるための処理を実行する。保留表示領域Gaにおいては左側から順次保留画像が表示されるようになっており、例えば上作動口用の始動保留記憶数RaNが1であれば左端の第1単位保留表示領域Ga1に保留画像が表示され、始動保留記憶数RaNが4であれば全ての保留表示領域Ga1〜Ga4に保留画像が表示されるようになっている。また、演出制御装置82を経由して表示制御装置212にて同コマンドを受信したコマンドが下作動口34への入賞に対応している場合には、下作動口用の保留表示領域Gbに保留画像を表示させるための処理を実行する。保留表示領域Gbにおいては左側から順次保留画像が表示されるようになっており、例えば下作動口用の始動保留記憶数RbNが1であれば左端の第1単位保留表示領域Gb1に保留画像が表示され、始動保留記憶数RbNが4であれば全ての保留表示領域Gb1〜Gb4に保留画像が表示されるようになっている。なお、ステップS305,S306の各処理についての詳細な説明は後述する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図14のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS401〜S406の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS408,S409のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理においては先ず、ステップS401にて外部信号出力処理を実行する。ステップS401の外部信号出力処理では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置97に対して送信する。また、変動用コマンド、種別コマンド、変動終了コマンド等の演出用コマンドが設定されている場合にはそれを演出制御装置82に対して送信する。
次に、ステップS402では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1インクリメントするとともに、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS403では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置41による図柄の変動表示の設定、メイン表示部43の表示制御などを行う。
ステップS403の遊技回制御処理を実行した後は、ステップS404に進み、遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。なお、ステップS403の遊技回制御処理及びステップS404の遊技状態移行処理についての詳細は後述する。
続くステップS405では、下作動口34に設けられた電動役物34aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM204の電役保留エリア233に格納されている電動役物開放カウンタC4から取得した数値情報を用いて電動役物34aを開放状態とするか否かの電役開放抽選を行うとともに、電役開放状態当選となった場合には電動役物34aの開閉処理を実行する。また、電役開放抽選の抽選結果を教示するように、役物用表示部44の表示制御などを行う。
ここで、既に説明したとおり、電動役物34aによるサポートの態様として、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとが設定されており、遊技状態移行処理にていずれかのサポートモードへの移行が行われる。この処理を経てRAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートフラグがセットされている場合は高頻度サポートモードとなり、当該フラグがセットされていない場合には低頻度サポートモードとなる。
電役サポート用処理では、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートフラグがセットされているか否かを判定することで、高頻度サポートモードであるか否かを判定する。そして、高頻度サポートモードである場合には低頻度サポートモードの場合よりも、電役開放状態当選となった際に、電動役物34aが開放状態となる回数を多く設定するとともに、1回の開放時間を長く設定する。また、高頻度サポートモードである場合は、電役開放状態当選となり電動役物34aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間が、1回の開放時間よりも短くなるように設定する。
ちなみに、開閉実行モードに移行した場合には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高頻度サポートフラグがセットされていたとしても、サポートモードは強制的に低頻度サポートモードに設定される。
その後、ステップS406では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源・発射制御装置98から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構53のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域PEに向けて打ち出される。
続くステップS407にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施の形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。
つまり、ステップS408では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。具体的には、乱数初期値カウンタCINIを1加算するとともに、そのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、乱数初期値カウンタCINIの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。また、ステップS409では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算するとともに、それらのカウンタ値が最大値に達した際0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM204の該当するエリアに格納する。
ここで、ステップS401〜S406の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して乱数初期値カウンタCINIの更新を繰り返し実行することにより、乱数初期値カウンタCINI(すなわち、大当たり乱数カウンタC1の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCSについてもランダムに更新することができる。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS403の遊技回制御処理を図14〜図17のフローチャート等を参照して説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS501にて、開閉実行モード中か否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235における開閉実行モードフラグ格納エリア(開閉実行状態情報記憶手段)に開閉実行モードフラグ(開閉実行状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。当該開閉実行モードフラグは、後述する遊技状態移行処理にて遊技状態を開閉実行モードに移行させる場合に格納され、同じく遊技状態移行処理にて開閉実行モードを終了させる場合に消去される。
開閉実行モード中である場合には、ステップS502以降の処理、すなわちステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理及びステップS506〜ステップS509の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口33,34への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS502にて、メイン表示部43が変動表示中であるか否かを判定する。具体的には、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方が変動表示中であるか否かを判定する。なお、この判定は、RAM204の各種フラグ格納エリア235における変動表示中フラグ格納エリア(変動表示中情報記憶手段)に変動表示中フラグ(変動表示中情報)が格納(記憶)されているか否かを判定することにより行う。変動表示中フラグは、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれか一方について変動表示を開始させる場合に格納され、その変動表示が終了する場合に消去される。
メイン表示部43が変動表示中でない場合には、ステップS503〜ステップS505の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS503にて、共通保留数CRNが「0」か否かを判定する。共通保留数CRNが「0」である場合とは、上作動口33及び下作動口34のいずれについても始動保留記憶数RaN,RbNが「0」であることを意味する。したがって、そのまま遊技回制御処理を終了する。共通保留数CRNが「0」でない場合には、ステップS504にて第1結果表示部用保留エリアRa又は第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用に設定するためのデータ設定処理を実行し、さらにステップS505にてメイン表示部43における変動表示及び図柄表示装置41における変動表示を開始させるための変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、ステップS504のデータ設定処理及びステップS505の変動開始処理について、以下に詳細に説明する。
先ず、データ設定処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。
データ設定処理では、先ずステップS601にて、第2結果表示部用保留エリアRbに保留記憶されている第2始動保留記憶数RbNが「0」か否かを判定する。第2始動保留記憶数RbNが「0」である場合にはステップS602〜ステップS607の第1結果表示部用のデータ設定処理を実行し、第2始動保留記憶数RbNが「0」でない場合にはステップS608〜ステップS613の第2結果表示部用のデータ設定処理を実行する。
ここで、データ設定処理が実行される場合とは、既に説明したように、共通保留数CRNが1以上である場合である。この場合に、データ設定処理では、第2始動保留記憶数RbNが「0」であるか否かを判定し、「0」でない場合、すなわち第2結果表示部BSについて変動表示用の保留情報が記憶されている場合には、第1始動保留記憶数RaNが1以上であるか否かに関係なく、第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されているデータを変動表示用として設定するようにした。これにより、第1結果表示部用保留エリアRa及び第2結果表示部用保留エリアRbの両方に保留情報が記憶されている場合には、下作動口34に対応した第2結果表示部用保留エリアRbに記憶されている保留情報が優先されることとなる。
第1結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS602にて、第1結果表示部用保留エリアRaの第1始動保留記憶数RaNを1ディクリメントする。続くステップS603では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS604では、第1結果表示部用保留エリアRaの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS605にて第1結果表示部用保留エリアRaの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS606では、RAM204のその他フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されている場合には、それを消去し、記憶されていない場合にはその状態を維持する。第2結果表示部フラグは、今回の変動表示の開始が第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれであるかを特定するための情報である。
続くステップS607では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置82に認識させるための情報であるシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが、第1結果表示部用保留エリアRaに対応していることの情報、すなわち上作動口33に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS607にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図17)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したシフトコマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第1保留発光部45における表示や、図柄表示装置41の第1保留表示領域Gaにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。これについては、後に詳細に説明する。
第2結果表示部用のデータ設定処理では、先ずステップS608にて、第2結果表示部用保留エリアRbの第2始動保留記憶数RbNを1ディクリメントする。続くステップS609では共通保留数CRNを1ディクリメントする。その後、ステップS610では、第2結果表示部用保留エリアRbの第1エリアに格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS611にて第2結果表示部用保留エリアRbの記憶エリアに格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1〜第4エリアに格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1エリアのデータをクリアすると共に、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS612では、RAM204のその他フラグ格納エリア235に設けられた第2結果表示部フラグ格納エリア(第2結果表示部情報記憶手段)に第2結果表示部フラグ(第2結果表示部情報)が記憶されていない場合には第2結果表示部フラグを格納し、記憶されている場合にはその状態を維持する。
続くステップS613では、保留エリアのデータのシフトが行われたことをサブ側の制御装置である演出制御装置82に認識させるための情報であるシフトコマンド(シフト発生情報)を設定する。この場合、ROM203のコマンド情報記憶エリア225から、今回のデータのシフトの対象となった保留エリアが第2結果表示部用保留エリアRbに対応していることの情報、すなわち下作動口34に対応していることの情報を含むシフトコマンドを選定し、その選定したシフトコマンドを演出制御装置82への送信対象のコマンドとして設定する。その後、本データ設定処理を終了する。
ステップS613にて設定されたシフトコマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信したシフトコマンドに基づいて、可変表示ユニット36の第2保留発光部46における表示や、図柄表示装置41の第2保留表示領域Gbにおける表示を、保留個数の減少に対応させて変更するための処理を実行する。これについては、後に詳細に説明する。
次に、変動開始処理について、図16のフローチャートを参照して説明する。
変動開始処理では、先ずステップS701にて、当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に設けられた高確率モードフラグ格納エリア(高確率状態情報記憶手段)に高確率モードフラグ(高確率状態情報)が格納(記憶)されているか否かを判定する。高確率モードフラグは、確変大当たり結果の発生に係る開閉実行モードの終了に際して格納され、その後に通常大当たり結果が発生した場合に消去されるフラグである。
高確率モードでない場合には、ステップS702にて低確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図8(a)に示すように低確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。一方、高確率モードである場合には、ステップS703にて高確率モード用の当否テーブルを参照して当否判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1の値が、図8(b)に示すように高確率モード用の当否テーブルにおいて大当たり当選として設定されている値と一致しているか否かを判定する。
ステップS702又はステップS703の処理の後は、ステップS704〜ステップS712にて、今回の遊技回の遊技結果を設定するための処理を実行するとともに、今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSのいずれかで実行される変動表示を終了させる場合の停止結果を設定するための処理などを実行する。この場合に、停止結果を設定する場合には、ROM203における停止結果情報群記憶手段としての停止結果テーブル記憶エリア224に記憶されている各種停止結果テーブル(停止結果情報群)が参照される。
具体的には、先ずステップS704にて、ステップS702又はステップS703における抽選の結果が大当たり当選であるか否かを判定する。大当たり当選である場合には、ステップS705〜ステップS711において、大当たり当選である場合における遊技結果を設定するための処理及び停止結果を設定するための処理などを実行する。
ステップS705では、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されているか否かを判定する。第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、ステップS706にて第1結果表示部用の振分テーブル(図9(a)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、非明示2R確変大当たり結果の数値範囲、明示2R確変大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
一方、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、ステップS707にて第2結果表示部用の振分テーブル(図9(b)参照)を参照して振分判定を行う。具体的には、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値が、通常大当たり結果の数値範囲、15R確変大当たり結果の数値範囲のいずれに含まれているかを判定する。
ステップS706又はステップS707の処理の後は、ステップS708にて、ステップS706又はステップS707において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果であるか否かを判定する。確変大当たり結果である場合には、ステップS709にて、確変大当たり結果が発生することとなる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための確変大当たり用の停止結果設定処理を実行する。またステップS709では、今回の遊技回の当否判定結果が、いずれの確変大当たり結果であるかをMPU202にて特定するための情報をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。具体的には、ステップS709では、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグのいずれかを格納する。その後、ステップS713に進む。
一方、ステップS706又はステップS707において振り分けた遊技結果が確変大当たり結果でない場合には、ステップS708にて否定判定をし、ステップS710に進む。ステップS710では、通常大当たり用の停止結果テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり種別カウンタC2の値に対応した停止結果データのアドレス情報を取得し、そのアドレス情報をRAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納する。その後、ステップS711にて、今回の遊技回の当否判定結果が、通常大当たり結果であるかをMPU202にて特定するための情報をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。具体的には、ステップS711では、通常フラグを格納する。その後、ステップS713に進む。
また、ステップS702又はステップS703における抽選の結果が大当たり当選でない場合には、ステップS704にて否定判定をし、ステップS712に進む。ステップS712では、外れ結果となる今回の遊技回において第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにいずれの停止結果を表示した状態で変動表示を終了させるかを設定するための外れ時用の停止結果設定処理を実行する。またステップS712では、今回の遊技回の当否判定結果が、外れ結果であることをMPU202にて特定するための情報をRAM204の各種フラグ格納エリア235に格納する。具体的には、ステップS712では、通常外れフラグ、特別外れフラグのいずれかを格納する。その後、ステップS713に進む。
ステップS709、ステップS711、ステップS712のいずれかの処理を実行した後は、ステップS713にて、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける今回の遊技回の変動表示時間を設定するための変動表示時間の設定処理を実行する。
変動表示時間の設定処理について、図17のフローチャートを参照しながら説明する。
変動表示時間の設定処理では、図17のフローチャートに示すように、先ずステップS801にて、今回の遊技結果が各大当たり結果及び特別外れ結果のうちのいずれかであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常フラグ及び特別外れフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。
ステップS801にて否定判定をした場合、すなわち今回の遊技結果が通常外れ結果である場合には、ステップS802に進む。ステップS802では、今回の遊技回において図柄表示装置41にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3の値がリーチ発生に対応した値である場合には、リーチ表示の発生として、ステップS802にて肯定判定をする。リーチ乱数カウンタC3の値を用いたリーチ発生の有無の特定に際しては、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブルを参照する。
ステップS801及びステップS802の何れか一方にて肯定判定をした場合にはステップS803に進み、ROM203の変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値等に対応した変動表示時間情報を取得し、続くステップS804にてその変動表示時間情報をRAM204の各種カウンタエリア234に設けられた変動表示時間カウンタエリア(変動表示時間計測手段)にセットする。その後、本設定処理を終了する。
つまり、本実施の形態においては、当否抽選の結果が開閉実行モードへ移行する結果(いずれかの大当たり結果及び特別外れ結果)である場合又は同当否抽選の結果が通常外れ結果となり且つリーチ発生用の抽選に当選した場合に、リーチ表示を実行する構成となっている。
ここで、リーチ表示には、変動表示態様が互いに異なるノーマルリーチとスーパーリーチとが設けられている。リーチ発生用変動表示時間テーブルには、ノーマルリーチ及びスーパーリーチそれぞれに対応した変動表示時間情報が設定されており、当該テーブルを参照することによって、それぞれのリーチ表示に対応した変動表示時間情報が取得される。なお、リーチ表示の種類の決定に関しては、リーチ表示の種類と変動種別カウンタCSの値とが対応したテーブルが設けられており、当該テーブルを参照することで、今回の変動種別カウンタCSの値に対応したリーチ表示が決定される。なお、リーチ発生用変動表示時間テーブルについては、後に詳細に説明する。
さらに、リーチ発生用変動表示時間テーブルは、大当たりの種別に対応している。具体的には、確変大当たり結果の場合に、特定図柄の組み合わせを停止表示できるように、変動表示時間が設定されているとともに、通常大当たり結果の場合に、非特定図柄の組み合わせを停止表示できるように、変動表示時間が設定されている。
一方、ステップS802にて否定判定をした場合には、ステップS805にて変動表示時間テーブル記憶エリア223に記憶されているリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して今回の変動種別カウンタCSの値に対応した変動表示時間を取得し、ステップS806にてその変動表示時間情報を上記変動表示時間カウンタエリアにセットする。その後、本設定処理を終了する。なお、リーチ非発生時における変動表示時間情報は、始動保留記憶数Nの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。リーチ非発生用変動表示時間テーブルについては、後に詳細に説明する。
なお、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い変動表示時間が選択されるようにリーチ非発生用変動表示時間テーブルが設定されているが、これに限定されることはなく、選択される変動表示時間が同一であってもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における変動表示時間に対して、上記構成を適用してもよく、大当たり当選時と外れリーチ時とで選択され易い変動表示時間と選択され難い変動表示時間とが異なっている構成としてもよい。また、確変大当たり用の変動表示時間テーブル、通常大当たり用の変動表示時間テーブル、外れリーチ用の変動表示時間テーブル及び完全外れ用の変動表示時間テーブルがそれぞれ個別に設定されている構成としてもよい。
以上のとおり、各遊技回の変動表示時間は、リーチ発生の有無、リーチ表示の種類、保留情報の数及び変動種別カウンタの値等をパラメータとして決定される。但し、各遊技回の変動表示時間は、他の保留情報の内容、具体的には、他の保留情報に含まれる大当たり判定用の情報、種別判定用の情報及びリーチ判定用の情報をパラメータとすることなく決定される。
変動開始処理(図16)の説明に戻り、ステップS713の後は、ステップS714にて、変動開始コマンド及び種別コマンドを設定する。変動開始コマンドには、リーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報が含まれる。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、15R確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報、明示2R確変大当たり結果の情報、非明示2R確変大当たり結果の情報、特別外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS714にて設定された変動開始コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した変動開始コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41での図柄の変動表示態様が含まれており、この決定された図柄の変動表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、各遊技回に対応した図柄の変動表示が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
その後、ステップS715にて、第1結果表示部AS及び第2結果表示部BSのうち、今回の遊技回に対応した結果表示部において絵柄の変動表示を開始させる。この場合、RAM204に第2結果表示部フラグが格納されていない場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第1結果表示部ASであると特定し、第2結果表示部フラグが格納されている場合には、今回の遊技回に対応した結果表示部が第2結果表示部BSであると特定する。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図14)の説明に戻り、メイン表示部43が変動表示中である場合には、ステップS506〜ステップS509の遊技回進行用処理を実行する。遊技回進行用処理では、先ずステップS506にて、今回の遊技回の変動表示時間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM204の変動表示時間カウンタエリアに格納されている変動表示時間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該変動表示時間情報の値は、上述したように、変動表示時間の設定処理(図17)においてセットされる。また、このセットされた変動表示時間情報の値は、タイマ割込み処理(図10)が起動される度に、1ディクリメントされる。
変動表示時間が経過していない場合には、ステップS507にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、今回の遊技回に係る結果表示部において各表示用セグメントが所定の順番で点灯及び消灯されていくように当該結果表示部を表示制御(各表示用セグメントの発光制御)し、本遊技回制御処理を終了する。
変動表示時間が経過している場合には、ステップS508にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS709、ステップS710及びステップS712のいずれかの処理にてRAM204に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄がメイン表示部43にて停止表示されるように当該メイン表示部43を制御する。
続くステップS509では、変動終了コマンドを設定する。その後、本遊技回制御処理を終了する。ステップS509にて設定された変動終了コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。演出制御装置82では、受信した変動終了コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置212に送信する。表示制御装置212では、当該変動終了コマンドを受信することにより、その遊技回における最終停止図柄の組み合わせを確定表示(最終停止表示)させる。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS404の遊技状態移行処理を図18〜図21のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS901では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS902に進み、1の遊技回の第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSにおける絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS903にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグ又は特別外れフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS904にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのオープニング用に可変入賞装置32の大入賞口32aの開放を開始することなく待機するためのオープニング用待機時間(開始用待機期間)を設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM203に予め記憶されているオープニング用の待機時間情報をセットする。この場合に、開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かによりセットされる待機時間情報が異なっており、当該待機時間情報は低頻度入賞モードの方が高頻度入賞モードよりも待機時間が短くなるように設定されている。例えば、高頻度入賞モードでは、待機時間が1secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されており、低頻度入賞モードでは、待機時間が0.2secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されている。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図10)が実行される度に1ディクリメントされる。
続くステップS905では、今回の開閉実行モードの種別を報知するためのラウンド表示の開始処理を実行する。当該ラウンド表示の開始処理では、先ず、RAM204の停止結果アドレス記憶エリアに格納されているアドレス情報を確認する。そして、ROM203に記憶されている停止結果データ群の中から、上記アドレス情報に対応した停止結果データを特定するとともに、その特定した停止結果データからラウンド回数の内容を確認する。その後、その確認したラウンド回数の内容を、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSに出力する。これにより、ラウンド表示部RSでは上記出力に係るラウンドの情報が表示される。
続くステップS906では、今回の開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204に、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、ステップS907にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられたラウンドカウンタエリアRCに、「2」をセットする。ラウンドカウンタエリアRCは、大入賞口32aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。一方、高頻度入賞モードである場合には、ステップS908にて、ラウンドカウンタエリアRCに、「15」をセットする。
ステップS907又はステップS908の処理を実行した後は、ステップS909にてオープニングコマンドを設定する。この設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。このオープニングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信したオープニングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
続くステップS910では、外部信号設定処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。外部信号設定処理では、RAM204に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、外部出力端子99に設けられた大当たり信号用の出力端子の信号出力状態を大当たり信号出力状態とする。これにより、大当たり信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて大当たりが発生したことを把握することができる。
また、外部信号設定処理では、RAM204に、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグ又は特別外れフラグのいずれかが格納されているか否かを判定し、いずれかのフラグが格納されている場合には、外部出力端子99に設けられた大当たり及び特別外れ信号用の出力端子の信号出力状態を大当たり及び特別外れ信号出力状態とする。これにより、大当たり及び特別外れ信号用の出力端子が遊技ホール側の管理制御装置に接続されている場合には、当該管理制御装置に大当たり及び特別外れ信号が出力され、当該管理制御装置においてパチンコ機10にて開閉実行モードが発生したことを把握することができる。
一方、開閉実行モード中でない場合には、ステップS901にて肯定判定をし、ステップS911に進む。ステップS911では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS912にて大入賞口開閉処理を実行する。ここで、大入賞口開閉処理について、図19のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、ステップS1001にて大入賞口32aを開放中であるか否かを判定する。具体的には、可変入賞駆動部32cの駆動状態に基づいてかかる判定を行う。大入賞口32aを開放中でない場合には、ステップS1002にてラウンドカウンタエリアRCの値が「0」か否かを判定すると共に、ステップS1003にてRAM204の各種カウンタエリア234に設けられたタイマエリアTの値が「0」か否かを判定する。
ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」である場合又はタイマエリアTの値が「0」でない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でなく且つタイマエリアTの値が「0」である場合には、ステップS1004に進み、大入賞口32aを開放すべく可変入賞駆動部32cを駆動状態とする。
続くステップS1005では、各ラウンド用の設定処理を実行する。各ラウンド用の設定処理について、図20のフローチャートを参照しながら説明する。
先ずステップS1101では、高頻度入賞モードであるか否かを判定する。高頻度入賞モードである場合には、ステップS1102にて、大入賞口32aを開閉させる開閉タイミングを計るために、タイマエリアTに、「15000」(すなわち30sec)をセットする。ここでセットされたカウント値は、タイマ割込み処理(図10)が起動される都度、すなわち2msec周期で1ディクリメントされる。続くステップS1103では、大入賞口32aへの遊技球の入賞数をカウントするために、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた入賞カウンタエリアPCに、「10」をセットする。その後、本設定処理を終了する。
高頻度入賞モードでない場合、すなわち低頻度入賞モードである場合には、ステップS1104にてタイマエリアTに、「100」(すなわち0.2sec)をセットし、続くステップS1105にて入賞カウンタエリアPCに、「6」をセットする。その後、本設定処理を終了する。
大入賞口開閉処理(図19)において各ラウンド用の設定処理を実行した後は、ステップS1006にて開放コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された開放コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。この開放コマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信した開放コマンドに基づいて、高頻度入賞モードにおいてはそれに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
また、ステップS1001にて大入賞口が開放中である場合にはステップS1007に進み、タイマエリアTの値が「0」か否かを判定する。タイマエリアTの値が「0」でない場合、ステップS1008にて大入賞口32aに遊技球が入賞したか否かを、可変入賞装置32に対応した検知センサの検知状態により判定する。入賞が発生していない場合には、そのまま本大入賞口開閉処理を終了する。一方、入賞が発生している場合には、ステップS1009にて入賞カウンタエリアPCの値を1ディクリメントした後にステップS1010にて入賞カウンタエリアPCの値が「0」か否かを判定し、「0」でない場合にはそのまま本大入賞口開閉処理を終了する。
ステップS1007にてタイマエリアTの値が「0」の場合、又はステップS1010にて入賞カウンタエリアPCの値が「0」の場合には、大入賞口閉鎖条件が成立したことを意味する。かかる場合にはステップS1011にて大入賞口32aを閉鎖すべく可変入賞駆動部32cを非駆動状態とする。
続くステップS1012ではラウンドカウンタエリアRCの値を1ディクリメントし、ステップS1013にてラウンドカウンタエリアRCの値が「0」か否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合にはステップS1014にて高頻度入賞モードであるか否かを判定する。
高頻度入賞モードである場合には、タイマエリアTに「1000」(すなわち2sec)をセットし、低頻度入賞モードである場合には、タイマエリアTに「100」(すなわち0.2sec)をセットする。つまり、低頻度入賞モードでは、ラウンド間において大入賞口32aが閉鎖されている時間が高頻度入賞モードよりも短く設定されている。その後、ステップS1017にて閉鎖コマンドを設定し、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定された閉鎖コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。この閉鎖コマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信した閉鎖コマンドに基づいて、高頻度入賞モードにおいてはそれに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。
ステップS1013にて、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」であると判定した場合には、ステップS1018にて、エンディングの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのエンディング用に次の遊技回を開始することなく待機するためのエンディング用待機時間を設定する。具体的には、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた待機時間用カウンタエリアに、ROM203に予め記憶されているエンディング用の待機時間情報をセットする。この場合に、開閉実行モードが高頻度入賞モードであるか否かによりセットされる待機時間情報が異なっており、当該待機時間情報は低頻度入賞モードの方が高頻度入賞モードよりも待機時間が短くなるように設定されている。例えば、高頻度入賞モードでは、待機時間が1secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されており、低頻度入賞モードでは、待機時間が0.2secとなるように待機時間情報のカウント値が設定されている。ここでセットされた待機時間情報の値は、タイマ割込み処理(図10)が実行される度に1ディクリメントされる。
その後、ステップS1019にて、エンディングコマンドを設定した後に、本大入賞口開閉処理を終了する。この設定されたエンディングコマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて、演出制御装置82に送信される。このエンディングコマンドには、高頻度入賞モード又は低頻度入賞モードのいずれであるかの情報が含まれる。演出制御装置82では、受信したエンディングコマンドに基づいて、開閉実行モードに対応した演出の内容を決定し、その決定した演出の内容が実行されるように各種機器を制御する。この演出の内容としては、図柄表示装置41における表示態様が含まれており、この決定された表示態様は演出制御装置82から表示制御装置212に表示内容コマンドとして出力される。表示制御装置212では、演出制御装置82から受信した表示内容コマンドに基づいて、今回の開閉実行モードに対応した表示(例えば、動画表示)が行われるように図柄表示装置41を表示制御する。
遊技状態移行処理(図18)の説明に戻り、ステップS912にて大入賞口開閉処理を実行した後に、ステップS913にてラウンドカウンタエリアRCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS914にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
一方、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS915にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。ここで、開閉実行モード終了時の移行処理について、図21のフローチャートを参照して説明する。
先ずステップS1201にて、RAM204に、15R確変フラグ又は明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、ステップS1202にて遊技状態を特定するための情報を消去するためのフラグ消去処理を実行する。具体的には、開閉実行モードフラグ、高確率モードフラグ、高頻度サポートフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。続くステップS1203にて、高確率モードフラグを格納するとともに、ステップS1204にて高頻度サポートフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態(以下、当該遊技状態を特別有利状態ともいう)に移行する。ステップS1204の処理を実行した後は、本移行処理を終了する。
ステップS1201にて、15R確変フラグ及び明示2R確変フラグの両方が格納されていないと判定した場合には、ステップS1205にて非明示2R確変フラグが格納されているか否かを判定する。非明示2R確変フラグが格納されている場合には、ステップS1206にて、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS1207にて、高確率モードフラグを格納する。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが高確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである遊技状態に移行する。ステップS1207の処理を実行した後は、本移行処理を終了する。
ステップS1205にて非明示2R確変フラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS1208にて通常大当たりフラグが格納されているか否かを判定する。通常大当たりフラグが格納されている場合には、ステップS1209にて、上記フラグ消去処理を実行する。その後、ステップS1210にて、高頻度サポートフラグを格納するとともに、ステップS1211にて、RAM204の各種カウンタエリア234に設けられた遊技回数カウンタエリアに「100」をセットする。これにより、遊技状態が、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが高頻度サポートモードである遊技状態に移行する。但し、高頻度サポートモードは遊技回が100回継続した場合に終了し、その後、当否抽選モードが低確率モードであり且つサポートモードが低頻度サポートモードである通常遊技状態に移行する。ステップS1211の処理を実行した後は、本移行処理を終了する。
ステップS1208にて通常大当たりフラグが格納されていないと判定した場合には、そのまま本移行処理を終了する。つまり、特別外れ結果となり、開閉実行モードに移行した場合には、その特別外れ結果となった遊技回の遊技状態が開閉実行モードの終了後において維持される。
遊技状態移行処理(図18)の説明に戻り、ステップS915の開閉実行モード終了時の移行処理が終了した後は、ステップS916にて、ラウンド表示の終了処理を実行する。当該処理では、メイン表示部43におけるラウンド表示部RSが消灯されるように当該ラウンド表示部RSの表示制御を終了する。つまり、ラウンド表示部RSにおけるラウンド表示は、開閉実行モードが開始される場合に開始され、開閉実行モードが終了される場合に終了される。この場合に、開閉実行モードが低頻度入賞モードである場合には高頻度入賞モードに比べ、大入賞口32aの開閉回数が少なく且つ大入賞口32aの開放時間及び閉鎖時間が短く設定されている。したがって、ラウンド表示部RSにラウンド回数の内容が表示されている期間は、高頻度入賞モードよりも短い。さらに言うと、第1結果表示部AS又は第2結果表示部BSに停止表示される結果表示は、遊技回が終了する場合に開始され、次の遊技回が開始されるまで継続される。したがって、開閉実行モードに移行する場合には、上記結果表示は、ラウンド表示部RSにラウンド回数の内容が表示される前から表示が開始され、当該ラウンド回数の内容の表示が終了された後まで継続される。つまり、結果表示は、ラウンド回数の内容の表示よりも長期間に亘って維持される。
その後、ステップS917にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、明示2R確変フラグ、非明示2R確変フラグ、15R確変フラグ、通常大当たりフラグ、特別外れフラグが格納されている場合には、それらを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。
<演出用操作部75の操作に基づく特別報知について>
ここで、本パチンコ機10では、演出用操作部75の操作に基づいて、RAM204の保留球格納エリア232に記憶されている保留情報の内容に対応する特別報知が、当該保留情報に係る遊技回が終了するよりも前のタイミングにおいて実行される構成となっている。かかる特別報知は、主制御装置81から送信された保留情報に関するコマンドに基づき演出制御装置82にて所定の演算処理が行われることにより実現される。そこで以下、当該特別報知にかかる電気的構成及び制御処理について説明する。
<演出制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について>
次に、演出制御装置82及び表示制御装置212の電気的構成について、図22のブロック図を参照して以下に説明する。
演出制御装置82に設けられた演出制御基板241には、MPU242が搭載されている。MPU242には、当該MPU242により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM243と、そのROM243内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM244と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路などが内蔵されている。なお、MPU242に対してROM243及びRAM244が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。これは、他の制御装置のMPUにおいても同様である。
MPU242には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU242の入力側には主制御装置81が接続されている。主制御装置81からは、シフトコマンドや後述する保留コマンドといった保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)を受信する。また、変動開始コマンド、種別コマンド、変動終了コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)を受信する。また、オープニングコマンド、エンディングコマンドといった開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)を受信する。
MPU242の出力側には、既に説明したように、可変表示ユニット36に設けられた各保留発光部45〜47及び前扉枠14に設けられた表示発光部63やスピーカ部64が接続されているとともに、表示制御装置212が接続されている。
また、MPU242の入力側には前扉枠14に設けられた演出用操作部75が接続されており、当該演出用操作部75からの検知情報(検知信号)が入力される。MPU242においては、当該検知情報に基づいて演出用操作部75が操作されたか否かを判定し、当該判定の結果操作が行われたと判定した場合には所定の処理を行う。
表示制御装置212は、プログラムROM253及びワークRAM254が複合的にチップ化されたMPU252と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)255と、キャラクタROM256と、ビデオRAM257とがそれぞれ搭載された表示制御基板251を備えている。
MPU252は、演出制御装置82から、保留表示制御を行うための保留表示制御用コマンド(保留表示制御用情報)、図柄の変動表示を行うための遊技回制御用コマンド(遊技回制御用情報)、開閉実行モード中の動画表示を行うための開閉実行モード用コマンド(開閉実行モード用情報)などを受信する。そして、それら受信したコマンドを解析し又は受信したコマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP255の制御(具体的にはVDP255に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM253は、MPU252により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリであり、背景画像用のJPEG形式画像データも併せて記憶保持されている。
ワークRAM254は、MPU252による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。これらワークデータやフラグ等はワークRAM254の各エリアに記憶される。
VDP255は、図柄表示装置41に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP255はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP255は、MPU252、ビデオRAM257等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM257に記憶させる画像データを、キャラクタROM256から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置41に表示させる。
キャラクタROM256は、図柄表示装置41に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM256には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM256を複数設け、各キャラクタROM256に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。また、前記プログラムROM253に記憶した背景画像用のJPEG形式画像データをキャラクタROM256に記憶する構成とすることも可能である。
ビデオRAM257は、図柄表示装置41に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM257の内容を書き替えることにより図柄表示装置41の表示内容が変更される。
<特別報知に係る処理について>
次に、主制御装置81のMPU202及び演出制御装置82のMPU242にて実行される特別報知に係る処理について説明する。保留予告に係る処理としては、上記保留用の確認処理(図12のステップS305)と保留コマンドの設定処理(図12のステップS306)とが設定されており、これら各処理はタイマ割込み処理(図10)の一部の処理として設定された作動口用の入賞処理(図11)、詳しくはステップS205の情報取得処理の一環として実行される構成となっている。つまり、保留用の確認処理及び保留コマンドの設定処理については、作動口33,34への入賞が発生したタイミングで実行される構成となっている。
以下に、図24のフローチャートを参照し保留用の確認処理について説明する。
<保留用の確認処理>
保留用の確認処理では、ステップS1301にて、保留球格納エリア232の各保留エリアRa,Rbに記憶された始動保留記憶数RaN,RbNと、同保留球格納エリア232の総保留数記憶領域に記憶された共通保留数CRNとを読み出し、かかる保留個数の情報をMPU202のレジスタに記憶する。その後、ステップS1302〜S1306にて今回の入賞によって取得された保留情報に大当たり当選の情報が含まれているか否かを確認する。
具体的には、先ずステップS1302にて、上作動口33又は下作動口34への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち大当たり判定用の情報、すなわち取得済みの大当たり乱数カウンタC1の値を把握する。
続くステップS1303では、低確率モードであるか否かを判定する。具体的には、RAM204の各種フラグ格納エリア235に高確率モードフラグが格納されているか否かを判定することで、現状の当否抽選モードが低確率モードであるか否かを判定する。低確率モードである場合にはステップS1304に進み、低確率モード用の当否テーブルを参照してステップS1302にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選に対応する情報群に含まれているかを特定する。また、高確率モードである場合にはステップS1305に進み、図8(a)に示す高確率モード用の当否テーブルを参照して、ステップS302にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1304又はステップS1305の後はステップS1306に進み、ステップS1302にて把握した大当たり判定用の情報(大当たり乱数カウンタC1の値)が大当たり当選又は特別外れ結果に対応しているか否かを判定する。大当たり当選又は特別外れ結果に対応している場合には、ステップS1307にてMPU202のレジスタに大当たり情報又は特別外れ情報を記憶し、そのまま本保留用の確認処理を終了する。
一方、ステップS1306にて否定判定をした場合には、ステップS1308に進む。ステップS1308では、上作動口33又は下作動口34への今回の入賞に基づきステップS304にて取得した保留情報のうち外れリーチ判定用の情報、すなわち取得済みのリーチ乱数カウンタC3の値を把握する。
続くステップS1309では、ROM203のリーチ判定用テーブル記憶エリアに記憶されているリーチ判定用テーブル(リーチ判定用情報群)を参照して、ステップS1308にて把握したリーチ判定用の情報(リーチ乱数カウンタC3の値)がリーチ当選として設定された情報に含まれているかを特定する。
ステップS1309の処理を実行した後はステップS1310に進み、ステップS1308にて把握したリーチ判定用の情報(リーチ乱数カウンタC3の値)がリーチ発生に対応しているか否かを判定する。リーチ発生に対応している場合には、ステップS1311にて、MPU202のレジスタにリーチ発生情報を記憶した後に、本確認処理を終了する。一方、リーチ発生に対応していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。
<保留コマンドの設定処理>
次に、保留コマンドの設定処理について説明する。保留コマンドの設定処理は、保留情報の当否判定結果と変動表示時間とを演出制御装置82側へ把握させるための処理である。
ここで先ず、各遊技回の変動表示時間について再度説明する。
既に説明したとおり、遊技回における変動表示時間は、変動開始処理(図16)の変動時間の設定処理(ステップS713、図17)にて設定される。かかる処理において、リーチ表示が発生する場合にはリーチ発生用変動表示時間テーブルを参照し、リーチ表示が発生しない場合にはリーチ非発生用変動表示時間テーブルを参照して変動表示時間が設定される。
本パチンコ機10では、リーチ表示は、ノーマルリーチとスーパーリーチとが設定されている。ここで、スーパーリーチとは、ノーマルリーチよりも大当たり当選の期待度が高く設定されたリーチ表示である。さらにスーパーリーチには、スーパーリーチAとスーパーリーチBとが設定されている。スーパーリーチAとスーパーリーチBとは、スーパーリーチAのほうがスーパーリーチBよりも大当たり当選の期待度が高く設定されており、演出内容も相違している。具体的には、スーパーリーチAでは、実写のムービーが再生されるように設定されており、スーパーリーチBでは、アニメーションムービーが再生されるように設定されている。
リーチ発生用変動表示時間テーブル及びリーチ非発生用変動表示時間テーブルについて詳細に、図25を参照して説明する。
リーチ発生用変動表示時間テーブルでは、図25(a)に示すように、保留球格納エリア232に格納された変動種別カウンタCSの数値情報によって、リーチ表示の種類と変動表示時間が一義的に定められている。具体的には、遊技結果がいずれかの大当たり結果又は特別はずれ結果である場合、すなわち開閉実行モードへ移行する遊技結果である場合には、リーチ乱数カウンタC3によらずにリーチ表示が発生する。この場合、変動種別カウンタCSによって、リーチ表示の種類と変動表示時間が定められている。具体的には、両スーパーリーチA,Bの方がノーマルリーチよりも選択される確率が高く、また、スーパーリーチAよりもスーパーリーチBの方が選択される確率が高く設定されている。そして、各リーチ表示の変動表示時間は、両スーパーリーチA,Bのほうがノーマルリーチよりも長い。より具体的に説明すると、変動種別カウンタCSが「0〜49」の場合にはスーパーリーチAが選択され、「50〜179」の場合にはスーパーリーチBが選択され、「180〜199」の場合にはノーマルリーチが選択される。両スーパーリーチA,Bが選択された場合の変動表示時間はいずれも「60sec」であり、ノーマルリーチが選択された場合の変動表示時間は「30sec」である。
遊技結果が通常外れ結果である場合には、リーチ乱数カウンタC3の値によってリーチ表示が発生するか否かが決定され、リーチ乱数カウンタC3が「200〜239」の場合にリーチ表示が発生する。リーチ表示の種類としては、両スーパーリーチA,Bよりもノーマルリーチが選択される確率が高く設定されており、変動種別カウンタCSが「0〜9」の場合にはスーパーリーチAが選択され、「10〜39」の場合にはスーパーリーチBが選択され、「40〜199」の場合にはノーマルリーチが選択される。両スーパーリーチA,Bが選択された場合、変動表示時間はいずれも「60sec」に設定されている。ノーマルリーチが選択された場合、変動表示時間は「30sec」に設定されている。
リーチ非発生用変動表示時間テーブルでは、図25(b)に示すように、共通保留数CRNの数が多いほど変動表示時間が短くなるように設定されている。具体的には、共通保留数CRNが「1」の場合の変動表示時間は「21sec」であり、「2」又は「3」の場合の変動表示時間は「9sec」であり、「4」以上の場合の変動表示時間は「3sec」となっている。したがって、保留球格納エリア232に保留情報が多数記憶されている場合には変動表示時間が短くなり、遊技の進行がスムーズになる。また、保留情報が記憶されていない又は記憶されている場合であっても記憶されている数が少ない場合には変動表示時間が長くなり、遊技回が実行されていない期間ができるだけ短くなるようになっている。
さて、図26のフローチャートを参照して保留コマンドの設定処理について説明する。
先ずステップS1401では、上記ステップS1307において記憶された情報として、いずれかの大当たり結果又は特別外れ結果に対応する情報が記憶されているか否かを判定する。いずれかの大当たり結果又は特別外れ結果に対応する情報が記憶されている場合には、ステップS1402及びステップS1403にて、大当たり結果の種類の情報又は特別外れ結果の情報と変動表示時間の情報とを演出制御装置82に把握させるための処理を実行する。具体的には、ステップS1402では、いずれかの大当たり結果である場合には、保留情報の大当たり種別カウンタC2を把握するとともに振分テーブルとを取得して、明示2R確変大当たり結果、非明示2R確変大当たり結果、15R確変大当たり結果及び通常大当たり結果のいずれに対応する保留情報かを把握し、さらに保留情報の変動種別カウンタCSを確認して変動表示時間を把握する。またステップS1402では、特別外れ結果である場合には、保留情報の変動種別カウンタCSを確認して変動表示時間を把握する。既に説明したとおり、いずれかの大当たり結果又は特別外れ結果である場合には、必ずリーチ表示が発生するため、変動種別カウンタCSに基づいて変動表示時間を把握することができる。
そしてステップS1403にて、保留コマンドを演出制御装置82への送信対象として設定して、本保留コマンドの設定処理を終了する。当該保留コマンドには、今回の保留情報の遊技結果の情報に加え、変動表示時間の情報が含まれている。ここで設定された保留コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて演出制御装置82へ送信される。演出制御装置82は、受信した保留コマンドに基づいて、保留発光部45,46の発光制御を実行するとともに、表示制御装置212を制御して図柄表示装置41の保留表示領域Ga,Gbにて保留用画像を変更するための処理を実行する。
なお、保留コマンドに遊技結果の情報が含まれる構成としたが、大当たり乱数カウンタC1及び大当たり種別カウンタC2が含まれる構成とし、演出制御装置82側で主制御装置81の当否テーブル及び振分テーブルを記憶しておき、上記大当たり乱数カウンタC1及び大当たり種別カウンタC2に基づいて演出制御装置82にて遊技結果を把握してもよい。また、保留コマンドに変動表示時間の情報が含まれる構成としたが、変動種別カウンタCSの情報が含まれる構成とし、演出制御装置82側で主制御装置81の変動表示時間テーブルと同様のテーブルを記憶しておき、上記変動種別カウンタCSに基づいて演出制御装置82にて変動表示時間を把握してもよい。これらは、他の保留コマンドについても同様である。
ステップS1401にて大当たり結果又は特別外れ結果に対応する情報が判定結果記憶エリアに記憶されていない場合、ステップS1404に進む。ステップS1404ではリーチ表示が発生する保留情報であるか否かを判定する。具体的には、リーチ乱数カウンタC3の数値情報を取得し、当該リーチ乱数カウンタC3が「200〜239」の場合にはリーチ表示が発生する保留情報であると判定する。
リーチ表示が発生する保留情報である場合、ステップS1405にて、保留情報の変動表示時間を把握する。この処理では、保留情報の変動種別カウンタCSと、リーチ発生用の変動表示時間テーブル(図25(a))と、を取得して、変動表示時間を把握する。
ステップS1404にてリーチ表示が発生しない保留情報である場合、ステップS1406にて、保留情報の変動表示時間を変動種別カウンタCSの情報に基づかず、一律で21secとして設定する。
ここで、当該保留コマンドの設定処理が実行されるタイミングは、いずれかの作動口33,34へ遊技球の入賞が発生したタイミングであり、遊技回制御処理(図14)に含まれる一処理である変動開始処理(図16)において変動表示時間が設定されるタイミングとは異なっている。したがって、保留コマンドの設定処理(図26)で把握する保留情報の変動表示時間と、変動開始処理(図16)にて設定される変動表示時間とは互いに相違する可能性を有するものとなっている。
つまり、リーチ発生時の変動表示時間は変動種別カウンタCSの情報に基づいて定められるため(図25(a)参照)、変動種別カウンタCSが同一値であれば、これら両処理において把握又は設定される変動表示時間に相違は生じない。これに対して、リーチ非発生時の変動表示時間は共通保留数CRNに基づいて定められるため(図25(b)参照)、保留コマンドの設定処理後の入賞状況によっては両処理において把握又は設定される変動表示時間に相違が生じ得る。そこで、ステップS1406では、仮の変動表示時間(21sec)を保留情報の変動表示時間として設定し、実際の変動表示時間と相違することになればその都度修正することとしている。この修正のための処理については、後に詳細に説明する。
ステップS1405又はステップS1406の処理を実行した後は、ステップS1403に進む。既に説明したとおり、ステップS1403では、保留コマンドを演出制御装置82への送信対象として設定して、本保留コマンドの設定処理を終了する。当該保留コマンドには、今回の遊技結果の情報に加え、リーチ表示が発生する場合にはその種類の情報と、ステップS1405又はステップS1406の処理にて把握した変動表示時間の情報と、が含まれている。ここで設定された保留コマンドは、通常処理(図13)におけるステップS401にて演出制御装置82へ送信される。演出制御装置82は、受信した保留コマンドに基づいて、保留発光部45,46の発光制御を実行するとともに、表示制御装置212を制御して図柄表示装置41の保留表示領域Gaにて保留用画像を変更するための処理を実行する。
<演出制御装置82のMPU242にて実行される特別報知に係る処理について>
次に、演出制御装置82のMPU242にて実行される特別報知に係る処理について説明する。演出制御装置82のMPU242により実行される処理としては、大別して、保留制御用コマンド対応処理と、操作対応処理とが設定されている。
<保留制御用コマンド対応処理>
先ず、図27のフローチャートを参照して、保留制御用コマンド対応処理について説明する。保留制御用コマンド対応処理においては、主制御装置81が送信した保留コマンドを受信している場合に、その受信している保留コマンドに含まれている情報に対応した処理を実行する。なお、保留コマンド対応処理は、所定の周期(例えば、2msec周期)で繰り返し起動される。
保留制御用コマンド対応処理では、先ずステップS1501にて保留コマンドを受信しているか否かを判定する。主制御装置81から受信する保留コマンドは、演出制御装置82のRAM244に設けられたコマンド格納エリア248に格納される。コマンド格納エリア248は、複数のコマンドを個別に記憶可能であって先に記憶したコマンドから読み出し可能なリングバッファとして構成されており、複数のコマンドを同時期に受信した場合であってもそれら各コマンドに対応した処理を良好に実行できるようになっている。ステップS1501の判定に際しては、コマンド格納エリア248における今回の読み出し対象のエリアに保留コマンドを受信しているか否かを判定する。
保留コマンドを受信している場合には、ステップS1502にて、RAM244の各種カウンタエリア249に設けられた副側保留記憶数SNを1加算する処理を実行する。副側保留記憶数SNは主制御装置81側の共通保留数CRNに対応するものであり、上作動口33及び下作動口34への入賞に基づく全保留数を反映するものである。続くステップS1503では、保留表示決定処理を実行する。かかる処理では、受信した保留コマンドに含まれる遊技結果の情報と変動表示時間の情報とに基づいて、保留表示領域Ga,Gbに表示する保留画像の種類を決定する。例えば、遊技結果がいずれかの大当たり結果である場合には、所定の確率で通常の保留画像とは色や形が異なる保留画像を表示したり、遊技結果が通常外れ結果であっても変動表示時間が長い(例えばスーパーリーチに対応する変動表示時間である場合)には上記の通常の保留画像とは色や形が異なる保留画像を表示したりする。
続くステップS1504では、受信した保留コマンドに含まれる遊技結果の情報と変動表示時間に対応する数値情報とをRAM244に設けられた保留用記憶エリア260に記憶させる。
ここで、図23に示すように、保留用記憶エリア260は、主制御装置81側の保留球格納エリア232に対応させて、第1副側保留エリア261と第2副側保留エリア262とを備えている。そして、第1副側保留エリア261と第2副側保留エリア262とは、それぞれ第1エリア、第2エリア、第3エリア、第4エリアの4個の記憶エリアを有している。各エリアは、各保留コマンドに含まれる遊技結果の情報と変動表示時間の情報とをそれぞれ記憶可能に設定されている。そしてステップS1504では、受信した保留コマンドが上作動口33及び下作動口34のいずれに入賞したことに基づくものであるかを判定し、対応する副側保留エリア261,262における空きエリアのうち先に当否判定が実行されるエリアに遊技結果の情報と変動表示時間とを記憶する。続くステップS1505では、取得時対応処理を実行する。取得時対応処理については、後に詳細に説明する。
続くステップS1506では、保留増加用処理を実行する。かかる処理では、保留情報の増加に対応させて保留発光部45,46の発光制御を行うとともに、表示制御装置212に対して保留情報の増加に対応するコマンドを出力する。このコマンドには、上記ステップS1504にて決定した保留画像の情報と副側保留記憶数SNの情報とが含まれている。表示制御装置212は、受信したコマンドに基づいて、キャラクタROM256に記憶されている保留用画像データ記憶エリアからステップS1503にて決定した保留画像に対応するデータを読み出し、副側保留記憶数SNに対応する単位保留表示領域Ga1〜Ga4,Gb1〜Gb4へ表示させるように図柄表示装置41を制御する。ステップS1506の処理を実行した後は、保留制御用コマンド対応処理を終了する。
一方、ステップS1501にて保留コマンドを受信していない場合は、ステップS1507にてシフトコマンドを受信しているか否かを判定する。シフトコマンドを受信していない場合には、そのまま保留制御用コマンド対応処理を終了し、シフトコマンドを受信している場合は、ステップS1508にて副側保留記憶数SNを1減算する処理を実行する。そして、ステップS1509にて、シフト処理を実行する。シフト処理では、保留用記憶エリア260における各記憶エリアのデータをシフトさせる。
またシフト処理では、今回受信したシフトコマンドが、第1結果表示部用保留エリアRaに記憶された保留情報の当否判定に対応するものか、それとも第2結果表示部用保留エリアRbに記憶された保留情報の当否判定に対応するものか、を判定する。そして、副側実行エリア263に記憶されていた情報を消去し、対応する副側保留エリア261,262の第1エリアに記憶されていた情報を副側実行エリア263へシフトし、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリアに記憶されている各種情報をシフトさせる。さらにシフト処理では、保留情報の減少に対応させて保留発光部45,46の発光制御を行うとともに、表示制御装置212に対して保留情報の減少に対応するコマンドを出力する。表示制御装置212は、受信したコマンドに基づいて、対応する単位保留表示領域Ga1〜Gs4,Gb1〜Gb4の表示を変更させるように図柄表示装置41を制御する。ステップS1509の処理を実行した後は、保留制御用コマンド対応処理を終了する。
<操作対応処理>
次に、図28及び図29のフローチャートを参照して操作対応処理について説明する。操作対応処理は、所定の周期(例えば、2msec周期)で繰り返し起動される処理であり、演出用操作部75が操作されたことに対応するための処理である。なお、操作対応処理については、図30及び図31の概要図を適宜参照しながら説明する。
操作対応処理では、先ずステップS1601にて、特別報知を実行中であるか否かを判定する。特別報知中ではない場合には、ステップS1602にて演出用操作部75が操作されたか否かを判定する(図30(a)参照)。操作されていない場合には、そのまま操作対応処理を終了する。
演出用操作部75が操作されている場合には、ステップS1603に進む。ステップS1603では、特別報知の規制中であるか否かを判定する。本実施形態では、発射ハンドル54が操作されている状況では特別報知を規制する構成としており、この場合、ステップS1603にて肯定判定する。これは、発射ハンドル54が操作されていれば遊技球が遊技領域PEに発射されて新たに保留情報が取得される可能性があり、このような状況で演出用操作部75が操作されて特別報知を行ってしまうと、当該特別報知において矛盾が生じ得るためである。
なお、発射ハンドル54が操作されていても、副側保留記憶数SNが上限個数である場合には、特別報知を規制しない構成としてもよい。この場合、発射ハンドル54が操作されていても新たな保留情報が取得される可能性がないためである。
また、発射ハンドル54が操作されていても、当該発射ハンドル54に設けられ遊技球の発射を規制する操作部(例えばストップボタン)が操作されていれば、規制中ではないと判定する構成としてもよい。このようにすることで、実質的に新たな保留情報が取得され得る状況を規制可能とするとともに、例えば遊技者は特別報知を確認した後に遊技を再開したい場合もあり、この場合、再度同じストロークで遊技を再開するには上記操作部の操作を終了すればよく、遊技の再開をスムーズに行いたい遊技者のニーズに柔軟に応じることが可能となる。
さらに、前回実施した特別報知から予め定められた所定期間が経過していないことを規制中とする条件としてもよい。このようにすることで、頻繁に特別報知が行われることによって、遊技回用の演出を行う意義が損なわれることを回避することができる。この場合、例えば、所定期間内の特別報知の実行頻度が所定頻度以上となれば特別報知を規制する構成としてもよい。
このほか、特別報知後における遊技者の遊技を継続する意思の有無によって、特別報知を規制するか否かを決定する構成としてもよい。この場合、遊技を継続する意思はあっても一旦中断したい場合、例えば、遊技機に設置された球貸し機等に遊技者の識別情報(カードやコイン等)が残存している場合などには、特別報知を許容/規制する構成としてもよい。
操作対応処理の説明に戻り、ステップS1603にて肯定判定した場合には、そのまま操作対応処理を終了する。ステップS1603にて否定判定した場合、ステップS1604にて、未報知(未確定又は遊技者にとって未知)の情報が保留用記憶エリア260に存在するか否かを判定する。ここで、未報知の情報とは、当否判定の結果が確定報知されていない情報であり、主制御装置81側の当否判定処理(ステップS701〜S704)が実行されていない保留情報(副側保留エリア261,262に記憶されている保留情報)だけでなく、図柄表示装置41及びメイン表示部43による変動表示が終了しておらず現在実行中の遊技回に対応する保留情報(副側実行エリア263に記憶されている保留情報)も含まれる。そしてステップS1604では、これらの情報が存在しない場合、すなわち遊技回を実行中ではない場合には否定判定し、そのまま操作対応処理を終了する。
ステップS1604にて肯定判定した場合、すなわち未報知の情報が存在する場合には、ステップS1605に進む。ステップS1605では、これら未報知の情報の把握処理を実行する。より具体的には、これら未報知の情報の遊技結果をそれぞれ把握する処理を実行する。続くステップS1606では、ステップS1605にて把握した結果に基づいて、未報知の情報に、15R確変大当たり結果又は通常大当たり結果が含まれているか否かを判定する。未報知の情報に15R確変大当たり結果又は通常大当たり結果が含まれている場合とは、現時点(演出用操作部75が操作された時点)から保留情報を新たに取得させなくても(上作動口33又は下作動口34へ遊技球を入球させなくても)、高頻度入賞モードの開閉実行モードへ移行する場合であり、この場合、ステップS1607に進む。
ステップS1607では、現時点から上記ステップS1606にて上記の大当たり結果が含まれているとした保留情報に対応する遊技回が終了するまでの総残余時間(総残余期間)を把握する処理を実行する。具体的には、図29のフローチャートに示すように、先ずステップS1701にて、上記の大当たり結果が含まれているとした保留情報が実行中の遊技回に対応するもの、すなわち副側実行エリア263に記憶されている保留情報であるか否かを判定する。実行中の遊技回である場合には、続くステップS1702にて、実行中の遊技回の現在実行中の遊技回の残りの変動表示時間を把握する処理を実行する。そして、ステップS1703にて、ステップS1702にて把握した変動表示時間を総残余時間とする。
一方、ステップS1701にて否定判定した場合、すなわち、上記の大当たり結果が副側保留エリア261,262のいずれかの記憶エリアに記憶されている保留情報であれば、ステップS1704にて現在実行中の遊技回の残りの変動表示時間を把握し、続くステップS1705にて上記の大当たり結果である保留情報よりも前に実行される遊技回に対応する保留情報の各変動表示時間を把握する。そしてステップS1703にて、上記ステップS1704とステップS1705にて把握した変動表示時間の総和を、総残余時間とする。ステップS1703の処理を実行した後は、本把握処理を終了する。ちなみに、本把握処理では、ステップS1606にて、未報知の情報に複数の大当たり結果が含まれている場合には、先に当否判定の対象となる側の保留情報を対象として総残余時間を把握する。
操作対応処理(図28)の説明に戻り、ステップS1607の実行後は、ステップS1608にて、時間報知として、当該総残余時間を図柄表示装置41にて報知可能とするように、表示制御装置212へコマンド出力する。表示制御装置212では、当該コマンドを受信したことに基づいて、図柄表示装置41の表示画面Gに例えば「大当たりまで残り○○(総残余時間に対応する数字が表示される)秒あります」と表示させて上記総残余時間を報知する(図30(b)参照)。この場合、上記時間報知は、実行中の遊技回用の演出を背景とするように表示されるとともに、実行中の遊技回における各図柄と重ならないように表示される。これにより、遊技者は、遊技回用の演出を確認しつつも、更に未報知の情報に上記の大当たり結果が含まれることと、その大当たり結果までに必要な期間(総残余時間)と、を把握することができる。この場合、遊技者は、保留情報に大当たり結果が含まれていることから、その大当たり結果となるまで遊技球の発射を停止することも可能である。また、報知された総残余時間に基づいて、例えばこの総残余時間が長ければ、トイレに行ったり飲み物を購入するなど席を離れることも可能となる。ステップS1608の処理を実行した後は、本操作対応処理を終了する。
表示制御装置212では、上記の総残余時間の報知に際して、総残余時間を例えば1sec単位でカウントダウンして更新させる。具体的には、上記の総残余時間を示すコマンドを受信したことに基づいて、ワークRAM254に設けられたカウンタエリアに当該総残余時間に対応する数値情報を入力する。そして、MPU252は、当該カウンタエリアの数値情報を所定周期ごとにカウントダウンして更新するとともに、上記総残余時間の報知を当該カウンタエリアに対応させて更新する。これにより、遊技者は、上記の高頻度入賞モードとなる開閉実行モードの開始までの残り期間をリアルタイムで把握することが可能となる。
ステップS1606にて、未報知の情報に15R確変大当たり結果又は通常大当たり結果が含まれていない場合は、ステップS1609へ進む。ステップS1609では、上記未報知の情報に明示2R確変大当たり結果又は非明示2R確変大当たり結果が含まれているか否かを判定する。ステップS1609にて肯定判定する場合とは、未報知の情報に高頻度入賞モードの開閉実行モードへ移行する保留情報は含まれていないものの、低頻度入賞モードの開閉実行モードへ移行するとともにその後に当否抽選モードが高確率モードへ移行する(高確率モードが維持される)保留情報が含まれている場合であり、この場合、ステップS1610に進む。ステップS1610では、確変報知として、未報知の情報に明示2R確変大当たり結果又は非明示2R確変大当たり結果が含まれている旨を図柄表示装置41にて報知可能とするように、表示制御装置212へコマンド出力する。表示制御装置212では、当該コマンドを受信したことに基づいて、図柄表示装置41の表示画面Gに例えば「確変情報あり!やめるな注意!」と表示する(図31(a)参照)。この場合、上記確変報知は、実行中の遊技回用の演出を背景とするように表示されるとともに、実行中の遊技回における各図柄と重ならないように表示される。これにより、遊技者は、遊技回用の演出を確認しつつも、未報知の情報に低頻度入賞モードとなる確変大当たり結果が含まれていることを把握することができる。この場合、遊技者は、保留情報に明示2R確変大当たり結果又は非明示2R確変大当たり結果が含まれていることから、そのまま遊技を継続するほうが有利であることを把握することが可能となる。
上記のように、確変報知が行われる場合、現在取得されている保留情報によっては高頻度入賞モードの開閉実行モードへは移行しないものの、遊技状態が高確率モードへ移行する。そして、この高確率モードへ移行する契機となる開閉実行モードは低頻度入賞モードであり、遊技球を発射させても実質的に賞球が得られない。そのため、遊技者はステップS1610の報知によって、その時点で一旦遊技を中断しても、その後に遊技に戻るのであれば実質的に不利益は被らないことを把握することができる。つまり、例えば、ステップS1610の報知が行われた場合、取得済みの保留情報が全て消化されるまで、トイレや飲み物を購入するなど席を離れることが可能であるだけでなく、全ての保留情報が消化された後、すなわち上記明示2R確変大当たり結果又は非明示2R確変大当たり結果に対応する遊技回、開閉実行モードの実行中、さらにこれらが終了した後も継続して遊技機から離れること(休憩すること)も可能となる。遊技者としては、その後に遊技機に戻り遊技を再開すれば、当否抽選モードが高確率モードとなっているため、比較的早く次の大当たり結果を得ることが可能である。なお、本効果を確実に奏すべく、対象となっている保留情報の後に当否判定の対象となる保留情報に、更に高頻度入賞モードとなる開閉実行モードが含まれないことを把握する構成としてもよい。ステップS1610の処理を実行した後は、本操作対応処理を終了する。
ステップS1609にて否定判定した場合、ステップS1611に進む。ステップS1611では、外れ報知として、未報知の情報にいずれの大当たり結果も含まれていない旨を図柄表示装置41にて報知可能とするように、表示制御装置212へコマンド出力する。表示制御装置212では、当該コマンドを受信したことに基づいて、図柄表示装置41の表示画面Gに例えば「当たりなし。残念!!」と表示させ、未報知の情報にいずれの大当たり結果も含まれていない旨を報知する(図31(b)参照)。この場合、上記外れ報知は、実行中の遊技回用の演出を背景とするように表示されるとともに、実行中の遊技回における各図柄と重ならないように表示される。これにより、遊技者は、遊技回用の演出を確認しつつも、未報知の情報にいずれの大当たり結果も含まれていないことを把握することができる。この場合、例えば遊技者は未報知の情報が存在していても、その時点で遊技を終了することも可能となる。またこの場合、未報知の情報には、特別外れ結果が含まれ得る。しかし、特別外れ結果は実質的に賞球を得ることができない低頻度入賞モードの開閉実行モードであり、さらにその後に当否抽選モードが高確率モードへ移行することもなく、サポートモードが高頻度サポートモードへ移行することもない。つまり、特別外れ結果によっては遊技者は実質的に有利となることはなく、未報知の情報にこの特別外れ結果が含まれている状態で遊技を中止しても遊技者は不利益を被ることもない。よって、遊技者は安心して遊技を中止することが可能となる。ステップS1611の処理を実行した後は、本操作対応処理を終了する。
一方、ステップS1601にて特別報知を実行中である場合、ステップS1612へ進む。ステップS1612では、実行中の特別報知では、時間報知を行っているか否かを判定する。ステップS1612にて否定判定した場合、すなわち、現在行われている特別報知が、確変報知又は外れ報知である場合には、ステップS1613にて特別報知の開始から所定時間(所定期間、例えば4sec)が経過したか否かを判定する。RAM244の各種カウンタエリア249には、特別報知の報知期間を把握するためのカウンタが設けられており、ステップS1610及びステップS1611では特別報知の開始に際して当該カウンタのカウントアップを開始させる。そして、ステップS1613では当該カウンタを参照し、所定時間に対応する数値情報となっている場合に、特別報知の開始から所定時間が経過したと判定する。なお、所定期間の長さは任意であるが、遊技者が特別報知を認識可能な長さであればよい。
所定時間が経過していると判定した場合には、ステップS1614にて報知終了処理を実行してから、操作対応処理を終了する。報知終了処理では、実行中の特別報知を終了するよう、表示制御装置212へコマンド出力する。表示制御装置212は、当該コマンドを受信したことに基づいて、実行中の特別報知を終了するよう図柄表示装置41を制御する。
ステップS1612にて時間報知を行っている場合、又はステップS1613にて所定時間が経過していない場合、ステップS1615にて演出用操作部75が操作されているか否かを判定する。操作されていなければ、そのまま操作対応処理を終了し、操作されていれば、ステップS1614の報知終了処理を実行してから、操作対応処理を終了する。
すなわち、特別報知は、演出用操作部75が操作されたことに基づいて、未報知の情報に関する特別報知が行われる。この場合、未報知の情報に、高頻度入賞モードの開閉実行モードへ移行する大当たり結果が含まれている場合は、時間報知として、当該高頻度入賞モードの開閉実行モードの開始までの総残余時間が報知される。また、高頻度入賞モードの開閉実行モードは含まれていないものの、未報知の情報に当否抽選モードが高確率モードとなる大当たり結果が含まれている場合は、確変報知として、その後に確変状態へ移行する旨が報知される。これらいずれの大当たり結果も含まれていない場合は、外れ報知が行われる。確変報知及び外れ報知が行われた場合、予め定められた所定時間が経過することに基づいて、これらの特別報知は終了する。一方、時間報知が行われた場合、演出用操作部75が操作されればそれに基づき当該特別報知は終了し、演出用操作部75が操作されなければ、対象となった高頻度入賞モードの開閉実行モードが開始するまで総残余時間がカウントダウンされて報知が継続される。
<取得時対応処理>
既に説明したとおり、保留コマンドの設定処理(図26)では、リーチ非発生時の変動表示時間を仮の変動表示時間(21sec)としており、その仮の変動表示時間は、実際に主制御装置81側の変動開始処理(図18)において設定される遊技回の変動表示時間とは異なり得る。また、外れ報知の特別報知を実行中において更に保留情報が取得された場合には、実行中の特別報知に矛盾が生じ得る。そこでこれらの修正処理が、保留制御用コマンド対応処理(図27)の取得時対応処理(ステップS1505)において実行される。以下、取得時対応処理について、図32のフローチャートを参照しながら説明する。
先ず、取得時対応処理では、ステップS1801にて、保留用記憶エリア260のうち副側保留エリア261,262に記憶されている保留情報を把握し、後述するステップS1803の判定処理が行われていない保留情報にリーチ非発生の保留情報が存在するか否かを判定する。このリーチ非発生の保留情報とは、上記の保留コマンドの設定処理において仮の変動表示時間が設定されている保留情報である。リーチ非発生の保留情報が存在する場合には、ステップS1802に進む。
ステップS1802では、ステップS1801にて把握した保留情報が当否判定の対象となった場合の副側保留記憶数SNを把握する処理を実行する。そして、ステップS1803にて、ステップS1802にて把握した副側保留記憶数SNと、ROM243の変動表示時間テーブル記憶エリア245に記憶されたリーチ非発生用変動表示時間テーブル(図33(c)参照)と、を参照して、ステップS1801にて把握した保留情報についての変動表示時間が、当該保留情報が当否判定の対象となった場合の変動表示時間と相違するか否かを判定する。
例えば、図33(a)に示すように、ステップS1801にて把握した保留情報が第1副側保留エリア261における第3エリアの保留情報であって、現状、今回受信した保留コマンドの保留情報を含めて、第1副側保留エリア261における第1エリア〜第4エリアに保留情報が存在する場合(今回受信した保留コマンドの保留情報が第4エリアに記憶される)、第1副側保留エリア261における第3エリアの保留情報が当否判定の対象となった場合の副側保留記憶数SNは当該第3エリアも含めて「2」となる。この場合、第1副側保留エリア261における第3エリアの保留情報が当否判定の対象となった場合の変動表示時間は、上記保留コマンドの設定処理にて設定した仮の変動表示時間(21sec)とは異なり、9secとなる(図33(c)参照)。また、例えば、図33(b)に示すように、ステップS1801にて把握した保留情報が第1副側保留エリア261における第3エリアの保留情報であって、現状、今回受信した保留コマンドの保留情報を含めて、第1副側保留エリア261における第1エリア〜第3エリアと、第2副側保留エリア262における第1エリア〜第2エリア(今回受信した保留コマンドの保留情報が第2副側保留エリア262における第2エリアに記憶される)と、に保留情報が存在する場合、第2副側保留エリア262側の保留情報は第1副側保留エリア261の保留情報よりも先に当否判定の対象となるため、この第1副側保留エリア261における第3エリアの保留情報が当否判定の対象となった場合の副側保留記憶数SNは当該第3エリアだけであり「1」となる。この場合、第1副側保留エリア261における第3エリアの保留情報が当否判定の対象となった場合の変動表示時間は、上記保留コマンドの設定処理にて設定した仮の変動表示時間(21sec)と同じで、21secとなる(図33(c)参照)。
そして、ステップS1803にて肯定判定した場合、すなわちステップS1801にて把握した保留情報が当否判定の対象となった場合の変動表示時間が仮の変動表示時間と相違する場合、ステップS1804に進み、ステップS1801にて把握した保留情報が当否判定の対象となった場合の変動表示時間を、対応する保留用記憶エリア260に修正して記憶する処理を実行する。
ちなみに、前回の取得時対応処理の起動時、すなわち、前回の保留情報の取得時において、変動表示時間の修正が行われている保留情報については、ステップS1803では、その修正後の変動表示時間と、今回起動時におけるステップS1502の処理後の副側保留記憶数SNに対応した変動表示時間と、の相違を判定する。
ステップS1803にて変動表示時間が相違しない場合、又はステップS1804の処理を実行した後は、ステップS1801に戻り、未判定の保留情報に対してステップS1801〜ステップS1804の処理を繰り返す。ステップS1801にて否定判定した場合、すなわち未判定の保留情報にリーチ非発生の保留情報が存在しない場合、ステップS1805に進む。
ステップS1805では、現状、特別報知として時間報知を実行しているか否かを判定する。時間報知を実行中である場合には、ステップS1806に進み、上記ステップS1804の処理によって変動表示時間の修正が行われたか否かを判定する。修正が行われている場合には、ステップS1807にて、修正後の各保留情報について、現時点から実行中の特別報知において対象となっている結果の保留情報に対応する遊技回が終了するまでの総残余時間(総残余期間)を把握する処理を実行する。かかる処理は、上記ステップS1607の処理と同様の処理である。
そして、ステップS1808にて、修正報知として、上記総残余時間を図柄表示装置41にて報知可能とするように、表示制御装置212へコマンド出力する。表示制御装置212では、当該コマンドを受信したことに基づいて、図柄表示装置41の表示画面Gに例えば「大当たりまで残り○○秒あります」と表示させて上記総残余時間を報知する。この場合、既に報知されている時間報知から修正が行われたことを把握可能なように、例えば「修正!」といった表示を行う(図34(a)参照)。これにより、遊技者は、新たに取得された保留情報によって報知中の時間報知における総残余時間が修正されたことを把握することができる。ステップS1806にて否定判定した場合、又はステップS1808の処理を実行した後は、取得時対応処理を終了する。
ステップS1805にて時間報知を実行していない場合、ステップS1809に進み、現状、特別報知として外れ報知を実行中であるか否かを判定する。外れ報知を実行中ではない場合には、そのまま取得時対応処理を終了する。
外れ報知を実行中である場合には、ステップS1810に進み、実行中の外れ報知を終了させるための報知終了処理を実行する。この処理は、上述のステップS1614の処理と同様である。すなわち、外れ報知を実行している場合に、新たな保留情報が取得された場合には、所定時間が経過していなくても、また、演出用操作部75が操作されていなくても、実行中の外れ報知を終了させる。これは、取得した新たな保留情報が例えばいずれかの大当たり結果である場合には、実行中の外れ報知と矛盾が生じるためである。ここで、取得した新たな保留情報の情報を、実行中の特別報知に反映させる構成も考えられる。しかし、取得した新たな保留情報については、遊技者による演出用操作部75の操作という保留情報の事前報知の意思表示がなされておらず、上記構成とすると、遊技者の意思に反することになり得る。そこで、特別報知を実行中に新たな保留情報を取得した場合には上記のように当該実行中の特別報知を終了させる構成とすることで、遊技者の多様なニーズに柔軟に応じることが可能となる。
ステップS1810の処理を実行した後は、ステップS1811に進み、取得した保留情報がいずれかの大当たり結果であるか否かを判定する。すなわち、今回受信した保留コマンドに対応する保留情報が、15R確変大当たり結果、通常大当たり結果、非明示2R確変大当たり結果及び明示2R確変大当たり結果のうちのいずれかに対応するものであるか否かを判定する。そして、ステップS1811にて肯定判定した場合には、ステップS1812にて、演出用操作部75の操作を促す操作指示演出を実行するように、表示制御装置212へコマンド出力する。表示制御装置212では、当該コマンドを受信したことに基づいて、図柄表示装置41の表示画面Gに、例えば「ボタンをプッシュしろ!」といった表示を行う(図34(b)参照)。このようにすることで、例えば遊技者が、外れ報知を実行中に新たな保留情報が取得されたことを見逃した場合であって、当該取得された保留情報がいずれかの大当たり結果である場合に、そのまま遊技を中止してしまい、得られるであろう特典を得ることができなくなるといった不都合を回避することができる。
なお、上記の操作指示演出は、上記新たに取得した保留情報が外れ結果であっても所定の確率で発生するようにしてもよい。このようにすることで、操作指示演出が発生した場合に、演出用操作部75の操作の有無に関わらず保留情報の当否判定結果が把握されてしまうといった不都合を回避することができる。
ステップS1811にて否定判定した場合、又はステップS1812の処理を実行した後は、取得時対応処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
上作動口33又は下作動口34へ遊技球が入球することに基づいて保留情報が取得され、当該保留情報に対応する遊技回にてその保留情報の当否判定結果を報知する構成において、演出用操作部75が操作されたことに基づいて、保留用記憶エリア260に記憶されている未報知の保留情報の内容を取得(収集)し、それに基づく特別報知を行う構成とした。これにより、当該未報知の保留情報に対応する遊技回が行われるよりも前にその未報知の保留情報の内容を遊技者は把握することができ、報知タイミングの差を利用して、例えばトイレに行ったり飲み物を購入したりして席を外すことも可能であるし、また、発射ハンドル54の操作を止めたり継続したりするなど、様々な行動を行うことが可能となる。よって、遊技者の多様なニーズに好適の応じることができる。
この場合、未報知の情報に15R確変大当たり結果又は通常大当たり結果が存在する場合には、その遊技回が終了するまで、すなわち、高頻度入賞モードの開閉実行モードが開始されるまでの総残余時間を特別報知(時間報知)として報知する構成とした。これにより、少なくとも報知された期間は遊技球の発射を止めても、高頻度入賞モードの開閉実行モードへは移行するため、上記のように席を外すことが可能となる。
さらに、未報知の情報に非明示2R確変大当たり結果又は明示2R確変大当たり結果が存在する場合には、確変報知としてその旨を報知する構成とした。これら両2R確変大当たり結果となると、低頻度入賞モードの開閉実行モードへ移行するところ、低頻度入賞モードの開閉実行モードでは、実質的に賞球を得ることができない。一方、これら両2R確変大当たり結果となると、その開閉実行モード後は、当否抽選モードが高確率モードへ移行する。そのため、少なくとも上記未報知の情報に対応する遊技回及び上記低頻度入賞モードの開閉実行モード中は遊技球の発射を止めていても損をすることはないが、高確率モードに移行したまま遊技を中止してしまうと、損をする可能性がある。そこで、上記のように報知することで、遊技者に遊技を一旦中断することが可能であるとともにその中断後は再開すべき状況であることを把握させることが可能となる。
上記の未報知の情報にいずれの大当たり結果も含まれていない場合には、外れ報知としてその旨を報知する構成とした。これにより、遊技者は、その時点で遊技を中止することが可能となり、遊技者の多様なニーズに応じることが可能となる。この場合、通常外れ結果だけでなく、特別外れ結果が含まれていても外れ報知を行う構成としている。これは、特別外れ結果となっても、開閉実行モードは低頻度入賞モードに移行し、実質的に賞球が得られないためである。
上記の時間報知を行う場合、リーチ非発生時の変動表示時間を仮の変動表示時間として上記総残余時間を算出して報知する構成とした。これは、リーチ非発生時の変動表示時間は当該遊技回の開始時の共通保留数CRNに基づいて決定される構成としているところ、共通保留数CRNは、時間報知が行われてからも新たな保留情報が取得されれば変化(増加)し得るためである。そして、新たな保留情報が取得された場合には、その旨を報知(修正報知)する構成とした。このようにすることで、総残余時間が矛盾する不都合を回避することができる。
特に、時間報知が行われている状況で新たな保留情報が取得される場合とは、遊技者は遊技を継続している可能性が高く、修正報知が見逃されてしまう可能性は低いと考えられる。また、このような構成とすれば、新たな保留情報が取得された場合にのみその修正を行えばよく、修正の頻度を少なくすることができる。
リーチ非発生時の変動表示時間は、変動開始処理(図16)が実行されるタイミングで決定されるところ、本実施形態では修正報知を、その変動開始処理が実行されるよりも前のタイミングである新たな保留情報の取得時に行う構成とした。これにより、総残余時間の修正をより早く実施することが可能となり、遊技者に不測の不利益を与える可能性を低減することができる。
上記外れ報知を行っている状況で、新たな保留情報が取得された場合、当該外れ報知を終了する構成とした。これにより、取得された新たな保留情報がいずれかの大当たり結果であり当該外れ結果と矛盾する、という事象の発生を回避することができる。
一方、当該取得された新たな保留情報がいずれかの大当たり結果である場合には、上記のように一旦外れ報知を終了させた後、再度、特別報知が行われるように、演出用操作部75の操作を促す操作指示演出を行う構成とした。これにより、仮に新たな保留情報が取得されたことを遊技者が見逃してしまった場合に、当該取得された保留情報がいずれかの大当たり結果であるにもかかわらず、それ以前に実行されていた外れ報知に基づいて遊技を中止してしまう、という不利益の発生を抑制することができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、演出用操作部75が操作されたことに基づいて、未報知の保留情報に特定演出(特定態様)が含まれるか否かを判定し、含まれる場合にはその特定演出が実施されるまでの総残余時間を報知する構成とする。以下、その構成を詳細に説明する。図35は本実施形態における操作対応処理を示すフローチャートであり、図36は特定演出までの総残余時間を報知する演出の概念図である。
本実施形態における操作対応処理では、上記ステップS1601〜S1605の処理と同様に、ステップS1901〜S1905の処理を実行する。そして、ステップS1906にて、ステップS1905にて把握した保留情報に特定演出としてスーパーリーチAが含まれているか否かを判定する。含まれている場合には、ステップS1907に進む。
ステップS1907では、上記特定演出としてのスーパーリーチAが実施されるまでの総残余時間を把握する処理を実行する。この処理は、概ね上記ステップS1607(図29)の処理と同様であるが、上記第1の実施形態では対応する遊技回が終了するまでの変動表示時間を用いて総残余時間を算出したのに対して、本実施形態では対応する遊技回においては上記特定演出が実施されるまでの変動表示期間を用いて総残余時間を算出する。すなわち、図36(b)に示すように、t1のタイミングで開始される遊技回において、t4のタイミングで変動表示が終了するまでが当該遊技回の変動表示時間であり、上記第1の実施形態ではこの変動表示時間を用いていた。t2のタイミングでリーチ表示が開始され、t3のタイミングでノーマルリーチからスーパーリーチAへ発展する場合、本実施形態では、t1のタイミングからt3のタイミングまでの期間を総残余時間の算出に用いる。ちなみに、この特定演出としてのスーパーリーチAが保留用記憶エリア260における副側実行エリア263に記憶されている保留情報に含まれている場合、すなわち現在実行中の遊技回においてスーパーリーチAが実施される場合には、現時点からt3のスーパーリーチAへの発展タイミングまでの期間が総残余時間とされる。
そしてステップS1908にて、時間報知処理にて、時間報知として、当該総残余時間を図柄表示装置41にて報知可能とするように、表示制御装置212へコマンド出力する。表示制御装置212は、当該コマンドを受信したことに基づいて、図柄表示装置41の表示画面Gに例えば「スーパーリーチまで残り○○(総残余時間に対応する数字が表示される)秒あります」と表示させて上記総残余時間を報知する(図36(a)参照)。この場合、上記時間報知は、実行中の遊技回用の演出を背景とするように表示されるとともに、実行中の遊技回における各図柄と重ならないように表示される。これにより、遊技者は、遊技回用の演出を確認しつつも、更に未報知の情報に上記の特定演出としてのスーパーリーチAが含まれることと、そのスーパーリーチAまでに必要な期間(総残余時間)と、を把握することができる。この場合、遊技者は、報知された総残余時間に基づいて、例えばこの総残余時間が長ければ、トイレに行ったり飲み物を購入するなど席を離れることも可能となる。ステップS1908の処理を実行した後は、本操作対応処理を終了する。表示制御装置212側において、総残余時間をカウントダウンさせる構成については、上記第1の実施形態と同様である。
ステップS1906にて特定演出が含まれていない場合には、ステップS1909にて外れ報知処理を実行してから、本操作対応処理を終了する。ステップS1909の外れ報知処理は、上記第1の実施形態におけるステップS1611の外れ報知処理と、概ね同様の処理である。但し本実施形態では、特定演出が含まれていない旨の報知を行い、例えば、図柄表示装置41の表示画面Gにて「スーパーリーチなし。残念!」といった表示を行う。
ステップS1901にて肯定判定した場合は、ステップS1910へ進む。ステップS1910〜S1912の処理は、上記ステップS1612〜S1614の処理と同様である。
図による詳細な説明は省略するが、本実施形態における取得時対応処理(図32)においては、ステップS1807の変動表示時間の把握処理では、修正後の変動表示時間を用いて、特定演出としてのスーパーリーチAが実施されるまでの総残余時間を把握する。また、ステップS1811では、今回取得した保留情報に特定演出としてのスーパーリーチAが含まれるか否かを判定し、含まれる場合にはステップS1812にて操作指示処理を行ってから、取得時対応処理を終了する。ステップS1811にてスーパーリーチAが含まれていない場合には、そのまま取得時対応処理を終了する。
このように、本実施形態によれば、演出用操作部75が操作されたことに基づいて、未報知の保留情報に特定演出が含まれているか否かが判定され、特定演出が含まれている場合には、その特定演出が実施されるまでの総残余時間が報知される。これにより、遊技者が見たい演出が実施されるまでの期間を他の行為にあてることも可能となり、遊技者の多様なニーズに好適に応じることができる。
特に近年、遊技の一種として、実施された演出をサーバーや遊技者の有する携帯端末等に記憶させる遊技が行われている。このような遊技においては、例えばその実施された演出を記憶させたことを経験値とし、その経験値を遊技機の演出に反映させたり、他の遊技に用いたり、特典を付与したりすることも遊技の多様化に有効と考えられる。このような場合、遊技者によっては、特定演出を見るために遊技を行っていることも考えられ、他の演出についてはその遊技者にとっては煩わしいものともなり得る。そこで本実施形態のように、特定演出が実施されるまでの総残余時間を報知することで、遊技者の多様なニーズに好適に応じることが可能となる。
なお本実施形態では、この特定演出としてのスーパーリーチAを、いずれかの大当たり結果である場合と外れ結果である場合とで区別せずに把握する構成としている。このようにすることで、単純にスーパーリーチAを見たい遊技者のニーズに応じることが可能である。但し、例えばいずれかの大当たり結果となるスーパーリーチAを特定演出として設定してもよいし、外れ結果となるスーパーリーチAを特定演出として設定してもよく、このように特定演出の細分化を図ることで、遊技者の多様なニーズに好適に応じることが可能となる。さらに、いずれものスーパーリーチA,Bを特定演出として設定し、いずれかのスーパーリーチA,Bが未報知の情報に含まれる場合に、総残余時間が報知される構成としてもよい。また、大当たり結果となる期待度が所定確率以上の演出が実行される場合に、総残余時間が報知される構成としてもよい。これらの場合、遊技者が特定演出を予め選択可能な構成としてもよい。この場合、遊技者が操作可能な操作部を設け、当該操作部を操作することで複数の演出から上記特定演出を選択可能とするとよい。なお、特定演出がスーパーリーチに限定されないことはいうまでもない。
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施形態に対して適用してもよい。
(1)時間報知が行われている状況で新たな保留情報が取得された場合、報知中の総残余時間を修正する構成としたが、修正しない構成としてもよい。これにより、特別報知についての処理構成を簡素化することが可能となる。少なくとも、この時間報知の実行タイミングと、新たな保留情報の取得タイミングとは、時系列的に時間報知のほうが先に実施されており、また、新たな保留情報の取得は、遊技者の操作に基づくもの(発射ハンドル54の操作に基づくもの)であるため、遊技者が予測できないものではない。そこで、時間報知を優先し、新たな保留情報が取得されたとしても修正しない構成としても、少なくとも遊技者に不測の不利益を与えることにはつながらないと考えられる。
(2)保留コマンドの設定処理で仮の変動表示時間としてリーチ非発生時の変動表示時間のうち最長の21secを設定する構成としたが、この仮の変動表示時間を変更してもよい。例えば、リーチ非発生時の変動表示時間のうち最短の3secを仮の変動表示時間として設定してもよい。この場合、時間報知においては、演出用操作部75が操作された時点で、高頻度入賞モードの開閉実行モードが開始されるまで(特定演出が実施されるまで)の最短の時間が報知されることになる。このようにすることで、時間報知の実施後に新たな保留情報が取得された場合であっても、現状報知している情報よりも短く修正する必要が生じない。仮にその保留情報の取得や修正報知を見逃してしまった場合であっても、その報知された時間よりも短くなることはないため、高頻度入賞モードの開閉実行モード(特定演出)の開始までには遊技を再開すると考えられる。
上記構成においても、新たな保留情報を取得した場合には修正報知を行う構成としてもよい。但し、上記各実施形態のように、新たな保留情報の取得時に、既に記憶済みの保留情報の変動表示時間について修正を行う構成とすると、最短の変動表示時間(3sec)からそれよりも長い変動表示時間(9sec)に修正が行われ、更にその後の新たな保留情報の取得時に、最短の変動表示時間(3sec)に修正されることになる。そのため、総残余時間が長くなったり短くなったりして一貫性が保たれず、遊技者に違和感を与えかねない。そこでこの場合は、新たな保留情報の取得時に修正報知を行うのではなく、仮の変動表示時間とした保留情報に対応する遊技回が開始される際に、実際に確定された変動表示時間を総残余時間に反映させて修正する構成とするとよい。
(3)特別報知を図柄表示装置41の表示画面Gにて実施する構成としたが、遊技機に設けられた他の報知手段によって実施される構成としてもよいし、当該遊技機を介して例えば遊技者が有する携帯端末等にて特別報知が実施される構成としてもよい。この場合、例えば、図37(a)に示すように、演出用操作部75が操作されたことに基づいて、表示画面GにてQRコード(登録商標)を表示させ、この読み取ったQRコードに基づいて携帯端末P等にて特別報知が行われる構成としてもよい。なお、この携帯端末P等により読み取り可能とする構成はQRコードに限定されず、バーコードであってもよいし、赤外線通信であってもよいし、無線LAN通信等であってもよい。
この場合、遊技回の実行中に上記のQRコードを表示可能とする構成とするとよい。このようにすることで、未報知の情報を当該QRコードを取得した遊技者のみが把握可能となり、例えば、それが大当たり結果であれば、その後に大当たり結果となる情報をその遊技者のみが知っているという優越感に浸らせることも可能である。また、外れ結果であれば、その後に期待度の高い演出が行われようともその遊技者は遊技を中止することも可能である。この場合、空席となった遊技機において期待度の高い演出が行われていれば、他の遊技者はその演出で大当たり結果となるかもしれないと考え、当該遊技機に着席するものと考えられる。よって、あえて他の遊技者を着席させたい遊技者は、このような行為を行うことも考えられ、そのようなニーズに応じることが可能となる。
上記のように未報知の情報を出力した場合には、少なくともその未報知の情報が遊技機側で報知されるまでの期間、当該出力したことを把握させるための報知(例えば、表示画面Gにて出力済みの表示を行うなど)を行うとよい。これにより、その後に着席する未報知の情報を読み取っていない遊技者は、その情報が前任者に読み取られている可能性が高いことを把握することができ、未報知の情報を読み取った遊技者と読み取っていない遊技者との公平性を担保することができる。
(4)上記(3)のように、携帯端末P等により特別報知を実行可能とする構成においては、遊技者は一旦QRコードを読み取った後において、新たな保留情報が取得された場合など修正が必要となった場合に、更に演出用操作部75を操作したりQRコードの読み取り作業を行ったりしない可能性がある。そのため、先に出力した情報に修正が必要となったのにもかかわらず、修正前の情報に基づいて特別報知を確認し席を離れてしまったりする可能性がある。そこで、修正が必要となった場合には、修正前のQRコードの表示を終了する構成とするとよい。これにより、少なくとも修正が必要となったのにもかかわらず修正前の情報を読み取ってしまう不都合を回避させることが可能となる。
さらにこの場合、先に出力した時点を特定可能な表示として、例えば図37(b)のように出力時の遊技状況を示す表示(例えば変動表示の静止画像)を並設して表示させるとよい。また、出力するQRコードに、その出力時点を特定可能な情報、例えば出力した日時など、を含ませる構成としてもよい。これにより、遊技者の携帯端末P等に受信された情報は、あくまで遊技機が出力した時点での情報として扱うことができ、その後に修正が必要となった場合について保証するものではないことを遊技者に認識させることが可能となる。
特にこの構成は、時間報知のように、新たな保留情報が取得されなくても、演出用操作部75の操作時(QRコードの出力時)からリアルタイムで総残余時間が変化(減少)する構成においても有効と考えられる。
(5)総残余時間を報知する構成において、併せて対象となっている遊技回(保留情報)を遊技者に把握させる報知を行ってもよい。例えば、保留用画像の色や形を変化させてもよいし、対応する画像を、保留表示領域Ga,Gbに表示してもよい。これにより、何個先の保留情報が対象となっているかを遊技者は把握することが可能となる。この場合、例えば、遊技者が遊技結果のデータをノートや携帯端末に記録している場合などは先にデータを書き込むことができる。
(6)上記第1の実施形態において、高頻度入賞モードの開閉実行モードが開始されるまでの期間を総残余時間として時間報知を実行し、その総残余時間に修正が必要となった場合には修正報知を行う構成としたが、修正が必要となった分、主制御装置81側で上記高頻度入賞モードの開閉実行モードの開始を遅らせる構成としてもよい。この場合、演出用操作部75が操作されたことを特定する構成や、操作されたことに基づいて保留情報の変動表示時間を把握する構成など、を主制御装置81側で有するものとし、遊技状態移行処理(図18)において開閉実行モードのオープニング期間に、上記の修正分を反映する(差分に応じてオープニング期間を長くしたり短くしたりする)構成とするとよい。これにより、報知後に修正が必要となった場合にも、修正報知の必要がなく、その分、遊技者もその報知内容を信じて、他の行動を行うことが可能となる。
(7)上記第1の実施形態において、非明示2R確変大当たり結果と明示2R確変大当たり結果とは、いずれも確変報知を行う構成としたが、以下のように変更してもよい。すなわち、非明示2R確変大当たり結果は、上記第1の実施形態と同様に確変報知を行う。一方、明示2R確変大当たり結果は、上記第1の実施形態とは異なり、時間報知を行う。明示2R確変大当たり結果となると、サポートモードが高頻度サポートモードに移行するところ、上記のようにすることで、高頻度サポートモードへ移行するよりも前に遊技を再開させることができ、存分にこの高頻度サポートモードを楽しませることができる。
(8)上記第1の実施形態において、確変報知や外れ報知においても残りの変動表示時間を報知する構成としてもよい。この場合、確変報知についてはいずれかの確変大当たり結果となる遊技回が終了するまでの総残余時間を報知してもよいし、全保留分の変動表示時間を総残余時間として報知してもよい。
(9)上記第2の実施形態において、特定演出が実施されるまでの期間を総残余時間として報知する構成としたが、特定演出が実施されるよりも所定期間前のタイミングまでの期間を総残余時間として報知する構成としてもよいし、特定演出が含まれる遊技回が開始されるまでの期間(特定演出が含まれる保留情報の1つ前に当否判定の対象となる保留情報の遊技回が終了するまでの期間)を総残余時間として報知する構成としてもよい。これにより、遊技者が特定演出を楽しむにあたって猶予が生じる。また、後者の場合には、遊技回が開始されてから特定演出に至るまでの演出を含めて楽しませることが可能となる。またこれらを、遊技者が設定可能とするとよい。
(10)上記第2の実施形態において、特定演出は表示画面Gにより実行される演出に限定されず、遊技回中に実行される他の演出、例えば、表示発光部63やスピーカ部64による演出や、遊技機に設けられた可動役物による演出等であってもよい。
(11)演出用操作部75は他の演出に用いられる操作部と兼用としてもよいし、他の演出に用いられる操作部とは別途設けてもよい。兼用とすることで、製造コストの削減や、限られた領域において操作部の設置領域の有効活用を図ることが可能となる。また、兼用とすることで、特別報知を他の演出と連動させることも可能である。すなわち、例えば、他の演出として、保留情報にいずれかの大当たり結果が含まれる場合に、所定の確率で、演出用操作部75の操作指示演出が実施される構成とすると、その操作指示演出が発生することで遊技者は期待感を持って当該演出用操作部75を操作することになる。つまり、特別報知としての時間報知の前段階として操作指示演出が行われる構成とすれば、総残余時間が報知されるよりも前のタイミングで、遊技者は、時間報知が行われた場合に行う行動(大当たりの前祝いとして飲み物を購入するなど)の予定を立てることが可能となり、実際に時間報知が行われた場合にすぐに行動に移すことができる。
(12)上作動口33及び下作動口34への入賞に基づく保留情報が区別される構成としたが、区別されない構成としてもよい。また、下作動口34への入賞に基づく保留情報のほうが、上作動口33への入賞に基づく保留情報よりも優先して当否判定の対象となる構成としたが、その関係が逆であってもよく、各作動口33,34に優劣をつけず入賞順に当否判定が行われる構成としてもよい。
(14)当否判定が行われる遊技状況によって変動表示時間が変化する構成として、共通保留数CRNの数に基づいて変動表示時間が定められるリーチ非発生時の変動表示時間を例示したが、これに限定されず、例えば、先の遊技回の演出や遊技結果に基づいて次の遊技回の変動表示間が決定される構成としてもよいし、周知のRTCを用い遊技が実行されている日時によって遊技時間が決定される構成としてもよい。これらの場合、保留情報の取得時にその後の遊技状況が把握可能である。
(15)主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、演出制御装置82により表示制御装置212が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置81から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置212が演出制御装置82を制御する構成としてもよい。また、演出制御装置82と表示制御装置212とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置82,212が一の制御装置として設けられた構成としてもよい。また、主制御装置81から演出制御装置82に出力されるコマンドの構成も任意である。
(16)特別報知について、表示画面Gにて変動表示中の各図柄と重ならないように表示する構成としたが、重なるように表示してもよい。この場合、特別報知を前方に、各図柄を後方に表示させる構成としてもよく、この関係が逆であってもよい。さらに、特別報知が行われる場合には、変動表示中の各図柄を縮小表示させ、特別報知を行うスペースを確保する構成としてもよい。
(17)遊技機に併設されるCRユニット等の球貸し装置に投入されるクレジット端末(プリペイドカードやコイン、会員カードなど)が、当該球貸し装置に投入されていること、又は投入されていないこと(返却されたこと)を条件に演出用操作部75の操作を受け付ける構成としてもよい。
すなわち、球貸し装置にクレジット端末が投入されている状況とは、遊技者が遊技を行う意思を有しているものと考えられ、遊技を行う意思を有している範囲で演出用操作部75の操作に基づく報知を行うことで、例えば、未消化の保留情報が残存している状態で開放された遊技台において、演出用操作部75を操作して遊技結果を把握してから(大当たり結果が含まれることを把握してから)着席して遊技を開始する、といった行為を抑制することができる。
また、球貸し装置にクレジット端末が投入されていない状況とは、例えばクレジット端末の返却後など、遊技の継続の意志を有しないものと考えられ、このようにクレジット端末が投入されていないことを条件に演出用操作部75の操作を受け付ける構成とすれば、当該クレジット端末の取り忘れを抑制することが可能となる。この場合、クレジット端末の返却時に、演出用操作部75の操作を促す操作指示の演出を表示画面G等にて行う構成としてもよい。これにより、未消化の保留情報の情報を把握し忘れることを抑制することができる。さらに、クレジット端末の返却時に、未消化の保留情報の内容を把握して、当該未消化の保留情報に特定結果(例えば大当たり結果やスーパーリーチ)が含まれる場合に、上記操作指示の演出を行う構成としてもよい。
(18)上記実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
なお、下記の各特徴に記載された発明は、「例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、表示画面に複数の絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えたものが知られている。かかる遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口を遊技球が通過したことを契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が特定遊技状態に移行する。特定遊技状態への移行に伴い、例えば遊技領域に設けられた可変入球装置の開閉が開始され、多量の遊技球が払い出されるようになっている(例えば特開2005−074175号公報)。」という背景技術について、「ここで、遊技者の遊技の際に生じるニーズは多様であり、その多様なニーズに応じる点について未だ改良の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴1.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81における情報取得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を、予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置81における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を表示し前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の遊技回用動作が行われるように報知手段(図柄表示装置41)を制御する遊技回制御手段(主制御装置81、演出制御装置82、表示制御装置212等)と、
を備える遊技機であって、
遊技者により操作される操作手段(演出用操作部75)と、
当該操作手段が操作されたことを特定する操作特定手段(演出制御装置82における操作対応処理を実行する機構)と、
前記取得情報記憶手段により前記特別情報が記憶されている状態で前記操作特定手段により前記操作手段が操作されたと特定されたことに基づいて、前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作の実行状況にかかわらず、前記特別情報に対応する特別報知(時間報知、確変報知、外れ報知)を、前記報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行させる特別報知制御手段(演出制御装置82におけるステップS1608,S1610,S1611,S1908,S1909の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による操作手段の操作に基づいて、取得情報記憶手段に記憶されている特別情報又は実行中の遊技回用動作に係る特別情報に対応する特別報知が報知手段又はそれとは別の報知手段にて報知可能とされる。この場合、遊技回制御手段による遊技回用動作の実行状況にかかわらず、操作手段の操作に基づいて特別報知が行われる構成としているため、この特別報知は、遊技機側の状態に対する依存度が低く、遊技者側にその実行の決定権が委ねられるものとなる。つまり、遊技者による操作が行われなければ、遊技回制御手段による遊技回用動作によって特別情報に対応する報知が行われるものであり、遊技者による操作が行われれば遊技回制御手段による遊技回用動作による報知を待たずに特別報知によって当該特別情報の報知が行われる。このように、遊技者が遊技回用制御手段による遊技回用動作の実行を待たずに、事前に特別情報の内容を把握できる分、その後の遊技回用動作などの演出に集中することも可能であるし、また、この報知されるタイミングの差を利用して何らかの行動を行うことも可能となる。よって、遊技者の多様なニーズに良好に応じることが可能となる。
特徴2.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81における情報所得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を表示し前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の遊技回用動作が行われるように報知手段(図柄表示装置41)を制御する遊技回制御手段(主制御装置81、演出制御装置82、表示制御装置212等)と、
を備える遊技機であって、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先特定手段(主制御装置81における保留予告用の確認処理及び保留コマンドの設定処理を実行する機能)と、
遊技者により操作される操作手段(演出用操作部75)と、
当該操作手段が操作されたことを特定する操作特定手段(演出制御装置82における操作対応処理を実行する機構)と、
前記取得情報記憶手段により前記特別情報が記憶されている状態で前記操作特定手段により前記操作手段が操作されたと特定されたことに基づいて、前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作の実行状況にかかわらず、当該実行中の前記遊技回用動作に係る特別情報に対応する情報と、前記先特定手段により特定された特別情報に対応する情報と、に対応する特別報知(時間報知、確変報知、外れ報知)を、前記報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行させる特別報知制御手段(演出制御装置82におけるステップS1608,S1610,S1611,S1908,S1909の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による操作手段の操作に基づいて、取得情報記憶手段に記憶されている特別情報及び実行中の遊技回用動作に係る特別情報に対応する特別報知が報知手段又はそれとは別の報知手段にて報知可能とされる。この場合、遊技回制御手段による遊技回用動作の実行状況にかかわらず、操作手段の操作に基づいて特別報知が行われる構成としているため、この特別報知とは、遊技機側ではなく遊技者側にその実行の決定権が委ねられているものと考えられる。つまり、遊技者による操作が行われなければ、遊技回制御手段による遊技回用動作によって特別情報に対応する報知が行われるものであり、遊技者による操作が行われれば遊技回制御手段による遊技回用動作による報知を待たずに特別報知によって当該特別情報の報知が行われる。このように、遊技者が遊技回用制御手段による遊技回用動作の実行を待たずに、事前に特別情報の内容を把握できる分、その後の遊技回用動作などの演出に集中することも可能であるし、また、この報知されるタイミングの差を利用して何らかの行動を行うことも可能となる。よって、遊技者の多様なニーズに良好に応じることが可能となる。
特徴3.予め定められた取得条件が成立したことに基づいて特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置81における情報所得処理を実行する機能)と、
前記情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた所定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア232)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が付与情報に対応しているか否かの付与判定を行うとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合にはそれら複数の特別情報に対して前記付与判定を順次行う付与判定手段(主制御装置81における当否判定処理等を実行する機能)と、
前記付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応しているとする付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置81における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに基づいて遊技回用動作を開始させ、前記付与判定の結果に対応した停止結果を表示し前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報に応じて各遊技回の遊技回用動作が行われるように報知手段(図柄表示装置41)を制御する遊技回制御手段(主制御装置81、演出制御装置82、表示制御装置212等)と、
を備える遊技機であって、
前記遊技回制御手段は、前記遊技回用動作を開始してから当該遊技回用動作を終了するまでの動作期間を決定する動作期間決定手段(主制御装置81における変動表示時間の設定処理を実行する機能)を備え、当該動作期間決定手段により決定された動作期間に基づいて前記遊技回用動作を実行するものであり、
前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作が行われている状況での、前記動作期間の残りの期間を把握する把握手段(演出制御装置82におけるステップS1702,S1704の処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合において前記動作期間決定手段により決定される前記動作期間を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先動作期間特定手段(主制御装置81におけるステップS1705の処理を実行する機能)と、
遊技者により操作される操作手段(演出用操作部75)と、
当該操作手段が操作されたことを特定する操作特定手段(演出制御装置82における操作対応処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段により前記特別情報が記憶されている状態で前記操作特定手段により前記操作手段が操作されたと特定されたことに基づいて、前記遊技回制御手段による前記遊技回用動作の実行状況にかかわらず、前記把握手段により把握された前記残りの期間と、前記先動作期間特定手段により特定された前記動作期間と、に対応する特別報知(時間報知)を、前記報知手段又はそれとは別の報知手段にて実行可能とする特別報知制御手段(演出制御装置82におけるステップS1608,S1610,S1611,S1908,S1909の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
上記構成によれば、遊技者による操作手段の操作に基づいて、操作手段を操作した時点で取得情報記憶手段に記憶されている特別情報も含めて、遊技回用動作が終了するまでの期間を把握することができる。この場合、少なくとも遊技回用動作という遊技が継続される期間を把握することができ、その期間の長さによっては、それ以上情報取得手段に特別情報を取得させないことも可能となるし、何らかの行動を行うことも可能となる。よって、遊技者の多様なニーズに良好に応じることが可能となる。
特徴4.前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報に対応する情報が、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて、予め定められた特定結果(大当たり、スーパーリーチなど)であることを判定する先判定手段(演出制御装置82におけるステップS1605,S1606,S1609,S1905,S1906の処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知制御手段は、前記先判定手段による判定対象とされた前記所定の特別情報と、実行中の前記遊技回における前記特別情報と、のうちのいずれかが前記特定結果である場合には、当該特定結果となる特別情報に対応する遊技回以前に実行される遊技回に関して、前記動作期間に対応する情報を前記特別報知として報知可能とする第1報知手段を備えていることを特徴とする特徴3に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は、操作手段を操作することにより、特定結果となるまでの動作期間の情報を把握することができる。これにより、その動作期間の長さによっては、特定結果となるまで、例えば、それ以上情報取得手段に特別情報を取得させないことも可能となるし、また例えば、席を離れたりする(トイレに行ったり飲み物を購入したりするなど)ことが可能となり、遊技者の多様なニーズに好適に応じることが可能となる。
特徴5.前記先判定手段は、前記付与判定手段による前記付与判定の判定結果が前記付与対応結果となる前記特別情報を前記特定結果と判定する手段(演出制御装置82におけるステップS1605,S1606の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴4に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は、操作手段を操作することにより、付与対応結果となるまでの期間を把握することができる。付与対応結果となると、特典付与手段により特典が付与される。つまり、操作手段を操作することにより、特典が付与されるまでの期間を把握することが可能となる。遊技者としてはその特典が付与されるよりも前に他の用事を済ませておきたくなることもあり、それまでの期間を把握可能とすることにより、遊技者の多様なニーズに好適に応じることが可能となる。
特徴6.遊技者により操作されることに基づいて遊技球を遊技領域へ向けて発射する遊技球発射手段(発射ハンドル54、遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な第1状態と、当該第1状態よりも遊技球の入球が困難又は入球不可能な第2状態と、に切換可能な可変入球手段(可変入賞装置32)と、
当該可変入球手段における前記第1状態と前記第2状態との切換制御を実行する可変入球制御手段(主制御装置81における大入賞口開閉処理を実行する機能)と、
前記可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて賞球を払い出す払出手段(払出装置96、払出制御装置97)と、
を備え、
前記特典付与手段は、前記可変入球制御手段により前記可変入球手段を前記第2状態から前記第1状態へ切換制御させる特別遊技状態へ移行させることによって遊技者へ特典を付与するものであることを特徴とする特徴5に記載の遊技機。
上記構成によれば、付与対応結果となると可変入球手段が第1状態に切換制御され、遊技者はその可変入球手段に向けて遊技球を発射させることで賞球を得ることが可能となる。換言すると、付与対応結果となっても遊技球発射手段を操作しなければ特典(賞球)を得ることができない。そのため、特徴4に記載した、付与対応結果となるまでの期間を報知することの意義が高められる。
特徴7.前記特別遊技状態には、前記可変入球手段への遊技球の入球可能性が相対的に高低となるように高入賞モード(高頻度入賞モードの開閉実行モード)と低入賞モード(低頻度入賞モードの開閉実行モード)とが設定されており、
前記特定結果には、前記高入賞モードとなる前記付与対応結果が設定されていることを特徴とする特徴6に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態に高入賞モードと低入賞モードとが設定されている構成において、入球可能性が低入賞モードよりも高い高入賞モードの特別遊技状態となるまでの期間が把握可能とさせる。よって、特徴5の効果を実質的に奏することができる。
特徴8.前記特別遊技状態には、前記可変入球手段への遊技球の入球可能性が相対的に高低となるように高入賞モードと低入賞モードとが設定されており、
前記特定結果には、前記低入賞モードとなる前記付与対応結果は設定されていないことを特徴とする特徴6又は特徴7に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別遊技状態に高入賞モードと低入賞モードとが設定されている構成において、入球可能性が高入賞モードよりも低い低入賞モードの特別遊技状態は特別報知の対象とならない。これは、特別遊技状態に移行しても低入賞モードであれば入球可能性が低いため、遊技球発射手段を操作しても得られる賞球が少ないことに起因する。このようにすることで、例えば報知された期間に合わせて用事を済ませて戻ってみると特典をほとんど得られない、といった不条理を回避させることが可能となる。
特徴9.前記遊技回制御手段は、各遊技回において、前記特別情報に基づいて、前記遊技回用動作が行われる場合の動作態様を決定する態様情報決定手段(主制御装置81における変動開始処理を実行する機能)を備え、各遊技回の前記遊技回用動作が行われる場合、前記態様情報決定手段が決定した動作態様で前記遊技回用動作を行わせるものであり、
前記先判定手段は、前記態様情報決定手段により決定される前記動作態様が予め定められた特定態様(例えばスーパーリーチA)となる前記特別情報を前記特定結果と判定する手段(演出制御装置82におけるステップS1905,S1906の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴4乃至8のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は、操作手段を操作することにより、特定態様となる遊技回用動作までの期間を把握することができる。例えば特定態様が、プレミア演出や好きなキャラクタの演出として設定されている場合などにおいては、遊技者としてはその演出が行われるよりも前に他の用事を済ませておきたくなることもあり、それまでの期間を把握可能とすることにより、遊技者の多様なニーズに良好に応じることが可能となる。
特徴10.前記動作期間決定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の数に応じて異なる動作期間が定められている動作期間情報群(リーチ非発生変動表示時間テーブル)に基づいて、前記動作期間を決定する記憶数対応動作期間決定手段(主制御装置81におけるリーチ非発生用変動表示時間テーブルに基づいて変動表示時間を決定する手段)を備え、
前記先動作期間特定手段は、特定対象となっている前記特別情報が前記記憶数対応動作期間決定手段により前記動作期間が決定されるものである場合、その特定時点における前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の数にかかわらず、仮の動作期間を特定する仮特定手段(演出制御装置82における変動表示時間の把握処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴3乃至9のいずれか1に記載の遊技機。
取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数に応じて異なる動作期間が決定される特別情報については、先動作期間特定手段による特定時点から特別情報の数が増加する可能性がある。そこで、上記構成のように、仮の動作期間を特定することで、その後に変動する可能性のある動作期間の特定ができなくなることにより、例えば特別報知が行われない、といった不都合を回避することができる。
特徴11.前記仮特定手段は、前記仮の動作期間を特定した場合、実行中の前記特別報知を、その後に前記記憶数対応動作期間決定手段により決定される動作期間として修正する修正手段(演出制御装置82におけるステップS1805〜S1808の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴10に記載の遊技機。
上記構成によれば、仮の動作期間として行われた特別報知は、その後に正確な動作期間の特別報知に修正される。よって、遊技者は、正確な期間を把握することができる。
特徴12.前記修正手段は、前記取得情報記憶手段に前記特別情報が取得された時点で、既に前記仮特定手段により特定対象となった前記特別情報について前記動作期間として前記特別報知を修正するものであることを特徴とする特徴11に記載の遊技機。
上記構成によれば、記憶数対応動作期間決定手段による動作期間の決定が行われるよりも前のタイミングで、正確な動作期間として特別報知を修正する。これにより、遊技者が席を立った後に特別報知が修正されて、その修正を遊技者が見逃してしまう、といった不都合を回避させることができる。
特徴13.前記取得情報記憶手段に記憶されている所定の特別情報が前記付与判定の対象となった場合における判定結果に対応する情報を、当該所定の特別情報が前記付与判定の対象となるよりも前のタイミングにおいて特定する先結果特定手段(演出制御装置82におけるステップS1605,S1606,S1609の処理を実行する機能)を備え、
前記特別報知制御手段は、前記先結果特定手段による特定結果と、実行中の前記遊技回における前記付与判定の判定結果と、のうちのいずれもが前記付与対応結果ではない場合には、その旨を特別報知として報知可能とする第2報知手段を備えていることを特徴とする特徴1乃至12のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、遊技者は、操作手段を操作することにより、取得情報記憶手段に記憶されている特別情報を含めて、付与対応結果ではないことを把握することができる。すなわち、操作手段を操作した時点で、実行中の遊技回、及び記憶されている特別情報によっては特典を得ることができないことを把握することができる。これにより、遊技を中止したい場合には心おきなく中止することができる。一方で、このような演出を操作手段による操作を契機とすることで、その演出を見たくない遊技者は操作手段を操作しなければよいことになる。よって、遊技者の多様なニーズに好適に応じることができる。
特徴14.前記第2報知手段は、前記特別報知を実行中に前記情報取得手段により前記特別情報が取得されたことに基づいて、当該実行中の特別報知を終了させる終了手段(演出制御装置82におけるステップS1809,S1810の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴13に記載の遊技機。
新たに取得された特別情報については、遊技者の操作後(特別報知の実行後)に取得されたものであるため、当該新たな特別情報に関しては遊技者の先報知の意思表示がなされていないといえる。また、新たに取得された特別情報が付与判定結果であった場合、実行中の特別報知の内容と矛盾が生じる。そこで、上記構成のように、実行中の特別報知を終了させることで、遊技者の意思表示がなされていない特別情報についてまで報知されてしまう不都合を回避し、また、実行中の特別報知に生じ得る矛盾を回避することができる。
特徴15.前記第2報知手段は、前記終了手段により前記特別報知を終了した契機となった前記特別情報が、前記付与対応結果に対応するものである場合には、前記終了手段により前記特別報知を終了後、前記操作手段の操作を促す操作指示を前記報知手段又はそれとは異なる報知手段にて実行する手段(演出制御装置82におけるステップS1811,S1812の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴14に記載の遊技機。
上記構成によれば、新たに取得された特別情報が付与対応結果に対応するものである場合、特別報知の終了後に、再び特別報知が行われるように操作手段の操作指示が行われる。これにより、付与対応結果が含まれないとする特別報知を見た遊技者が、新たに特別情報が取得され、それが付与対応結果に対応するものであるのにもかかわらず、席を離れてしまうことを抑制することができる。
特徴16.前記別の報知手段とは、遊技者又は遊技ホールの管理者が有する携帯端末(携帯端末P)であり、
前記特別報知制御手段は、前記特別報知に関する情報を前記携帯端末に対して出力して当該携帯端末にて前記特別報知を報知可能とするものであることを特徴とする特徴1乃至15のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、未確定の情報を携帯端末を通じて報知可能とすることで、その携帯端末を有する遊技者又は遊技ホールの管理者のみがその情報を把握することが可能となる。よって、周りの遊技者に知られることなくその情報を利用して何らかの行動を行うことができる。何らかの行動とは、例えば、未確定の情報が遊技結果(付与判定の結果)に対応する情報であってその結果が付与対応結果であれば、周りの遊技者に知られることなく先に優越感に浸ることができるであろうし、また付与対応結果ではなければ、遊技回用動作を見る前に遊技機から離れる(他の遊技機に移動する又は遊技を終了する)ことも可能となる。また例えば、未確定の情報が動作期間に対応する情報であれば、その期間を利用して席を外したり心の準備を行ったりすることも可能となる。よって、遊技者の多様なニーズに好適に応じることが可能となる。
特徴17.前記操作手段が操作されたことが前記操作特定手段により特定された場合であっても、前記特別報知制御手段による前記特別報知を制限する規制手段(演出制御装置82におけるステップS1603,S1903の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴1乃至16のいずれか1に記載の遊技機。
上記構成によれば、例えば遊技者が意図せず操作手段を操作してしまったりした場合など、未報知の情報を遊技者が知りたくないのに操作してしまった場合や、特別報知を行うと演出の都合上矛盾が生じるなど不都合が発生する場合に、特別報知を制限することができる。
特徴18.遊技者により操作されることに基づいて遊技球を遊技領域へ向けて発射する遊技球発射手段(発射ハンドル54、遊技球発射機構53)と、
前記遊技領域に設けられ、遊技球が入球可能な入球部(上作動口33、下作動口34)と、
を備え、
前記情報取得手段は、前記入球部へ遊技球が入球したことに基づいて前記特別情報を取得するものであり、
前記規制手段は、前記遊技球発射手段が操作されている状況で前記操作手段が操作された場合に、前記特別報知制御手段による前記特別報知を規制するものであることを特徴とする特徴17に記載の遊技機。
上記構成によれば、特別情報が更に取得され得る状況では特別報知が規制される。これにより、特別報知が行われた後に特別情報が取得され、特別報知の内容に矛盾が生じる不都合を抑制することができる。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(発射ハンドル54)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構53)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(レール部51,52)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口31等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。