JP5712832B2 - タワーボイラの建造工法 - Google Patents

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Description

本発明は、タワーボイラの建造工法に関する。
従来のボイラとしては、高温ガスの対流伝熱によって流体を加熱する部分(接触伝熱面)を、火炉の後側に配置したものが一般的である。これに対してタワーボイラは、接触伝熱面を火炉の上側に配置するようにしたもので、接触伝熱面が火炉の後側に配置されている従来のボイラに比べ、設置スペースが約20%程度少なくなり、したがって据付場所の制約を受けるような場合に好適とされている。
このようなタワーボイラは、柱間に形成されたボイラ架構に、吊部材を介してボイラ本体が吊り下げられて支持された構造となっている。
このタワーボイラの建造において、前記ボイラ架構を建造する際には、複数の主柱を立設し、該各主柱の上端を連結するよう天井大梁を配設し、この天井大梁に設けたジャッキによって鉄骨のフロアブロックを順次吊り上げて行くとともに、現地において、フロアブロックの内部に配管、ダクト、並びに補機等の必要機材を搬入して組み込むようにし、これによって主柱間における壁面を形成するようにしている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開昭58−24045号公報 特開2002−98304号公報
ところで、このようにしてボイラ架構を建造した後、さらにボイラ本体を設置する必要上、ボイラ架構には、ボイラ本体を形成するための構造材を搬入する搬入口や、これら構造材の吊上げのためのスペースを確保する必要がある。そのため、例えばボイラ架構を最終形態にまで完成させることなく、その下部に搬入口を設けておき、この搬入口を利用してボイラ架構内にボイラ本体を据え付けた後、ボイラ架構を最終形態に完成させるようにする。その場合、ボイラ架構を最終形態に完成させる際には、搬入口に鉄骨等の構造材を個別に(バラで)組み付けて、現場で下部フロアを組み立てている。
しかしながら、現場での下部フロアの組み立てでは、既設のフロアブロック間が狭く、クレーンが既設フロアブロックの鉄骨等に干渉してしまうため、クレーンの使用が著しく制限される。そのため、下部フロアの組み立ての効率化が困難であり、この下部フロアの組み立て工程が全体の工期短縮やコストダウンを損なう結果となっている。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、ボイラ架構の下部に設けた搬入口に下部フロアを組み込付ける工程を効率化し、全体の工期短縮やコストダウンを可能にした、タワーボイラの建造工法を提供することにある。
本発明のタワーボイラの建造工法は、四本の主柱を前後左右に間隔をあけて立設する工程と、
前記主柱の上端を連結する天井大梁を配設する工程と、
前記主柱間における前後左右の壁面をそれぞれ形成する鉄骨ユニットを、それぞれ上下方向にて複数に分割してブロック化したフロアブロックを形成する工程と、
前記天井大梁に設置したジャッキにより、前記前後左右の壁面のうちの三つの壁面について、その最上部に設置されるフロアブロックから最下部に設置されるフロアブロックまでを順次吊り上げつつ、上下に配置されるフロアブロック間を順次連結して、前記三つの壁面を形成する鉄骨ユニットを形成する工程と、
前記天井大梁に設置したジャッキにより、前記前後左右の壁面のうちの残りの一つの壁面について、その最上部に設置されるフロアブロックから最下部に設置されるフロアブロックの直上に設置されるフロアブロックまでを順次吊り上げつつ、上下に配置されるフロアブロック間を順次連結して、前記一つの壁面を形成するための仮鉄骨ユニットを、その下に開口を設けた状態に形成する工程と、
前記開口からボイラ本体を形成するための構造材を搬入し、ボイラ本体を形成する工程と、
ボイラ本体を形成した後、前記開口に最下部フロアブロックを組み込み、該最下部フロアブロックをジャッキによって押し上げ、直上に位置するフロアブロックに連結して前記一つの壁面を形成する鉄骨ユニットを形成する工程と、を備えることを特徴とする。
また、タワーボイラの建造工法において、前記最下部フロアブロックを押し上げるためのジャッキは、PCストランドを吊り具として用いるのが好ましい。
本発明のタワーボイラの建造工法によれば、搬入口となる開口に最下部フロアブロックを組み込み、該最下部フロアブロックをジャッキによって押し上げ、直上に位置するフロアブロックに連結するようにしたので、予め工場等で組み立てた最下部フロアブロックを、クレーンを用いることなくジャッキによって効率的に組み付け、ボイラ架構を完成させることができる。したがって、全体の工期短縮やコストダウンを図ることができる。
本発明に係るタワーボイラの概略構成を示す模式図である。 本発明に係るボイラ架構の一例を模式的に示す斜視図である。 本発明の一実施形態における、前後壁面のフロアブロックの組付手順を表わす斜視図である。 本発明の一実施形態における、左右壁面のフロアブロックの組付手順を表わす斜視図である。 本発明に用いられるジャッキの一例を示す側断面図である。 図5に示したジャッキのグリッパを示す斜視図である。 本発明の一実施形態における、最下部フロアブロックの組み込みを示す斜視図である。 本発明の一実施形態における、最下部フロアブロックの押し上げを説明するための要部側面図である。
以下、本発明のタワーボイラの建造工法の実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
図1は、本発明の建造工法によって得られるタワーボイラを模式的に示す側面図であり、図1中符号1はタワーボイラ、2はボイラ架構、10はボイラ本体である。ボイラ本体10は、吊り部材10aを介してボイラ架構2に吊り下げられ、支持された構造となっている。
ボイラ架構2、すなわち最終的に形成されて得られるボイラ架構2は、図2に示すように、前後左右に所定の間隔をあけて立設された四本の主柱3と、該主柱3の上端を連結するように配設された天井大梁4と、前記主柱3間における前後左右の壁面をそれぞれ形成する鉄骨ユニット5と、を備えて形成されている。ボイラ架構2の各壁面となる鉄骨ユニット5は、これを形成するための複数のフロアブロック6、すなわち、該鉄骨ユニット5をその上下方向(鉛直方向)に複数分割して形成されたフロアブロック6によって形成されている。
このような構成のボイラ架構2を備えるタワーボイラ1を建造するには、まず、図3(a)に示すように鉄筋コンクリート製の四本の主柱3を前後左右に所定間隔をあけて立設する。
次に、該各主柱3の上端を連結するよう天井大梁4を配設し、該天井大梁4にジャッキ7を設置し固定する。
また、これとは別に、前記鉄骨ユニット5を形成するための、略直方体状のフロアブロック6を、工場等の現場以外の場所で組み立てておき、これをトラック等によって現場に搬送しておく。なお、フロアブロック6としては、その内部に、配管、ダクト、補機等の必要機材を適宜組み込んだ状態に形成しておく。
次いで、図3(a)〜(h)に示すように前記天井大梁4に設置したジャッキ7により、PCストランド8を吊り具として前後の壁面の最上部に設置されるフロアブロック6を地上から所要量だけ吊り上げる。そして、このフロアブロック6に対して、その直下に設置されるフロアブロック6を地上付近で組み付け、連結する。以下、同様に、フロアブロック6の吊り上げとその下に設置されるフロアブロック6の地上付近での組み付けを順次繰り返すことにより、前後壁面の鉄骨ユニット5を形成し、該鉄骨ユニット5を主柱3に固定する。
すなわち、前後壁面においてその最上部に設置されるフロアブロック6から最下部に設置されるフロアブロック6までを順次吊り上げつつ、上下に配置されるフロアブロック6、6間をボルト止めや溶接などによって順次連結し、前記前後壁面を形成する鉄骨ユニット5を形成する。
なお、前記主柱3の所要箇所には、予め連結用の鉄骨(図示せず)やブラケット(図示せず)が埋め込まれており、該鉄骨やブラケットに対して鉄骨ユニット5の対応箇所に予め設けたブラケット等の固定部材(図示せず)をボルト止めあるいは溶接することにより、主柱3に対して鉄骨ユニット5の固定を行う。
また、前記天井大梁4に設置したジャッキ7により、左右壁面のうちの一方の壁面についても、図3(a)〜(h)に示した方法で鉄骨ユニット5を形成する。すなわち、左右壁面のうちの一方の壁面についても、その最上部に設置されるフロアブロック6から最下部に設置されるフロアブロック6までを順次吊り上げつつ、上下に配置されるフロアブロック6、6間をボルト止めや溶接などによって順次連結し、前記一方の壁面を形成する鉄骨ユニット5を形成する。また、主柱3に対しても、前後壁面の場合と同様にして、鉄骨ユニット5の固定を行う。以上により、前後左右の壁面のうちの三つの壁面について、それぞれの壁面を形成する鉄骨ユニット5を形成する。
次いで、左右壁面のうちの他方の壁面、すなわち前後左右の壁面のうちの残りの一つの壁面について、前記天井大梁4に設置したジャッキ7により、図4(a)〜(h)に示すように、その最上部に設置されるフロアブロック6から最下部に設置されるフロアブロックの直上に設置されるフロアブロック6までを順次吊り上げつつ、上下に配置されるフロアブロック6、6間をボルト止めや溶接などによって順次連結して、前記残りの一つの壁面を形成するための仮鉄骨ユニット5aを、その下に開口9を設けた状態に形成する。すなわち、仮鉄骨ユニット5aの下端と地表と間に、搬入口として機能可能な大きさの開口9を形成する。なお、主柱3に対しても、他の壁面の場合と同様にして、仮鉄骨ユニット5aの固定を行う。
ここで、前記PCストランド8は、PC鋼材の一種であり、PC鋼線が縒られて形成された、太さ20〜35mm程度のものである。したがって、引っ張り強度に優れているものの、可撓性が非常に低く、ほとんど撓まないものとなっている。
前記ジャッキ7は、図5に示すように上下方向へ伸縮可能に配設されるジャッキ本体20と、その下端に一体に取り付けられて、PCストランド8を把持・開放可能とする下部グリッパ装置21と、前記ジャッキ本体20のロッド20a上端に一体に取り付けて、PCストランド8を把持・開放可能とする上部グリッパ装置22と、を備えて構成されている。そして、下部グリッパ装置21が天井大梁4上に設置され、固定されることにより、ジャッキ7は天井大梁4上に設置固定される。
前記下部グリッパ装置21および上部グリッパ装置22は、それぞれアンカプレート23を有しており、該アンカプレート23の中心部に下方へ向け漸次内径が縮小するテーパ孔24を穿設し、該テーパ孔24に、周方向へ複数分割されて上部がOリング25で束ねられ、且つ中心部をPCストランド8が挿通されるグリッパ26を嵌入している。
前記アンカプレート23の上面には、PCストランド8が貫通するキャップ状のプレッシャプレート27が、前記グリッパ26の上部を覆うように固定されている。該プレッシャプレート27とグリッパ26との間には、グリッパ26を下方へ付勢してテーパ孔24に押し付ける圧縮バネ等の弾性部材28が設けられている。
前記プレッシャプレート27の周囲におけるアンカプレート23上には、ロッド29aがアンカプレート23を貫通して下方へ延びる複数のミニジャッキ29が配設されている。該ミニジャッキ29のロッド29a下端には、PCストランド8が貫通し且つグリッパ26下面に当接可能なリリースプレート30が取り付けられている。該リリースプレート30とアンカプレート23下面との間には、リリースプレート30を下方へ付勢してグリッパ26下面から離間した状態に保持するための、圧縮バネ等の弾性部材31が設けられている。
なお、前記下部グリッパ装置21のアンカプレート23は、天井大梁4上に固定されており、また、前記上部グリッパ装置22におけるリリースプレート30には、ジャッキ本体20のロッド20aが貫通する孔32が穿設されている。
前記グリッパ26は、図6に示すように、中心部にPCストランド8を挿通するための挿通孔33を有し、且つ、下方へ向けて漸次外径が縮小する逆円錐台形状の部材を周方向へ複数(図6の例では三個)のブロック34に分割し、各ブロック34の上部外周に前記Oリング25が嵌入される凹溝35を形成して構成されている。
前記下部グリッパ装置21および上部グリッパ装置22にあっては、それぞれ、図5に示すように複数のミニジャッキ29をフリーとし、リリースプレート30を圧縮バネ等の弾性部材31の付勢力によってグリッパ26下面から離間させた状態では、圧縮バネ等の弾性部材28の付勢力によってグリッパ26が下方へ付勢され、テーパ孔24に押し付けられる。すると、該グリッパ26の各ブロック34は、その楔効果によってPCストランド8の挿通孔33を収縮させる形となり、これによってPCストランド8は、グリッパ26に把持される。
一方、前記複数のミニジャッキ29を収縮させ、リリースプレート30を圧縮バネ等の弾性部材31の付勢力に抗してグリッパ26下面に当接させ、さらに圧縮バネ等の弾性部材28の付勢力に抗してグリッパ26を押し上げると、該グリッパ26はテーパ孔24から浮き上がる。すると、その各ブロック34がPCストランド8の挿通孔33を拡張させる形となり、これによってPCストランド8は開放される。
このような構成のもとに、前記ジャッキ7によってPCストランド8を介してフロアブロック6を吊り上げる際には、図5に示すように下部グリッパ装置21と上部グリッパ装置22とによってPCストランド8を把持した状態から、下部グリッパ装置21によるPCストランド8の把持を開放し、その後、ジャッキ本体20をストローク分だけ伸長させる。すると、図5中二点鎖線で示すようにPCストランド8が上部グリッパ装置22に把持されたまま引き上げられる。その後、前記下部グリッパ装置21によって再びPCストランド8を把持し、続いて前記上部グリッパ装置22によるPCストランド8の把持を開放する。そして、ジャッキ本体20をストローク分だけ収縮させ、その後前記上部グリッパ装置22によって再びPCストランド8を把持する。以下、前述と同様の操作を繰り返すことにより、PCストランド8の引き上げを断続的に行うことができる。
なお、このような構成のジャッキ7は、複数が天井大梁4に設置され、それぞれがPCストランド8を介してフロアブロック6を同時に吊り上げるようになっている。また、これらジャッキ7は、図示しない制御部に接続されており、該制御部によってその動作が制御されるようになっている。
このようにして、前後左右の壁面のうちの三つの壁面を鉄骨ユニット5で形成するとともに、残りの一つの壁面については、その下に開口9を設けた状態に仮鉄骨ユニット5aを形成したら、前記開口9を搬入口として、ここからボイラ本体10を形成するための構造材を搬入する。構造材としては、特に限定されないものの、ボイラ本体10を予め工場等で分割し、ブロック化したものが用意される。具体的には、節炭器、低温側再熱器、低温側過熱器、高温側再熱器、高温側過熱器、ハンガーチューブ過熱器などを構成する各ブロック(図示せず)が搬入される。
そして、これらブロックを、例えば前記ジャッキ7によって順次吊り上げつつ上下のブロック間を連結する。最終的には、図1に示した吊り材部材10aによってボイラ本体10をボイラ架構2に吊り下げ、支持させる。なお、ここでいうボイラ架構2は、前記開口9が残されているため、最終形態としてのボイラ架構2とはなっていない。ただし、開口9はボイラ架構2全体からすれば僅かである。したがって、このボイラ架構2は、強度的には最終形態としてのボイラ架構2とほとんど変わらない。
このようにしてボイラ本体10を形成したら、ボイラ架構2を最終形態に完成させるべく、まず、図7に示すように、前記開口9内に最下部フロアブロック6aを配置する(組み込む)。最下部フロアブロック6aとしては、他のフロアブロック6との同様、工場等で予め組み立てて移送してきたものを用いる。そして、この最下部フロアブロック6aを、その直上に位置するフロアブロック6に連結するべく、図8に示すように、該フロアブロック6と前記最下部フロアブロック6aとの間にPCストランド8を取り付けるとともに、最下部フロアブロック6aにジャッキ7を取り付ける。
ここで、ジャッキ7は、図5に示した構造と同じ構造のものであるが、図5に示した場合とは逆にして用いる。すなわち、本実施形態では、図8に示すように最下部フロアブロック6aの鉄骨柱6bに取り付けたジャッキ受け材60に対して、その下面側にジャッキ7を取り付ける。その際、図5に示した下部グリッパ装置21のアンカプレート23を、ボルト等(図示せず)によってジャッキ受け材60の下面に取り付ける。また、上部グリッパ装置22が下部グリッパ装置21より下方に位置するように、ジャッキ7を配置する。これにより、図8に示した状態では、図5に示した状態に対し、ジャッキ7の上下方向の向きが逆に設置される。
このジャッキ7には、図5に示した場合と同様にPCストランド8を通しておき、さらにこのPCストランド8の一端側を、図8に示す直上のフロアブロック6の鉄骨柱6bに取り付けた固定材61に、固定具62によって固定する。なお、ジャッキ受け材60や固定材61には、予めPCストランド8を通すための孔(図示せず)をあけておき、これら孔にPCストランド8を通すことにより、該PCストランド8を介して最下部フロアブロック6aとその直上のフロアブロック6とを繋ぐ。
ここで、ジャッキ7の取り付けにあたっては、鉄骨柱6bに対してその対角線上の両側に延出するようにジャッキ受け材60を設けておき、延出したそれぞれの側に、ジャッキ7を取り付ける。これにより、鉄骨柱6bに対して偏って荷重がかからないようになっている。また、このようなジャッキ受け材60を、例えば最下部フロアブロック6aに6箇所設けておき、したがってジャッキ7を合計12台、取り付けるようにする。直上のフロアブロック6に設ける固定材61についても、ジャッキ受け材60に対応して同じ場所に同じ数、設けるようにする。
なお、前記開口9の高さは例えば10〜18m程度、最下部フロアブロック6aの高さは2〜4m程度であり、したがって地上に置いた最下部フロアブロック6aをその直上のフロアブロック6に連結するためには、最下部フロアブロック6aを6〜15m程度押し上げる(持ち上げる)必要がある。
ジャッキ7によって最下部フロアブロック6aを押し上げるには、図5に示した状態のジャッキ7と同様に動作させる。すなわち、初期状態として、ジャッキ本体20を収縮させておく。その際、下部グリッパ装置21によるPCストランド8の把持を開放しておくとともに、上部グリッパ装置22によってPCストランド8を把持しておく。
続いて、ジャッキ本体20をストローク分だけ伸長させる。すると、PCストランド8の上端側はフロアブロック6の固定材61に固定され、下端側はジャッキ7の上部グリッパ装置22に把持固定されていることから、ジャッキ本体20がストローク分伸長することにより、これの上に配置された下部グリッパ装置21がこれに接続したジャッキ受け材60をストローク分(例えば40cm)押し上げる。なお、このようなジャッキ7の動作は、基本的には全ての(12台の)ジャッキ7を同一に動作させる。
このようにして最下部フロアブロック6aをジャッキ本体20のストローク分押し上げたら、下部グリッパ装置21によってPCストランド8を把持し、続いて上部グリッパ装置22によるPCストランド8の把持を開放する。そして、ジャッキ本体20をストローク分だけ収縮させ、その後上部グリッパ装置22によって再びPCストランド8を把持する。これにより、上部グリッパ装置22によるPCストランド8の把持位置が上側に移り、その分、上部グリッパ装置22から垂れ下がるPCストランド8の長さが長くなる。
次いで、下部グリッパ装置21によるPCストランド8の把持を再度開放し、以下、前述と同様の操作を繰り返すことにより、最下部フロアブロック6aの押し上げを断続的に行う。
このようにして最下部フロアブロック6aを断続的に押し上げる際、その押し上げ速度は最高で毎時1m程度であるので、最下部フロアブロック6aを傾けることなく、また水平方向に位置ずれさせることなく、全体を均等に押し上げることができる。なお、最下部フロアブロック6aが傾いたり位置ずれしたりした際には、ジャッキ7の制御部によってジャッキ7の動作を停止させ、あるいは一部のジャッキ7の動作を停止させることにより、傾きや位置ずれを容易に直すことができる。
このようにして最下部フロアブロック6aを所定位置まで押し上げ、フロアブロック6に近接させ、または当接させたら、先に行ったフロアブロック6、6間の連結と同様に、ボルト止めや溶接などによってフロアブロック6に最下部フロアブロック6aを連結する。また、主柱3に対しても、前記鉄骨ユニット5や仮鉄骨ユニット5aの場合と同様にして固定する。
なお、このようなボルト止めや溶接などによる連結作業を行う際には、これに先だって、ジャッキ7の上部グリッパ装置22から垂れ下がっているPCストランド8を、例えば最下部フロアブロック6aの下側に垂れ下がっている部分について切断しておく。これにより、最下部フロアブロック6aの下側の空間を広く利用することができ、前記連結作業に用いる資材の搬入などの作業を円滑に行うことができる。
フロアブロック6に最下部フロアブロック6aを連結した後、ジャッキ7やジャッキ受け材60、固定材61、残ったPCストランド8などを除去することにより、仮鉄骨ユニット5aを鉄骨ユニット5に完成させ、これによって前後左右の壁面を形成する鉄骨ユニット5を全て形成し、ボイラ架構2を完成する。これにより、タワーボイラを建造することができる。
ここで、本実施形態では図8に示したように、最下部フロアブロック6aにジャッキ7を設け、PCストランド8を下側に垂れ下げた状態で、最下部フロアブロック6aを押し上げるようにしている。これは、直上のフロアブロック6にジャッキ7を設け、このジャッキ7によって図5に示した場合と同様にして最下部フロアブロック6aを吊り上げようとすると、PCストランド8がフロアブロック6を構成する鉄骨等に干渉してしまい、作業が困難になるからである。
すなわち、PCストランド8はジャッキ7の動作によってジャッキ7の上側(上部グリッパ装置22側)に伸び出るが、このPCストランド8は前述したように可撓性に乏しいため、上側に伸び出た部分がフロアブロック6を構成する鉄骨等に干渉しないよう、撓ませることができないからである。よって、本実施形態ではジャッキ7を最下部フロアブロック6aに設け、PCストランド8を最下部フロアブロック6aから下側に垂れ下げるようにし、PCストランド8が既設の構成要素に干渉するのを防止することで、作業を円滑に行えるようにしている。
以上説明したように、本実施形態のタワーボイラの建造工法にあっては、搬入口となる開口9に最下部フロアブロック6aを組み込み、該最下部フロアブロック6aをジャッキ7によって押し上げ、直上に位置するフロアブロック6に連結するようにしたので、予め工場等で組み立てた最下部フロアブロック6aを、クレーンを用いることなくジャッキ7によって効率的に組み付け、ボイラ架構2を完成させることができる。したがって、全体の工期短縮やコストダウンを図ることができる。
また、最下部フロアブロック6aを押し上げるためのジャッキ7として、強度の高いPCストランド8を吊り具とするものを用いているため、最下部フロアブロック6aをより安全に押し上げることができる。さらに、可撓性の低いPCストランド8を用いるものの、これが既設の構成要素に干渉されることなく、作業を円滑に行うことができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、前記実施形態では、開口を形成する壁面を、左右壁面のうちの他方の壁面としたが、前後壁面のうちの一方の壁面としてもよい。
1…タワーボイラ、2…ボイラ架構、3…主柱、4…天井大梁、5…鉄骨ユニット、5a…仮鉄骨ユニット、6…フロアブロック、6a…最下部フロアブロック、7…ジャッキ、8…PCストランド、9…開口、10…ボイラ本体

Claims (2)

  1. 四本の主柱を前後左右に間隔をあけて立設する工程と、
    前記主柱の上端を連結する天井大梁を配設する工程と、
    前記主柱間における前後左右の壁面をそれぞれ形成する鉄骨ユニットを、それぞれ上下方向にて複数に分割してブロック化したフロアブロックを形成する工程と、
    前記天井大梁に設置したジャッキにより、前記前後左右の壁面のうちの三つの壁面について、その最上部に設置されるフロアブロックから最下部に設置されるフロアブロックまでを順次吊り上げつつ、上下に配置されるフロアブロック間を順次連結して、前記三つの壁面を形成する鉄骨ユニットを形成する工程と、
    前記天井大梁に設置したジャッキにより、前記前後左右の壁面のうちの残りの一つの壁面について、その最上部に設置されるフロアブロックから最下部に設置されるフロアブロックの直上に設置されるフロアブロックまでを順次吊り上げつつ、上下に配置されるフロアブロック間を順次連結して、前記一つの壁面を形成するための仮鉄骨ユニットを、その下に開口を設けた状態に形成する工程と、
    前記開口からボイラ本体を形成するための構造材を搬入し、ボイラ本体を形成する工程と、
    ボイラ本体を形成した後、前記開口に最下部フロアブロックを組み込み、該最下部フロアブロックをジャッキによって押し上げ、直上に位置するフロアブロックに連結して前記一つの壁面を形成する鉄骨ユニットを形成する工程と、を備えることを特徴とするタワーボイラの建造工法。
  2. 前記最下部フロアブロックを押し上げるためのジャッキは、PCストランドを吊り具として用いることを特徴とする請求項1記載のタワーボイラの建造工法。
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