JP2006162137A - 吊り下げ式ボイラの据付方法と据付構造 - Google Patents

吊り下げ式ボイラの据付方法と据付構造 Download PDF

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Tadayoshi Inoue
忠義 井上
Kazuki Tatsuhira
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Abstract

【課題】ボイラ耐圧部のブロックをボイラ耐圧部設置位置内へ搬入する際に、ブロックのサイズに制限されることなく、据付工数の低減、工程を短縮したボイラ支持鉄骨の骨組構造及びその組立方法を提供すること。
【解決手段】ボイラ耐圧部を構成する火炉周壁パネルと伝熱管を含む部材を一体化した伝熱管ブロック6を鉄骨構造1の内部へ開口部Aから搬入した後に、前記開口部Aに鉄骨柱3aと大梁4aを取り付ける吊り下げ式ボイラの据付方法である。このとき鉄骨柱3aと大梁4aを取り付ける前の前記開口部Aが分担すべき強度を有する鉄骨柱3と大梁4と鉄骨柱3と大梁4の間に取り付けられる斜材(ブレース)11を前記開口部Aに隣接する鉄骨構造1の部分に配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、吊り下げ式ボイラのボイラ耐圧部支持用の鉄骨構造への据付方法に係り、大型ブロックの据え付けに適した吊り下げ式ボイラの据付方法と据付構造に関する。
従来の吊り下げ式の大型ボイラ火炉とそれを支持する鉄骨構造を図11の平面図と図12の側面図に示す。
ボイラ火炉20は鉄骨柱3と大梁4とからなる鉄骨構造に吊り下げ支持されている。また、ボイラ火炉20の後部伝熱部には横置きの伝熱管群6’が配置されるが、該伝熱管群6’は鉄骨構造1により吊り下げ支持される。従来のボイラ火炉20の天井梁21を介して鉄骨構造1の大梁4により吊り下げ支持される大型伝熱管群6’の鉄骨構造1への据付は、次のような手順で行われる。
まず、火炉20の支持用鉄骨構造1のうちの鉄骨柱3と大梁4を最上節まで組立て、その鉄骨柱3と大梁4に天井梁21を組み立てる。その後、順次ボイラ火炉20を構成する火炉本体、周壁パネル、伝熱管等の耐圧部品を吊り上げ位置に搬入し、大型クレーン等で吊り上げて所定の位置に設置する。
しかし、近年はボイラ耐圧部をブロック化することにより、前記耐圧部の吊り上げ回数を減少させたり、据付現地でのボイラ耐圧部の溶接作業等を減少させることで火炉据付時間の短縮、安全性の向上、経済性の改善等が行われている。
前記ボイラ耐圧部のブロックを鉄骨構造1に据え付ける工法として、前記耐圧部ブロックを吊り上げ位置まで搬入し、当該ブロックと天井梁21とを連絡する吊りロッドを介して油圧ジャッキで吊り上げる工法がある(例えば、特許文献1)。
特許文献1記載の方法は、耐圧部ブロックを天井梁21の下で組み立てて、天井梁21に据え付けた後、一気に吊り上げる方法を採用しているが、その他に工場で予め製造した大型ブロックを天井梁21の下に搬入した後で天井梁21に据え付ける方法もあり、この方法の場合には、大型ブロックを搬入する位置は、複数の鉄骨柱3のスパン間となる。前記鉄骨柱3のスパンは、最大で13メートル程度である。一方、ボイラの耐圧部ブロックの火炉周壁パネルの幅、すなわち、四辺を周壁パネルで構成された直方体の一辺は事業用等では30メートル程度のものがあり、耐圧部ブロックは前記鉄骨柱3のスパン寸法より狭くする必要があることから耐圧部ブロック全体を鉄骨柱3のスパンに設けた開口部から挿入することは行われていなかった。
また、下記特許文献2には、吊下げ式ボイラ火炉を上下に分割した構成として鉄骨構造へ据え付ける方法が開示されている。
すなわち、ボイラ耐圧部の中の上部ボイラ耐圧部ブロックを鉄骨柱の中間部まで構築した段階で、その鉄骨柱に仮に取り付けておき、他方の下部ボイラ耐圧部ブロックを地上側で組み立てる。該下部ボイラ耐圧部ブロックを地上側で組み立てる作業に並行して全ての鉄骨柱を完工して、上部ボイラ耐圧部ブロックを天井梁に吊り上げ、下部ボイラ耐圧部ブロックを上昇させて最終的に上部ボイラ耐圧部ブロックと一体化させる方法である。
特開平7−19404号公報 特開平7−91603号公報
前記従来技術は、吊下げ式ボイラ火炉のボイラ耐圧部のブロックを鉄骨構造の内側の吊上げ梁の真下へ搬入するに際して鉄骨構造のフレーム組立手順において、鉄骨柱と大梁を外して前記ボイラ耐圧部のブロックを搬入した後に、前記鉄骨柱と大梁を再度組み立てようとしても、鉄骨柱と大梁を外した鉄骨構造のフレームが据え付け済みのボイラ耐圧部の質量を支持する強度を有する骨組構成になっていないために、鉄骨柱等のフレームを外すこと、即ち後組立とすることができず、前記ボイラ耐圧部のブロックの大きさを鉄骨柱のスパンより狭くしなければならない欠点があった。
本発明の課題は、ボイラ耐圧部のブロックをボイラ耐圧部設置位置内へ搬入する際に、ブロックのサイズに制限されることなく、据付工数の低減、工程短縮が可能な吊り下げ式ボイラの据付方法と据付構造を提供することにある。
本発明の上記課題は、次の解決手段により解決される。
請求項1記載の発明は、ボイラ支持用の鉄骨柱と大梁とからなる鉄骨構造により吊り下げ支持された吊り下げ式ボイラの据付方法において、ボイラ耐圧部を構成する火炉周壁パネルと伝熱管を含む部材を一体化した伝熱管ブロックを鉄骨構造の内部へ搬入可能な大きさの開口部を鉄骨構造に設け、前記伝熱管ブロックを鉄骨構造の内部へ搬入した後に、前記開口部に鉄骨柱と大梁を取り付ける吊り下げ式ボイラの据付方法である。
請求項2記載の発明は、鉄骨柱と大梁を取り付ける前の前記開口部が分担すべき強度を有する鉄骨柱と大梁と鉄骨柱と大梁の間に取り付けられる斜材を前記開口部に隣接する鉄骨構造部分に配置する請求項1記載の吊り下げ式ボイラの据付方法である。
請求項3記載の発明は、前記開口部に鉄骨柱と大梁を取り付けるに際しては、該開口部の上部の既設の鉄骨柱を持ち上げておき、その鉄骨柱の下に開口部用の鉄骨柱と大梁を挿入して組み立てる請求項1又は2記載の吊り下げ式ボイラの据付方法である。
請求項4記載の発明は、ボイラ支持用の鉄骨柱と大梁とからなる鉄骨構造により吊り下げ支持された吊り下げ式ボイラの据付構造において、ボイラ耐圧部を構成する火炉周壁パネルと伝熱管を含む部材を一体化した伝熱管ブロックを鉄骨構造の内部へ搬入可能な大きさの開口部と、該開口部が分担すべき強度を持たせた、前記開口部に隣接する鉄骨柱と大梁と鉄骨柱と大梁の間に取り付けられる斜材とを備えた吊り下げ式ボイラの据付構造である。
請求項1、4記載の発明によれば、ボイラ耐圧部を構成する火炉周壁パネルと伝熱管を含む部材を一体化した伝熱管ブロックを鉄骨構造の開口部から鉄骨構造の内部(ボイラ室)へ搬入可能なため、大型のブロックからなるボイラ部品の輸送、鉄骨構造の内部(ボイラ室)への搬入回数及び吊り上げ回数の削減が図れ、大幅な据付工数の低減が可能となる。その結果、高所作業で行う吊り下げ式ボイラの据付作業が安全となる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、前記開口部が分担すべき強度を前記開口部に隣接する鉄骨柱と大梁と鉄骨柱と大梁の間に取り付けられる斜材(ブレース)で、補うことができるので大型のブロックを鉄骨構造の内部(ボイラ室)へ搬入可能となるので吊り下げ式ボイラの据付作業が容易に行える。
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、前記開口部に鉄骨柱と大梁を取り付ける作業も容易に行える。
本発明の実施例について図面により説明する。
まず、図1〜図7により本発明の一実施例について説明する。図1は伝熱管等の吊り下げ型ボイラとその支持用の鉄骨構造の斜視図を示す。図2は伝熱管ブロックの搬入前の組立中のボイラとその支持用の鉄骨構造の平面図を示し、図3は図2のボイラとその支持用鉄骨構造とドーリにより輸送中の伝熱管ブロックの側面図を示す。また図4は本実施例のボイラ組立中の鉄骨構造の側面図を示し、図5は伝熱管ブロックを鉄骨構造内に搬入した時の鉄骨構造の平面図(水平側断面図)を示し、図6は伝熱管ブロックを鉄骨構造内に搬入した時の鉄骨構造内部側面図を示し、図7は後組立用の鉄骨構造の接続部の斜視図を示す。
図1に示すように、大型伝熱管ブロック6のボイラ室10への搬入用に鉄骨構造の第1、第2節部材の一部分を後組立鉄骨2として、その部分を伝熱管搬入用開口部Aとする。本来後組立鉄骨2が支持すべき、組立(吊り下げ)済製品による外力は、後組立柱3aの両側の柱3と大梁4と斜材11で受け持つ。
次に図2は伝熱管ブロック6の搬入前のボイラ支持鉄骨1の組立状態の平面図を示し、図3は図2の支持鉄骨1の側面図とドーリ12により輸送中の伝熱管ブロック6の側面図を示すが、鉄骨構造1のボイラ室10にドーリ12により大型伝熱管ブロック6を搬入する。図4には鉄骨構造1の伝熱管搬入用開口部Aからボイラ室10内に搬入された直後の伝熱管ブロック6とその周りの鉄骨構造を示す。なお、伝熱管ブロック6を鉄骨構造の天上梁に吊り下げた状態を図3の伝熱管ブロック6の仮想線で示す。、
鉄骨構造の第1、第2節部材の鉄骨2を構成する柱3a、大梁4a(図1)を後組立にすることにより、図4に示すように鉄骨構造1に開口部Aができ、伝熱管ブロック6のボイラ室への搬入が可能となる。鉄骨構造1にボイラ火炉20の炉幅より大きい開口部Aを設けることにより、伝熱管ブロック6をボイラ室10内に搬入した後に、その配置方向を変更することなく、そのまま大梁4に据え付ることができる。このようにボイラ室10への伝熱管ブロック6の搬入後、方向転換が不要となり伝熱管ブロック6の据付時間の短縮ができる。
図5と図6は、それぞれ伝熱管ブロック6をボイラ室10へ搬入した後、ジャッキアップを準備している段階の平面図と側面図である。伝熱管ブロック6をボイラ室10へ搬入した後、伝熱管ブロック6を鉄骨構造1の頂部の大梁4に吊り下げるが、その前に図7に示す装置で後組立鉄骨2の柱3aと大梁4aの組立を行う。
まず 後組立柱3aを取付位置に設定する。次に鉄骨柱3のブラケット13と後組立柱3aのブラケット13aの間にジャッキ9を挿入し、後組立柱3aが負担すべき外力を支持する高さまでジャッキアップし、柱3と後組立柱3aの間にできた空間にデスタンスピース5を挿入して溶接固定して、その後、ジャッキ9を外す。次いで順次、後付大梁4a等を組み立てる。後組立柱3aの長さは正規長より、少し短くし、組立・挿入を容易にする。
本発明の他の実施例を図8〜図10に示す。この実施例は、ボイラガス出口のホッパーブロック7のボイラ室10への搬入要領を示す。
図8はホッパーブロック7をボイラ室10へ搬入する前のボイラ組立状態の鉄骨構造の平面図を、図9は図8の鉄骨構造と輸送中のホッパーブロック7の側断面図を示し、図10は、その鉄骨構造の開口部をホッパーブロック7が通過する状況を示す図である。
本発明は、吊り下げ型ボイラの伝熱管ブロックなどの大型ブロックを鉄骨構造に据え付ける方法として利用できる。
本発明の実施例のボイラ鉄骨構造の斜視図。 本発明の実施例の組立中ボイラとその支持用鉄骨構造の平面図。 本発明の実施例の組立中ボイラと輸送状態の伝熱管ブロックの側断面図。 本発明の実施例の組立中ボイラの側面図。 本発明の実施例の伝熱管ブロック搬入済のボイラの平面図。 本発明の実施例の伝熱管ブロック搬入後のボイラの側断面図。 本発明の実施例の後組立鉄骨接続部の斜視図。 本発明の実施例の組立中ボイラの平面図。 本発明の実施例のホッパ組立前のボイラとその支持用鉄骨構造の側断面図。 本発明の実施例のホッパブロック搬入後のボイラ鉄骨構造の側面図。 吊り下げ型大型ボイラの平面図。 吊り下げ型大型ボイラの側断面図。
符号の説明
1 ボイラ支持鉄骨 2 後組立鉄骨
3 柱 3a 後組立柱
4 大梁 4a 後組立大梁
5 デスタンスピース 6 伝熱管
7 ホッパー 9 油圧ジャッキ
10 ボイラ室 11 斜材
12 ドーリ 13 ブラケット
20 火炉 21 天井梁
A 開口部

Claims (4)

  1. ボイラ支持用の鉄骨柱と大梁とからなる鉄骨構造により吊り下げ支持された吊り下げ式ボイラの据付方法において、
    ボイラ耐圧部を構成する火炉周壁パネルと伝熱管を含む部材を一体化した伝熱管ブロックを鉄骨構造の内部へ搬入可能な大きさの開口部を鉄骨構造に設け、前記伝熱管ブロックを鉄骨構造の内部へ搬入した後に、前記開口部に鉄骨柱と大梁を取り付けることを特徴とする吊り下げ式ボイラの据付方法。
  2. 鉄骨柱と大梁を取り付ける前の前記開口部が分担すべき強度を有する鉄骨柱と大梁と鉄骨柱と大梁の間に取り付けられる斜材を前記開口部に隣接する鉄骨構造部分に配置することを特徴とする請求項1記載の吊り下げ式ボイラの据付方法。
  3. 前記開口部に鉄骨柱と大梁を取り付けるに際しては、該開口部の上部の既設の鉄骨柱を持ち上げておき、その鉄骨柱の下に開口部用の鉄骨柱と大梁を挿入して組み立てることを特徴とする請求項1又は2記載の吊り下げ式ボイラの据付方法。
  4. ボイラ支持用の鉄骨柱と大梁とからなる鉄骨構造により吊り下げ支持された吊り下げ式ボイラの据付構造において、
    ボイラ耐圧部を構成する火炉周壁パネルと伝熱管を含む部材を一体化した伝熱管ブロックを鉄骨構造の内部へ搬入可能な大きさの開口部と、
    該開口部が分担すべき強度を持たせた、前記開口部に隣接する鉄骨柱と大梁と鉄骨柱と大梁の間に取り付けられる斜材とを備えたことを特徴とする吊り下げ式ボイラの据付構造。
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