JP5711868B2 - 安定なエダラボン含有水性製剤 - Google Patents

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本発明は、脳梗塞による機能障害の改善のために使用されているフリーラジカルスカベンジャーであるエダラボンを含有する安定な水性製剤に関する。さらに詳しくは、エダラボンを含有する水性製剤を収納するプラスチック容器の少なくとも一部が、環状ポリオレフィン樹脂で構成されている安定なエダラボン含有水性製剤に関する。
エダラボンは、脳梗塞による機能障害の改善のためのフリーラジカルスカベンジャーとしてガラスアンプルに充填された水性注射剤として販売されている。エダラボン含有水性製剤を投与する場合には、輸液剤に混注して点滴注射されるが、糖類を含む輸液剤に混注するとエダラボンの濃度低下を起こすため、生理食塩水で希釈して用いられている。エダラボン含有水性製剤は、エダラボンの安定化を図るため製剤中に、亜硫酸水素ナトリウム及びシステインを抗酸化剤として添加して酸素に対する高い親和性を抑制している(特許文献1)。
近年、ガラスアンプルに充填されていた水性製剤は緊急時にも迅速な対応が可能なプレフィルドシリンジ製剤化が、さらに使用後の廃棄物が少なく、処理も容易なプラスチック製のプレフィルドシリンジ製剤化が試みられてきている。また、上述のエダラボン含有水性製剤のように、使用に際して予め輸液剤等に混合し希釈して投与される製剤のなかには、始めから希釈された薬剤濃度でバッグやボトル形態のプラスチック製輸液剤容器に充填されたプレミックス製剤化が試みられてきている。
特公平7−121861号公報
したがって、本発明の目的は、エダラボン含有水性製剤を安定に収納するプラスチック製のボトル、バッグまたはプレフィルドシリンジ製剤を提供することである。また、エダラボン含有水性製剤のプレミックス製剤を安定に収納したバッグ製剤を提供することである。
前記課題は以下の構成によって解決される。
(1)本発明のエダラボン含有水性製剤は、エダラボンを含有する水性製剤を収納する容器の少なくとも一部が、環状ポリオレフィン樹脂で構成されてなるプラスチック製容器であることを特徴とする。
(2)本発明のエダラボン含有水性製剤に係わる上記(1)に記載の環状ポリオレフィン樹脂は、シクロオレフィンコポリマーまたはシクロオレフィンポリマーであることを特徴とする。
(3)本発明のエダラボン含有水性製剤に係わる上記(1)または(2)に記載の環状ポリオレフィン樹脂で構成されてなるプラスチック容器は、環状ポリオレフィン樹脂または環状ポリオレフィン樹脂とオレフィン樹脂の混合物あるいは積層体からなることを特徴とする。
(4)本発明のエダラボン含有水性製剤に係わる上記(1)〜(3)のいずれかに記載のプラスチック容器は、ボトル、バッグまたはプレフィルドシリンジであることを特徴とする。
(5)本発明のエダラボン含有水性製剤に係わる上記(4)に記載のプラスチック容器はプレフィルドシリンジであって、該プレフィルドシリンジに装着されるガスケットは、エラストマーまたはブチルゴムで構成されていることを特徴とする。
(6)本発明のエダラボン含有水性製剤に係わる上記(4)に記載のプラスチック容器はゴム状弾性体を備えており、その少なくとも接液部分は、フッ素系樹脂またはパリレン樹脂で被覆されていることを特徴とする。
本発明によって提供されるエダラボン含有水性製剤は、エダラボンを含有する水性製剤を収納する容器の少なくとも一部が、環状ポリオレフィン樹脂で構成されているプラスチック製容器に充填密封されている。エダラボン含有水性製剤は、「ラジカット(登録商標)注」の名称で注射剤が販売(三菱ウェルファーマ(株))されている。
本発明のエダラボン含有水性製剤は、既に販売されている上記注射剤と主薬であるエダラボンの濃度が同じものと、直接投与するのに適した濃度まで生理食塩水で希釈した状態で製剤化されたプレミックスタイプの水性製剤も含んだ用語である。
本発明における、プレミックスタイプの水性製剤のエダラボン濃度は0.06〜0.6mg/mL、水性製剤の液量は50〜500mLであることが好ましい。
本発明のエダラボンを含有する水性製剤を収納する容器の一部を構成する環状ポリオレフィン樹脂としては、シクロオレフィンコポリマー(COC)またはシクロオレフィンポリマー(COP)を用いることができる。シクロオレフィンコポリマーとしては、ノルボルネン類とエチレン等のオレフィン類を原料とする共重合体、テトラシクロドデセン類とエチレン等のオレフィン類を原料とする共重合体が好適に用いられる。シクロオレフィンポリマーとしては、ノルボルネン類あるいはシクロテトラドデセン類等の開環重合可能なシクロオレフィン系のモノマーを開環重合し水素添加した重合体が好適に用いられる。具体的には、シクロオレフィンコポリマーとしては、例えば、三井化学株式会社製のアペル(APEL)樹脂を用いることができる。また、シクロオレフィンポリマーとしては、例えば、日本ゼオン株式会社製のゼオネックス(ZEONEX)樹脂を用いることができる。
本発明のプラスチック容器は、ボトル、バッグあるいはプレフィルドシリンジのいずれの形状でもよく、水性製剤の液量、適用の部位・方法によって適宜選択できる。本発明のプラスチック容器、例えば、ボトル、プレフィルドシリンジの本体は、環状ポリオレフィン樹脂で製造することができる。バッグを製造する場合には、少なくとも容器の内壁面を形成する側に5μm〜250μm程度、好ましくは10〜80μm程度のポリエチレン(PE)等のエチレン系樹脂やポリプロピレン(PP)等のプロピレン系樹脂等からなる熱シール層を積層し、熱シール性を付与した積層フィルムを用いることができる。また、バッグとしての柔軟性・内壁面との密着性を向上するため環状ポリオレフィンからなる層を環状ポリオレフィン樹脂に10〜50重量%のエチレン系樹脂やプロピレン系樹脂等の熱シール性樹脂を混合した樹脂を用いてもよい。ボトル、バッグあるいはプレフィルトシリンジは、射出成形、ブロー成形、インフレーション成形などの公知の各種成形手段と必要に応じてヒートシール、高周波融着あるいは超音波融着等の公知の各種シール手段を組み合わせるなど、公知の方法で製造することができる。なおバックは柔軟であることが望ましい。
本発明のプラスチック容器であるボトルのゴム栓、バッグの排出口のゴム栓あるいはプレフィルドシリンジのガスケットなどプラスチック容器に備えられたゴム状弾性体は、エラストマー、イソプレンゴムあるいはブチルゴムで形成するのが、エダラボンの安定性の面から好ましい。
本発明のプラスチック容器であるボトルのゴム栓、バッグの排出口のゴム栓あるいはプレフィルドシリンジのガスケットなどのゴム状弾性体の少なくともエダラボン含有水性製剤と接触する面は、フッ素系樹脂あるいはパリレン樹脂で被覆することが好ましい。フッ素系樹脂の被覆は、特公平7−47045号公報等に開示されている公知の方法を用いて行うことができる。パリレン樹脂の被覆は、特開2002−177364号公報等に開示されている公知の方法を用いて行うことができる。
本発明のプラスチック容器内は無菌である必要があるので、通常充填密封後滅菌される。この際の滅菌は、本発明の容器をそのまま滅菌しても良いし、包装袋に密封した後、滅菌しても良い。この場合の滅菌手段としては、常用される湿熱滅菌、特に高圧蒸気滅菌によることが望ましい。なお、無菌充填にて、容器内にエダラボンを含有する水性製剤を充填したものであっても良い。
本発明のエダラボン含有水性製剤は、ある程度の酸素透過性を有する通常のプラスチック容器、特に軟質のバッグに充填されてる場合、脱酸素剤とともにガス難透過性の包装袋に包装袋の開口を上述の公知の各種シール手段を用いるなどして密封包装してあることが好ましい。このようにすることによって、エダラボンは長期にわたってより安定に保存することが確実となる。具体的には、アルミナ蒸着フィルム、アルミ蒸着フィルムやアルミ箔層を有するラミネートフィルム、あるいはシリカ蒸着フィルム、などが挙げられる。このような構成とすることにより、外部からの酸素の侵入を効果的に防止することができる。なお、プラスチック容器にガス難透過性を付与することにより、エダラボンを含有する水性製剤を容器に充填する際、および滅菌の際に十分な酸素管理を行なうことにより、包装袋を省略しても安定確実に保存することができる。
本発明は、エダラボンを含有する水性製剤を、容器の少なくとも一部が環状ポリオレフィン樹脂で構成されたプラスチック製容器に収納したエダラボン含有水性製剤であるので、既にガラスアンプルに充填されて製造されているエダラボン製剤と同じ濃度の水性製剤はもとより、エダラボン濃度の薄いプレミックスタイプの水性製剤においてもエダラボンの実質的な変質や含有量の低下のない安定性に優れたエダラボン水性製剤が提供できる。
次に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるわけではない。
(エダラボン含有水性製剤の調製)
エダラボン1.5g、亜硫酸水素ナトリウム1.0g、L−システイン塩酸塩一水和物0.5g、塩化ナトリウム6.75g、リン酸2.1gを注射用水850mLに溶解し、水酸化ナトリウム適量にてpHを3.7に調整した後、注射用水にて全量を1Lとし、エダラボン1.5mg/mL濃度の水溶液を得た。この溶液を0.22μmの孔径のメンブランフィルターを用いて無菌ろ過し、エダラボン含有水性製剤を調製した。
(エダラボン・プレミックス製剤の調製)
上記で調製したエダラボン含有水性製剤に、0.22μmの孔径のメンブランフィルターを用いてろ過した生理食塩水を加え、エダラボン0.25mg/mLのプレミックス製剤を調製した。
上記の両調製時とも窒素気流下で行い、注射用水及び生理食塩水は窒素をバブリングし、調製した製剤の容器への充填時及び滅菌時にも同程度の注意を払って酸素管理を十分に行った。
(実施例1) エダラボン含有水性製剤を20mL容量の以下の材質からなる注射剤容器に20mL充填し、常法により高圧蒸気滅菌をして、プレフィルドシリンジを製した。
ガスケット:スチレン−ブタジエンゴム(SBR、興国インテック(株))製ガスケット本体をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルムにて先端面から外側面にわたって被覆
外筒:シクロオレフィンポリマー(ゼオネックス) 製
(実施例2) エダラボン含有水性製剤を20mL容量の以下の材質からなる注射剤容器に20mL充填し、常法により高圧蒸気滅菌をして、プレフィルドシリンジを製した。
ガスケット:スチレン−ブタジエンゴム(SBR、興国インテック(株))製ガスケット本体をポリテトラフルオロエチレンフィルムにて先端面から外側面にわたって被覆
外筒:シクロオレフィンコポリマー(アペル)製
(実施例3) エダラボン含有水性製剤を20mL容量の以下の材質からなる注射剤容器に20mL充填し、常法により高圧蒸気滅菌をして、プレフィルドシリンジを製した。
ガスケット:スチレン系エラストマー(三菱化学(株))製ガスケット本体の表面全体をパリレンC(ポリ−モノクロロ−パラキシリレン)にて被覆(膜厚約1μm)
外筒:シクロオレフィンポリマー(ゼオネックス)製
(実施例4) エダラボン含有水性製剤を20mL容量の以下の材質からなる注射剤容器に20mL充填し、常法により高圧蒸気滅菌をして、プレフィルドシリンジを製した。
ガスケット:ブチルゴム(SRIハイブリッド(株))製ガスケット本体の表面全体をパリレンC(ポリ−モノクロロ−パラキシリレン)にて被覆(膜厚約1μm)
外筒:シクロオレフィンポリマー(ゼオネックス)製
(実施例5) エダラボン含有水性製剤を20mL容量の以下の材質からなる注射剤容器に20mL充填し、常法により高圧蒸気滅菌をして、プレフィルドシリンジを製した。
ガスケット:スチレン系エラストマー(三菱化学(株))製
外筒:シクロオレフィンポリマー(ゼオネックス)製
(実施例6) エダラボン含有水性製剤を20mL容量の以下の材質からなる注射剤容器に20mL充填し、常法により高圧蒸気滅菌をして、プレフィルドシリンジを製した。
ガスケット:スチレン系エラストマー(三菱化学(株))製
外筒:シクロオレフィンコポリマー(アペル)製
(実施例7) エダラボン含有水性製剤を20mL容量の以下の材質からなる注射剤容器に20mL充填し、常法により高圧蒸気滅菌をして、プレフィルドシリンジを製した。
ガスケット:ブチルゴム(SRIハイブリッド(株))製
外筒:シクロオレフィンポリマー(ゼオネックス)製
(実施例8) エダラボン含有水性製剤を20mL容量の以下の材質からなる注射剤容器に20mL充填し、常法により高圧蒸気滅菌をして、プレフィルドシリンジを製した。
ガスケット:ブチルゴム(SRIハイブリッド(株))製
外筒:シクロオレフィンコポリマー(アペル)製
(対照例) エダラボン含有水性製剤を20mL容量の無色ガラスアンプルに20mL充填し、常法により高圧蒸気滅菌をして、ガラスアンプル製剤を製した。
(試験例1) 実施例1〜8で得られたプレフィルドシリンジをアルミ蒸着フィルムからなる袋に脱酸素剤(商品名エージレス、三菱ガス化学(株)製)をいれて密封後、60℃条件下で21日間保存し、試験開始時のエダラボンの含有量に対する残存率を求めたところ、下記の表1に示すとおりであった。また、pHの結果は、表2に示すとおりであった。同時に対照例についても同じ条件で保存後、残存率、およびpHを求めた結果を表1、表2にそれぞれ示した。
なお、エダラボンの残存率(%)はHPLCを用いて以下の条件にて測定した。
検出器:紫外吸光光度計(測定波長:240nm)。
カラム:内径約4mm、長さ約15cmのステンレス管に5μmのオクタデシルシリル化シリカゲルを充填したものを50℃付近の一定温度で使用。
移動相:10mM酢酸水溶液・メタノール混液(3:1)をアンモニア水でpH5.5に調整した溶液。
流量:エダラボンの保持時間が約8分になるように調整した。
以下に続く試験例も、上記のHPLC条件にて、残存率を測定した。残存率は、仕込み量に対しての値である。
Figure 0005711868
Figure 0005711868
(実施例9) エダラボン含有水性製剤を20mL容量の以下のシート構成からなる注射剤容器に20mL充填し、常法により高圧蒸気滅菌をして、軟質バッグ製剤を製した。
外層:PP系樹脂(200μm)/中間層:ZEONEX(30μm)/内層:PP系樹脂(20μm)
(実施例10) エダラボン含有水性製剤を20mL容量の以下のシート構成からなる注射剤容器に20mL充填し、常法により高圧蒸気滅菌をして、軟質バッグ製剤を製した。
外層:PP系樹脂(20μm)/中間層:ZEONEX(30μm)/内層:PP系樹脂(200μm)
(参考例1) エダラボン含有水性製剤を20mL容量のシート厚350μmのPP製バッグの内表面に前述のパリレンCを蒸着して作製した以下のシート構成からなる注射剤容器に20mL充填し、常法により高圧蒸気滅菌をして、軟質バッグ製剤を製した。
PP系樹脂/パリレンC、厚み350/3〜5(μm)
(参考例2) エダラボン含有水性製剤を20mL容量のシート厚260μmのPE製バッグの内表面に前述のパリレンCを蒸着して作製した以下のシート構成からなる注射剤容器に20mL充填し、常法により高圧蒸気滅菌をして、軟質バッグ製剤を製した。
PE系樹脂/パリレンC、厚み260/3〜5(μm)
(試験例2) 実施例9、10および参考例1、2で得られたバッグをアルミ蒸着フィルムからなる袋に脱酸素剤(商品名エージレス、三菱ガス化学(株)製)をいれて密封後、60℃条件下で21日間保存し、試験開始時のエダラボンの含有量に対する残存率を求めたところ、下記の表3に示すとおりであった。また、pHの結果は、表4に示すとおりであった。
Figure 0005711868
Figure 0005711868
(実施例11) エダラボン・プレミックス製剤を50mL容量の以下の材質からなる注射剤容器に50mL充填し、常法により高圧蒸気滅菌をして、プレフィルドシリンジを製した。
ガスケット:スチレン−ブタジエンゴム(SBR、興国インテック(株))製ガスケット本体をポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルムにて先端面から外側面にわたって被覆
外筒:シクロオレフィンポリマー(ゼオネックス)製
(実施例12) エダラボン・プレミックス製剤を50mL容量の以下のシート構成の注射剤容器に50mL充填し、常法により高圧蒸気滅菌をして、軟質バッグ製剤を製した。
外層:PP系樹脂(200μm)/中間層:ZEONEX(30μm)/内層:PP系樹脂(20μm)
(試験例3) 実施例11〜12で得られた注射剤容器をアルミ蒸着フィルムからなる袋に脱酸素剤(商品名エージレス、三菱ガス化学(株)製)をいれて密封後、60℃条件下で21日間保存し、試験開始時のエダラボンの含有量に対する残存率を求めたところ、下記の表5に示すとおりであった。また、pHの結果は、表6に示すとおりであった。
Figure 0005711868
Figure 0005711868
以上の各試験例の結果から、エダラボンを含有する水性製剤を収納する容器の少なくとも一部が、環状ポリオレフィン樹脂で構成されていれば、60℃条件下で21日間保存した時、製剤の残存率は、90%以上を保つことがわかった。
表1の結果から、ガスケットに、ポリテトラフルオロエチレンフィルムにて被覆したスチレン−ブタジエンゴム、もしくは、パリレンCにて被覆したスチレン系エラストマー、もしくは、パリレンCにて被覆したブチルゴムを用いた容器では、ガラスアンプルと同等の安定性を有することがわかった。
表3の結果から、ゼオネックス層が容器の接液部になくても、製剤の安定性が保てることがわかった。但し、接液部の層の厚みが薄いほど、安定性は増すことも明らかとなった。
表5の結果から、エダラボンの濃度が薄いプレミックスタイプの水性製剤においても、安定性が保てることが明らかとなった。
表2、4、6の結果からは、21日間保存後のpHの変化は、ほとんどなかったことが確認された。

Claims (4)

  1. ポリプロピレン系樹脂よりなる外層と環状ポリオレフィン樹脂よりなる中間層とポリプロピレン系樹脂よりなる内層が外層/中間層/内層の順で積層した積層体からなるプラスチック容器に、エダラボンを含有する水性製剤を収納したことを特徴とする安定な容器入りエダラボン含有水性製剤。
  2. 前記環状ポリオレフィン樹脂が、シクロオレフィンコポリマーまたはシクロオレフィンポリマーである請求項1に記載の容器入りエダラボン含有水性製剤。
  3. 前記プラスチック容器が、ボトル、バッグまたはプレフィルドシリンジである請求項1または2のいずれかに記載の容器入りエダラボン含有水性製剤。
  4. 前記プラスチック容器にはゴム状弾性体が備えられており、その少なくとも接液部分がフッ素系樹脂またはパリレン樹脂で被覆されている請求項1〜3のいずれかに記載の容器入りエダラボン含有水性製剤。
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