JP5710531B2 - 熱アシスト磁気記録方法、及び熱アシスト磁気記録装置 - Google Patents

熱アシスト磁気記録方法、及び熱アシスト磁気記録装置 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、熱アシスト磁気記録方法に関する。
磁気的に情報の記録再生を行う磁気記録装置は、大容量、高速、安価な情報記憶手段として発展を続けている。特に、近年のハードディスクドライブ(HDD)の進展は著しい。HDDのさらなる高密度化は、信号処理、メカ・サーボ、ヘッド、媒体、HDIなど複数の要素技術の集大成として進展してきているが、近年、媒体の熱擾乱問題がHDDの高密度化の阻害要因として顕在化しつつある。
従来の多結晶磁性粒子薄膜からなる多粒子系媒体を用いた磁気記録では、低ノイズ化、熱擾乱耐性の確保、記録感度の確保がトレードオフの関係にあり、これが記録密度の限界を決定する本質的な問題となっていた。
粒径微細化と熱擾乱耐性を両立する為に、媒体磁性膜のKuを上げると媒体の記録保磁力Hc0すなわち磁気ヘッドによる高速磁化反転時の保磁力が上昇し、Hc0に比例して飽和記録に必要な磁界が増加する。
記録ヘッドから発生し媒体に印加される記録磁界は、記録コイルへの通電電流の他に、記録磁極材料、磁極形状、スペーシング、媒体の種類、膜厚などに依存するが、高密度化に伴い記録磁極先端部のサイズが縮小することを考慮すると、発生磁界の大きさには限界があり、高くても15kOe程度である。
近年、Hc0の増加とヘッド磁界の減少により記録が困難になりつつあり、記録の程度の指標として用いられているオーバーライトOWすなわち上書きによる前歴磁化情報の消去の程度を示す値が、悪化傾向にある。特に、HDDの動作温度5〜55℃範囲内でも、Hc0は温度が下がるほど大きくなるため低温ほどOWは悪化する傾向にある。
現行のCoCrPt系の磁気記録層は極めて優れたSNRを示し、他の材料で代替することは極めて困難である。この磁気記録層は組成の変更などによりまだKuやHcoを高めることは可能であるが、それでもFePt規則合金のように室温付近で記録が不能になるほどではない。
このような媒体に対して何らかの手段で局所的に加熱を行うと、加熱部のHc0を低下させてOWを改善することができる。
このような方法として、熱アシスト磁気記録方式がある。
多粒子系媒体を用いる熱アシスト磁気記録方式では、十分にノイズが低くなる程度に微細な磁性粒子を用い、熱擾乱耐性を確保する為に室温付近で高いKuを示す記録層を用いることが望ましい。このような大きなKuを有する媒体は、室温付近では記録に必要な磁界が記録ヘッドの発生磁界を上回り記録不能である。これに対して、熱アシスト磁気記録方式においては、記録磁極の近傍に光ビームなどを用いた加熱手段を配し、記録時に局所的に媒体を加熱し加熱部のHcをヘッドからの記録磁界以下に低下させて記録する。
熱アシスト磁気記録には下記の課題がある。
局所的に300℃程度の加熱を行うために,直径100nm程度までビーム径を絞ることがまず困難である。ビーム径を絞らないと効率が悪くなるので,ますます大きなパワーが必要となる傾向がある。
線方向の記録密度を高めるためには温度勾配を大きくする必要があるが,これも困難である。
トラック方向も温度勾配を大きくしないと,隣接トラックの情報が消えやすくなる。
加熱源と記録磁極を可能な限り近接させ,温度勾配と磁界勾配の位置を合わせる必要があるが,これもかなり難易度が高い。
1ビットが小さくなりビーム径が小さくなるほど,およびスキューも考慮すると,位置合わせはさらに困難になる傾向がある。
メディアにはKuの大きなFePt,CoPt規則合金やCo/Pt,Co/Pd人工格子などが想定されているが,ビットパターンド媒体のような加工を行わない連続媒体では現行のCoCrPt合金系のグラニュラー型媒体のような高いSNRmを確保することが困難である。
上記のように温度勾配を大きくするために,メディア側では熱を拡散させずに冷却するためのヒートシンクを設けることが提案されているが,従来の多結晶型垂直媒体で必須となっている非磁性中間層を厚く形成できなくなると磁気記録層の粒子径や結晶配向が低下し,軟磁性下地層については実質省かれることになるのでヘッドの磁束を還流できなくなり磁界勾配が低下してしまう。
300℃ぐらいの加熱では潤滑剤が変質または蒸発してしまうので,潤滑剤の変更も必要になる。
キュリー点近くまで上げなくても良いのではないかという話も出てきているが,200℃以上の加熱では上記の課題についてはあまり変わりがない。
特開2001−291222号公報
本発明の実施形態は、高密度な磁気記録を可能とすることを目的とする。
実施形態にかかる熱アシスト磁気記録方法は、垂直記録媒体を加熱昇温して記録部の保磁力Hcを低下させ、この保磁力が低下した記録部に記録磁極からの記録磁界を印加することにより磁気的情報を記録する熱アシスト磁気記録方法であって、
前記垂直記録媒体の周囲温度より高く前記記録部の核生成磁界Hnが0となる温度より低い温度で加熱昇温を行うことを特徴とする。
実施形態にかかる熱アシスト磁気記録装置に使用可能な浮上記録ヘッドの一例の主要部を表す断面図である。 実施形態に使用可能な熱アシスト磁気記録ヘッドの一例の概略構成を表す図である。 媒体の印加磁界とKerr回転角との関係を表す磁化曲線である。 HcとHc0の温度依存性を表すグラフ図である。
実施形態に係る熱アシスト磁気記録方法は、垂直記録媒体を、垂直記録媒体の周囲温度より高く前記記録部の核生成磁界Hnが0となる温度より低い温度で加熱昇温して記録部の保磁力Hcを低下させ、この保磁力が低下した記録部に記録磁極からの記録磁界を印加することにより磁気的情報を記録することを特徴とする。
垂直記録媒体に用いられる磁気記録層は,CoCrPt合金を主成分とし,多粒子構造を有することができる。
多粒子構造とは磁性粒子が磁気的に孤立した構造をいう。
加熱手段としては光ビームまたは電子ビームを使用することができる。
加熱源として半導体レーザを使用することができる。
半導体レーザは、レーザ光のビーム径を絞る機構をもたないことが好ましい。
半導体レーザのビーム径を絞らないと、加熱昇温された領域のトラック幅方向の長さは記録トラック幅よりも長くなり得る。
半導体レーザは記録磁極よりもリーディング側に設けられ,出射口が前記磁気記録媒体表面に対向している。
実施形態に係る磁気記録再生装置は、垂直記録媒体の記録部を、垂直記録媒体の周囲温度より高く前記記録部の核生成磁界Hnが0となる温度より低い温度で加熱昇温する加熱源、及び前記加熱源により加熱昇温されて保磁力Hcが低下した前記記録部に記録磁界を印加することにより磁気的情報を記録する記録磁極を有するヘッドを備え、加熱昇温を行うことを特徴とする。
また、実施形態に係る磁気記録再生装置は、上記ヘッドと、垂直記録媒体の記録部の温度を測定する温度測定部と、温度測定部からの温度情報に応じて、記録部の温度が周囲温度より高く記録部の核生成磁界Hnが0となる温度より低い温度の範囲内になるように加熱源の加熱を制御する加熱制御部とを有し得る。
実施形態に係る熱アシスト磁気記録方法及び熱アシスト磁気記録装置によれば、CoCrPt系媒体に対して,Hnが0となる温度より低い温度の範囲内で加熱昇温を行うことで,オーバーライト(OW)を改善できる。また、実施形態によれば、ビーム径を絞る必要がないため,ヘッドの製造が容易で,実用性の高いHDDを提供することができる。
なお,Hnが0より大きいということは,垂直角型比はほぼ1で,反磁界が大きく磁化が最も反転しやすいサーボパターンなどの領域においても、外部磁界が0の時、残留磁化が飽和した状態を維持している,つまり逆磁区の発生により再生出力が低下しない範囲であることを意味している。
例えばビームを絞らず60℃〜100℃程度までの加熱昇温なら,温度勾配、及び磁界勾配の調整、SNRm、及び潤滑剤の変質などの課題を解決できると考えられる。通常ののHDDの動作温度範囲は5〜55℃であるが,その範囲内でも低温ではOWが悪化するので,例えば記録部分を55℃まで加熱するだけであれば,新たに大きな課題が発生しない範囲で低温OWを改善する温度補償が可能となる。また,通常のCoCrPt系媒体の範囲で異方性磁界Hk,Hco,Hnが上がっても,その分は加熱温度を高めてOWを補えばよいので,Kuを上げ熱揺らぎ耐性を高めることが可能となる。Kuを上げられれば粒子径も小さくできるので,記録密度アップにもつながる。温度を上げ過ぎないので,ビーム径を絞る必要がなく,ヘッドの製造が容易になる。Hnが0となる温度より高温での熱アシスト磁気記録と比較すると実現性が高い。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1に、熱アシスト磁気記録装置に使用可能な浮上記録ヘッドの一例の主要部を表す断面図を示す。
図1に示すように、浮上記録ヘッド1は、導電性のGaNからなる基板3の後端面3a上に、開口10を有する遮光体11を備えた半導体レーザ発振部2を集積し、さらに半導体レーザ発振部2に薄膜磁気トランスデューサ50を集積するとともに、底面にスライダー面6を形成し、これによりレーザ光と磁気ギャップを近接させて光ディスク7の記録媒体7a上を走行可能とし、磁気記録膜や光磁気記録膜への光アシスト磁気記録を可能としたものである。薄膜磁気トランスデューサ50の上には、さらにGMRセンサから構成される磁気センサ60が集積され、これにより磁気記録膜や光磁気記録膜への光アシスト磁気記録を行うと共に、磁気センサ60による信号再生が可能となる。磁気センサ60は、絶縁層62を介して2枚の軟磁性膜からなる磁気遮蔽層63に挟まれたスピンバルブ膜61と電極64から構成され、記録媒体から入射する磁界の変化によるスピンバルブ膜61の抵抗の変化を検出して信号再生を行う。実施の形態では、半導体レーザ発振部2の発熱の影響が磁気センサ60に及ぶのを避けるため、薄膜磁気トランスデューサ50の上に磁気センサ60を形成しており、従来の磁気ヘッドとは反転した構造を取っている。
実施形態にかかる熱アシスト磁気記録装置は、(1)発光素子と磁気記録素子とが一体型の構造をなすこと、(2)媒体移動方向の上流側から発光素子、記録磁極の順番に積層されていること、(3)発光部と記録磁極とが近接配置されていること、を構成上の基本とする。
(1)発光素子と磁気記録素子が一体型の構造を為すことにより、構成が複雑で質量の重い光学系を除きヘッドの高速シーク動作を可能足らしめると共に、導波路やファイバーを用いて光照射する方式に比較して光利用効率を格段に高め、数10mWの半導体レーザの採用を可能足らしめる。(2)媒体移動方向の上流(リーディング)側から発光素子、記録磁極の順番に積層する構成と、(3)発光部と記録磁極の近接配置によって、十分に媒体のHc0が低下しているタイミングで記録磁界を供給することが可能となる。
発光部と記録磁極とを近接配置する好ましい実施手段(3)は、媒体面から見たときに、発光素子の下流(トレーリング)側に記録磁極が配置されている構造である。つまり、媒体がヘッドに対向して走行した時に、発光素子→記録磁極の順に出会うことになる。
一方、近接場光(エバネッセント光)を利用する形態においては、幾つかのものが挙げられる。代表的には、半導体レーザの出射面を反射膜で覆った後に、数10nm乃至数100nmの微小孔(光学開口)を出射面に開けて、そこに近接場光を形成する形態である。この形態では、微小孔のサイズを小さくすると光利用効率が低下する為、記録密度が高くなる程、光源パワーの要求値が高くなるが、構成上は最も簡便で、低価格でヘッドを提供できる。
以下、実施例を示し、実施形態を具体的に説明する。
実施例
図2は、実施例に関わる熱アシスト磁気記録ヘッドの概略構成を表す図を示す。なお、本実施例においては、ニアフィールドの光学開口や、収束レンズ系は使用していない。
図2は全て熱アシスト磁気ヘッドの構成主要部である。ヘッドの構成要素は、111−119からなる半導体レーザ発光素子部、120−127からなる磁気記録素子部、130−133からなる磁気再生素子部、104からなる保護コート部からなる。
本実施形態のヘッドは、同図に例示したように、上流(リーディング)側から、発光素子部、直記録素子部、磁気再生素子部の順番に並ぶ構成となっている。ここで「上流(リーディング)」、「下流(トレーリング)」とは媒体がヘッドに対して上流側から下流側へ移動して記録再生を行うことを意味する。なお図2では、煩雑を避ける為、実施形態に直接関連のない要素、例えば再生素子部の詳細な構造、電極取出し部の構造等は省いて示してある。
図2の半導体発光素子部において、111は基板、112は格子整合の為のバッファ層例えば膜厚数μm程度のGaAs層、113はp層例えば膜厚200nm程度のp型GaAs層、114はストライプ状積層メタル電極例えば幅が1μm、全厚100nm程度のTi/Pt/Au積層膜、115はp型クラッド層例えば膜厚1μm程度のp型AlGaInP層、116は活性層例えば膜厚100nm程度のGaInP層、117は活性層中の共振領域(発光領域)、118はn型クラッド層例えば膜厚1μm程度のn型AlGaInP層、119は電極例えば膜厚100nm程度のAuGe/Au積層膜である。
上記構成では、発光領域は幅1μm程度、トラック方向には活性層厚の数100nm程度の矩形状を為す。後述する様に発光面117と媒体の間隔は数10nm程度はなれている。媒体面上でのビームプロファイルをシミュレーションで求めた結果、トラック幅方向に約1μm、トラック方向に200nm程度のe−2径を有する長円形状であった。トラック方向のビーム径と活性層厚の関係はスペーシングにも依るが、数10nmのスペーシングでは、ビーム径は活性層厚の二倍程度である。
図2の磁気記録素子部の構成においては、120は絶縁膜例えば膜厚100nmのSiO2 、121は上流側磁極例えば膜厚200nmのFeCo膜、122は記録磁極先端部、例えば先端幅が0.1μm、奥行きが0.1μmの先端部、123は絶縁体例えばレジストフレーム、24は記録磁界発生用コイル例えば3ターンのCuコイル、125はリターンパス用磁極例えば膜厚1μmのNiFe膜、126は上流側磁極とリターンパス用磁極の接合部、127は絶縁膜例えば膜厚500nmのSiOである。
図2の磁気再生素子部においては、130は上流側シールド例えば膜厚500nmのNiFe、131は再生ギャップ例えばシールド間厚が200nmのSiO(シールドとGMR間即ち再生ギャップは100nm)、132はGMR再生素子部例えばCoFe/Cu/CoFe/FeMn積層膜、133は下流側シールド例えば膜厚500nmのNiFeである。図2には示していないがGMR素子の両端はハードバイアス膜例えばCoCrPt、及びメタル電極膜が連結されている。104はヘッド全体の保護膜であり、例えば膜厚数10μmのAl膜を用いることができる。
媒体には、軟磁性下地層例えば膜厚40nmのCoTaZr上に,磁気記録層、例えば膜厚15nmのCoPtCr−SiO/CoCrPt垂直磁化・多粒子系磁気記録層を積層した媒体を用いた。
記録再生実験を行う前に、別途、本発明に関わる媒体の組成、微細構造、磁気特性を調べた。
典型的な条件で成膜したCoPtCr−SiO層について平面TEM分析を行った結果、平均粒径7nm程度のCoPtCr結晶粒子が厚さ1〜2nmの非晶質粒界層により分断された構造であることが分かった。また、CoPtCr粒子の充填率はおよそ60%であった。さらに,断面TEM分析を行った結果,この上に積層したCoCrPt層の結晶粒子は下層のCoPtCr粒子上に成長していることが分かった。また,CoCrPt層の粒子間も分断されていたが,粒界層厚はCoPtCr−SiO層よりも薄くなっていることが分かった。
磁気特性の測定はトルクメータとVSMおよびKerr効果測定装置を用いて行った。室温(〜300K)における典型的な磁気特性は、Kuは4×10erg/cc、Msは500emu/cc、Hcは5kOeであった。
図3に媒体の印加磁界とKerr回転角との関係を表す磁化曲線を示す。
図示するように、核生成磁界−Hnは、磁界を逆方向に印加した場合の磁化曲線の残留磁化Mrを通る線と保磁力−Hcを通る線の2辺の切片の延長線が交差する点で定義される。
Kerr効果測定装置はループ測定に1分程度の時間を要するので、Kerrループから得られたHcはその温度で1分程度の熱擾乱を受けた後の保磁力である。一方で記録の関わる保磁力Hc0は、実際にヘッドで記録する際の1ns程度の高速磁化反転に要する磁界であり、これは熱擾乱の影響を殆ど受けない時間内で磁化反転するのに必要な磁界を意味する。記録に必要なヘッド磁界は高速磁化反転時の媒体飽和磁界Hs0であるが、Hs0とHc0はほぼ比例関係にあるので、本実施形態では記録に必要な磁界としてHc0を用いて説明する。
図4に、Kerrで実測したHcと、Hnと、シャロックの式を用いて推定したHc0との温度依存性を表すグラフ図を示す。
図中、101はHc、102はHn、103はHc0を各々示す。
磁気特性は温度の関数として変化し、室温から高温に向けて単調に低下した。Hcは約300℃で0になり,Hnは約100℃で0になったが,この時のHcは約4kOeと2割程度しか低下していない。なお,合わせて求めた室温におけるKuV/kTは約80であり、本実施例で用いた媒体は室温付近では十分な熱擾乱耐性を示すものと言える。
以上の磁気特性を有する媒体を、通常の磁気ヘッドと共にスピンスタンド磁気記録再生評価機にセットした。ヘッドの位置は固定し,別途レーザ光源を設置してヘッドの横方向から照射して,スライダの上流(リーディング)側手前の位置(サスペンションとメディアの隙間)にレーザ光が当たるようにセットした(直径約1μm)。さらにヘッド,メディア,レーザを含めた一式を恒温装置に入れて,測定雰囲気温度を変えられるようにした。このようにして,環境温度とレーザ加熱の条件を変えながら,750kFCI(1インチ当り75万回磁束が変化する記録密度)信号上に100kFCI信号を上書きした時のOWやATE(隣接トラックに記録した際にオントラックの信号が消去される現象)などを調べた。
実施例1
そのまま環境温度5℃の雰囲気においてレーザ照射を開始し,徐々に光出力パワーを上げながら測定を行ったところ,OWの改善が見られた。パワーが5mWになったところで,環境温度が55℃の時と同じ−30dBのOWが得られた。この時,記録トラック幅やATEも調べたが,55℃の場合とほぼ同様の結果が得られたことから,5mWのパワーでレーザー照射を行うことにより,媒体上の記録領域の周辺が55℃程度まで加熱されたと推定できる。
加熱された領域は記録トラック幅に対して十分に広いため,雰囲気温度の変化とほぼ同様の効果が得られたものと考えられる。また,加熱温度が低いと温度低下が遅いので,レーザ光が当たっている部分が記録磁極から1mm以上離れていても期待した効果が得られているものと考えられる。言い換えると,加熱領域と記録磁極はある程度離れていても良いということである。温度勾配が小さいことも特徴の一つであり,磁化転移は加熱なしの記録と同様に磁界勾配により決定している。
上述したようにレーザ光源をヘッドに組み込んだ場合には,同様の効果が期待できるだけでなく,シーク動作が可能となり,加熱領域が狭くなる分温度を上げた場合でも周辺への悪影響が減り,加熱領域と記録磁極が近くなる分不必要な加熱を行わなくても良くなる。
本実施形態に従って、記録磁極下部を媒体が通過する上流側で光照射による加熱を行って、媒体の記録に必要な磁界を低下させてから記録を行う形態においては、Hnが0となる温度より低い温度の範囲内で、実用的な光強度と記録電流の範囲で、OWを改善することができる。
比較例1
レーザ加熱を行わずにOWを測定したところ,室温では約−25dBと記録は可能であり,環境温度55℃では−30dBまで改善したが,同5℃では−20dBまで悪化した。
実施例2
環境温度55℃で光出力パワーを4mWかけた場合と,同5℃で9mWまで上げた場合には,OWは−50dBまで改善し,再生出力の低下やATEの悪化などの悪影響が見られなかった。
比較例2
一方,環境温度55℃で光出力パワーを5mW以上かけた場合と,同5℃で10mW以上に上げた場合には,再生出力の低下やATEの悪化が見られた。
これらの結果から,実施例の照射条件が媒体上の記録領域周辺を100℃近くまで加熱できた状態であり,比較例の照射条件は媒体上の記録領域周辺が100℃を超え,図4において見られるようにHnが負になったことにより,逆磁区の発生や隣接トラックの減磁が起きたものと推定される。
この媒体ではHnが0となる温度が約100℃であったが,媒体の設計によりその温度は異なることを考慮すると,加熱の温度範囲は温度の絶対値ではなくHnが負とならない温度と考えるのが適当である。言い換えると,Hnが正の範囲で加熱昇温を行えば,様々な悪影響なしでOWを改善し得る。
実施例3
磁気記録層中のPt組成を増やしCr組成を減らすことで,Kuが5×10erg/cc,Msが600emu/cc,Hcが6kOe,Hnが0となる温度は150℃,KuV/kTが100と熱揺らぎ耐性を高めた媒体を作製した。媒体を変更した以外は実施例1と同様の実験を行った。
環境温度55℃で光出力パワーを9mWかけた場合と,同5℃で14mWまで上げた場合には,OWは−50dBまで改善し,再生出力の低下やATEの悪化などの悪影響が見られなかった。
比較例3
一方,環境温度55℃で光出力パワーを10mW以上かけた場合と,同5℃で15mW以上に上げた場合には,再生出力の低下やATEの悪化が見られた。
つまり,熱揺らぎ耐性を高めるためにKuを上げても,Hnが正の範囲で加熱温度を上げることで,様々な悪影響なしに十分なOWを確保できることが分かった。また,KuV/kTは100であったので,磁気記録層中の磁性粒子の体積Vを約2割減らしても実施例1と同等の熱安定性を得ることができる。磁性粒子を微細化した場合には,よく知られているように信号対ノイズ比やビット誤り率が改善し,記録密度を高めることができる。
以上の実験はスピンスタンドと外部レーザ光源および恒温層を用いて行ったが,レーザ光源を内蔵したヘッドと温度センサーを磁気記録再生装置に組み込み,装置の温度に応じてレーザー出力を制御することにより,磁気記録再生装置においても上記実施例と同様の効果が期待できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
104…保護膜、120…絶縁膜、121…上流側磁極、122…記録磁極先端部、123…絶縁体、124…記録磁界発生用コイル、125はリターンパス用磁極、126…上流側磁極とリターンパス用磁極の接合部、127…絶縁膜、130…上流側シールド、131…再生ギャップ、132…GMR再生素子部、133…下流側シールド

Claims (8)

  1. 垂直記録媒体を加熱昇温して記録部の保磁力Hcを低下させ、この保磁力が低下した記録部に記録磁極からの記録磁界を印加することにより磁気的情報を記録する熱アシスト磁気記録方法であって、
    前記垂直記録媒体の周囲温度より高く前記記録部の核生成磁界Hnが0となる温度より低い温度で加熱昇温を行い、
    前記垂直記録媒体は、磁性粒子が磁気的に孤立した多粒子構造を有する磁気記録層を有することを特徴とする熱アシスト磁気記録方法。
  2. 加熱昇温された領域のトラック幅方向の長さが記録トラック幅よりも長いことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記垂直記録媒体における磁気記録層は,CoCrPt合金を主成分とすることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 垂直記録媒体の記録部を加熱昇温する加熱源、及び前記加熱源により加熱昇温されて保磁力Hcが低下した前記記録部に記録磁界を印加することにより磁気的情報を記録する記録磁極を有するヘッドを備え、前記垂直記録媒体の周囲温度より高く前記記録部の核生成磁界Hnが0となる温度より低い温度で加熱昇温を行い、前記垂直記録媒体は、磁性粒子が磁気的に孤立した多粒子構造を有する磁気記録層を有することを特徴とする熱アシスト磁気記録装置。
  5. 前記垂直記録媒体における磁気記録層は,CoCrPt合金を主成分とし,多粒子構造を有することを特徴とする請求項4に記載の熱アシスト磁気記録装置。
  6. 前記加熱源は半導体レーザであることを特徴とする請求項4または5に記載の熱アシスト磁気記録装置。
  7. 前記半導体レーザは記録磁極よりもリーディング側に設けられ,出射口が前記磁気記録媒体表面に対向していることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1項に記載の熱アシスト磁気記録装置。
  8. 前記半導体レーザのビーム径のトラック幅方向の長さが記録トラック幅よりも長いことを特徴とする請求項4ないし7のいずれか1項に記載の熱アシスト磁気記録装置。
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