JP2001291222A - 磁気記録装置 - Google Patents

磁気記録装置

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JP2001291222A
JP2001291222A JP2000159186A JP2000159186A JP2001291222A JP 2001291222 A JP2001291222 A JP 2001291222A JP 2000159186 A JP2000159186 A JP 2000159186A JP 2000159186 A JP2000159186 A JP 2000159186A JP 2001291222 A JP2001291222 A JP 2001291222A
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magnetic field
coercive force
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JP2000159186A
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Katsutaro Ichihara
勝太郎 市原
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 核生成保磁力(Hn)>磁壁移動保磁力(H
w)である連続磁性媒体への記録品質を確保する。 【解決手段】 核生成保磁力(Hn)が磁壁移動保磁力
(Hw)よりも大きい、略連続膜構造の磁性膜媒体と、
この媒体に対してHn以上の記録磁界を印加して記録を
行う磁気記録ヘッドとを具備した磁気記録装置におい
て、現在記録しようとしている磁化転移よりも一つ前の
磁化転移部における記録磁界が、Hw未満に調整されて
いる事、又は現在記録しようとしているトラックに隣接
するトラック上での記録磁界の大きさがHw未満に調整
されている事を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気的に情報の記録
再生を行う磁気記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気的に情報の記録再生を行う磁気記録
装置は、大容量、高速、安価な情報記憶手段として発展
を続けている。特に近年のハードディスクドライブ(H
DD)の進展は著しく、製品レベルで記録密度は10G
b/in2を、内部データ転送速度は100Mbpsを
超え、メガバイト単価は数円/MBに低価格化してい
る。HDDの高密度化は、信号処理、メカ・サーボ、ヘ
ッド、媒体、HDIなど複数の要素技術の集大成として
進展してきているが、近年、媒体の熱擾乱問題がHDD
の高密度化の阻害要因として顕在化しつつある。
【0003】磁気記録の高密度化は、記録セルの微細化
により実現するが、記録セルの微細化により媒体からの
信号磁界が減少する為、所定の信号対雑音比(S/N)
を確保する上では、媒体ノイズの低減化が必須となる。
媒体ノイズの主因は、磁化転移部の乱れであり、乱れの
大きさは媒体の磁化反転単位に比例する。磁気媒体には
多結晶磁性粒子からなる薄膜(多粒子系薄膜)が用いら
れているが、多粒子系薄膜の磁化反転単位は、粒子間に
磁気的な交換相互作用が作用する場合は、交換結合され
た複数の磁性粒子から構成される。従来、例えば数10
0Mb/inから数Gb/inの記録密度において
は、媒体の低ノイズ化は主に、磁性粒子間の交換相互作
用を低減し磁化反転単位を小さくする事で実現してき
た。最新の10Gb/in級の磁気媒体では、磁化反
転単位は磁性粒子2−3個分にまで縮小されており、近
い将来、磁化反転単位は磁性粒子一つに相当するまで縮
小するものと予測される。
【0004】従って今後さらに磁化反転単位を縮小して
所定のS/Nを確保する為には、磁性粒子の大きさ自身
を小さくする必要がある。磁性粒子の体積をVとおくと
粒子の持つ磁気的エネルギーはKuVで表わされる。こ
こでKuは粒子の磁気異方性エネルギー密度である。低
ノイズ化の為にVを小さくするとKuVが小さくなり室
温付近の熱エネルギーによって記録情報が乱れる、とい
う熱擾乱問題が顕在化する。Shallok等の解析に
よれば、粒子の磁気的エネルギーと熱エネルギー(k
T;k:ボルツマン定数、T:絶対温度)の比、KuV
/kTは100程度の値でないと記録寿命の信頼性を損
ねる。従来から媒体磁性膜に用いられてきたCoCr基
合金のKu(2−3×10erg/cc)では、低ノ
イズ化の為に粒径微細化を進めると熱擾乱耐性の確保が
困難な状況に至りつつある。そこで近年、CoPt,F
ePdなど10erg/cc以上のKuを示す磁性膜
材料が注目を浴びてきているが、粒径微細化と熱擾乱耐
性を両立する為に、単純にKuを上げると別の問題が顕
在化する。それは記録感度の問題である。媒体磁性膜の
Kuを上げると媒体の記録保磁力(Hc0=Ku/Is
b;Isb:媒体磁性膜の正味の磁化)が上昇し、Hc
0に比例して飽和記録に必要な磁界が増加する。記録ヘ
ッドから発生し媒体に印加されるの記録磁界は記録コイ
ルへの通電電流の他に、記録磁極材料、磁極形状、スペ
ーシング、媒体の種類、膜厚などに依存するが、高密度
化に伴い記録磁極先端部のサイズが縮小する事を考慮す
ると、発生磁界の大きさには限界がある。例えば最も発
生磁界の大きな単磁極ヘッドと軟磁性裏打ち垂直媒体の
組合せでも、記録磁界の大きさは高々10kOe程度が
限界である。一方で将来の高密度・低ノイズ媒体に必要
な5nm程度の粒径で、十分な熱擾乱耐性を得る上で
は、10erg/cc以上のKuを示す磁性膜材料を
採用する必要があるが、その場合、室温付近における媒
体の記録に必要な磁界は10kOeを軽く上回る為、記
録が出来なくなる。従って単純に媒体のKuを増加させ
てしまうと、記録自体が出来ないという問題が顕在化す
るのである。
【0005】上記した様に、従来の多粒子系媒体を用い
た磁気記録では、低ノイズ化、熱擾乱耐性の確保、記録
感度の確保がトレードオフの関係に有り、これが記録密
度の限界を与える。この問題を解決する提案として、光
磁気媒体に用いられている様な連続磁性膜系媒体を用い
る方式がある。連続磁性膜を用いる方式では、磁性粒子
の体積Vは無限大と見なせるので熱擾乱問題は考える必
要が無い。連続磁性膜を用いる方式は例えば、日本応用
磁気学会学術講演予稿集'99に室温記録の例が開示さ
れている。又、連続磁性膜として光磁気媒体を用い、熱
アシスト磁気記録を試みた例は、例えば日本応用磁気学
会誌vol.23,No.8,pp.1901−190
6,1999に開示されている。これらの提案において
は、連続磁性膜の有する保磁力特性と記録密度、ヘッド
磁界分布の関係について開示されていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、連続磁
性膜系媒体を用いる従来の光アシスト磁気記録の提案で
は、保磁力特性と記録密度、ヘッド磁界分布の関係につ
いて開示されていない。本発明は、かかる事情に鑑みて
なされたものであり、連続磁性膜系媒体を用いる磁気記
録装置において、記録の信頼性を向上することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明の第1は、核生成保磁力(Hn)が磁壁
移動保磁力(Hw)よりも大きい、略連続膜構造の磁性
膜媒体と、この媒体に対してHn以上の記録磁界を印加
して記録を行う磁気記録ヘッドとを具備し、現在記録し
ようとしている磁化転移よりも一つ前の磁化転移部にお
ける記録磁界が、Hw未満に調整されている事を特徴と
する磁気記録装置を提供する。
【0008】また本発明の第2は、核生成保磁力(H
n)が磁壁移動保磁力(Hw)よりも大きい、略連続膜
構造の磁性膜媒体と、この媒体に対してHn以上の記録
磁界を印加して記録を行う磁気記録ヘッドとを具備し、
現在記録しようとしているトラックに隣接するトラック
上での記録磁界の大きさがHw未満に調整されている事
を特徴とする磁気記録装置を提供する。
【0009】また本発明の第3は、核生成保磁力(H
n)が磁壁移動保磁力(Hw)よりも大きい、略連続膜
構造の磁性膜媒体と、この媒体に対してHn以上の記録
磁界を印加して記録を行う磁気記録ヘッドと、記録磁界
が印加される部分の媒体の温度を上昇する手段とを具備
し、現在記録しようとしている磁化転移よりも一つ前の
磁化転移部における記録磁界が、Hw未満に調整されて
いる事を特徴とする熱アシスト型の磁気記録装置を提供
する。
【0010】さらにまた本発明の第4は、核生成保磁力
(Hn)が磁壁移動保磁力(Hw)よりも大きい、略連
続膜構造の磁性膜媒体と、この媒体に対してHn以上の
記録磁界を印加して記録を行う磁気記録ヘッドと、記録
磁界が印加される部分の媒体の温度を上昇する手段とを
具備し、現在記録しようとしているトラックに隣接する
トラック上での記録磁界の大きさがHw未満に調整され
ている事を特徴とする熱アシスト型の磁気記録装置を提
供する。
【0011】光磁気記録層として用いられている連続磁
性膜は、核生成保磁力Hnと磁壁移動保磁力Hwの二種
類の保磁力を有する。核生成保磁力Hnとは、磁壁(磁
化転移)の存在しない部分に新たに磁壁を生成するのに
必要な外部磁界を意味し、磁壁移動保磁力Hwとは、既
に磁壁の存在する場所に磁界を印加した際に、磁壁が移
動を開始する外部磁界を意味する。磁壁の存在しない場
所と存在する場所では、磁壁エネルギー、反磁界エネル
ギーが異なるのでHnとHwは異なる値を示し、本発明
の対象とする連続磁性膜はHn>Hwなる特性を有す
る。ここで本発明に関わる磁性媒体は、Hn,Hwの二
種類の保磁力を有し、かつHn>Hwであれば、物理的
構造としては不連続状でも構わない。但し現行の磁気記
録に採用されている様な、結晶粒子一つが単磁区を為
し、磁壁が形成されない磁性媒体は除外されてしかるべ
きである。物理的に不連続な部分が有っても磁壁が存在
し、かつ記録上は磁壁が磁化転移部として振る舞う程度
の連続性を有する略連続膜構造の磁性膜媒体が本発明の
対象である。
【0012】Hn>Hwの特性を有する略連続磁性膜に
記録を行う場合には、記録磁界の分布、最短磁化転移間
隔、トラックピッチに対する配慮が重要であり、その配
慮を施したのが本発明の磁気記録装置である。Hn>H
wの媒体に、磁気記録では常識的に行われているダイレ
クトオーバライト型の記録を行う際には、記録磁界(H
r)はHn以上に設定されるべきである。何故ならば、
ダイレクトオーバライトとは古い情報(磁化転移の有
無)に関わらず、新しい情報を重ねがきする事を意味す
るからであり、磁化転移が無い部分にも新しい磁化転移
を形成する必要があるからである。従って記録点におい
て、Hr>Hnを満たす。Hrは当然の事ながらある空
間分布を有するので、記録点でHr>Hnを満たす場
合、記録点以外の部分のある有限な領域は、Hr≧Hw
を満たす。もしHr≧Hwの領域内に、同一トラック上
の既に形成した磁化転移もしくは隣接トラックが存在し
た場合には、同一トラック上の既に形成した磁化転移も
しくは隣接トラック上の磁化転移は移動してしまう事に
なり情報の破壊が起こる。この問題を回避する為の技術
が本発明の主旨である。又、本発明はHn>Hwの特性
を有する略連続膜状の磁性膜媒体を用いる形態であれ
ば、室温付近のHn,HwをHrよりも大きく設定し、
記録すべき部分を加熱して、加熱部のHn,HwをHr
より低下させて記録を行う熱アシスト磁気記録に対して
も有効である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の磁
気記録装置の実施形態を説明する。
【0014】第1の実施形態 図1は本発明の磁気記録装置に搭載される連続磁性膜の
Hn,Hwと膜温度Tの測定例(a)と、Hn,Hwを
決める為の磁化曲線の一例(b)を示す図である。連続
磁性膜としては、代表的な光磁気記録層であるTb−F
e−Co膜を用い、Si基板上に100nm厚のTbF
eCo膜をスパッタ成膜し、真空中で連続してSi−N
膜を100nm保護コートした試料を作成し、試料温度
可変のVSMで図1の特性を測定した。Hnの測定は単
純に磁界を±15kOeの間でスイープして試料に印加
して求めた。スイープ速度を比較的速く設定し(例えば
フルスイープ時間10min)、図1(b)の実線で示
す磁化曲線を測定する。一方向へ15kOeの磁界を印
加するとHn<15kOeの場合には、試料の磁化は全
て磁界の方向に揃い、磁壁は無くなる。この状態で逆方
向に磁界を印加していくと、Hnで逆向きの磁化部が試
料内に形成される。この時、Hn>Hwで有るので、逆
向き磁化の周囲に形成されている磁壁は高速で逆向き磁
区を拡大する方向に移動する。その結果、外部磁界がH
nに達した瞬間に試料の磁化は全て逆向きに揃うので、
図1(b)に示す様な保磁力角型比がほぼ1の磁化曲線
を描く。Hwの測定はスイープ速度を極端に遅くして行
っても良いが、ここでは一方向の一様に磁化した後に、
光磁気記録的に(静止記録システムを利用)微小反転磁
区を幾つか試料内に形成し、この反転磁区の磁化方向に
磁界を印加してゆっくりと磁界を増加させる。この場合
は予め反転磁区が形成されているので、磁化曲線はHw
で動き出す。磁化曲線が磁壁移動により反転磁区の磁化
方向に動き出した点がHwとして測定される。上記を試
料温度を変えながら測定したのが図1(a)である。こ
の第1の実施形態では室温記録の例を記載するので、図
1(a)のTa(室温)の値のみが重要となる。Taで
のHn,Hwは各々、4kOe,3kOeであった。
【0015】図1の特性を示す磁性層を用いて本発明を
実施した。図2は、本発明の実施に使用した媒体と記録
ヘッドの構成を示す図であり、1は記録媒体、2は記録
ヘッド、11は媒体基板、12は連続状記録磁性膜、1
3は保護膜、21は主磁極、22はリターンパス、23
はコイルである。図2で媒体はヘッドに対して例えば紙
面左側から右側へ移動する。上記構成は例えば以下の手
段で作成する事が可能である。先ず媒体1に関しては、
ガラスもしくはNiPコートAlなど通常の磁気ディス
クに使用されている基板11上に、例えばTbFeC
o,GdTbFeCo,TbDyFeCo,NdTbF
eCo等の希土類遷移金属非晶質合金膜、もしくはCo
/Pt,Co/Pd等の磁性多層膜、もしくはCoC
r,CoPt,CoCrTaPt等、磁気記録の分野に
おいて使用されている多結晶膜などからなる記録層12
と、Cを代表とする保護膜13をスパッタ成膜し、スパ
ッタ装置から取出した後に潤滑層をコートすれば作成で
きる。ここで、記録層の磁化容易軸は膜面に対して垂直
でも平行でも構わない。垂直の場合は垂直記録ヘッド、
面内の場合には長手記録ヘッドが用いられる。次に記録
ヘッドの作成例を説明する。図2には示していないが、
例えばアルチックからなるウェファ基板に、磁気ヘッド
プロセスで例えばGMR再生素子部を形成した後、絶縁
膜を介してリターンパス、コイル、主磁極を順次、例え
ばフレームメッキ法で作成する。チッピング後、必要に
応じてABS面側にCなどの保護コートを施す。チッピ
ング後、通常のスライダー加工を施し、サスペンション
への取付けを行いリード線実装すれば、ヘッドジンバル
アッセンブリーが完成する。
【0016】以上の様に作成した媒体と記録ヘッドを例
えばエアースピンドルモータをディスク回転系として具
備するスピンスタンド型の評価機にセットし、以下の様
に本発明を実施した。媒体を例えば線速10m/sで駆
動し、ヘッドを近接浮上させて、最高記録周波数をパラ
メータにランダムパターンを記録し、GMRで再生して
ビットエラー率を測定する。最高記録周波数を変えると
最短磁化転移間隔Bminが変わるが、このBminと
次に述べるXnwの比率を変数にとりビットエラー率の
挙動を調べた。Xnwは記録磁界Hrが媒体の核生成保
磁力Hnと等しくなる位置と、Hrが媒体の磁壁移動保
磁力Hwと等しくなる位置の距離であり、図3に図示し
た。Hrは媒体トラック方向xに対して図3に示す様な
分布を呈する。従ってHrがHnに等しくなる位置(こ
の位置でHrの極性が反転すればそこに磁化転移が形成
される)とHrがHwに等しくなる位置は異なる。ここ
で、Hrの空間分布は主磁極形状、材料パラメータ、記
録電流などから解析的に求める事が出来、Hn,Hwは
図1に示した様に別途測定する事が出来るので、Xnw
を特定する事が可能となる。
【0017】図4はBmin/Xnwと生のビットエラ
ー率(BER)の関係を調べた結果である。図4から明
らかな様に、BminがXnwよりも長い場合は、BE
Rは低い値を示すが、BminがXnwよりも短くなる
と急激にBERが劣化する事が判る。この理由は図3か
ら明らかである。即ち、BminがXnwよりも長い場
合には、一つ前の磁化転移部でHrはHw未満に低下し
ているので、磁壁移動は起こらないが、BminがXn
wよりも短い場合には、一つ前の磁化転移部でHrがH
w以上となって、一つ前に形成した磁化転移部を右側も
しくは左側に移動させてしまいBERを大きくした為で
ある。
【0018】第2の実施形態 上記した第1の実施形態ではトラック方向に着目した
が、本実施形態ではトラック幅方向に着目して評価し
た。この実験ではBmin>Xnwと設定しておき、ト
ラックピッチをパラメータにクロスイレーズX−Eを評
価指標に実験を行った。先ず三本のトラックを設定し
て、両側の二本のトラックに例えば200kfciの記
録信号を記録してスペクトラムアナライザーで信号レベ
ルを調べた後、真中のトラックに300kfciの信号
を記録して、隣接トラック上の200kfciの信号レ
ベルを再度測定する。真中のトラックに記録する前後の
200kfciの信号レベルの差がX−E、即ち、隣接
トラックに滲み出したHrによって隣接トラックの磁化
転移が移動する事による劣化に相当する。トラックピッ
チからHr>Hnになっている部分の幅を差引いた値を
ガードバンド幅Wgとし、Wg/XnwとX−Eの関係
を図5に示す。図5から明らかな様に、WgがHnwよ
りも大きい場合には隣接トラックの信号劣化は無いが、
WgがHnwよりも小さくなると隣接トラックの信号劣
化は顕著になる。この理由はやはり図3を見て、図3の
Bminで示した部分をWgに置換えて考えれば説明で
きる。
【0019】第3の実施形態 次に熱アシスト磁気記録の態様に本発明を適用した例を
示す。
【0020】熱アシスト磁気記録の基本的考え方は、多
粒子系に適用する場合には、低ノイズ化の為に例えば数
nm粒径の微細磁性粒子からなる媒体を用い、この様な
微細粒子でも十分な室温熱擾乱耐性を確保する為に、例
えば10E7erg/cc以上の非常に大きな磁気異方
性を有する磁性材料を媒体に用いる。このままでは室温
の保磁力Hc0は例えば数10kOe程度の大きな値を
示して実用的な記録ヘッドの記録能力を上回って記録出
来ないので、記録すべき部分のみを例えばレーザビーム
照射もしくは電子ビーム照射により選択的に加熱してH
c0を低下し、このHc0の低下した部分に記録磁界を
印加して記録するというものである。本発明では基本的
に多粒子媒体では無く連続膜媒体を用いるので、熱アシ
ストの基本的考え方は上記とは異なる。連続膜媒体にお
いては磁気異方性が小さい場合でも基本的に熱擾乱耐性
は十分なので、熱擾乱の立場からは磁気異方性もしくは
保磁力を大きくする必要は無い。但し連続膜媒体では磁
壁の厚みが記録密度の制限要因になるので、磁壁の厚み
を薄くする事が重要である。磁壁の厚みは磁気異方性エ
ネルギーの平方根の逆数に比例するので、高密度化の視
点から磁気異方性を大きくすべきである。従ってやはり
室温では記録出来ない様な巨大な保磁力を示す連続膜を
用いる事に意味があり、記録する為に記録すべき部分を
選択的に加熱して保磁力を低下させて記録する事に意味
がある。
【0021】以下、本発明を熱アシスト磁気記録に適用
した実施形態を述べる。
【0022】図6は熱アシスト磁気記録ヘッドと媒体の
構成を示す一例であり、図2と同等の機能を有する部位
は図2と同一の符号で示してある。図6においては熱源
に端面発光レーザを使用した例を示してあり、1は熱ア
シスト記録に適した媒体、2は熱アシスト磁気記録ヘッ
ド、11は媒体基板、12は記録磁性膜、13は保護
膜、21は主磁極、22はリターンパス、23はコイ
ル、24は第二のクラッド層、25は活性層、26は第
一のクラッド層、27は誘電体薄膜、28は反射膜、2
9は光学開口である。媒体1の作成は前記した実施例1
の場合と同様に実施可能であるが、膜組成などを調整
し、室温保磁力は>15kOe程度に調整され、記録点
例えば200−250℃におけるHn,Hwとして各
々、4kOe,3kOe程度に調整される。熱アシスト
磁気ヘッド2は、例えば、サファイア基板上にバッファ
層形成後、第一のクラッド層、活性層、第二のクラッド
層を形成した後、第二のクラッド層の一部をエッチング
加工してそこに主磁極を埋め込み、次にコイル、リター
ンパスを例えばフレームメッキ形成する。再生素子部は
例えば図6の右側に絶縁膜を介してGMR素子を作成す
るなどすれば良い。薄膜工程終了後、レーザ素子部を壁
開し、壁開面に誘電体膜、反射膜をコートし、反射膜に
光学開口をFIB加工する。上記作成例はレーザ素子と
磁気ヘッド素子をモノリシックに作成する例だが、レー
ザ素子と磁気ヘッド素子を別々に作成してから、マーカ
などを利用して高精度の位置合わせを行いながらハイブ
リッドタイプで構成しても構わない。サスペンションへ
の取付けは第1の実施形態と同様に実施できる。
【0023】熱アシスト磁気記録におけるXnwは、室
温磁気記録におけるそれとは異なる。図7にHn,H
w,Hrの空間分布(もしくは時間変化)を示す。レー
ザ照射により加熱した記録層は、Hn,Hwを低下し、
このHn,Hwが低下した位置にHrが印加する。Hr
とHnの交点が記録固定位置(この位置でHrの極性が
反転した場合には磁化転移形成位置)であり、それより
下流側にHrとHwの交点が配される。本発明は、この
HrとHwの交点位置よりも下流側に一つ前の磁化転移
が位置する事を規定しているが、より具体的には、図7
において、BminがXnwよりも長く設定されている
事を意味する。HrとHnの交点位置は例えば、記録直
後にGMR素子によって信号再生し、Hrの零クロス点
(極性反転位置)と再生信号ピーク(磁化転移部)の時
間差を測定し、それと物理的な記録主磁極とGMR素子
部間の時間差を比較する事で特定可能である。あるいは
媒体の熱応答を解析的に求め、これに図1に示した媒体
の熱磁気特性を当てはめてHn,Hwの空間分布を導出
し、これとHrの空間分布からHrとHnの交点及びH
rとHwの交点を特定する事も可能である。この様にし
てXnwを特定し、第1の実施形態と同様にBmin/
Xnwとビットエラー率の関係を調べると熱アシスト磁
気記録の形態においても本発明が効果的である事が確認
出来る。又、トラック幅方向に関しても、Xnwの定義
が室温記録とは異なる点を除き、上記実施形態と同一の
効果を確認できる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、基本的に熱擾乱耐性が
十分に高い連続膜状の媒体を用いて、磁気記録を行う装
置において、既に記録済みの磁化転移を乱す事なく、か
つ隣接トラックの磁化転移を乱す事なく記録する事が出
来るので、記録の信頼性が格段に向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録装置に搭載される磁気記録媒
体の特性を示す特性図。
【図2】本発明の磁気記録装置の記録ヘッドと媒体の第
1の実施形態を示す断面図。
【図3】本発明の磁気記録原理を説明する第1の例を示
す説明図。
【図4】本発明の効果を示す第1の例を示す特性図。
【図5】本発明の効果を示す第2の例を示す特性図。
【図6】本発明の磁気記録装置の記録ヘッドと媒体の第
2の実施形態を示す断面図。
【図7】本発明の磁気記録原理を説明する第2の例を示
す説明図。
【符号の説明】
1…記録媒体 2…記録ヘッド 11…媒体基板 12…連続状記録磁性膜 13…保護膜 21…主磁極 22…リターンパス 23…コイル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核生成保磁力(Hn)が磁壁移動保磁力
    (Hw)よりも大きい、略連続膜構造の磁性膜媒体と、
    この媒体に対してHn以上の記録磁界を印加して記録を
    行う磁気記録ヘッドとを具備し、現在記録しようとして
    いる磁化転移よりも一つ前の磁化転移部における記録磁
    界が、Hw未満に調整されている事を特徴とする磁気記
    録装置。
  2. 【請求項2】 核生成保磁力(Hn)が磁壁移動保磁力
    (Hw)よりも大きい、略連続膜構造の磁性膜媒体と、
    この媒体に対してHn以上の記録磁界を印加して記録を
    行う磁気記録ヘッドとを具備し、現在記録しようとして
    いるトラックに隣接するトラック上での記録磁界の大き
    さがHw未満に調整されている事を特徴とする磁気記録
    装置。
  3. 【請求項3】 核生成保磁力(Hn)が磁壁移動保磁力
    (Hw)よりも大きい、略連続膜構造の磁性膜媒体と、
    この媒体に対してHn以上の記録磁界を印加して記録を
    行う磁気記録ヘッドと、記録磁界が印加される部分の媒
    体の温度を上昇する手段とを具備し、現在記録しようと
    している磁化転移よりも一つ前の磁化転移部における記
    録磁界が、Hw未満に調整されている事を特徴とする熱
    アシスト型の磁気記録装置。
  4. 【請求項4】 核生成保磁力(Hn)が磁壁移動保磁力
    (Hw)よりも大きい、略連続膜構造の磁性膜媒体と、
    この媒体に対してHn以上の記録磁界を印加して記録を
    行う磁気記録ヘッドと、記録磁界が印加される部分の媒
    体の温度を上昇する手段とを具備し、現在記録しようと
    しているトラックに隣接するトラック上での記録磁界の
    大きさがHw未満に調整されている事を特徴とする熱ア
    シスト型の磁気記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8786973B2 (en) 2012-03-23 2014-07-22 Kabushiki Kaisha Toshiba Thermally assisted magnetic recording medium and thermally assisted magnetic recording apparatus

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