JP5708416B2 - ノイズブランカおよびパルスノイズ減衰方法 - Google Patents

ノイズブランカおよびパルスノイズ減衰方法 Download PDF

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Description

本発明は、無線機で受信した入力信号に含まれるパルスノイズを抑制するノイズブランカおよびパルスノイズ減衰方法に関する。
無線機には、受信した入力信号に含まれるパルスノイズを抑制すべくノイズブランカが設けられているものがある。ノイズブランカは、中間周波数(IF)のIF信号や音声周波数の音声信号に含まれるパルスノイズを検出し、パルスノイズが検出されている間、入力信号自体を抑制して、パルスノイズが高い音圧として出力されるのを回避する装置である。
しかし、アナログ回路で構成されたノイズブランカと異なり、デジタル回路によるノイズブランカでは、パルスノイズを検出している間にIF信号や音声信号を単純に切断してしまうと、切断後の急峻な波形により意図せず帯域が広がってしまい、不快な音として復調されたり、聴感上、再変調したような音となってしまうことがある。
そこで、入力信号Xの絶対値が、その絶対値の平均値X’に所定の基準値Kを乗算した値(X’×K)より大きくなると、入力信号に、減衰ゲイン(X’×K)/Xを乗じる技術が開示されている(例えば、特許文献1)。かかる技術では、パルスノイズが、平均値X’に基準値Kを乗じた大きさ(X’×K)に抑えられる。
特開2006−050003号公報
しかし、上記特許文献1の技術では、パルスノイズを被変調波信号と同等のレベルにしか抑制していないので、パルスノイズが聴感上不快な音声として残ってしまう。ましてや、特許文献1のように、単純なLPFによって、入力信号Xの平均値X2を導出すると、平均値X2にパルスノイズも含まれているため、その値は、厳密な被変調波信号の振幅の平均値より高くなり、抑制したパルスノイズ(X’×K)の振幅は実質的な被変調波信号の振幅より必然的に高くなる。したがって、上記の減衰ゲイン(X’×K)/Xでパルスノイズを抑制したとしても、被変調波信号とパルスノイズのS/N比によっては、そのパルスノイズが、聴感上非常に不快な音として残ることとなる。
よって、上記特許文献1の技術では、S/N比に応じ、基準値Kを入力信号のレベルに合わせて調整しなければならず、煩わしい調整を必要とする。
本発明は、このような課題に鑑み、煩わしい調整を行うことなく、パルスノイズを適度に抑制可能な、ノイズブランカおよびパルスノイズ減衰方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明のノイズブランカは、入力信号の被変調波の包絡線に基づくピーク曲線から閾値の基準となる閾値基準曲線導出する閾値導出部と、閾値基準曲線に所定のオフセット値を加算して閾値曲線を導出し、閾値曲線に基づいて、入力信号が閾値曲線未満であれば減衰せず、入力信号が閾値曲線以上であれば、入力信号の増加に従って漸減する減衰特性線を導出する減衰導出部と、減衰特性線に基づいて入力信号を減衰させる減衰部と、を備え、減衰特性線の減衰特性の傾きの係数は、減衰させる信号が閾値曲線未満、かつ、遮断としない範囲内で可変であることを特徴とする。
減衰特性線は、入力信号を対数で表した際の一次関数であってもよい。
上記課題を解決するために、本発明のパルスノイズ減衰方法は、入力信号の被変調波の包絡線に基づくピーク曲線から閾値の基準となる閾値基準曲線導出し、閾値基準曲線に所定のオフセット値を加算して閾値曲線を導出し、導出された閾値曲線に基づいて、入力信号が閾値曲線未満であれば減衰せず、入力信号が閾値以上であれば、入力信号の増加に従って漸減し、その減衰特性の傾きの係数が、減衰させる信号が閾値曲線未満、かつ、遮断としない範囲内で可変する減衰特性線を導出し、減衰特性線に基づいて入力信号を減衰することを特徴とする。
本発明のノイズブランカは、煩わしい調整を行うことなく、パルスノイズを適度に抑制することが可能となる。
無線機の特に受信回路に関する電気的な構成を示した機能ブロック図である。 ノイズブランカの電気的な構成を示した機能ブロック図である。 ノイズブランカの各機能部の処理例を示したタイミングチャート図である。 ノイズブランカの各機能部の処理例を示したタイミングチャート図である。 ノイズブランカの各機能部の処理例を示したタイミングチャート図である。 ノイズブランカの各機能部の処理例を示したタイミングチャート図である。 減衰導出部の処理を説明するための説明図である。 パルスノイズ減衰方法の処理の流れを示したフローチャートである。 ノイズブランカによる効果を検証するための説明図である。 ノイズブランカによる効果を検証するための説明図である。 ノイズブランカによる効果を検証するための説明図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(無線機100)
図1は、無線機100の特に受信回路に関する電気的な構成を示した機能ブロック図である。本実施形態の無線機100では、SSB/AM/CW(Single Side Band / Amplitude Modulation / Continuous Wave)が採用され、受信回路として、アンテナ110と、RF受信回路112と、A/D変換器114と、ノイズブランカ116と、AF回路118と、音声出力部120と、中央制御部122と、操作部124とを含んで構成される。
アンテナ110は、電波信号(無線信号)を、RF受信回路112で処理可能な電気信号に変換するために用いられる。RF受信回路112は、アンテナ110において変換された電気信号から、中央制御部122が示す周波数に対応する電気信号を抽出して、周波数変換を行い、IF(中間周波数)信号を生成する。A/D変換器114は、RF受信回路112で生成されたIF信号をアナログ形式からデジタル形式に変換する。
ノイズブランカ116は、例えば、信号処理装置(DSP:Digital Signal Processor)等で構成され、IF信号に含まれるパルスノイズを検出し、パルスノイズを検出している間、IF信号自体を抑制する。ここでは、信号処理装置によるソフトウェア処理でノイズブランカ116を実現する例を挙げるが、回路が固定されたハードウェアのみで実現することもできる。
AF回路118は、ノイズブランカ116を通過したIF信号をAF(オーディオ周波数)信号に復調し、アナログ形式で出力する。音声出力部120は、スピーカやヘッドホンで構成され、AF回路118から受信した音声信号を音声として出力する。
中央制御部122は、中央処理装置(CPU)や信号処理装置(DSP)、プログラム等が格納されたROM、ワークエリアとしてのRAM等を含む半導体集積回路により、無線機100全体を管理および制御する。操作部124は、摘み、押圧スイッチ、十字キー等で構成され、例えば、ユーザによる、入力信号の音圧を示すNB(Noise Blanker)レベルの設定操作を受け付ける。
(ノイズブランカ116)
図2は、ノイズブランカ116の電気的な構成を示した機能ブロック図であり、図3から図6は、ノイズブランカ116の各機能部の処理例を示したタイミングチャート図である。ノイズブランカ116は、対数変換部130と、包絡線導出部132と、ピーク導出部134と、閾値導出部136と、減衰導出部138と、減衰部(コンプレッション)140とを含んで構成される。
対数変換部130は、入力信号(振幅値)を対数変換し、デシベル形式にする。例えば、ノイズブランカ116に、図3(a)に示すような入力信号が入力されたとする。図3(a)では、本来の被変調波信号150に対して、パルスノイズ152が含まれており、パルスノイズ152の振幅は、被変調波信号150の振幅より大きい。そこで、対数変換部130は、入力信号の振幅を対数変換することで、図3(b)で示すように、入力信号をデシベル形式(単位はdBFS)で表す。dBFSは、本願のデジタル処理が扱える上限の値をフルスケール(Full Scale)とした対数表記を示す。
このような対数変換を施すことで、後述する被変調波信号150の包絡線(エンベロープ)を容易かつ適切に導出することができる。また、ここで、データを対数換算しておくことで、後段においてパルスノイズ152を対数的に減衰する処理等においても、何度も対数変換を行う必要がなくなり、処理負荷の軽減を図ることが可能となる。
包絡線導出部132は、対数変換された入力信号(対数値)からパルスノイズ152を除いた包絡線を導出する。ここで、包絡線導出部132は、包絡線を導出するために、信号が小さくなる際(以降、立下りと記載)の時定数より信号が大きくなる際(以降、立上りと記載)の時定数が大きい第1積分器(図示せず)によって、対数変換された入力信号(対数値)を積分し、包絡線160を生成する。
ここでは、入力信号(対数値)の立上りと、立下りと、で時定数が異なるため、入力信号(対数値)が小さくなるときには、積分結果(積分器の計算結果)が迅速に追従するが、入力信号(対数値)が大きくなるときには、積分結果が追従し難い。したがって、対数変換部130から出力された図3(b)のような入力信号(対数値)のうち、パルスノイズ152に相当する短時間に限ってレベルが高くなる信号が抑制される。こうして、図4(a)に示すように、入力信号(対数値)からパルスノイズ152を除去した、被変調波信号150に相当する波形の外縁に相当する包絡線160を導出することができる。
入力信号(対数値)において、被変調波信号150とパルスノイズ152とのS/N比は、図3(a)に示したように実際は大きいが、上述した対数変換部130によって入力信号(振幅値)が対数変換されているので、被変調波信号150とパルスノイズ152とを積分するのに適した物理量で示すことができる。こうして、被変調波信号150の包絡線160を正確かつ効率的に推定することが可能となる。
また、包絡線導出部132は、対数変換部130より前段に設けられたルーフィングフィルタ(図示せず)の通過周波数帯域に応じて、上記の第1積分器の時定数を変更する。ルーフィングフィルタは、IF入力信号の帯域通過フィルタ(BPF)であり、例えば、SSB/AM被変調波入力を対象とした広い帯域幅(15kHz/6Hz)やCWを対象とした狭い帯域幅(2.7kHz/500Hz)に設定されている。
かかるルーフィングフィルタの通過周波数帯域幅が狭くなると、ルーフィングフィルタ通過後のパルスノイズ152は、そのルーフィングフィルタのインパルス応答に応じて本来の振幅特性が劣化し、パルスの時間幅が大きくなる。そこで、包絡線導出部132では、ルーフィングフィルタの現在の帯域幅を取得し、それに合わせて第1積分器の時定数を調整することで、より正確に被変調波信号150の包絡線160を導出することが可能となる。このような時定数の調整は、ルーフィングフィルタの通過周波数帯域幅と、包絡線導出部132の積分器の時定数とを一意に対応付けたテーブルを用いて実現されるとしてもよく、その場合、ルーフィングフィルタの通過周波数帯域幅の切り換え信号に応じて、時定数を変更することとなる。また、後述するピーク導出部134の第2積分器の時定数も、ルーフィングフィルタの通過帯域幅の切替信号に応じて変更してもよい。
ピーク導出部134は、包絡線導出部132が導出した包絡線160のピークに基づくピーク曲線162を導出する。例えば、ピーク導出部134は、信号の立上りの時定数より信号の立下りの時定数が大きい第2積分器(図示せず)によって、包絡線160を積分し、ピーク曲線162を導出する。また、ピーク導出部134の第2積分器によって、包絡線導出部132で除去し切れなかったパルスノイズを除去してもよい。
閾値導出部136は、ピーク導出部134により導出されたピーク曲線162から、閾値の基準となる曲線(閾値基準曲線164)を導出する。例えば、立上りの時定数が小さく、立下りでは第2積分器より時定数の大きい第3積分器によって求めることができる。
閾値基準曲線164は、図5では被変調波の振幅が一定のCWのため、直線であるが、SSBやAMといった音声変調の場合、変調の大小や変調周波数により振幅の山谷が生じるので、山となる変調のピークを滑らかにつないだ曲線(ピーク値包絡線)となる。
また、ピーク曲線162をサンプリングし、サンプリング前後のピーク値の差分を求め、差分が所定以下の状態が、所定時間(t)に達した場合、つまりピーク曲線162の変化が所定より小さくなった状態が所定時間(t)継続した場合には、入力信号は無くなったものとして、第3積分器の立下り動作をリセットし、再び積分を開始させる。ここで、図5(b)のようにノイズフロアレベルのピーク値包絡線の検出を開始してもよい。
このようにして、入力信号の有無の検出結果も含めたピーク値包絡線は、対数値で表した図3(b)の被変調波150に含まれるパルスノイズ152の判別を行うための閾値の基準となる閾値基準曲線164となる。
また、閾値導出部136の第3積分器を、ピーク曲線162のピーク値を所定時間(t)ホールドするピークホールド器(ピークホールド手段)としてもよい。ピーク曲線162の上昇にピークホールド器の出力は追従するが、ピーク曲線162の下降の際は、ピークとなった値を所定時間(t)維持し、所定時間(t)経過後のピーク曲線162の値を再び維持する動作となる。この場合、所定時間(t)後にピークホールドが解除されるため、前述のサンプリングによる信号有無判別は不要である。このピークホールド器により得られる出力を閾値基準曲線164としてもよい。
かかる構成により、CWにおけるトーンとトーンとの間や、音声の単語間等、一時的に信号が途切れる場合であっても閾値の基準は維持され、入力信号(振幅値)がなくなった場合には速やかに閾値の基準を下げることができる。
減衰導出部138は、図6に示すように、閾値基準曲線164に所定のオフセット値offを加算して閾値曲線166を導出する。ここで、閾値曲線166を導出するとは、過去に導出された閾値曲線166の続きとなる値を、入力信号の入力タイミングに応じて導出することである。
ここでは、ユーザによって任意に設定可能な10段階のNBレベルが準備されている。NBレベルは、パルスノイズ152の軽減具合を調整するための指標であり、ユーザが実際の音声を聴きながら操作部124を通じて設定(調整)することができる。例えば、NBレベルを1と設定すると、オフセット値が+10dBとなり、NBレベルを10とすると、オフセット値が+1dBとなる。ユーザによってNBレベルが1に設定されている場合、閾値導出部136は、閾値基準曲線164に、NBレベルに対応するオフセット値、ここでは+10dBを加算し、その値によって閾値曲線166を更新する。
ここでは、閾値基準曲線164に、外部から設定可能なオフセット値を加算して閾値曲線166を生成しているので、被変調波信号150の大小に拘わらず、相対的な閾値を設定することが可能となる。したがって、受信チャンネルの切替えによる入力信号の受信状況が変わっても、外部から改めて閾値を調整しなくて済む。
減衰導出部138は、閾値曲線166に基づいて、入力信号(対数値)が閾値曲線未満であれば減衰せず、入力信号の対数値が閾値以上であれば入力信号の対数値に応じて減衰する減衰特性線を導出する。また、減衰特性線は、入力信号(対数値)が閾値曲線166以上であれば音圧に応じた減衰量で減衰するようにしてもよい。ここで、減衰特性線を導出するとは、入力信号(対数値)の入力タイミングごとに、閾値曲線166を参照し、減衰特性線を導出することである。
図7は、減衰導出部138の処理を説明するための説明図である。図7(a)では、後述する減衰部140によって入力信号(振幅値)が加工された場合の、入力信号(振幅値)と出力信号との関係を対数で示し、図7(b)では、入力信号(振幅値)と減衰量との関係を示している。
図7(a)における、所望するゲインの推移を示したゲイン特性線170を参照すると、入力信号(対数値)が閾値未満である間、その入力信号(振幅値)は被変調波信号150であるとみなし、何らの減衰を行わない。したがって、入力信号(対数値)が閾値未満のとき、出力信号が入力信号(振幅値)と等しくなる。
そして、入力信号(対数値)が閾値以上となると、その入力信号(対数値)はパルスノイズ152であるとみなし、その入力信号(振幅値)を抑制する。例えば、図7(a)に示したゲイン特性線170では、入力信号(対数値)が閾値以上では出力信号の傾きが負となる一次関数で示される。したがって、ゲイン特性線170は、入力信号Xと出力信号Yによって以下の数式1で表すことができる。ただし、ここで、ゲイン特性線170は、入力信号および出力信号を対数で表現した場合の一次関数である。
Y=X (入力信号<B)
Y=AX+(1−A)B (入力信号≧B)
…(数式1)
ただし、閾値Bは減衰導出部138が導出した閾値曲線166により変化する。また、傾きAは負の値となる。
例えば、減衰導出部138が導出した閾値曲線166の値(閾値B)が−40dBFSであり、傾きAが−1.5に設定されていると、図7(a)に示したゲイン特性線170は、Y=XとY=−1.5X−100となる。また、図7(b)における、減衰部140の実際の減衰量を示す減衰特性線172を参照すると、入力信号(対数値)が閾値B未満である間、減衰を行わず、減衰量を0とする。また、入力信号(対数値)が閾値B以上となると、入力信号(対数値)に応じた減衰量で振幅を抑制する。
したがって、減衰特性線172は、入力信号Xと減衰量Zによって以下の数式2で表すことができる。ただし、ここで、減衰特性線172は、入力信号および減衰量を対数で表現した場合の一次関数である。
Z=0 (入力信号<B)
Z=(A−1)X+(1−A)B (入力信号≧B)
…(数式2)
例えば、閾値Bが−40dBFSであり、傾きAが−1.5に設定されていると、図7(b)に示した減衰特性線172は、Z=0とZ=−2.5X−100となる。したがって、閾値より10dBFS大きい−30dBFSの入力信号Xに対し、Z=−2.5×(−30)−100=−25dBFSの減衰ゲイン(コンプレッションゲイン)の減衰が施されることとなる。このとき、本来、−30dBFSの入力信号は25dBFS分減衰され、結果、出力信号Yは−55dBFSに抑制される。
このような減衰特性線172は、所望するゲイン特性線170に基づいて導出され、ゲイン特性線170の閾値Bは減衰導出部138によって導出される。ただし、ゲイン特性線170の傾きAは任意に設定することができ、使用環境のダイナミックレンジや聴感によって、製造段階で適切な傾きAを設定することも、事後的にユーザによって調整(チューニング)することも可能である。こうして、元となる原被変調波信号が歪んでもパルスノイズ152を除去したい場合や、原被変調波信号に対する影響をできるだけ抑えたいといったユーザの要望に応えることが可能となる。
このように、減衰特性線172を、入力信号(対数値)が閾値を超えたレベルが大きくなるに従って漸減させるように(傾きAが負となるように)構成することで、閾値B以上の入力信号(対数値)、即ち、パルスノイズ152とみなされる信号を、被変調波信号150より低くなるように設定することができ、復調の際に聴感上不快なパルスノイズを抑制することが可能となる。また、減衰特性線172で示すように、閾値B以上の減衰特性線172を入力信号(対数値)に応じて連続的に変化させることで、パルスノイズ152を適度に残すことができ、不快な音として復調されるのを回避するだけでなく、聴感上、再変調したような音となるのも回避することができる。
減衰部140は、減衰導出部138が導出した減衰特性線172に従って、入力信号(対数値)に応じた減衰ゲインで入力信号(振幅値)を減衰させる。具体的に、減衰部140は、入力信号(対数値)から減衰導出部138が導出した閾値Bを減算し、その結果が0未満であれば、減衰を施さず、または、減衰比0で減衰し、その結果が0以上であれば、パルスノイズ152とみなして、差分に減衰比(1−A)を乗算した減衰ゲインで減衰させる。
ユーザは、操作部124を通じて、上記NBレベル、ルーフィングフィルタの通過周波数帯域幅およびゲイン特性線170の傾きA等を任意に設定することができる。
(パルスノイズ減衰方法)
図8は、パルスノイズ減衰方法の処理の流れを示したフローチャートである。ノイズブランカ116がIFの入力信号を受け付けると、対数変換部130が入力信号(振幅値)を対数変換し(S200)、包絡線導出部132が、対数変換された入力信号(対数値)からパルスノイズ152を除いた包絡線160を導出し(S202)、ピーク導出部134が、包絡線160のピークを示すピーク曲線162を導出し(S204)、閾値導出部136が、ピーク曲線162より閾値の基準となる閾値基準曲線164を導出し(S206)、減衰導出部138が、閾値基準曲線164に所定のオフセット値を加算して閾値曲線166を導出する(S208)。
続いて、減衰導出部138が、導出された閾値曲線166に基づいて、入力信号(対数値)が閾値曲線166未満であれば減衰せず、入力信号(対数値)が閾値曲線166以上であれば、入力信号(対数値)の増加に従って漸減するように、減衰特性線172を導出し(S210)、減衰部140が、減衰特性線172に基づいて入力信号(振幅値)を減衰する(S212)。こうして、入力信号中の被変調波信号150を適切に特定し、それに応じてパルスノイズ152を適度に抑制することが可能となる。
(効果の検証)
以下、図9から図11を用いてノイズブランカ116による効果を検証する。図9から図11では、(a)にゲイン特性線170を(b)に出力信号のタイミングチャートを示す。例えば、図9に示した参考例1のノイズブランカでは、純粋な被変調波信号ではなく、パルスノイズも含まれた信号の平均値を減衰後の目標値としている。また、図9(a)に示すゲイン特性線250では、入力信号の大きさに拘わらず、入力信号が閾値以上となる入力信号を一様に閾値まで抑制する。かかる構成では、図9(b)に示すように、抑制したパルスノイズの振幅252が実質的な被変調波信号の振幅254より高くなるので、パルスノイズを十分に抑制することができず、被変調波信号とパルスノイズのS/N比によっては、そのパルスノイズが、復調後、聴感上非常に不快な音として残ることとなる。
また、参考例2のノイズブランカでは、図10(a)に示すゲイン特性線260のように、入力信号の振幅が閾値以上となると、入力信号を一様に切断している。かかる構成では、図10(b)に示すように、抑制したパルスノイズの振幅264が被変調波信号の振幅262より低すぎることとなる。そうすると、切断後の急峻な波形により意図せず帯域が広がってしまい、不快な音として復調されたり、聴感上、再変調したような音となってしまう。
これに対して、本実施形態のノイズブランカ116では、減衰部140が図11(a)に示すゲイン特性線170に従って、連続的、かつ、入力信号の振幅に比例し出力信号の振幅が下がるように減衰する。減衰の傾きAの値を適切にすることにより、図11(b)に示すようにパルスノイズ152の振幅272のピーク値が被変調波信号150の振幅274の平均値とほぼ同レベルとすることができる。よって、パルスノイズ152が適切に減衰される。
以上説明したノイズブランカ116やパルスノイズ減衰方法によって、煩わしい調整を行うことなく、入力信号中の被変調波信号150を適切に特定し、それに応じてパルスノイズ152を適度に抑制することが可能となる。したがって、パルスノイズ152に抑圧されていた信号の了解度(明瞭度)を原音に近い形で浮かび上がらせることができる。
また、ノイズブランカ116の減衰部140は、入力信号に対して対数的かつ連続的に減衰しているので、聴感上違和感を極力回避することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
また、上述したパルスノイズ減衰方法は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
また、コンピュータを、ノイズブランカ116として機能させるためのプログラムや当該プログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能なフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD、DVD、BD等の記憶媒体も提供される。ここで、プログラムは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理手段をいう。
本発明は、無線機で受信した入力信号に含まれるパルスノイズを抑制するノイズブランカおよびパルスノイズ減衰方法に利用することができる。
100 …無線機
116 …ノイズブランカ
130 …対数変換部
132 …包絡線導出部
134 …ピーク導出部
136 …閾値導出部
138 …減衰導出部
140 …減衰部

Claims (3)

  1. 入力信号の被変調波の包絡線に基づくピーク曲線から閾値の基準となる閾値基準曲線導出する閾値導出部と、
    前記閾値基準曲線に所定のオフセット値を加算して閾値曲線を導出し、前記閾値曲線に基づいて、前記入力信号が前記閾値曲線未満であれば減衰せず、前記入力信号が前記閾値曲線以上であれば、前記入力信号の増加に従って漸減する減衰特性線を導出する減衰導出部と、
    前記減衰特性線に基づいて前記入力信号を減衰させる減衰部と、
    を備え
    前記減衰特性線の減衰特性の傾きの係数は、減衰させる信号が前記閾値曲線未満、かつ、遮断としない範囲内で可変であることを特徴とするノイズブランカ。
  2. 前記減衰特性線は、前記入力信号を対数で表した際の一次関数であることを特徴とする請求項1に記載のノイズブランカ。
  3. 入力信号の被変調波の包絡線に基づくピーク曲線から閾値の基準となる閾値基準曲線導出し、
    前記閾値基準曲線に所定のオフセット値を加算して閾値曲線を導出し、
    導出された前記閾値曲線に基づいて、前記入力信号が前記閾値曲線未満であれば減衰せず、前記入力信号が前記閾値以上であれば、前記入力信号の増加に従って漸減し、その減衰特性の傾きの係数が、減衰させる信号が前記閾値曲線未満、かつ、遮断としない範囲内で可変する減衰特性線を導出し、
    前記減衰特性線に基づいて前記入力信号を減衰することを特徴とするパルスノイズ減衰方法。
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