JP5040623B2 - 自動音量補正装置 - Google Patents
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Description
上記構成からなる本発明の自動音量補正装置では、入力信号の2乗平均平方根(RMS)値を計算するRMS計算部を備え、このRMS値を基に入力信号のゲインを算出する自動音量補正装置において、入力信号のピーク点の値を検出して保持し、この保持した値を所定のホールド期間はそのまま保持して出力すると共に、ホールド期間の経過後は、保持した値を所定の減衰率で減衰させながらRMS計算部に出力する。
これにより、従来のRMSを用いる自動音量補正装置において、鋭いピークを持つパルス状の信号に対して過剰なゲインがかけられるため音質が劣化することを回避することができるとともに、過大なゲインがかけられる現象が抑制されるためヘッドマージンを大きく取らなくてよくなることから、ダイナミックレンジを十分に確保できるようになる。
これにより、入力信号のピーク点を検出し、このピーク点の値を保持値として、ホールド期間中はそのまま出力し、ホールド期間の経過後は、保持値を所定の減衰率で減衰させながら出力することができる。このため、従来のRMSを用いる方法において、鋭いピークを持つパルス状の信号に対して過剰なゲインがかけられるため音質が劣化することを回避でき、ダイナミックレンジを十分に確保できるようになる。
上記構成からなる本発明の自動音量補正装置では、入力信号を絶対値に変換し、この絶対値の信号にホールド/リリース処理を施す。また、ホールド/リリース処理を施した信号を2乗演算し、ローパスフィルタを通すことにより2乗平均平方根(RMS)値を求める。そして、このRMS値を基に、ゲインを算出し、算出したゲインを基に、所定の量だけ遅延された入力信号の振幅を調整して出力する。
これにより、従来のRMSを用いる自動音量補正装置において、鋭いピークを持つパルス状の信号に対して過剰なゲインがかけられるため音質が劣化することを回避でき、ダイナミックレンジを十分に確保できるようになる。
上記構成からなる本発明の自動音量補正装置では、ステレオ信号の左側チャンネルの入力信号と右側チャンネルの入力信号のそれぞれを絶対値に変換し、それぞれの絶対値の信号に対しホールド/リリース処理を施す。そして、ホールド/リリース処理を施した左右チャンネルの信号の最大値を取る。そして、この最大値の信号を2乗演算し、ローパスフィルタを通すことにより2乗平均平方根(RMS)値を求める。そして、このRMS値を基に、ゲインを算出する。そして、算出したゲインを基に、所定の量だけ遅延された左右チャンネルの入力信号に対して振幅を調整し出力する。
これにより、従来のRMSを用いるステレオ用の自動音量補正装置において、鋭いピークを持つパルス状の信号に対して過剰なゲインがかけられるため音質が劣化することを回避でき、ダイナミックレンジを十分に確保できるようになる。
これにより、従来のRMSを用いる自動音量補正装置において、パルス状の信号に対して過剰なゲインがかけられるため音質が劣化することを回避し、ダイナミックレンジを十分に確保できる効果に加えて、人間の聴覚の特性である、前向性マスキング(鳴っている音が止まった際に徐々に音の感覚が消減するため、その間に発生した音が先行した音にマスキングされる現象)を考慮したホールド/リリース処理が行なえる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係わる自動音量補正装置の構成を示す図である。
図1に示す自動音量補正装置1が、図6に示す自動音量補正装置(ダイナミックレンジ圧縮装置)3と構成上異なるのは、図6に示す自動音量補正装置3に、図1に示す絶対値変換部11と、ホールド/リリース部12を新たに追加した点であり、他の構成は図6に示す自動音量補正装置3と同様である。このため、同一の構成部分には同一の符号を付している。なお、図1に示す自動音量補正装置への入力信号、および出力信号はデジタル信号であり、各処理部はデジタル信号を処理するように構成されているが、アナログ信号を用いた回路構成とすることもできる。
図2に示すように、ホールド/リリース部12は、入力信号Inと、保持値Holdの信号とを比較し、大きい方の信号を最大値として保持する最大値保持部41と、1サンプリングタイムの遅延部(Z−1)42と、減衰率d(d≦1)を持つ減衰部43とで構成されている。
ただし、X=−1/(Tr×FS)である。
(Tr=20msec:リリース時間、FSはサンプリングレート)
第1の実施の形態では、本発明の自動音量補正装置における基本的な構成を説明するために、単一のチャンネルの場合の例について説明したが、本発明の第2の実施の形態では、ステレオ用の2チャンネルの自動音量補正装置の例について説明する。
図5に示す自動音量補正装置2においては、ステレオ信号の左側チャンネルの入力信号Linと、右側チャンネルの入力信号Rinが入力される。
Claims (4)
- 入力信号の2乗平均平方根値であるRMS値を算出するRMS計算部を有し、該RMS値を基に入力信号のゲインを算出する自動音量補正装置であって、
前記入力信号のピーク点を検出し、該ピーク点の値を保持値として保持し、所定のホールド期間中は前記保持値をそのまま前記RMS計算部に出力すると共に、前記ホールド期間の経過後は、前記保持値を所定の減衰率で減衰させながら前記RMS計算部に出力するホールド/リリース処理を行なうホールド/リリース部を、
備え、
前記ホールド/リリース部は、
入力信号と保持値の信号とを比較してレベルの大きい方の信号を保持して出力すると共に、前記入力信号のレベルが前記保持値よりも小さくなった時(入力信号<保持値になった時)に、所定時間のホールド期間を計数する最大値保持部と、
前記最大値保持部の出力を所定時間遅延して出力する遅延部と、
前記ホールド期間の間は前記遅延部の出力信号をそのまま保持値の信号として前記最大値保持部に出力すると共に、前記ホールド期間の経過後は前記遅延部の出力信号に所定の減衰率をかけた新たな保持値の信号を生成して前記最大値保持部に出力する減衰部と、
を有することを特徴とする自動音量補正装置。 - 入力信号を所定の時間遅延させて出力する入力信号遅延部と、
入力信号を絶対値の信号に変換する絶対値変換部と、
前記絶対値変換部からの出力信号に前記ホールド/リリース処理を施すホールド/リリース部と、
前記ホールド/リリース部から出力される信号を2乗演算する2乗演算部と、
前記2乗演算部により2乗された信号のフィルタリングを行ない、入力信号の振幅の2乗平均値の推定値を演算するためのローパスフィルタと、
前記ローパスフィルタの出力信号を対数領域の信号に変換する対数変換部と、
前記対数変換部により対数領域に変換された信号を基にゲイン計算を行なうゲイン計算部と、
前記ゲイン計算部で算出された対数領域のゲインを対数領域から線形領域のゲインに逆変換する逆対数変換部と、
前記ゲインをアタック/リリース処理により平滑化するアタック/リリース部と、
前記アタック/リリース部により平滑化されたゲインを前記入力信号遅延部から出力される信号に掛けて該信号の振幅を調整して出力する出力信号振幅調整部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の自動音量補正装置。 - ステレオ信号の左側チャンネルの入力信号を所定の時間遅延させて出力するL側入力信号遅延部と、
ステレオ信号の右側チャンネルの入力信号を所定の時間遅延させて出力するR側入力信号遅延部と、
前記左側チャンネルの入力信号を絶対値の信号に変換するL側絶対値変換部と、
前記右側チャンネルの入力信号を絶対値の信号に変換するR側絶対値変換部と、
前記L側絶対値変換部からの出力信号に前記ホールド/リリース処理を施すL側ホールド/リリース部と、
前記R側絶対値変換部からの出力信号に前記ホールド/リリース処理を施すR側ホールド/リリース部と、
前記L側ホールド/リリース部によりホールド/リリース処理が行なわれた左側チャンネルの信号と、前記R側ホールド/リリース部によりホールド/リリース処理が行なわれた左側チャンネルの信号との最大値を取る最大値検出部と、
前記最大値検出部から出力される信号を2乗演算する2乗演算部と、
前記2乗演算部により2乗された信号のフィルタリングを行ない、入力信号の振幅の2乗平均値の推定値を演算するためのローパスフィルタと、
前記ローパスフィルタの出力を基にゲイン計算を行うゲイン計算部と、
前記ゲインを平滑化する平滑化部と、
前記平滑化されたゲインを前記L側入力信号遅延部から出力される信号に掛けて該信号の振幅を調整して出力するL側出力信号振幅調整部と、
前記平滑化されたゲインを前記R側入力信号遅延部から出力される信号に掛けて該信号の振幅を調整して出力するR側出力信号振幅調整部と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の自動音量補正装置。 - 前記ホールド/リリース部における、ホールド期間は、略5msecであり、
前記減衰部の減衰率dは、
d=1−eX、ただし、X=−1/(Tr×FS)、
ここで、Tr=20msec、FSはサンプリングレート、
であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の自動音量補正装置。
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