JP5708317B2 - 音波形検索支援装置、およびプログラム - Google Patents

音波形検索支援装置、およびプログラム Download PDF

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Description

この発明は、オーディオモザイキングによる楽曲の編集を支援する技術に関し、予めデータベース化された楽曲素材のなかから所望の聴感を有するものを検索することを支援する技術に関する。
オーディオモザイキングとは、楽曲の一部(例えば、数小節分)の音波形(以下、楽曲素材)を表す波形データ(例えば、当該音波形をサンプリングして得られるサンプル列)に音色やリズムなど各々異なる観点から当該音波形を捉えた音響的特徴を表す特徴量データを対応付けてデータベース化しておき、これら楽曲素材のうちから所望のものを選択して繋ぎ合わせることで新規な楽曲を編集する技術である。オーディオモザイキング技術に関する先行技術文献としては、例えば特許文献1や非特許文献1がある。
国際公開第2007/142056号
AndreasRauber、PlaySOM、[平成23年4月13日検索]、インターネット<URL:http://www.ifs.tuwien.ac.at/mir/playsom.html>
ところで、オーディオモザイキングにおいては、データベース化された多数の楽曲素材のなかから編集しようとする楽曲の曲想にふさわしい音響的特徴の組み合わせ(或いはそれら音響的特徴の組み合わせに起因した聴感)を有するものを1つ選択し、類似の聴感を有するなど当該選択した楽曲素材と一定の関係を有するものを一括して把握することができると便利である。従来のオーディオモザイキングにおいては、各座標軸に互いに異なる種類の音響的特徴を対応付けた座標空間の画像であって、各楽曲素材に対応するマークをその音響的特徴に対応した座標位置にプロットして得られる図(以下、特徴分布図)の画像を表示装置に表示させ、その特徴分布図を介してユーザに楽曲素材の選択を行わせることが多かった。特徴分布図において互いに隣接してマークが表示される楽曲素材の音響的特徴は互いに類似し、その聴感も似ていると考えられるからである。
しかし、2つの楽曲素材の聴感が互いに類似しているか否かに関する判断は多分に主観的であり、複数種の音響的特徴のうちの何れを最も重要と考えるのかについても各ユーザの嗜好や感性に応じてユーザ毎に異なることが一般的である。例えば、音色の類似を最重要と考える者が居る一方、リズムの類似を最重要と考える者も居る、といった具合である。また、ユーザによっては、基準として選択した楽曲素材とは全く異なる聴感を有するものを探し出すことを望む場合もある。特徴分布図を用いて各楽曲素材の音響的特徴の分布をユーザに把握させ、基準となる楽曲素材を選択させる態様では、特定の音響的特徴を重視する等の多様な検索ニーズに応えることは難しい。
もっとも、特徴分布図の表示に換えて、MDS(Multi Dimension Scaling:多次元尺度構成法)等の次元圧縮やPCA(:Principal Component Analysis:主成分分析)を行う事で、総合的な聴感の類似した楽曲素材のマークが互いに隣り合って表示されるようにすることは可能である。しかし、その反面、特徴分布図を用いた場合に比較して、各楽曲素材が有する音響的特徴を直感的に把握することが難しくなる、といった問題が生じる。
本発明は上記課題に鑑みて為されたものであり、データベース化された多数の楽曲素材のうちの1つをユーザに選択させ、当該楽曲素材と一定の関係にある他の楽曲素材を容易に探し出せるようにする技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明は、(A)表示部と、(B)ユーザに入力操作を行わせるための操作部と、(C)各々楽曲素材の音波形を表す複数の波形データを格納する素材データベースと、(D)前記複数の楽曲素材のうちの何れか1つが基準波形として選択されたことを契機として、前記素材データベースに波形データが格納されている楽曲素材の各々について、予め定められた1または複数種類の音響的特徴の各々について前記基準波形と比較した場合の類似度を示す類似指標値を音響的特徴毎に算出する類似指標値算出処理と、前記音響的特徴の種類毎に重みをユーザに設定させるための画面を前記表示部に表示させ、重みの設定を促す重み設定支援処理と、重みを設定する操作が前記操作部に対して為されたことを契機として、前記複数の楽曲素材の各々について、前記音響的特徴の種類毎に前記ユーザにより設定された重みを用いて、前記類似指標値算出処理により算出された類似指標値の重み付けを行い、重み付け後の類似指標値を用いて総合評価値を算出する総合評価値算出処理と、前記基準波形として選択されなかった楽曲素材の各々を示す情報を前記総合評価値の降順または昇順に予め定められた数分だけ前記表示部に表示させる検索結果提示処理と、を実行する制御部と、を有することを特徴とする音波形検索支援装置、を提供する。
本発明の音波形検索支援装置によれば、上記総合評価値の高い順(或いは低い順)に予め定められた数分の楽曲素材が検索結果として提示される。例えば、上記各類似指標値として基準波形との類似度が高いほど大きな値となる類似指標値が採用されている場合には、重み設定支援処理により設定された重みとの乗算により上記重み付けを行い、このように重み付けされた類似指標値を加算することで総合評価値を算出するようにすれば良い。このようにして算出される総合評価値は各楽曲素材と基準波形との間の複数の観点から総合的に捉えた類似度の高さ(総合方価値が大きいほど総合的な類似度が高い)を表すこととなる。ユーザは、総合評価値を算出する際に使用する各重み(すなわち、上記総合的な観点における各音響的特徴の重要度)を適宜設定することができるのであるから、これら重みの設定の仕方によって多様な検索を行うことが可能になる。つまり、本発明によれば、ユーザは自らの選択した基準波形と一定の関係(上記総合的な観点において各音響的特徴が占める重要度の分布により表される関係)にある楽曲素材をその関係の強い(或いは弱い順)に予め定められた数分だけ素材データベースから探し出すことができるのである。なお、本発明の別の態様としては、コンピュータに上記各処理を実行させるプログラムを提供する態様も考えられる。
より好ましい態様としては、各座標軸に音響的特徴を対応付けた特徴分布図を用いてユーザに基準波形を選択させる態様が考えられる。また、特徴分布図を介してユーザに基準波形を選択させる態様においては、当該特徴分布図の各座標軸に対応付ける音響的特徴をユーザに指定させるようにすることも考えられる。このような態様によれば、上記素材データベースに波形データが登録されている各楽曲素材について、ユーザの所望する音響的特徴の組み合わせに関する特徴分布を当該ユーザに視覚的に把握させることが可能になる。
さらに好ましい態様においては、前記重み設定支援処理において前記制御部は、類似指標値の重みとして負の値を設定することを許容することを特徴とする。このように負の重みを設定することを許容すると、負の重みを設定された音響的特徴については基準波形との類似度が低く(すなわち、類似指標値が小さい)、かつ正の重みを設定された音響的特徴については基準波形との類似度が高い楽曲素材ほど総合評価値が大きくなる。したがって、上記重みとして負の値の設定を許容するようにすることで、その音響的特徴に関しては基準波形との類似度が低い楽曲素材を検索することが可能になり、さらに多様な検索を行うことが可能になる。
さらに好ましい態様においては、前記検索結果提示処理において前記制御部は、前記楽曲素材を示す情報とともに、各音響的特徴の類似指標値または当該類似指標値の順位を示す情報を前記表示部に表示させることを特徴とする。このような態様によれば、総合評価値に基づいて検索された各楽曲素材における各類似指標値(すなわち、音響的特徴毎の基準波形との類似の度合い)やそれら楽曲素材における当該類似指標値の順位をユーザに把握させることが可能になる。
さらに好ましい態様においては、前記制御部は、前記検索結果提示処理にて類似指標値または類似指標値の順位を表示するべき音響的特徴をユーザに選択させることを特徴とする。このような態様によれば、ユーザの注目する音響的特徴のみについて、総合評価値に基づいて検索された各楽曲素材における音響的特徴毎の基準波形との類似の様子をユーザに把握させることが可能になる。なお、類似指標値または類似指標値の順位を表示するべき音響的特徴をユーザに選択させる際には、主成分分析を併用し、特徴量の振る舞いの似た音響的特徴同士が互い隣り合って表示されるようにしても良い。
本発明の一実施形態の楽曲編集支援装置10の構成例を示す図である。 同楽曲編集支援装置10が有する素材データベースを構成する波形データテーブルおよび特徴量テーブルの各々を構成するレコードの一例を示す図である。 楽曲編集支援装置10の制御部110が楽曲編集支援プログラム142bにしたがって実行する検索支援処理を説明するための図である。 同制御部110が検索支援処理の実行過程において表示部120aに表示させる基準選択支援画面の一例を示す図である。 同制御部110が検索支援処理の実行過程において生成する類似指標値テーブル144aおよび総合評価値テーブル144bの一例を示す図である。 同制御部110が検索支援処理の実行過程において表示部120aに表示させる類似状況表示画面の一例を示す図である。 同制御部110が検索支援処理の実行過程において表示部120aに表示させる重み設定支援画面の一例を示す図である。 同制御部110が表示部120aに表示させる検索結果提示画面の一例を示す図である。 変形例(3)の検索結果提示画面の一例を示す図である。
以下、図面を参照し、この発明の実施形態について説明する。
(A:実施形態)
図1は、本発明の一実施形態の音波形検索支援装置として機能する楽曲編集支援装置10の構成例を示す図である。楽曲編集支援装置10は、オーディオモザイキングによって新たな楽曲を編集することを支援する装置であり、前述した素材データベースを有している。図1に示すように、楽曲編集支援装置10は、制御部110、ユーザI/F部120、外部機器I/F群130、記憶部140、およびこれら各構成要素間のデータ授受を仲介するバス150を含んでいる。制御部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)である。制御部110は、記憶部140に記憶されているプログラムを実行することにより、楽曲編集支援装置10の制御中枢として機能する。
ユーザI/F部120は、楽曲編集支援装置10をユーザに使用させるための各種ユーザインタフェースを提供するためのものである。ユーザI/F部120は、図1に示すように、表示部120a、操作部120bおよび音声出力部120cを含んでいる。表示部120aは、例えば液晶ディスプレイとその駆動回路である。表示部120aには、オーディオモザイキングによる楽曲編集の実行を促す各種画面が表示される。操作部120bは、例えばマウスなどのポインティングデバイスやキーボードである。操作部120bは、操作子(マウスの左右のボタンやキーボードの各種のキー)に対して何らかの操作が為されると、その操作内容に応じた操作内容データを制御部110に引き渡す。これにより、操作部120bに対してユーザの行った操作の内容が制御部110に伝達され、制御部110はその操作内容に応じた処理を実行する。音声出力部120cは、ユーザにより指定された楽曲素材の波形データにD/A変換を施すD/A変換器と、D/A変換器から出力されるアナログオーディオ信号を音として出力するスピーカとを含んでいる(何れも図示略)。この音声出力部120cは、オーディオモザイキングにて使用する楽曲素材の聴感を確かめる際などに利用される。
外部機器I/F群130は、例えばUSB(Universal Serial Bus)インタフェースや、IEEE1394インタフェースなどの集合体であり、外部機器I/F群130のうちの適当なものにUSBメモリなどの外部機器が接続される。この外部機器I/F群130は、その接続先の外部機器との間のデータ授受に使用される。例えば、素材データベースに新たな楽曲素材の波形データを格納する際には、その波形データを格納した外部機器を外部機器I/F群130のうちの適当なものに接続し、外部機器I/F群130を介して当該外部機器からその波形データを読み出して素材データベースに格納する処理を制御部110に実行させるようにすれば良い。
記憶部140は、不揮発性記憶部142と、揮発性記憶部144と、を含んでいる。
不揮発性記憶部142は、例えばハードディスクである。この不揮発性記憶部142には、素材データベース群142aと楽曲編集支援プログラム142bとが予め格納されている。一方、揮発性記憶部144は、例えばRAM(Random Access Memory)であり、楽曲編集支援プログラム142bを実行する際のワークエリアとして使用される。揮発性記憶部144には、類似指標値テーブル144aと総合評価値テーブル144bが格納される。類似指標値テーブル144aおよび総合評価値テーブル144bについては後に詳細に説明する。
素材データベース群142aは、楽曲素材の波形データをデータベース化した素材データベースの集合体である。素材データベース群142aを構成する各素材データベースは、波形データテーブルと、特徴量テーブルと、を含んでいる。波形データテーブルと特徴量テーブルの各々は、何れもレコードの集合体である。波形データテーブルを構成する各レコードは、各々が1つの楽曲素材に対応し、同様に、特徴量テーブルを構成する各レコードも、各々が1つの楽曲素材に対応する。図2(a)は、波形データテーブルを構成するレコードの一例を示す図であり、図2(b)は特徴量テーブルを構成するレコードの一例を示す図である。
図2(a)に示すように、波形データテーブルを構成するレコードには、各楽曲素材を表す波形データ(例えば、楽曲素材を表すサンプル列)とその楽曲素材を一意に示す素材識別子とが含まれている。ここで、素材識別子の具体例としては、楽曲素材の抽出元となった楽曲の名称と当該楽曲における当該楽曲素材の小節位置および小節数とを表す文字列データが挙げられる。一方、特徴量テーブルを構成するレコードには、素材識別子とその素材識別子により識別される楽曲素材を解析して得られるN(Nは2以上の自然数)種類の特徴量データとが格納されている。素材識別子に対応付けて特徴量テーブルに格納されているN種類の特徴量データの各々は、当該素材識別子の示す楽曲素材を音色やリズムなど互いに異なるN種類の観点から捉えた場合の各音響的特徴を表す。詳細については後述するが、本実施形態では、楽曲素材の音響的特徴を表す特徴量データを算出し素材データベースに登録する処理(後述する特徴量算出処理SA100)は、当該楽曲素材の波形データを素材データベースに登録する際に一回だけ行われる。このため、楽曲素材の検索を行う際に特徴量データが必要になる都度その算出を行う態様に比較して、特徴量データの算出に要する手間を省き、検索処理の高速化を図ることが可能になる。
このように、本実施形態の素材データベースにおいては、各楽曲素材を一意に示す素材識別子を介してその楽曲素材の波形データと上記N種類の特徴量とが互いに対応付けられている。本実施形態では、楽曲素材の波形データと特徴量データとを各々別個のテーブルに格納したが、図2(c)に示すように、両者を1つのテーブルに格納するようにしても良い。また、本実施形態では、楽曲素材の波形データを登録する際に、当該楽曲素材についてN種類の特徴量データを算出して特徴量テーブルに格納したが、特徴量データについては必要に応じて波形データからその都度算出することとし、素材データベースを波形データテーブルのみで構成しても勿論良い。このように、素材データベースを波形データテーブルのみで構成する態様によれば、素材データベースの格納のために要する不揮発性記憶部142の記憶容量を本実施形態の態様よりも少なくすることが可能になる。なお、波形データは楽曲素材毎に固有のものであるから当該波形データに素材識別子の役割を担わせても良い。また、本実施形態では、複数の素材データベースが不揮発性記憶部142に格納されている場合について説明するが、素材データベースを1つだけ不揮発性記憶部142に格納しておくとしても勿論良い。
楽曲編集支援プログラム142bは、検索支援処理と楽曲編集処理とを制御部110に実行させるプログラムである。ここで、検索支援処理とは、素材データベース群142aに格納されている多数の楽曲素材のうちから新たに編集しようとする楽曲の曲想に見合ったものをユーザが探し出すことを支援する処理である。一方、楽曲編集処理とは、ユーザにより選択された楽曲素材の波形データをつなぎ合わせて新たな楽曲の波形データを生成する処理である。このように、本実施形態の楽曲編集支援装置10は、楽曲編集支援プログラム142bにしたがって制御部110を作動させることで、上記検索支援処理を実行する音波形検索支援装置として機能するとともに、上記楽曲編集処理を実行する楽曲編集装置として機能するのである。楽曲編集支援プログラム142bにしたがって制御部110が実行する検索支援処理および楽曲編集処理のうち、楽曲編集処理については従来のオーディオモザイキングにおけるものと特段に変るところはないため詳細な説明を省略し、以下では、検索支援処理を中心に説明する。
図3は、検索支援処理の流れを示す処理ブロック図である。
図3に示すように、検索支援処理は、特徴量算出処理SA100、基準選択支援処理SA110、類似指標値算出処理SA120、重み設定支援処理SA130、総合評価値算出処理SA140、および検索結果提示処理SA150、を含んでいる。特徴量算出処理SA100は、素材データベースの波形データテーブルに新たな楽曲素材の波形データの登録が行われる度に実行される処理である。この特徴量算出処理SA100では、制御部110は、波形データテーブルに新たに登録された楽曲素材の波形データを解析して上記N種類の音響的特徴の各々を表す特徴量データを算出する。そして、制御部110は、これらN種類の特徴量データに上記楽曲素材の素材識別子を対応付けて特徴量テーブルに格納する。この特徴量算出処理SA100の具体的な処理内容および当該処理にて算出される特徴量データについては、従来のオーディオモザイキングにおけるものと特段に変るところはないため、詳細な説明を省略する。なお、前述したように、素材データベースを波形データテーブルのみで構成する場合には、新たな楽曲素材の波形データが登録される度に特徴量算出処理SA100を実行する必要はなく、特徴量データが必要になった時にその都度特徴量データを算出するようにすれば良い。
基準選択支援処理SA110は、素材データベース群142aを構成する複数の素材データベースのうちの何れか1つを選択することをユーザに促し、さらに、当該素材データベースに登録されている複数の楽曲素材のうちの1つを、楽曲素材の検索の際の基準の役割を果たす基準波形として選択することをユーザに促す処理である。この基準選択支援処理SA110は、操作部120bに対する操作によって、オーディオモザイキングによる楽曲編集の開始を指示されたこと(例えば、楽曲編集支援プログラム142bに対応するアイコンのダブルクリックなど)を契機として実行される。基準選択支援処理SA110では、制御部110は、まず、基準波形の選択を促す基準選択支援画面を表示部120aに表示させる。
図4は基準選択支援画面の一例を示す図である。
図4に示すように基準選択支援画面は、表示領域410と、制御情報入力領域420と、を有している。制御情報入力領域420には、複数の仮想操作子(プルダウンメニュ420a、420b、チェックボックス420c、スライダ420dおよび420e)が設けられている。プルダウンメニュ420aには、各素材データベースを一意に示す識別子がリスト表示される。ユーザは、プルダウンメニュ420aをマウス等で操作することで素材データベース群142aを構成する複数の素材データベースのうちの1つを選択することができる。
プルダウンメニュ420aに対する操作によって何れかの素材データベースが選択されると、制御部110は、当該素材データベースの特徴量テーブルを参照し、当該素材データベースに登録されている楽曲素材についての特徴分布図を表示領域410に描画する。本実施形態では、上記特徴分布図として、各々異なる音響的特徴を対応付けられた座標軸を有する2次元座標空間の画像であって、上記各楽曲素材に対応するマーク(本実施形態では○印)をその楽曲素材の音響的特徴に対応した座標位置にプロットして得られる画像が用いられる。例えば、図4に示す例では、2次元座標空間の各座標軸(X軸およびY軸)が点線で表されており、上記2次元座標空間のX軸には「リズム」が、同Y軸には「音色」が夫々対応付けられている。また、本実施形態では、図4に示すように、上記2次元座標空間の原点が表示領域410の中心に一致するように特徴分布図の表示が行われる。
図4に示すように、2次元座標空間のX軸には「リズム」が、同Y軸には「音色」が夫々対応付けられている場合、制御部110は、プルダウンメニュ420aに対する操作によって何れかの素材データベースが選択されると、当該素材データベースの特徴量テーブルから各楽曲素材について「リズム」および「音色」に関する特徴量データと素材識別子とを読出し、これら特徴量データから上記特徴分布図におけるマークの描画位置(座標位置)を算出し、当該座標位置と当該楽曲素材の楽曲識別子とを対応付けて揮発性記憶部144に書き込むとともに、上記各マークをその座標位置にプロットした特徴分布図を表示領域410に描画する。詳細については後述するが、本実施形態の特徴分布図では、各楽曲素材に対応するマークの大きさおよび当該マークに付与するハッチング(或いは色彩)にもそれぞれ音響的特徴を割り当てることができる。
制御情報入力領域420のプルダウンメニュ420bおよびチェックボックス420cは特徴分布図の表示制御に関する各種情報を入力するための仮想操作子である。より詳細に説明すると、プルダウンメニュ420bは、各楽曲素材に対応させて描画するマークの大きさに対応させる音響的特徴の種類、同マークに付与するハッチング(或いは色彩)に対応させる音響的特徴の種類、および上記2次元座標空間の座標軸の各々に対応させる音響的特徴の種類を各々別個に指定するための仮想操作子である。チェックボックス420cは、特徴分布図における特徴量の描画スケール(2のべき乗表現と常用対数表現の何れを採用するのか)をユーザに指定させるための仮想操作子である。
各楽曲素材に対応するマークの大きさ、および同マークのハッチング(或いは色彩)にも音響的特徴が割り当てられている場合、基準選択支援画面の表示領域410に表示される特徴分布図を視認したユーザは、マークの大きさ、同マークのハッチング(或いは色彩)および同マークの描画位置座標を通じて各楽曲素材に関して最大で4種類の音響的特徴を同時に把握することができる。また、上記2次元座標空間の各座標軸にのみ音響的特徴が割り当てられている場合であっても、ユーザは各マークの描画位置座標を通じて各楽曲素材に関して2種類の音響的特徴を同時に把握することができる。このように、基準選択支援画面の表示領域410に表示される特徴分布図を視認したユーザは、各楽曲素材について同時に複数種の音響的特徴を把握することができるため、それら楽曲素材のうちから、編集しようとする楽曲の曲想に見合った聴感(或いは当該曲想に見合った音響的特徴の組み合わせ)を有すると推定されるものを基準波形として選択することができる。
ここで、基準波形の選択方法の一例としては、表示領域410に表示される多数のマークのうちの何れか1つをマウスの左ボタンでダブルクリックすることが挙げられる。制御部110は、マウスの左ボタンのダブルクリックおよびそのクリック位置を示す操作内容データとを操作部120bから受け取り、その操作内容データの示すクリック位置に対応する楽曲素材の素材識別子を揮発性記憶部144の格納内容を参照して特定し、当該素材識別子を基準波形データを表すものとして揮発性記憶部144内の他の記憶領域に退避する。以下では、プルダウンメニュ420aに対する操作によって選択された素材データベースに登録されている楽曲素材のうち、基準波形として選択されなかったものを「判定対象波形」と呼ぶ。
また、本実施形態では、表示領域410に表示される多数のマークのうちの何れか1つがマウスの右ボタンでシングルクリックされると、制御部110は当該マークに対応する素材識別子を揮発性記憶部144の格納内容を参照して特定し、当該素材識別子に対応付けて素材データベースに登録されている波形データを読出し、その波形データを音声出力部120cに与え、音として出力する再生処理を実行する。これにより、ユーザは基準波形として選択しようとする楽曲素材の聴感を実際に確認することができるのである。なお、図4に示す基準選択支援画面の制御情報入力領域420のスライダ420dおよび420eは、上記再生処理における楽曲素材の再生テンポおよびゲインを調整するための仮想操作子である。また、表示領域410に表示される多数のマークのうちの何れか1つがマウスの左ボタンでシングルクリックされたことを契機として、当該マークに対応する楽曲素材の情報(当該楽曲素材の素材識別子や音波形のグラフ)を制御部110に表示させるようにしても良い。このような態様によれば、基準波形として選択しようとする楽曲素材に関する情報をユーザに把握させることが可能になる。
以上が基準選択支援処理SA110および当該基準選択支援処理SA110にて表示部120aに表示される基準選択支援画面の詳細である。
制御部110は、基準選択支援画面において基準波形の選択が為されたことを契機として、類似指標値算出処理SA120の実行を開始する。この類似指標値算出処理SA120では、制御部110は、類似指標値テーブル144aを生成して揮発性記憶部144に書き込み、さらに、この類似指標値テーブル144aの格納内容に基づいて類似状況表示画面を表示部120aに表示させる。
類似指標値テーブル144aは、各々が判定対象波形に対応するレコードの集合体である。図5(a)は、類似指標値テーブル144aを構成するレコードの一例を示す図である。図5(a)に示すように、類似指標値テーブル144aを構成するレコードには、判定対象波形の素材識別子と、当該判定対象波形と基準波形とを音響的特徴毎に比較した場合の類似度を表すN種類の類似指標値が含まれる。本実施形態では、類似指標値として、その値が大きいほど判定対象波形と基準波形との類似度が高いことを意味するもの(例えば、相互相関係数や、当該類似指標値の算出対象の音響的特徴についての基準波形の特徴量データと判定対象波形の特徴データの差の絶対値の逆数)が用いられている。しかし、類似指標値として、値が小さいほど基準波形との類似度が高いことを意味するもの(例えば、当該類似指標値の算出対象の音響的特徴についての基準波形の特徴量データと判定対象波形の特徴データの差の絶対値)を用いても勿論良い。本実施形態の制御部110は、類似指標値算出処理SA120は基準波形の選択が行われるたびに類似指標値算出処理SA120を実行し、判定対象波形の各々について図5(a)に示すレコードを生成し、それらレコードの集合体を類似指標値テーブル144aとして揮発性記憶部144に格納する。
図6は、類似指標値算出処理SA120にて制御部110が表示部120aに表示させる類似状況表示画面の一例を示す図である。図6と図4を対比すれば明らかように、類似状況表示画面は、プルダウンメニュ410aに換えて重み設定ボタン620aを有している点を除いて、基準波形設定画面と同一の画面レイアウトを有している。より詳細に説明すると、類似状況表示画面は表示領域610と制御情報入力領域620を有しており、制御情報入力領域620には、複数の仮想操作子(重み設定ボタン620a、プルダウンメニュ620b、チェックボックス620c、スライダ620dおよび620e)が設けられている。
基準選択支援画面の表示領域410には、特徴分布図の画像が表示されたが、類似状況表示画面の表示領域610には、判定対象波形の各々について音響的特徴の種類毎に基準波形と比較した場合の類似の度合いを示す類似状況図の画像が表示される。ここで、類似状況図とは、特徴分布図と同様に、各々異なる音響的特徴に対応する複数の座標軸を有する座標空間内に楽曲素材に対応するマークをプロットして得られる画像である。ただし、類似状況図においては、各座標軸、マークの大きさおよびマークに付与するハッチング(或いは色彩)に対して音響的特徴を表す特徴量データそのものではなく当該音響的特徴についての類似指標(より正確には、最大のものが1になるように規格化された類似指標値)が対応付けられている点が特徴分布図と異なる。
図6に示す例では、制御情報入力領域620における入力例が示すように、上記2次元座標空間の一方の軸(X軸)には「リズム」に関する類似指標値が対応付けられており、他方の座標軸(Y軸)には「音色」に関する類似指標値が対応付けられている。この場合、制御部110は、以下の要領で類似状況図の画像を生成し、当該画像を表示領域610に表示させる。すなわち、制御部110は、まず、各判定対象波形について類似指標値テーブル144aに格納されている「リズム」に関する類似指標値および「音色」に関する類似指標値を読み出す。次いで、制御部110は、表示領域610の右下隅を2次元座標空間の原点に対応させるとともに同左上隅を類似指標値(最大のものが1になるように規格化された類似指標値)の最大値に対応させて、各判定対象波形に対応するマークの座標位置をその判定対象波形についての類似指標値から算出する。そして、制御部110は、各判定対象波形に対応するマーク(図6に示す例では、白抜きの丸印)を上記の要領で算出した座標位置にプロットするとともに、上記左上隅近傍の位置に基準波形に対応するマーク(本実施形態では、黒く塗りつぶした丸印)をプロットした類似状況図の画像を生成し、当該画像を表示領域610に描画する。このような類似状況図においては、「リズム」および「音色」の何れについても類似度が高い(すなわち、類似指標値が大きい)判定対象波形のマークほど、基準波形のマークの近くに表示される。なお、各判定対象波形のマークの大きさにも類似指標値を対応付ける場合には、基準波形との類似度が高い判定対象波形ほど当該基準波形に対応するマークに近い大きさのマークで表し、かつ、同類似度が低い判定対象波形ほど小さい大きさのマークで表すようにすれば良い。同様に、判定対象波形のマークに付与するハッチング(或いは色彩)にも類似指標値を対応付ける場合には、基準波形との類似度が高い判定対象波形ほど濃いハッチング(色彩)のマークで表し、かつ、同類似度が低い判定対象波形ほど薄いハッチング(色彩)のマークで表すようにすれば良い。
制御情報入力領域620のプルダウンメニュ620bおよびチェックボックス620cは、類似状況図の表示制御に関する各種情報を入力するための仮想操作子である。より詳細に説明すると、プルダウンメニュ620bは、各楽曲素材に対応させて描画するマークの大きさ、同マークに付与するハッチング(或いは色彩)、または上記2次元座標空間の各座標軸の各々に対応付ける類似指標値の種類(すなわち、音響的特徴)をユーザに指定させるための仮想操作子である。チェックボックス620cは、類似状況図における類似指標値の描画スケール(2のべき乗表現と常用対数表現の何れを採用するのか)をユーザに指定させるための仮想操作子である。また、ユーザは、この類似状況表示画面においても、マウスの右ボタンのシングルクリック等によって1の楽曲素材を指定し、その楽曲素材の聴感を実際に確認することができる。図6の類似状況表示画面の制御情報入力領域620のスライダ620dおよび620eは、マウスの右ボタンのシングルクリック等によって指定された楽曲素材を音として再生する際の再生テンポおよびゲインを調整するための仮想操作子である。
図6の重み設定ボタン620aは、重み設定支援処理SA130の実行指示をユーザに入力させるための仮想操作子である。重み設定支援処理SA130とは、類似状況図(或いは特徴分布図)の各座標軸に各々対応付けられた音響的特徴の種類毎に類似指標値の重み(すなわち、基準波形の示す音と総合的に類似するか否かの判断においてその音響的特徴を重要視する度合い)をユーザに設定させることを支援する処理である。詳細については後に明らかにするが、本実施形態では、ユーザによって重みの設定が為された音響的特徴の各々について、その重みを用いて類似指標値の重み付けが行われ、さらに、当該重み付けされた類似指標値を用いて(具体的には類似指標値の重み付け加算により)、総合評価値(ユーザに提示するべき楽曲素材を選別する際の指標となる値)が算出される。マウスの左ボタンのシングルクリック等によって重み設定ボタン620aが押下されると、制御部110は重み設定支援処理SA130を開始する。
重み設定支援処理SA130では、制御部110は、まず、重みの設定を促す重み設定支援画面を表示部120aに表示させる。図7(a)は、重み設定支援画面の一例を示す図である。図7(a)に示すように、本実施形態の重み設定支援画面は、2次元座標空間を表す画面であり、一方の座標軸は第1の音響的特徴(例えば、類似状況図のX軸に割り当てた音響的特徴)の類似指標値に関する重み(−1.0〜1.0)に対応しており、他方の座標軸は第2の音響的特徴(同Y軸に割り当てた音響的特徴)の類似指標値に関する重み(−1.0〜1.0)に対応している。図7(a)の重み設定支援画面を視認したユーザは、上記2次元座標空間内の一点をマウスクリック(例えば、マウスの左ボタンを用いたダブルクリック)することによって、上記第1および第2の音響的特徴の各類似指標値に関する重みを設定することができる。例えば、第1の音響的特徴の類似指標値に関する重みを0.8とし、第2の音響的特徴の類似指標値に関する重みを−0.5とすることを所望する場合には、ユーザは座標値が(0.8,−0.5)である点をマウスクリックすれば良い。
このように、本実施形態においては、類似状況図(或いは、特徴分布図)の各座標軸に対応付けた音響的特徴に対応する座標軸を有する2次元座標空間内の一点を指定することで、それら音響的特徴の類似指標値に関する重みをユーザに設定させたが、図7(b)に示すように、スライダ等を用いて重みを設定させても良く、また数値入力により重みを設定させても良い。さらに、2次元座標空間形式のユーザインタフェースと、スライダ(或いは数値入力)形式のユーザインタフェースとを併用するようにしても良い。このように、2次元座標空間形式のユーザインタフェースと、スライダ(或いは数値入力)形式のユーザインタフェースとを併用する場合には、一方のユーザインタフェースに対する操作によって設定された内容を他方のユーザインタフェースに反映させるようにしても良い。例えば、2次元座標空間形式のユーザインタフェースと、スライダ形式のユーザインタフェースとを併用する場合、2次元座標空間内の一点がクリックされたことを契機として、各スライダの位置をユーザにより指定された座標に対応する位置に更新する、といった具合である。
さて、本実施形態の特徴の1つとして、各音響的特徴の類似指標値の重みとして負の値を設定することを許容したことが挙げられる。前述したように、本実施形態では、類似指標値としてその値が大きいほど判定対象波形と基準波形との類似度が高いことを意味するものが用いられており、総合評価値として類似指標値を重み付け加算して得られる値が用いられている。このため、音響的特徴の類似指標値の重みとして負の値が設定されると、当該類似指標値の値が小さい(すなわち、基準波形との類似度が低い)判定対象波形ほど総合評価値の値は大きくなる。詳細については後述するが、本実施形態では、総合評価値が大きい順(降順)に所定個数の楽曲素材が検索結果として提示される。このように、本実施形態では、本来的には非負の値(すなわち、ゼロまたは正の値)に限定される重みの概念を負の値を許容するように拡張したため、各類似指標値の値が大きい楽曲素材を上記検索結果として提示するだけでなく、ある類似指標値についてはその値が小さい楽曲素材(すなわち、音響的特徴単位でみれば基準波形とは似ていない楽曲素材)を検索することが可能になり、多様な検索を行うことが可能になる。これが、音響的特徴の類似指標値の重みとして負の値を設定することを許容した理由である。
上記のようにして重みの設定が為されると、制御部110は、重み設定支援画面を介して設定された各類似指標値の重みを揮発性記憶部144に書き込んで重み設定支援処理SA130を完了し、総合評価値算出処理SA140の実行を開始する。総合評価値算出処理SA140は、重み設定支援画面に対する操作によって類似指標値の重みの設定が為された音響的特徴の各々について、当該重みを用いてその音響的特徴の類似指標値の重み付けを行い、さらに、重み付け後の類似指標値を用いて総合評価値を算出する処理である。より詳細に説明すると、この総合評価値算出処理SA140では、制御部110は、判定対象波形の各々について、重み設定支援処理SA130にて重みの設定が為された音響的特徴についての類似指標値を類似指標値テーブル144aから読み出し、それら類似指標値の各々に当該重みを乗算し、重みを乗算した各類似指標値を判定対象波形毎に加算することで各判定対象波形についての総合評価値を算出する。そして、制御部110は、判定対象波形の素材識別子と上記総合評価値とを対応付けて図5(b)に示す総合評価値テーブル144bを生成し、揮発性記憶部144に書き込む。なお、本実施形態では、重み設定支援画面に対する操作によって重みの設定が為された音響的特徴に関する類似指標値の重み付け加算により総合評価値を算出したが、上記重みの設定が為されていない音響的特徴の類似指標値についても重み付け加算の対象としても良い。この場合、重みの設定が為されていない音響的特徴の類似指標値については重みとして予め定められたデフォルト値を用いて重み付け加算を行うようにすれば良い。また、本実施形態では、類似指標値テーブル144aと総合評価値テーブル144bを各々別個のテーブルとしたが、図5(c)に示すように、両者を一体のテーブルとしても勿論良い。また、類似指標値として値が小さいほど基準波形との類似度が高いことを示すものを用いる場合には、一例としては、当該類似指標値の逆数に上記重みを乗算し、それら乗算結果を加算して総合評価値を算出すれば良く、また、当該類似指標値に上記重みの逆数を乗算し、それら乗算結果を加算して得られる値の逆数を上記総合評価値としても良い。
検索結果提示処理SA150は、総合評価値算出処理SA140に後続して実行される処理である。この検索結果提示処理SA150では、制御部110は、総合評価値テーブル144bに格納されている総合評価値の降順に予め定められた数分の素材識別子を読出し、さらに、当該素材識別子に対応する波形データを素材データベースから読み出して検索結果提示画面を編集し、表示部120aに表示させる。
図8(a)は、上記予め定められた数=5の場合の検索結果提示画面の一例を示す図である。この検索結果提示画面には、総合評価値の降順(すなわち、総合評価値の大きい順)に5個の楽曲素材の素材識別子とその音波形を表すグラフとがリスト表示される。例えば、各音響的特徴の重みとして正の値を設定しておけば、総合評価値が大きいほど上記第1および第2の音響的特徴の両者を加味した総合的な類似度が高いことを意味するのであるから、楽曲編集支援装置10のユーザは、自らの選んだ基準波形との総合的な類似度の高い5個の楽曲素材を把握することができる。なお、第2の音響的特徴よりも第1の音響的特徴を重視する場合には、第1の音響的特徴の重みが第2の音響的特徴の重みよりも大きくなるように重みの設定を行えば良く、逆に、第2の音響的特徴の方を重視する場合には、第2の音響的特徴の重みが第1の音響的特徴の重みよりも大きくなるように重みの設定を行えば良い。
また、第1の音響的特徴の重みと第2の音響的特徴の重みの何れか一方に負の値を設定しておけば、楽曲編集支援装置10のユーザは、正の重みを設定した音響的特徴については自らの選んだ基準波形との類似度が高く、負の重みを設定した音響的特徴については同基準波形との類似度の低い5個の楽曲素材を把握することができる。例えば、第1の音響的特徴がリズムパターンに関するものであり、第2の音響的特徴が音色に関するものである場合には、第1の音響的特徴の重みとして正の値を設定し、第2の音響的特徴の重みとして負の値を設定することで、楽曲編集支援装置10のユーザは、リズムパターンに関しては基準波形の表す音と良く似ているが、音色に関しては基準波形の表す音と全く異なる楽曲素材を把握することができる。そして、第1の音響的特徴の重みと第2の音響的特徴の重みの両方に負の値を設定しておけば、楽曲編集支援装置10のユーザは、第1および第2の音響的特徴の何れについても自らの選んだ基準波形との類似度が低い5個の楽曲素材を把握することができることは言うまでもない。
このように、本実施形態によれば、素材データベースに含まれる多数の楽曲素材のうちから所望の音響的特徴を有するものを基準波形として選択し、その基準波形と一定の関係(すなわち、各音響的特徴の重みの分布により表される関係)にある楽曲素材を容易に探し出すことが可能になる。また、総合評価値を算出する際の類似指標値の重みとして負の値を許容することで、正の値の重みを設定した音響的特徴については基準波形との類似度が高く、負の値の重みを設定した音響的特徴については基準波形との類似度が低い楽曲素材を探し出すなど、素材探索のバリエーションが広がり、楽曲編集のバリエーションも広がる、といった効果が奏される。
また、本実施形態によれば、楽曲素材の音響的特徴を表す特徴量データの算出および特徴量テーブルへの登録については当該楽曲素材の波形データの登録の際に1回だけ行い、類似指標値テーブルの生成(類似指標値の算出)については基準波形選択時に1回だけ行い、総合評価値の算出については重み設定が変更される都度行うようにしたため、特徴量データの算出を必要になる都度行う態様や、類似指標値が必要になる都度その算出を行う態様(例えば、総合評価値の算出を行う度に類似指標値を算出する態様など)に比較して、基準波形の選択から検索結果提示までのレズポンス時間を短縮することが可能になるといった効果も奏する。
(B:変形)
以上本発明の一実施形態について説明したが、この実施形態に以下の変形を加えても勿論良い。
(1)上述した実施形態の基準選択支援処理においては、各楽曲素材に対応するマークの表示位置(座標位置)、当該マークの大きさおよび当該マークに付与するハッチング(或いは色彩)に各々音響的特徴を対応付けた特徴分布図を用いてユーザに基準波形を選択させたが、さらに、当該マークの形状にも音響的特徴を対応付けても良い。また、各楽曲素材に対応させて特徴分布図に表示するマークの大きさ、形状、および当該マークに付与するハッチングや色彩には音響的特徴を対応付けず、それらマークを描画する座標空間の座標軸にのみ音響的特徴を対応付ける態様であっても良い。少なくとも、各楽曲素材に対応するマークを描画する座標空間の座標軸に音響的特徴を対応付けておけば、各マークの表示位置を通じて各楽曲素材の音響的特徴およびその分布の様子を視覚的にユーザに把握させることができるからである。また、素材データベースに格納されている複数の楽曲素材のうちから基準波形を1つ選択する方法は、特徴分布図を介してユーザに基準波形を選択させる態様には限定されず、前回の楽曲編集時の基準波形をそのまま用いる態様や、擬似乱数等を利用して基準波形を選択する(例えば、発生させた擬似乱数値を素材データベースにおける波形データの登録順に対応させて基準波形を選択するなど)態様であっても良い。このように、基準波形の選択にユーザを関与させない態様であれば、基準選択支援処理を実行する必要はない。つまり、基準選択支援処理は本願発明の必須構成要素ではなく、省略可能である。
また、上述した実施形態の類似指標値算出処理では、その算出結果である類似指標値テーブルの格納内容に基づいて類似状況表示画面を表示部120aに表示させたが、かかる画面の表示は必須ではなく、省略しても勿論良い。また、上述した実施形態では、類似指標値テーブルの作成を完了した後に各類似指標値の重みをユーザに設定させたが、各類似指標値の重みをユーザに設定させた後に類似指標値テーブルを作成(すなわち、類似指標値算出処理SA120に先立って重み設定支援処理SA130を実行)しても良く、両者を並列に実行しても良い。要は、総合評価値算出処理SA140の実行開始に先立って、類似指標値テーブルの作成が完了しており、各類似指標値の重みの設定が完了している態様であれば良い。このように、総合評価値算出処理SA140を実行する時点では、類似指標値テーブルの作成が完成しており、各類似指標値の重みの設定が完了していることが必要であるから、類似指標値算出処理SA120と重み設定支援処理SA130を並列に実行する場合であっても、両処理が完了するまで総合評価値算出処理SA140の実行開始を見合わせる必要がある。
(2)上述した実施形態では、総合評価値の降順に予め定められた数分の楽曲素材の各々を示す情報(素材識別子とその音波形のグラフ)をリスト表示したが、総合評価値の昇順(すなわち、総合評価値の小さい順)にリスト表示するようにしても良く、リスト表示の際のソート順(昇順か降順か)をユーザに指定させても良い。要は、重み設定支援画面において設定された各音響的特徴の重みにより表される一定の関係の強い順(或いは弱い順)に検索結果を提示する態様であれば良い。また、リスト表示の際に、音波形のグラフに換えて(或いは音波形のグラフとともに)音響的特徴毎の類似の度合いを表示するようにしても良い。具体的には、音響的特徴毎に類似指標値の順位(或いは類似指標値そのもの)を表示するのである。例えば、図8(b)は、上記予め定められた数=3の場合において、音波形のグラフに換えて音響的特徴毎の類似指標値の順位を表示する場合の検索結果提示画面の一例を示す図である。図8(b)に示す例では、類似指標値の順位が高いほど濃いハッチング(或いは色彩)を付したマークを素材識別子と並べて表示することで、音響的特徴毎の類似指標値の順位が表現されている。なお、類似指標値の順位を表示する際には当該順位を表す数値を表示するようにしても良い。
また、類似指標値の順位の表示を行う際には、図8(b)に示すように、総合評価値を算出する際の重みを調整するスライダ710aおよび710bを音響的特徴毎に設け、スライダ710a或いは710bが操作される毎に総合評価値を再計算し、その計算結果に応じてリストの掲載順を入れ替えても良い。なお、類似指標値の順位や類似指標値そのものの表示を行う際には、類似指標値の順位等を表示するべき音響的特徴をユーザに選択させるようにしても良く、複数の音響的特徴が選択された場合には、振る舞いが似ている音響的特徴同士が並ぶように表示するようにしても良い。
(3)上述した実施形態では、総合評価値に基づく検索結果をランキング形式のリストによりユーザに提示したが、図9に示すように、特徴分布図において総合評価値が大きい(或いは小さい)予め定められた数分の楽曲素材の各々に対応するマークの近傍に当該楽曲素材の総合評価値の順位を示す情報(例えば、順位を示す数字)を表示することで、総合評価値に基づく検索結果を提示するようにしても良い。なお、図9では、ユーザにより選択された基準波形がハッチングで表示されている。また、このように、特徴分布図において総合評価値の順位を示す情報を表示することで、総合評価値に基づく検索結果の提示を行う場合には、順位を示す情報の表示が行われない楽曲素材のマークについて、その表示色をグレーアウトなどの目立ちにくい色にしたり、半透明表示にしたり、或いは当該マークを表示しないなどの非注目表示常態にしても良い。特徴分布図における表示が煩雑になることを回避し、検索結果を分かり易く提示するためである。また、順位を示す情報の表示が行われる楽曲素材のマークにのみ他とは異なる色彩(或いはハッチング)を付与して表示するようにしても良い。検索結果を分かり易く提示するためである。また、特徴分布図を用いて総合評価値の順位を表示するのではなく、類似状況図(図6参照)を用いて総合評価値の順位を表示しても良い。
(4)上述した実施形態では、基準波形の選択を促すための特徴分布図として2次元のものを用いたが、3次元のものを用いても勿論良い。同様に重み設定支援画面についても2次元のものではなく3次元のものを用いても良い。このように、3次元の重み設定支援画面を用いる場合には、例えば、3次元座標空間の3つの座標軸の各々に対応付けられた重みのうちの2つには正の値を設定し、残りの1つに負の値を設定することで、正の重みを設定された2種類の音響的特徴については基準波形との類似度が高く、かつそれら2種類間での優先度合を重みの違いとして設定することができ、負の重みを設定した音響的特徴については基準波形との類似度が低い楽曲素材を検索することが可能になり、さらに多様な検索を行うことが可能になる。また、各楽曲素材の音響的特徴を表す特徴量として4種類以上のものが素材データベースに登録されている場合には、次元圧縮等により特徴量空間を2次元或いは3次元に圧縮して基準波形の選択を促すための特徴分布図を表示するようにすれば良く、また主成分分析等を利用して振る舞いの似た複数の音響的特徴を1つの座標軸に対応付けた座標空間に各楽曲素材に対応するマークをプロットして描画しても良い。このような態様によれば、各楽曲素材の音響的特徴を表す特徴量として4種類以上のものが素材データベースに登録されている場合であっても、それら音響的特徴の分布を視覚化してユーザに把握させることが可能になる。
また、素材データベースに登録されている複数種類の特徴量の各々が表す音響的特徴のうち互いに振る舞いの似たもの同士を予めグループ化しておき、特徴分布図における各座標軸に対応付ける音響的特徴、または検索結果提示画面において類似指標値(或いはその順位)を表示するべき音響的特徴を当該グループ単位でユーザに選択させるようにしても良い。逆に、振る舞いが全くことなる音響的特徴同士を予めグループ化しておき、検索結果提示画面において類似指標値(或いはその順位)を表示するべき音響的特徴を当該グループ単位でユーザに選択させるようにすることも考えられる。
(5)上記実施形態では本発明の特徴を顕著に示す検索支援処理を実現するプログラムが楽曲編集支援装置10の不揮発性記憶部142に予め格納されていた。しかし、CD−ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に当該プログラムを書き込んで配布しても良く、また、インターネットなどの電気通信回線経由のダウンロードにより当該プログラムを配布しても良い。パーソナルコンピュータなどの一般的なコンピュータ装置を上記のようにして配布されるプログラムにしたがって作動させることによって、当該コンピュータ装置に上記検索支援処理を実行させること(すなわち、本発明に係る音波形検索支援装置として機能させること)が可能になるからである。
10…楽曲編集支援装置、110…制御部、120…ユーザI/F部、130…外部機器I/F群、140…記憶部、142…不揮発性記憶部、142a…素材データベース群、142b…楽曲編集支援プログラム、144…揮発性記憶部、144a…類似指標値テーブル、144b…総合評価値テーブル、150…バス。

Claims (5)

  1. (A)表示部と、
    (B)ユーザに入力操作を行わせるための操作部と、
    (C)各々楽曲素材の音波形を表す複数の波形データを格納する素材データベースと、
    (D)前記複数の波形データのうちの何れか1つが基準波形として選択されたことを契機として、前記素材データベースに波形データが格納されている楽曲素材の各々について、予め定められた1または複数種類の音響的特徴の各々について前記基準波形と比較した場合の類似度を示す類似指標値を音響的特徴毎に算出する類似指標値算出処理と、
    前記音響的特徴の種類毎に重みをユーザに設定させるための画面を前記表示部に表示させ、重みの設定を促す重み設定支援処理と、
    重みを設定する操作が前記操作部に対して為されたことを契機として、前記複数の波形データの各々について、前記音響的特徴の種類毎に前記ユーザにより設定された重みを用いて、前記類似指標値算出処理により算出された類似指標値の重み付けを行い、重み付け後の類似指標値を用いて総合評価値を算出する総合評価値算出処理と、
    前記基準波形として選択されなかった楽曲素材の各々を示す情報を前記総合評価値の降順または昇順に予め定められた数分だけ前記表示部に表示させる検索結果提示処理と、を実行する制御部と、
    を有することを特徴とする音波形検索支援装置。
  2. 前記重み設定支援処理において前記制御部は、類似指標値の重みとして負の値を設定することを許容することを特徴とする請求項1に記載の音波形検索支援装置。
  3. 前記検索結果提示処理において前記制御部は、前記楽曲素材を示す情報とともに、各音響的特徴の類似指標値または当該類似指標値の順位を示す情報を前記表示部に表示させることを特徴とする請求項1または2の何れか1項に記載の音波形検索支援装置。
  4. 前記制御部は、前記検索結果提示処理にて類似指標値若しくは類似指標値の順位を表示するべき音響的特徴を前記ユーザに選択させることを特徴とする請求項3に記載の音波形検索支援装置。
  5. コンピュータに、
    各々楽曲素材の音波形を表す複数の波形データのうちから基準波形を表す基準波形データが選択されたことを契機として、各楽曲素材について、予め定められた1または複数種類の音響的特徴の各々について前記基準波形と比較した場合の類似度を示す類似指標値を音響的特徴毎に算出する類似指標値算出処理と、
    前記音響的特徴の種類毎に重みを前記ユーザに設定させるための画面を前記表示装置に表示させ、重みの設定を促す重み設定支援処理と、
    重みを設定する操作が為されたことを契機として、前記各楽曲素材の各々について、前記音響的特徴の種類毎に前記ユーザにより設定された重みを用いて、前記類似指標値算出処理により算出された類似指標値の重み付けを行い、重み付け後の類似指標値を用いて総合評価値を算出する総合評価値算出処理と、
    前記基準波形として選択されなかった楽曲素材の各々を示す情報を前記総合評価値の昇順または昇順に予め定められた数分だけ前記表示装置に表示させる検索結果提示処理と
    を実行させることを特徴とするプログラム。
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