JP5707712B2 - 核酸増幅のための新規な核酸増幅用組成物 - Google Patents
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[項1]グリコール類を含むことを特徴とする核酸増幅用組成物。
[項2]グリコール類の炭素数が4以下である、項1に記載の核酸増幅用組成物。
[項3]グリコール類が、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオールおよび1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物である、項1又は2に記載の核酸増幅用組成物。
[項4]核酸増幅反応溶液中のグリコール類の濃度が1〜20容量%である、項1から3のいずれか一に記載の核酸増幅用組成物。
[項5]核酸増幅反応溶液中のグリコール類の濃度が3〜15容量%である、項1から4のいずれか一に記載の核酸増幅用組成物。
[項6]項1〜5のいずれか一に記載の核酸増幅用組成物であって、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のための核酸増幅用組成物。
[項7]項6に記載の核酸増幅用組成物であって、マルチプレックスPCRのための核酸増幅用組成物。
[項8]項1〜7のいずれか一に記載の核酸増幅用組成物を含むキット。
特表2002−513587号公報(特許文献1)には、ハイブリッド脱安定化剤としてエチレングリコールを使用することが記載されている。しかしながら該特許文献1はin situハイブリダイゼーションにおいて用いることを特徴とするものであり、本発明とは趣旨も構成も効果も異なるものである。すなわち、非特異的な結合(ハイブリダイゼーション)を除去し、特異的結合と非特異的結合との比を増大させることを目的とし、そのためにより好ましくは30〜65%,最も好ましくは50〜65%という極めて多い量を存在させている。これに対し、本発明は核酸増幅、とりわけPCR法における変性温度・変性時間の調整を目的とするものであり、添加する濃度も1〜20容量%と大きな違いがある。実際、該特許出願において最も好ましいといわれる50〜65%濃度のもとで核酸増幅反応を行うのは現実的ではない。加えて、本発明において22.5容量%以上の濃度を添加した場合には、本発明所望の効果が得られなかった。したがって、特許文献1に記載の発明と本発明とは、目的、構成要件、効果において全く異なるものである。
核酸融解温度は、二本鎖核酸が一本鎖核酸に解離する、または互いに相補的な配列を持つ核酸同士が二本鎖を形成する温度であり、一般的には核酸を含む溶液の温度を連続的に変化させた際に、核酸の融解/解離によって発生する波長260nmにおける吸光度の変化を、温度に対してプロットし、その形成されるS字曲線の中点に相当する温度と定義される。核酸融解温度の測定には、いかなる方法を用いても良いが、前述の吸光度の変化を利用した方法が好適に用いられる。即ち、一本鎖核酸は二本鎖核酸よりも波長260nmにおける吸光度が高く、核酸を徐々に加熱または冷却した際に、一本鎖核酸と二本鎖核酸の割合が変化し、その際に吸光度の変化を追うことで、核酸融解温度を求める方法である。また近年多用されている、インターカレーター蛍光色素による方法を用いても良い。即ち、核酸の二本鎖に結合した際にのみ強い蛍光を発する色素、より具体的にはSYBR Green I(登録商標)や臭化エチジウムなどを核酸を含む溶液に混合し、その溶液の温度を連続的に変化させた際に得られる蛍光強度の変化を、同様に温度に対してプロットし、その変化量が最大となる温度を核酸融解温度とする方法である。前述の吸光度を用いた測定方法が、Lambert−Berrの法則から一般的に2.0OD以下で測定すべきであるとされ、また、測定器の性能上の制約から0.1OD以下の測定が困難であることから、融解温度の測定可能な核酸濃度が限定されるのに対し、インターカレーター蛍光色素を用いる方法は、これよりも広い核酸濃度範囲で核酸融解温度を測定することが可能である。特に0.1ODを下回る低濃度の核酸を使用した場合でも容易に測定が可能であることから、PCRの増幅産物の融解温度を測定することで、増幅産物を電気泳動を伴わず融解温度により判別するといった用途にも用いられている。一方、リアルタイムPCRに使用される機器は、一般的にインターカレーター蛍光色素を利用した融解温度測定に対応しているものが多く、それら用いることにより、PCRとその増幅産物の融解温度測定を連続的に実施することが可能である。リアルタイムPCR用機器を用いた融解温度測定法としては、具体的にはロシュ・ダイアグノスティックス社製LightCylcer 1.1を用いた測定法が例示される。本方法では、PCRの温度サイクリングの後に、95℃0秒、65℃10秒、95℃0秒、最終段の95℃までの温度遷移率を0.2℃/秒、蛍光取得様式を「CONT」とした設定を追加することで、融解温度測定が自動的に実施される。融解温度測定では、温度遷移時の蛍光値が連続的に取得され、結果はその蛍光値の導関数により表示される。その導関数が最大となった際の温度が、そのPCR増幅産物の融解温度となる。なお、融解温度は融解温度調整剤の濃度の他、塩濃度、溶媒和効果や、測定する核酸自身の濃度にも影響を受けるため、融解温度測定時にはこれらの条件を常に同一にする必要がある。
核酸増幅用反応溶液中のグリコール類の存在の有無は、NMR(核磁気共鳴法)により検出することができる。NMRは共鳴周波数400MHzで13C−NMRにより測定できる。13C‐NMRの測定、はシングルパルス1H完全デカップリング法で20%重水素化ジメチルホルムアミド溶液80℃または、20%重水素化クロロホルム溶液40℃で行い、内部標準として各種重水素化溶媒のシグナルを用いることができる。
核酸増幅用反応溶液中のグリコール類の定量は、ガスクロマトグラフ(GC)やガスクロマトグラフ質量分析計(GC−MS)を用いて行うことができる。
グリコール類の粘度は、いかなる方法を用いて計測しても良いが、一般的には、粘度計を用いた機器による測定法が好適に用いられる。粘度計は「JIS Z 8803液体の粘度−測定方法」により毛細管粘度計、落球粘度計、回転粘度計(3種類)に分類されるが、いずれの粘度計を使用しても良い。一方、粘度の単位はパスカル秒(Pa・s)で表され、1Pa・sは、流体内に1mにつき1m/sの速度勾配があるとき、その速度勾配の方向に垂直な面において速度の方向に1パスカル(Pa)の応力が生ずる粘度と定義される。粘度の単位にはかつてポアズ(P)が用いられていたが、1Pa・s=10Pと換算される。粘度は、温度の影響を大きく受け、一般的には温度が下がるほど粘度が上昇するため、厳密な温度制御化での測定が求められ、粘度の記載時にはその測定温度を併記する必要があるが、通常は常温付近(20℃または25℃)程度で測定される。また粘度は、気圧の影響も受けるが、測定は一般的に1気圧の条件下で測定が行われる。
これらグリコール類の粘度は、グリセロールの粘度が1420mPa・s(20℃)であるのに対し、プロピレングリコールおよびエチレングリコールの粘度はそれぞれ40.4mPa・s(25℃)、16.1mPa・s(25℃)であり、1,3−プロパンジオールはこの両者の中間の値を取るとされている。
各種融解温度調整剤として用いられる物質の性能比較については、インターカレーター蛍光色素の存在下でβ−Actin cDNAの約200bpの領域のPCRを行った後、PCRの増幅産物の融解温度をSYBR Green I(商標登録)の蛍光を指標として測定した。具体的には、SYBR Green Realtime PCR Master Mix (東洋紡績製:QPK−201)に、各種の融解温度調整剤を複数の濃度で添加したものをそれぞれ使用し、β−Actin cDNAを標的としたPCRを実施した。PCRは、20μlの反応液量で、フォーワードプライマー(配列番号1)とリバースプライマー(配列番号2)をそれぞれ最終濃度0.4μMで添加し、鋳型として、1μgのHeLa細胞由来のtotal RNAからReverTra Ace qPCR RT Kit (東洋紡績製:FSQ−101)を用いて10μlの反応系で添付の取扱説明書に記載の方法に従って逆転写を行った液を0.1μl用いた。
PCRは、ロシュ・ダイアグノスティックス社製LightCylcer 1.1を用い、初期変性95℃30秒、PCRサイクル95℃5秒及び60℃30秒で40サイクル行った。引き続き、LightCyclerを用いて融解曲線解析を行った。
融解曲線解析は、PCRの温度サイクリングの後に、95℃0秒、65℃10秒、95℃0秒、最終段の95℃までの温度遷移率を0.2℃/秒、蛍光取得様式を「CONT」とした設定を追加して実施した。得られた蛍光値変化の導関数が最大になった温度を、その組成における融解温度とした。得られた融解温度について、融解温度調整剤を加えなかった場合の融解温度との差を取ったものを、各種融解温度調整剤の添加濃度に対してプロットし、各種融解温度調整剤の単位濃度あたりの融解温度変化量を算出した。
核酸融解温度調整剤として用いられる物質の測定は、それぞれ、ジメチルスルホキシド(DMSO)、1,2,3−プロパントリオール(グリセロール)、1,2−エタンジオール(エチレングリコール)、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3−プロパンジオール、ホルムアミド及びベタイン(トリメチルグリシン)において行った。
一方、エチレングリコール(1,2−エタンジオール)、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、1,3−プロパンジオールの融解温度変化量は、それぞれ1容量%あたり−0.46℃、−0.64℃、−0.56℃であり、融解温度を5℃下げる場合の必要添加量は、それぞれ11%、7.8%、8.9%(いずれも容量%)であった。これらの物質は、グリセロールの粘度(1420mPa・s(20℃))と比較して粘度が低く、また所定の融解温度を得るための必要添加量も少なくて済むことから、より操作性の高い融解温度調整剤として優れた効果を示すことが示された。
実際のPCRにおけるGC含量が高い標的配列の増幅においての核酸融解温度調整剤として用いられる各種物質の効果を検証した。GC含量が高い標的配列として、ヒトIGFR2 cDNAの約500bpの領域を用いた。PCRにはKOD DNA Polymerasを用い、KOD−Plus−Ver.2(東洋紡績製:KOD−211)を1U、並びに10x反応バッファーを5μl、25mM MgCl2を3μl、2mM dNTPsを5μl、フォーワードプライマー(配列番号3)およびリバースプライマー(配列番号4)をそれぞれ最終濃度0.3μM、鋳型核酸、および核酸融解温度調整剤を添加したものを調製し、50μlの反応液量で反応を行った。
鋳型核酸としてHeLa細胞由来のtotal RNAを鋳型としてReverTra Ace −α−(東洋紡績製)を用いて、取扱説明書記載の方法により、試薬に添付のランダムプライマーにより逆転写反応をおこなった反応液を、鋳型RNA 1ng相当量となるよう用いた。
核酸融解温度調整剤は、それぞれ、ジメチルスルホキシド、ホルムアミド、グリセロール、ベタイン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオールを使用し、各融解温度調整剤の添加量は、実施例1で示した核酸融解温度変化量から、5容量%ジメチルスルホキシドと同等の効果を持つ濃度を推定し、4容量%ホルムアミド、11容量%グリセロール、1.5Mベタイン、8容量%エチレングリコール、5容量%プロピレングリコール、6容量%1,3−プロパンジオールとした。対照として、核酸融解温度調整剤を添加しないものの反応を同時に行った。
PCRサイクルは、GeneAmp PCR system 9700(Applied Biosystems製)を用い、初期変性94℃2分、PCRは98℃10秒、68℃30秒のサイクルで30サイクル行った。反応終了液に対し、6x Loading Dye(東洋紡績製)を10μl添加し、そのうち6μlを2%アガロースゲル(TAEバッファー)にアプライして、電気泳動を行った。
核酸増幅反応におけるグリコール類の有効濃度を検討するため、各種濃度でPCR反応を行い、その効果を検証した。グリコール類として1,3−プロパンジオールを用い、それぞれ0%、1%、2%、3%、5%、7.5%、10%、12.5%。15%、17.5%、20%、22.5%、25%(いずれも容量%)の濃度を反応溶液に添加した。その他の組成及び含有量は実施例2と同様に調整し、50μlの反応溶液を調製した。実施例2と同一の条件でPCRを行い、反応終了液を2%アガロースゲル(TAEバッファー)にアプライして、電気泳動を行った。
核酸融解温度調整剤を混合したプレミックス試薬を作製し、グリコール類による保存安定性の効果及び抗DNAポリメラーゼ抗体への阻害作用の有無を検討した。PCRの反応効率と特異性の検討の指標として、β−Actin cDNAの約200bpの領域を標的としたリアルタイムPCRを行った。プレミックス試薬は、Taq DNA Polymerase(東洋紡績製:TAP−201)を用い、10x反応バッファーを2x濃度、MgCl2を5mM、dNTPsを0.4mM、Taq DNA Polymeraseを0.1U/μl、抗Taq DNA Polymerase抗体(東洋紡績製Anti−Taq High:TCP−101)を0.02mg/μl、SYBR Green Iを1/20000濃度、1,3−プロパンジオールを18容量%、それぞれ混合し、2xプレミックス試薬とした。その試薬をそれぞれ4℃、25℃で1か月間遮光条件にて保存し、保存期間終了後、用時調製の同組成の反応液と同時にリアルタイムPCRを行い、PCRの反応効率と特異性について比較検討を行った。リアルタイムPCRは20μlの反応液量で実施し、前述の2xプレミックス試薬を最終濃度1x、フォーワードプライマー(配列番号1)およびリバースプライマー(配列番号2)をそれぞれ最終濃度0.4μM、鋳型として、1μgのHeLa細胞由来のtotal RNAからReverTra Ace qPCR RT Kit (東洋紡績製:FSQ−101)を用いて10μlの反応系で添付の取扱説明書に記載の方法に従って逆転写を行った液を0.1μlまたは0.001μl相当量添加したものを反応液とした。反応は、ロシュ・ダイアグノスティックス社製LightCylcer 1.1を用い、初期変性95℃30秒、PCRサイクル95℃5秒、60℃30秒で40サイクル行った。引き続いて、実施例1に記載の方法で融解曲線解析を行った。
実際のPCRの結果においてスメアが出やすいプライマーを用いて、各種物質の添加の効果を検証した。標的配列としてはヒトのCytoplasmicTryrosine KinaseのcDNA全長である約2kbpの領域を用いた。PCRにはKOD −Plus− Neo(東洋紡績製:KOD−401)を用い、10x反応バッファーを5μl、25mM MgCl2を3μl、2mM dNTPsを5μl、フォーワードプライマー(配列番号5)およびリバースプライマー(配列番号6)をそれぞれ最終濃度0.3μM、鋳型RNA 1ng相当量、KOD −Plus− Neoを1U混合したものに、各種添加剤を添加したものを調製し、50μlの反応液量で反応を行った。
鋳型としては、HeLa細胞由来のtotal RNAを鋳型としてReverTra Ace −α−(東洋紡績製)を用いて、取扱説明書記載の方法により、試薬に添付のランダムプライマーにより逆転写反応をおこなった反応液から鋳型RNA 1ngを用いた。
また各種添加剤は、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ホルムアミド、1,2,3−プロパントリオール(グリセロール)、トリメチルグリシン(ベタイン)、水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)、1,2−エタンジオール(エチレングリコール)、1,3−プロパンジオールを用い、各添加剤の添加量は、ジメチルスルホキシド、ホルムアミド、1,2,3−プロパントリオール、1,2−エタンジオール、1,3−プロパンジオールにおいては、それぞれ、2.5容量%、5容量%、10容量%、15容量%、20容量%で行った。また、トリメチルグリシンにおいては、0.5mM、1mM、1.5mM、2mM,2.5mM、水酸化テトラメチルアンモニウムにおいては20mM、45mM、75mM、125mM、175mMの最終濃度で行った。対照として、添加剤のないものの反応を同時に行った。
PCRは、GeneAmp PCRsystem9700(Applied biosystems製)を用い、条件を、初期変性94℃2分、及び98℃10秒、60℃30秒、68℃60秒のサイクルで30サイクルのPCR反応を行った。反応終了液に対し、6x Loading Dye(東洋紡績製)を10μl添加し、そのうち5μlを2%アガロースゲル(TAEバッファー)にアプライして、電気泳動を行った。
マルチプレックスPCRにて添加剤の効果を検討した。マルチプレックスPCRでは複数のプライマーを添加するため、プライマーダイマーが形成されやすい。ここでは、POUドメインを解析するPOUPrimer SET(Seegene社製)を用いて反応を行った。PCRの酵素はTaq DNA Polymerase(東洋紡績製:TAP−201)を用い、Tris−HCl(pH8.8)を20mM、KClを100mM、MgCl2を2mM、dNTPsを0.2mM、Taq DNA Polymeraseを0.1U/μl、抗Taq DNA Polymerase抗体(東洋紡績製Anti−Taq High:TCP−101)を0.02mg/μl、1,3−プロパンジオールをそれぞれ、3容量%、6容量%を添加し、最終液量50μlの反応液を用いてPCRを行った。対照として、添加剤のないものの反応を同時に行った。
PCRサイクルは、初期変性94℃2分、PCRは94℃30秒、63℃90秒、72℃90秒のサイクルで40サイクル行った。反応終了液に対し、6x Loading Dye(東洋紡績製)を4μl添加し、そのうち5μlを2%アガロースゲル(TBEバッファー)にアプライして、電気泳動を行った。
また、同様の系で、1M トリメチルグリシン、5容量%ジメチルスルホキシドを反応液にいれ、PCR反応を行った。その結果を図8右に示す。トリメチルグリシン、ジメチルスルホキシドでは6本のバンドが観察しにくい。
以上の結果を勘案して、1,3−プロパンジオールが最も良い結果が得られた。また、プライマーダイマーにおいても、1,3−プロパンジオールが最も少ない結果となった。
本発明は、遺伝子発現解析に際して特に有用であり、研究のみならず臨床診断や環境検査等にも利用できる。
Claims (9)
- 1,2−プロパンジオールおよび1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする核酸増幅用組成物。
- 核酸増幅反応溶液中の1,2−プロパンジオールおよび1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物の濃度が1〜20容量%である、請求項1に記載の核酸増幅用組成物。
- 核酸増幅反応溶液中の1,2−プロパンジオールおよび1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物の濃度が3〜15容量%である、請求項1または2に記載の核酸増幅用組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の核酸増幅用組成物であって、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のための核酸増幅用組成物。
- 請求項4に記載の核酸増幅用組成物であって、マルチプレックスPCRのための核酸増幅用組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の核酸増幅用組成物を含むキット。
- ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法を用いた核酸増幅方法であって、1,2−プロパンジオールおよび1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物の存在下で行うことを特徴とする核酸増幅方法。
- 1,2−プロパンジオールおよび1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物の核酸含有溶液中での濃度が1〜20容量%である、請求項7に記載の核酸増幅方法。
- 1,2−プロパンジオールおよび1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれた少なくとも1種の化合物の核酸含有溶液中での濃度が3〜15容量%である、請求項7または8に記載の核酸増幅方法。
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