JP5707582B2 - 水系金属表面処理剤及びその処理剤で処理してなる金属材料 - Google Patents

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Description

本発明は、金属材料とラミネートフィルム又は樹脂塗膜とが剥離することを防ぐことができる密着性及び耐薬品密着維持性に優れた表面処理皮膜を形成するための水系金属表面処理剤及びその金属表面処理剤で処理してなる金属材料に関する。詳しくは、金属材料に樹脂フィルムをラミネートし又は樹脂塗膜を形成し、その後に深絞り加工、しごき加工又はストレッチドロー加工等の厳しい成形加工を施した場合であっても、そのラミネートフィルム等が剥離しないような高い密着性を付与することができ、さらに酸、有機溶剤等に曝されても高い密着性を維持し得る耐薬品密着維持性に優れた6価クロムフリー表面処理皮膜を形成するための水系金属表面処理剤等に関する。
ラミネート加工は、樹脂製のフィルム(以下、「樹脂フィルム」又は「ラミネートフィルム」という。)を金属材料の表面(以下、単に「金属表面」ともいう。)に加熱圧着する加工手段であり、金属表面を保護すること又は意匠性を付与することを目的とした金属表面の被覆方法の一つであり、様々な分野で使用されている。このラミネート加工は、樹脂組成物を溶剤中に溶解又は分散させたものを金属表面に塗布乾燥することによって樹脂塗膜を形成する方法に比べ、乾燥時に発生する溶剤や二酸化炭素等の廃棄ガス又は温暖化ガスの発生量が少ない。そのため、環境保全の面において好ましく適用され、その用途は拡大し、例えば、アルミニウム薄板材、スチール薄板材、包装用アルミニウム箔又はステンレス箔等を素材とした食品用缶のボディー若しくは蓋材、食品用容器又は乾電池容器等に用いられている。
特に最近では、携帯電話、電子手帳、ノート型パソコン又はビデオカメラ等に用いられるモバイル用リチウムイオン2次電池の外装材及びタブリード材として、軽量でバリアー性の高いアルミニウム箔又はステンレス箔等の金属箔が好ましく用いられており、こうした金属箔の表面にラミネート加工が適用されている。また、電気自動車又はハイブリッド自動車の駆動エネルギーとしてリチウムイオン2次電池が検討されているが、その外装材としても、ラミネート加工した金属箔が検討されている。
こうしたラミネート加工に用いるラミネートフィルムは、直接金属材料に貼り合わせた後に加熱圧着する。そのため、樹脂組成物を塗布乾燥してなる一般的な樹脂塗膜に比べて、原材料のムダを抑制できる、ピンホール(欠陥部)が少ない及び加工性が優れる等の利点がある。ラミネートフィルムの材料としては、一般に、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂や、ポリエチレン及びポリプロピレン等のポリオレフィンが用いられている。
金属表面に化成処理等の処理を施さないでラミネート加工を行うと、金属表面からラミネートフィルムが剥離したり、金属材料に腐食が生じたりするという問題がある。例えば、食品用容器又は包材においては、ラミネート加工後の容器又は包材に内容物を加えた後に殺菌を目的とした加熱処理を施すが、その加熱処理時に金属表面からラミネートフィルムが剥離することがある。また、リチウムイオン2次電池の外装材等においては、その製造工程で加工度の高い加工を受ける。さらに、長期使用されると、大気中の水分が容器内に浸入し、これが電解質と反応してフッ化水素酸を生成し、これがラミネートフィルムを透過して金属表面とラミネートフィルムとの剥離を発生させるとともに、金属表面を腐食するという問題がある。
こうした問題に対し、ラミネートフィルムを金属表面にラミネート加工する際、ラミネートフィルムと金属表面との密着性及び金属表面の耐食性を向上させるために、金属表面を脱脂洗浄した後、通常、リン酸クロメート等の化成処理等が施される。しかしながら、こうした化成処理は、処理後に余剰の処理液を除去するための洗浄工程が必要であり、その洗浄工程から排出される洗浄水の廃水処理にコストがかかる。特にリン酸クロメート等の化成処理等は、6価クロムを含む処理液が用いられるので、近年の環境的配慮から敬遠される傾向にある。
例えば、特許文献1では、特定量の水溶性ジルコニウム化合物と、特定構造の水溶性又は水分散性アクリル樹脂と、水溶性又は水分散性熱硬化型架橋剤とを含有する下地処理剤が提案されている。また、特許文献2では、特定量の水溶性ジルコニウム化合物及び/又は水溶性チタン化合物と、有機ホスホン酸化合物と、タンニンとからなるノンクロム金属表面処理剤が提案されている。また、特許文献3では、アミノ化フェノール重合体と、Ti及びZr等の特定の金属化合物とを含有し、pHが1.5〜6.0の範囲である金属表面処理薬剤が提案されている。また、特許文献4では、アミノ化フェノール重合体と、アクリル系重合体と、金属化合物と、さらに必要に応じてリン化合物とを含有する樹脂膜が提案されている。
ところで、アミン化合物として、特許文献5、6には2級アミノ基含有ポリエーテル含有化合物が提案されており、特許文献7には1級アミノ基含有ポリエーテル化合物が提案されている。
国際特許公開WO2002/063703号公報 特開2002−265821号公報 特開2003−313680号公報 特開2004−262143号公報 特公昭63−20448号公報 特表平9−507873号公報 特開2003−327661号公報
本発明の目的は、金属材料とラミネートフィルム又は樹脂塗膜とが剥離することを防ぐことができる密着性及び耐薬品密着維持性に優れた表面処理皮膜を形成するための水系金属表面処理剤を提供すること及びその金属表面処理剤で処理してなる金属材料を提供することにある。詳しくは、金属材料に樹脂フィルムをラミネートし又は樹脂塗膜を形成し、その後に深絞り加工、しごき加工又はストレッチドロー加工等の厳しい成形加工を施した場合であっても、そのラミネートフィルム又は樹脂塗膜が剥離しないような高い密着性を有するとともに、酸等に曝されても高い密着性を維持し得る耐薬品密着維持性に優れた6価クロムフリー表面処理皮膜を形成するための金属表面処理剤を提供すること及びその金属表面処理剤で処理してなる金属材料を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明に係る水系金属表面処理剤は、水溶性又は水分散性のカチオン変性エポキシ樹脂(A)と、アミド結合、アミド基及び水酸基から選ばれる1種又は2種以上の構造単位を1mmol/g〜50mmol/g含有する水溶性又は水分散性の有機高分子(B)とを含有し、前記カチオン変性エポキシ樹脂(A)の含有量が、全固形分に対して10質量%〜90質量%であることを特徴とする。
この発明によれば、上記したカチオン変性エポキシ樹脂(A)と上記した有機高分子(B)とを含有するので、その水系金属表面処理剤で処理して得られる表面処理皮膜は高い密着性を有するとともに、酸等に曝されても高い密着性を維持することができる。その結果、表面処理皮膜が形成された金属材料に樹脂フィルムをラミネートし又は樹脂塗膜を形成し、その後に深絞り加工、しごき加工又はストレッチドロー加工等の厳しい成形加工を施した場合であっても、また、さらに酸や有機溶剤等に曝された場合であっても、そのラミネートフィルム又は樹脂塗膜が金属材料から剥離することを防ぐことができる。
本発明に係る水系金属表面処理剤において、Mg、Al、Ca、Mn、Co、Ni、Cr(III)、Zn、Fe、Zr、Ti、Si、Sr、W、Ce、Mo、V、Sn、Bi、Ta、Te、In、Ba、Hf、Se、Sc、Nb、Cu、Y、Nd及びLaから選ばれる1種又は2種以上の元素を含む無機化合物(C)をさらに含有し、当該無機化合物(C)の含有量が、全固形分に対して1質量%〜80質量%である。
この発明によれば、水系金属表面処理剤が上記した無機化合物(C)を所定量含むので、その水系金属表面処理剤で処理して得られる表面処理皮膜は、より密着性が優れ、また、有機溶剤や酸に曝されても長期間にわたってより安定した密着性を維持することができる。
上記課題を解決するための本発明に係る金属材料は、上記水系金属表面処理剤を金属材料表面に塗布して形成された表面処理皮膜を有することを特徴とする。
この発明によれば、上記本発明に係る水系金属表面処理剤を金属材料表面に塗布して形成された表面処理皮膜を有するので、その表面処理皮膜を有する金属材料にラミネート加工を施し、その後に深絞り加工、しごき加工又はストレッチドロー加工等の厳しい成形加工を施した場合であっても、さらに酸等に曝された場合であっても、金属材料の表面に形成されたラミネートフィルム又は樹脂塗膜が剥離することを防ぐことができる。
本発明に係る水系金属表面処理剤によれば、金属材料とラミネートフィルム又は樹脂塗膜とが剥離することを防ぐことができる密着性及び耐薬品密着維持性に優れた表面処理皮膜を形成するための水系金属表面処理剤を提供することができる。
本発明に係る金属材料によれば、そのような表面処理皮膜を有する金属材料を提供することができる。
本発明に係る水系金属表面処理剤を塗布して形成された表面処理皮膜を有する金属材料の一例を示す模式的な断面図である。
以下、本発明に係る水系金属表面処理剤及びその水系金属表面処理剤で処理した金属材料について説明する。なお、以下の説明及び図面の形態により本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
[水系金属表面処理剤]
本発明に係る水系金属表面処理剤は、図1に示すように、基材である金属材料1(以下、「基材金属1」という。)の表面に、ラミネートフィルム又は樹脂塗膜3の下地用の表面処理皮膜2を形成するための処理剤である。その特徴は、水溶性又は水分散性のカチオン変性エポキシ樹脂(A)と、アミド結合、アミド基及び水酸基から選ばれる1種又は2種以上の構造単位を1mmol/g〜50mmol/g含有する水溶性又は水分散性の有機高分子(B)とを含有することにある。「含有し、」とは、水系金属表面処理剤中にカチオン変性エポキシ樹脂(A)及び有機高分子(B)以外の化合物を含んでいてもよいことを意味している。そうした化合物としては、例えば、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、防菌防ばい剤、着色剤等を挙げることができる。これらの化合物を、本発明の趣旨及び皮膜性能を損なわない範囲で含有することができる。
以下、本発明の構成を詳しく説明する。
(エポキシ樹脂(A))
エポキシ樹脂(A)は、カチオン変性させたエポキシ樹脂を用いる。「カチオン変性」とは、エポキシ樹脂にカチオン基を有する化合物を反応させて、エポキシ樹脂の構造中に、水中でカチオン性を示すカチオン基を導入することである。また、エポキシ樹脂(A)は、水溶性又は水分散性のエポキシ樹脂を用いる。「水溶性又は水分散性」とは、水中で水溶液、エマルジョン又はディスパージョンを構成する性質のことをいう。水系金属表面処理剤が、このカチオン変性エポキシ樹脂(A)と、後述する有機高分子(B)とを所定量含むことで、この水系金属表面処理剤で処理して得られる表面処理皮膜の密着性及び耐薬品密着維持性を高めることができる。
エポキシ樹脂(A)の構造、合成方法、水溶化方法又は水分散化方法等は、特に限定されない。水溶性又は水分散性のカチオン変性エポキシ樹脂(A)としては、自己乳化型カチオン性エポキシ樹脂や、乳化剤を用いて分散する強制乳化型エポキシ樹脂等の従来公知のエポキシ樹脂を用いることができる。例えば、自己乳化型のカチオン変性エポキシ樹脂の水溶液又はエマルジョンを好ましく用いることができる。自己乳化型のカチオン変性エポキシ樹脂の水溶液又はエマルジョンとしては、例えば、アミン変性エポキシ樹脂を水中に自己乳化させたものを挙げることができる。
アミン変性エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂(A1)にアミン化合物(A2)を反応させて得られる樹脂であり、その構造や製造方法は限定されない。エポキシ樹脂(A1)としては、例えば、ハイドロキノン、レゾルシン、ピロカテコール、フロログルシノール等の単核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;ジヒドロキシナフタレン、ビフェノール、メチレンビスフェノール(以下、「ビスフェノールF」ともいう。)、メチレンビス(オルトクレゾール)、エチリデンビスフェノール、イソプロピリデンビスフェノール(以下、「ビスフェノールA」ともいう。)、イソプロピリデンビス(オルトクレゾール)、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,4−ビス(4−ヒドロキシクミルベンゼン)、1,1,3−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1,2,2−テトラ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、チオビスフェノール、スルホビスフェノール、オキシビスフェノール、フェノールノボラック、オルソクレゾールノボラック、エチルフェノールノボラック、ブチルフェノールノボラック、オクチルフェノールノボラック、レゾルシンノボラック、ビスフェノールAノボラック、ビスフェノールFノボラック、テルペンジフェノール等の多核多価フェノール化合物のポリグリシジルエーテル化合物;
上記単核多価フェノール化合物又は多核多価フェノール化合物にエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる1種又は2種を付加したポリグリシジルエーテル化合物;上記単核多価フェノール化合物の水添物のポリグリシジルエーテル化合物;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、ポリグリコール、チオジグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物等の多価アルコール類のポリグリシジルエーテル;
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、コハク酸、グルタル酸、スベリン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸等の脂肪族、芳香族又は脂環族多塩基酸のグリシジルエステル類及びグリシジルメタクリレートの単独重合体又は共重合体;
N,N−ジグリシジルアニリン、ビス(4−(N−メチル−N−グリシジルアミノ)フェニル)メタン等のグリシジルアミノ基を有するエポキシ化合物;
ビニルシクロヘキセンジエポキシド、ジシクロペンタンジエンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート等の環状オレフィン化合物のエポキシ化物;
エポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化スチレン−ブタジエン共重合物等のエポキシ化共役ジエン重合体;トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環化合物;を挙げることができる。また、上記した各種化合物から選ばれる1種又は2種以上を反応させて得られる重縮合物を挙げることができる。
また、上記した各種化合物から選ばれる1種又は2種以上に、マンニッヒ反応を行って三級アミンを形成させた単核多価フェノール化合物又は多核多価フェノール化合物、若しくは、三級アミンを形成させた後でさらにアルキル硫酸等を用いて四級アミンを形成させた単核多価フェノール化合物又は多核多価フェノール化合物をさらに加えて重縮合したものであってもよい。
また、これらのエポキシ樹脂(A1)は、末端イソシアネートのプレポリマーによって内部架橋されたものでもよい。
単核多価フェノール化合物又は多核多価フェノール化合物の重縮合反応は、溶剤なしの溶融体中で行うことができるが、少量の溶剤を添加した系で行うことも可能である。溶剤としては、エポキシ基と反応しない溶剤であれば特に限定されない。この重縮合反応は、適宜、反応触媒として、ジメチルベンジルアミン、トリブチルアミン等の3級アミン、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩等の存在下、反応温度としては80℃〜200℃、好ましくは90℃〜180℃、反応時間としては1時間〜6時間、好ましくは1時間〜5時間で行うことができる。
エポキシ樹脂(A1)としては、市販のビスフェノールA型エポキシ樹脂を用いることができる。市販のビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、例えば、JER1001(ジャパンエポキシレジン株式会社製、エポキシ当量450〜500)、JER1002(同、エポキシ当量600〜700)、JER1004(同、エポキシ当量875〜975)、JER1007(同、エポキシ当量1750〜2200)、JER1010(同、エポキシ当量3000〜5000)等を挙げることができる。
また、市販のビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、例えばJER4004P(ジャパンエポキシレジン株式会社製、エポキシ当量880)、JER4005P(同、エポキシ当量1070)、JER4007P(同、エポキシ当量2270)、JER4010P(同、エポキシ当量4400)等を挙げることができる。
アミン化合物(A2)は、上記したエポキシ樹脂(A1)と反応させる化合物である。アミン化合物(A2)としては、従来公知の物質が使用可能である。例えば、2−メチルアミノ−1−エタノール、2−エチルアミノ−1−エタノール、2−イソプロピルアミノ−1−エタノール、2−n−ブチルアミノ−1−エタノール、2−ヘキシルアミノ−1−エタノール、3−メチルアミノ−1−プロパノール、3−エチルアミノ−1−プロパノール、3−n−ブチルアミノ−1−プロパノール、4−メチルアミノ−1−ブタノール、4−エチルアミノ−1−ブタノール、4−n−ブチルアミノ−1−ブタノール、4−n−ヘキシルアミノ−1−ブタノール、6−エチルアミノ−1−ヘキサノール、6−n−ブチルアミノ−1−ヘキサノール、8−エチルアミノ−1−オクタノール等のアミノ基含有アルコール化合物;ジエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジヘキシルアミン、ジオクチルアミン、N−エチルプロピルアミン、N−エチルイソプロピルアミン、N−エチルヘキシルアミン、N−エチルイソアリルアミン等のアミン化合物;上記したアミノ基含有アルコール化合物及び上記したアミン化合物から選ばれる1種又は2種以上の混合物;等を挙げることができる。また、上記した特許文献5、6に記載の2級アミノ基含有ポリエーテル含有化合物をアミン化合物(A2)として用いてもよいし、特許文献7に記載の1級アミノ基含有ポリエーテル化合物をアミン化合物(A2)として用いてもよい。
アミン変性エポキシ樹脂は、上記したエポキシ樹脂(A1)に、上記したアミン化合物(A2)を付加反応させることにより得ることができる。また、1級アミノ基を予めケトンと反応させてブロック化した後、残りの活性水素とエポキシ基を反応させて得ることもできる。エポキシ樹脂(A1)とアミン化合物(A2)との付加反応は、通常、適当な溶剤中で、50℃〜170℃、好ましくは70℃〜150℃の反応温度で0.5時間〜6時間、好ましくは1時間〜5時間で行う。
溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘキサン等の炭化水素系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン等のケトン系溶剤;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド系溶剤;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ−プロパノール等のアルコール系溶剤;フェニルカルビノール、メチルフェニルカルビノール等の芳香族アルキルアルコール溶剤;エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール系溶剤;上記した各種溶剤から選ばれる1種又は2種以上の混合物;等を挙げることができる。
アミン変性エポキシ樹脂は、水と混合することにより乳化させることができる。アミン変性エポキシ樹脂と水との混合割合は、特に限定されないが、アミン変性エポキシ樹脂100質量部に対して、水が40質量部〜700質量部であることが好ましく、50質量部〜400質量部であることがより好ましく、60質量部〜200質量部であることが特に好ましい。アミン変性エポキシ樹脂に対する水の混合割合が30質量部未満の場合には、乳化が不十分となることがある。また、得られる混合液が高粘度となり取り扱いが困難になることがある。アミン変性エポキシ樹脂に対する水の混合割合が700質量部を超える場合には、金属表面処理剤の乾燥性が低下することがある。また、アミン変性エポキシ樹脂を乳化しやすくするために、アミン変性エポキシ樹脂と水との混合物に、さらに蟻酸、酢酸、乳酸等を加えることもできる。
アミン変性エポキシ樹脂を自己乳化させ、アミン変性エポキシ樹脂の水溶液又はエマルジョンとする方法は、例えば、上記自己乳化性エポキシ樹脂又は水のいずれか一方を、攪拌しながら他方に徐々に配合する方法、又は、自己乳化性エポキシ樹脂と水とを予め配合しておき、それを攪拌して混合する方法等、種々の方法が用いられるが、その方法は特に限定されるものではない。攪拌に使用される攪拌機としては、例えば、ディスパーミキサー、ホモミキサー、回転型ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー等を挙げることができる。
アミン変性エポキシ樹脂の水溶液又はエマルジョンには、硬化剤を配合することができる。硬化剤としては、エポキシ樹脂用の硬化剤として通常使用される硬化剤を用いることができる。このような硬化剤としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン等の鎖状脂肪族ポリアミン;メンセンジアミン、イソホロンジアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−アミノエチルピペラジン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキオサスピロ(5.5)ウンデカン、m−キシレンジアミン等の環状脂肪族ポリアミン;メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジエチルジメチルフェニルメタン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等の芳香族ポリアミン;等のポリアミン硬化剤;上記した各種ポリアミンとジカルボン酸等のダイマー酸とを常法によって反応させて得られるポリアミドポリアミン硬化剤;上記した各種ポリアミンにエポキシ樹脂を付加させたエポキシ付加変性ポリアミン硬化剤;上記した各種ポリアミンにアクリロニトリル等を付加させたマイケル付加変性ポリアミン硬化剤;等を挙げることができる。さらに、ジシアンジアミドやイミダゾール類等の潜在性硬化剤も用いることができる。
また、アミン変性エポキシ樹脂の水溶液又はエマルジョンには、必要に応じて溶剤を配合してもよい。好ましく使用できる溶剤としては、例えば、エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸エチル、2−エトキシエチルアセテート等のエステル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルのエステル系溶剤;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;ヘキサン、イソオクタン、デカン、ドデカン等の脂肪族炭化水素系溶剤;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミン系溶剤;を挙げることができる。また、モノテルペン、セスキテルペン、ジテルペン、セスタテルペン、トリテルペン、テトラテルペン等のテルペン類を用いることもできる。これらの溶剤は、単独で用いてもよいし、また任意に2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
溶剤の配合は、エポキシ樹脂(A1)とアミン化合物(A2)とを反応させて自己乳化エポキシ樹脂とする工程、アミン変性エポキシ樹脂を水に乳化させてアミン変性エポキシ樹脂の水溶液又はエマルジョンとする工程、アミン変性エポキシ樹脂の水溶液又はエマルジョンに硬化剤等の添加剤を配合する工程等のいずれの工程で行ってもよい。溶剤が配合されることにより、アミン変性エポキシ樹脂の水溶液又はエマルジョンの乳化安定性が向上するとともに、粘度が低減して取り扱いが容易になる等の効果が得られる。
水系金属表面処理剤に含まれるカチオン変性エポキシ樹脂(A)の含有量は、水系金属表面処理剤に含まれる全固形分に対して、10質量%〜90質量%であることが好ましく、20質量%〜80質量%であることがより好ましく、20質量%〜70質量%であることが特に好ましい。なお、「全固形分」とは、水系金属表面処理剤を構成する成分のうち、溶剤等の揮発成分等を除いた固形分の含有量であり、具体的には、カチオン変性エポキシ樹脂(A)、有機高分子(B)、任意に含まれる無機化合物(C)及び任意に含まれる架橋性化合物(D)の合計量のことである。したがって、水系金属表面処理剤に含まれるカチオン変性エポキシ樹脂(A)は、カチオン変性エポキシ樹脂(A)、有機高分子(B)、任意に含まれる無機化合物(C)及び任意に含まれる架橋性化合物(D)の合計量(全固形分)に対して10質量%〜90質量%であることが好ましく、20質量%〜80質量%であることがより好ましく、20質量%〜70質量%であることが特に好ましい。
カチオン変性エポキシ樹脂(A)の含有量が10質量%〜90質量%の範囲にあると、表面処理皮膜の緻密性を高くすることができ、耐薬品密着維持性を実用レベルにすることができる。
(有機高分子(B))
有機高分子(B)は、その構造中にアミド結合、アミド基及び水酸基から選ばれる1種又は2種以上の構造単位を含有している高分子化合物である。「構造単位」とは、官能基又は単一結合構造のことをいう。これらの構造単位を有する有機高分子(B)は、カチオン変性エポキシ樹脂と反応しやすくなるので、得られる表面処理皮膜の密着性及び耐薬品密着維持性を高めることができる。「含有する」とは、有機高分子(B)が他の官能基及び結合構造を有していてもよいことを意味している。
有機高分子(B)は、その構造中にアミド結合、アミド基及び水酸基から選ばれる1種又は2種以上の構造単位を、1mmol/g〜50mmol/g含有していることが好ましく、1mmol/g〜30mmol/g含有していればより好ましい。上記構造単位の含有量を1mmol/g〜50mmol/gの範囲とすることで、その水系金属表面処理剤で処理して得られる表面処理皮膜の密着性及び耐薬品密着維持性をより高めることができる。
アミド基は、化学式(I)で示される官能基であり、アミド結合は、化学式(II)、(III)で示される分子主骨格内に含有される単位構造が例示される。なお、化学式(I)中、R、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。化学式(II)中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はヒドロキシアルキル基を表す。また、水酸基としては、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基を挙げることができる。
Figure 0005707582
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このような有機高分子(B)としては、従来公知の水溶性又は水分散性の有機高分子を用いることができる。具体的には、ポリビニルアルコール及びその誘導体、メチロール変性樹脂、ヒドロキシル基含有天然高分子、ヒドロキシル基及びアミド基から選ばれる1種又は2種を有する付加重合性モノマーの単独重合物又は共重合物、ポリアミド等を挙げることができる。
ポリビニルアルコール及びその誘導体としては、ポリ酢酸ビニルの鹸化物、又は、酢酸ビニルと他のモノマーとの共重合物の鹸化物を用いることができる。この鹸化物は、部分鹸化物であってもよく、完全鹸化物であってもよい。酢酸ビニルと共重合されるコモノマーとしては、特に限定されないが、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マイレン酸及びこれらの塩等のアニオン性コモノマー;スチレン、アクリロニトリル、ビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、メチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ビニルピロリドン、アクロイルモルホリン、酢酸ビニル等のノニオン性コモノマー;アミノエチル(メタ)アクリレート、N−ヒドロキシプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ビニルイミダゾール、N,N−ジメチルジアリルアミン等のカチオン性コモノマー;を挙げることができる。また、上記したポリビニルアルコールをジケテンと反応させることにより得られるアセトアセチル化ポリビニルアルコールを用いることもできる。
メチロール変性樹脂としては、例えば、水溶性又は水分散性のマンニッヒ変性アミノ化フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂を挙げることができる。
ヒドロキシル基含有天然高分子としては、例えば、タンニン、キトサン、非イオン性水溶性セルロース系樹脂及びその誘導体を挙げることができる。
タンニンとしては、例えば、タンニン酸等の加水分解性タンニン;カキタンニン、テアフラビン、テアルビジン等の縮合型タンニン;等を挙げることができる。キトサンとしては、キトサン及びその誘導体等の天然多糖類及びその誘導体を挙げることができる。キトサンとは、カニやエビ等の甲殻類より抽出される天然高分子であるキチンを、60モル%〜100モル%脱アセチル化することで得られる高分子物質のことである。例えば、100モル%脱アセチル化したキトサンは、N−アセチル−β−D−グルコサミンが1位と4位で結合した高分子物質である。
キトサン誘導体は、キトサンがもつ水酸基及びアミノ基のいずれか又は両方に対して、カルボキシル化、グルコール化、トシル化、硫酸化、リン酸化、エーテル化又はアルキル化した反応生成物である。具体的には、キトサン、カルボキシメチルキトサン、ヒドロキシエチルキトサン、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシブチルキトサン、グリセリル化キトサン、及びそれらと酸との塩等を挙げることができる。また、キトサン誘導体は、キトサンに、3級アミノ基及び4級アミノ基のいずれか又はその両方をもつ化合物を用いて、新たに3級アミノ基及び4級アミノ基のいずれか又はその両方を導入した反応生成物であってもよく、それらと酸との塩であってもよい。また、キトサン誘導体は、キトサンのもつアミノ基を直接アルキル化剤でアルキル化した3級アミノ基及び4級アミノ基のいずれか又はその両方を分子内に有するカチオン化キトサンであってもよく、それらと酸との塩であってもよい。
非イオン性水溶性セルロース系樹脂としては、例えば、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシメチルセルロース(HMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、これらの樹脂の一部を変性したもの等を挙げることができる。
ヒドロキシル基及びアミド基から選ばれる1種又は2種を有する付加重合性モノマーの単独重合物又は共重合物としては、例えば、構成モノマーが、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシメチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシメチルメタクリレート、(メタ)アクリルアミド、及びメチロール(メタ)アクリルアミド、N−ビニル−2−ピロリドン及びパラビニルフェノールから選ばれる1種又は2種以上である単独重合物又は共重合物を挙げることができる。また、上記したモノマーと、上記したモノマー以外のモノマーとの共重合物であってもよい。
上記以外のモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタアクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、アミノメチルアクリレート、アミノメチルメタクリレート、アミノエチルアクリレート、アミノエチルメタクリレート、アミノプロピルアクリレート、アミノブチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸アミノアルキル(炭素数1〜8)エステル等を挙げることができる。また、モノマー成分としてアクリルアミドを使用した場合、さらにマンニッヒ反応又はホフマン反応等によってアミノ化したものを用いることもできる。
ポリアミド樹脂としては、例えば、ε(エプシロン)カプロラクタムの単独重合によって得られる6ナイロン;ヘキサメチレンジアミンと、アジピン酸、セバシン酸、テレフタル酸又はイソフタル酸等の2塩基酸との縮合重合物;を挙げることができる。これらのうち、モノマーの一部に、アミノアルキルピペラジン等の3級アミノ基を有するジアミンを使用する等して、水溶化又は水分散化したポリアミド樹脂を用いることができる。
有機高分子(B)の含有量は、水系金属表面処理剤に含まれる全固形分に対して、1質量%〜50質量%であることが好ましく、5質量%〜45質量%であることがより好ましく、5質量%〜40質量%であることが特に好ましい。有機高分子(B)の含有量が1質量%〜50質量%の範囲にあると、表面処理皮膜の緻密性を高いものにすることができ、耐薬品密着維持性を実用レベルにすることができる。
(無機化合物(C))
本発明に係る水系金属表面処理剤は、Mg、Al、Ca、Mn、Co、Ni、Cr(III)、Zn、Fe、Zr、Ti、Si、Sr、W、Ce、Mo、V、Sn、Bi、Ta、Te、In、Ba、Hf、Se、Sc、Nb、Cu、Y、Nd及びLaから選ばれる1種又は2種以上の元素を含む無機化合物(C)をさらに含有してもよい。中でも、Mg、Al、Ca、Mn、Cr(III)、Zn、Fe、Zr、Ti、Si、Ce、Te及びHfから選ばれる1種又は2種以上の元素を含むことがより好ましく、Cr(III)、Zr、Ti、Si、Ce及びTeから選ばれる1種又は2種以上の元素を含むことがさらに好ましい。この無機化合物(C)を含むことで、さらに耐薬品密着維持性が向上する。「含む」とは、これらの元素以外の元素を含んでいてもよいことを意味している。
具体的には、Mg、Al、Ca、Mn、Co、Ni、Cr(III)、Zn、Fe、Zr、Ti、Si、Sr、W、Ce、Mo、V、Sn、Bi、Ta、Te、In、Ba、Hf、Se、Sc、Nb、Cu、Y、Nd及びLaから選ばれる1種又は2種以上元素を含む塩、錯化合物、又は水和酸化物(以下、「塩等」ともいう。)を挙げることができる。具体的には、これらの元素の炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、リン酸塩、フッ化物、フルオロ酸(塩)、有機酸塩、有機錯化合物、水和酸化物等を挙げることができる。
より具体的には、ビス(アセチルアセトナト)ジアクアマグネシウム(II)、アルミン酸マグネシウム、安息香酸マグネシウム、蟻酸マグネシウム、蓚酸マグネシウム、タングステン酸マグネシウム、メタニオブ酸マグネシウム、ホウ酸マグネシウム、モリブデン酸マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、ニリン酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、リン酸アンモニウムマグネシウム、リン酸水素マグネシウム、酸化マグネシウム等のマグネシウム塩等;
硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、リン酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、フッ化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、酢酸アルミニウム、安息香酸アルミニウム、クエン酸アルミニウム、グルコン酸アルミニウム、セレン酸アルミニウム、蓚酸アルミニウム、酒石酸アルミニウム、乳酸アルミニウム、パルチミン酸アルミニウム等のアルミニウム塩等;
ビス(アセチルアセトナト)ジアクアカルシウム(II)、安息香酸カルシウム、クエン酸カルシウム、メタスズ酸カルシウム、セレン酸カルシウム、タングステン酸カルシウム、炭酸カルシウム、四ホウ酸カルシウム、モリブデン酸カルシウム、マレイン酸カルシウム、リンゴ酸カルシウム、ニリン酸カルシウム、フッ化カルシウム、ホスフィン酸カルシウム、硝酸カルシウム、水酸化カルシウム、酸化カルシウム、シュウ酸カルシウム、酸化カルシウム、酢酸カルシウム等のカルシウム塩等;
ビス(アセチルアセトナト)ジアクアマンガン(II)、四酸化三マンガン、酸化マンガン(II)、酸化マンガン(III)、酸化マンガン(IV)、臭化マンガン(II)、蓚酸マンガン(II)、過マンガン酸(VII)、過マンガン酸カリウム(VII)、過マンガン酸ナトリウム(VII)、リン酸二水素マンガン(II)、硝酸マンガン(II)、硫酸マンガン(II)、硫酸マンガン(III)、硫酸マンガン(IV)、フッ化マンガン(II)、フッ化マンガン(III)、炭酸マンガン(II)、酢酸マンガン(II)、酢酸マンガン(III)、硫酸アンモニウムマンガン(II)、ヨウ化マンガン(II)、水酸化マンガン(II)等のマンガン塩等又はマンガン酸塩等;
ビス(アセチルアセトナト)ジアクアコバルト(II)、トリス(アセチルアセトナト)コバルト(III)、スルファミン酸コバルト(II)、塩化コバルト(II)、クロロペンタアンミンコバルト塩化物(III)、ヘキサアンミンコバルト塩化物(III)、ジアンミンテトラニトロコバルト(III)酸アンモニウム、硫酸コバルト(II)、硫酸アンモニウムコバルト、硝酸コバルト(II)、酸化コバルト二アルミニウム、水酸化コバルト(II)、酸化コバルト(II)、リン酸コバルト、酢酸コバルト(II)、蟻酸コバルト(II)、四酸化三コバルト、臭化コバルト(II)、蓚酸コバルト(II)、セレン酸コバルト(II)、タングステン酸コバルト(II)、ヒドロキシ炭酸第一コバルト(II)、モリブデン酸コバルト(II)、ヨウ化コバルト(II)、リン酸コバルト(II)等のコバルト塩等;
二スルファミン酸ニッケル(II)、安息香酸ニッケル(II)、硝酸ニッケル(II)、硫酸ニッケル(II)、炭酸ニッケル(II)、ニッケルアセチルアセトネート(II)、塩化ニッケル(II)、ヘキサアンミンニッケル塩化物、酸化ニッケル、水酸化ニッケル(II)、酸化ニッケル(II)、酢酸ニッケル、クエン酸ニッケル(II)、コハク酸ニッケル(II)、臭化ニッケル(II)、蓚酸ニッケル(II)、酒石酸ニッケル(II)、セレン酸ニッケル(II)、ヒドロキシ炭酸ニッケル(II)、乳酸ニッケル(II)、モリブデン酸ニッケル(II)、ヨウ化ニッケル(II)、二リン酸ニッケル(II)等のニッケル塩等;
蟻酸クロム(III)、フッ化クロム(III)、硝酸クロム(III)、硫酸クロム(III)、蓚酸クロム(III)、酢酸クロム(III)、重燐酸クロム(III)、水酸化クロム(III)、酸化クロム(III)、臭化クロム(III)、ヨウ化クロム(III)等のクロム塩等;
ビス(アセチルアセトナト)亜鉛(II)、安息香酸亜鉛(II)、ヒドロキシ塩化亜鉛(II)、蟻酸亜鉛(II)、クエン酸亜鉛(II)、臭化亜鉛(II)、蓚酸亜鉛(II)、酒石酸亜鉛(II)、メタスズ酸亜鉛(II)、セレン酸亜鉛(II)、タングステン酸亜鉛(II)、フッ化亜鉛(II)、モリブデン酸亜鉛(II)、酪酸亜鉛(II)、ニリン酸亜鉛(II)、硫酸亜鉛(II)、炭酸亜鉛(II)、塩化亜鉛(II)、ヨウ化亜鉛(II)、水酸化亜鉛(II)、酸化亜鉛(II)等の亜鉛塩等;
ビス(アセチルアセトナト)ジアクア鉄(II)、トリス(アセチルアセトナト)鉄(III)、三蓚酸鉄三カリウム、蟻酸鉄(II)、四バナジン酸鉄(III)、臭化鉄(III)、酒石酸鉄(III)、乳酸鉄(II)、フッ化鉄(II)、フッ化鉄(III)、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、ヨウ化鉄(II)、ヨウ化鉄(III)、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、酢酸鉄(II)、酢酸鉄(III)、クエン酸鉄(II)クエン酸鉄(III)、グリシン鉄(II)、グリシン鉄(III)、蓚酸鉄(II)、蓚酸鉄(III)、ピコリン酸鉄(II)、ピコリン酸鉄(III)、L−フェニルアラニン鉄(II)、L−フェニルアラニン鉄(III)、マロン酸鉄(II)、マロン酸鉄(III)、水酸化鉄(II)、水酸化鉄(III)、酸化鉄(II)、酸化鉄(III)、四酸化三鉄等の鉄塩等;
ビス(アセチルアセトナト)ジアクアストロンチウム(II)、蟻酸ストロンチウム(II)、クエン酸ストロンチウム(II)タングステン酸ストロンチウム、メタスズ酸ストロンチウム、酸化ストロンチウム(IV)、酸化ストロンチウム(II)、蓚酸ストロンチウム、メタニオブ酸ストロンチウム、モリブデン酸ストロンチウム、ヨウ化ストロンチウム、硝酸ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、炭酸ストロンチウム、酢酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、リン酸ストロンチウム、乳酸ストロンチウム等のストロンチウム塩等;
オキシ二蓚酸チタン二アンモニウム、オキシ二蓚酸チタン二カリウム、酸化チタン(II)、酸化チタン(III)、酸化チタン(IV)、オキシ硫酸第二チタン、塩基性リン酸チタン、臭化チタン(IV)、メタチタン酸、メタチタン酸亜鉛(II)、チタン酸アルミニウム(III)、メタチタン酸カリウム、メタチタン三コバルト(II)、チタン酸ジルコニウム、メタチタン酸ストロンチウム、メタチタン三鉄(III)、メタチタン酸銅(II)、チタン酸ナトリウム、二チタン酸ネオジム(III)、メタチタン酸バリウム、メタチタン酸ビスマス(III)、メタチタン酸マグネシウム、チタン酸マグネシウム、メタチタン酸マンガン(II)、二チタン酸ランタン(III)、メタチタン酸リチウム、ヘキサフルオロチタン(IV)酸アンモニウム、ヘキサフルオロチタン(IV)酸カリウム、ヨウ化チタン(IV)、硫酸チタン(III)、硫酸チタン(IV)、塩化チタン、硝酸チタン、硫酸チタニル、フッ化チタン(III)、フッ化チタン(IV)、ヘキサフルオロチタン酸、乳酸チタン、ペルオキソチタン酸、チタンラウレート、チタニウムアセチルアセトネート、水酸化チタン(IV)等のチタン塩等又はチタン酸塩等;
テトラキス(アセチルアセトナト)ジルコニウム(IV)、塩化酸化ジルコニウム(IV)、塩化ジルコニウム(IV)、ケイ酸ジルコニウム、酢酸酸化ジルコニウム(IV)、酸化ジルコニウム(IV)、硝酸酸化ジルコニウム(IV)、メタジルコニウム酸セシウム、メタジルコニウム酸リチウム、メタジルコニウム酸亜鉛(II)、メタジルコニウム酸アルミニウム(III)、メタジルコニウム酸カルシウム、メタジルコニウム酸コバルト(II)、メタジルコニウム酸ストロンチウム、メタジルコニウム酸銅(II)、メタジルコニウム酸ナトリウム、メタジルコニウム酸ニッケル(II)、メタジルコニウム酸バリウム、メタジルコニウム酸ビスマス(III)、メタジルコニウム酸マグネシウム、オキシ炭酸ジルコニウム、ヘキサフルオロジルコニウム(IV)酸アンモニウム、ヘキサフルオロジルコニウム(IV)酸カリウム、ヨウ化ジルコニウム、リン酸二水素酸化ジルコニウム(IV)、塩基性炭酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、炭酸ジルコニルアンモニウム、硝酸ジルコニウム、硝酸ジルコニル、硫酸ジルコニウム(IV)、硫酸ジルコニル、ヘキサフルオロジルコニウム酸、オキシリン酸ジルコニウム、ピロリン酸ジルコニウム、リン酸二水素ジルコニル、オキシ塩化ジルコニウム、フッ化ジルコニウム、酢酸ジルコニル、酸化ジルコニウム、水酸化ジルコニウム等のジルコニウム塩等;
ヘキサフルオロケイ酸、シリカ等のケイ酸塩等;
塩化タングステン(VI)、酸化タングステン酸鉄(III)、塩化タングステン(VI)、オキシ二塩化タングステン、二酸化タングステン、三酸化タングステン、メタタングステン酸、メタタングステン酸アンモニウム、メタタングステン酸ナトリウム、パラタングステン酸、パラタングステン酸アンモニウム、パラタングステン酸ナトリウム、タングステン酸亜鉛(II)、タングステン酸カリウム、タングステン酸カルシウム、タングステン酸コバルト(II)、タングステン酸ストロンチウム、タングステン酸セシウム、タングステン酸銅(II)、タングステン酸ニッケル、タングステン酸バリウム、タングステン酸マグネシウム、タングステン酸マンガン(II)、タングステン酸リチウム、リンタングステン酸、リンタングステン酸アンモニウム、リンタングステン酸ナトリウム等のタングステン塩等又はタングステン酸塩等;
トリス(アセチルアセトナト)セリウム(III)、塩化セリウム(III)、酸化セリウム(III)、酸化セリウム(IV)、臭化セリウム(III)、蓚酸セリウム(III)、水酸化セリウム(IV)、硫酸第二セリウムアンモニウム(IV)、硫酸第一セリウムアンモニウム(III)、炭酸セリウム(III)、硫酸セリウム、酢酸セリウム(III)、硝酸セリウム(III)、硫酸セリウム(IV)、フッ化セリウム(III)、ヨウ化セリウム(III)、リン酸セリウム(III)等のセリウム塩等;
塩化モリブデン(V)、酸化モリブデン(IV)、酸化モリブデン(VI)、モリブデン酸亜鉛(II)、モリブデン酸カリウム、モリブデン酸カルシウム、モリブデン酸コバルト(II)、モリブデン酸セシウム、モリブデン酸ニッケル(II)、モリブデン酸バリウム、モリブデン酸ビスマス(III)、モリブデン酸マグネシウム、モリブデン酸リチウム、パラモリブデン酸リチウム、モリブデン酸ストロンチウム、リンモリブデン酸、リンモリブデン酸アンモニウム、リンモリブデン酸ナトリウム、モリブデン酸、モリブデン酸アンモニウム、パラモリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウム等のモリブデン塩等又はモリブデン酸塩等;
オキシ二塩化バナジウム、オキシ三塩化バナジウム、三塩化バナジウム、酸化バナジウム、四バナジン酸鉄(III)、臭化バナジウム(III)、オキシ蓚酸バナジウム、ヨウ化バナジウム(II)、五酸化バナジウム、メタバナジン酸、ピロバナジン酸ナトリウム、バナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸アンモニウム、メタバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸カリウム、オキシ三塩化バナジウム、三酸化バナジウム、二酸化バナジウム、オキシ硫酸バナジウム、バナジウムオキシアセチルアセテート、バナジウムアセチルアセテート、リンバナドモリブデン酸等のバナジウム塩等又はバナジン酸塩等;
塩化スズ(II)、酢酸スズ(II)、蓚酸スズ(II)、酒石酸スズ(II)、酸化スズ(IV)、硝酸スズ、硫酸スズ、フッ化スズ(II)、ヨウ化スズ(II)、ヨウ化スズ(IV)、ピロリン酸スズ(II)、メタスズ酸、メタスズ酸亜鉛、メタスズ酸カルシウム、メタスズ酸ストロンチウム、メタスズ酸バリウム、メタスズ酸マグネシウム等のスズ塩又はスズ酸塩等;
安息香酸ビスマス(III)、塩化酸化ビスマス(III)、クエン酸ビスマス(III)、オキシ酢酸ビスマス(III)、酸化酒石酸ビスマス(III)、酸化ビスマス(III)、オキシ硫酸二ビスマス、臭化ビスマス(III)、酒石酸ビスマス(III)、水酸化ビスマス(III)、オキシ炭酸二ビスマス、ジルコニウム酸ビスマス(III)、オキシ硝酸ビスマス、四チタン酸ビスマス(III)、三チタン酸ビスマス(III)、フッ化ビスマス(III)、モリブデン酸ビスマス(III)、ヨウ化ビスマス(III)、硝酸ビスマス(III)、塩化ビスマス(III)、硫酸ビスマス(III)、酢酸ビスマス(III)、リン酸ビスマス(III)等のビスマス塩等;
塩化タンタル(V)、酸化タンタル(V)、臭化タンタル(V)、タンタル酸、六タンタル酸カリウム、メタタンタル酸ストロンチウム、メタタンタル酸ナトリウム、メタタンタル酸リチウム、ヨウ化タンタル(V)、タンタルオキシアセチルアセトネート、メタタンタル酸、メタタンタル酸アンモニウム、ヘプタフルオロタンタル酸カリウム等のタンタル塩等又はタンタル酸塩等;
テルル酸、メタテルル酸アンモニウム、メタテルル酸カリウム、メタテルル酸ナトリウム、ヨウ化テルル(IV)、テルル酸カリウム、テルル酸ナトリウム、亜テルル酸、亜テルル酸カリウム、亜テルル酸ナトリウム、亜テルル酸バリウム、亜テルル酸リチウム、塩化テルル(IV)、酸化テルル(IV)、臭化テルル(IV)、水酸化硝酸三酸化二テルル、亜テルル酸亜鉛等のテルル塩等又はテルル酸塩等;
トリス(アセチルアセトナト)インジウム(III)、アミド硫酸インジウム(III)、二塩化インジウム、塩化インジウム(I)、塩化インジウム(III)、酢酸インジウム(III)、臭化インジウム(III)、ヨウ化インジウム(III)、硝酸インジウム(III)、硫酸インジウム(III)、フッ化インジウム(III)、酸化インジウム(III)、水酸化インジウム(III)等のインジウム塩等;
ビス(アセチルアセトナト)ジアクアバリウム(II)、亜セレン酸バリウム、亜テルル酸バリウム、安息香酸バリウム、アルミン酸バリウム、塩化バリウム、蟻酸バリウム、クエン酸バリウム、酸化バリウム、臭化バリウム、蓚酸バリウム、酒石酸バリウム、メタジルコニウム酸バリウム、水酸化バリウム、メタスズ酸バリウム、タングステン酸バリウム、メタチタン酸バリウム、メタニオブ酸バリウム、乳酸バリウム、メタホウ酸バリウム、モリブデン酸バリウム、ヨウ化バリウム、リン酸水素バリウム、炭酸バリウム、フッ化バリウム等のバリウム塩等;
テトラキス(アセチルアセトナト)ハフニウム(IV)、塩化ハフニウム(IV)、酸化ハフニウム(IV)、ヨウ化ハフニウム(IV)、硫酸ハフニウム(IV)、硝酸ハフニウム(IV)、オキシ蓚酸ハフニウム(IV)、フルオロハフニウム酸、フルオロハフニウム酸塩、フッ化ハフニウム等のハフニウム塩等又はハフニウム酸塩等;
亜セレン酸カリウム、亜セレン酸水素カリウム、亜セレン酸三水素セシウム、亜セレン酸水素ナトリウム、亜セレン酸水素リチウム、亜セレン酸銅(II)、亜セレン酸ナトリウム、亜セレン酸バリウム、オキシ塩化セレン、塩化セレン(I)、塩化セレン(IV)、酸化セレン(IV)、セレン酸アルミニウム、セレン酸、亜セレン酸亜鉛、セレン酸カリウム、セレン酸アンモニウム、セレン酸カルシウム、セレン酸セシウム、セレン酸コバルト、セレン酸銅(II)、セレン酸ニッケル、セレン酸ナトリウム、セレン酸バリウム、セレン酸亜鉛等のセレン塩等又はセレン酸塩等;
塩化スカンジウム(III)、蟻酸スカンジウム(III)、酢酸スカンジウム(III)、硝酸スカンジウム(III)、酸化スカンジウム(III)、フッ化スカンジウム(III)、ヨウ化スカンジウム(III)、硫酸スカンジウム(III)等のスカンジウム塩等;
酸化ニオブ(II)、酸化ニオブ(V)、五(蓚酸水素)ニオブ、水酸化ニオブ(V)、ニオブオキシアセチルアセトネート、メタニオブ酸、メタニオブ酸カルシウム、メタニオブ酸ストロンチウム、メタニオブ酸バリウム、メタニオブ酸マグネシウム、メタニオブ酸リチウム、メタニオブ酸アンモニウム、メタニオブ酸ナトリウム、五塩化ニオブ等のニオブ塩等又はニオブ酸塩等;
アミド硫酸銅(II)、安息香酸銅(II)、テトラアンミン銅(II)硝酸塩、クエン酸銅(II)、酸化銅(I)、臭化銅(I)、蓚酸銅(II)、蟻酸銅(II)、酢酸銅(II)、プロピオン酸銅(II)、吉草酸銅(II)、グルコン酸銅(II)、酒石酸銅(II)、塩化銅(II)、臭化銅(II)、水酸化銅(II)、酢酸銅(II)、硝酸銅(II)、硫酸銅(II)、炭酸銅(II)、酸化銅(II)、ヒドロキシ硝酸第二銅、タングステン酸銅(II)、炭酸水酸化銅(II)、乳酸銅(II)、フッ化銅(II)、ヨウ化銅(I)等の銅塩等;
トリス(アセチルアセトナト)イットリウム(III)、塩化イットリウム(III)、蟻酸イットリウム(III)、クエン酸イットリウム(III)、酢酸イットリウム(III)、酸化イットリウム(III)、蓚酸イットリウム(III)、硝酸イットリウム(III)、炭酸イットリウム(III)、フッ化イットリウム(III)、ヨウ化イットリウム(III)、硫酸イットリウム(III)、リン酸イットリウム(III)等のイットリウム塩等;
トリス(アセチルアセトナト)ランタン(III)、塩化ランタン(III)、蟻酸ランタン(III)、酢酸ランタン(III)、酸化ランタン(III)、蓚酸ランタン(III)、硝酸ランタン(III)、炭酸ランタン(III)、フッ化ランタン(III)、二チタン酸ランタン(III)、硫酸ランタン(III)、リン酸ランタン(III)、ヨウ化ランタン(III)等のランタン塩等;
トリス(アセチルアセトナト)ネオジム(III)、塩化ネオジム(III)、蟻酸ネオジム(III)、酢酸ネオジム(III)、酸化ネオジム(III)、臭化ネオジム(III)、蓚酸ネオジム(III)、硝酸ネオジム(III)、炭酸ネオジム(III)、二チタン酸ネオジム(III)、フッ化ネオジム(III)、ヨウ化ネオジム(III)、硫酸ネオジム(III)、リン酸ネオジム(III)等のネオジウム塩等;を挙げることができる。これらの化合物は無水物であってもよいし、水和物であってもよい。また、単独で使用してもよいし、2種以上組み合わせて使用してもよい。さらに、水系金属表面処理剤溶剤中に溶解していてもよいし、分散していてもよい。
無機化合物(C)の含有量は、水系金属表面処理剤に含まれる全固形分に対して、1質量%〜80質量%であることが好ましく、5質量%〜70質量%であることがより好ましい。上記無機化合物(C)の含有量が1質量%〜80質量%の範囲にあると、その水系金属表面処理剤で処理して得られる表面処理皮膜の緻密性をより高くすることができる。その結果、耐薬品密着維持性をより高めることができる。
(架橋性化合物(D))
本発明に係る水系表面処理剤は、処理液中に、イソシアネート基、アルデヒド基、グリシジルエーテル基及びメチロール基から選ばれる1種又は2種以上を有する架橋性化合物(D)をさらに含有してもよい。架橋性化合物(D)を含有させることで、表面処理皮膜の緻密性が向上し、表面処理皮膜の耐薬品密着維持性をより高めることができる。
イソシアネート基を有する化合物としては、特に限定されないが、例えば、トリレンジイソシアネートの異性体類;4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類;キシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート類;イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類;等を挙げることができる。これらの化合物は、水系金属表面処理剤の安定性の観点から、ブロック剤でブロック化されたイソシアネート化合物として用いることが好ましい。ブロック剤としては、フェノール系ブロック剤、アルコール系ブロック剤、オキシム系ブロック剤、活性メチレン系ブロック剤、酸アミド系ブロック剤、カルバミン酸塩系ブロック剤、亜硫酸塩系ブロック剤等が挙げられる。
アルデヒド基を有する化合物としては、特に限定されないが、グリオキザール、マロンジアルデヒド、サクシンジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、アジピンジアルデヒド、ヘプタンジアール等のジアルデヒド化合物、三つ以上のアルデヒド基を有する化合物等を挙げることができる。
グリシジルエーテル基を有する化合物としては、特に限定されないが、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、ジグリセロールリグリシジルエーテル、ポリグリセロールトリグリシジルエーテル、ペンタエリトリトールテトラグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等を挙げることができる。
メチロール基を有する化合物としては、例えば、レゾール型フェノール樹脂、メチロールメラミン、N−メチロールアクリルアミドモノマーの単独重合体、N−メチロールアクリルアミドモノマーと他のモノマーとの共重合体等を挙げることができる。
ここでは、イソシアネート基、アルデヒド基、グリシジルエーテル基又はメチロール基のいずれかを有する化合物を例示したが、イソシアネート基、アルデヒド基、グリシジルエーテル基及びメチロール基から選ばれる2種以上を有する化合物を用いることもできる。また、上記したイソシアネート基、アルデヒド基、グリシジルエーテル基又はメチロール基のいずれかを有する化合物を、複数組み合わせて用いることもできる。
架橋性化合物(D)の含有量は、水系金属表面処理剤に含まれる全固形分に対して、1質量%〜60質量%であることが好ましく、1質量%〜30質量%であることがより好ましく、5質量%〜20%であることが特に好ましい。架橋性化合物(D)の含有量が1質量%〜60質量%の範囲にあると、その水系金属表面処理剤で処理して得られる表面処理皮膜の緻密性をより高いものにすることができる。その結果、表面処理皮膜の密着性及び耐薬品密着維持性をより高めることができる。
(溶剤)
本発明に係る水系金属表面処理剤は、金属材料表面に塗布する際の作業性を良くするために、必要に応じて各種の溶剤を含有することができる。
溶剤としては、例えば、水;ヘキサン、ペンタン等のアルカン系溶剤;ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤;エタノール、1−ブタノール、エチルセロソルブ等のアルコール系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブトキシエチル等のエステル系溶剤;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶剤;ジメチルスルホキシド等のスルホン系溶剤;ヘキサメチルリン酸トリアミド等のリン酸アミド系溶剤;等を挙げることができ、うち1種類を用いてもよく、また2種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、環境上及び経済上有利である理由から、水であることが好ましい。
(その他の添加剤)
本発明に係る水系金属表面処理剤は、界面活性剤、消泡剤、レベリング剤、防菌防ばい剤、着色剤等を、本発明の趣旨及び皮膜性能を損なわない範囲で含有することができる。
(水系金属表面処理剤の調製方法)
本発明に係る水系金属表面処理剤の調製方法は、特に限定されない。例えば、カチオン変性エポキシ樹脂(A)と有機高分子(B)は、必要に応じて使用することができる無機化合物(C)、必要に応じて使用することができる架橋性化合物(D)、必要に応じて使用することができるその他添加剤及び必要に応じて使用することができる溶剤と混ぜ、混合ミキサー等の攪拌機を用いて十分に混合することによって調製することができる。
[金属材料]
本発明に係る金属材料10は、図1に示すように、基材金属1と、その表面に本発明に係る水系金属表面処理剤を塗布して形成された表面処理皮膜2を有する。「塗布」とは、後述する塗布工程によって、基材金属1の表面に水系金属表面処理剤を塗ることをいう。「有する」とは、基材金属1及び表面処理皮膜2以外に他の構成を有していてもよいことを意味している。例えば、表面処理皮膜2の上にラミネート加工によって形成された樹脂フィルム3を有していてもよい。表面処理皮膜2は、上記した本発明に係る水系金属表面処理剤を基材金属1に塗布して形成されるので、密着性及び耐薬品密着維持性に優れている。
金属材料10は、そのような表面処理皮膜2を有するので、表面処理皮膜2の上に樹脂フィルム3又は樹脂塗膜3を形成した後、深絞り加工、しごき加工又はストレッチドロー加工等の厳しい成形加工を施した場合であっても、また、さらに酸等に曝された場合であっても、樹脂フィルム3又は樹脂塗膜3が金属材料10から剥離することを防ぐことができる。
なお、図1では、基材金属1の一方の表面に、表面処理皮膜2と、樹脂フィルム3又は樹脂塗膜3とを形成した例を示しているが、基材金属1の両面に、すなわち他方の表面にも表面処理皮膜2を形成し、さらに樹脂フィルム3又は樹脂塗膜3を設けてもよい。
基材金属1の種類は、特に限定されず、各種のものを適用できる。例えば、食品用缶のボディー又は蓋材、食品用容器、乾電池容器、2次電池の外装材等に適用可能な金属材料を挙げることができるが、これらに限定されず、広い用途に応用可能な金属材料を用いることができる。特に、携帯電話、電子手帳、ノート型パソコン又はビデオカメラ等に用いられるモバイル用リチウムイオン2次電池の外装材、電気自動車又はハイブリッド自動車の駆動エネルギーとして用いるリチウムイオン2次電池の外装材として利用可能な金属材料を挙げることができる。これらの金属材料のうち、その表面に表面処理皮膜を形成することができ、さらに表面処理皮膜の上に樹脂フィルムをラミネート等することができ、その後に深絞り加工、しごき加工又はストレッチドロー加工等の厳しい成形加工を施すことができる金属材料を好ましく用いることができる。
そうした金属材料としては、例えば、純銅、銅合金等の銅材料、純アルミニウム、アルミニウム合金等のアルミニウム材料、普通鋼、合金鋼等の鉄材料、純ニッケル、ニッケル合金等のニッケル材料等を挙げることができる。
銅合金としては、銅を50質量%以上含有するものが好ましく、例えば、黄銅等を用いることができる。銅合金における銅以外の合金成分としては、例えば、Zn、P、Al、Fe、Ni等を挙げることができる。アルミニウム合金としては、アルミニウムを50質量%以上含有するものが好ましく、例えば、Al−Mg系合金等を用いることができる。アルミニウム合金におけるアルミニウム以外の合金成分としては、例えば、Si、Fe、Cu、Mn、Cr、Zn、Ti等を挙げることができる。合金鋼としては、鉄を50質量%以上含有するものが好ましく、例えば、ステンレス鋼等を用いることができる。合金鋼における鉄以外の合金成分としては、例えば、C、Si、Mn、P、S、Ni、Cr、Mo等を挙げることができる。ニッケル合金としては、ニッケルを50質量%以上含有するものが好ましく、例えば、Ni−P合金等を用いることができる。ニッケル合金におけるニッケル以外の合金成分としては、例えば、Al、C、Co、Cr、Cu、Fe、Zn、Mn、Mo、P等を挙げることができる。
基材金属1は、上記した金属材料以外の金属材料、セラミックス材料又は有機材料の表面に、上記した金属元素を含む皮膜を形成したものであってもよい。そのような金属皮膜は、例えば、めっき、蒸着、クラッド等の手法により形成することができる。また、基材金属1の形状、構造等は特に限定されず、例えば、板状又は箔状の金属材料を用いることができる。
以上説明したように、本発明に係る水系金属表面処理剤によれば、上記したカチオン変性エポキシ樹脂(A)と上記した有機高分子(B)とを含むので、その水系金属表面処理剤で処理して得られる表面処理皮膜が高い密着性を有するとともに、酸等に曝されても高い密着性を維持することができる。その結果、表面処理皮膜が形成された金属材料に樹脂フィルムをラミネートし又は樹脂塗膜を形成し、その後に深絞り加工、しごき加工又はストレッチドロー加工等の厳しい成形加工を施した場合であっても、さらに酸や有機溶剤等に曝された場合であっても、そのラミネートフィルム又は樹脂塗膜が金属材料から剥離することを防ぐことができる。
[表面処理方法]
水系金属表面処理剤を用いた金属表面の処理方法は、水系金属表面処理剤を基材金属の表面に塗布する塗布工程と、塗布工程の後、水洗することなく乾燥し、表面処理皮膜を形成する乾燥工程とによって形成することができる。
(塗布工程)
塗布工程は、水系金属表面処理剤を基材金属の表面に塗布する工程である。塗布する方法は、特に限定されず、例えば、スプレーコート、ディップコート、ロールコート、カーテンコート、スピンコート、又はこれらを組み合わせた方法を用いることができる。水系金属表面処理剤の使用条件は、特に限定されない。例えば、塗布する際の水系金属表面処理剤及び金属材料の温度は、10℃〜90℃であることが好ましく、20℃〜60℃であることがより好ましい。温度が60℃以下であると、無駄なエネルギーの使用を抑制することができる。また、塗布する時間及び塗布する量は、得られる表面処理皮膜の求められる膜厚に応じて適宜設定することができる。
(乾燥工程)
乾燥工程は、塗布工程後、水洗することなく乾燥し、表面処理皮膜を形成する工程である。乾燥温度は、使用する溶剤に合わせた温度とすることができる。例えば、水を溶剤として用いた場合には、50℃〜250℃の範囲であることが好ましい。乾燥装置は特に限定されないが、バッチ式、連続式又は熱風循環式の乾燥炉、コンベアー式熱風乾燥炉又はIHヒーターを用いた電磁誘導加熱炉等を用いることができ、その風量と風速等は任意に設定することができる。
こうして得られる表面処理皮膜は、その上にさらに樹脂フィルム(ラミネートフィルム)又は樹脂塗膜を形成後、深絞り加工、しごき加工又はストレッチドロー加工等の厳しい成形加工を施した場合であっても、また、さらに酸等に曝されても、ラミネートフィルム又は樹脂塗膜からなる樹脂皮膜が剥離することを防ぐことができる。
なお、得られる表面処理皮膜の膜厚は、0.01μm〜1μmとすることが好ましく、0.02μm〜0.05μmとすることがより好ましい。膜厚を0.01μm〜1μmの範囲とすることで、表面処理皮膜の密着性及び耐薬品密着維持性をより高めることができる。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに詳しく説明する。本発明は以下の実施例により限定されるものではない。なお、以下において、「部」は「質量部」のことであり、「質量%」は「重量%」と同義であり、以下では特に断らない限り単に「%」と表すこともある。「ppm」は「mg/L」と同義である。
[カチオン変性エポキシ樹脂(A)]
(カチオン変性エポキシ樹脂:記号Aa)
窒素ガス導入管、温度計、分水器及び攪拌装置を備えた5リットルオートクレーブにN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン104部及びメチルイソブチルケトン400部を加え、140℃、常圧で8時間反応させた。反応中に流出した水は窒素ガスを吹き込みながら分水器で随時除去した。反応終了後、過剰のメチルイソブチルケトンを120℃、減圧下で留去した。次いで、触媒として水酸化カリウム4部を加え、エチレンオキサイド1584部とプロピレンオキサイド348部の混合物を温度130℃、圧力10kg/cm2で付加させた。反応終了後、常法により触媒を除去し、水を60部添加し、110℃で4時間加水分解を行なった。加水分解終了後、遊離したメチルイソブチルケトン及び過剰の水分を減圧下に除去し、1級アミノ基含有ポリエーテル化合物を作製した。
その後、窒素ガス導入管、温度計及び攪拌装置を備えた反応容器に、1級アミノ基含有ポリエーテル化合物10部及びADEKA株式会社製アデカレジンEP−4100(ビスフェノールAジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂)を100部の比率で加え、90℃で2時間攪拌することにより反応させ、アミノ基含有エポキシ樹脂を得た。このアミノ基含有エポキシ樹脂87.5部と10%蟻酸13部とを配合して均一に攪拌した後、強く攪拌しながら、脱イオン水193.5部を約15分間で滴下して、カチオン変性エポキシ樹脂エマルジョンAaを得た。
(カチオン変性エポキシ樹脂:記号Ab)
窒素ガス導入管、温度計、分水器及び攪拌装置を備えた2リットルフラスコに、三洋化成工業株式会社製グリシエールPP−300P(ビスフェノールAへのアルキレンオキシド付加物のポリグリシジルエーテル化合物)162部、ジャパンエポキシレジン株式会社製jER828EL(ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとの重縮合物)1000部、ビスフェノールA440部及びテトラブチルアンモニウムブロマイド1.6部を加え、160℃でエポキシ当量800になるまで反応させた。これに、メチルイソブチルケトン450部を加え、次いで、4−エチルアミノ−1−ブタノール210部を加えて、100℃で4時間反応させ、アミノ基含有エポキシ樹脂を得た。
このアミノ基含有エポキシ樹脂87.5部と10%酢酸13部とを配合して均一に攪拌した後、強く攪拌しながら、脱イオン水193.5部を約15分間で滴下して、カチオン変性エポキシ樹脂エマルジョンAbを得た。
(カチオン変性エポキシ樹脂:記号Ac)
窒素ガス導入管、温度計、分水器及び攪拌装置を備えた反応器に、エポキシ当量188を有するビスフェノールAをベースとするエポキシ樹脂(ビスフェノールAのジグリシジルエーテル化合物)6150部、ビスフェノールA1400部、ドデシルフェノール335部、p−クレゾール470部及びキシレン441部を加え、窒素雰囲気下で125℃に加熱し、10分間反応させた。次に、130℃に加熱して、エポキシ重合触媒としてN,N’−ジメチルベンジルアミン23部を加え、エポキシ当量が880に達するまでこの温度に維持した。さらに、添加剤としてポリエーテル(BYK Chemie社製、商品名「K−2000」)90部を加え、100℃に維持し、30分後に、ブチルアルコール211部及びイソブタノール1210部を加えた。
この直後、ジエチレントリアミンとメチルイソブチルケトンを加えて混合し、130℃〜150℃で加熱還流を行って生成水を除去した。150℃で生成水の留出が停止した時点で、冷却して得られたケチミン467部とメチルエタノールアミン450部の混合物を反応器に添加し、100℃に温度調節した。さらに30分後に温度を105℃に上げ、かつN,N’−ジメチルアミノプロピルアミン80部を添加した。アミン添加の75分後、プロピレングリコール化合物(BASF社製、商品名「Plastilit 3060」)903部を添加し、プロピレングリコールフェニルエーテル725部で希釈して冷却し、アミノ基含有エポキシ樹脂を作製した。
その後、アミノ基含有エポキシ樹脂87.5部、さらに10%酢酸13部を配合して均一に攪拌した後、さらに強く攪拌しながら脱イオン水193.5部を約15分間で滴下して、カチオン変性エポキシ樹脂エマルジョンAcを得た。
[有機高分子(B)]
(メチロール変性樹脂1;記号Ba)
下記化学式4のカチオン変性フェノール樹脂(化学式4中、n/m;50/50、数平均分子量;5000、含有水酸基量;7.8mmol/g)を有機高分子Baとして用いた。
Figure 0005707582
(メチロール変性樹脂2;記号Bb)
下記化学式5のビスフェノール型カチオン変性フェノール樹脂(化学式5中、n/m;40/60、数平均分子量;3500、含有水酸基量;9.2mmol/g)を有機高分子Bbとして用いた。
Figure 0005707582
(ヒドロキシル基含有天然高分子;記号Bc)
グリセリル化キトサン(数平均分子量:1〜10万、グリセリル化度1.1、含有水酸基量;18.6mmol/g)を用いた。
(ポリビニルアルコール及びその誘導体1;記号Bd)
鹸化度96%、粘度25mPa・S、含有水酸基量21.8mmol/gのポリビニルアルコールを有機高分子Bdとして用いた。
(ポリビニルアルコール及びその誘導体2;記号Be)
鹸化度99%、粘度12mPa・S、アセトアセチル化度9.8%、含有水酸基量17.0mmol/gのアセトアセチル化ポリビニルアルコールを有機高分子Beとして用いた。
(ヒドロキシル基、及び/又はアミド基を有する付加重合性モノマーの重合物1;Bf)
2−ヒドロキシエチルアクリレート(90質量%)とアクリル酸(10質量%)との共重合体(含有水酸基量7.8mmol/g)の水溶液(不揮発分濃度15質量%、粘度70mPa・s)を有機高分子Bfとして用いた。
(ヒドロキシル基、及び/又はアミド基を有する付加重合性モノマーの重合物2;Bg)
アクリルアミド重合体(含有アミド基量;13.9mmol/g)の水溶液(不揮発分濃度22.0質量%、粘度90mPa・s)を有機高分子Bgとして用いた。
(ポリアミド;Bh)
アジピン酸とポリエチレングリコールジアミンとε−カプロラクタムのブロック重合物(分子量:1万、含有アミド結合;6.6mmol/g)を有機高分子Bhとして用いた。
[無機化合物(C)]
用いた無機化合物(C)を以下に示す。
Ca:チタンフッ化水素酸(濃度40.0質量%)
Cb:ジルコニウムフッ化水素酸(濃度40.0質量%)
Cc:シリカゾル(表面電荷カチオン、粒子径10〜20nm、19.0質量%、pH=4.7)
Cd:乳酸チタン(濃度44.0質量%)
Ce:非晶質ジルコニアゾル(不揮発分濃度10.0質量%、粒子径10〜30nm、pH=2.8)
Cf:ケイフッ化水素酸(濃度40.0質量%)
Cg:フッ化クロム(III)(Cr濃度1.0質量%)
Ch:フッ化鉄(III)(Fe濃度2.5質量%)
Ci;酸化セレン(IV)
Cj;酸化セリウムゾル(不揮発分濃度15%、pH=3.5)
Ck;酢酸クロム(III)
[架橋性化合物(D)]
用いた架橋性化合物(D)を以下に示す。
(イソシアネート基を有する化合物;Da)
ポリエーテル系ブロックイソシアネート水溶液(不揮発分濃度30質量%、粘度1200mPa・s、ノニオン性)を架橋性化合物Daとして用いた。
(アルデヒド基を有する化合物;Db)]
不揮発分濃度40質量%のグリオキザール水溶液を架橋性化合物Dbとして用いた。
(グリシジルエーテル基を有する化合物;Dc)
グリセロールポリグリシジルエーテル(3官能、エポキシ当量144、粘度170mPa・S)を架橋性化合物Dcとして用いた。
[水系金属表面処理剤]
カチオン変性エポキシ樹脂Aa〜Ac、有機化合物Ba〜Bh、必要に応じて無機化合物Ca〜Ck及び必要に応じて架橋性化合物Da〜Dcを所定の含有量で組み合わせ、溶剤を水として、表1〜表8に示す実施例1〜118の水系金属表面処理剤と、比較例1〜27の水系金属表面処理剤を準備した。なお、表1〜表8における「濃度」は、水系金属表面処理剤に含まれる各化合物の不揮発分濃度(質量%)を示す。また、「A濃度」、「B濃度」、「C濃度」及び「D濃度」は、それぞれ、水系金属表面処理剤中の全固形分に対するカチオン変性エポキシ樹脂(A)、有機高分子(B)、無機化合物(C)及び架橋性化合物(D)の含有量(質量%)を示す。
[金属材料]
基材(被処理材)として用いた金属材料を以下に示す。
Al:A1100P、厚さ0.3mm
Cu:C1020P、厚さ0.3mm
Ni:純ニッケル板:(純度99質量%以上)、厚さ0.3mm
SUS:SUS304板、厚さ0.3mm
NiめっきCu:電気NiめっきCu板(厚さ0.3mm、Niめっき厚2μm)
これら金属材料から、表1〜表8の「基材」欄に示す金属材料を選択し、実施例1〜118及び比較例1〜32の基材(被処理材)として準備した。
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[供試材の作製]
(表面処理)
表1〜表8に示した実施例1〜118及び比較例1〜27の基材金属をファインクリーナー359E(日本パーカライジング株式会社製のアルカリ脱脂剤)の3%水溶液で65℃、1分間スプレーして脱脂した後、水洗して表面を清浄した。続いて、金属材料の表面の水分を蒸発させるために、80℃で1分間、加熱乾燥した。脱脂洗浄した金属基材の表面に、それぞれ、表1〜表8に示した実施例1〜118及び比較例1〜27の水系金属表面処理剤を#3SUSマイヤーバーを用い、バーコートによって塗布し(塗布工程)、熱風循環式乾燥炉内で180℃、1分間乾燥し(乾燥工程)、表面処理皮膜を有する金属材料を得た。なお、同種の水系金属表面処理剤を用いて表面処理した金属材料をそれぞれ2つずつ準備し、以下に示すように、表面処理皮膜の上にそれぞれ別の方法でラミネート加工を施した。
また、比較例28〜32に記載の金属材料を準備し、水系金属表面処理剤を塗布しないで、上記と同様に脱脂、水洗の後に加熱乾燥し、表面処理皮膜を有しない金属材料を得た。なお、同種の金属材料を2つずつ準備し、以下に示すように、それぞれ別の方法で表面にラミネート加工を施した。
(ラミネート加工)
2つずつ準備した表面処理皮膜を有する金属材料の1つについて、その表面処理皮膜の上に、ヒートラミネーションによるラミネート加工を施した。他の1つの表面処理皮膜の上に、ドライラミネーションによるラミネート加工を施した。表面処理皮膜を有しない金属材料についても、2つのうち1つの片側表面にヒートラミネーションを施し、他の1つの片側表面にドライラミネーションを施した。
ヒートラミネーションによるラミネート加工は、次のように行った。酸変性ポリプロピレンのディスパージョン(三井化学株式会社製、「R120K」、不揮発分濃度20質量%)を#8SUSマイヤーバーを用い、バーコートによって塗布した後、熱風循環式乾燥炉内で200℃、1分間乾燥することで接着剤層を形成した。その後、この接着剤層と、厚さ30μmのポリプロピレンフィルム(東セロ株式会社製、「CPPS」)とを、190℃、2MPaで10分間熱圧着することでヒートラミネーションによるラミネート加工を行い、ポリプロピレンフィルムが積層された金属材料を得た。
ドライラミネーションによるラミネート加工は、次のように行った。ウレタン系ドライラミネート接着剤(東洋モートン株式会社製、「AD−503/CAT10」、不揮発分濃度25質量%)を、#8SUSマイヤーバーを用い、バーコートによって塗布した後、熱風循環式乾燥炉内で80℃、1分間乾燥し、その後、この接着剤層と30μmの未延伸ポリプロピレンフィルム(二村化学工業株式会社製、「FCZX」)のコロナ放電処理面とを100℃、1MPaで圧着後、40℃で4日間養生することで、ドライラミネーションによるラミネート加工を行い、ポリプロピレンフィルムが積層された金属材料を得た。
(成形加工)
ヒートラミネーションによって得たポリプロピレンフィルム積層金属材料と、ドライラミネーションによって得たポリプロピレンフィルム積層金属材料とを、それぞれ絞りしごき加工試験で深絞り加工した。直径160mmに打ち抜いた被覆金属板を絞り加工(1回目)し、直径100mmのカップを作製した。続いて、そのカップを直径75mmに再度絞り加工(2回目)し、さらに直径65mmに絞り加工(3回目)し、供試材である缶を作製した。なお、1回目の絞り加工、2回目の絞り加工、3回目の絞り加工におけるしごき(薄肉化分)率は、それぞれ、5%、15%、15%であった。
[性能評価]
(密着性)
成形加工後の缶について、ポリプロピレンフィルムの剥離の有無(以下、「初期密着性」という。)を評価した。缶が作製でき、フィルムの剥離がなく初期密着性に優れるものを「3点」とし、フィルムの一部が剥離したものを「2点」とし、フィルムが全面剥離したものを「1点」とした。また、「3点」の中で、全く剥離が見られず特に外観が良く、非常に初期密着性に優れるものを「4点」とした。評価試験の結果を表9〜表11に示す。
(耐薬品密着維持性)
耐薬品密着維持性のうち、ここでは、電解液に対する密着維持性(以下、「耐電解液密着維持性」という。)について評価した。詳しくは、次のようにして、成形加工後にさらに電解液に浸漬した後の缶について、ポリプロピレンフィルムの剥離の有無を評価した。
深絞り加工した後の供試材を、密閉容器中に充填されたイオン交換水を1000ppm添加したリチウムイオン2次電池用電解液(電解質;1M−LiPF、溶剤;EC:DMC:DEC=1:1:1(体積%))中に浸漬した後、60℃恒温槽中に7日間投入した。なお、「EC」はエチレンカーボネートのことであり、「DMC」はジメチルカーボネートのことであり、「DEC」はジエチルカーボネートのことである。
その後、供試材を取り出し、イオン交換水中に1分間浸漬、揺動することで洗浄した後、熱風循環式乾燥炉内で、100℃で10分間乾燥した。その後フィルム面をピンセットの先で引っ掻き、全くフィルムの剥離が起こらない物を「6点」とし、剥離するが抵抗が非常に高いものを「5点」とし、剥離するが、抵抗が高いものを「4点」、抵抗はそれ程高くないが実用レベルであるものを「3点」とし、非常に弱い力で剥離するものを「2点」とし、既にフィルムが剥離しているものを「1点」とした。
表9〜表11に示すように、実施例1〜118に記載の水系金属表面処理剤を塗布して形成された表面処理皮膜を有する金属材料は、ヒートラミネーション及びドライラミネーションのいずれにおいても、初期密着性及び耐電解液密着維持性に非常に優れることが確認された。
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1 基材金属
2 表面処理皮膜
3 樹脂フィルム(ラミネートフィルム)又は樹脂塗膜
10 表面処理皮膜を有する金属材料

Claims (3)

  1. 水溶性又は水分散性のカチオン変性エポキシ樹脂(A)と、アミド結合、アミド基及び水酸基から選ばれる1種又は2種以上の構造単位を1mmol/g〜50mmol/g含有する水溶性又は水分散性の有機高分子(B)とを含有し、
    前記カチオン変性エポキシ樹脂(A)の含有量が、全固形分に対して10質量%〜90質量%であり、
    前記有機高分子(B)が、ポリビニルアルコール及びその誘導体、メチロール変性樹脂、ヒドロキシル基含有天然高分子、ヒドロキシル基及びアミド基から選ばれる1種又は2種を有する付加重合性モノマーの単独重合物又は共重合物、ポリアミドのいずれか1又は2以上を含み、当該メチロール変性樹脂が、水溶性又は水分散性のマンニッヒ変性アミノ化フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂のいずれかであることを特徴とする水系金属表面処理剤。
  2. Mg、Al、Ca、Mn、Co、Ni、Cr(III)、Zn、Fe、Zr、Ti、Si、Sr、W、Ce、Mo、V、Sn、Bi、Ta、Te、In、Ba、Hf、Se、Sc、Nb、Cu、Y、Nd及びLaから選ばれる1種又は2種以上の元素を含む無機化合物(C)をさらに含有し、当該無機化合物(C)の含有量が、全固形分に対して1質量%〜80質量%である、請求項1に記載の水系金属表面処理剤。
  3. 請求項1又は2に記載の水系金属表面処理剤を金属材料の表面に塗布して形成された表面処理皮膜を有することを特徴とする金属材料。
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