JP5707085B2 - 太陽電池モジュール用バックシート及び太陽電池モジュール - Google Patents

太陽電池モジュール用バックシート及び太陽電池モジュール Download PDF

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Description

本発明は、太陽電池を構成するユニットである太陽電池モジュール用バックシート及びこれを用いた太陽電池モジュールに関するものである。
近年、地球温暖化等の環境問題に対する意識の高まりから、クリーンエネルギー源としての太陽光発電が注目され、種々の形態からなる太陽電池が開発されている。この太陽電池は、一般的には直列又は並列に配線された複数枚の太陽電池セルをパッケージングし、ユニット化した複数の太陽電池モジュールから構成されている。
上記太陽電池モジュールは、屋外で長期間使用し得る十分な耐久性、耐候性等が要求される。図5に示すように、一般的な太陽電池モジュール61の具体的な構造としては、ガラス等からなる透光性基板62と、エチレン酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂からなる充填剤層63と、光起電力素子としての複数枚の太陽電池セル64と、上記充填剤層63と同様の充填剤層65と、太陽電池モジュール用バックシート66とがこの順に積層され、真空加熱ラミネーション法等により一体成形されている。上記太陽電池モジュール用バックシート66は、耐候性、耐久性、ガスバリア性等が要求されているため、従来、ガスバリア性を発現する無機物層67の表面及び裏面を一対の合成樹脂層68でサンドイッチした積層体が採用されている。
また、太陽電池モジュール用バックシートとして、(a)白色ポリエチレンテレフタレート層の上に球状粒子含有層が配設された太陽電池モジュール用バックシート(特開2009−302361号公報等参照)、(b)透明なバインダーに透明なビーズが分散されたビーズ塗工層と金属蒸着層とを備えた太陽電池モジュール用バックシート(特開2006−319250号公報等参照)などが開発されている。
特開2009−302361号公報 特開2006−319250号公報
上記従来の太陽電池モジュール用バックシート66にあっては、太陽電池セル64同士の間を通過して合成樹脂層68に入射した光が一部反射するものの、反射性があまり高くなく、しかも合成樹脂層68の表面が平面なので入射光がほぼ正反射するため、反射光が太陽電池セル64に再帰しにくいものである。つまり、上記従来の太陽電池モジュール用バックシート66では、入射した太陽光線を効率的に利用できていない。
また、白色ポリエチレンテレフタレート層の上に球状粒子含有層を配設した上記(a)の太陽電池モジュール用バックシートは、太陽光線の反射性を考慮したものではあるが、実際には太陽光線を十分に利用できていない。これは、表面側から球状粒子に入射した光が屈折された後に白色ポリエチレンテレフタレート層に入射されると、このポリエチレンテレフタレート層で反射するものの、この反射した光が球状粒子に再度入射されると、一部の光が球状粒子から表面側に出射できずに反射されて、太陽電池モジュール用バックシートに閉じ込められてしまい、太陽電池セルに再帰できないためと考えられる。よって、この太陽電池モジュール用シートを用いても、太陽電池セルに再帰する割合が低く、入射した太陽光線を十分に利用できていない。
さらに、透明なビーズ塗工層と金属蒸着層とを備えた上記(b)の太陽電池モジュール用バックシートは金属蒸着層を有するため、充填剤層としてエチレン酢酸ビニル共重合体が用いられた太陽電池モジュールに使用される場合、このエチレン酢酸ビニル共重合体から微量に発生するガス等によって金属蒸着層が腐食するおそれがある。
本発明はこれらの不都合に鑑みてなされたものであり、優れた拡散反射性により発電効率が促進され、かつ耐久性に優れ、しかも製造性及び低コスト性に優れた太陽電池モジュール用バックシート、及びこれを用いた太陽電池モジュールの提供を目的とするものである。
上記課題を解決するためになされた本発明の太陽電池モジュール用バックシートは、基材シートとこの基材シートの表面側に積層される反射層とを備え、上記反射層が、白色ビーズとその白色バインダーとを有している。
当該太陽電池モジュール用バックシートにあっては、反射層が白色ビーズと白色バインダーとを有するので、この反射層に入射した光が反射される。特に、反射層が白色ビーズを有するので、表面に凹凸面が形成され、この白色ビーズからなる凹凸面によって光を拡散反射させることができる。このため、当該太陽電池モジュール用バックシートは、従来の透明な球状樹脂を含むものに比べて、太陽電池セルの間を透過した光を太陽電池セルに効果的に再帰させることができるので、太陽電池モジュールの光電変換効率を高め、発電効率を高めることができる。また、当該太陽電池モジュール用バックシートは、反射のための金属蒸着層を必要としないので、例えばエチレン酢酸ビニル共重合体から発生するガス等によって腐食することがなく耐久性に優れており、さらに金属蒸着を必要しないので製造性及び低コスト性に優れている。
当該太陽電池モジュール用バックシートの表面の日射反射率は80.5%以上であることが好ましい。これにより、当該太陽電池モジュール用バックシートに入射した光を的確に反射することができるので、太陽電池モジュールの光電変換効率を高めることができ、発電効率を高めることができる。
また、当該太陽電池モジュール用バックシートの表面の白色度が80%以上であることが好ましい。これにより、当該太陽電池モジュール用バックシートに入射した光を的確に反射することができ、太陽電池モジュールの光電変換効率を高め、発電効率を高めることができる。
また、上記白色バインダーが、二酸化チタンを含む構成を採用することが好ましい。このように二酸化チタンを含むことにより、当該太陽電池モジュール用バックシートの表面の日射反射率を高めることができ、このため太陽電池モジュールの光電変換効率を高め、発電効率を高めることができる。
また、上記白色ビーズが二酸化チタンを含む構成を採用することが好ましい。このように二酸化チタンを含むことにより、当該太陽電池モジュール用バックシートの表面の日射反射率を高めることができ、このため太陽電池モジュールの光電変換効率を高め、発電効率を高めることができる。
上記反射層が、白色バインダーの形成材料であるポリマー組成物に白色ビーズを含有する塗工液の塗工により形成されていることが好ましい。かかるビーズ塗工層は、形成が容易であり、さらに外面に形成される凸部が球面状となり、反射光の拡散性を促進することができる。
ここで、上記白色バインダーの形成材料であるポリマー組成物中の基材ポリマー100質量部に対する白色ビーズの固形分換算の配合量が12質量部以上500質量部以下であることが好ましい。これは、ビーズの配合量が上記範囲未満であると、反射層の表面の凹凸が小さくなり、反射光の拡散性が不十分となってしまい、一方、ビーズの配合量が上記範囲を越えると白色ビーズを固定する効果が低下することからである。
上記反射層の表面の三次元表面粗さにおける算術平均粗さとしては3μm以上14μm以下が好ましく、十点平均粗さとしては10μm以上80μm以下が好ましい。このように反射層の表面の三次元表面粗さにおける算術平均粗さ及び十点平均粗さを上記範囲とすることで、反射光に良好な拡散性を付与でき、発電効率を効果的に高めることができる。
上記反射層の平均厚さを白色ビーズの平均粒子径の80%以上300%以下とするとよい。このように反射層の平均厚さを白色ビーズの平均粒子径との関係で上記範囲に制御することで、内在する白色ビーズによって反射層表面に凹部及び凸部が顕著に形成され、反射光に良好な拡散性を付与でき、発電効率を効果的に高めることができる。
上記基材シートがガスバリア層を備えるとよい。このようにガスバリア層をさらに積層することで、当該太陽電池モジュール用バックシートのガスバリア性をより向上させることができる。
従って、透光性基板と、充填剤層と、光起電力素子としての太陽電池セルと、充填剤層と、当該太陽電池モジュール用バックシートとが表面側からこの順に積層されている太陽電池モジュールは、当該太陽電池モジュール用バックシートの高い拡散反射性によって太陽電池セルへ透過光線が効果的に再帰され、発電効率を促進することができる。また、例えば上記充填剤層にエチレン酢酸ビニル共重合体を用いた場合に、この充填剤層からガスが発生等したとしても、当該太陽電池モジュール用バックートは腐食することがなく、当該太陽電池モジュールは耐久性に優れており、さらに金属蒸着を必要せずに当該太陽電池モジュール用バックシートを製造できるので、当該太陽電池用モジュールは製造性及び低コスト性に優れている。
ここで、「表面」とは太陽電池モジュール及びこれを構成するバックシートの受光側の面を意味する。
「日射反射率」とは、JIS−R3106−1985に記載される反射率であり、分光光度計により測定された各波長の反射率に基づいて次式から求められる数値である。
Figure 0005707085
また、「白色度」とは、JIS−P8148に記載される拡散照明方式によるISO白色度であり、完全拡散反射面(反射率が100%の理想的な完全拡散面)に対する反射量の比率を意味する。
「光学層の平均厚さ」とは、JIS−K−7130に規定される5.1.2のA−2法により測定した値の平均値である。
「算術平均粗さ」及び「十点平均粗さ」とは、JIS−B−0601−1994に準じて測定した、カットオフ値λc2.5mm、評価長さ12.5mmの値である。
「ガスバリア層」とは、水素ガス、酸素ガス等のガスの透過を低減する機能を有する層を意味する。
以上説明したように、本発明の太陽電池モジュール用バックシートは、優れた拡散反射性により発電効率が促進され、かつ耐久性に優れ、しかも製造性及び低コスト性に優れている。また、当該太陽電池モジュール用バックシートを用いた太陽電池モジュールは、発電効率が向上し、かつ耐久性に優れ、しかも製造性及び低コスト性に優れている。
本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュール用バックシートを示す模式的断面図 図1の太陽電池モジュール用バックシートを用いた太陽電池モジュールを示す模式的断面図 図1の太陽電池モジュール用バックシートとは異なる形態に係る太陽電池モジュール用バックシートを示す模式的断面図 太陽電池モジュールの等価回路を表す回路図 従来の一般的な太陽電池モジュールを示す模式的断面図
図1の太陽電池モジュール用バックシート1(以下、バックシートということがある)は、基材シート2と、この基材シート2の表面に積層された反射層とを備えており、この反射層は本実施形態においては白色ビーズ4を含有する塗工液を基材シート2の表面に塗工することにより形成されたビーズ塗工層3から構成されている。
当該バックシート1の表面の日射反射率が80.5%以上であることが好ましく、これにより、当該バックシート1に入射した光を的確に反射することができる。
また、当該バックシート1の表面の白色度が80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは94%以上である。これにより、当該バックシート1に入射した光を的確に反射することができる。
上記基材シート2は、合成樹脂を材料とする合成樹脂フィルムから構成されており、シート成形により形成されている。かかる基材シート2に用いられる合成樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、アセタール系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。上記樹脂の中でも、高い耐熱性、強度、耐候性、耐久性、水蒸気等に対するガスバリア性等を有し、ビーズ塗工層3の塗工条件に耐え、ビーズ塗工層3等との密接着性に優れているポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂及び環状ポリオレフィン系樹脂が好ましい。
上記ポリエステル系樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等が挙げられる。これらのポリエステル系樹脂の中でも、耐熱性、耐候性等の諸機能面及び価格面のバランスが良好なポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
上記フッ素系樹脂としては、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体からなるペルフルオロアルコキシ樹脂(PFA)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロアルキルビニルエーテルとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー(EPE)、テトラフルオロエチレンとエチレン又はプロピレンとのコポリマー(ETFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂(PCTFE)、エチレンとクロロトリフルオロエチレンとのコポリマー(ECTFE)、フッ化ビニリデン系樹脂(PVDF)、フッ化ビニル系樹脂(PVF)等が挙げられる。これらのフッ素系樹脂の中でも、強度、耐熱性、耐候性等に優れるポリフッ化ビニル系樹脂(PVF)やテトラフルオロエチレンとエチレン又はプロピレンとのコポリマー(ETFE)が特に好ましい。
上記環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えばa)シクロペンタジエン(及びその誘導体)、ジシクロペンタジエン(及びその誘導体)、シクロヘキサジエン(及びその誘導体)、ノルボルナジエン(及びその誘導体)等の環状ジエンを重合させてなるポリマー、b)当該環状ジエンとエチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン系モノマーの1種又は2種以上とを共重合させてなるコポリマー等が挙げられる。これらの環状ポリオレフィン系樹脂の中でも、強度、耐熱性、耐候性等に優れるシクロペンタジエン(及びその誘導体)、ジシクロペンタジエン(及びその誘導体)又はノルボルナジエン(及びその誘導体)等の環状ジエンのポリマーが特に好ましい。
なお、基材シート2の形成材料としては、上記合成樹脂を1種又は2種以上混合して使用することができる。また、基材シート2の形成材料中には、加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性等を改良、改質する目的で、種々の添加剤等を混合することができる。この添加剤としては、例えば滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、充填剤、強化繊維、補強剤、帯電防止剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、顔料等が挙げられる。上記基材シート2の成形方法としては、特に限定されず、例えば押出し法、キャスト成形法、Tダイ法、切削法、インフレーション法等の公知の方法が採用される。
基材シート2の厚み(平均厚み)の下限としては、10μmが好ましく、20μmが特に好ましい。一方、基材シート2の厚みの上限としては、250μmが好ましく、188μmが特に好ましい。基材シート2の厚みが上記下限未満であると、ビーズ塗工層3の塗工加工の際にカールが発生しやすくなってしまう、取扱いが困難になる等の不都合が発生する。逆に、基材シート2の厚みが上記上限を超えると、太陽電池モジュール11の薄型化及び軽量化の要請に反することになる。
ビーズ塗工層3は、基材シート2表面に略均一に配設される白色ビーズ4と、その白色バインダー5とを有している。かかる白色ビーズ4は、白色バインダー5で被覆されている。白色ビーズ4は略球状の粒子であり、ビーズ塗工層3中に含有されることで、ビーズ塗工層3の表面に微細な凸部又は凹部が略均一に形成されている。
このビーズ塗工層3(反射層)は、具体的には、上記白色ビーズ4を白色バインダー5の形成材料であるポリマー組成物に溶解又は分散させた塗工液を調整し、この塗工液を基材シート2の表面にディッピング法、フローコート法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法及びエアーナイフコート法等の塗工方法によって塗工して、硬化させて形成することができる。なお、反射層の形成方法は、白色ビーズ4とポリマー組成物との混合物を光硬化、射出成形、Tダイ成形、カレンダー成形、圧縮成形、キャスティング等の方法を用いてフィルム状あるいはシート状に成形し、基材シート2の表面に接着する方法等も採用可能である。ただし、上述のように塗工によってビーズ塗工層3を形成して、反射層を構成することにより、形成が容易で、しかも外面に形成される凸部が球面状となり、反射光の拡散性を促進することができる。
ビーズ塗工層3の表面の三次元表面粗さにおける算術平均粗さ(Ra)の下限は、3μm以上が好ましく、5μmがより好ましく、7μmが特に好ましい。一方、この算術平均粗さ(Ra)の上限は、14μmが好ましく、12μmがより好ましく、10μmが特に好ましい。ビーズ4の平均粒子径、配合量、塗工量等を制御し、ビーズ塗工層3の三次元表面算術平均粗さ(Ra)を上記範囲とすることで、反射光の拡散性が高められる。
同様に、ビーズ塗工層3の表面の三次元表面粗さにおける十点平均粗さ(Rz)の下限は、10μmが好ましく、15μmがより好ましく、50μmが特に好ましい。一方、この十点平均粗さ(Rz)の上限は80μmが好ましく、70μmがより好ましく、60μmが特に好ましい。
ビーズ塗工層3の平均厚さの下限としては、白色ビーズ45の平均粒子径の80%、特に85%、さらに特に90%が好ましい。一方、ビーズ塗工層3の平均厚さの上限としては、白色ビーズ45の平均粒子径の300%、特に290%、さらに特に280%が好ましい。ビーズ塗工層3の厚みをこの程度とすることにより、ビーズ塗工層3表面に微細凹凸が顕著に形成され、光拡散機能を効果的に奏することができる。
白色ビーズ4の平均粒子径の下限としては、1μm、特に2μm、さらに特に5μmが好ましい。一方、白色ビーズ4の平均粒子径の上限としては、50μm、特に20μm、さらに特に15μmが好ましい。白色ビーズ4の平均粒子径が上記範囲未満であると、白色ビーズ4によって形成されるビーズ塗工層3表面の凹凸が小さくなり、反射光の拡散性が低下するおそれがある。逆に、白色ビーズ4の平均粒子径が上記範囲を越えると、バックシート1の厚さが増大するおそれがある。
白色ビーズ4の粒子径分布の変動係数の下限としては30%、特に32%、さらに特に34%が好ましく、この変動係数の上限としては40%、特に38%、さらに特に36%が好ましい。これは、白色ビーズ4の変動係数が上記上限を超えると、ビーズ塗工層3表面の微細な凹凸の形成に寄与しない内部に埋没した白色ビーズ4が増加してしまうことからであり、逆に、白色ビーズ4の変動係数が上記下限より小さいと、反射光の拡散性があまり増加せず、ある程度粒子径にランダム性がある方が光学的機能に寄与し、反射光の拡散性の品質が高くなることからである。
なお、上記白色ビーズ4の平均粒子径及び粒子径分布の変動係数は、コールターカウンター法によって測定した値である。このコールターカウンター法とは、溶液中に分散している粒子の数及び大きさを、電気的に測定する方法であって、粒子を電解液中に分散させ、吸引力を使って電気が流れている細孔に粒子を通過させる際に、粒子の体積分だけ電解液が置換され、抵抗が増加し、粒子の体積に比例した電圧パルスを測定する方法である。従って、この電圧パルスの高さと数とを電気的に測定することによって粒子数と個々の粒子体積を測定し、その測定結果から粒子径及び粒子径分布を求め、白色ビーズ4の平均粒子径及び変動係数が求められる。
白色ビーズ4の配合量(白色バインダー5の形成材料であるポリマー組成物中の基材ポリマー100質量部に対する白色ビーズ4の固形分換算の配合量)は、12質量部以上であることが好ましく、より好ましくは82質量部以上であり、また500質量部以下が好ましく、より好ましくは300質量部以下、さらに好ましくは200質量部以下である。これは、白色ビーズ4の配合量が上記範囲未満であると、白色ビーズ塗工層3表面の凹凸が小さくなり、反射光の拡散性が不十分となってしまい、一方、白色ビーズ4の配合量が上記範囲を越えると白色ビーズ4を固定する効果が低下することからである。
白色ビーズ4は、白色顔料を含有する合成樹脂から構成することができる。この合成樹脂としては、例えばアクリル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド等が挙げられる。
上記合成樹脂に含有される白色顔料としては、本実施形態においては酸化チタン(チタン白)を用いている。この白色顔料の材料は特に限定されるものではなく、例えば、酸化亜鉛(亜鉛華)、炭酸鉛(鉛白)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム(白亜)などを用いることも可能である。ただし、白色度及び日射反射率を高める観点から、酸化チタンを用いることが好ましい。
この白色顔料の平均粒子径は、100nm以上30μm以下が好ましく、200nm以上20μm以下が特に好ましい。これは、白色顔料の平均粒子径が上記範囲未満であると、当該バックシート1の白色度及び日射反射率が低くなり過ぎるおそれがあり、逆に、白色顔料の平均粒子径が上記範囲を超えると、白色ビーズ4の粒子径のコントロールが困難になるためである。
この白色顔料の含有量(白色ビーズ4全体における濃度)は、15質量%以上であることが好ましく、より好ましくは20質量%以上であり、また30質量%以下が好ましく、より好ましくは25質量%以下である。これは、白色顔料の含有量が上記範囲未満であると、白色度及び日射反射率が低くなり過ぎるおそれがあり、一方、白色顔料の含有量が上記範囲を越えると白色ビーズ4の強度に欠けてしまい、取り扱いが困難になるおそれがあるからである。
白色バインダー5は、白色顔料が配合された基材ポリマーを含むポリマー組成物を硬化させることで形成される。この白色バインダー5によって基材フィルム2表面にビーズ4が略等密度に配置固定される。なお、この白色バインダー5を形成するためのポリマー組成物中には、基材ポリマーの他に例えば微小無機充填剤、硬化剤、可塑剤、分散剤、各種レベリング剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、粘性改質剤、潤滑剤、光安定化剤等が適宜配合されてもよい。
上記基材ポリマーとしては、特に限定されるものではなく、例えばアクリル系樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリアミドイミド、エポキシ樹脂、紫外線硬化型樹脂等が挙げられ、これらのポリマーを1種又は2種以上混合して使用することができる。特に、上記基材ポリマーとしては、加工性等が優れるポリオールが好ましい。
上記ポリオールとしては、例えば水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得られるポリオールや、水酸基過剰の条件で得られるポリエステルポリオールなどが挙げられ、これらを単体で又は2種以上混合して使用することができる。
水酸基含有不飽和単量体としては、(a)例えばアクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アリルアルコール、ホモアリルアルコール、ケイヒアルコール、クロトニルアルコール等の水酸基含有不飽和単量体、(b)例えばエチレングリコール、エチレンオキサイド、プロピレングリコール、プロピレンオキサイド、ブチレングリコール、ブチレンオキサイド、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、フェニルグリシジルエーテル、グリシジルデカノエート、プラクセル14FM−1(ダイセル14化学工業株式会社製)等の2価アルコール又はエポキシ化合物と、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸との反応で得られる水酸基含有不飽和単量体などが挙げられる。これらの水酸基含有不飽和単量体から選択される1種又は2種以上を重合してポリオールを製造することができる。
また上記ポリオールは、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、アクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、メタクリル酸エチルヘキシル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸シクロヘキシル、スチレン、ビニルトルエン、1−メチルスチレン、アクリル酸、メタクリル酸、アクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、酢酸アリル、アジピン酸ジアリル、イタコン酸ジアリル、マレイン酸ジエチル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エチレン、プロピレン、イソプレン等から選択される1種又は2種以上のエチレン性不飽和単量体と、上記(a)及び(b)から選択される水酸基含有不飽和単量体とを重合することで製造することもできる。
水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得られるポリオールの数平均分子量は1000以上500000以下であり、好ましくは5000以上100000以下である。また、その水酸基価は5以上300以下、好ましくは10以上200以下、さらに好ましくは20以上150以下である。
水酸基過剰の条件で得られるポリエステルポリオールは、(c)例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、デカメチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、シクロヘキサンジオール、水添ビスフェノールA、ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ハイドロキノンビス(ヒドロキシエチルエーテル)、トリス(ヒドロキシエチル)イソシヌレート、キシリレングリコール等の多価アルコールと、(d)例えばマレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、トリメット酸、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸等の多塩基酸とを、プロパンジオール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコール中の水酸基数が前記多塩基酸のカルボキシル基数よりも多い条件で反応させて製造することができる。
かかる水酸基過剰の条件で得られるポリエステルポリオールの数平均分子量は500以上300000以下であり、好ましくは2000以上100000以下である。また、その水酸基価は5以上300以下、好ましくは10以上200以下、さらに好ましくは20以上150以下である。
当該ポリマー組成物の基材ポリマーとして用いられるポリオールとしては、上記ポリエステルポリオール、及び、上記水酸基含有不飽和単量体を含む単量体成分を重合して得られ、かつ、(メタ)アクリル単位等を有するアクリルポリオールが好ましい。かかるポリエステルポリオール又はアクリルポリオールを基材ポリマーとする白色バインダー5は耐候性が高い。なお、このポリエステルポリオールとアクリルポリオールのいずれか一方を使用してもよく、両方を使用してもよい。
なお、上記ポリエステルポリオール及びアクリルポリオール中の水酸基の個数は、1分子当たり2個以上であれば特に限定されないが、固形分中の水酸基価が10以下であると架橋点数が減少し、耐溶剤性、耐水性、耐熱性、表面硬度等の被膜物性が低下する傾向がある。
白色バインダー5に含有される白色顔料としては、本実施形態においては酸化チタン(チタン白)を用いている。この白色顔料の材料は特に限定されるものではなく、例えば、酸化亜鉛(亜鉛華)、炭酸鉛(鉛白)、硫酸バリウム、炭酸カルシウム(白亜)などを用いることも可能である。ただし、白色度及び日射反射率を高める観点から、酸化チタンを用いることが好ましい。
この白色顔料の平均粒子径は、100nm以上30μm以下が好ましく、200nm以上20μm以下が特に好ましい。これは、白色顔料の平均粒子径が上記範囲未満であると、当該バックシート1の白色度及び日射反射率に欠けるおそれがあり、逆に、白色顔料の平均粒子径が上記範囲を超えると、当該ビーズ塗工層3の反射性が不均一になるおそれがあることからである。
この白色顔料の配合量(白色バインダー5の形成材料であるポリマー組成物中の基材ポリマー100質量部に対する白色顔料の固形分換算の配合量)は、100質量部以上であることが好ましく、より好ましくは130質量部以上であり、また200質量部以下が好ましく、より好ましくは150質量部以下である。これは、白色顔料の配合量が上記範囲未満であると、白色度及び日射反射率が低くなるおそれがあり、一方、白色顔料の含有量が上記範囲を越えると白色ビーズ4を固定する効果が低下することからである。
バインダー5を形成するポリマー組成物中に微小無機充填剤を含有するとよい。このバインダー5中に微小無機充填剤を含有することで、ビーズ塗工層3ひいてはバックシート1の耐熱性が向上する。この微小無機充填剤を構成する無機物としては、特に限定されるものではなく、無機酸化物が好ましい。この無機酸化物は、金属元素が主に酸素原子との結合を介して3次元のネットワークを構成した種々の含酸素金属化合物と定義される。また無機酸化物を構成する金属元素としては、例えば元素周期律表第2族〜第6族から選ばれる元素が好ましく、元素周期律表第3族〜第5族から選ばれる元素がさらに好ましい。特に、Si、Al、Ti及びZrから選択される元素が好ましく、金属元素がSiであるコロイダルシリカが、耐熱性向上効果及び均一分散性の面で微小無機充填剤として最も好ましい。また、微小無機充填剤の形状は、球状、針状、板状、鱗片状、破砕状等の任意の粒子形状でよく、特に限定されない。
微小無機充填剤の平均粒子径の下限としては、5nmが好ましく、10nmが特に好ましい。一方、微小無機充填剤の平均粒子径の上限としては50nmが好ましく、25nmが特に好ましい。これは、微小無機充填剤の平均粒子径が上記範囲未満では、微小無機充填剤の表面エネルギーが高くなり、凝集等が起こりやすくなるためである。
微小無機充填剤の基材ポリマー100質量部に対する配合量(無機物成分のみの配合量)の下限としては固形分換算で5質量部が好ましく、50質量部が特に好ましい。一方、微小無機充填剤の上記配合量の上限としては500質量部が好ましく、200質量部がより好ましく、100質量部が特に好ましい。これは、微小無機充填剤の配合量が上記範囲未満であると、ビーズ塗工層3の耐熱性を十分に発現することができなくなってしまうおそれがあり、逆に、配合量が上記範囲を越えると、ポリマー組成物中への配合が困難になるおそれがあることからである。
上記微小無機充填剤としては、その表面に有機ポリマーが固定されたものを用いるとよい。このように有機ポリマー固定微小無機充填剤を用いることで、バインダー5中での分散性やバインダー5との親和性の向上が図られる。この有機ポリマーについては、その分子量、形状、組成、官能基の有無等に関して特に限定はなく、任意の有機ポリマーを使用することができる。また有機ポリマーの形状については、直鎖状、分枝状、架橋構造等の任意の形状のものを使用することができる。
上記有機ポリマーを構成する具体的な樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル樹脂、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルおよびこれらの共重合体やアミノ基、エポキシ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等の官能基で一部変性した樹脂等が挙げられる。中でも、(メタ)アクリル系樹脂、(メタ)アクリル−スチレン系樹脂、(メタ)アクリル−ポリエステル系樹脂等の(メタ)アクリル単位を含む有機ポリマーを必須成分とするものが被膜形成能を有し好適である。他方、上記ポリマー組成物の基材ポリマーと相溶性を有する樹脂が好ましく、従ってポリマー組成物に含まれる基材ポリマーと同じ組成であるものが最も好ましい。
なお、微小無機充填剤は、微粒子内に有機ポリマーを包含していてもよい。このことにより、微小無機充填剤のコアである無機物に適度な軟度および靱性を付与することができる。
上記有機ポリマーにはアルコキシ基を含有するものを用いるとよく、その含有量としては有機ポリマーを固定した微小無機充填剤1g当たり0.01mmol以上50mmol以下が好ましい。かかるアルコキシ基により、バインダー5を構成するマトリックス樹脂との親和性や、バインダー5中での分散性を向上させることができる。
上記アルコキシ基は、微粒子骨格を形成する金属元素に結合したRO基を示す。このRは置換されていてもよいアルキル基であり、微粒子中のRO基は同一であっても異なっていてもよい。Rの具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル等が挙げられる。微小無機充填剤を構成する金属と同一の金属アルコキシ基を用いるのが好ましく、微小無機充填剤がコロイダルシリカである場合には、シリコンを金属とするアルコキシ基を用いるのが好ましい。
有機ポリマーを固定した微小無機充填剤中の有機ポリマーの含有率については、特に制限されるものではないが、微小無機充填剤を基準にして0.5質量%以上50質量%以下が好ましい。
微小無機充填剤に固定する上記有機ポリマーとして水酸基を有するものを用い、バインダー5を構成するポリマー組成物中に水酸基と反応するような官能基を2個以上有する多官能イソシアネート化合物、メラミン化合物およびアミノプラスト樹脂から選ばれる少なくとも1種のものを含有するとよい。これにより、微小無機充填剤とバインダー5のマトリックス樹脂とが架橋構造で結合され、保存安定性、耐汚染性、可撓性、耐候性、保存安定性等が良好になり、さらに得られる被膜が光沢を有するものとなる。
上記多官能イソシアネート化合物としては、脂肪族、脂環族、芳香族及びその他の多官能イソシアネート化合物やこれらの変性化合物を挙げることができる。この多官能イソシアネート化合物の具体例としては、例えばトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキシルメタンジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体、イソシアヌレート体等の3量体等;これらの多官能イソシアネート類とプロパンジオール、ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、トリメチロールプロパン等の多価アルコールとの反応により生成される2個以上のイソシアネート基が残存する化合物;これらの多官能イソシアネート化合物をエタノール、ヘキサノール等のアルコール類、フェノール、クレゾール等のフェノール性水酸基を有する化合物、アセトオキシム、メチルエチルケトキシム等のオキシム類、ε−カプロラクタム、γ−カプロラクタム等のラクタム類等のブロック剤で封鎖したブロックド多官能イソシアネート化合物などを挙げることができる。なお、上記多官能イソシアネート化合物は1種又は2種以上混合して使用することができる。中でも、芳香環に直接結合したイソシアネート基を有しない無黄変性多官能イソシアネート化合物が好ましい。
上記メラミン化合物としては、例えばジメチロールメラミン、トリメチロールメラミン、テトラメチロールメラミン、ペンタメチロールメラミン、ヘキサメチロールメラミン、イソブチルエーテル型メラミン、n−ブチルエーテル型メラミン、ブチル化ベンゾグアナミン等を挙げることができる。
上記アミノプラスト樹脂としては、例えばアルキルエーテル化メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等が挙げられ、これらのアミノプラスト樹脂の単体又は2種以上の混合物もしくは共縮合物を使用できる。このアルキルエーテル化メラミン樹脂とは、アミノトリアジンをメチロール化し、シクロヘキサノールまたは炭素数1〜6のアルカノールでアルキルエーテル化して得られるものであり、ブチルエーテル化メラミン樹脂、メチルエーテル化メラミン樹脂、メチルブチル混合メラミン樹脂が代表的なものである。また硬化を促進させるためのスルホン酸系触媒、例えばパラトルエンスルホン酸及びそのアミン塩等を使用することができる。
上記基材ポリマーとしてはシクロアルキル基を有するポリオールが好ましい。このように、バインダー5を構成する基材ポリマーとしてのポリオール中にシクロアルキル基を導入することで、バインダー5の撥水性、耐水性等の疎水性が高くなり、高温高湿条件下でのビーズ塗工層3ひいては当該バックシート1の耐撓み性、寸法安定性等が改善される。また、ビーズ塗工層3の耐候性、硬度、肉持感、耐溶剤性等の塗膜基本性能が向上する。さらに、表面に有機ポリマーが固定された微小無機充填剤との親和性及び微小無機充填剤の均一分散性がさらに良好になる。
上記シクロアルキル基としては特に限定されず、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、シクロウンデシル基、シクロドデシル基、シクロトリデシル基、シクロテトラデシル基、シクロペンタデシル基、シクロヘキサデシル基、シクロヘプタデシル基、シクロオクタデシル基等が挙げられる。
上記シクロアルキル基を有するポリオールは、シクロアルキル基を有する重合性不飽和単量体を共重合することで得られる。このシクロアルキル基を有する重合性不飽和単量体とは、シクロアルキル基を分子内に少なくとも1つ有する重合性不飽和単量体である。この重合性不飽和単量体としては特に限定されず、例えば、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、tert−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、ポリマー組成物中には硬化剤としてイソシアネートを含有するとよい。このようにポリマー組成物中にイソシアネート硬化剤を含有することで、より一層強固な架橋構造となり、ビーズ塗工層3の被膜物性がさらに向上する。このイソシアネートとしては上記多官能イソシアネート化合物と同様の物質が用いられる。中でも、被膜の黄変色を防止する脂肪族系イソシアネートが好ましい。
特に、基材ポリマーとしてポリオールを用いる場合、ポリマー組成物中に配合する硬化剤としてヘキサメチレンジイソシアネート、イソフロンジイソシアネート及びキシレンジイソシアネートのいずれか1種もしくは2種以上混合して用いるとよい。これらの硬化剤を用いると、ポリマー組成物の硬化反応速度が大きくなるため、帯電防止剤として微小無機充填剤の分散安定性に寄与するカチオン系のものを使用しても、カチオン系帯電防止剤による硬化反応速度の低下を十分補うことができる。また、かかるポリマー組成物の硬化反応速度の向上はバインダー5中への微小無機充填剤の均一分散性に寄与する。その結果、ビーズ塗工層3の熱、紫外線等による撓み等を格段に抑制することができる。
図2の太陽電池モジュール11は、透光性基板12と、充填剤層13と、複数枚の太陽電池セル14と、充填剤層15と、当該太陽電池モジュール用バックシート1とが表面側からこの順に積層されている。
上記透光性基板12は、最表面に積層されるものであり、(a)太陽光に対する透過性及び電気絶縁性を有すること、(b)機械的、化学的及び物理的強度、具体的には耐候性、耐熱性、耐久性、耐水性、水蒸気等に対するガスバリア性、耐風圧性、耐薬品性、堅牢性に優れること、(c)表面硬度が高く、かつ表面の汚れ、ゴミ等の蓄積を防止する防汚性に優れることが要求される。
透光性基板12の形成材料としては、ガラス及び合成樹脂が使用される。透光性基板12に使用される合成樹脂としては、例えばポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリルル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、各種のナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリアリールフタレート系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリフェニレンスルフィド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、アセタール系樹脂、ポリエーテルスルホン系樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂の中でも、フッ素系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂又はポリエステル系樹脂が特に好ましい。
なお、合成樹脂製の透光性基板12の場合、(a)ガスバリア性等を向上させる目的で上記PVD法又はCVD法によりその一方の面に酸化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化物の透明蒸着膜を積層すること、(b)加工性、耐熱性、耐候性、機械的性質、寸法安定性等を改良、改質する目的で、例えば滑剤、架橋剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、光安定剤、充填剤、強化繊維、補強剤、難燃剤、耐炎剤、発泡剤、防カビ剤、顔料等の各種添加剤を含有することも可能である。
透光性基板12の厚さ(平均厚さ)としては、特に限定されず、使用する材料に応じて所要の強度、ガスバリア性等を具備するよう適宜選択される。合成樹脂製の透光性基板12の厚さとしては6μm以上300μm以下が好ましく、9μm以上150μm以下が特に好ましい。また、ガラス製の透光性基板12の厚さとしては、一般的には3mm程度とされている。
上記充填剤層13及び充填剤層15は、透光性基板12及び太陽電池モジュール用バックシート1間における太陽電池セル14の周囲に充填されており、透光性基板12及び太陽電池モジュール用バックシート1との接着性や、太陽電池セル14を保護するための耐スクラッチ性、衝撃吸収性等を有している。さらに、充填剤層13及び充填剤層15は、上記諸機能に加え、太陽光を透過する透明性を有している。
充填剤層13及び充填剤層15の形成材料としては、例えばフッ素系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン−アクリル酸又はメタクリル酸共重合体、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂をアクリル酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレンフィン系樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、シリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂等が挙げられる。これらの合成樹脂の中でも、耐候性、耐熱性、ガスバリア性等に優れるフッ素系樹脂、シリコーン系樹脂又はエチレン−酢酸ビニル系樹脂が好ましい。
また、充填剤層13及び充填剤層15の形成材料としては、特開2000−34376公報に示される熱可逆架橋性オレフィン系重合体組成物、具体的には(a)不飽和カルボン酸無水物と不飽和カルボン酸エステルとによって変性された変性オレフィン系重合体であって、1分子当たりのカルボン酸無水物基の平均結合数が1個以上で、かつ該変性オレフィン系重合体中のカルボン酸無水物基数に対するカルボン酸エステル基数の比が0.5〜20である変性オレフィン系重合体と、(b)1分子当たりの水酸基の平均結合数が1個以上の水酸基含有重合体とを含み、(a)成分のカルボン酸無水物基数に対する(b)成分の水酸基数の比が0.1〜5のものなども使用される。
なお、充填剤層13及び充填剤層15の形成材料には、耐候性、耐熱性、ガスバリア性等の向上を目的として例えば架橋剤、熱酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、光酸化防止剤等の各種添加剤を適宜含有することができる。また充填剤層13及び充填剤層15の厚さ(平均厚さ)としては、特に限定されるものではないが、200μm以上1000μm以下が好ましく、350μm以上600μm以下が特に好ましい。
上記太陽電池セル14は、光エネルギーを電気エネルギーに変換する光起電力素子であり、充填剤層13及び充填剤層15間に配設されている。複数枚の太陽電池セル14は、略同一平面内で且つ互いに若干離間して敷設され、図示していないが直列又は並列に配線されている。この太陽電池セル14としては、例えば単結晶シリコン型太陽電池素子、多結晶シリコン型太陽電池素子等の結晶シリコン太陽電子素子、シングル接合型やタンデム構造型等からなるアモルファスシリコン太陽電池素子、ガリウムヒ素(GaAs)やインジウム燐(InP)等の第3〜第5族化合物半導体太陽電子素子、カドミウムテルル(CdTe)や銅インジウムセレナイド(CuInSe)等の第2〜第6族化合物半導体太陽電子素子等を使用することができ、それらのハイブリット素子も使用することができる。なお、複数枚の太陽電池セル14の間にも充填剤層13又は充填剤層15が隙間なく充填されている。
当該太陽電池モジュール11の製造方法としては、特に限定されるもではないが、一般的には(1)透光性基板12、充填剤層13、複数枚の太陽電池セル14、充填剤層15及び太陽電池モジュール用バックシート1をこの順に積層する工程と、(2)それらを真空吸引により一体化して加熱圧着する真空加熱ラミネーション法等により一体成形するラミネート工程とを有している。上記太陽電池モジュール11の製造方法において、各層間の接着性等を目的として(a)加熱溶融型接着剤、溶剤型接着剤、光硬化型接着剤等を塗工すること、(b)各積層対向面にコロナ放電処理、オゾン処理、低温プラズマ処理、グロー放電処理、酸化処理、プライマーコート処理、アンダーコート処理、アンカーコート処理等を施すことなどが可能である。
上記構成からなる当該太陽電池モジュール11は、太陽電池セル14同士の間を通過してバックシート1に入射した光が、白色ビーズ4と白色バインダー5とを有するビーズ塗工層3によって拡散反射する。そして、この反射した光が再度太陽電池セル14の間を通過し、透光性基板12に入射した光が、この透光性基板12の裏面で反射することによって、太陽電池セル14に入射される。このため、当該バックシート1は、太陽電池セル14の間を透過した光を太陽電池セル14に効果的に再帰させることができるので、太陽電池モジュール11の光電変換効率を高め、発電効率を高めることができる。また、当該バックシート1は、反射のための金属蒸着層を必要としないので、例えば充填剤層13をエチレン酢酸ビニル共重合体から構成したとしても充電材層13から発生するガス等によって腐食することがなく耐久性に優れており、さらに金属蒸着を必要しないので製造性及び低コスト性に優れている。
これにより、当該太陽電池モジュール11は、屋根据え置き型の太陽電池や、腕時計や電卓等の小型電気機器用の太陽電池などに好適に使用することができる。
なお、本発明の太陽電池モジュール用バックシート1及び太陽電池モジュール11は上記実施形態に限定されるものではない。具体的には、例えば図3に示すように、基材シート2がガスバリア層を有する構成を採用することも可能である。この図3に示す基材シート2は、一対の基材フィルム8と、この一対の基材フィルム8の間に積層されたガスバリア層9とを備えている。このガスバリア層9は、ガスバリア性を有すれば特に限定されるものではなく、例えば金属箔、蒸着層等が用いられる。この蒸着層を構成する材料としては、アルミニウム等の金属、酸化アルミニウム,酸化ケイ素,酸化チタン等の無機化合物が用いられる。このようにガスバリア層9を設けることにより、ガスバリア性を向上させることができる。
また、白色ビーズ4として無機材料を採用することも可能である。この無機材料としては、例えば酸化チタン、シリカ、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、硫化バリウム、マグネシウムシリケート、又はこれらの混合物が挙げられる。
さらに、基材シート2又はビーズ塗工層3(白色ビーズ4又は/及び白色バインダー5)中に紫外線吸収剤を含有することも可能である。このように紫外線吸収剤を含有することで、当該太陽電池モジュール用バックシート1の耐候性及び耐久性を向上することができる。この紫外線吸収剤としては、紫外線を吸収し、効率よく熱エネルギーに変換できるもので、かつ、光に対して安定な化合物であれば特に限定されるものではなく公知のものを使用することができる。中でも、紫外線吸収機能が高く、上記基材ポリマーとの相溶性が良好で、基材ポリマー中に安定して存在するサリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤及びシアノアクリレート系紫外線吸収剤が好ましく、これらの群より選択される1種又は2種以上のものを用いるとよい。また、紫外線吸収剤としては、分子鎖に紫外線吸収基を有するポリマー(例えば、(株)日本触媒の「ユーダブルUV」シリーズなど)も好適に使用される。かかる分子鎖に紫外線吸収基を有するポリマーを用いることで、基材フィルム2等を構成するポリマーとの相溶性が高く、紫外線吸収剤のブリードアウト等による紫外線吸収機能の劣化を防止することができる。
上記紫外線吸収剤の含有量(紫外線吸収剤が含有される基材シート2又はビーズ塗工層3(白色ビーズ4又は/及び白色バインダー5)全体に対する紫外線吸収剤の含有量)の下限としては0.1質量%、特に1質量%、さらに特に3質量%が好ましく、紫外線吸収剤の含有量の上限としては10質量%、特に8質量%、さらに特に5質量%が好ましい。紫外線吸収剤の配合量が上記下限より小さいと、当該太陽電池モジュール用バックシート1の紫外線吸収機能を効果的に奏することができないおそれがあり、逆に、紫外線吸収剤の含有量が上記上限を超えると、マトリックスポリマーに悪影響を及ぼし、基材シート2等の強度、耐久性等の低下をもたらすおそれがある。
また、基材シート2又はビーズ塗工層3(白色ビーズ4又は/及び白色バインダー5)中に紫外線安定剤又は分子鎖に紫外線安定基が結合したポリマーを含有することも可能である。この紫外線安定剤又は紫外線安定基により、紫外線で発生するラジカル、活性酸素等が不活性化され、太陽電池モジュール用バックシート1の紫外線安定性、耐候性等を向上させることができる。この紫外線安定剤又は紫外線安定基としては、紫外線に対する安定性が高いヒンダードアミン系紫外線安定剤又はヒンダードアミン系紫外線安定基が好適に用いられる。
さらに、基材シート2又はビーズ塗工層3(白色ビーズ4又は/及び白色バインダー5)中に帯電防止剤を含有するとよい。このように帯電防止剤を含有することで、当該バックシート1に帯電防止効果が発現され、その結果ゴミを吸い寄せたり、太陽電池セル14等との重ね合わせが困難になる等の静電気の帯電により発生する不都合を防止することができる。また、帯電防止剤を表面にコーティングすると表面のベタツキや汚濁が生じてしまうが、このように基材シート2等の中に含有することでかかる弊害は低減される。この帯電防止剤としては、特に限定されるものではなく、例えばアルキル硫酸塩、アルキルリン酸塩等のアニオン系帯電防止剤、第四アンモニウム塩、イミダゾリン化合物等のカチオン系帯電防止剤、ポリエチレングリコール系、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアリン酸エステル、エタノールアミド類等のノニオン系帯電防止剤、ポリアクリル酸等の高分子系帯電防止剤などが用いられる。中でも、帯電防止効果が比較的大きいカチオン系帯電防止剤が好ましく、少量の添加で帯電防止効果が奏される。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
白色ビーズとして、商品名ラブコロール010(X)ホワイト(大日精化工業株式会社製)を用い、白色バインダーのポリマー組成物として、商品名UP−NT(F)白(大日精化工業株式会社製)を用いた。この白色バインダーのポリマー組成物に白色ビーズを含有させて塗工液を形成した。このポリマー組成物中の基材ポリマー100質量部に対する白色ビーズの固形分換算の配合量は100質量部とした。この塗工液をポリエチレンテレフタレートからなる基材シートに塗工して乾燥させてビーズ塗工層を形成した。このビーズ塗工層の表面の数か所において三次元表面粗さにおける算術平均粗さ(Ra)及び十点平均粗さ(Rz)を測定した。この測定の結果、算術平均粗さ(Ra)は5.7〜7.2μmの範囲にあり平均が6.5μmであり、十点平均粗さ(Rz)は18.2〜26.6μmの範囲にあり平均が22.4μmであった。
[実施例2〜6]
実施例1において上記白色ビーズの固形分換算の配合量を200質量部、82質量部、63質量部、38質量部及び12質量部とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2、3、4、5及び6のバックシートを得た。
[比較例1]
特許文献1のように、透明樹脂からなる球状粒子を含む球状粒子含有透明層と、白色ポリエチレンテレフタレート層と、シリコン酸化物蒸着層とが表面側からこの順に積層されたバックシートを作成した。上記球状粒子含有透明層は、アクリルビーズ(球状粒子)をセルロースを含むポリマー組成物に分散させて、白色ポリエチレンテレフタレート層に塗布し乾燥して形成した。
[比較例2]
特許文献2のように、基材シート、ビーズ塗工層、金属蒸着層、接着層及び基材シートが表面側からこの順に積層されたバックシートを作成した。基材シートとしてはポリエチレンテレフタレートからなる透明な樹脂シートを用い、アクリルビーズをアクリルポリオールからなるポリマー組成物に分散させて、基材シートに塗布し乾燥してビーズ塗工層を形成した。金属蒸着層は、ビーズ塗工層にアルミニウムを金属蒸着することにより形成した。
[比較例3]
実施例1において上記白色ビーズに代えて透明なアクリルビーズを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例3のバックシートを得た。
[比較例4]
実施例1において上記白色バインダーに代えて透明なアクリル樹脂製のバインダーを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例4のバックシートを得た。
[比較例5]
実施例1において上記白色ビーズ及び白色バインダーに代えて比較例3のビーズ及び比較例4のバインダーを用いた以外は、実施例1と同様にして、比較例5のバックシートを得た。
[比較例6]
実施例1において上記白色ビーズを含有させない白色バインダーとした以外は、実施例1と同様にして、比較例6のバックシートを得た。
[比較例7]
白色のポリエチレンテレフタレートからなるシートから、比較例7のバックシートを構成した。
<評価1>
上記製造したバックシートについて、実施例1と比較例1及び2との日射反射率の評価を行った。この評価結果を下記表1に示す。また、このバックシートを用いた太陽電池モジュールについて、短絡電流、開放電圧、曲線因子及び光電変換効率の評価を行った。この評価結果を下記表2に示す。
なお、上記日射反射率は、JIS−R3106−1985に記載される反射率である。また、短絡電流は、太陽電池モジュールに光を照射している状態で正極及び負極を短絡した際に流れる電流である。開放電圧は、太陽電池モジュールに光を照射している際に正極及び負極を絶縁した際の両極の電位差である。曲線因子は、上記短絡電流、上記開放電圧及び最大出力電力により次式で求められる数値であり、理想的には1となる。なお、最大出力電力とは太陽電池モジュールに光を照射している際に最大の出力電力が得られる点での電力である。
Figure 0005707085
ここで、FFは曲線因子であり、Pmaxは最大出力電力であり、Iscは短絡電流であり、Vocは開放電圧である。
Figure 0005707085
Figure 0005707085
<考察1>
上記表1に示すとおり、実施例1のバックシートは、比較例1及び2のバックシートと比較して、日射反射率が高いものであった。また、表2に示す通り、実施例1のバックシートは、比較例1及び2のバックシートと比較して、曲線因子が1に近く、さらに光電変換効率が高いものであった。
<評価2>
上記製造したバックシートについて、実施例1と比較例3〜5との日射反射率の評価を行った。この評価結果を下記表3に示す。
Figure 0005707085
<考察2>
上記表3に示すとおり、実施例1のバックシートは、比較例3〜5のバックシートと比較して、日射反射率が高いものであった。
<評価3>
上記製造したバックシートを用いた太陽電池モジュールについて、実施例1〜6と比較例6及び7との光電変換効率の評価を行った。この評価結果を下記表4に示す。
Figure 0005707085
<考察3>
上記表4に示すとおり、実施例1〜6のバックシートは、比較例6及び7のバックシートと比較して、光電変換効率が高いものであった。特に、白色ビーズの固形分換算の配合量が82質量部以上である実施例1〜3のバックシートでは、より高い光電変換効率が得られた。
<評価4>
上記製造したバックシートを用いた太陽電池モジュールについて、実施例1と比較例7とを比較するために、以下のような実験を行い、以下の評価項目の評価を行った。
太陽電池モジュールの表面を一部開口した状態でマスクして、これに960mWの光を照射して各評価項目を測定した。この評価結果を下記表5に示す。ここで、マスクの一部の開口は、太陽電池セル(一辺31mmの正方形状)の領域に合致させた一辺31mmの正方形状、太陽電池セルの領域を全て含む一辺36mmの正方形状、及び太陽電池セルの領域を全て含む一辺41mmの正方形状とした。評価項目として、短絡電流、開放電圧、最大出力電力、最大出力電圧、最大出力電流、曲線因子、直列抵抗、並列抵抗、光電変換効率及び光電変換効率上昇率とした。
なお、短絡電流、開放電圧、最大出力電力、曲線因子及び光電変換効率は上述と同様である。また、最大出力電圧及び最大出力電流は、最大出力電力時の電圧及び電流である。直列抵抗及び並列抵抗は、図4に示す太陽電池等価回路における直列抵抗Rs及び並列抵抗Rshを意味する。光電変換効率上昇率は、上述した正方形の開口の1辺が31mmの場合の光電変換効率に対して、上記開口の1辺が36mmの場合及び41mmの場合のそれぞれの光電変換効率の割合を意味する。
Figure 0005707085
<考察4>
上記表5に示すとおり、実施例1のバックシートは、比較例7のバックシートと比較して、光電変換効率が高いものであった。しかも、実施例1のバックシートは、比較例7のバックシートと比較して、光電変換効率上昇率も高く、太陽電池セルの間を通過しバックシートに入射した光を太陽電池セルまで再帰させて有効に発電に利用できていると考えられる。
以上のように、本発明の太陽電池モジュール用バックシート及びこれを用いた太陽電池モジュールは、太陽電池の構成要素として有用であり、特に今日普及しつつある家屋屋根据え置き型の太陽電池や電卓等の小型電気機器用の太陽電池などに好適に使用される。
1 太陽電池モジュール用バックシート
2 基材シート
3 ビーズ塗工層(反射層)
4 ビーズ
5 バインダー
8 基材フィルム
9 ガスバリア層
11 太陽電池モジュール
12 透光性基板
13 充填剤層
14 太陽電池セル
15 充填剤層

Claims (8)

  1. 基材シートとこの基材シートの表面側に積層される反射層とを備え、
    上記反射層が、白色顔料を15質量%以上30質量%以下含有する平均粒子径1μm以上50μm以下かつ変動係数30%以上40%以下の白色ビーズと、白色顔料を含有する白色バインダーとを有し、
    上記反射層が、白色バインダーの形成材料であるポリマー組成物に白色ビーズを含有する塗工液の塗工により形成され、この白色バインダーの形成材料であるポリマー組成物中の基材ポリマー100質量部に対する白色ビーズの固形分換算の配合量が、12質量部以上500質量部以下であり、
    上記反射層の表面の三次元表面粗さにおける算術平均粗さが3μm以上14μm以下で、十点平均粗さが10μm以上80μm以下である太陽電池モジュール用バックシート。
  2. 表面の日射反射率が80.5%以上である請求項1に記載の太陽電池モジュール用バックシート。
  3. 表面の白色度が80%以上である請求項1又は請求項2に記載の太陽電池モジュール用バックシート。
  4. 上記白色バインダーが、上記白色顔料として二酸化チタンを含む請求項1、請求項2又は請求項3に記載の太陽電池モジュール用バックシート。
  5. 上記白色ビーズが、上記白色顔料として二酸化チタンを含む請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用バックシート。
  6. 上記反射層の平均厚さが、白色ビーズの平均粒子径の80%以上300%以下である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用バックシート。
  7. 上記基材シートが、ガスバリア層を有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用バックシート。
  8. 透光性基板と、充填剤層と、光起電力素子としての太陽電池セルと、充填剤層と、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール用バックシートとが表面側からこの順に積層されている太陽電池モジュール。
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