JP5706847B2 - タイヤ加硫用ブラダーのパンク検出装置およびパンク検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、生タイヤの加硫中に、タイヤ加硫用ブラダーからの加熱加圧媒体の蒸気の漏れを検出することにより、タイヤ加硫用ブラダーのパンクを検出するタイヤ加硫用ブラダーのパンク検出装置およびパンク検出方法に関する。
一般に、タイヤの加硫工程では、生タイヤをタイヤ加硫装置の金型に装着後、タイヤ加硫用ブラダー(以下、単に「ブラダー」ともいう)を生タイヤの内側から膨張変形させることにより生タイヤを金型面に押しつけ、生タイヤの内周側及び外周側から加熱しつつ加硫成形されている。そして、前記のブラダーの膨張変形は、ブラダー内に高温、高圧の加熱加圧媒体、具体的には水蒸気を供給されることにより行われる。
しかし、ゴム製のブラダーはパンクが発生する場合があり、その場合には、水蒸気がブラダーから漏れるため、タイヤ不良品が発生して、生産性を低下させる。
このようなブラダーのパンクによる不良品の発生を防止するために、ブラダーから漏れ出た水蒸気を検出することにより、ブラダーのパンクを検出するパンク検出手段を備えたパンク検出装置が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。
このようなパンク検出装置を用いたパンクの検出について、図3および図4を用いて説明する。図3はパンク検出装置とタイヤ加硫装置の配置を模式的に示す図、図4はパンク検出装置の構成およびパンク検出装置とタイヤ加硫装置との間の連結構造を模式的に示す断面図である。
図3および図4において、1はパンク検出装置、Aは加硫装置、Bは生タイヤである。そして、11はセンサーボックス、12はセンサー、13は導入管、15は排出口であり、A1は加硫金型、A2は金型ホルダー、A3はブラダー、A4は加硫金型A1と金型ホルダーA2との間に設けられた空隙部である。
図3に示すように、パンク検出装置1は、通常、加硫装置Aの上方に配置されている。そして、このパンク検出装置1は、図4に示すように、センサーボックス11、センサー12、導入管13を備えており、センサーボックス11の側面上部には排出口15が設けられている。
センサー12は、導入管13と対向して配置されており、センサー検出面12aにてセンサーボックス11内の湿度、即ち、水蒸気量を検知する。ブラダーA3にパンクが発生すると、パンクしたブラダーA3から空隙部A4に水蒸気が漏れ出す。漏れ出した水蒸気は、その後、空隙部A4および導入管13を経由してセンサーボックス11内に導入される。この結果、センサーボックス11内の湿度が上昇するため、センサー検出面12aが異常を検出し、ブラダーA3にパンクが発生したことが分かる。
特開2001−129830号公報 特開2001−191332号公報
しかしながら、タイヤ加硫に際しては、上記したパンクしたブラダーから漏れ出た水蒸気の他に、加硫装置内においても水蒸気が発生している。このため、ブラダーにパンクが発生していないにも拘わらず、加硫装置内に発生した水蒸気によりセンサーボックス内の湿度が上昇して、センサーの誤検出を招くことがあった。
そして、センサーボックス内に導入された水蒸気には、ゴムを加熱した際に発生した油分(ヒューム)も含まれているため、センサー検出面が汚染され、センサーのメンテナンスや交換を頻繁に行う必要があった。
そこで、本発明は、ブラダーのパンクを誤検出することがなく、センサーのメンテナンスや交換を頻繁に行う必要がないブラダーのパンク検出装置およびパンク検出方法を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討を行った結果、以下に記載する技術により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明に関連する第1の技術は、
内部に湿度を検出するセンサーが設けられたセンサーボックスと、タイヤ加硫中にタイヤ加硫用ブラダーから漏れ出た水蒸気を加硫装置から前記センサーボックスに誘導する導入管とを備えたタイヤ加硫用ブラダーのパンク検出装置であって、
前記センサーボックスは、
前記センサーボックス内に外部からエアーを供給するエアー供給管と、
前記センサーボックス内のエアーを外部に排出するエアー排出管と
を備えると共に、
略円筒形に形成されていることを特徴とするタイヤ加硫用ブラダーのパンク検出装置である。
本発明に関連する第2の技術は、
内部に湿度を検出するセンサーが設けられたセンサーボックスと、タイヤ加硫中にタイヤ加硫用ブラダーから漏れ出た水蒸気を加硫装置から前記センサーボックスに誘導する導入管とを備えたタイヤ加硫用ブラダーのパンク検出装置であって、
前記センサーボックスは、
前記センサーボックス内に外部からエアーを供給するエアー供給管と、
前記センサーボックス内のエアーを外部に排出するエアー排出管と
を備えており、
前記エアー供給管の供給口が、前記エアー排出管の排出口より上部に設けられていることを特徴とするタイヤ加硫用ブラダーのパンク検出装置である。
本発明に関連する第3の技術は、
前記センサーボックスが略円筒形に形成されていることを特徴とする第2の技術に記載のタイヤ加硫用ブラダーのパンク検出装置である。
本発明に関連する第4の技術は、
第1の技術ないし第3の技術のいずれか1に記載のタイヤ加硫用ブラダーのパンク検出装置を用いて、タイヤ加硫用ブラダーのパンクを検出するタイヤ加硫用ブラダーのパンク検出方法であって、
前記エアー供給管を用いて、前記センサーボックス内にエアーを供給し、
前記エアー排出管を用いて、前記センサーボックス内のエアーを排出する
ことを特徴とするタイヤ加硫用ブラダーのパンク検出方法である。
本発明は上記の各技術に基づいてなされたものであり、請求項1に記載の発明は、
内部に湿度を検出するセンサーが設けられたセンサーボックスと、タイヤ加硫中にタイヤ加硫用ブラダーから漏れ出た水蒸気を加硫装置から前記センサーボックスに誘導する導入管とを備えたタイヤ加硫用ブラダーのパンク検出装置であって、
前記センサーボックスは、
前記センサーボックス内に外部からエアーを供給するエアー供給管と、
前記センサーボックス内のエアーを外部に排出するエアー排出管と
を備えており、
前記センサーボックスが略円筒形に形成されており、
前記エアー供給管の供給口が、前記エアー排出管の排出口より上部に設けられ、前記センサーボックス内に挿入された前記エアー供給管の端部がセンサーボックスの内周面に沿って湾曲しており、
エアーブローを行ったとき、円筒の内周面に沿ったスムーズなエアーの流れが形成される
ことを特徴とするタイヤ加硫用ブラダーのパンク検出装置である。
また、請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載のタイヤ加硫用ブラダーのパンク検出装置を用いて、タイヤ加硫用ブラダーのパンクを検出するタイヤ加硫用ブラダーのパンク検出方法であって、
前記エアー供給管を用いて、前記センサーボックス内にエアーを供給し、
前記エアー排出管を用いて、前記センサーボックス内のエアーを排出する
ことを特徴とするタイヤ加硫用ブラダーのパンク検出方法である。
本発明によれば、ブラダーのパンクを誤検出することがなく、センサーのメンテナンスや交換を頻繁に行う必要がないブラダーのパンク検出装置およびパンク検出方法を提供することができる。
本発明の一実施形態のブラダーのパンク検出装置の主要部を模式的に示す斜視図である。 本発明の一実施形態のブラダーのパンク検出装置の内部構造を示す斜視図である。 ブラダーのパンク検出装置の一般的な配置を模式的に示す断面図である。 ブラダーのパンク検出装置の構成とパンク検出装置と加硫装置の連結構造の一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を実施の形態に基づき、図面を用いて説明する。
図1は本実施の形態に係るブラダーのパンク検出装置の主要部を模式的に示す斜視図であり、図2はこのブラダーのパンク検出装置の内部構造を示す斜視図である。
本実施の形態のブラダーのパンク検出装置1は、センサーボックス11、センサー12、導入管13と、エアー供給管16とエアー排出管17とを備え、外部からエアーをセンサーボックス11内に供給、排出するように構成されている。
センサーボックス11は、有底略円筒形の容器11aと、容器11a内を密封するための蓋11bとを備え、蓋11bの内面には、図2に示すように、センサー検出面12aを下に向けたセンサー12が取り付けられている。
センサーボックス11内には、容器1aの上部にエアー供給管16の端部が挿入され、その先端がエアー供給口16aとして配置される一方、容器1aの下部にエアーを排気する排出口15が設けられ、排出口15にエアー排出管17が接続されている。これにより、センサーボックス11にエアーが供給され、センサーボックス11内を通過した後、排出されることにより、センサーボックス11内の水蒸気がエアーと一緒に排出されて湿度が一定に保たれ、センサーの誤検出が防止される。
なお、センサーボックス11内に挿入されたエアー供給管16の端部を水平に配置し、かつ、センサーボックス11の内周面に沿って湾曲させ、内周面近傍に配置したエアー供給口16aから内周面に沿ってエアーを流入させるようにすることが好ましい。
また、センサーボックス11内に供給されるエアーの湿度は低い湿度に管理されていることが好ましい。これにより、センサーボックス11内の湿度を加硫毎に充分に一定化させることができる。この結果、ブラダーのパンクの誤検出を充分に低減させることができる。
また、エアーブローにおける圧力は、風圧によるセンサー12の故障やセンサーボックス11の破損の発生などを考慮すると、0.1〜0.2MPa程度の低圧であることが好ましい。
上記の通り、本実施の形態におけるセンサーボックス11は略円筒形の形状に形成されている。このため、エアーブローを行ったときに、円筒の内周面に沿ったスムーズなエアーの流れが形成されやすくなっている。なお、センサーボックス11の大きさは、φ100mm程度の略円筒形であることが好ましい。また、ここでいう略円筒形とは、必ずしも平面視が真円である必要はないことを意味する。
さらに、本実施の形態においては、上部にエアー供給口16aが配置され、下部に排出口15が配置されている。このため、エアーブローを行ったときに、上部から下部へのエアーの流れが形成されやすく、センサーボックス内に導入された水蒸気に含まれる油分(ヒューム)がセンサーに付着することを防止しやすく、センサーに対する油分の汚染を抑制することができる。この結果、センサーのメンテナンスや交換の頻度を低減させることができる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることができる。
1 パンク検出装置
11 センサーボックス
11a 容器
11b 蓋
12 センサー
12a センサー検出面
13 導入管
15 排出口
16 エアー供給管
16a エアー供給口
17 エアー排出管
18 ケーブル
A タイヤ加硫装置
A1 加硫金型
A2 金型ホルダー
A3 ブラダー
A4 空隙部
B 生タイヤ

Claims (2)

  1. 内部に湿度を検出するセンサーが設けられたセンサーボックスと、タイヤ加硫中にタイヤ加硫用ブラダーから漏れ出た水蒸気を加硫装置から前記センサーボックスに誘導する導入管とを備えたタイヤ加硫用ブラダーのパンク検出装置であって、
    前記センサーボックスは、
    前記センサーボックス内に外部からエアーを供給するエアー供給管と、
    前記センサーボックス内のエアーを外部に排出するエアー排出管と
    を備えており、
    前記センサーボックスが略円筒形に形成されており、
    前記エアー供給管の供給口が、前記エアー排出管の排出口より上部に設けられ、前記センサーボックス内に挿入された前記エアー供給管の端部がセンサーボックスの内周面に沿って湾曲しており、
    エアーブローを行ったとき、円筒の内周面に沿ったスムーズなエアーの流れが形成される
    ことを特徴とするタイヤ加硫用ブラダーのパンク検出装置。
  2. 請求項1に記載のタイヤ加硫用ブラダーのパンク検出装置を用いて、タイヤ加硫用ブラダーのパンクを検出するタイヤ加硫用ブラダーのパンク検出方法であって、
    前記エアー供給管を用いて、前記センサーボックス内にエアーを供給し、
    前記エアー排出管を用いて、前記センサーボックス内のエアーを排出する
    ことを特徴とするタイヤ加硫用ブラダーのパンク検出方法。
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