以下、本発明のハイブリッド型作業機械を適用した実施の形態について説明する。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1のハイブリッド型作業機械を含む建設機械を示す側面図である。
このハイブリッド型作業機械の下部走行体1には、旋回機構2を介して上部旋回体3が搭載されている。また、上部旋回体3には、ブーム4、アーム5、及びリフティングマグネット6と、これらを油圧駆動するためのブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9に加えて、キャビン10及び動力源が搭載される。
「全体構成」
図2は、実施の形態1のハイブリッド型作業機械の構成を表すブロック図である。この図2では、機械的動力系を二重線、高圧油圧ラインを実線、パイロットラインを破線、電気駆動・制御系を一点鎖線でそれぞれ示す。
機械式駆動部としてのエンジン11と、アシスト駆動部としての電動発電機12は、ともに増力機としての減速機13の入力軸に接続されている。また、この減速機13の出力軸には、メインポンプ14及びパイロットポンプ15が接続されている。メインポンプ14には、高圧油圧ライン16を介してコントロールバルブ17が接続されている。
コントロールバルブ17は、実施の形態1の建設機械における油圧系の制御を行う制御装置であり、このコントロールバルブ17には、下部走行体1用の油圧モータ1A(右用)及び1B(左用)、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9が高圧油圧ラインを介して接続される。
また、電動発電機12には、インバータ18A及び昇降圧コンバータ100を介して蓄電器としてのバッテリ19が接続される。このインバータ18Aと昇降圧コンバータ100との間は、DCバス110によって接続されている。
また、このDCバス110には、インバータ18Bを介してリフティングマグネット6が接続されている。リフティングマグネット6は、金属物を磁気的に吸着させるための磁力を発生する電磁石を含んでおり、インバータ18Bを介してDCバス110から電力が供給される。
また、DCバス110には、インバータ20を介して旋回用電動機21が接続されている。旋回用電動機21は、旋回機構2の動力源であり、上部旋回体3を右方向又は左方向に回転させるための駆動制御が行われる。
DCバス110は、バッテリ19、リフティングマグネット6、電動発電機12、及び旋回用電動機21の間で電力の授受を行うために配設されている。
このDCバス110には、DCバス110の電圧値(以下、実施の形態1においてDCバス電圧値と称す)を検出するためのDCバス電圧検出部111が配設されている。検出されるDCバス電圧値は、コントローラ30に入力される。
また、バッテリ19には、バッテリ電圧値を検出するためのバッテリ電圧検出部112と、バッテリ電流値を検出するためのバッテリ電流検出部113が配設されている。これらによって検出されるバッテリ電圧値とバッテリ電流値は、コントローラ30に入力される。
旋回用電動機21の回転軸21Aには、レゾルバ22、メカニカルブレーキ23、及び旋回減速機24が接続される。また、パイロットポンプ15には、パイロットライン25を介して操作装置26が接続される。
操作装置26には、油圧ライン27及び28を介して、コントロールバルブ17及びレバー操作検出部としての圧力センサ29がそれぞれ接続される。この圧力センサ29には、実施の形態1の建設機械の電気系の駆動制御を行うコントローラ30が接続されている。
このような実施の形態1の建設機械は、エンジン11、電動発電機12、及び旋回用電動機21を動力源とするハイブリッド型作業機械である。これらの動力源は、図1に示す上部旋回体3に搭載される。以下、各部について説明する。
「各部の構成」
エンジン11は、例えば、ディーゼルエンジンで構成される内燃機関であり、その出力軸は減速機13の一方の入力軸に接続される。このエンジン11は、建設機械の運転中は常時運転される。
電動発電機12は、電動(アシスト)運転及び発電運転の双方が可能な電動機であればよい。ここでは、電動発電機12として、インバータ18Aによって交流駆動される電動発電機を示す。この電動発電機12は、例えば、磁石がロータ内部に埋め込まれたIPM(Interior Permanent Magnetic)モータで構成することができる。電動発電機12の回転軸は減速機13の他方の入力軸に接続される。
減速機13は、2つの入力軸と1つの出力軸を有する。2つの入力軸の各々には、エンジン11の駆動軸と電動発電機12の駆動軸が接続される。また、出力軸にはメインポンプ14の駆動軸が接続される。エンジン11の負荷が大きい場合には、電動発電機12が電動(アシスト)運転を行い、電動発電機12の駆動力が減速機13の出力軸を経てメインポンプ14に伝達される。これによりエンジン11の駆動がアシストされる。一方、エンジン11の負荷が小さい場合は、エンジン11の駆動力が減速機13を経て電動発電機12に伝達されることにより、電動発電機12が発電運転による発電を行う。電動発電機12の電動運転と発電運転の切り替えは、コントローラ30により、エンジン11の負荷等に応じて行われる。
メインポンプ14は、コントロールバルブ17に供給するための油圧を発生するポンプである。この油圧は、コントロールバルブ17を介して油圧モータ1A、1B、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9の各々を駆動するために供給される。
パイロットポンプ15は、油圧操作系に必要なパイロット圧を発生するポンプである。この油圧操作系の構成については後述する。
コントロールバルブ17は、高圧油圧ラインを介して接続される下部走行体1用の油圧モータ1A、1B、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9の各々に供給する油圧を運転者の操作入力に応じて制御することにより、これらを油圧駆動制御する油圧制御装置である。
インバータ18Aは、上述の如く電動発電機12と昇降圧コンバータ100との間に設けられ、コントローラ30からの指令に基づき、電動発電機12の運転制御を行う。これにより、インバータ18Aが電動発電機12の力行を運転制御している際には、必要な電力をバッテリ19と昇降圧コンバータ100からDCバス110を介して電動発電機12に供給する。また、電動発電機12の回生を運転制御している際には、電動発電機12により発電された電力をDCバス110及び昇降圧コンバータ100を介してバッテリ19に充電する。
インバータ18Bは、リフティングマグネット6と昇降圧コンバータ100との間に設けられ、コントローラ30からの指令に基づき、電磁石をオンにする際には、リフティングマグネット6へ要求された電力をDCバス110より供給する。また、電磁石をオフにする場合には、回生された電力をDCバス100に供給する。
バッテリ19は、昇降圧コンバータ100を介してインバータ18A、インバータ18B、及びインバータ20に接続されている。これにより、バッテリ19は、電動発電機12の電動(アシスト)運転と旋回用電動機21の力行運転との少なくともどちらか一方が行われている際、又は、リフティングマグネット6を励磁する(オンにする)際には、必要な電力を供給する。また、バッテリ19は、電動発電機12の発電運転と旋回用電動機21の回生運転の少なくともどちらか一方が行われている際、または、リフティングマグネット6を消磁する(オフにする)ときに回生電力が発生している際には、発電運転又は回生運転によって発生した電力を電気エネルギとして蓄積する。
なお、DCバス110には、インバータ18A、18B、及び20を介して、電動発電機12、リフティングマグネット6、及び旋回用電動機21が接続されているため、電動発電機12で発電された電力がリフティングマグネット6又は旋回用電動機21に直接的に供給される場合もあり、リフティングマグネット6で回生された電力が電動発電機12又は旋回用電動機21に供給される場合もあり、さらに、旋回用電動機21で回生された電力が電動発電機12又はリフティングマグネット6に供給される場合もある。
このバッテリ19の充放電制御は、バッテリ19の充電状態、電動発電機12の運転状態(電動(アシスト)運転又は発電運転)、リフティングマグネット6の駆動状態、旋回用電動機21の運転状態(力行運転又は回生運転)に基づき、昇降圧コンバータ100によって行われる。この昇降圧コンバータ100の昇圧動作と降圧動作の切替制御は、DCバス電圧検出部111によって検出されるDCバス電圧値、バッテリ電圧検出部112によって検出されるバッテリ電圧値、及びバッテリ電流検出部113によって検出されるバッテリ電流値に基づき、コントローラ30によって行われる。
インバータ20は、上述の如く旋回用電動機21と昇降圧コンバータ100との間に設けられ、コントローラ30からの指令に基づき、旋回用電動機21に対して運転制御を行う。これにより、インバータが旋回用電動機21の力行を運転制御している際には、必要な電力をバッテリ19から昇降圧コンバータ100を介して旋回用電動機21に供給する。また、旋回用電動機21が回生運転をしている際には、旋回用電動機21により発電された電力を昇降圧コンバータ100を介してバッテリ19へ充電する。
昇降圧コンバータ100は、一側がDCバス110を介して電動発電機12、リフティングマグネット6、及び旋回用電動機21に接続されるとともに、他側がバッテリ19に接続されており、DCバス電圧値が一定の範囲内に収まるように昇圧又は降圧を切り替える制御を行う。
電動発電機12が電動(アシスト)運転を行う場合には、インバータ18Aを介して電動発電機12に電力を供給する必要があるため、DCバス電圧値を昇圧する必要がある。一方、電動発電機12が発電運転を行う場合には、発電された電力をインバータ18Aを介してバッテリ19に充電する必要があるため、DCバス電圧値を降圧する必要がある。
これは、リフティングマグネット6の励磁(オン)と消磁(オフ)、及び旋回用電動機21の力行運転と回生運転においても同様である。電動発電機12はエンジン11の負荷状態に応じて運転状態が切り替えられ、リフティングマグネット6は作業状態において駆動状態(励磁と消磁)が切り替えられ、さらに、旋回用電動機21は上部旋回体3の旋回動作に応じて運転状態が切り替えられる。
このため、電動発電機12、リフティングマグネット6、及び旋回用電動機21には、いずれかにDCバス110を介して電力供給が行われ、いずれかからDCバス110に電力供給を行う状況が生じうる。
このため、昇降圧コンバータ100は、電動発電機12、リフティングマグネット6、及び旋回用電動機21の運転状態に応じて、DCバス電圧値を一定の範囲内に収まるように昇圧動作と降圧動作を切り替える制御を行う。
DCバス110は、3つのインバータ18A、18B、及び20と昇降圧コンバータとの間に配設されており、バッテリ19、電動発電機12、リフティングマグネット6、及び旋回用電動機21の間で電力の授受を行う。
DCバス電圧検出部111は、DCバス電圧値を検出するための電圧検出部である。検出されるDCバス電圧値はコントローラ30に入力され、このDCバス電圧値を一定の範囲内に収めるための昇圧動作と降圧動作の切替制御を行うために用いられる。
バッテリ電圧検出部112は、バッテリ19の電圧値を検出するための電圧検出部であり、バッテリの充電状態を検出するために用いられる。検出されるバッテリ電圧値は、コントローラ30に入力され、昇降圧コンバータ100の昇圧動作と降圧動作の切替制御を行うために用いられる。
バッテリ電流検出部113は、バッテリ19の電流値を検出するための電流検出部である。バッテリ電流値は、バッテリ19から昇降圧コンバータ100に流れる電流を正の値として検出される。検出されるバッテリ電流値は、コントローラ30に入力され、昇降圧コンバータ100の昇降圧制御の応答性の向上のために用いられる。
旋回用電動機21は、力行運転及び回生運転の双方が可能な電動機であればよく、上部旋回体3の旋回機構2を駆動するために設けられている。力行運転の際には、旋回用電動機21の回転駆動力の回転力が減速機24にて増幅され、上部旋回体3が加減速制御され回転運動を行う。また、上部旋回体3の慣性回転により、減速機24にて回転数が増加されて旋回用電動機21に伝達され、回生電力を発生させることができる。ここでは、旋回用電動機21として、PWM(Pulse Width Modulation)制御信号によりインバータ20によって交流駆動される電動機を示す。この旋回用電動機21は、例えば、磁石埋込型のIPMモータで構成することができる。これにより、より大きな誘導起電力を発生させることができるので、回生時に旋回用電動機21にて発電される電力を増大させることができる。
レゾルバ22は、旋回用電動機21の回転軸21Aの回転位置及び回転角度を検出するセンサであり、旋回用電動機21と機械的に連結することで旋回用電動機21の回転前の回転軸21Aの回転位置と、左回転又は右回転した後の回転位置との差を検出することにより、回転軸21Aの回転角度及び回転方向を検出するように構成されている。旋回用電動機21の回転軸21Aの回転角度を検出することにより、旋回機構2の回転角度及び回転方向が導出される。また、図2にはレゾルバ22を取り付けた形態を示すが、電動機の回転センサを有しないインバータ制御方式を用いてもよい。
メカニカルブレーキ23は、機械的な制動力を発生させる制動装置であり、旋回用電動機21の回転軸21Aを機械的に停止させる。このメカニカルブレーキ23は、電磁式スイッチにより制動/解除が切り替えられる。この切り替えは、コントローラ30によって行われる。
旋回減速機24は、旋回用電動機21の回転軸21Aの回転速度を減速して旋回機構2に機械的に伝達する減速機である。これにより、力行運転の際には、旋回用電動機21の回転力を増力させ、より大きな回転力として旋回体へ伝達することができる。これとは逆に、回生運転の際には、旋回体で発生した回転数を増加させ、より多くの回転動作を旋回用電動機21に発生させることができる。
旋回機構2は、旋回用電動機21のメカニカルブレーキ23が解除された状態で旋回可能となり、これにより、上部旋回体3が左方向又は右方向に旋回される。
操作装置26は、旋回用電動機21、下部走行体1、ブーム4、アーム5、及びリフティングマグネット6を操作するための操作装置であり、ハイブリッド型作業機械の運転者によって操作される。
この操作装置26は、パイロットライン25を通じて供給される油圧(1次側の油圧)を運転者の操作量に応じた油圧(2次側の油圧)に変換して出力する。操作装置26から出力される2次側の油圧は、油圧ライン27を通じてコントロールバルブ17に供給されるとともに、圧力センサ29によって検出される。
操作装置26が操作されると、油圧ライン27を通じてコントロールバルブ17が駆動され、これにより、油圧モータ1A、1B、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9内の油圧が制御されることによって、下部走行体1、ブーム4、アーム5、及びリフティングマグネット6が駆動される。
なお、油圧ライン27は、油圧モータ1A及び1B、ブームシリンダ7、アームシリンダ8、及びバケットシリンダ9の駆動に必要な油圧をコントロールバルブに供給する。
旋回用操作検出部としての圧力センサ29では、操作装置26に対して旋回機構2を旋回させるための操作が入力されると、この操作量を油圧ライン28内の油圧の変化として検出する。圧力センサ29は、油圧ライン28内の油圧を表す電気信号を出力する。これにより、操作装置26に入力される旋回機構2を旋回させるための操作量を的確に把握することができる。この電気信号は、コントローラ30に入力され、旋回用電動機21の駆動制御に用いられる。また、実施の形態1では、レバー操作検出部としての圧力センサを用いる形態について説明するが、操作装置26に入力される旋回機構2を旋回させるための操作量をそのまま電気信号で読み取るセンサを用いてもよい。
「コントローラ30」
コントローラ30は、実施の形態1のハイブリッド型作業機械の駆動制御を行う制御装置であり、旋回駆動制御部40、及び駆動制御部50を含み、CPU(Central Processing Unit)及び内部メモリを含む演算処理装置で構成され、CPUが内部メモリに格納される駆動制御用のプログラムを実行することにより実現される装置である。
旋回駆動制御部40は、圧力センサ29から入力される信号のうち、旋回機構2を旋回させるための操作量を表す信号を速度指令に変換し、旋回用電動機21の駆動制御を行う。
駆動制御部50は、電動発電機12の運転制御(電動(アシスト)運転又は発電運転の切り替え)、リフティングマグネット6の駆動制御(励磁(オン)と消磁(オフ)の切り替え)、及び、昇降圧コンバータ100を駆動制御することによるバッテリ19の充放電制御を行うための制御装置である。駆動制御部50は、バッテリ19の充電状態、電動発電機12の運転状態(電動(アシスト)運転又は発電運転)、リフティングマグネット6の駆動状態(励磁(オン)と消磁(オフ))、及び旋回用電動機21の運転状態(力行運転又は回生運転)に基づいて、昇降圧コンバータ100の昇圧動作と降圧動作の切替制御を行い、これによりバッテリ19の充放電制御を行う。
この昇降圧コンバータ100の昇圧動作と降圧動作の切替制御は、DCバス電圧検出部111によって検出されるDCバス電圧値、バッテリ電圧検出部112によって検出されるバッテリ電圧値、及びバッテリ電流検出部113によって検出されるバッテリ電流値に基づいて行われる。
図3は、実施の形態1のハイブリッド型作業機械に用いる昇降圧コンバータの回路構成を概略的に示す図である。この昇降圧コンバータ100は、リアクトル101、昇圧用IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)102A、降圧用IGBT102B、バッテリ103を接続するための電源接続端子104、負荷105を接続するための出力端子106、及び、一対の出力端子106に並列に挿入される平滑用のコンデンサ107を備える。昇降圧コンバータ100の出力端子106と負荷105との間は、DCバス110によって接続される。なお、バッテリ103は、図2におけるバッテリ19に相当し、負荷105は、図2における電動発電機12、リフティングマグネット6、及び旋回用電動機21に相当する。図3では、図の簡略化のためにインバータ18A、18B、及び20(図2参照)を省略する。また、昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102BをPWM駆動する駆動制御部50を省略する。
リアクトル101は、一端が昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bの中間点に接続されるとともに、他端が電源接続端子104に接続されており、昇圧用IGBT102Aのオン/オフに伴って生じる誘導起電力をDCバス110に供給するために設けられている。
昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bは、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)をゲート部に組み込んだバイポーラトランジスタで構成され、大電力の高速スイッチングが可能な半導体素子である。昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bは、後述する昇降圧コンバータの駆動制御装置からゲート端子にPWM電圧が印加されることによって駆動される。昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102Bには、整流素子であるダイオード102a及び102bが並列接続される。
バッテリ103は、昇降圧コンバータ100を介してDCバス110との間で電力の授受が行えるように、充放電可能な蓄電器であればよい。なお、図3には、蓄電器としてバッテリ103を示すが、バッテリ103の代わりに、コンデンサ、充放電可能な二次電池、又は、電力の授受が可能なその他の形態の電源を蓄電器として用いてもよい。なお、このバッテリ103は、図2に示すバッテリ19に相当する。
電源接続端子104及び出力端子106は、バッテリ103及び負荷105が接続可能な端子であればよい。一対の電源接続端子104の間には、バッテリ電圧を検出するバッテリ電圧検出部112が接続される。一対の出力端子106の間には、DCバス電圧を検出するDCバス電圧検出部111が接続される。
バッテリ電圧検出部112は、バッテリ103の電圧値(vbat_det)を検出し、DCバス電圧検出部111は、DCバス110の電圧(以下、DCバス電圧:vdc_det)を検出する。
出力端子106に接続される負荷105は、電力供給による駆動と回生による発電が可能な電気負荷であればよく、例えば、磁石がロータ内部に埋め込まれたIPM(Interior Permanent Magnetic)モータやリフティングマグネットで構成することができる。図3には、直流駆動用の負荷105を示すが、インバータを介して交流駆動される電気負荷であってもよい。
平滑用のコンデンサ107は、出力端子106の正極端子と負極端子との間に挿入され、DCバス電圧を平滑化できる蓄電素子であればよい。
バッテリ電流検出部113は、バッテリ103に通流する電流の値を検出可能な検出手段であればよく、電流検出用の抵抗器を含む。このリアクトル電流検出部108は、バッテリ103に通流する電流値(ibat_det)を検出する。
「昇降圧動作」
このような昇降圧コンバータ100において、DCバス110を昇圧する際には、昇圧用IGBT102Aのゲート端子にPWM電圧を印加し、降圧用IGBT102Bに並列に接続されたダイオード102bを介して、昇圧用IGBT102Aのオン/オフに伴ってリアクトル101に発生する誘導起電力をDCバス110に供給する。これにより、DCバス110が昇圧される。
また、DCバス110を降圧する際には、降圧用IGBT102Bのゲート端子にPWM電圧を印加し、降圧用IGBT102Bを介して、負荷105によって発生される回生電力をDCバス110からバッテリ103に供給する。これにより、DCバス110に蓄積された電力がバッテリ103に充電され、DCバス110が降圧される。
なお、この図3では、昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102BをPWM駆動する駆動制御部100を省略したが、駆動制御部50は、電子回路又は演算処理装置のいずれでも実現することができる。
ここで、旋回用電動機21の出力トルクは旋回用電動機21へ供給される電圧値の二乗に比例する。このため、旋回用電動機21へ供給される電圧値が低下すると、出力トルクが大幅に低下してしまう。このため、操作装置26からの指令に基づくトルクを出力するため多くの電流が必要となるが、連続稼働を行うハイブリッド型作業機械では、バッテリ130の発熱のため、定格電流値以上は流せないので出力不足となり、作業の中断を生じてしまう。
このため、旋回用電動機21への供給電圧は一定にするため、DCバス電圧値を電圧制御により一定に維持することが望ましい。リフティングマグネット6へ供給される場合も同様である。このため、図4を用いて、DCバス110の電圧を維持するため、コンバータ100における電圧制御方法を説明する。
図4は、実施の形態1のハイブリッド型作業機械に用いる昇降圧コンバータ100の駆動制御部50の回路構成を制御ブロックで示す図である。この図に示すように、実施の形態1の昇降圧コンバータ100の駆動制御部50は、電圧制御部51及び昇降圧切替部52を備える。
この駆動制御部50には、電源接続端子104、出力端子106、昇圧用PM(Power Module)53、及び降圧用PM54が接続される。これらは、図3に示すハードウェア構成を実現可能とするように接続される。すなわち、駆動制御部50によって昇圧用PM53及び降圧用PM54に含まれる昇圧用IGBT102A及び降圧用IGBT102BがPWM駆動され、その結果、電源接続端子104からバッテリ電圧値Vbat(=vbat_det)及びバッテリ電流値Ibat(=ibat_det)が出力され、出力端子106からDCバス電圧値Vout(=vdc_det)が出力されるように接続される。
電圧制御部51は、目標電圧値Vout_refと、出力端子106から出力されるDCバス電圧値Voutとの差に基づいてPI(Proportional Integral)制御を行うことにより、昇圧用IBGT102A及び降圧用IGBT102Bを駆動制御するためのスイッチングデューティduty_refを演算する。
ここで、実施の形態1の昇降圧コンバータ100では、昇圧用IGBT102Aを駆動するためのスイッチングデューティと、降圧用IGBT102Bを駆動するためのスイッチングデューティとに互いに異なる符号を用いて区別を図っている。このため、上述したスイッチングデューティには、昇圧用IGBT102Aの駆動用に正の符号を付し、降圧用IGBT102Bの駆動用に負の符号を付す。
ここで、Vout_Iは電圧制御部51で演算される電圧積分値、Vout_Pは電圧制御部51で演算される電圧比例値である。また、duty_refは電圧制御部51で演算されるスイッチングデューティであり、駆動用デューティduty_refとして昇降圧切替部52に伝送される。
なお、この駆動用デューティduty_refは、昇圧駆動用の駆動用デューティには正の符号が付され、昇降圧駆動用の駆動用デューティには負の符号が付されることになる。
昇降圧切替部52は、駆動用デューティduty_refの符号に基づき、この駆動用デューティduty_refによって駆動されるパワーモジュールを昇圧用PM53又は降圧用PM54のいずれかに決定する。
昇圧用PM53は、上述の昇圧用IGBT102Aと、この昇圧用IGBT102Aを駆動するための駆動回路及び自己保護機能とを組み込んだパワーモジュールである。
同様に、降圧用PM54は、上述の降圧用IGBT102Bと、この降圧用IGBT102Bを駆動するための駆動回路及び自己保護機能とを組み込んだパワーモジュールである。
なお、図4にはリアクトルを図示しないが、電源接続端子104から出力されるバッテリ電流値Ibatは、リアクトルを通流する電流である。
また、上述のように、降圧用PM54に含まれる降圧用IGBT102Bには、昇降圧切替部52から負の駆動用デューティduty_refが伝送されるため、符号を反転(−1倍)するように構成されている。
このように、実施の形態1のハイブリッド型作業機械によれば、複数のインバータ(18A、18B、及び20)に接続されるDCバス110とバッテリ19との間にDCバス電圧値を一定に保持するように駆動制御が行われる昇降圧コンバータ100を配設しているので、電動発電機12、リフティングマグネット6、及び旋回用電動機21の様々な駆動状態に応じてDCバス電圧値は略一定に保持される。
そして、このようにDCバス電圧値が略一定に保持されることにより、電気負荷の制御性のばらつきや、過電圧によるインバータの損傷等を抑制することができ、さらに、過電圧(過充電)によるバッテリ19の損傷を抑制することができる。
ところで、図4に示すように、DCバス110の目標電圧値(Vout_ref)、DCバス電圧値Vout(=vdc_det)、及びバッテリ電圧値Vbat(=vbat_det)に基づく電圧制御では、ハイブリッド型作業機械の仕様や負荷105の駆動状態によっては、負荷105の駆動に多大な電力が必要となり、バッテリ19に通流する電流値の監視を行った方がよい場合もある。
そこで、実施の形態1のハイブリッド型作業機械では、上述した電圧制御に加えて、さらに次に説明するような電流制御を行うことにより、バッテリ19の保護の強化を図ってもよい。
図5は、実施の形態1の変形例によるハイブリッド型作業機械に用いる昇降圧コンバータ100の駆動制御部50の回路構成を制御ブロックで示す図である。この図に示すように、実施の形態1の昇降圧コンバータ100の駆動制御部50は、電圧制御部51、及び昇降圧切替部52に加えて、電流制御部55及び制御切替部56を備える。
なお、図5に示す制御ブロックでは、電圧制御部51が演算するスイッチングデューティduty_vを第1スイッチングデューティduty_vとする。
電流制御部55は、電流閾値Ibat_refと、電源接続端子104から出力されるバッテリ電流値Ibatとの差に基づいてPI制御を行うことにより、昇圧用IBGT102A及び降圧用IGBT102Bを駆動制御するための第2スイッチングデューティduty_iを演算する。
図5に示す制御ブロックでは、第1スイッチングデューティ及び第2スイッチングデューティの各々には、昇圧用IGBT102Aの駆動用に正の符号を付し、降圧用IGBT102Bの駆動用に負の符号を付す。
制御切替部56は、リアクトル101又は負荷105(出力端子106)の負荷が所定負荷以下になるように、電圧制御部51又は電流制御部55のいずれかを選択的に切り替える。具体的には、電圧制御部51による駆動制御が行われているときに、リアクトル101を通流する電流の絶対値が電流閾値よりも大きい場合は、電流制御部55による駆動制御に切り替える。
このような電圧制御と電流制御との切り替えは、制御切替部56がプラス(+)に接続されるか(電圧制御)、マイナス(−)に接続されるか(電流制御)によって行われる。
なお、Vout_Iは電圧制御部51で演算される電圧積分値、duty_iは電流制御部55で演算される第2スイッチングデューティ、Vout_Pは電圧制御部51で演算される電圧比例値である。また、Ibat_Iは電流制御部55で演算される電流積分値、duty_vは電圧制御部51で演算される第1スイッチングデューティ、Ibat_Pは電流制御部55で演算される電流比例値である。
制御切替部56は、電圧制御部51から得られる第1スイッチングデューティと、電流制御部55から得られる第2スイッチングデューティとのいずれかを昇圧用PM53及び降圧用PM54を駆動するための駆動用デューティduty_refとして選択する。
この選択は、バッテリ電流値Ibatが電源供給電流閾値Ibat_refを超えると、電流制御部55(すなわち、第2スイッチングデューティ)による駆動制御に切り替え、DCバス電圧値Voutが出力目標電圧値Vout_refに復帰すると、電圧制御部51(すなわち、第1スイッチングデューティ)による駆動制御部に復帰させることによって実現される。
選択された駆動用デューティduty_refは、昇降圧切替部52に伝送される。なお、この駆動用デューティduty_refは、第1スイッチングデューティ、又は第2スイッチングデューティのいずれかであるため、昇圧駆動用の駆動用デューティには正の符号が付され、昇降圧駆動用の駆動用デューティには負の符号が付されることになる。
昇降圧切替部52は、制御切替部56から伝送される駆動用デューティduty_refの符号に基づき、この駆動用デューティduty_refによって駆動されるパワーモジュールを昇圧用PM53又は降圧用PM54のいずれかに決定する。
なお、図5にはリアクトルを図示しないが、電源接続端子104から出力されるバッテリ電流値Ibatは、リアクトルを通流する電流である。
図6は、実施の形態1のハイブリッド型作業機械における電流制限方法を示す図であり、(a)はバッテリ電流許容値Ibat_lim、バッテリ電流値Ibat、及びDCバス110に通流する電流値(DCバス電流値)Idcの関係を示す特性図、(b)はDCバス電流値Idcとインバータ18A、18B、及び20の各々に通流する電流値とを示す特性図である。
図6(a)に示すDCバス電流値Idcは、図2に示すインバータ18A、18B、及び20に通流する電流の合計となる。すなわち、図6(b)に示すように、DCバス電流値Idcは、インバータ18Aに通流する電流値I1、インバータ18Bに通流する電流値I2、及びインバータ20に通流する電流値I3の合計であり、次式(1)が成立する。
Idc=I1+I2+I3・・・(1)
実施の形態1のハイブリッド型作業機械では、図4に示す制御ブロックによる電圧制御に加えて、図6(a)に示すように、バッテリ電流値Ibatがバッテリ電流許容値Ibat_lim以下となるように電流制限を行ってもよい。このような電流制御は、例えば、電流閾値Ibat_refをIbat_limに設定することによって実現することができる。この電流制御を行った場合は、バッテリ電流値Ibatの動作領域からは図6(a)に示すバッテリ電流許容値Ibat_limを超える領域が除かれることになる。つまり、図5におけるIbat_refがIbat_limとなり、制御切替部56には、Ibat_limとIbatとの偏差が入力され、IbatがIbat_limを超える場合には電流制御に切替られる。
ここで、昇降圧コンバータ100における変換効率をηとして、電圧検出部111で検出されるDCバス電圧vdc_det、バッテリ電圧検出部112で検出されるバッテリ103の電圧値vbat_det、及びDCバス電流値Idcを用いると、バッテリ電流値Ibatは、次式(2)で表すことができる。
Ibat=1/η×(vdc_det/vbat_det)×Idc・・・(2)
このため、式(2)で表されるバッテリ電流値Ibatが駆動制御部50によってバッテリ電流許容値Ibat_lim以下となるように電流制限が行われることにより、バッテリ103(バッテリ19)の過電流を抑制することができる。このバッテリ電流許容値Ibat_limは、例えば、定格電流の値に設定すればよい。これにより、それぞれの駆動部における負荷要求が高くて、インバータ18A、18B、20に通電する電流に対して、バッテリの出力が制限されることで、過剰なバッテリの充放電を防止することができ、異常な発熱を防ぐことができる。これにより、バッテリの寿命を延ばすことができる。
また、昇降圧コンバータ100における電流損失は、バッテリ電流値Ibatと昇降圧コンバータ100の内部抵抗との積で表されるが、実施の形態1のハイブリッド型作業機械によれば、バッテリ電流値Ibatがバッテリ電流許容値Ibat_lim以下となるように制限されることにより、バッテリ電流値Ibatが比較的小さいため、昇降圧コンバータ100における電流損失を低減することができる。
また、負荷105の出力は、供給される電圧に比例するとともに電流値に比例する。ここで、負荷105の出力を増大させる場合には、電圧又は電流(あるいはこれらの両方)を増大させる必要がある。
このため、DCバス電圧値の出力目標電圧値Vout_refを比較的高く設定しておけば、バッテリ電流値Ibatがバッテリ電流許容値Ibat_limに制限されていても、昇降圧コンバータ100における電流損失を低減しつつ、負荷105の出力を効率的に増大させることができる。
なお、以上では、DCバス110にインバータ18A、18B、及び20を介して電動発電機12、リフティングマグネット6、及び旋回用電動機21が接続される形態について説明したが、作業要素はハイブリッド型作業機械の仕様に応じて変更されてもよい。例えば、リフティングマグネット6ではなくバケットを備えるハイブリッド型作業機械には、インバータ18B及びリフティングマグネット6は含まれない。また、ブーム軸やアーム軸等に発電機を備える場合は、この発電機をインバータを介してDCバス110に接続してもよい。
[実施の形態2]
図7は、実施の形態2のハイブリッド型建設機械の構成を表すブロック図である。この図7では、機械的動力系を二重線、高圧油圧ラインを実線、パイロットラインを破線、電気駆動・制御系を実線でそれぞれ示す。
実施の形態2のハイブリッド型作業機械は、実施の形態1のハイブリッド型作業機械とは、DCバスが2つ(110Aと110B)に分割されている点が異なる。また、これに伴い、電動発電機12、リフティングマグネット6、及び旋回用電動機21の接続も実施の形態1とは異なる。さらに、電気負荷としてブーム4のブーム軸に接続される発電機200を備える点が実施の形態1と異なる。その他の構成は実施の形態1のハイブリッド型作業機械に準ずるため、同一の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
DCバス110Aには、インバータ18A、18B、及び18Cを介して電動発電機12、リフティングマグネット6、及び発電機200が接続されている。
また、DCバス110Bには、インバータ20を介して旋回用電動発電機21が接続されている。
発電機200は、図1に示すブーム4のブーム軸に接続されており、ブーム4がブームシリンダ7によって油圧で駆動される際に発電を行うブーム回生用の発電機である。発電された電力は、回生エネルギとしてインバータ18Cを経てDCバス110Aに供給される。
実施の形態2のハイブリッド型建設機械の駆動制御装置では、電動発電機12、リフティングマグネット6、及び発電機200と、旋回用電動機21とは、別々のDCバス110Aと110Bに接続されており、さらに、DCバス110Aとバッテリ19の間には、昇降圧コンバータ100が接続されている。
このため、電動発電機12、リフティングマグネット6、及び発電機200は、DCバス110Aを介して昇降圧コンバータ100との間で電力の授受を行い、旋回用電動機21は、DCバス110Bとの間で電力の授受を行う。
このように、電動発電機12と旋回用電動機21との電力供給系統を分けているのは、電動発電機12、リフティングマグネット6、及び発電機200の供給電圧を一定にして、各駆動部を精度良く制御するためである。
DCバス110Aには、DCバスの電圧値(以下、実施の形態2においてDCバス電圧値と称す)を検出するためのDCバス電圧検出部111がそれぞれ配設されている。検出されるDCバス電圧値は、コントローラ30に入力される。
また、バッテリ19の昇降圧コンバータ100が接続されている側の端子間には、バッテリ電圧値を検出するためのバッテリ電圧検出部112が接続されており、バッテリ19と昇降圧コンバータ100の間には、昇降圧コンバータ100を経てバッテリ19に流れるバッテリ電流値を検出するための電流検出部113が配設されている。これらによって検出されるバッテリ電圧値とコンバータ電流値は、コントローラ30に入力される。
ここで、各検出部について説明する。
DCバス電圧検出部111は、DCバス110Aの電圧値を検出するための電圧検出部である。検出されるDCバス電圧値はコントローラ30に入力され、このDCバス電圧値を一定の範囲内に収めるための昇圧動作と降圧動作の切替制御を行うために用いられる。
バッテリ電圧検出部112は、バッテリ19の電圧値を検出するための電圧検出部であり、バッテリの充電状態を検出するために用いられる。検出されるバッテリ電圧値は、コントローラ30に入力され、昇降圧コンバータ100の昇圧動作と降圧動作の切替制御を行うために用いられる。
電流検出部113は、昇降圧コンバータ100を経てバッテリ19に供給される電流値を検出するための電流検出部である。バッテリ電流値は、バッテリ19から昇降圧コンバータ100に流れる電流を正の値として検出される。検出されるバッテリ電流値は、コントローラ30に入力され、昇降圧コンバータ100の昇降圧制御の応答性の向上のために用いられる。
このような実施の形態2の建設機械は、エンジン11、電動発電機12、リフティングマグネット6、発電機200及び旋回用電動機21を動力源とするハイブリッド型建設機械である。これらの動力源は、図1に示す上部旋回体3に搭載される。以下、実施の形態1と相違する各部の構成について説明する。
インバータ18Aは、電動発電機12と昇降圧コンバータ100との間に設けられ、コントローラ30からの指令に基づき、電動発電機12の運転制御を行う。これにより、インバータ18Aが電動発電機12の電動(アシスト)運転を制御している際には、必要な電力をバッテリ19と昇降圧コンバータ100からDCバス110Aを介して電動発電機12に供給する。また、電動発電機12が発電運転を制御している際には、電動発電機12により発電された電力をDCバス110A及び昇降圧コンバータ100へ供給する。
インバータ18Cは、発電機200と昇降圧コンバータ100との間に設けられ、発電機200の駆動制御を行う。具体的には、ブーム4が上昇又は下降されることによって発電機200が回生運転を行う際には、発電機200により発電された電力をDCバス110A及び昇降圧コンバータ100へ供給する。
バッテリ19は、一端側(図中左側)で昇降圧コンバータ100を介してインバータ18A、18B、及び18Cに接続されるとともに、他端側(図中右側)でインバータ20に接続されている。このため、バッテリ19は、電動発電機12の電動(アシスト)運転、リフティングマグネット6の励磁、又は旋回用電動機21の力行運転が行われる場合には必要な電力を供給する。また、電動発電機12の発電運転、リフティングマグネット6の消磁、発電機200の回生運転、又は旋回用電動機21の回生運転が行われる際には、回生電力を電気エネルギとして蓄積する。
なお、DCバス110Aには、インバータ18A、18B、及び18Cを介して、電動発電機12、リフティングマグネット6、及び発電機200が接続されているため、電動発電機12で発電された電力がリフティングマグネット6に直接的に供給される場合もあり、リフティングマグネット6で回生された電力が電動発電機12に供給される場合もあり、さらに、発電機200で回生された電力が電動発電機12又はリフティングマグネット6に供給される場合もある。
バッテリ19の充放電制御は、バッテリ19の充電状態、電動発電機12の運転状態(電動(アシスト)運転又は発電運転)、リフティングマグネット6の駆動状態、及び、発電機200の発電状態に基づき、昇降圧コンバータ100によって行われる。この昇降圧コンバータ100の昇圧動作と降圧動作の切替制御は、DCバス電圧検出部111によって検出されるDCバス電圧値、バッテリ電圧検出部112によって検出されるバッテリ電圧値、及び電流検出部113によって検出されるバッテリ電流値に基づき、コントローラ30によって行われる。
なお、旋回用電動機21は、DCバス110Bを介してバッテリ19に直接的に接続されているため、DCバス110Bの電圧値はバッテリ19の充電電圧値と等しく、昇降圧コンバータ100の昇降圧制御は、旋回用電動機21の運転状態(力行運転又は回生運転)とは無関係に行われる。
インバータ20は、旋回用電動機21とバッテリ19の間に直接的に設けられ、コントローラ30からの指令に基づき、旋回用電動機21に対して運転制御を行う。インバータが旋回用電動機21の力行運転を制御している際には、必要な電力がバッテリ19から旋回用電動機21に供給される。また、旋回用電動機21の回生運転を制御している際には、旋回用電動機21により発電された電力がDCバス110Bへ供給される。
昇降圧コンバータ100は、一側がDCバス110A及びインバータ18A乃至18Cを介して電動発電機12、リフティングマグネット6、及び発電機200に接続されるとともに、他側がバッテリ19に接続されており、電動発電機12及びリフティングマグネット6の運転状態(駆動状態)と、発電機200の発電状態とに応じて、昇圧動作又は降圧動作を切り替える。
電動発電機12が電動(アシスト)運転を行う場合には、インバータ18Aを介して電動発電機12に電力を供給する必要があるため、DCバス電圧値を昇圧する。また、リフティングマグネット6を駆動する場合にも、インバータ18Bを介してリフティングマグネット6に電力を供給する必要があるため、DCバス電圧値を電動発電機12の回転数に応じて、昇圧する。
一方、電動発電機12が発電運転を行う場合には、発電された電力をインバータ18Aを介してバッテリ19に充電する必要があるため、DCバス電圧値を降圧する。また、リフティングマグネット6が消磁されて回生電力が得られる場合にも、電力をインバータ18Bを介してバッテリ19に充電する必要があるため、DCバス電圧値を降圧する。さらに、発電機200で発電が行われる場合にも、発電された電力をインバータ18Cを介してバッテリ19に充電する必要があるため、DCバス電圧値を降圧する。
このため、昇降圧コンバータ100は、電動発電機12及びリフティングマグネット6の運転状態(駆動状態)と発電機200の発電状態に応じて、DCバス110Aの電圧値が一定の範囲内に収まるように昇圧動作又は降圧動作を切り替える。
このように、DCバスを複数に分けた場合には、複数の駆動部が接続されているDCバスにインバータが接続される。これにより、図6で説明したように、それぞれの駆動部における負荷要求が高くて、インバータ18A、18B、20に通電する電流に対して、バッテリの出力が制限されることで、過剰なバッテリの充放電を防止することができ、異常な発熱を防ぐことができる。これにより、バッテリの寿命を延ばすことができる。
そこで、実施の形態2では、DCバスを2つに分割するとともに、一方のDCバス110Aだけに昇降圧コンバータ100を接続した。DCバスが2つに分割されることにより、実施の形態1のように一つのDCバスにすべての電気負荷を接続する場合よりもDCバスで取り扱う電力が小さくなるので、昇降圧コンバータの容量を小さくすることが可能になる。
また、一方のDCバス110Aには昇降圧コンバータ100が接続されてDCバス電圧値はバッテリ19の電圧値(バッテリ電圧値)及び電流値(バッテリ電流値)を用いて略一定に保持されるため、昇降圧コンバータが接続されないDCバス110Bの電圧値は、DCバス110Aにも昇降圧コンバータが接続されない場合(すなわち2つのDCバス110A及び110Bのいずれにも昇降圧コンバータが接続されない場合)に比べて各段に安定する。
このため、実施の形態2によれば、DCバスを2分割するとともに、その一方だけに昇降圧コンバータ100を接続することにより、動作の安定とコストダウンを両立したハイブリッド型作業機械を提供することができる。
また、このようにDCバス110Aの電圧値が略一定に保持されることにより、DCバス110Aに接続されている電動発電機12、リフティングマグネット6、及び発電機200だけでなく、昇降圧コンバータが配設されていないDCバス110Bに接続されている旋回用電動機21の制御性のばらつきや、過電流によるインバータの損傷等を抑制することができ、また、バッテリ19の損傷を抑制することができる。
また、実施の形態2によれば、リフティングマグネット6が接続されるDCバス110Aとバッテリ19との間に昇降圧コンバータ100を備える。リフティングマグネット6は、重量の嵩む金属製の物品等を電磁吸着力によって吸着させて運搬作業を行うため、昇降圧コンバータ100が接続されるDCバス110Aに接続することにより、安定した電磁吸着力を発生させることができるので、制御性のばらつき抑制や、信頼性の向上を図ることができる。
なお、以上では、DCバス110Aにインバータ18A、18B、及び18Cを介して電動発電機12、リフティングマグネット6、及び発電機200が接続され、DCバス110Bにインバータ20を介して旋回用電動機21が接続される形態について説明したが、作業要素はハイブリッド型作業機械の仕様に応じて変更されてもよい。
例えば、リフティングマグネット6ではなくバケットを備えるハイブリッド型作業機械には、インバータ18B及びリフティングマグネット6は含まれない。また、ブーム軸の代わりに、あるいはブーム軸に加えてアーム軸等に発電機を備える場合は、その発電機がインバータを介してDCバス110Aに接続されてもよい。
また、昇降圧コンバータ100の昇降圧の切り替え制御は、実施の形態1の変形例(図5及び図6)と同様に、電流制御を併せて行ってもよい。
[実施の形態3]
図8は、実施の形態3のハイブリッド型建設機械の構成を表すブロック図である。この図8では、機械的動力系を二重線、高圧油圧ラインを実線、パイロットラインを破線、電気駆動・制御系を実線でそれぞれ示す。
実施の形態3のハイブリッド型作業機械は、実施の形態2のハイブリッド型作業機械とは、DCバスが2つ(110Aと110B)に分割されている点で共通するが、リフティングマグネット6、発電機200、及び昇降圧コンバータ100の接続が実施の形態2とは異なる。また、これに伴い、DCバス電圧検出部111、バッテリ電圧検出部112、及び電流検出部113の接続が実施の形態2と異なる。その他の構成は実施の形態1及び2のハイブリッド型作業機械に準ずるため、同一の構成要素には同一符号を付し、その説明を省略する。
DCバス110Aには、インバータ18Aを介して電動発電機12が接続されている。また、DCバス110Bには、インバータ20A、20B、及び20Cを介して旋回用電動発電機21、発電機200、及びリフティングマグネット6が接続されている。
実施の形態3のハイブリッド型建設機械の駆動制御装置では、電動発電機12と、旋回用電動機21、発電機200、及びリフティングマグネット6とは、別々のDCバス110Aと110Bに接続されており、さらに、DCバス110Bとバッテリ19の間には、昇降圧コンバータ100が接続されている。
このため、電動発電機12は、DCバス110Aを介して昇降圧コンバータ100との間で電力の授受を行い、旋回用電動機21、発電機200、及びリフティングマグネット6は、DCバス110Bを介して昇降圧コンバータ100Bとの間で電力の授受を行う。
このように、電動発電機12と旋回用電動機21との電力供給系統を分けているのは、電動発電機12と旋回用電動機21、発電機200、及びリフティングマグネット6との定格電圧値及び定格電流値が大きく異なるため、別々の電力供給を可能にするためである。
DCバス110Bには、DCバスの電圧値(以下、実施の形態3においてDCバス電圧値と称す)を検出するためのDCバス電圧検出部111が配設されている。検出されるDCバス電圧値は、コントローラ30に入力される。
また、バッテリ19の昇降圧コンバータ100が接続されている側の端子間には、バッテリ電圧値を検出するためのバッテリ電圧検出部112が接続されており、バッテリ19と昇降圧コンバータ100の間には、昇降圧コンバータ100を経てバッテリ19に流れるバッテリ電流値を検出するための電流検出部113が配設されている。これらによって検出されるバッテリ電圧値とコンバータ電流値は、コントローラ30に入力される。
ここで、各検出部について説明する。
DCバス電圧検出部111は、DCバス110Bの電圧値を検出するための電圧検出部である。検出されるDCバス電圧値はコントローラ30に入力され、このDCバス電圧値を一定の範囲内に収めるための昇圧動作と降圧動作の切替制御を行うために用いられる。
バッテリ電圧検出部112は、バッテリ19の電圧値を検出するための電圧検出部であり、バッテリの充電状態を検出するために用いられる。検出されるバッテリ電圧値は、コントローラ30に入力され、昇降圧コンバータ100の昇圧動作と降圧動作の切替制御を行うために用いられる。
電流検出部113は、昇降圧コンバータ100を経てバッテリ19に供給される電流値を検出するための電流検出部である。バッテリ電流値は、バッテリ19から昇降圧コンバータ100に流れる電流を正の値として検出される。検出されるバッテリ電流値は、コントローラ30に入力され、昇降圧コンバータ100の昇圧動作と降圧動作の切替制御を行うために用いられる。
このような実施の形態3の建設機械は、エンジン11、電動発電機12、リフティングマグネット6、発電機200及び旋回用電動機21を動力源とするハイブリッド型建設機械である。これらの動力源は、図1に示す上部旋回体3に搭載される。以下、実施の形態1と相違する各部の構成について説明する。
インバータ18Aは、電動発電機12とDCバス110Aとの間に設けられ、コントローラ30からの指令に基づき、電動発電機12の運転制御を行う。これにより、インバータ18Aが電動発電機12の電動(アシスト)運転を制御している際には、必要な電力がバッテリ19からDCバス110Aを介して電動発電機12に供給される。また、電動発電機12の発電運転を制御している際には、電動発電機12により発電された電力がDCバス110Aへ供給される。
バッテリ19は、一端側(図中左側)でインバータ18Aに接続されるとともに、他端側(図中右側)で昇降圧コンバータ100を介してインバータ20A、20B、20Cに接続されている。このため、バッテリ19は、電動発電機12の電動(アシスト)運転、リフティングマグネット6の励磁、又は旋回用電動機21の力行運転が行われる場合には必要な電力を供給する。また、電動発電機12の発電運転、リフティングマグネット6の消磁、発電機200の回生運転、又は旋回用電動機21の回生運転が行われる際には、回生電力を電気エネルギとして蓄積する。
なお、DCバス110Bには、インバータ20A、20B、及び20Cを介して、旋回用電動機21、リフティングマグネット6、及び発電機200が接続されているため、旋回用電動機21で発電された電力がリフティングマグネット6に直接的に供給される場合もあり、リフティングマグネット6で回生された電力が旋回用電動機21に供給される場合もあり、さらに、発電機200で回生された電力が旋回用電動機21又はリフティングマグネット6に供給される場合もある。
バッテリ19の充放電制御は、バッテリ19の充電状態、旋回用電動機21の運転状態(力行運転又は回生運転)、リフティングマグネット6の駆動状態、及び、発電機200の発電状態に基づき、昇降圧コンバータ100によって行われる。この昇降圧コンバータ100の昇圧動作と降圧動作の切替制御は、DCバス電圧検出部111によって検出されるDCバス電圧値、バッテリ電圧検出部112によって検出されるバッテリ電圧値、及び電流検出部113によって検出されるコンバータ電流値に基づき、コントローラ30によって行われる。
なお、電動発電機12は、DCバス110Aを介してバッテリ19に直接的に接続されているため、DCバス110Aの電圧値はバッテリ19の充電電圧値と等しく、昇降圧コンバータ100の昇降圧制御は、電動発電機12の運転状態(電動運転又は発電運転)とは無関係に行われる。
インバータ20Aは、旋回用電動機21とDCバス110Bの間に設けられ、コントローラ30からの指令に基づき、旋回用電動機21に対して運転制御を行う。インバータが旋回用電動機21の力行運転を制御している際には、必要な電力をバッテリ19からDCバス110Bを介して旋回用電動機21に供給する。また、旋回用電動機21の回生運転を制御している際には、旋回用電動機21により発電された電力をDCバス110B及び昇降圧コンバータ100へ供給する。
インバータ20Bは、リフティングマグネット6とDCバス110Bとの間に設けられ、コントローラ30からの指令に基づき、電磁石をオンにする際には、リフティングマグネット6へ要求された電力をDCバス110Bより供給する。また、電磁石をオフにする場合には、回生された電力をDCバス110B及び昇降圧コンバータ100に供給する。
インバータ20Cは、発電機200とDCバス110Bとの間に設けられ、発電機200の駆動制御を行う。具体的には、ブーム4が上昇又は下降されることによって発電機200が回生運転を行う際には、発電機200により発電された電力をDCバス110B及び昇降圧コンバータ100へ供給する。
昇降圧コンバータ100は、一側がDCバス110B及びインバータ20A乃至20Cを介して旋回用電動機21、リフティングマグネット6、及び発電機200に接続されるとともに、他側がバッテリ19に接続されており、旋回用電動機21及びリフティングマグネット6の運転状態(駆動状態)と、発電機200の発電状態とに応じて、昇圧動作又は降圧動作を切り替える。
旋回用電動機21が力行運転を行う場合には、インバータ20Aを介して旋回用電動機21に電力を供給する必要があるため、DCバス電圧値を昇圧する。また、リフティングマグネット6を駆動する場合にも、インバータ20Bを介してリフティングマグネット6に電力を供給する必要があるため、DCバス電圧値を電動発電機12の回転数に応じて、昇圧する。
一方、旋回用電動機21が回生運転を行う場合には、発電された電力をインバータ20Aを介してバッテリ19に充電する必要があるため、DCバス電圧値を降圧する。また、リフティングマグネット6が消磁されて回生電力が得られる場合にも、電力をインバータ20Bを介してバッテリ19に充電する必要があるため、DCバス電圧値を降圧する。さらに、発電機200で発電が行われる場合にも、発電された電力をインバータ20Cを介してバッテリ19に充電する必要があるため、DCバス電圧値を降圧する。
このため、昇降圧コンバータ100は、旋回用電動機21及びリフティングマグネット6の運転状態(駆動状態)と発電機200の発電状態に応じて、DCバス110Bの電圧値が一定の範囲内に収まるように昇圧動作又は降圧動作を切り替える。
このように、DCバスを複数に分けた場合には、複数の駆動部が接続されているDCバスにインバータが接続される。これにより、図6で説明したように、それぞれの駆動部における負荷要求が高くて、インバータ18A、18B、20に通電する電流に対して、バッテリの出力が制限されることで、過剰なバッテリの充放電を防止することができ、異常な発熱を防ぐことができる。これにより、バッテリの寿命を延ばすことができる。
以上、実施の形態3のハイブリッド型作業機械によれば、DCバスが2つに分割されることにより、実施の形態1のように一つのDCバスにすべての電気負荷を接続する場合よりもDCバスで取り扱う電力が小さくなるので、昇降圧コンバータの容量を小さくすることが可能になる。
また、一方のDCバス110Bには昇降圧コンバータ100が接続されてDCバス電圧値はバッテリ19の電圧値(バッテリ電圧値)及び電流値(バッテリ電流値)を用いて略一定に保持されるため、昇降圧コンバータが接続されないDCバス110Aの電圧値は、DCバス110Bにも昇降圧コンバータが接続されない場合(すなわち2つのDCバス110A及び110Bのいずれにもに昇降圧コンバータが接続されない場合)に比べて各段に安定する。
このため、実施の形態3によれば、DCバスを2分割するとともに、その一方だけに昇降圧コンバータ100を接続することにより、動作の安定とコストダウンを両立したハイブリッド型作業機械を提供することができる。
また、昇降圧コンバータが配設されないDCバス110Aには電圧変動の比較的少ない電動発電機12がインバータ18Aを介して接続されるとともに、電圧変動の大きい旋回用電動発電機21が接続されるDCバス110Bの電圧値は昇降圧コンバータ100によって略一定に保持されることにより、DCバス110Bに接続されている旋回用電動機21、リフティングマグネット6、及び発電機200だけでなく、昇降圧コンバータが配設されないDCバス110Aに接続される電動発電機12の制御性のばらつきや、過電流によるインバータの損傷等を抑制することができ、また、バッテリ19の損傷を抑制することができる。
なお、実施の形態3のハイブリッド型作業機械に用いる昇降圧コンバータの駆動制御装置の制御部は、電子回路又は演算処理装置のいずれでも実現することができる。
また、以上では、DCバス110Aにインバータ18Aを介して電動発電機12が接続され、DCバス110Bにインバータ20A、20B、及び20Cを介して旋回用電動機21、リフティングマグネット6、及び発電機200が接続される形態について説明したが、作業要素はハイブリッド型作業機械の仕様に応じて変更されてもよい。
例えば、リフティングマグネット6ではなくバケットを備えるハイブリッド型作業機械には、インバータ20B及びリフティングマグネット6は含まれない。また、ブーム軸の代わりに、あるいはブーム軸に加えてアーム軸等に発電機を備える場合は、その発電機がインバータを介してDCバス110Bに接続されてもよい。
また、昇降圧コンバータ100の昇降圧の切り替え制御は、実施の形態1の変形例(図5及び図6)と同様に、電流制御を併せて行ってもよい。
また、以上では、PI制御を用いる形態について説明したが、制御方式はPI制御方式に限られるものではなく、ヒステリシス制御、ロバスト制御、適応制御、比例制御、積分制御、ゲインスケジューリング制御、又は、スライディングモード制御であってもよい。
以上では、ハイブリッド型建設機械について説明したが、ハイブリッド型作業機械は、建設機械以外の形態の作業機械であってもよく、例えば、ハイブリッド型の運搬荷役機械(クレーンやフォークリフト)であってもよい。
例えば、図2に示すエンジン11及び電動発電機12をクレーンのエンジン及びアシスト用電動発電機として用い、図2に示す旋回用電動機21をクレーンの荷役作業において部品や貨物等を上昇又は下降させるための動力源に用いればよい。特に、部品や貨物等を上昇又は下降させるための動力源は、ワイヤの巻き取り、又は引出に伴って力行運転(巻き取り時)と回生運転(引出時)を行うため、ハイブリッド型作業機械として上述のハイブリッド型建設機械と同様に実施することができる。
また、フォークリフトの場合も同様に、図2に示すエンジン11及び電動発電機12をフォークリフトのエンジン及びアシスト用電動発電機として用い、図2に示す旋回用電動機21をフォークリフトの荷役作業においてフォークを上昇又は下降させるための動力源に用いればよい。特に、フォークを上昇又は下降させるための動力源は、上下動作に伴って力行運転(巻き取り時)と回生運転(引出時)を行うため、ハイブリッド型作業機械として上述のハイブリッド型建設機械と同様に実施することができる。
以上、本発明の例示的な実施の形態のハイブリッド型作業機械について説明したが、本発明は、具体的に開示された実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。