JP5704507B2 - 濾過膜、膜濾過方法及び膜濾過装置 - Google Patents

濾過膜、膜濾過方法及び膜濾過装置 Download PDF

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本発明は、濾過膜に関する。より具体的には、砂等の濁質成分とともにゼリー状の有機濁質成分を含む被処理水の膜濾過に用いられる濾過膜に関する。本発明は、又、前記濾過膜を用いた膜濾過方法及び膜濾過装置に関する。
海水、排水、バラスト水等に含まれる濁質成分の除去には膜濾過が広く行われている。ここで砂等の無機濁質や変形しにくい有機濁質の除去には、その表面で濁質成分の捕捉を行ういわゆる表面濾過効果を有する濾過膜(以後、表面濾過膜と言う。)を使用することができ、例えば特許文献1等に記載されている。
しかし、海水中にはプランクトンや微生物が細胞外に分泌するTEP(transparent exopolymer particles:透明細胞外高分子粒子)と呼ばれる粘着性物質が0.1ppm〜数ppm程度存在する。TEPの主成分は糖類であり、1〜200μm程度の粒径の変形する粒子である。
TEPのようなゼリー状の濁質成分は変形するため、孔径が1μmを超えるような表面濾過膜では、変形して孔をすり抜けやすく除去が困難である。一方、孔径が小さすぎる表面濾過膜を使用して濾過を行うと、濁質成分が変形し膜表面を広く覆うため一気に目詰まりが生じる。又、濾過膜の表面のみではなく濾過膜の内部の孔内で濁質成分を捕捉するいわゆる体積濾過効果を有する濾過膜(以後、体積濾過膜と言う。)によっても、TEPのような変形する濁質成分は殆ど除去できない。
TEPのような変形する濁質成分の除去は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の微粒子を圧縮成形した後延伸しその後加熱焼結させて、微粒子間に孔を形成してなるPTFE延伸膜により行うことができる。このPTFE延伸膜は、フィブリル構造を有するため膜の孔内で濁質成分を捕捉し、急速な目詰まりを回避しつつ、TEPのような変形する濁質成分を効率的に除去することができる。
特許第4052419号公報
しかしながら、海水等の被処理水中には、TEPのようなゼリー状の濁質成分とともに、砂や変形しにくい有機濁質等も含まれる。PTFE延伸膜により海水等の被処理水の膜濾過を行うと、膜内部にゼリー状の濁質成分を引き込み捕捉するとともに、砂や有機濁質なども膜内部に入り込む。その結果、砂や有機濁質等による孔のファウリングが進行し、濾過効率(濾過流束等)の経時的低下が大きいとの問題があった。
本発明は、砂等の無機濁質や他の有機濁質等とともにTEP等のゼリー状の濁質成分も効率的に捕捉することができる濾過膜であって、ファウリングが生じにくく、濾過能力の経時的低下も小さい濾過膜を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、比較的薄くかつ孔径が小さい表面濾過膜と、比較的厚くかつ孔径が大きいPTFE延伸膜とを、組み合わせてなる濾過膜を用いることにより、海水等の被処理水から、ゼリー状の濁質成分及び砂や有機濁質をともに効率よく除去できること、そして濾過能力の経時的低下も小さいことを見出し、本発明を完成した。
請求項1の発明は、表面濾過効果を有する表面濾過膜及びPTFE延伸膜が一体化されてなり、前記表面濾過膜は、前記PTFE延伸膜より薄くかつ孔径が小さく、濾過水の流れの方向に、表面濾過膜、PTFE延伸膜の順で設けられることを特徴とする濾過膜である。
表面濾過効果とは、濾過膜の表面で孔のサイズにより物質を篩分ける機能である。本発明の濾過膜は、この表面濾過効果を有する分離層と分離層内部でTEPのようなゼリー状の物質を補足する分離層をともに有する単一の濾過膜である。表面濾過膜とPTFE延伸膜が一体化されるとは、表面濾過膜の一表面とPTFE延伸膜の一表面が接合され、表面濾過膜がPTFE延伸膜により支持されていることを意味する。例えば、表面濾過膜とPTFE延伸膜が貼り合わされて接着されている場合である。
この濾過膜は、異なる濾過能力を持つ構造、すなわち表面濾過効果を奏する構造と孔の内部でTEPのようなゼリー状の物質を補足する構造を同時に有しており、濾過水の流れの方向に、表面濾過膜、PTFE延伸膜の順で設けられることを特徴とする。この特徴により、海水等の被処理水から、ゼリー状の濁質成分及び砂や有機濁質をともに効率よく除去でき、その結果濾過能力の経時的低下も小さい。
この点を具体的に説明すると、この濾過膜を用いた膜濾過においては、先ず、表面濾過膜により、被処理水から砂等の無機濁質や変形しにくい有機濁質が除去される。従って、PTFE延伸膜に流れる処理水は、砂や変形しにくい有機濁質が除去されたものである。その結果、砂や変形しにくい有機濁質によるPTFE延伸膜のファウリングが防がれ、濾過能力の経時的低下が抑制される。一方、ゼリー状の濁質成分は変形し易いので表面濾過膜を透過するが、PTFE延伸膜により捕捉される。従って、砂等の無機濁質や変形しにくい有機濁質、及びゼリー状の濁質成分がともに捕捉され、これらを含まない処理水が得られる。
本発明では、表面濾過膜の孔径は、PTFE延伸膜の孔径より小さいことを特徴とする。表面濾過膜の孔径がPTFE延伸膜の孔径より大きいと、表面濾過膜で捕捉されなかった砂等の無機濁質や変形しにくい有機濁質が、PTFE延伸膜で捕捉され、PTFE延伸膜のファウリングを生じる。従って、濾過能力の経時的低下を充分小さくすることができない。
本発明では、表面濾過膜の厚さがPTFE延伸膜の厚さより小さいことを特徴とする。PTFE延伸膜は、TEPのようなゼリー状の濁質成分の除去を充分に行うために必要な厚さを有することが求められる。一方、表面濾過膜は、その表面で濁質成分の除去を行うため、PTFE延伸膜より薄くても濁質成分の除去を充分に行うことができる。しかも、表面濾過膜が厚くなると、濾過抵抗が増大するので好ましくない。そこで、表面濾過膜は、濁質成分の除去を行う表面部分だけからなることが好ましく、PTFE延伸膜より薄いことが求められる。
表面濾過膜による砂等の無機濁質や変形しにくい有機濁質の除去、及び、PTFE延伸膜によるゼリー状の濁質成分の除去は、2段法、すなわち、表面濾過膜とPTFE延伸膜を一体化せずに、表面濾過膜による膜濾過を行った後にPTFE延伸膜による膜濾過を行う方法によっても可能である。しかし、2段法の場合、表面濾過膜には膜濾過の圧力に耐える強度が必要であり、従ってその強度が得られる厚さにする必要がある。しかし、本発明の濾過膜では、表面濾過膜はPTFE延伸膜により支持されているので、表面濾過膜が薄くても濾過膜全体では膜濾過の圧力に耐える強度が得られる。又、表面濾過膜を薄くできるので濾過抵抗を低減することができる。さらに、2段法によると、濾過装置(モジュール)を2つ要するので、システムが複雑化し装置費等の増大や運転の煩雑さを招くが、本発明の濾過膜を用いると、システムが単純となる点でも好ましい。
PTFE延伸膜とは、PTFEの微粒子を融着させ膜状に成形したものを一軸又は二軸に延伸して形成される膜で、延伸の際にPTFE微粒子の結晶から繊維が引き出され、この引き出された繊維とその隙間の空間からなる多孔質構造となり、均一な大きさの孔が形成されフィブリル構造となる。大きい孔径(例えば0.5μm以上の径)を有するPTFE延伸膜では体積濾過効果を示すが、特に、フィブリル構造により、TEP等の変形しやすい濁質成分を、膜の孔内で捕捉する効果を示す。
又、PTFE延伸膜は、製造が容易であり耐薬品性が優れる等の特徴がある。本発明の濾過膜では、表面濾過膜が薄いためその機械的強度はPTFE延伸膜により維持される。PTFE延伸膜としては、ポアフロン等(住友電工ファインポリマー社製)の商品名で市販されているものを用いることができる。
請求項2の発明は、PTFEの延伸膜の孔径が0.5〜5μmであることを特徴とする請求項1に記載の濾過膜である。PTFE延伸膜の孔径は、特に限定されないが、0.5〜5μmの範囲が好ましい。孔径が小さくなると、ファウリングが生じやすくなり濾過能力の経時的低下が大きくなる。一方、孔径が5μmを超えるとTEP等のゼリー状の濁質成分の除去が不十分になる。
前記の範囲の中でも、1〜2μmの範囲が特に好ましい。孔径が1μm以上の場合は、TEP等のゼリー状の濁質成分の除去効率がさらによく、又ファウリングが小さく濾過能力の低下がさらに小さい。従って、濾過膜の洗浄頻度を小さくすることができるので、海水、排水、バラスト水等の処理に用いるときは好適である。又、孔径が2μm以下であれば、TEP等のゼリー状の濁質成分を除去する能力が優れているので、以下に述べるように、PTFE延伸膜を、濾過抵抗に耐えられTEP等のゼリー状の濁質成分を充分除去できる範囲で薄くすることができ濾過抵抗を低減することができる。
PTFE延伸膜には、TEP等のゼリー状の濁質成分を充分除去できる厚さが求められる。ゼリー状の濁質成分は、PTFE延伸膜の内部の孔内で除去されるので、薄すぎる場合は充分除去することができない。さらに、膜濾過の圧力に耐えられる強度が得られない場合がある。一方、PTFE延伸膜が厚い場合は、濾過の際の抵抗が大きくなり充分な濾過流束が得られなくなる傾向がある。従って、PTFE延伸膜の膜厚は、ゼリー状の濁質成分を充分除去できかつ膜濾過の圧力に耐えられる強度が得られる範囲で、薄い方が好ましい。
この好ましい厚さの具体的な値は、PTFE延伸膜の材質や孔径、被処理水中のゼリー状の濁質成分の性状(大きさ等)やその濃度等により変動し、特に限定できないが、孔径が1〜2μm程度の場合は、400〜600μm程度が好ましい。
表面濾過膜は、表面濾過効果が充分得られる厚さであればよい。この具体的な厚さは、表面濾過膜の材質等により変動し、特に限定できないが、孔径0.5μm程度のPVDFからなる表面濾過膜の場合は、10〜100μm程度が好ましい。
請求項3の発明は、表面濾過膜の孔径がPTFE延伸膜の孔径の0.01〜0.9倍であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の濾過膜である。
表面濾過膜の孔径は、PTFE延伸膜の孔径より小さい範囲で、かつ孔径が小さ過ぎてファウリングや濾過抵抗の増大の問題が生じない範囲で、砂等の無機濁質や変形しにくい有機濁質の除去がされるように選択される。従って、その好ましい範囲は、被処理水の種類や濾過膜の性状等により変動し、具体的には限定されないが、PTFE延伸膜の孔径が0.5〜5μmの場合は、表面濾過膜の孔径はPTFE延伸膜の孔径の0.01〜0.9倍の範囲が好ましく、特に好ましくは0.05〜0.5倍の範囲である。
表面濾過膜の孔径がPTFE延伸膜の孔径の0.01倍未満の場合は、濾過抵抗が増し、充分な濾過流束が得られにくくなる。又、TEP等のゼリー状の濁質成分による表面濾過膜のファウリングが生じやすくなる。一方、0.9倍を越えると、砂等の無機濁質や変形しにくい有機濁質によるPTFE延伸膜のファウリングが生じやすくなる。
請求項4の発明は、表面濾過膜が、ポリフッ化ビニリデンを材料とする濾過膜であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の濾過膜である。
表面濾過膜としては、疎水性の高分子材料からなる疎水性の濾過膜、疎水性の濾過膜に親水化加工(高分子中への親水基の導入等)が施された親水性の濾過膜等を挙げることができる。
表面濾過膜を構成する疎水性の高分子材料としては、フッ素樹脂やポリオレフィンを挙げることができる。フッ素樹脂としては、PTFE、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を挙げることができ、ポリオレフィンとしては、ポリエチレンや他のポリ−α−オレフィンを挙げることができる。
これらの中でも、フッ素樹脂又はポリエチレンからなる膜が、耐薬品性や機械的強度に優れているので、本発明における表面濾過膜として好適に用いられる。特に、PVDFは、耐薬品性や機械的強度に優れ、またNIPS法、TIPS法等により薄膜かつち密な層を形成することが容易であるので好ましく用いられる。
前記のように、本発明の濾過膜は、砂等の濁質成分とともにゼリー状の有機濁質成分を含む海水、排水、バラスト水等の膜濾過に好適に用いられる。本発明では前記の濾過膜に加えて、この濾過膜を用いる膜濾過方法及び膜濾過装置を提供する。
すなわち、請求項5の発明は、表面濾過効果を有する表面濾過膜及びPTFE延伸膜が一体化されてなり、前記表面濾過膜は、前記PTFE延伸膜より薄くかつ孔径が小さい濾過膜に、被処理水を、前記表面濾過膜側から通水することを特徴とする膜濾過方法である。
又、請求項6の発明は、表面濾過効果を有する表面濾過膜及び前記表面濾過膜より薄くかつ孔径が小さいPTFE延伸膜が一体化されてなる濾過膜、及び、被処理水を前記表面濾過膜側から通水する手段を有することを特徴とする膜濾過装置である。
本発明の膜濾過方法や膜濾過装置が適用される被処理水としては、海水、排水、バラスト水等を挙げることができるが、これらに限定されない。TEPのようなゼリー状の濁質成分の含量が多い被処理水の場合、本発明の効果が特に奏される。
本発明の膜濾過方法や膜濾過装置では、被処理水が前記表面濾過膜側から通水されることを特徴とする。その結果、被処理水は、先ず表面濾過膜を通過し、被処理水から砂等の無機濁質や変形しにくい有機濁質が除去され、その後、処理水はPTFE延伸膜に流れ、TEP等のゼリー状の濁質成分が捕捉される。その結果、濾過能力の経時的低下が抑制されるとともに、砂等の無機濁質や変形しにくい有機濁質及びゼリー状の濁質成分がいずれも捕捉され、これらを含まない処理水が得られる。
本発明の膜濾過方法は、本発明の濾過膜を使用してモジュールを形成し、そのモジュールに通水して行うことができる。そのモジュールに使用される濾過膜の形態は、特に限定されないが、例えば、中空糸膜やメンブレン等の形態を挙げることができる。モジュールの設置面積に対してより広い膜面積により処理量を増大させるためには中空糸膜が好ましい。従って、本発明の膜濾過装置としては、濾過膜が中空糸膜であって、その中空糸膜を使用するモジュールに被処理水を通水する手段を有する装置が好ましい。
本発明の濾過膜は、砂等の無機濁質や変形しにくい有機濁質等とともにTEP等のゼリー状の濁質成分も効率的に捕捉することができる濾過膜であって、ファウリングが生じにくく、濾過能力の経時的低下も小さい。
本発明の膜濾過の断面を模式的に示した図である。
次に、本発明を実施するための形態を具体的に説明する。なお、本発明はこの形態に限定されるものではなく本発明の趣旨を損なわない限り他の形態へ変更することができる。
図1は、本発明の濾過膜の断面図である。図中、1はPVDF層からなる表面濾過膜であり、2は延伸PTFE(住友電工ファインポリマー社製ポアフロン)からなるPTFE延伸膜である。図中の矢印は被処理液の流れを示す。表面濾過膜1は、PTFE延伸膜2より薄くその孔径も小さい。
表面濾過膜1(PVDF層)は、PTFE延伸膜2(ポアフロン)により支持されているため単独では自立不可能な厚みまで薄くすることができる。濾過膜がPTFE延伸膜2のみからなる場合と比べて、表面PVDF層(表面濾過膜1)が追加された分濾過流束は遅くなるが、表面濾過膜1の孔径をPTFE延伸膜2の孔径の0.01倍以上とし、膜厚を薄くすることで濾過流束の低下を最小限に抑えることができる。ただし、PTFE延伸膜2のファウリングを抑制するため表面濾過膜1の孔径はPTFE延伸膜2の孔径の0.9倍以下である。
この濾過膜は、多孔質のPVDFと延伸PTFEのそれぞれが異なるターゲット濁質を除去する機能分離型の濾過膜である。すなわち、表面濾過膜1(PVDF層)は砂質や有機濁質を除去するが、TEPは自身の形を変えてすり抜けてしまう。すり抜けたTEPを下層のPTFE延伸膜2(ポアフロン)で捕捉する。PVDF膜による濾過を行った後、PTFE延伸膜による濾過を行う2段法(2段濾過)に比べて、PVDF膜を自立させる必要がないので薄くできる、装置が簡単でその操作も容易である等の利点がある。
本発明の濾過膜は、PTFE延伸膜2の上に、表面濾過膜1として用いられるPVDF層を貼り合わせることにより製造することができる。本発明の濾過膜が平膜、中空糸膜のいずれの場合も、NIPS法、TIPS法でPTFE延伸膜2の上にPVDFからなる表面層を形成する方法により貼り合わせを行うことができる。NIPS法に用いられる溶媒としてはDMFやDMSO等を挙げることができる。
PTFE延伸膜2は、例えば次のようにして得ることができる。
PTFEファインパウダーに灯油を20〜30重量部助剤として加えて、容器を回転させる等の方法によりなるべく剪断力を加えないように混合し、ラム押出によってシート状あるいは中空糸状等の所望の形状に成形する。この押出時の加圧、変形の際に加わる剪断力によってファインパウダーの粒子の表面で分子の絡みによる結合が生まれる。
次に該押出品を60〜80℃の熱風循環炉等で助剤が除去されるまで乾燥させ、その後加熱しながら延伸する。延伸は、中空糸状等のチューブ状の場合は、チューブの長さ方向への一軸延伸が通常行われる。
このとき押出で生じたPTFE微粒子間の結合が延伸方向に張力を受けて、PTFE微粒子の結晶から繊維が引き出される。延伸後のPTFE成形品はこの引き出された繊維とその隙間の空間からなる多孔質構造となる。その後、PTFEの融点以上に加熱することで繊維の一部が融けて、延伸と垂直方向に接着して塊状となった結節という構造が生まれ、これが冷えて固定されることで、繊維と結節から構成され全体として力学的強度を持ったPTFE多孔質体(PTFE延伸膜)となる。
1.表面濾過膜
2.PTFE延伸膜

Claims (4)

  1. 表面濾過効果を有する表面濾過膜及びポリテトラフルオロエチレンの延伸膜が一体化されてなり、前記表面濾過膜は、前記ポリテトラフルオロエチレンの延伸膜より薄く、前記ポリテトラフルオロエチレンの延伸膜の厚さが400〜600μmであり、前記表面濾過膜の孔径が、前記ポリテトラフルオロエチレンの延伸膜の孔径の0.01〜0.9倍であり、かつ前記ポリテトラフルオロエチレンの延伸膜の孔径が1〜2μmであり、濾過水の流れの方向に、表面濾過膜、ポリテトラフルオロエチレンの延伸膜の順で設けられること特徴とする濾過膜。
  2. 表面濾過膜が、ポリフッ化ビニリデンを材料とする濾過膜であることを特徴とする請求項1に記載の濾過膜。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の濾過膜に、被処理水を、前記表面濾過膜側から通水することを特徴とする膜濾過方法。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の濾過膜、及び、被処理水を前記表面濾過膜側から通水する手段を有することを特徴とする膜濾過装置。
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