JP5702870B2 - バンドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、溶液製膜の流延支持体に使用され、金属からなるバンドの製造方法に関する。
液晶ディスプレイ(LCD)の大画面化に伴い、LCDに用いる光学フィルムにも大面積化が要求される。光学フィルムは、長尺に製造されてから、LCDに対応するように所定のサイズにカットされる。したがって、より大きな面積の光学フィルムを製造するためには、長尺の光学フィルムを製造するにあたって、幅がより大きくなるように製造する必要がある。
長尺の光学フィルムの代表的な製造方法としては、連続方式の溶液製膜方法がある。溶液製膜方法は、周知のように、ポリマーが溶剤に溶けているドープを、走行する流延支持体の上に流して流延し、流延により膜状になったドープ、すなわち流延膜を流延支持体から剥がして乾燥することによりフィルムを製造する方法である。
流延支持体として用いられるものとしては、金属からなるバンドがある。製造することができるフィルムの幅は、このバンドの幅に制約され、より大きな幅のフィルムを製造するには、より大きな幅のバンドが必要となる。しかし、これまで、幅が2m程度までのバンドしか得られていなかった。
そこで、特許文献1では、幅方向の中央部になる中央バンドと、バンドの各側部になる1対の側部バンドとを、長手方向に溶接することにより、幅が2200mmと従来よりも大きなバンドを得ている。
韓国特許公開公報第2009−0110082号
しかしながら、特許文献1には、側部バンドと中央バンドとの溶接の具体的方法については記載されておらず、得られたバンドは、側部バンドと中央バンドとの溶接部に品質としての問題が残り、溶液製膜の流延支持体として十分なものとはいえない。例えば、このバンドを用いて溶液製膜を実施しても、溶接部上で流延膜が発泡したり、バンドのうち側部バンドから形成された側部領域が反り上がったりして、厚み、特に幅方向での厚みが均一なフィルムを製造することができないという問題がある。厚みが不均一であるフィルムは、光学軸の方向等の光学特性も不均一となってしまう。
そこで、本発明は、従来よりも幅が広いバンドの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、溶液製膜の流延支持体として用いられ、金属製のシート材が環状に連結されたバンドの製造方法において、前記バンドの側部となる側部シート材と、この側部シート材よりも幅が広く、前記バンドの幅方向での中央部となる中央部シート材とを搬送しながら、前記側部シート材の一方の側縁と前記中央部シート材の一方の側縁とが接するように突き合わせる突き合わせ工程と、突き合わせた前記側部シート材と前記中央部シート材とを搬送しながら、チャンバ内で溶接手段により長手方向で溶接する長手溶接工程と、溶接された前記側部シート材と前記中央部シート材との各先端と各後端とを溶接して環状にする環状溶接工程とを有し、前記溶接手段の下流に配され、前記側部シート材の一方の側縁と前記中央部シート材の一方の側縁とが溶接されたシート材を巻き取る巻取装置により、前記長手方向で溶接する溶接位置における前記シート材と前記側部シート材及び前記中央部シート材との張力を制御するようにしたものである。
突き合わされた前記側部シート材と前記中央部シート材とが前記溶接手段により溶接される溶接位置の清浄度を、米国連邦規格FED−STD−209Dでのクラス1000以下にすることが好ましい。
前記チャンバ内の気体を清浄装置により清浄化するのが好ましい。
前記長手溶接工程では、前記溶接手段に対向するように配された支持ローラの周面で前記中央部シート材と前記側部シート材とを支持し、この支持ローラ上で溶接することが好ましい。
前記支持ローラの周面のうち、前記側部シート材の一方の側縁と前記中央部シート材の一方の側縁とが通過する通過領域には、前記中央部シート材及び前記側部シート材よりも熱伝導率が高い素材からなる高熱伝導部が形成されてあることが好ましい。
前記突き合わせ工程では、前記溶接手段の上流に配され、周方向に回転する回転ローラで前記中央部シート材と前記側部シート材とのいずれか一方を接触搬送し、接触搬送されている前記一方が他方に寄るように前記回転ローラの長手方向の向きを制御することが好ましい。
前記突き合わせ工程では、周方向に回転し、一端から他端に向けて径が漸減するように形成され、前記一端が前記中央部シート材の搬送路に向くように前記側部シート材の搬送路に配されたテーパローラにより、前記側部シート材を搬送して前記中央部シート材に寄せることが好ましい。
前記突き合わせ工程では、前記中央部シート材の幅方向に変位する把持手段により、前記側部シート材を把持して前記側部シート材を前記中央部シート材に寄せることが好ましい。
前記支持ローラの長手方向に並ぶように前記支持ローラにそれぞれ対向するように1対のベルトを配し、前記1対のベルトの一方で前記支持ローラ上の前記中央部シート材を押圧し、他方で前記支持ローラ上の前記側部シート材を押圧することにより、前記中央部シート材と前記側部シート材との溶接位置における高さを等しくすることが好ましい。
前記1対のベルトは、前記中央部シート材及び前記側部シート材よりも熱伝導率が高い素材からなる高熱伝導部が形成されてあることが好ましい。
前記溶接手段の上流に配され、前記側部シート材と前記中央部シート材とが互いに接している接触位置を検出する検出手段により、前記支持ローラの長手方向における前記接触位置を検出し、前記側部シート材及び前記中央部シート材の搬送速度と検出した前記接触位置とに基づき、前記溶接手段を前記支持ローラの幅方向に変位させて溶接することが好ましい。
前記長手溶接工程は、前記側部シート材と前記中央部シート材とを連続的に溶接する連続溶接工程と、前記側部シート材と前記中央部シート材とを前記連続溶接工程の前に断続的に溶接する断続溶接工程とを有することが好ましい。
溶接された前記側部シート材と前記中央部シート材との溶接部を加熱手段により加熱して、前記溶接部の応力を除去することが好ましい。
本発明のバンドの製造方法によると、従来よりも幅が広いバンドを製造することができる。
本発明のバンドの製造設備の概略側面図である。 図1のバンド製造設備の概略平面図である。 他の実施態様である溶接ユニットの概略側面図である。 他の実施態様である溶接ユニットの概略平面図である。 図4の(V)−(V)線に沿う一部断面図である。 溶接ビード及びその周辺の説明図である。 テーパローラの概略図である。 クリップの概略図である。 バンドの概略図である。 溶液製膜設備の概略図である。 バンド及び遮風板、ローラの概略図である。
溶液製膜の流延支持体に用いるバンドは、以下のバンド製造設備及び方法により製造することができるが、以下の実施態様は、本発明の一例であり、本発明を限定するものではない。
図1及び図2に示すバンド製造設備10は、流延支持体の各側部になる側部材11と、一方の側部と他方の側部との間の中央部になる中央部材12とから、長尺のバンド部材13を製造する。
側部材11と中央部材12とは、それぞれ金属製のシート材である。側部材11は相対的に幅が狭い幅狭のシート材であり、中央部材12は相対的に幅が広い幅広のシート材である。側部材11及び中央部材12としてはステンレス鋼から形成されたものが好ましい。側部材11と中央部材12とは、互いに同じ素材から形成されることが好ましく、互いに同一の原料及び形成工程を経て形成されることがより好ましい。
中央部材12としては、従来の流延支持体として用いられてきたバンドを用いてよい。中央部材12は、側部材11よりも幅が広く、本実施形態における中央部材12の幅は1500mm以上2100mm以下の範囲で一定とされてあり、側部材11の幅は50mm以上500mm以下の範囲で一定とされてある。
バンド製造設備10は、送出部16と、突き合わせ部17と、溶接ユニット18と、加熱部19と、巻取装置20とを備える。
送出部16は、側部材11を送り出す第1送出装置23と、中央部材12を送り出す第2送出装置24とを有し、側部材11と中央部材12とをそれぞれ独立して突き合わせ部17に送る。第1送出装置23には、ロール状に巻かれた側部材11がセットされ、側部材11を巻き出して突き合わせ部17に送る。第2送出装置24には、ロール状に巻かれた中央部材12がセットされ、中央部材12を巻き出して突き合わせ部17に送る。
突き合わせ部17は、側部材11の側縁11eと中央部材12の側縁12eとが互いに接するように、独立して案内されてくる側部材11と中央部材とを突き合わせる。突き合わせ部17は、中央部材12の搬送路に上流側から順に配される第1ローラ26と第2ローラ27、側部材11の搬送路に配される第3ローラ28、側部材11と中央部材12との両方を支持するように搬送路に配される第4ローラ29を有することが好ましい。
第4ローラ29は、側部材11の一方の側縁と中央部材12の一方の側縁とが接触を開始する突き合わせ位置Pcにおいて、送られてきた側部材11と中央部材12とを支持する突き合わせ支持ローラである。
第2ローラ27と第3ローラ28とは、第4ローラ29の周面で中央部材12と側部材11とが接触するように中央部材12と側部材11との搬送経路をそれぞれ調整する。
第2ローラ27は、中央部材12の搬送経路を調整して、側部材11と溶接されるべき側縁12eの通過経路を、突き合わせ位置Pcに向けて制御する。第2ローラ27には、中央部材12の幅方向Yに変位するためのシフト機構32が備えられる。第2ローラ27と第4ローラ29との間には、中央部材12の各側縁12eのうちの一方の通過位置を検出し、検出した通過位置の信号をコントローラ33に送る位置検出手段34が配される。コントローラ33は、送られてきた通過位置の信号に基づき、幅方向Yにおける第2ローラ27の変位量を求め、変位量の信号をシフト機構32に送る。シフト機構32は、送られてきた変位量の信号に基づき第2ローラ27の傾きや中央部材12の幅方向Yにおける第2ローラ27の位置を変える。このように第2ローラ27の傾きや位置を変えることにより、中央部材12が幅方向Yに変位する。
第1ローラ26には、シフト機構37が設けられていることが好ましい。このシフト機構37により、第1ローラ26は、第2ローラ27に向かう中央部材12を一方の部材面から押す。この第1ローラ26の変位量に応じて、第1ローラ26の中央部材12に対する押し圧が変わり、押し圧を調整することにより、第2ローラ27に巻き掛ける中央部材12の巻き掛け中心角を制御することができる。この巻き掛け中心角の制御により、第2ローラ27による中央部材12の幅方向Yでの変位量をより精緻に制御することができる。
第3ローラ28は、側部材11の搬送経路を調整して、中央部材12と溶接されるべき一方の側縁11eの通過経路を突き合わせ位置Pcに向けて調整する。第3ローラ28には、長手方向の向きを制御するコントローラ38が備えられる。このコントローラ38は、例えば、側部材11と接触している間の接触領域における周方向と中央部材12の搬送方向Xとのなす角θ1が変化するように、第3ローラ28の長手方向を側部材11の部材面に沿って変化させる。
以上のように第1ローラ26〜第3ローラ28により、突き合わせ位置Pcが第4ローラ29上になるように制御することが好ましい。第1ローラ26〜第3ローラ28は、いずれも周方向に回転する駆動ローラであることが好ましい。周方向に回転することにより、第1ローラ26及び第2ローラ27は、中央部材12の搬送手段としても作用し、第3ローラ28は、側部材11の搬送手段としても作用する。第1ローラ26〜第3ローラ28を駆動ローラとすることにより、側部材11と中央部材12との搬送路の制御がより確実になるとともに、側部材11と中央部材12との第1ローラ26〜第3ローラ28上でのスリップを防止して部材面に傷がつくことが防止される。
上記態様では、側部材11と中央部材12との両方の搬送経路を制御して、側部材11と中央部材12とが互いに寄るようにしているが、いずれか一方が他方に寄るように、前記一方の搬送経路のみを制御してもよい。また、第1ローラ26及び第2ローラ27に代えて、第3ローラ28を中央部材12の搬送路に配し、第3ローラ28の長手方向の向きを変えることにより中央部材12の搬送経路を制御してもよい。
突き合わせ位置Pcは、必ずしも第4ローラ29上になる必要はない。例えば、突き合わせ位置Pcは後述の溶接支持ローラ41上になってもよい。突き合わせ位置Pcを溶接支持ローラ41上にする場合には、溶接する溶接位置Pwよりも溶接支持ローラ41の回転方向での上流側が突き合わせ位置Pcになるように、溶接支持ローラ41に対する側部材11と中央部材12との巻き掛け中心角をより大きくするとよい。
溶接ユニット18は、互いの側縁11e,12eが接触した状態で突き合わせ部17から供給される側部材11と中央部材12とを溶接する。突き合わせ部17から連続的に供給されることにより、側部材11と中央部材12とを長手方向で溶接する長手溶接工程を行うことができる。溶接ユニット18は、溶接装置42を備える。溶接装置42としては、例えば、レーザ溶接装置が挙げられる。レーザ溶接装置としては、例えば、COレーザ溶接装置や、YAGレーザ溶接装置を用いることができる。本実施態様では、COレーザ溶接装置を溶接装置42として用いた場合を説明する。
溶接装置42は、集光したレーザ光を射出して、照射対象としての側部材11及び中央部材12にレーザ光を照射することにより、側部材11と中央部材12とを溶融して接合する。溶接装置42は、図1に示すように、レーザ発振器43と、このレーザ発振器43から案内されてきたレーザ光を集光して射出する溶接装置本体46と、レーザ光を照射するにあたりCOガスを供給するガス供給部(図示無し)とを備える。COガスは、側部材11と中央部材12との酸化を防止する。なお、図2においては、図の煩雑化を避けるためにレーザ発振器43の図示は略してある。
レーザ溶接装置に代えてTIG溶接(Tungsten Inert Gas welding)装置を用いてもよい。TIG溶接とは、周知のように、アークを熱源とする溶接アーク溶接のひとつであり、シールドガスとしてイナートガス(不活性ガス)を用い、電極にはタングステンあるいはタングステン合金を用いるイナートガスアーク溶接の一種である。TIG溶接よりもレーザ溶接の方がより好ましい。また、TIG溶接とレーザ溶接とを組み合わせたハイブリッド溶接としてもよい。
溶接装置本体46のレーザ光の射出口に対向するように、側部材11と中央部材12との搬送路には側部材11と中央部材12とを周面で支持する溶接支持ローラ41が備えてある。溶接支持ローラ41は、側部材11と中央部材12との幅方向Yに長手方向が一致するように配される。溶接支持ローラ41の周面で支持されている間の側部材11と中央部材12とにレーザ光が照射されるように、溶接支持ローラ41による側部材11と中央部材12との支持位置を設定することが好ましい。すなわち、溶接支持ローラ41上で、溶接をすることが好ましい。これにより、互いに側縁11e,12eが接した状態で側部材11と中央部材12とが安定し、照射すべき箇所にレーザ光を確実に照射することができる。
溶接装置本体46には、幅方向Yに変位するためのシフト機構50が備えられることが好ましい。溶接装置42の上流には、側部材11の側縁11eと中央部材12の側縁12eとが接している接触位置Ps(図5参照)を検出し、検出した接触位置Ps(図5参照)の信号をコントローラ51に送る位置検出手段47が設けてある。位置検出手段47は、突き合わせ位置Pcから溶接装置42に至る搬送路近傍に配されてあればよい。
コントローラ51は、送られてきた接触位置Ps(図5参照)の信号に基づき、幅方向Yにおける溶接装置本体46の変位量を求め、変位量の信号をシフト機構50に送る。コントローラ51は、側部材11と中央部材12との搬送速度の信号が入力されると、溶接装置本体46を変位させるべき変位量の信号とともに変位させるタイミングの信号とをシフト機構50に送る。シフト機構50は、送られてきた変位量及び変位のタイミングの信号に基づき、溶接装置本体46の位置を所定のタイミングで変える。このように溶接装置本体46の位置を幅方向Yで変えることにより、レーザ光の照射位置をより精緻に制御して、より確実に、側部材11と中央部材12とが溶接される。なお、本実施形態における溶接装置42への側部材11と中央部材12との搬送速度は0.15m/分以上20m/分以下の範囲としてある。
溶接ユニット18には、図1に示すように、溶接装置本体46と溶接支持ローラ41とを外部空間と仕切るチャンバ52と、気体を清浄化する清浄装置55とを設けることがより好ましい。なお、図2においては、図の煩雑化を避けるためにチャンバ52と清浄装置55との図示は略してある。チャンバ52には、内部気体を外部に出す第1開口(図示無し)と、清浄装置55で清浄化された気体を内部に案内する第2開口(図示無し)とが設けられる。第1開口と第2開口とは、それぞれ清浄装置55に接続する。チャンバ52の内部気体は、第1開口から清浄装置55に案内され、清浄装置55はチャンバ52から案内されてきた気体を清浄化して第2開口を介してチャンバ52に送る。このように、チャンバ52の内部気体は、清浄装置55との間で循環される。
チャンバ52の内部気体を清浄化しておくことにより、溶接位置Pw及びその周辺が清浄化され、溶接部13wに異物等が混入されてしまうことが防止される。なお、チャンバ52の内部の圧力が、外部空間の圧力よりも高く保持することにより、チャンバ52の内部を清浄化した状態により確実に保持することができる。また、溶接位置Pwを、送出部16、突き合わせ部17、加熱部19、巻取装置20に対して相対的に高い位置にすることにより、これらから異物が案内されることをより防止することができる。
チャンバ52の内部の清浄度は、例えば、米国連邦規格FED−STD−209Dでのクラス1000以下とすることが好ましく、クラス100以下にすることがより好ましい。
溶接ユニット18の下流には、加熱部19を設けることが好ましい。加熱部19は、溶接により得られたバンド部材13の溶接部13wを一定の温度範囲になるように加熱するものであれば特に限定されない。溶接部13w及びその周辺には、溶接によるひずみとしての応力が内部に残っていることがあり、溶接部13wを加熱部19により加熱することにより応力を除去することができる。応力を除去することにより、溶液製膜での連続使用において変形してしまうことを防止することがより確実になる。
加熱部19の加熱による溶接部13wの温度は、応力が除去される温度であれば特に限定されないが、例えばバンド部材13がステンレス鋼からなる場合には、溶接部13wの温度が好ましくは100℃以上200℃以下の範囲、より好ましくは120℃以上180℃以下の範囲となるように、加熱することが好ましい。
加熱部19としては、例えば、送風手段がある。加熱部19としての送風手段は、図1に示すように、一定の温度の気体を吹き出すダクト56と、気体の温度を制御した上でこの気体をダクト56に送り込む送風機57とがある。なお、図2においては、図の煩雑化を避けるためにダクト56と送風機57との図示は略してある。
加熱部19は、バンド部材13の搬送路に関し、図1のように溶接支持ローラ41とは反対側に設けてもよいし、溶接支持ローラ41と同じ側に設けてもよい。
応力を除去されたバンド部材13は、加熱部19の下流の巻取装置20に送られ、ロール状に巻き取られる。巻取装置20には、バンド部材13を巻き取る巻き芯がセットされ、この巻き芯を周方向に回転させる駆動手段が設けられている。
巻取装置20は、溶接位置Pwにおけるバンド部材13と側部材11及び中央部材12との張力を制御する溶接張力制御手段としても作用する。そこで、溶接位置Pwにおけるバンド部材13と側部材11及び中央部材12との張力が一定に保持されるように、巻取装置20のトルクを制御することが好ましい。これにより、溶接部13wの態様が長手方向により均一なバンド部材13を得ることができる。
溶接を開始する場合には、上記巻取装置20を用いて、例えば以下のようにすると好ましい。まず、送出部16から巻取装置20に至る搬送路に側部材11と中央部材12とをセットし、側部材11と中央部材12との各先端を巻取装置20の巻き芯に巻き掛ける。側部材11と中央部材12との巻取を開始する。巻取を開始して、側部材11と中央部材12との搬送の経路を制御して突き合わせ位置Pcを所定位置に保持する。側部材11と中央部材12との突き合わせ位置Pcが一定に保持されるようになった後に、溶接装置42により溶接を開始する。
溶接は、側部材11と中央部材12とバンド部材13とのずれを抑止しながら実施することが好ましい。例えば、溶接ユニット18に代えて、押圧装置を備える図3及び図4に示すような溶接ユニット61を用いてもよい。溶接ユニット61は、図1及び図2に示す溶接ユニット18に、押圧装置62をさらに備えたものであり、シフト機構50、コントローラ51、チャンバ52、清浄装置55を溶接ユニット18と同様に備えるが、図示の煩雑化を避けるため図3及ぶ図4ではこれらの図示を略してある。また、図1及び図2と同じ装置、部材については図1及び図2と同じ符号を付し、説明を略す。なお、溶接ユニット61では、チャンバ52は、押圧装置62と溶接支持ローラ41とを外部空間と仕切るように囲む。
押圧装置62は、溶接位置Pwにおける側部材11と中央部材12とバンド部材13とのずれを抑止するものであり、第1ベルト63及び第2ベルト64とからなる1対のベルトにより、溶接支持ローラ41上の側部材11と中央部材12とバンド部材13とを押さえる。
第1ベルト63と第2ベルト64とは、環状に形成された無端のベルトである。第1ベルト63と第2ベルト64とは、第5ローラ67〜第7ローラ69の周面に、第5ローラ67〜第7ローラ69の各長手方向に並ぶように巻き掛けられる。第5ローラ67〜第7ローラ69のうち少なくともいずれかひとつのローラは、周方向に回転する駆動ローラとされる。この駆動ローラの回転によって、第1ベルト63と第2ベルト64とは、互いに平行な搬送路を保持しながら、搬送される。
第5ローラ67〜第7ローラ69は、各長手方向が溶接支持ローラ41の長手方向に一致するように配される。
第5ローラ67〜第7ローラ69は、側部材11と中央部材12との搬送路に関し、第4ローラ29と溶接支持ローラ41とが配されてある側とは反対側の領域に配される。第5ローラ67は、第4ローラ29から溶接支持ローラ41へ向かう側部材11と中央部材12との搬送路に対向するように設けられる。第6ローラ68は、溶接支持ローラ41から加熱部19に向かう側部材11と中央部材12との搬送路に対向するように設けられる。第7ローラ69は、第6ローラ68から第5ローラ67へ向かう第1ベルト63と第2ベルト64との搬送路を決定するように、適宜配される。
第5ローラ67と第6ローラ68とは、第5ローラ67から第6ローラ68に向かう第1ベルト63と第2ベルト64とが、溶接支持ローラ41上の側部材11と中央部材12とバンド部材13とを押圧するように搬送されるように配される。例えば、溶接支持ローラ41上の側部材11と中央部材12とを上方から溶接する場合には、第5ローラ67と第6ローラ68とは、これらの各下端が、溶接支持ローラ41の上端よりも低い位置となるように配される。
第5ローラ67と第6ローラ68とは、第1ベルト63の搬送路が側部材11と側部材11から形成されるバンド部材13の側部13sとの搬送路と対向するように、また、第2ベルト64の搬送路が中央部材12と中央部材12から形成されるバンド部材13の中央部13cとの搬送路に対向するように、設けられる。これにより、第1ベルト63は側部材11と側部13eとを、第2ベルト64は中央部材12と中央部13cとを、それぞれ溶接支持ローラ41に押圧する。
以上のように、第1ベルト63と第2ベルト64とは、それぞれ溶接支持ローラ41にそれぞれ対向して設けられ、溶接位置Pwにおける側部材11と中央部材12との高さが等しくなるように押圧する。側部材11と中央部材12との高さとは、各部材11,12の露出面の高さである。このように高さが等しくなるように側部材11と中央部材12とを押さえ、この状態で溶接を実施することにより、溶接部13wの態様が長手方向でより均一になるとともに、溶接をより確実に行うことができる。
図5及び図6を参照しながら、長手溶接工程についてさらに詳細に説明する。第1ベルト63と第2ベルト64とは、互いに間隔をもって搬送される。第1ベルトと第2ベルト64とは、溶接位置Pwが第1ベルト63と第2ベルト64との隙間を通過するように搬送路が設定される。これにより、側部材11の側縁11eと中央部材12の側縁12eとが接している接触位置Psは、図5に示すように第1ベルト63と第2ベルト64との隙間を通過し、第1ベルト63と第2ベルト64との間で溶接される。なお、図5においては溶接装置本体46の図示を略してある。
第1ベルト63と第2ベルト64との間隔D1は、6mm以上12mm以下の範囲とすることが好ましい。側部材11と中央部材12との幅方向Yにおける断面において、接触位置Psと第1ベルト63との距離D2、及び、接触位置Psと第2ベルト64との距離D3は、それぞれ3mm以上6mm未満の範囲とすることが好ましい。
押圧装置62に代えて、長手方向が溶接支持ローラ41の長手方向に一致するように、溶接装置本体46の上流と下流とにそれぞれローラ(図示無し)を配してもよい。この場合には、上流の一方のローラで側部材11と中央部材12と押さえ、下流の他方でバンド部材13を押さえることにより、溶接位置Pwにおける側部材11と中央部材12とを押圧することができる。
図6に示すように、接触位置Ps及びこの周辺には溶接装置42の熱により溶解されて溶接ビード72が形成される。この溶接ビード72から両側に熱が伝わり、側部材11と中央部材12とのそれぞれに溶接での熱の影響を受ける熱影響領域が生じる。この熱影響領域は、熱影響をうけない他の領域とは異なる性状をただちに示したり、経時的に示すようになったりすることがある。例えば、このように熱影響が幅広く生じたものを流延支持体として用いると、溶液製膜を連続して実施しているうちに変形したり、流延膜が発泡することがある。
そこで、図5に示すように、溶接支持ローラ41の周面のうち、接触位置Psが通過する通過領域には、側部材11及び中央部材12よりも熱伝導率が高い素材からなる高熱伝導部71が形成されていることが好ましい。これにより、溶接装置42(図3、図4参照)からの熱をよりはやく拡散させることができる。熱をよりはやく溶接支持ローラ41側で拡散させるために、側部材11と中央部材12との熱影響領域73の幅をより小さくしたり熱影響領域73の深さも浅くすることができる。
高熱伝導部71とされる通過領域の幅D4は26mm以上32mm以下の範囲であることが好ましい。
さらに、第1ベルト63及び第2ベルト64の両面にも、側部材11及び中央部材12よりも熱伝導率が高い素材からなる高熱伝導部が形成されていることがより好ましい。これにより、熱影響領域73の幅をより小さくしたり、深さをより浅くすることができる。
側部材11の側縁11eと中央部材12の側縁12eとは、溶接位置Pwにおいて隙間が0(ゼロ)になるように密着した状態であることが好ましい。そこで、側部材11と中央部材12とは、各側縁11e及び12eを突き合わせたときに隙間が生じないような形状に予め形成されてあることが好ましい。これにより、溶接部に空隙がないバンド部材をより確実に製造することができる。
上記の長手溶接工程は、側部材11と中央部材12との長手方向に連続して溶接を実施する連続溶接工程のみであってもよいし、これに加えて、断続的に溶接を実施する断続溶接工程を実施してもよい。断続的に溶接すると、溶接装置42に連続的に送られてくる側部材11と中央部材12とは、間欠的に溶接される。このような断続溶接工程は、連続溶接工程の前に実施するとよい。この場合には、断続溶接工程で、まず、側部材11と中央部材12とを仮接合し、その後、連続溶接工程で長手方向全域に亘り接合するとよい。
断続溶接工程で仮接合し、その後連続溶接工程で接合を実施する場合には、突き合わせ部17(図1,図2参照)から溶接ユニット18に側部材11と中央部材12とを案内して断続的に溶接する。なお、側部材11と中央部材12とに、後の流延支持体として用いる際の流延面に対応する表面と、非流延面に対応する裏面とを設定してある場合には、断続溶接工程での溶接は、裏面に対して実施することが好ましい。そこで、裏面が溶接装置本体46(図1参照)に対向して通過するように、側部材11と中央部材12とを搬送する。
断続溶接を実施した後に、巻取装置20に案内して巻き取る。なお、巻取前に溶接部に対して加熱部19により加熱してもよい。断続溶接工程を経て巻き取られた側部材11と中央部材12とからなる仮接合部材(図示無し)を、送出装置(図示無し)により巻きだして溶接ユニット18に再び送る。この送り出しは、仮溶接部材の表面が溶接装置本体46(図1参照)に対向して通過するように行う。溶接ユニット18では連続溶接を行い、バンド部材13を得る。なお、この方法に代えて、ふたつの溶接ユニット18を相対的に上流と下流とに並べて配し、上流の一方の溶接ユニット18で断続溶接を実施し、下流の他方の溶接ユニット18で連続溶接を実施してもよい。
溶接を行うと溶接ビード72は側部材11と中央部材12とよりも盛り上がって形成される場合がある。そこで、以上のように一方の面を長手方向で溶接する第1工程と他方の面を長手方向で溶接する第2工程とを実施する場合において用いる溶接支持ローラ41には、図5に示すように、接触位置Psが通過する通過領域に、溝76が形成されてあることが好ましい。第1工程で盛り上がった溶接ビード72から形成された溶接部が、この溝76を通過するように、側部材11と中央部材12とを搬送して第2工程を実施するとよい。これにより、より平滑で、残留応力がより少ないバンド部材13を得ることができる。したがって、溶液製膜で用いても流延支持体としてのバンドに変形や、性状の変化がより少なく、流延膜が発泡せず、厚みのむらがないフィルムをより確実に製造することができる。
溝76の幅D5は、6mm以上12mm以下の範囲であることが好ましく、溝の深さD6は、1mm程度でよい。
以上の実施形態では突き合わせ部17における側部材11の搬送経路を調整する手段として第3ローラ28を用いるが、第3ローラ28に代えて、図7に示すようなテーパローラ81を用いてもよい。テーパローラ81は、一端から他端に向けて径dが連続的に漸減するように形成された断面円形のローラである。径dは、一端から他端に向けて一定の割合で連続的に漸減する。径dが大きい一端を中央部材12の搬送路に向け、径dが小さい他端を中央部材12とは反対側に向くように、テーパローラを配する。
搬送されている側部材11は、このテーパローラ81に接触することにより、搬送の経路を中央部材12に向かう矢線Aの方向に変え、中央部材12に寄るようになる。これにより、突き合わせ位置Pc(図1、図2参照)に向けて側部材11は確実に搬送される。
テーパローラ81には、周方向に回転する駆動手段82が備えられていることが好ましい。回転軸は、一端面の中央と他端面の中央とを挿通して形成されてある。駆動手段82で回転するテーパローラ81により側部材11を搬送することにより、側部材はより効果的に中央部材12に寄るようになる。
第3ローラ28に代えて、図8に示すような把持手段としてのクリップ85を用いてもよい。クリップ85は、コの字状に開いたクリップ本体86と、クリップ本体86の各先端部に設けられた1対の狭持ピン87とを備え、側部材11を狭持して把持する。狭持ピン87は、側部材11を狭持する狭持位置と、狭持位置から退避する退避位置との間で移動自在に設けられる。クリップ85は、移動機構88を備え、把持を開始する把持開始位置と、把持を解除する把持解除位置との間で移動自在とされる。また、クリップ85は、幅方向Yにも移動自在とされる。
クリップ85は、把持開始位置で狭持ピン87が狭持位置に移動することにより側部材11を把持する。クリップ85は、側部材11を把持した状態で中央部材12に向かう方向Aに寄せつつ、下流へと搬送する。
テーパローラ81とクリップ85とは、側部材11を中央部材12へ寄せるために用いる他に、中央部材12を側部材11に寄せるために用いてもよい。この場合には、テーパローラ81、クリップ85で中央部材12を支持あるいは搬送するとよい。
上記の実施形態では、中央部材12に両側部材11を同時に溶接しているが、一方の側部材11を中央部材12に溶接した後に、他方の側部材11を中央部材12に溶接してもよい。
図9に示すように、流延支持体として用いるバンド91は、環状にされた無端のバンドである。そこで、得られたバンド部材13を、所定の長さにカットし、所定の長さにカットしたバンド部材13の、長手方向における先端と先端とを溶接してバンド91を製造する。なお、あらかじめ所定の長さにカットされた側部材11と中央部材12とからバンド部材を形成した場合には、カットの工程は必ずしも行わなくてよい。
バンド部材13は、幅方向Yと交差する方向でカットすることが好ましい。カットの方向は、幅方向Yとなす角が概ね5°以上15°以下の範囲となるようにカットすることがより好ましい。このようにカットしたバンド部材13の長手方向における先端と先端とを溶接した溶接部91wと、幅方向Yとのなす角θ2は、概ね5°以上15°以下の範囲となる。このように長尺のバンド部材13を環状にする環状溶接工程では、長手溶接工程で用いた溶接装置42を用いてもよいし、公知の他の溶接装置を用いてもよい。
溶接により製造されたバンド91は、側部材11(図1〜図8参照)から形成された側部91sと、中央部材12(図1〜図8参照)から形成された中央部91cとからなる。このように得られるバンド91の幅は、2000mm以上3000mm以下の範囲である。
得られたバンド91は、表面を研磨して鏡面にした後、溶液製膜設備に用いる。バンド91を用いてフィルムを製造する方法について以下に説明する。ポリマーの種類は特に限定されず、溶液製膜でフィルムにすることができる公知のポリマーを用いてよい。以下の実施形態では、ポリマーとしてセルロースアシレートを用いた場合を例にして説明する。
図10及び図11に示すように、溶液製膜設備110は、セルロースアシレート111が溶剤112に溶解したドープ113からセルロースアシレートフィルム(以降、単に「フィルム」と称する)116を形成するフィルム形成装置117と、フィルム116の各側部を切除する第1スリッタ118と、フィルム116の各側部を保持手段119で保持しながら乾燥をすすめる第1テンタ120と、フィルム116を複数のローラ156で支持しながら乾燥するローラ乾燥装置124と、フィルム116の各側部を保持手段で保持し、フィルム116に対して幅方向での張力をフィルム116に付与する第2テンタ125と、第2テンタ125の保持手段により保持された各側部の保持跡を切除する第2スリッタ126と、フィルム116を巻き芯に巻いてロール状にする巻取装置127とを、上流側から順に備える。図11においては、図の煩雑化を避けるためダクト141の図示は略してある。なお、本明細書においては、溶剤含有率(単位;%)は乾量基準の値であり、具体的には、溶剤の質量をx、フィルム116の質量をyとするときに、{x/(y−x)}×100で求める値である。
フィルム形成装置117は、周方向に回転する1対のローラ131、132を備える。ローラ131とローラ132との周面には、バンド91が巻き掛けられる。ローラ131,132の少なくともいずれか一方が、駆動手段を有する駆動ローラであればよい。この駆動ローラが周方向に回転することにより、周面に接するバンド91が搬送される。
バンド91の上方にはドープ113を流出する流延ダイ133が備えられる。搬送されているバンド91に流延ダイ133からドープ113を連続的に流出することにより、ドープ113はバンド91上で流延されて流延膜136が形成される。流延ダイ133は、一方のローラ131上にあるバンド91の上方に設けてもよいし、一方のローラ131から他方のローラ132に向かうバンド91の上方に設けてもよい。後者の場合には、一方のローラ131と他方のローラ132との間にローラ(図示無し)を配し、このローラによりバンド91を支持してもよい。
なお、ダイ31からバンド91に至るドープ113、いわゆるビードに関して、バンド91の走行方向における上流には、減圧チャンバが設けられるが図示は略す。この減圧チャンバは、流出したドープ113の上流側エリアの雰囲気を吸引して前記エリアを減圧する。
流延膜136を、第1テンタ120への搬送が可能な程度にまで固くしてから、溶剤を含む状態でバンド91から剥がす。剥ぎ取りの際には、フィルム116を剥ぎ取り用のローラ(以下、剥取ローラと称する)137で支持し、流延膜136がバンド91から剥がれる剥取位置を一定に保持する。剥取ローラ137は、駆動手段を備え周方向に回転する駆動ローラであってもよい。
フィルム形成装置117には、バンド91の走行路に沿って上流側から順に、乾燥した気体を流延膜136に向けて送り出す第1ダクト141、第2ダクト142、第3ダクト143の3つのダクトが設けられる。ただし、ダクトの数は3に限定されない。
第1ダクト〜第3ダクト141〜143には、乾燥した気体を流出する流出口(図示せず)がバンド91の走行路に対向してそれぞれ複数形成される。各流出口は、バンド91の幅方向に延びたスリット形状としてある。しかし、流出口の形状はこれに限定されない。
第1ダクト〜第3ダクト141〜143は、それぞれ送風機(図示せず)に接続し、送風機から供給された気体を流出口から流出する。送風機には、第1ダクト〜第3ダクト141〜143のそれぞれへ供給する気体の温度、湿度、流量を独立して制御する送風コントローラ(図示せず)が接続する。第1ダクト〜第3ダクト141〜143による気体の流出により、流延膜136の乾燥をすすめる。
第1〜第3ダクト141〜143からの気体は、加熱された温風であり、この温風により流延膜136を加熱する。流延膜136の温度は、この温風の温度及び流量の制御と、ローラ131,132の後述の温度制御とにより、調整される。
ローラ131,132には、周面温度を所定の温度に制御する第1コントローラ(図示せず)及び第2コントローラ(図示せず)がそれぞれ備えられる。
流延膜136を乾燥するために、本実施形態では、第1〜第3ダクト141〜143を含む乾燥手段を用いる。しかし、乾燥手段はこれに限定されず、流延膜136の性状及びその経時変化に応じて他の乾燥手段を用いてもよい。他の乾燥手段としては、例えば、凝縮器を含む乾燥手段があり、これを第1〜第3ダクト141〜143を含む乾燥手段に代えて、または加えてもよい。
第1ダクト141には、流延膜136の側部に対向するように、バンド91の長手方向に延びた一対の遮風板146が起立した姿勢で設けられてある。遮風板146は、バンド91の溶接部91wよりも、バンド91の幅方向の外側に配されてある。遮風板146を、バンドの側部91sに対向するように配することにより、溶接部91wは遮風板146よりもバンド91の幅方向における内側になる。これにより、第1ダクト141からの乾燥気体がバンド91の側部91s上に流れることを遮り、これにより乾燥気体の熱による側部91sの変形が防止される。例えば、側部91sがローラ131,132から浮くように変形することを抑止する。
なお、1対の遮風板146は、第2ダクト142と第3ダクト143にも設けられていてよい。
ドープ113がバンド91に接触し始める接触開始位置は、流延膜136が形成し始める位置である。この接触開始位置の上流の側部には、1対のローラ147が配される。1対のローラ147は、それぞれバンドの側部91sに対向し、長手方向がバンド91の幅方向に一致するように配される。また、接触開始位置の下流の側部にも、同様に1対のローラ147が配される。これらのローラ147により側部91sを押圧して、側部91sの浮き上がりをより確実に防止することができる。
ローラ147は、駆動手段により回転する駆動ローラであることが好ましい。バンド91の搬送速度と同じ速度で周回させることにより、バンド91とローラ147との接触による側部91sの摩擦熱の発生を抑止することができ、側部91sの変形をより確実に防止することができる。
本実施形態では、接触位置の上流と下流との両方に1対のローラ147を配してあるが、上流と下流とのいずれか一方でもよい。
流延ダイ133のスリット状である流出口133aの長さがバンド91の中央部91cの幅よりも長く、流延膜136が側部91s上にも形成されてよい。溶接部91w及び側部91s上に形成された流延膜136の側部は、第1スリッタ118または第2スリッタ126により切除することができるからである。なお、切除しなくても本発明により製造したバンド91を用いると、溶接部91w及び側部91s上で流延膜136が発泡することが抑止されているので、必ずしも第1スリッタ118または第2スリッタ126により切除しなくてよい。ただし、溶接部91w及び側部91s上で形成された流延膜136の側部は、バンド91から剥ぎ取られた後に、第1テンタ120の上流の第1スリッタ118で切除しておくことが好ましい。
フィルム形成装置117と第1テンタ120との間の搬送路には、送風装置(図示無し)を配してもよい。この送風装置からの送風により、フィルム116の乾燥をすすめる。
流延膜136は、剥取ローラ137で剥ぎ取られる。剥ぎ取られた流延膜136、すなわちフィルム116は、第1テンタ120に案内される。第1テンタ120の保持手段119は、クリップとしてある。
第1テンタ120は、フィルム116を保持手段119で保持して長手方向(以下、方向Aと称する)に搬送しながら、幅方向(以下、方向Bと称する)への張力を付与し、フィルム116の幅を拡げる。第1テンタ120には、上流側から順に、予熱エリア、延伸エリア、及び緩和エリアが形成されてある。なお、緩和エリアは無くてもよい。
第1テンタ120は、1対のレール(図示無し)及びチェーン(図示無し)を備える。レールはフィルム116の搬送路の両側に設置され1対のレールは所定の間隔で離間して配される。このレール間隔は、予熱エリアでは一定であり、延伸エリアでは下流に向かうに従って次第に広くなり、緩和エリアでは一定である。なお、緩和エリアのレール間隔は、下流に向かうに従って次第に狭くなるようにしてもよい。
チェーンは、原動スプロケット及び従動スプロケット(図示無し)に掛け渡され、レールに沿って移動自在に取り付けられている。複数の保持手段119は、チェーンに所定の間隔で取り付けられている。原動スプロケットの回転により、保持手段119はレールに沿って循環移動する。
保持手段119は、第1テンタ120の入口近傍で、案内されてきたフィルム116の保持を開始し、出口に向かって移動して、出口近傍で保持を解除する。保持を解除した保持手段119は再び入口近傍に移動して、新たに案内されてきたフィルム116を保持する。
予熱エリア、延伸エリア、緩和エリアは、ダクト151からの乾燥風の送り出しによって空間として形成されたものであり、明確な境界があるわけではない。ダクト151はフィルム116の搬送路の上方に設けられる。ダクト151は、乾燥風を送り出すスリットを有し、送風機(図示無し)から供給される。送風機は、所定の温度や湿度に調整した乾燥風をダクト151に送る。スリットがフィルム116の搬送路と対向するようにダクト151は配される。各スリットはフィルム116の幅方向に長く伸びた形状であり、搬送方向で互いに所定の間隔をもって形成されている。なお、同様の構造を有するダクトを、フィルム116の搬送路の下方に設けてもよいし、フィルム116の搬送路の上方と下方との両方に設けてもよい。
この第1テンタ120で、フィルムは搬送されながら、ダクト151からの乾燥風により乾燥をすすめられるとともに、保持手段119により幅を所定のタイミングで変えられる。
延伸エリアにおけるフィルム116の溶剤含有率は、2質量%以上250質量%以下であることが好ましく、2質量%以上100質量%以下であることがより好ましい。延伸処理における延伸率ER1(={(延伸後の幅)/(延伸前の幅)}×100)は、100%より大きく140%以下であることが好ましい。延伸処理におけるフィルム116の温度は、95℃以上150℃以下であることが好ましい。
ローラ乾燥装置124の内部の雰囲気は、温度や湿度などが図示しない空調機により調節されている。ローラ乾燥装置124には、多数のローラ156が設けられており、これらにフィルム116が巻き掛けられて搬送される。ローラ乾燥装置124において、フィルム116から溶剤が蒸発する。ローラ乾燥装置124では、溶剤含有率が5質量%以下となるまで、乾燥工程が行うことが好ましい。
なお、ローラ乾燥装置124から出たフィルム116がカールしている場合には、ローラ乾燥装置124と第2テンタ125との間に、カールを矯正してフィルム116を平らにするカール矯正装置(図示無し)を設けてもよい。
第2テンタ125は、フィルム116を延伸する。この延伸により、所望の光学特性を有するフィルム116となる。得られるフィルム116は位相差フィルムとして利用することができる。第2テンタ125は、第1テンタ120と同様の構造を有する。なお、第2テンタ125に設けられるダクト157は、スリット(図示せず)から、所定の温度に加熱された乾燥風を流出し、フィルム116に向かって流れる。
第2テンタ125の保持手段160も第1テンタ120と同様にクリップとしてある。
第2テンタ125での延伸における延伸率ER2(={(延伸後の幅)/(延伸前の幅)}×100)は、105%より大きく200%以下であることが好ましく、110%以上160%以下であることがより好ましい。延伸開始時におけるフィルム116の溶剤含有率は、5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましい。延伸におけるフィルム116の温度は、100℃以上200℃以下であることが好ましい。
製造目的とするフィルム116の光学特性によっては、第2テンタ125は用いずともよい。
第2テンタ125の下流の第2スリッタ126は、フィルム116が案内されてくると、第1テンタ120や第2テンタ125の各保持手段119,158による保持跡を含む側部を切除する。側部を切除したフィルム116を巻取装置127に送り、ロール状に巻き取る。
第2テンタ125と第2スリッタ126との間に冷却装置(図示無し)を設けて、第2テンタ125からのフィルム116を冷却して降温させてもよい。
セルロースアシレート111は特に限定されない。セルロースアシレート111のアシル基は1種類だけでも良いし、あるいは2種類以上のアシル基を有していても良い。アシル基が2種以上であるときは、その1つがアセチル基であることが好ましい。セルロースの水酸基をカルボン酸でエステル化している割合、すなわち、アシル基の置換度が下記式(I)〜(III)の全てを満足するものが好ましい。なお、以下の式(I)〜(III)において、A及びBは、アシル基の置換度を表わし、Aはアセチル基の置換度、またBは炭素原子数3〜22のアシル基の置換度である。
(I) 2.0≦A+B≦3.0
(II) 1.0≦ A ≦3.0
(III) 0 ≦ B ≦2.0
アシル基の全置換度A+Bは、2.20以上2.90以下であることがより好ましく、2.40以上2.88以下であることが特に好ましい。また、炭素原子数3〜22のアシル基の置換度Bは、0.30以上であることがより好ましく、0.5以上であることが特に好ましい。中でも、本発明は、セルロースアシレート111としてセルロースジアセテート(DAC)を用いた場合に特に大きな効果がある。
以下に本発明の実施例を説明する。ただし、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、以下の各実施例は本発明の例として挙げるものである。詳細は実施例1にて説明し、実施例2以下の各実施例、及び本発明に対する比較例については、実施例1と異なる条件のみを示す。
側部材11と中央部材12とは、SUS316で形成されたものである。側部材11の幅は200mm、中央部材12の幅は2000mmである。側部材11と中央部材12との長さは120m、厚みは1.5mmである。側部材11と中央部材12とは、鏡面とされた表面と、鏡面にはされていない裏面とがある。なお、溶接の前に、側部材11と中央部材12とは、溶剤によりごみや水分を拭き取り、溶接する側縁11e,12eを洗浄した。
溶接装置42は、COレーザ溶接装置である。レーザ出力は1kW、溶接装置42へ案内する側部材11と中央部材12との搬送速度は1m/分とした。
バンド製造設備10を用いて、まず、裏面から溶接を行った。ただし、本実施例1では、高熱伝導部71を形成していない溶接支持ローラ41を用いた。また、位置検出手段47と加熱部19も用いていない。図3、図4に示す押圧装置62は用いていない。側部材11の表面が第3ローラ28,第4ローラ29に接するように、中央部材12の表面が第1ローラ26,第2ローラ27,第4ローラ29に接するように、第1送出装置23と第2送出装置24とから側部材11と中央部材12とを送り出した。
中央部材12の搬送経路を位置検出手段34と第2ローラ27とにより制御して搬送路を設定した。側部材11と接触している第3ローラ28の接触領域における周方向と中央部材12の搬送方向Xとのなす角θ1は5°とした。この第3ローラ28により、側部材11の搬送経路を、制御して搬送路を決定した。このようにして突き合わせ位置Pcが第4ローラ29上となるようにした。
第4ローラ29から溶接ユニット18へ、側部材11と中央部材12とを送り、裏面を連続的に溶接した。溶接した側部材11と中央部材12とからなるバンド部材13を一旦巻取装置20に巻き取った。
ロール状にされたバンド部材13を送出装置(図示せず)から再び溶接ユニット18へ送り、表面を連続的に溶接した。表面の溶接で用いた溶接支持ローラ41は溝76の幅D5が8mmのものである。
長手方向に延びている溶接部13wに関して、幅方向Yでのずれ量(単位;mm)と、厚み方向でのずれ量(単位;mm)とを測定した。厚み方向でのずれ量とはすなわち、溶接部13wでの中央部13cと側部13sでの高さの差である。長さ120mに亘り、幅方向Yでのずれ量は0.3mm以内であり、厚み方向でのずれ量は0.1mm以内であった。
目視で認めた溶接ビード72と熱影響領域73との各幅を測定した。溶接ビード72の幅は2mm、熱影響領域73の幅は10mmであった。
溶接部13wのうち、幅方向Yでのずれ量が最も大きい箇所を特定し、特定した箇所の断面を検査したところ、溶接不良は確認されなかった。溶接不良とは、接合されずに隙間が生じている状態である。また、直径が40μm以上のピンホールの数は、長手方向1mあたり2個であり、修復可能なレベルであった。
バンド部材13の先端と後端とを突き合わせて溶接し、環状のバンド91とした。バンド91の表面を研磨処理して、直径2mのローラ131,132に掛け渡し、溶液製膜を実施した。
[溶液製膜の実験1]
用いたセルロースアシレート111は、セルロースジアセテート(DAC)であり、溶液製膜設備110を用いて溶液製膜によりフィルム116を製造した。このフィルム116はいわゆるLCDのVA(Vertical Alignment)方式用位相差フィルムとして用いるものである。ドープ113がローラ131上のバンド91に接触を開始するように、ドープ113を流延ダイ133から流出した。なお、遮風板146とローラ147と第1スリッタ118とは、使用しなかった。
バンド91のテンションは、20ton(=2×10N)とした。製膜を続けても側部91sはローラ131,132上で反りあがることがなく、得られたフィルム116の厚みのむらは許容できるレベルであった。
[溶液製膜の実験2]
ローラ131とローラ132との間にバンド91を支持する支持ローラ(図示無し)を配し、この支持ローラ上のバンド91にドープ113が接触を開始するように、流延ダイ133を配し、ドープ113を流延ダイ133から流出した。その他の条件は実験1と同じである。
製膜を続けた結果、側部91sはローラ131,132上で0.1mm程度反り上がった。バンド91の反りに起して、流延むら、及び減圧チャンバ(図示せず)とバンド91とのクリアランス変化が発生し、フィルム116に段状の厚みむらが確認された。
第3ローラ28をテーパローラ81に代えた。テーパローラ81は一端の径dが52mm、他端の径が50mm、一端面から他端面までの長さが550mmのものである。他の溶接方法及び条件は、実施例1と同じである。
長さ120mに亘り、幅方向Yでのずれ量は0.3mm以内であり、厚み方向でのずれ量は0.1mm以内であった。
溶接ビード72の幅は2mm、熱影響領域73の幅は10mmであった。
溶接部13wのうち、幅方向Yでのずれ量が最も大きい箇所を特定し、特定した箇所の断面を検査したところ、溶接不良は確認されなかった。直径が40μm以上のピンホールの数は、長手方向1mあたり2個であり、修復可能なレベルであった。
実施例1と同様にして、バンド91を製造して、溶液製膜を実施した。
実施例1と同様に、溶液製膜の実験1と実験2とを実施した。
実験1では、製膜を続けても側部91sはローラ131,132上で反りあがることがなく、得られたフィルム116の厚みのむらは許容できるレベルであった。
実験2では、製膜を続けた結果、側部91sはローラ131,132上で0.1mm程度反り上がった。バンド91の反りに起して、流延むら、及び減圧チャンバ(図示せず)とバンド91とのクリアランス変化が発生し、フィルム116に段状の厚みむらが確認された。
第3ローラ28に代えてクリップ85を用いた。クリップ85は、中央部材12と同じ速度で走行させた。
長さ120mに亘り、幅方向Yでのずれ量は0.3mm以内であり、厚み方向でのずれ量は0.1mm以内であった。
溶接ビード72の幅は2mm、熱影響領域73の幅は10mmであった。
溶接部13wのうち、幅方向Yでのずれ量が最も大きい箇所を特定し、特定した箇所の断面を検査したところ、溶接不良は確認されなかった。直径が40μm以上のピンホールの数は、長手方向1mあたり2個であり、修復可能なレベルであった。
実施例1と同様にして、バンド91を製造して、溶液製膜を実施した。
実施例1と同様に、溶液製膜の実験1と実験2とを実施した。
実験1では、製膜を続けても側部91sはローラ131,132上で反りあがることがなく、得られたフィルム116の厚みのむらは許容できるレベルであった。
実験2では、製膜を続けた結果、側部91sはローラ131,132上で0.1mm程度反り上がった。バンド91の反りに起して、流延むら、及び減圧チャンバ(図示せず)とバンド91とのクリアランス変化が発生し、フィルム116に段状の厚みむらが確認された。
図3,図4に示す押圧装置62をさらに用いたこと以外は、実施例1と同様である。第1ベルト63、第2ベルト64とは、SUS304からなり、厚みが1mm、幅が40mmである。第1ベルト63、第2ベルト64との各上流端の位置が突き合わせ位置Pcから3mmの距離となるように、第5ローラ67を配した。
長さ120mに亘り、幅方向Yでのずれ量は0.3mm以内であり、厚み方向でのずれ量は0mmであった。
実施例1と同様にして、バンド91を製造して、溶液製膜を実施した。
実施例1と同様に、溶液製膜の実験1と実験2とを実施した。
実験1では、製膜を続けても側部91sはローラ131,132上で反りあがることがなく、得られたフィルム116の厚みのむらは許容できるレベルであった。
実験2では、製膜を続けた結果、側部91sはローラ131,132上で0.1mm程度反り上がった。バンド91の反りに起して、流延むら、及び減圧チャンバ(図示せず)とバンド91とのクリアランス変化が発生し、フィルム116に段状の厚みむらが確認された。
実施例4で用いた第1ベルト63、第2ベルト64に代えて、銅Cuからなる第1ベルト63と第2ベルト64とを用いた。また、銅Cuからなる高熱伝導部71を備えた溶接支持ローラ41を用いた。これら以外の条件については、実施例4と同じである。
熱影響領域73の幅は4mmと実施例1に比べて小さくなった。
実施例1と同様にして、バンド91を製造して、溶液製膜を実施した。
実施例1と同様に、溶液製膜の実験1と実験2とを実施した。
実験1では、製膜を続けても側部91sはローラ131,132上で反りあがることがなく、得られたフィルム116の厚みのむらは許容できるレベルであった。
実験2では、製膜を続けた結果、側部91sはローラ131,132上で0.1mm程度反り上がった。バンド91の反りに起して、流延むら、及び減圧チャンバ(図示せず)とバンド91とのクリアランス変化が発生し、フィルム116に段状の厚みむらが確認された。
裏面の溶接を連続溶接に代えて断続溶接にし、これにより、裏面から側部材11と中央部材12とを仮接合した。これ以外の条件は実施例1と同じである。
長さ120mに亘り、幅方向Yでのずれ量は0.1mm以内であった。
溶接ビード72の幅は2mm、熱影響領域73の幅は10mmであった。
溶接部13wのうち、幅方向Yでのずれ量が最も大きい箇所を特定し、特定した箇所の断面を検査したところ、溶接不良は確認されなかった。直径が40μm以上のピンホールの数は、長手方向1mあたり2個であり、修復可能なレベルであった。
実施例1と同様にして、バンド91を製造して、溶液製膜を実施した。
実施例1と同様に、溶液製膜の実験1と実験2とを実施した。
実験1では、製膜を続けても側部91sはローラ131,132上で反りあがることがなく、得られたフィルム116の厚みのむらは許容できるレベルであった。
実験2では、製膜を続けた結果、側部91sはローラ131,132上で0.1mm程度反り上がった。バンド91の反りに起して、流延むら、及び減圧チャンバ(図示せず)とバンド91とのクリアランス変化が発生し、フィルム116に段状の厚みむらが確認された。
位置検出手段47により接触位置Psを検出し、溶接装置本体46の位置を制御しながら、裏面の連続溶接と表面の連続溶接とを実施した。これ以外の条件は実施例1と同じである。
長さ120mに亘り、幅方向Yでのずれ量は0.1mm以内であった。
溶接ビード72の幅は2mm、熱影響領域73の幅は10mmであった。
溶接部13wのうち、幅方向Yでのずれ量が最も大きい箇所を特定し、特定した箇所の断面を検査したところ、溶接不良は確認されなかった。直径が40μm以上のピンホールの数は、長手方向1mあたり2個であり、修復可能なレベルであった。
実施例1と同様にして、バンド91を製造して、溶液製膜を実施した。
実施例1と同様に、溶液製膜の実験1と実験2とを実施した。
実験1では、製膜を続けても側部91sはローラ131,132上で反りあがることがなく、得られたフィルム116の厚みのむらは許容できるレベルであった。
実験2では、製膜を続けた結果、側部91sはローラ131,132上で0.1mm程度反り上がった。バンド91の反りに起して、流延むら、及び減圧チャンバ(図示せず)とバンド91とのクリアランス変化が発生し、フィルム116に段状の厚みむらが確認された。
チャンバ52内部を清浄化して、溶接位置Pwにおける清浄度をクラス1000に保持した。これ以外の条件は実施例1と同じである。
直径が40μm以上のピンホールの数は、長手方向1mあたり0.5個であり、修復可能なレベルであった。
実施例1と同様にして、バンド91を製造して、溶液製膜を実施した。
実施例1と同様に、溶液製膜の実験1と実験2とを実施した。
実験1では、製膜を続けても側部91sはローラ131,132上で反りあがることがなく、得られたフィルム116の厚みのむらは許容できるレベルであった。
実験2では、製膜を続けた結果、側部91sはローラ131,132上で0.1mm程度反り上がった。バンド91の反りに起して、流延むら、及び減圧チャンバ(図示せず)とバンド91とのクリアランス変化が発生し、フィルム116に段状の厚みむらが確認された。
加熱部19を用いて、溶接位置Pwの温度を150℃にした以外は、実施例1と同じである。
長さ120mに亘り、幅方向Yでのずれ量は0.3mm以内であり、厚み方向でのずれ量は0.1mm以内であった。
溶接ビード72の幅は2mm、熱影響領域73の幅は10mmであった。
溶接部13wのうち、幅方向Yでのずれ量が最も大きい箇所を特定し、特定した箇所の断面を検査したところ、溶接不良は確認されなかった。直径が40μm以上のピンホールの数は、長手方向1mあたり2個であり、修復可能なレベルであった。
実施例1と同様にして、バンド91を製造して、溶液製膜を実施した。
実施例1と同様に、溶液製膜の実験1と実験2とを実施した。
実験1では、製膜を続けても側部91sはローラ131,132上で反りあがることがなく、得られたフィルム116の厚みのむらは許容できるレベルであった。
実験2でも、製膜を続けても側部91sはローラ131,132上で反りあがることがなく、得られたフィルム116の厚みのむらは許容できるレベルであった。
実施例1で得られたバンド91を用いた。ドープ113がバンド91に接触し始める接触開始位置において、溶接部91w近傍で側部91sの浮き上がりが0mmに抑止されるように、接触開始位置の上流と下流との両方にローラ147を配し、ローラ147で側部91sを押さえた。
実験1と実験2との両方で、製膜を続けても側部91sはローラ131,132上で反りあがることがなく、得られたフィルム116の厚みのむらは許容できるレベルであった。
第1スリッタ118を設けて、溶接部91wよりも内側の中央部91cで側部を切除した。これ以外は、実施例1と同じである。
幅方向Yにおける光学軸のずれ量が実施例1と比べて0.2°小さくなり良化した。
バンド面の垂線方向からバンド91を見たときに遮風板146よりも溶接部91wが内側に入るように、遮風板146の位置を調整して配し、製膜した以外は、実施例1と同じである。
バンド91から流延膜136が剥ぎ取られる剥取位置において、バンド91とフィルム116とのなす角(剥ぎ取り角度)の変動量が実施例1では3°であったのに対し、本実施例ではより小さくなる効果が確認され1°であった。
[比較例]
第1ローラ26〜第3ローラ28による側部材11と中央部材12との搬送経路の制御を実施せず、突き合わせ位置Pcを一定に保持することをしなかった。その他の条件は実施例1と同じである。
長さ120mに亘り、幅方向Yでのずれ量は1.5mm程度であった。
溶接部13wのうち、幅方向Yでのずれ量が最も大きい箇所を特定し、特定した箇所の断面を検査したところ、溶接不良が確認された。
10 バンド製造設備
11 側部材
12 中央部材
13 バンド部材
17 突き合わせ部
18 溶接ユニット
19 加熱部
26〜29 第1ローラ〜第4ローラ
42 溶接装置
55 清浄装置
62 押圧装置
63,64 第1ベルト,第2ベルト
71 高熱伝導部

Claims (13)

  1. 溶液製膜の流延支持体として用いられ、金属製のシート材が環状に連結されたバンドの製造方法において、
    前記バンドの側部となる側部シート材と、この側部シート材よりも幅が広く、前記バンドの幅方向での中央部となる中央部シート材とを搬送しながら、前記側部シート材の一方の側縁と前記中央部シート材の一方の側縁とが接するように突き合わせる突き合わせ工程と、
    突き合わせた前記側部シート材と前記中央部シート材とを搬送しながら、チャンバ内で溶接手段により長手方向で溶接する長手溶接工程と、
    溶接された前記側部シート材と前記中央部シート材との各先端と各後端とを溶接して環状にする環状溶接工程とを有し、
    前記溶接手段の下流に配され、前記側部シート材の一方の側縁と前記中央部シート材の一方の側縁とが溶接されたシート材を巻き取る巻取装置により、前記長手方向で溶接する溶接位置における前記シート材と前記側部シート材及び前記中央部シート材との張力を制御することを特徴とするバンドの製造方法。
  2. 突き合わされた前記側部シート材と前記中央部シート材とが前記溶接手段により溶接される溶接位置の清浄度を、米国連邦規格FED−STD−209Dでのクラス1000以下にすることを特徴とする請求項1項記載のバンドの製造方法。
  3. 前記チャンバ内の気体を清浄装置により清浄化することを特徴とする請求項1または2記載のバンドの製造方法。
  4. 前記長手溶接工程では、
    前記溶接手段に対向するように配された支持ローラの周面で前記中央部シート材と前記側部シート材とを支持し、この支持ローラ上で溶接することを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項記載のバンドの製造方法。
  5. 前記支持ローラの周面のうち、前記側部シート材の一方の側縁と前記中央部シート材の一方の側縁とが通過する通過領域には、前記中央部シート材及び前記側部シート材よりも熱伝導率が高い素材からなる高熱伝導部が形成されてあることを特徴とする請求項4記載のバンドの製造方法。
  6. 前記突き合わせ工程では、
    前記溶接手段の上流に配され、周方向に回転する回転ローラで前記中央部シート材と前記側部シート材とのいずれか一方を接触搬送し、接触搬送されている前記一方が他方に寄るように前記回転ローラの長手方向の向きを制御することを特徴とする請求項1ないし5いずれか1項記載のバンドの製造方法。
  7. 前記突き合わせ工程では、
    周方向に回転し、一端から他端に向けて径が漸減するように形成され、前記一端が前記中央部シート材の搬送路に向くように前記側部シート材の搬送路に配されたテーパローラにより、前記側部シート材を搬送して前記中央部シート材に寄せることを特徴とする請求項1ないし5いずれか1項記載のバンドの製造方法。
  8. 前記突き合わせ工程では、
    前記中央部シート材の幅方向に変位する把持手段により、前記側部シート材を把持して前記側部シート材を前記中央部シート材に寄せることを特徴とする請求項1ないし5いずれか1項記載のバンドの製造方法。
  9. 前記支持ローラの長手方向に並ぶように前記支持ローラにそれぞれ対向するように1対のベルトを配し、
    前記1対のベルトの一方で前記支持ローラ上の前記中央部シート材を押圧し、他方で前記支持ローラ上の前記側部シート材を押圧することにより、前記中央部シート材と前記側部シート材との溶接位置における高さを等しくすることを特徴とする請求項4ないし8いずれか1項記載のバンドの製造方法。
  10. 前記1対のベルトは、前記中央部シート材及び前記側部シート材よりも熱伝導率が高い素材からなる高熱伝導部が形成されてあることを特徴とする請求項9記載のバンドの製造方法。
  11. 前記溶接手段の上流に配され、前記側部シート材と前記中央部シート材とが互いに接している接触位置を検出する検出手段により、前記支持ローラの長手方向における前記接触位置を検出し、
    前記側部シート材及び前記中央部シート材の搬送速度と検出した前記接触位置とに基づき、前記溶接手段を前記支持ローラの幅方向に変位させて溶接することを特徴とする請求項4ないし10いずれか1項記載のバンドの製造方法。
  12. 前記長手溶接工程は、
    前記側部シート材と前記中央部シート材とを連続的に溶接する連続溶接工程と、
    前記側部シート材と前記中央部シート材とを前記連続溶接工程の前に断続的に溶接する断続溶接工程とを有することを特徴とする請求項1ないし11いずれか1項記載のバンドの製造方法。
  13. 溶接された前記側部シート材と前記中央部シート材との溶接部を加熱手段により加熱して、前記溶接部の応力を除去することを特徴とする請求項1ないし12いずれか1項記載のバンドの製造方法。
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