JP5702745B2 - 輻輳制御装置 - Google Patents
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Description
特許文献1(特許2749659号公報)には、公衆交換電話網であるPSTN(Public Switched Telephone Networks)に於いて、着信集中などにより、疎通が困難となった交換機、または、疎通が困難となった地域を対地とする発信呼の制御方法の発明が記載されている。この制御方法では、当該対地へ疎通させる総呼数(呼数総量)を発信側の各交換機に配分した上で、各交換機で当該配分値を超える発信呼数分を規制し、トラヒック総量配分を最適化している。特許文献1には更に、配分値を、(接続可能呼数)×(発信エリア内の発信呼数)÷(呼数総量)によって算出することが記載されている。
輻輳制御システム1Aは、網管制端末10と、輻輳制御装置20Aと、セッション制御装置30−1〜30−6と、複数のユーザ端末40とを備えている。なお、セッション制御装置30−1〜30−6を特に区別しないときには、単にセッション制御装置30と記載する。
網管制端末10は、輻輳発生を検知すると、ステップS1に於いて、輻輳制御装置20Aに、制御総量を指示する。
ステップS2に於いて、輻輳制御装置20Aは、指示された制御総量を、各セッション制御装置30に配分し、各制御量を算出する。
ステップS3に於いて、輻輳制御装置20Aは、各セッション制御装置30に、配分した制御量を指示する。
下側の矢印は、接続呼を示している。上側の矢印は、制御通過呼を示している。「×」マークが付与されている接続呼は、規制されていることを示している。ここで、セッション制御装置30は、2秒周期に於いて、制御量として1呼数が指定されている。セッション制御装置30は、当該2秒周期ごとに制御通過呼が1呼数以下となるように接続呼を制御している。
一般的に制御総量は、平常時の最繁時呼量とされることが多い。実際に疎通した量にて制御を実施することで、網リソースを超えないことが保証されるからである。更に、輻輳発生時でも、網リソースを超えないようにすることができるからである。
第1の問題は、平常時の最繁時呼量と網リソースとの乖離が大きくなっている場合に、「網リソースの最大活用」が十分に実現できていないことである。なぜなら、平常時の最繁時呼量は、「疎通実績のある値」であり、網リソースと乖離している虞があるからである。
しかし、輻輳制御の対象となる地域単位が、どの程度の大きさになるかを予め予測することは困難である。平常時の最繁時呼量を取得する地域単位よりも小さな範囲で輻輳が発生した場合は、輻輳が発生していない他の範囲を含めて輻輳制御の対象となってしまい、過制御となってしまう虞がある。このような事態を避けるには、細かな粒度の地域単位で、平常時の最繁時呼量を取得する手厚い運用体制が必要となり、よって不経済である。
実線は、網リソースを示している。下側の破線は、最繁時呼量を示している。
IP電話網は、伝送路の大容量化に伴い、収容装置が網リソースのボトルネックとなっている。また、IP電話網は、加入者数の増加に伴う設備の増設が大きな単位で行われる。そのため、IP電話網は、大きな単位で網リソースが増加し、網リソースと最繁時呼量とが乖離していることが多い。したがって、輻輳制御の基本的な目標のひとつである「網リソースの最大活用」を充分に実現することができない虞がある。
この図は、岩手県に於ける番号計画を示している。この図の右側から、番号区画コード項目と、番号区画項目と、市外局番項目とが右に向かって並んでいる。市外局番項目は、1桁目の「0」の記載を省略している。
輻輳制御システム1は、網管制端末10と、輻輳制御装置20と、セッション制御装置30−1〜30−6と、複数のユーザ端末40と、対地間トラヒック監視装置50とを備えている。なお、セッション制御装置30−1〜30−6を特に区別しないときには、単にセッション制御装置30と記載する。
輻輳制御装置20は、セッション制御装置30の発呼を規制する制御を行い、当該ネットワークの輻輳を抑止するものである。
対地間トラヒック監視装置50は、指定された局番情報を対地とするトラヒック量を集計するものである。
輻輳制御システム1は、輻輳制御装置20と、輻輳セッション制御装置30−mと、発呼規制セッション制御装置30−1〜30−nと、対地間トラヒック監視装置50とを備えている。輻輳制御装置20は、輻輳セッション制御装置30−mと、発呼規制セッション制御装置30−1〜30−nと、対地間トラヒック監視装置50とが接続されている。対地間トラヒック監視装置50には更に、発呼規制セッション制御装置30−1〜30−nが接続されている。なお、図2の輻輳制御システム1は、輻輳制御装置20と、ソフトスイッチであるセッション制御装置30と、対地間トラヒック監視装置50とに限定して表示している。発呼規制セッション制御装置30−1〜30−n、および、輻輳セッション制御装置30−mは、同様な構成のセッション制御装置30である。
発呼規制セッション制御装置30−1〜30−nは、各周期の制御量に応じて発呼規制を行うセッション制御装置30であり、罹災地域内または罹災地域外に位置するものであり、輻輳が発生しているものと輻輳が発生していないものの両方を含んでいる。
輻輳制御装置20は、制御コード決定部21と、制御指示情報決定部24と、制御指示部26と、DB(Database)部27とを備えている。制御コード決定部21は、輻輳地域特定機能部22と、トラヒック量収集部23とを備えている。制御指示情報決定部24は、制御総量算出部25を備えている。
輻輳地域特定機能部22(輻輳地域特定手段)は、輻輳発生の際に、その輻輳が発生している地域を特定するものである。輻輳地域特定機能部22は、少なくとも輻輳発生情報、対地間トラヒック量のいずれかを含んだ情報に基づいて、輻輳発生地域に係る局番(第1の局番)を特定する。
セッション制御装置30は、発呼規制セッション制御装置30−1〜30−nで示すように、発呼規制部31と、接続要求処理部32と、トラヒック量集計部33とを備え、輻輳セッション制御装置30−mで示すように、発呼規制要求部34と、リソース監視部35とを備えている。更に、リソース監視部35は、CPU(Central Processing Unit)使用率測定部36を備えている。ここで、セッション制御装置30とは、発呼規制セッション制御装置30−1〜30−n、および、輻輳セッション制御装置30−mの両方である。
発呼規制部31は、輻輳制御装置20の制御指示部26が送信した指示内容を受信して、当該指示内容に基づく制御量で、次周期の発信呼を規制する。発呼規制部31は、輻輳地域以外への発信呼は規制しない。
なお、輻輳セッション制御装置30−mも、発呼規制部31(不図示)と、接続要求処理部32と、トラヒック量集計部33(不図示)とを備えている。
発呼規制要求部34は、当該セッション制御装置30が輻輳を検知したとき、輻輳制御装置20に対して、当該通信網の発呼規制を要求するものである。
CPU使用率測定部36は、当該セッション制御装置30が備えているCPUの使用率を測定するものであり、CPU使用率が所定値を超えたことを検知することにより、輻輳を検知するものである。
なお、発呼規制セッション制御装置30−1〜30−nも、発呼規制要求部34(不図示)と、リソース監視部35(不図示)と、CPU使用率測定部36(不図示)とを備えている。
対地間トラヒック監視装置50は、トラヒック照会部51と、トラヒック監視部52とを備えている。
トラヒック照会部51は、輻輳制御装置20から、指定局番へのトラヒック量の照会を受けたとき、当該トラヒック量を輻輳制御装置20に送信(応答)するものである。
トラヒック監視部52は、ネットワークに於いて、当該指定局番へのトラヒックを監視して、当該トラヒック量を集計するものである。集計したトラヒック量は、トラヒック照会部51によって、外部に送信される。
本実施形態の輻輳制御装置20は、セッション制御装置30の収容局番が、番号計画(図11)による地域性を有していることに着目して、輻輳制御の対象とする局番情報を特定し、当該局番を収容しているセッション制御装置30の処理容量に基づいて制御総量を算出するものである。
輻輳制御装置20は、輻輳発生の際に、輻輳要因として特定した局番情報と、当該局番を収容しているセッション制御装置30に基づいて算出した制御総量とを制御指示として、LAN(Local Area Network)カードやモデムなどである通信装置の電磁的手段により、各セッション制御装置30に対して送信することにより、「網リソースの最大活用」を実現する。
輻輳制御システム1は、ある地域が輻輳した際に、輻輳制御処理を行う。
処理を開始すると、シーケンスQ10に於いて、輻輳セッション制御装置30−mは、輻輳の発生を検知する。
シーケンスQ11に於いて、輻輳セッション制御装置30−mは、輻輳制御装置20の制御コード決定部21に、輻輳発生情報を通知する。輻輳制御装置20のトラヒック量収集部23は、輻輳発生情報を取得することにより、輻輳の発生を検知する。
シーケンスQ12に於いて、対地間トラヒック監視装置50は、所定地域のトラヒック量の増加を検知する。
シーケンスQ13に於いて、対地間トラヒック監視装置50は、輻輳制御装置20の制御コード決定部21に、増加した対地間トラヒック量を通知する。
シーケンスQ14に於いて、輻輳制御装置20の制御コード決定部21の輻輳地域特定機能部22は、少なくとも輻輳発生情報、対地間トラヒック量のいずれかを含んだ情報に基づいて、輻輳地域を特定し、番号計画(図11)に基づいて輻輳発生地域に係る市外局番(第1の局番)を特定する。
シーケンスQ15に於いて、輻輳制御装置20の制御コード決定部21は、制御指示情報決定部24に、輻輳発生地域に係る市外局番(第1の局番)を通知する。
シーケンスQ16に於いて、輻輳制御装置20の制御指示情報決定部24(制御総量算出部25)は、当該局番への発呼数に係る制御総量を算出する。すなわち、制御総量算出部25は、輻輳発生地域に係る市外局番(第1の局番)を収容するセッション制御装置30の制御総量(第1の制御総量)を算出して、他の各セッション制御装置30に配分し、第1の局番への第1の制御量とする。
シーケンスQ18に於いて、輻輳制御装置20の制御指示情報決定部24は、制御指示部26によって、各セッション制御装置30に、輻輳発生地域に係る広範囲な局番(第1の局番)と制御総量とを含む制御内容を指示する。これにより、各セッション制御装置30は、輻輳制御を開始する。
シーケンスQ20に於いて、各セッション制御装置30は、輻輳制御装置20の制御コード決定部21に、輻輳発生地域に係る局番(第1の局番)へのトラヒック状況を通知する。ここで、制御コード決定部21のトラヒック量収集部23は、規制指示後に於ける第1の局番への第1のトラヒック量を取得する。
シーケンスQ21に於いて、輻輳制御装置20の制御コード決定部21(トラヒック量収集部23)は、各セッション制御装置30から当該局番へのトラヒック量を集計する。
シーケンスQ22に於いて、輻輳制御装置20の制御コード決定部21は、制御指示情報決定部24に、トラヒック量の集計結果を通知する。
シーケンスQ23に於いて、輻輳制御装置20の制御指示情報決定部24は、制御指示部26によって、網管制端末10に、トラヒック量の集計結果を送信する。
シーケンスQ25に於いて、対地間トラヒック監視装置50は、輻輳制御装置20の制御コード決定部21に、展開した局番のトラヒック量を応答(送信)する。ここで、制御コード決定部21の制御コード決定部21(トラヒック量収集部23)は、第1の局番を展開した展開局番へのトラヒック量を取得する。
シーケンスQ26に於いて、輻輳制御装置20の制御コード決定部21(輻輳地域特定機能部22)は、展開した局番に係る輻輳地域を特定する。
シーケンスQ30に於いて、輻輳制御装置20の制御指示情報決定部24は、制御指示部26によって、各セッション制御装置30に、輻輳地域に係る局番と制御総量とを含む制御内容を指示する。これにより、各セッション制御装置30は、輻輳制御を開始する。
輻輳制御処理を開始するとき、輻輳発生地域は、広範囲な局番情報(第1の局番)により特定されている。
ステップS10に於いて、輻輳制御装置20の制御指示情報決定部24(制御総量算出部25)は、広範囲な局番情報(第1の局番)の指定による制御総量(第1の制御総量)を算出する。
ステップS11に於いて、輻輳制御装置20の制御指示情報決定部24(制御総量算出部25)は、当該制御総量(第1の制御総量)を、各セッション制御装置30に均等配分した各制御量(第1の制御量)を算出する。
ステップS13に於いて、輻輳制御装置20の制御コード決定部21(トラヒック量収集部23)は、前周期に制御している局番情報に、下1桁(0〜9)を追加し、新たな制御対象の局番情報として登録する。これらの局番情報は、第1の局番を展開した局番の情報である。
ステップS14に於いて、輻輳制御装置20の制御コード決定部21は、次の周期まで待つ。
ステップS15に於いて、輻輳制御装置20の制御コード決定部21(トラヒック量収集部23)は、対地間トラヒック監視装置50から、各展開局番のトラヒック量を全て取得する。
ステップS16〜S22に於いて、輻輳制御装置20の制御コード決定部21は、各展開局番について処理を繰り返す。
これにより、輻輳地域特定機能部22は、展開局番へのトラヒック量に基づいて、輻輳発生地域に係る第2の局番を特定することができる。
ステップS21に於いて、輻輳制御装置20の制御コード決定部21は、当該展開局番を、以降の輻輳制御の対象から外す。
処理を開始すると、ステップS30に於いて、輻輳制御装置20の制御指示情報決定部24(制御総量算出部25)は、広範囲な局番情報に基づいて、この局番情報が収容されているセッション制御装置30を特定する。
この図5の処理の具体例は、後記する図6、図7で説明する。
セッション制御装置30は、収容局番が019000〜019999であり、処理容量が3000呼/分である。
セッション制御装置30は、収容局番が019000〜019999および021000〜021999であり、処理容量が3000呼/分である。
セッション制御装置30−1は、収容局番が019000〜019499であり、処理容量が3000呼/分である。セッション制御装置30−2は、収容局番が019500〜019999であり、処理容量が3000呼/分である。
輻輳制御装置20の制御総量算出部25は、当該セッション制御装置30の処理量に所定の安全率を乗算して除外し、残りの処理量を、広範囲の局番を展開した局番である0190〜0199に、各局番へのトラヒック量に按分して割り当てている。
輻輳制御装置20の制御総量算出部25は、当該セッション制御装置30の処理量に、所定の安全率を乗算して除外し、残りの処理量を広範囲の局番である019に割り当てている。
輻輳制御装置20の制御総量算出部25は、特定の局番に制御総量が集中しないように、各展開局番ごとに最小割当制御量と最大割当制御量とを規定している。輻輳制御装置20の制御総量算出部25は、トラヒック量に応じて按分した制御量が、最小割当制御量未満ならば、最小割当制御量を割り当てている。輻輳制御装置20の制御総量算出部25は、トラヒック量に応じて按分した制御量が、最大割当制御量を超えたならば、最大割当制御量を割り当てている。
輻輳制御装置20の制御総量算出部25は、当該セッション制御装置30の処理量に所定の安全率を乗算して除外し、残りの処理量を、広範囲の局番を展開した局番である0190〜0199と、広範囲の局番である021とに、各局番へのトラヒック量に按分して割り当てている。
輻輳制御装置20の制御総量算出部25は、セッション制御装置30−1の処理量に、所定の安全率を乗算して除外し、残りの処理量を、広範囲の局番を展開した局番である0190〜0194に、各局番へのトラヒック量に按分して割り当てている。
輻輳制御装置20の制御総量算出部25は、同様に、セッション制御装置30−2の処理量に、所定の安全率を乗算して除外し、残りの処理量を、広範囲の局番を展開した局番である0195〜0199に、各局番へのトラヒック量に按分して割り当てている。
以上説明した本実施形態では、次の(A),(B)のような効果がある。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更実施が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(a)〜(d)のようなものがある。
10 網管制端末
20,20A 輻輳制御装置
21 制御コード決定部
22 輻輳地域特定機能部(輻輳地域特定手段)
23 トラヒック量収集部(トラヒック量収集手段)
24 制御指示情報決定部
25 制御総量算出部(制御総量算出手段)
26 制御指示部(指示手段)
27 DB部
30 セッション制御装置
31 発呼規制部
32 接続要求処理部
33 トラヒック量集計部
34 発呼規制要求部
35 リソース監視部
36 CPU使用率測定部
40 ユーザ端末
50 対地間トラヒック監視装置
51 トラヒック照会部
52 トラヒック監視部
100 他網
Claims (4)
- 輻輳発生情報、対地間トラヒック量のいずれかを取得するトラヒック量収集手段と、
少なくとも前記輻輳発生情報、前記対地間トラヒック量のいずれかを含んだ情報に基づいて、輻輳発生地域に係る第1の局番を特定する輻輳地域特定手段と、
前記第1の局番を収容するセッション制御装置の第1の制御総量を算出して、各セッション制御装置に配分し、前記第1の局番への第1の制御量とする制御総量算出手段と、
前記各セッション制御装置に対し、局番への制御量によって当該局番へのトラヒックを規制するよう指示する指示手段と、
を備えており、
前記トラヒック量収集手段は、規制指示後に於ける前記第1の局番への第1のトラヒック量を取得し、前記第1の局番を展開した展開局番へのトラヒック量を取得し、
前記輻輳地域特定手段は、前記展開局番へのトラヒック量に基づいて、輻輳発生地域に係る第2の局番を特定し、
前記制御総量算出手段は、前記第2の局番の第2の制御総量を算出して前記各セッション制御装置に配分し、前記第2の局番への第2の制御量とする、
ことを特徴とする輻輳制御装置。 - 前記制御総量算出手段は、前記第2の局番を収容するセッション制御装置の制御総量を収容する各局番へのトラヒック量で按分し、最小割当値以上かつ最大割当値以下となるように前記第2の局番への前記第2の制御総量を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の輻輳制御装置。 - 前記制御総量算出手段は、
前記第1の局番を収容するセッション制御装置に、他の局番も収容されていたならば、前記第1の局番を収容するセッション制御装置の制御総量を前記第1の局番の収容率で按分し、前記第1の制御総量を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の輻輳制御装置。 - 前記制御総量算出手段は、
前記第1の局番を収容するセッション制御装置が複数台であったならば、前記第1の局番を収容する複数台のセッション制御装置の制御総量の総和で、前記第1の制御総量を算出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の輻輳制御装置。
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