JP5702176B2 - 乗用型田植機 - Google Patents
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Description
しかしながら、この従来の構造では、後部側に配備された薬剤散布装置が、左右両側の支持フレームを介して、左右両側の植付け伝動ケースに対して連結されるものであるため、薬剤散布装置を取り外さないままでメンテナンス作業を行なう場合には、左右両側に存在する支持フレームが作業の妨げになることがある。つまり、左右両側の植付け伝動ケースに対して連結される支持フレームが存在していることにより、薬剤散布装置の前方側箇所における植付け爪駆動機構などの各種機器に対して左右側方からは手が届き難く、そのような薬剤散布装置の前方側箇所に対するメンテナンス作業が行い難くなる傾向がある。
上記課題を解決するために講じた本発明の技術手段は、走行機体の後部に苗植付け装置を装備し、前記苗植付け装置の後部側に散布装置支持フレームを介して粉粒体散布装置を装備した乗用型田植機であって、前記苗植付け装置は、後部側の植付け爪駆動機構に動力を伝える複数の植付け伝動ケースを前後方向に沿わせて配設してあり、前記散布装置支持フレームは、前記複数の植付け伝動ケースに亘って左右方向に架設された横向きフレームと、その横向きフレームの左右方向での中間位置から上方へ向けて立設された縦向きフレームとを備えて構成されているとともに、前記横向きフレームは、左右の各植付け伝動ケース側から上方へ立ち上がる脚部と、その脚部の上端部に横端部が連なるように水平方向で横向きに延設された横杆部とを備えて、背面視で門形に形成され、前記縦向きフレームは、左右の前記脚部同士の間隔幅内で前記横杆部の上側に位置する単一の部材で構成され、前記縦向きフレームの上端部に粉粒体散布装置を装備させてあることを特徴とする。
上記解決手段1で示した特徴構成によると、散布装置支持フレームが、複数の植付け伝動ケースに亘って左右方向に架設された横向きフレームを備えて左右方向で安定良く粉粒体散布装置を支持することができるものでありながら、その横向きフレームの左右方向での中間位置から上方へ向けて立設された縦向きフレームの上端部に粉粒体散布装置を支持するので、その散布装置支持フレームの存在によって粉粒体散布装置よりも前側の各種機器のメンテナンス作業が妨げられる虞が少ない。
すなわち、粉粒体散布装置を支持する散布装置支持フレームのうち、粉粒体散布装置の下方側には、縦向きフレームが存在していて横向きフレームとの間に比較的大きな上下方向間隔を有している。また、縦向きフレームの左右両側にも、比較的大きな空間が確保されていて、粉粒体散布装置よりも前側の植付け爪駆動機構などの機器に対する後方側からのメンテナンス作業用の空間が確保されている。
これにより、粉粒体散布装置よりも前側における植付け爪駆動機構などの機器に対する後方側からのメンテナンス作業が行い易くなる利点がある。
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記散布装置支持フレームは前記苗植付け装置の後端よりも前方側に設けてあり、その散布装置支持フレームの前記縦向きフレームよりも後方側に後端が位置する粉粒体散布装置を、前記縦向きフレームに対して着脱可能に装着してあることである。
上記の解決手段2で示した構成によると、散布装置支持フレームが苗植付け装置の後端よりも前方側に設けてあって、その散布装置支持フレームの縦向きフレームよりも後方側に後端が位置する粉粒体散布装置は着脱可能に装着されているので、この粉粒体散布装置を取り外すと、散布装置支持フレームは苗植付け装置の後端よりも前方側に位置することになる。
したがって、乗用型田植機を運搬車に搭載して移動する場合に、散布装置支持フレームに対して粉粒体散布装置を取り外すだけで、散布装置支持フレームも苗植付け装置の後端よりも前方側に位置する状態となり、粉粒体散布装置が運搬車の荷台から後方側へはみ出した状態となることを回避し易い利点がある。
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記散布装置支持フレームの後端は、前記苗植付け装置の後端よりも後方側に設けてあり、その散布装置支持フレームを苗植付け装置に対して着脱可能に装着してあることである。
上記の解決手段3で示した構成によると、散布装置支持フレームの後端が苗植付け装置の後端よりも後方側に設けてあって、その散布装置支持フレームを苗植付け装置に対して着脱可能に装着してあるので、苗植付け装置に対して着脱可能に装着された散布装置支持フレームごと粉粒体散布装置を取り外すことによって機体全長を短くして、運搬車に搭載し易くできる。
また、散布装置支持フレームの後端部で、苗植付け装置の後端よりも後方側に位置する部分は、複数の植付け伝動ケースに亘って左右方向に架設された横向きフレームが前方側の苗植付け装置に対するプロテクタとしての役割も果たし、植付け爪駆動機構などの保護を行い得る利点がある。
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記粉粒体散布装置とは別の粉粒体散布装置を、前記散布装置支持フレームの縦向きフレームよりも前方側に位置させて、前記散布装置支持フレームとは別の取付部材を介して前記複数の植付け伝動ケースに対して取り付けてあることである。
上記の解決手段4で示した構成によると、苗植え付け装置に対して、散布装置支持フレームに支持された粉粒体散布装置と、その粉粒体散布装置とは別の粉粒体散布装置とを備えることができ、複数種の粉粒体を散布することが可能な乗用型田植機を得ることができる。
そして、このように散布装置支持フレームに支持された粉粒体散布装置と、それとは別の粉粒体散布装置とを備えたものでありながら、前記別の粉粒体散布装置は、前記散布装置支持フレームとは別の取付部材を介して複数の植付け伝動ケースに取り付けてあるので、前記散布装置支持フレームに支持された粉粒体散布装置を着脱する際には、前記別の粉粒体散布装置の着脱作業を伴うことなく着脱することができ、着脱作業の簡素化を図ることができる。
上記課題を解決するために講じた本発明の他の技術手段は、前記苗植付け装置の植付け爪の作動箇所の上方側で、かつ前記別の粉粒体散布装置の粉粒体貯留部の下方側に、前記別の粉粒体散布装置に対して着脱可能に装着された泥除けカバーを備え、前記泥除けカバーを左右方向で複数個に分割された分割カバー体によって構成するとともに、その分割カバー体を前記散布装置支持フレームの前記縦向きフレームの左右両側に振り分けて配設してあることである。
上記の解決手段5で示した構成によると、泥除けカバーが左右方向で複数個に分割されていて、それぞれの分割カバー体が散布装置支持フレームの縦向きフレームの左右両側に振り分けて配設されているので、縦向きフレームの左右両側に存在する空間を利用して後方側から着脱操作を行うことが可能であり、泥除けカバーの着脱操作が必要なメンテナンス作業を行う際の便宜を図り得る利点がある。
〔全体構成〕
図1に示すように、乗用型田植機は、操向操作自在な左右一対の前輪1及び左右一対の後輪2を備えた走行機体3の前部側に、エンジン4及びミッションケース5を備え、走行機体3の中央部にステアリングハンドル6等を装備した操縦部7と運転座席8とを備えて構成され、又、走行機体3の左右両側に予備苗のせ台9が配設されている。
走行機体3の後方には、リフトシリンダ10の操作によりリンク機構11を介して昇降操作自在に苗植付け装置12が連結され、その苗植付け装置12の後方に、粉粒体散布装置の一例であるところの、除草剤等の薬剤を散布する薬剤散布装置13が備えられている。図2に示すように、苗植付け装置12は4条植型式に構成されている。ミッションケース5には、操縦部7に装備した変速レバー16を操作することにより変速操作される静油圧式の無段変速装置(図示せず)が備えられている。
又、苗植付け装置12には、苗のせ台20が左右に一定ストロークで往復横送り駆動自在に備えられており、苗のせ台20がストロークエンドに達する毎に、載置された苗を所定量だけ下方に送るベルト式の縦送り装置21が苗のせ台20に備えられている。
前記粉粒体散布装置の一例である薬剤散布装置13は前記苗植付け装置12に対して次のようにして装備されている。
図1乃至図5に示すように、薬剤散布装置13は、苗植付け装置12が苗植付け作業位置にある状態で、田面から設定距離上方に位置するように、散布装置支持フレーム70を介して支持されている。
前記散布装置支持フレーム70は、図2乃至図4に示されるように、左右の植付け伝動ケース15同士を連結するように、左右の各植付け伝動ケース15に下端側を連結された背面視門形の横向きフレーム71と、その横向きフレーム71の左右方向での中間位置から上方へ向けて立設されたパイプ材からなる棒状の縦向きフレーム72とを備えて構成されている。
前記横向きフレーム71は、図4に示すように、左右の各植付け伝動ケース15側から上方へ立ち上がる脚部71Aと、左右の脚部71A,71Aの上端部同士を連結するように水平方向で横向きに延設された横杆部71Bとを備えて背面視で門形に形成してある。
この横向きフレーム71は、前記横杆部71Bが握り部として用いることができるようになっているので、例えば機体を前進又は後進させながらの畦越え作業時において、苗植付け装置12を上昇させた状態で苗植付け装置12を押し下げ操作して機体後部の浮き上がりを防止したり、苗植付け装置12の左右傾動を安定させたりするための握り操作具として機能する。
また、前記縦向きフレーム72を取り付けない場合でも、横向きフレーム71を残しておけば握り操作具として使用できる。
前記横向きフレーム71から上方へ向けて立設された棒状の縦向きフレーム72は、図4及び図5に示すように、横向きフレーム71の左右方向での中間位置に溶接固定された固定用ブラケット71cに対して、連結ボルト72bを介して連結される下部ブラケット72aを下端部に溶接してあり、その下部ブラケット72aを横向きフレーム71の前記固定用ブラケット71cに連結することで、横向きフレーム71の中間位置から上方側へ立設された状態に取り付けてある。
すなわち、散布装置支持フレーム70側の取付台73には、薬剤散布装置13側の連結台74の左右両側に形成された下向き舌片74aの下端を受け止め支持するように、左右両側で下端側をU字状に折り返して形成した受け溝部分73aを形成してあるとともに、前記連結台74の前面側に形成された係合孔74bに係入して連結台74の上部側を支持する係止片73bを形成してある。したがって、図6に示すように、連結台74の左右両側に形成された下向き舌片74aの下端を取付台73の受け溝部分73aに支持させた状態で、取付台73の係止片73bが連結台74の係止孔74bに係合して、薬剤散布装置13側の連結台74が散布装置支持フレーム70側の取付台73に載置支持された状態となる。この状態から薬剤散布装置13側の連結台74を少し浮かして前記係止片73bと係合孔74bとの係合を解除し、後方側へ移動させることにより、図5に示すように散布装置支持フレーム70側の取付台73に対する薬剤散布装置13側の連結台74の載置支持状態を解除することができる。
上記縦向きフレーム72の軸芯に平行な後端位置指示ラインyは、この苗植付け作業が行われている状態では、鉛直線に対して少し前傾しているが、これは、苗植付け装置12がリンク機構11を介して、最下限位置よりも少し上昇揺動した位置で苗植付け作業が行われているためであり、苗植え付け作業が行われていない、乗用型田植機の運搬車両への積載時や格納時には、苗植付け装置12が最下限位置に達しているので、その状態では、前記縦向きフレーム72の軸芯、及びその軸芯に平行な後端位置指示ラインyは、鉛直線と合致又はほぼ合致するようになる。
この場合でも、前記薬剤散布装置13の後端e2は、苗植付け装置12の後端e1に相当する植付け爪駆動機構17の後端位置から前記縦向きフレーム72の軸芯に平行な後端位置指示ラインyよりも少し後方側に位置している。
この状態で、前記薬剤散布装置13を散布装置支持フレーム70から取り外せば、散布装置支持フレーム70の縦向きフレーム72及び前記取付台73は、後端位置指示ラインyよりも機体前方側に寄った箇所に位置している。したがって乗用型田植機を運搬車両に積載した場合などに、前記薬剤散布装置13を取り外しておくことで、薬剤散布装置13が後端位置指示ラインyよりも後方に位置して他物と接触して損傷したり、運搬車両の荷台からはみ出して積載することができないなどの不具合を回避することができる。
次に、粉粒体散布装置の一例としての薬剤散布装置13について説明する。
図4乃至図6に示すように、薬剤散布装置13は、薬剤を貯留する貯留部としての貯留ホッパー24と、その貯留ホッパー24の下部に位置して貯留される薬剤を繰り出す繰出し手段としての繰出し機構25と、繰り出されて供給経路としての案内通路26を通して落下供給される薬剤を拡散させる回転式の拡散手段としての拡散放出機構27と、繰出し機構25の作動を制御するための電気制御ユニット28とを備えて構成されている。
この構成では、薬剤通過用の開口31の下方側では、シャッター部材33だけが存在しており、シャッター部材33の下方には他の部材が存在しないので、薬剤が詰まり難い構成となっている。
ソレノイド収納室40側の筒部30の側壁には、シャッター部材33と開口形成板32とを挿通するためのスリット孔43が形成されている。このスリット孔43の上側には、開口形成板32とシャッター部材33とを水平姿勢で保持するための幅広案内部44が形成されており、この幅広案内部44の上面には、薬剤通過用の開口31に向かうほど下方に傾斜する傾斜面45が全幅にわたって形成されている。又、スリット孔43の上側における幅方向両側部には、開口形成板32の浮き上がりを防止する両側ガイド部46が形成されている。
説明を加えると、上述したように、受止め体51における回転軸芯Yを含むその周囲の領域は周方向全域にわたって拡散用羽根体52が存在しない羽根無し領域Qとして形成されるが、図6に示すように、案内通路26の下端の出口54が平面視で羽根無し領域Qに対応する位置に設けられている。さらに説明すると、案内通路26の下端の出口54は、羽根無し領域Qにおける最も径方向外方側に位置する箇所に対応する位置に設けられている。
薬剤の拡散放出方向(開き角度)を変更調整するにあたって、ボルトBoの緩み操作により位置調整する構成に代えて、拡散方向調整板59,60を、天井壁部58Aに対して縦軸芯周りで回動自在に且つ摩擦により位置保持する状態で取り付け、手動操作にて摩擦保持力に抗して位置変更可能に構成するものでもよい。
この乗用型田植機の走行機体3には充電式のバッテリーが搭載されておらず、エンジン4によって駆動される発電機61(例えば、前照灯等を点灯させるために設けられる発電機等)にて発電された電力が薬剤散布装置13における電気制御ユニット28に供給されるように構成されている。ちなみに、バッテリーが搭載されていないので、エンジン4はリコイル式の始動装置(図示せず)により始動される構成となっている。
図16乃至図18は、線引きマーカ83の取付構造を示す。
この線引きマーカ83は、苗植付け装置12の左右両側に装備させてあり、車体前後方向に沿う前後向き軸芯p1周りで上下揺動可能に構成されている。
この線引きマーカ83は、基端側から遊端側に亘る一連の長い棒状のバネ鋼からなるマーカアーム84と、そのマーカアーム84の遊端側に装着された回転マーカ85と、前記マーカアーム84の基端側部分に装着された補強アーム86とを備えている。
また、前記マーカアーム84の前後方向に屈曲されて前記固定ブラケット12Aに枢支される部分は、図17及び図18に示されているように平面視U字状の起伏操作部材87を貫通し、その起伏揺動部材87に、操作ワイヤ88および復帰バネ89が、前記前後向き軸芯p1を挟んで両側に振り分けられた連結点p2,p3に連結されている。
したがって、前記操作ワイヤ88が緩められたマーカ作用姿勢では、図16に実線で示されているように回転マーカ85が水田に接して回転しながらマーキングを行い、前記操作ワイヤ88が復帰バネ89を伸長させながら引っ張られると、図16に仮想線で示されているように線引きマーカ83が持ち上げられて非作用姿勢となる。
この補強アーム86は、バネ鋼で構成されたマーカアーム84の基端側近くでの撓み変形を少なくするために設けられたものであり、上下方向に幅広の板材からなる補強アーム86が上下方向で変形し難い構造であることを利用して、マーカアーム84の上下方向での撓みすぎを抑制するように構成してある。
図14及び図15は、本発明における別の実施形態を示すものであり、この実施形態では、粉粒体散布装置として、前述した薬剤散布装置13とは別に施肥装置23を備えている。
前記施肥装置23は、上部に粉粒体貯留部としての施肥タンク90を備え、その下部に繰出し機構91を備え、さらに下方側に作溝器92、及び植付け爪駆動機構17の上部側に位置させた泥除けカバー93を備えて構成された周知の構造のものである。
上記施肥装置23に対しては、図15に示すように、右側の植付け爪駆動機構17から取り出した駆動力を施肥装置23の右側の繰出し機構25に対して伝達する連動ロッド23a、及び左側の植付け爪駆動機構17から取り出した駆動力を施肥装置23の左側の繰出し機構25に対して伝達する連動ロッド23aを介して、苗植付け装置12側の駆動力が伝達されるように構成してある。
この構造における前記横向きフレーム71は、図14及び図15に示すように、左右の各植付け伝動ケース15側から立ち上がる脚部71Aが、施肥装置23の下部よりも前方側へ延出された前端部から斜め後方上方へ向けて延設してあり、その脚部71Aの後方上端部同士を連結するように横向きに延設された横杆部71Bが設けられている。
この横杆部71Bは、図14に示すように、側面視で脚部71Aの後方上端部から、脚部71Aの延長線よりもさらに急角度での後上がり傾斜で、かつ図15に示すように背面視で左右方向での中央側ほど高くなるように傾斜した杆部分71eと、その左右の傾斜した杆部分71e,71eの中央側を接続する水平方向の横向きの杆部分71dとで形成され、背面視では、ほぼ逆U字状に形成されている。
この横向きフレーム71は、前記横杆部71Bの左右の傾斜した杆部分71e、及び中央の横向きの杆部分71dが握り部として用いることができるようになっているので、苗植付け装置12を押し下げ操作して機体後部の浮き上がりを防止したり、苗植付け装置12の左右傾動を安定させたりするための握り操作具として機能する。この場合、前記横杆部71Bが左右の傾斜した杆部分71e,71eを備えているので、機体の前進又は後進方向の直前ではなく少し横方向に外れた位置で把持して、前述したような機体後部の浮き上がりを防止したり、苗植付け装置12の左右傾動を安定させたりする等の操作を行い易い。
また、前記縦向きフレーム72を取り付けない場合でも、横向きフレーム71を残しておけば握り操作具として使用できる。
また、前記施肥装置23の後端e4(連動ロッド23aが接続される繰出し機構91の入力アーム91aの後端位置)は、苗植付け装置12の後端e1に相当する植付け爪駆動機構17の後端位置とほぼ同等の位置であるので、前記散布装置支持フレーム70を取り外せば前記薬剤散布装置13も取り外され、機体全長を短くした状態で運搬車両に積載する際の便を図ることができる。
そして、前記薬剤散布装置13を支持する散布装置支持フレーム70の横向きフレーム71は、その左右両側の下端部に第2取付板96を溶接して固定してあり、この第2取付板96を前記第1取付板95に対して第2取付ボルト96aを介して連結固定してあり、この第2取付ボルト96aを着脱操作することで、施肥装置23側の取付部材であるところの前記第1取付板95、及び第1取付ボルト95aを操作することなく、散布装置支持フレーム70ごと薬剤散布装置13を着脱操作することができる。
これらの分割カバー体93a,93bは、それぞれ施肥装置23の左右の繰出し機構91に対して個々に着脱自在に取り付けてある。このように泥除けカバー93が分割されていることにより、前方側の植付け爪駆動機構17部分などを点検したい場合に、繰出し機構91から取り外した泥除けカバー93を、下方側の横向きフレーム71と上方側の繰出し機構91や施肥タンク90との間から、後方側へ抜き出すとき、前記散布装置支持フレーム70の横向きフレーム71や縦向きフレーム72が邪魔にならずに比較的簡単に抜き出し易いので、メンテナンス作業等を行う際に便利である。その他の構成は、前述した実施形態と同様に構成されている。
前記苗植付け装置12の後端よりも後方側に位置するように、散布装置支持フレーム70の横向きフレーム71を後方側へ延出した構造のものでは、その横向きフレーム71部分をリヤバンパーとして利用したり、機体を後進させながら畦越え作業を行う際に機体の後端側が浮き上がらないように押さえ込みながら操作するための部材である畦越えアームとして利用することも可能である。
また、その横向きフレーム71部分に、図示しないが、エンジン停止スイッチや、クラッチ操作具、あるいはブレーキ操作具やアクセル操作具など、適宜に備えさせることによって畦越え操作をより一層楽に行わせ易く構成することができる。その他の構成は、前述した実施形態と同様に構成されている。
実施の形態では、散布装置支持フレーム70の縦向きフレーム72を一本のパイプ材からなる棒状のもので構成したが、これに限らず、板状部材や角材などによって構成してもよく、また、左右方向幅を広く取らないように接合あるいは近接させた複数の棒状部材で構成してもよい。その他の構成は、前述した実施形態と同様に構成されている。
実施の形態では、散布装置支持フレーム70の横向きフレーム71及び縦向きフレーム72を、前記苗植付け装置12の後端e1に相当する植付け爪駆動機構17の後端位置よりも前方側に位置させたものにおいて、薬剤散布装置13の後端e2を、苗植付け装置12の後端e1に相当する植付け爪駆動機構17の後端位置から後端位置指示ラインyよりも少し後方側に位置させたものであるが、これに限らず、薬剤散布装置13の後端e2を、苗植付け装置12の後端e1に相当する植付け爪駆動機構17の後端位置から前記後端位置指示ラインyと一致する、又は後端位置指示ラインyよりも少し前方側に位置するように配設したものであってもよい。この場合には、前記薬剤散布装置13を散布装置支持フレーム70から取り外すことなく運搬車両に積載することも可能になる。その他の構成は、前述した実施形態と同様に構成されている。
実施の形態では、薬剤散布装置13の繰出し機構25として、薬剤通過用の開口31を開閉操作するシャッター部材をソレノイド34で操作するようにした構造を示したが、これに限らず、例えば、植付け爪駆動機構17の植付アーム18の作動と機械的に連係させてシャッター部材34を開閉操作するなど、適宜の駆動構造を採用することができる。
その他の構成は、前述した実施形態と同様に構成されている。
図19は、植付け爪駆動機構17の作動とシャッター部材34の開閉作動とを機械的に連係させる構造の一例であり、次のように構成されている。
この植付け爪駆動機構17は、4条植えに構成してあり、右2条を植付ける植付けアーム18R、及び左2条を植付ける植付けアーム18Lを備えており、それぞれの植付けアーム18R及び植付けアーム18Lの作動が、連係ロッド17aを介して操作部材17bに伝えられ、シャッター部材34の開閉作動を行うように構成してある。
すなわち、一つのシャッター部材34を、左右の植付け爪駆動機構17に対して機械的に連係させるのであるが、この構造では、前記操作部材17bに形成された円弧状の長孔17cに前記連係ロッド17aの上端側を係入させてあり、左右の各植付けアーム18R,18Lが共に作動している全条植え状態では、各植付けアーム18R,18Lの作動に連動して連係ロッド17aが押し引きされ、シャッター部材34が開閉作動されるように構成してある。
尚、この図19では、便宜上、操作部材17bのシャッター部材34に接続される部分である操作部17dを左右2箇所に記載しているが、操作部材17bには、左右の連係ロッド17aが係入される円弧状の長孔17cは左右2箇所に形成してあり、前記操作部17dは操作部材17bの一箇所に設けてあってシャッター部材34に接続されている。
このとき、植付け爪駆動機構17の左側の植付アーム18Lの少数条クラッチ(図外)は入り状態のままで苗植付け作動を継続するが、前記連係ロッド17aの上端部は操作部材17bに形成されている長孔17c内で往復移動するだけで、前記シャッター部材34による薬剤通過用の開口31の閉塞状態は維持されるように構成してある。したがって、一方の少数条クラッチが切り操作されると、薬剤散布装置13からの薬剤散布は停止された状態で、のこりの少数条クラッチが入り状態の植付アーム18Lでの苗植付け作動が行われる。その他の構成は、前述した実施形態と同様に構成されている。
13 粉粒体散布装置(薬剤散布装置)
15 植付け伝動ケース
17 植付け爪駆動機構
23 粉粒体散布装置(施肥装置)
70 散布装置支持フレーム
71 横向きフレーム
72 縦向きフレーム
90 粉粒体貯留部
93 泥除けカバー
93a,93b 分割カバー体
e1 苗植付け装置の後端
e2 粉粒体散布装置の後端
e3 散布装置支持フレームの後端
Claims (5)
- 走行機体の後部に苗植付け装置を装備し、前記苗植付け装置の後部側に散布装置支持フレームを介して粉粒体散布装置を装備した乗用型田植機であって、
前記苗植付け装置は、後部側の植付け爪駆動機構に動力を伝える複数の植付け伝動ケースを前後方向に沿わせて配設してあり、
前記散布装置支持フレームは、前記複数の植付け伝動ケースに亘って左右方向に架設された横向きフレームと、その横向きフレームの左右方向での中間位置から上方へ向けて立設された縦向きフレームとを備えて構成されているとともに、
前記横向きフレームは、左右の各植付け伝動ケース側から上方へ立ち上がる脚部と、その脚部の上端部に横端部が連なるように水平方向で横向きに延設された横杆部とを備えて、背面視で門形に形成され、
前記縦向きフレームは、左右の前記脚部同士の間隔幅内で前記横杆部の上側に位置する単一の部材で構成され、
前記縦向きフレームの上端部に粉粒体散布装置を装備させてあることを特徴とする乗用型田植機。 - 前記散布装置支持フレームは前記苗植付け装置の後端よりも前方側に設けてあり、その散布装置支持フレームの前記縦向きフレームよりも後方側に後端が位置する粉粒体散布装置を、前記縦向きフレームに対して着脱可能に装着してある請求項1記載の乗用型田植機。
- 前記散布装置支持フレームの後端は、前記苗植付け装置の後端よりも後方側に設けてあり、その散布装置支持フレームを苗植付け装置に対して着脱可能に装着してある請求項1記載の乗用型田植機。
- 前記粉粒体散布装置とは別の粉粒体散布装置を、前記散布装置支持フレームの縦向きフレームよりも前方側に位置させて、前記散布装置支持フレームとは別の取付部材を介して前記複数の植付け伝動ケースに対して取り付けてある請求項3記載の乗用型田植機。
- 前記苗植付け装置の植付け爪の作動箇所の上方側で、かつ前記別の粉粒体散布装置の粉粒体貯留部の下方側に、前記別の粉粒体散布装置に対して着脱可能に装着された泥除けカバーを備え、前記泥除けカバーを左右方向で複数個に分割された分割カバー体によって構成するとともに、その分割カバー体を前記散布装置支持フレームの前記縦向きフレームの左右両側に振り分けて配設してある請求項4記載の乗用型田植機。
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JP2011021977A JP5702176B2 (ja) | 2011-02-03 | 2011-02-03 | 乗用型田植機 |
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