JP5699320B2 - ロール状フィルム基材 - Google Patents

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本発明は、カラーフィルタおよび配線パターン等の各種の用途に使用可能なパターン形成体に用いられるロール状フィルム基材に関する。
近年、液晶表示素子の薄型軽量化および耐衝撃性の向上等が目指されており、カラーフィルタ、TFTアレイ等を構成する基材として、従来使用されてきたガラス基板の代わりに、可撓性を有するフィルム基材が巻回されてなるロール状フィルム基材を用いる試みがなされている。ロール状フィルム基材をこのような基材に用いた場合、基材上に所望の精度で、例えば、着色層およびブラックマトリックスが形成されたカラーフィルタを得ることが困難であるといった問題があった。具体的には、ロール状フィルム基材から巻き出されたフィルム基材上に着色層、ブラックマトリックスが形成される工程において、フォトリソグラフィー法やインクジェット法等の微細加工手段を用いてパターンが形成されるが、その工程中に熱や水分等の影響を受けたロール状フィルム基材に寸法ずれが生じてしまい、カラーフィルタを精度良く作製することが困難であるといった問題があった。
これに対して、例えば、特許文献1においては、基材を乾燥後、高温高湿環境下に放置し、所定の温湿度環境における含水率の±10%以内の含水率となるように吸湿処理を行うことによって、基材の寸法を制御する方法が開示されている。
しかしながら、この方法では、ロール状フィルム基材の巻内は吸水や脱水がしにくいため、所望の含水率に達するまでには長時間が必要であり、巻内と巻外とで含水率が均一にならず、ロール状フィルム基材の巻内および巻外で寸法ずれが生じるという問題がある。
一方、例えば、特許文献2においては、基材の加熱脱水後から露光開始までの時間を運搬手段により管理し、かつ、温度・湿度を調整することによって、基材の寸法を再現性良く制御する方法が開示されている。
しかしながら、この方法では、精密な時間管理が必要であり、ロール状フィルム基材の巻内と巻外とでは、所要時間が異なるという問題がある。
特開2003−66423号公報 特開2003−177551号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、巻内および巻外での寸法ずれがないロール状フィルム基材、寸法精度高く形成されたパターンを有するロール状パターン付フィルム基材、上記ロール状フィルム基材を製造するロール状フィルム基材の製造方法、高精度の寸法精度を有する画像表示素子、およびカラーフィルタを提供することを主目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、フィルム基材、および上記フィルム基材上に部分的に配置された空隙部材を有する空隙部材積層フィルム基材が巻回されてなることを特徴とするロール状フィルム基材を提供する。
本発明によれば、上記空隙部材が上記フィルム基材上に部分的に配置されていることから、巻内まで外気と接触することが可能となるため、巻内および巻外に関係なく均一な含水率を有するロール状フィルム基材とすることができる。
本発明においては、上記空隙部材が、少なくとも上記フィルム基材の両端の端部領域上に配置されていることが好ましい。上記空隙部材をフィルム基材の両端の端部領域上に配置することにより、ロール状フィルム基材を画像表示素子等の基材に用いた際にパターンが形成されるパターン形成領域には空隙部材を配置しなくてもよくなり、空隙部材を配置することによるゴミの付着や微細なキズの発生を防止することができるため、フィルム基材表面を良好な状態で保管することが可能となる。
本発明においては、上記空隙部材の通気度が、1.4cm/cm・sec以上であることが好ましい。空隙部材の通気度が上記範囲内である空隙部材は、通気性および透湿性に優れることから好適に用いることができる。
本発明は、フィルム基材および少なくとも上記フィルム基材の両端の端部領域上に配置された空隙部材を備える空隙部材積層フィルム基材と、上記フィルム基材上の上記空隙部材が配置されている空隙部材配置領域外に設けられたパターンとを有するパターン付フィルム基材が巻回されてなることを特徴とするロール状パターン付フィルム基材を提供する。
本発明によれば、上記空隙部材積層フィルム基材を有することにより、フィルム基材の巻内および巻外に関係なく均一な含水率を有することができるため、巻内および巻外で寸法ずれのない高精細なパターンを有するロール状パターン付フィルム基材とすることができる。また、上記パターン上に新たなパターンを形成する場合には、重ね合わせの精度を高くパターンを積層させて形成することが可能となる。また、空隙部材は取り外しが可能であることから、上記パターン付フィルム基材を用いて画像表示素子等を製造する場合に、パターンの形成加工を妨げないため、容易に加工を行うことができる。
本発明は、フィルム基材上に部分的に空隙部材を配置した空隙部材積層フィルム基材を巻回し、ロール状フィルム基材を準備するロール状フィルム基材準備工程と、上記ロール状フィルム基材の含水率が、所定の温湿度雰囲気下における含水率に達するまで、上記ロール状フィルム基材を上記温湿度雰囲気下で保管する保管工程とを有することを特徴とするロール状フィルム基材の製造方法を提供する。
本発明によれば、部分的に空隙部材が挟まれたロール状フィルム基材を含水率が所定の温湿度雰囲気下における含水率に達するまで保管することで、巻内および巻外に関係なく均一な含水率を有するロール状フィルム基材を得ることができる。また、本発明によれば、空隙部材がフィルム基材上に部分的に配置されていることにより、空隙部材がフィルム基材全面に配置されている場合に比べて、巻内が外気と接触しやすくなることから、保管工程を短時間で行うことができる。
本発明は、長手方向の長さが少なくとも50cm以上のフィルム基材、および上記フィルム基材上に形成された所定のパターンを有する画像表示素子であって、上記画像表示素子内の任意の2つの領域での上記パターンの寸法を比較した場合、一方の領域での上記パターンの寸法を1としたとき、他方の領域での上記パターンの寸法が1.00000±0.00033の範囲内となることを特徴とする画像表示素子を提供する。
上記フィルム基材の長手方向の長さが上述した範囲内である場合、通常、フィルム基材自体はロール状に巻回されて保管される。このような場合であっても、本発明においてはフィルム基材全体の寸法精度が均一であるフィルム基材を用いることにより、パターンが寸法精度高く形成された画像表示素子とすることができる。
本発明においては、予め上記フィルム基材上に部分的に空隙部材を配置してロール状に2周以上巻回されたものであることが好ましい。上述したフィルム基材は、2周以上巻回されている場合であっても、巻内および巻外の寸法精度に差を生じないため、従来のロール状フィルム基材を用いた画像表示素子においては達成することが困難であった高い寸法精度を有する画像表示素子とすることができる。
本発明は、上述したパターンがカラーフィルタの画素部であることを特徴とするカラーフィルタを提供する。
本発明によれば、寸法精度高く画素部が形成されたカラーフィルタを得ることができる。
本発明においては、巻内および巻外での寸法ずれがないロール状フィルム基材を得ることができるという効果を奏する。
本発明のロール状フィルム基材の一例を示す模式図および概略断面図である。 本発明のロール状フィルム基材に用いられる空隙部材積層フィルム基材の一例を示す概略平面図である。 本発明のロール状フィルム基材に用いられる空隙部材積層フィルム基材の他の一例を示す概略平面図である。 本発明のロール状フィルム基材に用いられる空隙部材積層フィルム基材の他の一例を示す概略平面図である。 本発明のロール状フィルム基材に用いられる空隙部材積層フィルム基材の他の一例を示す概略平面図である。 本発明に用いられる空隙部材の一例を示す概略断面図である。 本発明のロール状パターン付フィルム基材の一例を示す模式図である。 本発明のロール状フィルム基材の製造方法の一例を示す工程図である。 本発明のカラーフィルタの一例を示す概略平面図である。 本発明のカラーフィルタの他の一例を示す概略平面図である。 実施例のロール状フィルム基材の含水率の挙動を示すグラフである。 実施例のロール状フィルム基材の含水率の挙動を示すグラフである。 実施例のロール状フィルム基材の寸法精度の挙動を示すグラフである。 実施例のロール状フィルム基材の寸法精度の挙動を示すグラフである。 実施例および比較例1〜3に用いられるPETフィルムの含水率と寸法変化量との相関関係を示すグラフである。 実施例および比較例のロール状フィルム基材の含水率の挙動を示すグラフである。 実施例および比較例のロール状フィルム基材の寸法精度の挙動を示すグラフである。
以下、本発明のロール状フィルム基材、ロール状パターン付フィルム基材、ロール状フィルム基材の製造方法、画像表示素子、およびカラーフィルタについて詳細に説明する。
A.ロール状フィルム基材
本発明のロール状フィルム基材は、フィルム基材、および上記フィルム基材上に部分的に配置された空隙部材を有する空隙部材積層フィルム基材が巻回されてなることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記空隙部材が上記フィルム基材上に部分的に配置されていることから、巻内まで外気と接触することができるため、巻内および巻外に関係なく均一な含水率を有するロール状フィルム基材とすることができる。
ここで、本発明において、空隙部材がフィルム基材上に部分的に配置されているとは、ロール状フィルム基材とした場合に、上層のフィルム基材と下層のフィルム基材とが密着しないように空隙部材がフィルム基材上に部分的に配置されている状態を指す。また、フィルム基材上全面に空隙部材が配置されている状態を除くものである。
また、本発明のロール状フィルム基材において、巻内および巻外が均一な含水率を有するとは、巻外におけるフィルム基材の含水率と、巻内におけるフィルム基材の含水率との差が、0.05wt%以下、好ましくは0.02wt%以下、特に好ましくは0.01wt%以下となることを指す。なお、上記含水率については、例えば、クラボウ社製の水分計(品名:RX−100、透過型)、マイクロ波オンライン水分計(マルカム製)、電気抵抗式水分計((株)山崎精機研究所製)等を用いて測定することができる。
また、本発明におけるロール状フィルム基材の巻外とは、ロール状フィルム基材の最外層を指し、ロール状フィルム基材の巻内とは、ロール状フィルム基材の巻外から2周以上内側の層を指す。
ここで、本発明のロール状フィルム基材について図を用いて説明する。図1(a)は、本発明のロール状フィルム基材の一例を示す模式図であり、図1(b)はA−A線の概略断面図である。図1(a)に示すように、本発明のロール状フィルム基材10は、フィルム基材1、およびフィルム基材1上に部分的に配置された空隙部材2を有する空隙部材積層フィルム基材11が巻き取られてなるものである。図1においては、空隙部材2がフィルム基材1の両端の端部領域上にのみ配置され、パターン形成領域tには形成されていない例について示している。なお、パターン形成領域tについては後述するため、ここでの説明は省略する。また、フィルム基材1の両端の端部領域についても後述するため、ここでの説明は省略する。また、図1(a)においてXで示される方向は、フィルム基材1の長手方向を、Yで示される方向はフィルム基材1の幅方向を示すものである。
本発明においては、図1(b)に示すように、空隙部材2を部分的に配置することにより、ロール状フィルム基材10においては、上層のフィルム基材1と下層のフィルム基材1との間に空間が形成され、かつ空隙部材2は通気性および透湿性を有するものであることから、巻内であっても外気と接触することができるため、巻内のフィルム基材も巻外のフィルム基材と同程度に水分を取り込むことが可能となる。よって、巻内および巻外の含水率に差を生じないロール状フィルム基材10とすることが可能となる。
以上説明したように、本発明のロール状フィルム基材は、上記空隙部材が上記フィルム基材上に部分的に配置されていることから、巻内まで外気と接触することができるため、巻内および巻外に関係なく均一な含水率を有するものとすることができる。
さらに、本発明のロール状フィルム基材と、空隙部材がフィルム基材全面に配置されているロール状フィルム基材と比較した場合、本発明においては、空隙部材が部分的に配置されていることから、巻内がより外気と接触しやすいため、巻内および巻外の含水率に差を生じないロール状フィルム基材をより容易に製造することができるといった利点を有する。
以下、本発明のロール状フィルム基材に用いられる空隙部材積層フィルム基材について説明する。
1.空隙部材積層フィルム基材
本発明に用いられる空隙部材積層フィルム基材は、フィルム基材、および上記フィルム基材上に部分的に配置された空隙部材を有するものである。
本発明は、空隙部材がフィルム基材上に部分的に配置されていることに特徴を有するものである。そこでまず、空隙部材の配置について説明する。
(1)空隙部材の配置
本発明における空隙部材の配置としては、上述したように、ロール状フィルム基材とした場合に、上層のフィルム基材と下層のフィルム基材とが密着しないように空隙部材をフィルム基材上に部分的に配置することが可能であれば特に限定されるものではない。
空隙部材の配置としては、例えば、図1に示すように、空隙部材2をフィルム基材1の両端の端部領域上に配置してもよい。また、例えば、図2(a)に示すように、フィルム基材1の長手方向Xに所定の間隔を空けて空隙部材2を配置してもよいし、図2(b)に示すように、フィルム基材1の幅方向Yに所定の間隔を空けて空隙部材2を配置してもよいし、図2(c)に示すように、フィルム基材1の幅方向Yに対して斜め方向(鋭角方向)に所定の間隔を空けて空隙部材2を配置してもよい。なお、図2は、本発明に用いられる空隙部材積層フィルム基材の概略平面図である。
ここで、本発明のロール状フィルム基材は、例えば画像表示素子等の基材、もしくは画像表示素子の多面付け基板等のパターン形成体の基材として用いられるものであることから、フィルム基材の表面上には所定のパターンが形成されるものである。この際、上記所定のパターンが形成される領域のフィルム基材上に、ゴミ等が付着していたり、微細なキズが生じている場合は、形成される画像表示素子の欠陥の原因となる。よって、本発明においては、ロール状フィルム基材を画像表示素子等の基材に用いた際に、パターンが形成されるパターン形成領域のフィルム基材上には空隙部材が配置されないことが好ましい。なお、ここでいうパターンについては後述する「B.ロール状パターン付フィルム基材」の項で説明するため、ここでの説明は省略する。
上記の点を考慮すると、本発明における空隙部材の配置としては、上記空隙部材が、少なくとも上記フィルム基材の両端の端部領域上に配置されていることが好ましい。
ここで、「フィルム基材の両端の端部領域」とは、フィルム基材の幅方向の両端に存在する領域であり、かつ、本発明のロール状フィルム基材をパターン形成体の基材に用いた際に、パターンが形成されない領域である。
より具体的には、フィルム基材の端部領域とは、フィルム基材の幅方向の長さを1とした場合、フィルム基材の幅方向の端辺からの距離が0.2以下、なかでも0.1以下、特に0.05以下の領域を指すものである。
以上から、本発明において、空隙部材が少なくともフィルム基材上の両端の端部領域上に配置されているとは、空隙部材が少なくとも上述したフィルム基材の両端の端部領域上に配置され、かつ、本発明のロール状フィルム基材をパターン形成体の基材に用いた際に、パターンが形成されるパターン形成領域外に空隙部材が配置されていることを指す。
なお、パターン形成領域外とは、フィルム基材全面から、パターン形成領域を除いた領域を指す。
以下、少なくともフィルム基材の両端の端部領域上に空隙部材を配置することについて、より詳細に説明する。図3〜図4は、いずれも本発明に用いられる空隙部材積層フィルム基材の一例を示す概略平面図である。また、図3および図4において以下に説明しない符号については、図1と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本発明においては、例えば、図1や図3に示すように、空隙部材2をフィルム基材1の両端の端部領域上のみに配置し、かつ、パターン形成領域tには配置されないように、空隙部材2を配置することができる。なお、図3においては、空隙部材2がフィルム基材1の両端の端部領域s上の全面に配置されている例について示している。
なお、上述した端部領域内における空隙部材の配置としては、ロール状フィルム基材の上層および下層のフィルム基材の密着を防止し、かつ、巻内および巻外のフィルム基材の含水率を均一なものとすることが可能な配置であれば特に限定されない。具体的には、図3に示すように、フィルム基材の両端の端部領域s上の全面に空隙部材を配置してもよいし、図4(a)に示すように、フィルム基材1の端部領域s上の全面、および、フィルム基材1の長手方向Xの端辺(図4(a)では、一点破線で示す部分)を越えて空隙部材2を配置してもよいし、図4(b)に示すように、フィルム基材1の両端の端部領域sの一部に空隙部材2を配置してもよい。
本発明においては、通常、空隙部材の位置決め精度等の問題を考慮し、図4(b)に示すように、フィルム基材1の両端の端部領域sの一部、より好ましくは端部領域sの中央部分に空隙部材2が配置される。
本発明は、少なくともフィルム基材の両端の端部領域上に空隙部材が配置されていることが好ましいが、なかでも、フィルム基材の両端の端部領域以外の領域であって、かつ、上記フィルム基材をパターン形成体の基材に用いた場合に、パターンが形成されない領域、すなわちパターン形成領域外にも空隙部材が配置されていることが好ましい。ロール状フィルム基材において、上層のフィルム基材および下層のフィルム基材が密着してしまうことをより効果的に防止することができるからである。
具体的には、図5に示すように、空隙部材2がフィルム基材1の両端の端部領域s上以外にもパターン形成領域tを囲むように空隙部材2を配置することができる。また、この場合は、図5(a)に示すように、空隙部材2がパターン形成領域tの周辺全てを囲むように配置されていてもよいし、図5(b)に示すように、空隙部材2がパターン形成領域tの周辺の一部を除いて囲むように配置されていてもよい。なお、図5(a)、(b)においては、空隙部材2が端部領域s上の全面に形成され、さらに図5(a)においてはパターン形成領域tを除いた全面に形成されている例について示しているが、これに限定されるものではなく、上記端部領域内、および端部領域以外でパターンが形成されない領域内であれば任意の領域に空隙部材を配置することが可能である。
上述した空隙部材の配置はいずれも、フィルム基材のパターン形成領域には、空隙部材が配置されていないことから、パターン形成領域にゴミが付着したり、キズを生じたりする等の問題が発生することを防止することができ、パターン形成領域のフィルム基材表面を良好な状態で保つことが可能となる。
次に、空隙部材積層フィルム基材に用いられる空隙部材およびフィルム基材について説明する。
(2)空隙部材
本発明に用いられる空隙部材は、フィルム基材上に部分的に配置されるものであり、ロール状フィルム基材の巻内および巻外に含水率の差を生じさせない程度の通気性および透湿性を有するものである。
上記空隙部材としては、可撓性を有し、ロール状フィルム基材の巻内および巻外に含水率の差を生じさせない程度の通気性および透湿性を有し、かつ、離型性が高いものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、多孔質シート、不織布、ICチップ搬送用キャリアテープ、ワイプ、紙、ナイロンフィルム等が挙げられる。
ここで、本発明における空隙部材の断面形状としては、例えば、少なくとも一方の表面に凹凸が形成されている凹凸形状の空隙部材であってもよいし、複数の通気孔を有する多孔質形状の空隙部材であってもよいし、1枚の板状部材を加工してウェーブ状に成型された空隙部材であってもよい。
本発明における空隙部材としては、なかでも、少なくとも一方の表面に凹凸が形成されている凹凸形状の空隙部材であることがより好ましい。上述した断面形状を有する空隙部材は、通気性および透湿性に優れるものであり、また、フィルム基材上に配置しやすいからである。
ここで、上記凹凸形状とは、凹凸形状によりなる隙間が所望の通気性および透湿性を有する形状であれば特に限定されない。例えば、凸部の高さが、0.01mm〜1.5mmの範囲内、凸部が潰れない程度で好ましくは、0.1mm〜0.5mmの範囲内、隣接する凸部同士の距離が0.01mm〜4.0mmの範囲内、好ましくは、0.1mm〜2.0mmの範囲内である。
なお、上記凸部の高さ、および隣接する凸部同士の距離は、mmオーダーの測定の場合はノギスや顕微鏡を用いて測定され、μオーダーの測定の場合は、触針式の表面粗さ計(ミカサ株式会社、品名ET4000L-S)を用いて測定される。
なお、凸部の高さとは、図6に示す空隙部材2においてQで示されるものであり、隣接する凸部同士の距離とは図6に示す空隙部材2においてPで示される距離を指す。
また、凸部のフィルム基材と接触する面の形状は、平面であっても曲面であってもよいが、平面であることが好ましい。フィルム基材に傷を生じにくい形状であるからである。
本発明における空隙部材の通気度としては、ロール状フィルム基材に配置した場合に巻内および巻外に含水率の差を生じさせない程度の通気度であれば特に限定されるものではないが、1.4cm/cm・sec以上であることが好ましい。通気度が上記数値より小さい場合は、空隙部材の通気性および透湿性が十分ではないことから、ロール状フィルム基材に用いた場合に、巻内および巻外の含水率を均一にすることが困難となるおそれがあるからである。上記通気度は、JIS L1096 8.27.1 A法(フラジール形法)により測定される。
また、空隙部材が平坦な部材である場合の表面粗さ(Ra)としては、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることがより好ましく、5μm以上であることがさらに好ましい。Raが上記範囲より小さいと、空隙部材が有する空隙が少なくなり、通気性および透湿性を高くすることができないからである。なお、本発明に用いられる空隙部材のRaは、通常、10μm以下である。なお、ここでの「表面粗さ(Ra)」は、「算術平均表面粗さ」であり、JIS−B0601に準拠して測定される。
上述した空隙部材の形状、通気度、および表面粗さ(Ra)等を考慮すると、本発明において好ましい空隙部材としては、上述した具体例のなかでも、多孔質シート、ICチップ搬送用キャリアテープ、ワイプ、ナイロンフィルム等を挙げることができ、特に好ましい空隙部材としては、多孔質シート、ICチップ搬送用キャリアテープ等を挙げることができる。
本発明に用いられる空隙部材の厚さとしては、20μm〜200μmの範囲内であることが好ましい。空隙部材の厚さが上記範囲よりも薄すぎると、空隙部材積層フィルム基材を巻回したときに空隙がつぶれ易くなり、上記範囲よりも厚すぎると、空隙部材積層フィルム基材の巻回ができなくなるためである。
本発明に用いられる空隙部材の幅としては、ロール状フィルム基材の巻内および巻外の含水率が均一となるように空隙部材をフィルム基材上に部分的に配置することが可能な幅であれば特に限定されるものではなく、ロール状フィルム基材の幅、パターン形成領域の大きさ等により適宜選択されるものである。
なお、空隙部材を少なくともフィルム基材の両端の端部領域上に配置する場合は、上記空隙部材の幅としては、5mm〜60mmの範囲内、中でも5mm〜30mmの範囲内、特に5mm〜15mmの範囲内であることが好ましい。空隙部材の幅が上記範囲よりも広すぎると、ロール状フィルム基材に配置した際に、はみ出た部分が無駄になり、上記範囲よりも狭すぎると、フィルム基材を支えることが困難となり、ロール状フィルム基材において上層のフィルム基材と下層のフィルム基材とが密着して通気性が損なわれるからである。
なお、上記の場合における空隙部材の幅は、図3および図5においてuで示される距離を指すものである。
(3)フィルム基材
本発明に用いられるフィルム基材は、巻回されてロール状フィルム基材となるものである。上記フィルム基材は、可撓性を有する樹脂基材であれば、特に限定されるものではなく、本発明のロール状フィルム基材の用途等に応じて、任意の樹脂材料からなる基材を用いることができる。
このようなフィルム基材の材料としては、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、セルローストリアセテート(CTA)、環状ポリオレフィン(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリサルフォン(PSF)、ポリアミドイミド(PAI)、ノルボルネン系樹脂、アリルエステル樹脂等の合成樹脂を挙げることができ、中でも、PEN、PETが好ましい。
また、本発明に用いられるフィルム基材の湿度膨張係数としては、2×10−5/%RH以下であることが好ましく、1×10−5/%RH以下であることがより好ましく、5×10−6/%RH以下であることがさらに好ましい。湿度変化による寸法変化量が少なく、取り扱いが容易となるからである。
また、本発明に用いられるフィルム基材の線膨張係数としては、2×10−5/℃以下であることが好ましく、1×10−5/℃以下であることがより好ましく、5×10−6/℃以下であることがさらに好ましい。温度変化による寸法変化量が少なく、取り扱いが容易だからである。
また、本発明に用いられるフィルム基材の厚さとしては、1μm〜1mmの範囲内であることが好ましく、10μm〜500μmの範囲内であることがより好ましく、50μm〜250μmの範囲内であることがさらに好ましい。フィルム基材の厚さが上記範囲よりも厚すぎると、フレキシブル性が損なわれ、ロール状フィルム基材の作製が困難になり、折れやすくなるからである。一方、上記範囲よりも薄すぎると、こしが無くなり、各工程における取り扱いが困難になるからである。
また、本発明に用いられるフィルム基材の幅としては、本工程において巻回することによりロール状フィルム基材を準備することができれば、特に限定されるものではないが、例えば、100mm〜1000mmの範囲内であることが好ましく、150mm〜600mmの範囲内であることがより好ましい。
なお、本発明に用いられるフィルム基材は、単一層からなる構成であっても良く、あるいは、複数の層が積層された構成を有するものであっても良い。
2.ロール状フィルム基材
本発明のロール状フィルム基材の用途としては、パターン形成体の基材として用いることが可能であれば特に限定されるものではないが、画像表示素子の基材として用いられることが好ましい。上記画像表示素子の基材としては、例えば、カラーフィルタ形成用基板、配線パターン形成用基板等に用いることができる。本発明においては、特にカラーフィルタ形成用基板として用いられることが好ましい。
また、図1においては、空隙部材積層フィルム基材をコア材等を用いずに巻回されているロール状フィルム基材について示しているが、コア材を有していてもよい。
上記コア材については、一般的なロール状フィルム基材に用いられるものと同様とすることができるが、その内径が、70mm〜160mmの範囲内のものを好適に用いることができる。
また、本発明のロール状フィルム基材は、上述した構成を有することにより、巻内および巻外の含水率に差を生じないものである。このようなロール状フィルム基材は、一般的なロール状フィルム基材と同様の製造方法で形成することが可能である。また、本発明においては、上述した空隙部材をフィルム基材の両端の端部領域に配置することが好ましいことから、一般的なナーリングが行われるロール状フィルム基材と同様の製造方法で製造することがより好ましい。具体的には、後述する「C.ロール状フィルム基材の製造方法」の項で説明する製造方法を用いることができる。
なお、ナーリングとは、フィルム基材をロール状に巻回する際、フィルム基材のパターン形成領域等に欠陥を生じさせないようにするために、フィルム基材の両端部分に空隙層を形成したり、凹凸模様を形成してフィルム基材の両端部分の厚みを厚くすることを指す。
B.ロール状パターン付フィルム基材
本発明のロール状パターン付フィルム基材は、フィルム基材および少なくとも上記フィルム基材の両端の端部領域上に配置された空隙部材を備える空隙部材積層フィルム基材と、上記フィルム基材上の上記空隙部材が配置されている空隙部材配置領域外に設けられたパターンとを有するパターン付フィルム基材が巻回されてなることを特徴とするものである。
なお、本発明における空隙部材配置領域とは、上述した「A.ロール状フィルム基材」の項で説明した、少なくとも上記フィルム基材の両端の端部領域上に空隙部材を配置する場合に、空隙部材が配置される領域を指す。より具体的には、図1、および図3〜5において空隙部材2が配置されている領域を指す。
本発明のロール状パターン付フィルム基材について図を用いて説明する。図7は、本発明のロール状パターン付フィルム基材の一例を示す模式図である。図7に示すように、本発明のロール状パターン付フィルム基材20は、フィルム基材1およびフィルム基材1の両端の端部領域上に配置された空隙部材2を備える空隙部材積層フィルム基材11と、フィルム基材1上の空隙部材2が配置されている空隙部材配置領域外に設けられたパターン3とを有するパターン付フィルム基材21が巻回されてなるものである。
本発明によれば、上記空隙部材積層フィルム基材を有することにより、フィルム基材の巻内および巻外に関係なく均一な含水率を有することができるため、巻内および巻外とで寸法ずれのない高精細なパターンを有するロール状パターン付フィルム基材とすることができる。また、上記パターン上に新たなパターンを形成する場合には、重ね合わせの精度を高くパターンを積層させて形成することが可能となる。また、空隙部材は取り外しが可能であることから、上記パターン付フィルム基材を用いて画像表示素子等を製造する場合に、パターンの形成加工を妨げないため、容易に加工を行うことができる。
以下、本発明に用いられるパターン付フィルム基材について説明する。
1.パターン付フィルム基材
本発明に用いられるパターン付フィルム基材は、フィルム基材および少なくとも上記フィルム基材の両端の端部領域上に配置された空隙部材を備える空隙部材積層フィルム基材と、上記フィルム基材上の上記空隙部材が配置されている空隙部材配置領域外に設けられたパターンとを有するものである。
なお、空隙部材積層フィルム基材については、上述した「A.ロール状フィルム基材」の項で説明した、空隙部材が少なくともフィルム基材の両端の端部領域上に配置されているものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。以下、パターンについて説明する。
本発明に用いられるパターンは、フィルム基材上の空隙部材配置領域外に設けられるものである。具体的には、図1、および図3〜図5に示されるフィルム基材1においてパターン形成領域tに形成されるものである。
また、パターンとは、フィルム基材上に所定のパターン状に設けることができるものであれば特に限定されるものではないが、画像表示素子用のものであることが好ましい。画像表示素子においては、従来使用されてきたガラス基板の代わりに上記フィルム基材を用いることにより、薄型軽量化が可能となり、かつ耐衝撃性を向上させることが可能となるからである。上記画像表示素子用のパターンとしては、画像表示素子に用いられる光学機能層や、画像表示素子全体を指すものである。
上記パターンが画像表示素子全体を指す場合は、例えばカラーフィルタ、配線パターン等を挙げることができる。
また、上記パターンが光学機能層を指す場合は、例えばカラーフィルタの画素部、配線パターンの画素部、ハードコート層、アンチグレア層、アンチリフレクション層、偏光層等を挙げることができる。
本発明においては、特に上記パターンがカラーフィルタ、またはカラーフィルタの画素部であることが好ましい。
また、パターンの形成方法としては、所望のパターン形状に精度高く形成することができる方法であれば、特に限定されるものではなく、例えば、フォトリソグラフィー法およびインクジェット法等、一般的に公知の方法を用いることができるため、ここでの説明は省略する。
上記パターン付フィルム基材の用途としては、上述した画像表示素子、もしくは画像表示素子を複数有する多面付け基板として用いられる。
2.ロール状パターン付フィルム基材
本発明のロール状パターン付フィルム基材は、上述したパターン付フィルム基材が巻回してなるものである。上記ロール状パターン付フィルム基材の製造方法については、上記パターン付フィルム基材を一般的な巻回方法により巻回することにより製造することができる。巻回方法については、後述する「C.ロール状フィルム基材の製造方法」の製造方法の項で説明するため、ここでの説明は省略する。
C.ロール状フィルム基材の製造方法
本発明のロール状フィルム基材の製造方法は、フィルム基材上に部分的に空隙部材を配置した空隙部材積層フィルム基材を巻回し、ロール状フィルム基材を準備するロール状フィルム基材準備工程と、上記ロール状フィルム基材の含水率が、所定の温湿度雰囲気下における含水率に達するまで、上記ロール状フィルム基材を上記温湿度雰囲気下で保管する保管工程とを有することを特徴とする製造方法である。
本発明のロール状フィルム基材の製造方法について、図を参照しながら説明する。図8は、本発明のロール状フィルム基材の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図8(a)に示されるように、フィルム基材1上に部分的に空隙部材2を配置することで、空隙部材積層フィルム基材11を作製し、図8(b)に示されるように、空隙部材積層フィルム基材11を巻回して、ロール状フィルム基材10を準備する(ロール状フィルム基材準備工程)。次に、ロール状フィルム基材10を、その含水率が所定の温湿度雰囲気下における含水率に達するまで保管する(保管工程)。これにより、所定の温湿度雰囲気下における含水率に達したロール状フィルム基材10を得る。
本発明によれば、空隙部材が部分的に挟まれたロール状フィルム基材を含水率が所定の温湿度雰囲気下における含水率に達するまで保管することで、巻内および巻外に関係なく均一な含水率を有するロール状フィルム基材を得ることができる。また、本発明によれば、空隙部材がフィルム基材上に部分的に配置されていることにより、空隙部材がフィルム基材全面に配置されている場合に比べて、巻内が外気と接触しやすいことから、保管工程を短時間で行うことができる。
本発明のロール状フィルム基材の製造方法は、少なくともロール状フィルム基材準備工程および保管工程を有するものであり、必要に応じて他の任意の工程を有していても良いものである。
以下、各工程について説明する。
1.ロール状フィルム基材準備工程
本工程は、フィルム基材上に部分的に空隙部材を配置した空隙部材積層フィルム基材を巻回し、ロール状フィルム基材を準備する工程である。
なお、本工程により作製される空隙部材積層フィルム基材については、上述した「A.ロール状フィルム基材」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
本工程においては、上記空隙部材積層フィルム基材を巻回し、ロール状フィルム基材を準備する。空隙部材積層フィルム基材の巻回方法としては、空隙部材の空隙をつぶすことなく、低テンションで巻くことができれば、特に限定されるものではなく、一般的な公知の巻回機を用いて、空隙部材積層フィルム基材を巻回する方法等を挙げることができる。
本工程における上記空隙部材積層フィルム基材の巻回数は、本発明により製造されるロール状フィルム基材の用途等に応じて、適宜選択されることが好ましい。
なお、図8においては、フィルム基材1上に空隙部材2を配置して空隙部材積層フィルム基材11とした後、巻回してロール状フィルム基材10を準備する方法について図示しているがこれに限定されるものではない。例えば、フィルム基材上の所定の位置に空隙部材を配置しながら、同時にこれを巻回する方法を用いることができる。この方法によれば、巻回の際に、上層のフィルム基材および下層のフィルム基材の間に空隙部材を挟み込み、巻回により生じる圧力によって、空隙部材を固定することが可能となる。本発明により製造されるロール状フィルム基材は、空隙部材をフィルム基材上に接着剤等を用いて配置しないものであることから、上述したロール状フィルム基材の作製方法を好適に用いることができる。
2.保管工程
次に、本発明における保管工程について説明する。本発明における保管工程は、上記ロール状フィルム基材の含水率が、所定の温湿度雰囲気下における含水率に達するまで、上記ロール状フィルム基材を上記温湿度雰囲気下で保管する工程である。
空隙部材が挟まれたロール状フィルム基材をこのように保管することで、巻内と巻外とで含水率の差を生じることなく、均一な含水率を有するロール状フィルム基材を得ることができ、ロール状フィルム基材の寸法を安定させることができる。
本工程において、ロール状フィルム基材の含水率が、所定の温湿度雰囲気下における含水率に達していることは、ロール状フィルム基材の含水率が測定可能であれば、例えば、クラボウ社製の水分計(品名:RX−100、透過型)、マイクロ波オンライン水分計(マルカム製)、電気抵抗式水分計((株)山崎精機研究所製)等を用いて、含水率測定を行うことにより判断することができる。
本発明においては、本工程の温湿度雰囲気を、所定の温湿度雰囲気下における含水率に達したロール状フィルム基材から巻き出されたフィルム基材上にパターンを形成する際の温湿度雰囲気と等しくする必要がある。保管工程とパターン形成時との温度差および湿度差によるロール状フィルム基材の寸法伸縮が生じず、所定の温湿度雰囲気下における含水率を有するロール状フィルム基材から巻き出されたフィルム基材の寸法を基準としてパターン形成を行うことにより、高い寸法精度でパターンを形成することができるからである。
本工程における温度としては、所望の温度下のロール状フィルム基材の寸法を計算により求めることができる範囲内であれば、特に限定されるものではないが、例えば、20℃〜30℃の範囲内であることが好ましく、後工程(例えば、フィルム基材を画像表示素子のカラーフィルタ等の基材に用いる場合は対向基板とのアライメント貼合工程など)と等しい温度であることがより好ましい。パターン形成時と後工程との温度差によるロール状フィルム基材の寸法伸縮量を考慮してパターン形成する必要が省かれるからである。
また、本工程における湿度としては、所望の湿度下のロール状フィルム基材の寸法を計算により求めることができる範囲内であれば、特に限定されるものではないが、例えば、30%RH〜60%RHの範囲内であることが好ましく、後工程(例えば、対向基板とのアライメント貼合工程など)と等しい湿度であることがより好ましい。パターン形成時と後工程との湿度差によるロール状フィルム基材の寸法伸縮量を考慮してパターン形成する必要が省かれるからである。
また、本発明においては、ロール状フィルム基材の含水率が、所定の温湿度雰囲気下における含水率に達することができれば、本工程の温湿度雰囲気を常に一定にしても良く、本工程を行う毎に本工程の温湿度雰囲気を変化させても良いが、パターン形成装置の観点から、常に一定にすることが好ましい。本工程の温湿度雰囲気を常に一定にし、ロール状フィルム基材の所定の温湿度雰囲気下における含水率を一定に保つことで、ロール状フィルム基材から巻き出されてなるフィルム基材の寸法を一定にすることができ、パターン形成時のマスクの種類を少なくすることができるからである。
本工程における保管場所としては、密閉された空間であり、密閉空間内の温湿度雰囲気を管理することができれば、特に限定されるものではないが、例えば、温湿度制御が可能なクリーンルーム、デシケーターおよびチャンバー等の保管庫等を挙げることができる。また、上記保管場所内は、ロール状フィルム基材を劣化させない気体雰囲気であることが好ましい。
また、本工程における保管時間としては、ロール状フィルム基材の含水率を所定の温湿度雰囲気下における含水率に到達させることができれば、特に限定されるものではなく、ロール状フィルム基材の種類、温湿度雰囲気および保管場所等によって、適宜選択されるものである。
D.画像表示素子
本発明の画像表示素子は、長手方向の長さが少なくとも50cm以上のフィルム基材、および上記フィルム基材上に形成された所定のパターンを有する画像表示素子であって、上記画像表示素子内の任意の2つの領域での上記パターンの寸法を比較した場合、一方の領域での上記パターンの寸法を1としたとき、他方の領域での上記パターンの寸法が1.00000±0.00033の範囲内となることを特徴とするものである。
ここで、本発明において、「上記画像表示素子内の任意の2つの領域」とは、それぞれ同種のパターンを同数有する領域である。また、「上記画像表示素子内の任意の2つの領域での上記パターンの寸法」とは、上記領域が複数のパターンを有する場合は、それぞれのパターンの寸法の測定値の平均値とする。
また、本発明は、フィルム基材全体の寸法精度が均一であるフィルム基材を用いたものである。
ここで、上述したように、フィルム基材の寸法精度はフィルム基材の含水率に影響されるものである。上記フィルム基材の長手方向の長さが上述した範囲内である場合、通常、フィルム基材自体はロール状に巻回され、ロール状フィルム基材として保管される。従来のロール状フィルム基材の巻内は吸水や脱水がしにくいため、巻外との含水率に差を生じ、その結果、ロール状フィルム基材の巻内と巻外で寸法ずれが生じてしまうといった問題があった。
一方、本発明においては、上述した「A.ロール状フィルム基材」の項で説明したように、巻内および巻外の含水率が均一なロール状フィルム基材を画像表示素子の基材に用いることで、巻内および巻外の含水率の差によるパターンの寸法ずれを解消することができることから、上述した長手方向の長さを有するフィルム基材を用いた画像表示素子であっても、寸法精度の高いパターンを有することが可能となる。
また、本発明の画像表示素子は、フィルム基材上に形成された複数の画像表示素子をパターンとして有する多面付け基板、またはフィルム基材上に形成された光学機能層をパターンとして有する画像表示素子のいずれも含むものである。
本発明の画像表示素子について図を用いて説明する。図9は、本発明の画像表示素子の一例を示す概略平面図であり、画像表示素子としてカラーフィルタの多面付け基板を例に挙げたものである。また、図10は、図9に形成されている各々のパターン(カラーフィルタ3’)の拡大図である。
図9に示すように、本発明の画像表示素子30は、所定の長手方向Xの長さを有するフィルム基材1と、フィルム基材1上に形成された複数のカラーフィルタ3’(図9ではカラーフィルタ3’a〜3’m)を有するカラーフィルタの多面付け基板である。また、図10に示すように、各々のカラーフィルタ3’はフィルム基材上に形成された複数の画素部31(図10では、赤色画素部31R、緑色画素部31G、および青色画素部31B)および画素部31を区画する遮光部32からなるものである。なお、遮光部32については説明のため白色で示している。なお、図9においてYで示される方向は、フィルム基材1の幅方向を示している。
ここで、本発明は、上記画像表示素子内の任意の2つの領域での上記パターンの寸法を比較した場合、一方の領域での上記パターンの寸法を1としたとき、他方の領域での上記パターンの寸法が1.00000±0.00033の範囲内となることを特徴とするものである。
これは、例えば図9に示される画像表示素子30におけるカラーフィルタ3’a内の任意の領域を領域x1とし、カラーフィルタ3’m内の任意の領域を領域x2とし、領域x1および領域x2には、図10に示されるように3つの画素部31が存在している場合、領域x1の3つの画素部31のそれぞれの寸法の測定値の平均値を1としたとき、領域x2の3つの画素部31のそれぞれの寸法の測定値の平均値が上述した数値範囲となることを示している。
なお、図10においては、説明のため、カラーフィルタ3’aの領域x1とカラーフィルタ3’mの領域x2とを同一のカラーフィルタ3’に図示している。
なお、図9の画像表示素子30においては、例えばカラーフィルタ3’aおよびカラーフィルタ3’mのそれぞれの寸法について比較することもできる。
また、上述した説明は、本発明の画像表示素子が多面付け基板である場合について示しているが、本発明の画像表示素子が1つの画像表示素子である場合も同様に、画像表示素子内における任意の2つの領域でのそれぞれのパターンの寸法を比較した場合、2つの領域のそれぞれのパターンの寸法が上述した関係となるものである。
以上説明したように、本発明によれば、フィルム基材全体の寸法精度に差がないフィルム基材を用いることにより、寸法精度の高いパターンが形成された画像表示素子とすることができる。
以下、本発明に用いられる各部材について説明する。
1.画像表示素子
本発明に用いられる画像表示素子は、上記フィルム基材上に形成された所定のパターンを有するものであり、上記画像表示素子内の任意の2つの領域での上記パターンの寸法を比較した場合、一方の領域での上記パターンの寸法を1とした場合、他方の領域での上記パターンの寸法が1.00000±0.00033の範囲内、特に好ましくは1.000000±0.000017の範囲内となるものである。
ここで、上記2つの領域を比較した場合のパターンの寸法精度が上記数値範囲内である場合は、画像表示素子における対向する2つのパターンの位置を一致させることが可能となるため、高精度の画像表示素子とすることができる。具体例としては、カラーフィルターパターンとTFT素子パターンとの位置を一致させることが可能となる。よって、TFT素子により画素のON/OFFを行ったときにカラーフィルタがTFT素子に対して位置ずれを生じることなく配置されているため、色がずれることなく良好な画像表示を行うことができる。
一方、上述したパターンの寸法精度が上記数値範囲を超える場合は、画像表示素子における対向する2つのパターンの位置を一致させることが困難となる。より具体的には、カラーフィルタパターンとTFT素子パターンの位置がずれてしまうため、本来表示されるべき色が表示できなかったり、白抜け(カラーフィルタがずれた隙間から光が漏れること)や混色(近接する他の画素の色が混じること)等の不具合が発生する可能性がある。
ここで、本発明において、「上記画像表示素子内の任意の2つの領域での上記パターンの寸法を比較した場合、一方の領域での上記パターンの寸法を1とした場合、他方の領域での上記パターンの寸法が1.00000±0.00033の範囲内となる」とは、具体的には、上記2つの領域でのパターンの寸法を比較した場合、それぞれのパターンの寸法の差が、100mm当たり33μmの範囲内、好ましくは100mm当たり3.3μmの範囲内、特に好ましくは100mm当たり1.7μmの範囲内となるものである。
なお、パターン寸法の測定は、測定間の距離を測定できる装置であれば特に限定されるものではないが、一般的には測長機が用いられることが好ましい。また、測長機の中でも、マイクロメートル単位まで距離を測定できる精密なものが好ましく、例えば、SOKKIA製 超精密自動2次元座標測定機やニコンインストルメンツカンパニー製CNC画像測定システム等を用いることができる。
また、本発明において比較されるパターンは、本発明の画像表示素子が、1つの画像表示素子である場合は画像表示素子内の任意の2つの領域に存在する光学機能層である。
一方、本発明において比較されるパターンは、本発明の画像表示素子が、複数の画像表示素子を有する多面付け基板である場合は、任意の2つの画像表示素子であってもよいし、任意の2つの画像表示素子における任意の領域に存在する光学機能層であってもよい。
なお、本発明に用いられる画像表示素子および光学機能層については、上述した「B.ロール状パターン付フィルム基材」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
2.フィルム基材
本発明のフィルム基材は、長手方向の長さが少なくとも50cm以上のものである。また、上記フィルム基材の長手方向の長さの上限としては、特に限定されるものではないが、加工の容易性等を考慮すると1000m程度とすることができる。上記値を超えるフィルム基材は通常、画像表示素子の基材としては扱いが困難であるからである。
上記フィルム基材は、長手方向の長さが上述した数値以上のものであれば特に限定されるものではないが、予め上記フィルム基材の両端の端部領域上に空隙部材を配置してロール状に2周以上巻回されたものであることが好ましい。
より具体的には、フィルム基材としては、上述した「A.ロール状フィルム基材」の項で説明したロール状フィルム基材から巻き出されたものであることが好ましい。
上述したフィルム基材は、2周以上巻回された場合であっても、巻内および巻外の含水率に差を生じないため、従来のロール状フィルム基材を用いた画像表示素子においては達成することが困難であった高い寸法精度を有する画像表示素子とすることができる。
上述した長手方向の長さを有するフィルム基材は、通常、所定の内径を有するコア材に巻回されるものである。このようなコア材については「A.ロール状フィルム基材」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
また、フィルム基材については、上述した「A.ロール状フィルム基材」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
E.カラーフィルタ
本発明のカラーフィルタは、上述した「D.画像表示素子」の項で記載した画像表示素子のパターンがカラーフィルタの画素部であることを特徴とするものである。
なお、本発明のカラーフィルタを示す図面については、上述した「D.画像表示素子」の項において説明した図9および図10と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
上述した「D.画像表示素子」の項で説明したように、本発明においては、フィルム基材全体の含水率が均一であるフィルム基材を用いることから、寸法精度の高い画素部を有するカラーフィルタを得ることができる。
以下、本発明のカラーフィルタにおける各部材について説明する。
1.画素部
本発明に用いられる画素部は、フィルム基材上に形成されるものであり、通常、赤色画素部、緑色画素部、青色画素部を有するものであるが、他の色の画素部を有していてもよい。
また、上記画素部の形状、大きさ等については、カラーフィルタの用途により適宜選択されるものである。
また、画素部については、一般的なカラーフィルタに用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
2.フィルム基材
本発明に用いられるフィルム基材については、上述した「D.画像表示素子」の項で説明したものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
3.その他
本発明のカラーフィルタは、上述した画素部およびフィルム基材を有するものであれば特に限定されるものではなく、他にも必要な部材を適宜選択して追加することができる。このような部材としては、遮光部、柱状スペーサ等を挙げることができる。これらの部材については、一般的なカラーフィルタに用いられるものと同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
なお、本発明のカラーフィルタは、上述したフィルム基材を用いていることから、画素部に限らず、他の部材についても高い寸法精度を有することが可能であり、積層構造を有するものについては、高い重ね合わせの精度を有することが可能である。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例]
まず、フィルム基材として、10m長×300mm幅×0.125mm厚のPETフィルム(東洋紡製 品名:A4100)、空隙部材として、10m長×3cm幅×200μm厚、通気度1.4cm/cm・sec、表面粗さ(Ra)2.0μmの多孔質シートを準備した。次に、フィルム基材の両端の端部領域上に空隙部材を配置して空隙部材積層フィルム基材を作製し、これを巻回してロール状フィルム基材を得た。
これを常温常湿(24±1℃、41±1%)で7日間保管した。ロール状フィルム基材の保管時の巻き取りテンションは20Nとした。
なお、実施例におけるフィルム基材の両端の端部領域とは、フィルム基材の幅方向の端辺から、6cm幅の領域である。また、得られたロール状フィルム基材の外径は、8.7cmである。
[比較例1]
空隙部材を設けない以外は実施例と同様にしてロール状フィルム基材を作製した。また、保管時の巻き取りテンションを50Nとしたこと以外は実施例と同様にして保管を行った。なお、得られたロール状フィルム基材の外径は、8.7cmである。
[比較例2]
空隙部材をフィルム基材全面に配置したこと以外は実施例と同様にしてロール状フィルム基材を作製した。また、実施例と同様に保管を行った。なお、得られたロール状フィルム基材の外径は、8.7cmである。
[比較例3]
空隙部材をフィルム基材全面に配置したこと以外は実施例と同様にしてロール状フィルム基材を作製した。また、保管時の巻き取りテンションを50Nとしたこと以外は実施例と同様にして保管を行った。なお、得られたロール状フィルム基材の外径は、8.7cmである。
[評価]
・実施例における含水率の挙動
実施例のロール状フィルム基材の含水率の挙動について、保管期間中、毎日測定した。なお、含水率測定には、クラボウ社製の水分計(品名:RX−100、透過型)を使用した。また、フィルム基材の幅方向に対して中央と端辺から4cmの部分での含水率を測定した。また、フィルム基材の巻外(最外層)側の端部から2mの長さから9mの長さまでの各m毎の含水率を測定した。
フィルム基材の幅方向に対して端辺から4cmの部分での測定結果を表1および図11に、フルム基材の幅方向に対して中央での測定結果を表2および図12に示す。なお、用いたフィルム基材の乾燥状態での含水率は0.09wt%であり、常温常湿平衡状態の含水率は0.33%である。なお、表1および表2において、長さ(m)とは、巻外側の端部からの長さ(m)を指す。
Figure 0005699320
Figure 0005699320
・実施例における寸法精度の挙動
下記に示す測定方法により、フィルム基材の含水率および寸法の相関関係を調べたところ、フィルム基材の含水率が常温常湿平衡状態から0.01%小さくなると、フィルム基材の寸法は、常温常湿平衡状態における寸法(設計寸法)から1.8μm/100mm小さくなり、寸法ずれを生じることが分かった。
上記フィルム基材の含水率および寸法の相関関係を示す数値を用いて表1および表2に示す含水率から、設計寸法に対する変化量を換算した結果を表3、表4、図13、および図14に示す。なお、表3および表4において、長さ(m)とは、巻外側の端部からの長さ(m)を指す。
(フィルム基材の含水率およびフィルム基材の寸法の相関関係の測定)
実施例および比較例1〜3で用いられるPETフィルムを所定の大きさで準備し、ある温湿度におけるPETフィルムの含水率と寸法を測定し、その寸法をレファレンスとした。次に、PETフィルムの含水率を変化させた時の寸法を測定することにより、レファレンスからの寸法の変化量を測定した。含水率を横軸に、寸法の変化量を縦軸にとったグラフを形成し、近似曲線の傾きから上述した数値を得た。測定結果を表5に、グラフおよび近似曲線を図15に示す。
Figure 0005699320
Figure 0005699320
Figure 0005699320
表1、表2、図11、および図12に示すように、フィルム基材の中央、および端辺から4cmの部分のいずれの測定位置においても、7日間の保管により、常温常湿平衡状態の含水率の±0.01wt%の含水率とすることができた。なお、ロール状フィルム基材の巻外については、直接外気と接触するものであることから、常温常湿平衡状態の含水率となっているものと考えられる。よって、空隙部材を部分的に配置することによりロール状フィルム基材の巻外および巻内に関係なく、含水率を均一なものとすることができた。
また、表3、表4、図13、および図14に示すように、ロール状フィルム基材の含水率を上述した範囲とすることにより、ロール状フィルム基材の寸法ずれについても小さいものとすることができるものと考えられる。
・実施例および比較例における保管期間中の含水率の挙動について
実施例、および比較例1〜3のロール状フィルム基材の保管期間中の含水率の挙動について比較を行った。なお、含水率の測定方法については、フィルム基材の巻外側の端部から7mの長さ、フィルム基材の幅方向に対して中央の位置での含水率を測定したこと以外は、上述した測定方法と同様である。結果を表6および図16に示す。
7日間の保管後にて実施例では0.33wt%、比較例1では0.24wt%、比較例2および比較例3では0.32wt%となった。
Figure 0005699320
・実施例および比較例における保管期間中の寸法精度の挙動について
上述したフィルム基材の含水率および寸法の相関関係を示す数値を用いて、表5に示す実施例、比較例1〜3における含水率から、設計寸法に対する寸法変化量を換算した結果を表7および図17に示す。
Figure 0005699320
実施例においては、巻内においても含水率が常温常湿平衡状態に達していることから、巻内および巻外における含水率の差がなく、寸法精度高くパターンを形成することができるものと考えられる。
空隙部材を有さない比較例1においては、巻内での含水率が常温常湿平衡状態に達していないことから、巻内および巻外における含水率の差が大きく、寸法ずれを生じやすいものと考えられる。
また、空隙部材をフィルム基材全面に有する比較例2および比較例3においては、比較例1に比べて巻内での含水率は向上するものの、実施例と比べて常温常湿平衡状態の含水率に達するまでに、より多くの時間を要するものと考えられる。
なお、比較例1〜3のロール状フィルム基材は、実施例のロール状フィルム基材と同様のPETフィルムを用い、同様の保管状態で保管されていることから、比較例1〜3のロール状フィルム基材の巻外の含水率は、実施例のロール状フィルム基材の巻外の含水率と同様であると考えられる。
1 … フィルム基材
2 … 空隙部材
3 … パターン
3’ … カラーフィルタ
10 … ロール状フィルム基材
11 … 空隙部材積層フィルム基材
20 … ロール状パターン付フィルム基材
30 … 画像表示素子
31 … 画素部
X …フィルム基材の長手方向
Y …フィルム基材の幅方向

Claims (6)

  1. フィルム基材、および前記フィルム基材上に部分的に配置された空隙部材を有する空隙部材積層フィルム基材が巻回されてなるロール状パターン形成体用フィルム基材であって、
    前記空隙部材が、前記フィルム基材の両端の端部領域上と、前記フィルム基材の両端の端部領域以外の領域であって、前記フィルム基材をパターン形成体の基材に用いた場合に、パターンが形成されない領域上と、に配置されていることを特徴とするロール状パターン形成体用フィルム基材。
  2. 前記空隙部材の通気度が、1.4cm/cm・sec以上であることを特徴とする請求項1に記載のロール状パターン形成体用フィルム基材。
  3. フィルム基材および前記フィルム基材上に配置された空隙部材を備える空隙部材積層フィルム基材と、
    前記フィルム基材上の前記空隙部材が配置されている空隙部材配置領域外に設けられたパターンと
    を有するパターン付フィルム基材が巻回されてなるロール状パターン付フィルム基材であって、
    前記空隙部材が、前記フィルム基材の両端の端部領域上と、前記フィルム基材の両端の端部領域以外の領域であって、前記パターンが形成されていない領域上と、に配置されていることを特徴とするロール状パターン付フィルム基材。
  4. フィルム基材上に部分的に空隙部材を配置した空隙部材積層フィルム基材を巻回し、ロール状パターン形成体用フィルム基材を準備するロール状パターン形成体用フィルム基材準備工程と、
    前記ロール状パターン形成体用フィルム基材の含水率が、所定の温湿度雰囲気下における含水率に達するまで、前記ロール状パターン形成体用フィルム基材を前記温湿度雰囲気下で保管する保管工程と
    を有するロール状パターン形成体用フィルム基材の製造方法であって、
    前記空隙部材が、前記フィルム基材の両端の端部領域上と、前記フィルム基材の両端の端部領域以外の領域であって、前記フィルム基材をパターン形成体の基材に用いた場合に、パターンが形成されない領域上と、に配置されていることを特徴とするロール状パターン形成体用フィルム基材の製造方法。
  5. 長手方向の長さが少なくとも50cm以上のフィルム基材、および前記フィルム基材上に形成された所定のパターンを有する画像表示素子であって、
    前記フィルム基材は、予め前記フィルム基材上に部分的に空隙部材を配置してロール状に2周以上巻回されたものであり、
    前記画像表示素子内の任意の2つの領域での前記パターンの寸法精度を比較した場合、一方の領域での前記パターンの寸法を1とした場合、他方の領域での前記パターンの寸法が1.00000±0.00033の範囲内となり、
    前記空隙部材が、前記フィルム基材の両端の端部領域上と、前記フィルム基材の両端の端部領域以外の領域であって、前記パターンが形成されない領域上と、に配置されていることを特徴とする画像表示素子。
  6. 請求項に記載のパターンがカラーフィルタの画素部であることを特徴とするカラーフィルタ。
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