JP2017109481A - 機能層付き基材、及び機能層付きロール状基材、並びに機能層付き基材の製造方法 - Google Patents

機能層付き基材、及び機能層付きロール状基材、並びに機能層付き基材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】機能層付き基材を巻き取っていった場合において、巻きズレや巻き緩みが生ずることを抑制することができ、さらには、機能層がダメージを受けることを抑制することができる機能層付き基材や、この機能層付き基材の製造方法、及び機能層がダメージを受けることを抑制することができる機能層付きロール状基材を提供すること。
【解決手段】基材1上に機能層2が設けられた機能層付き基材10であって、(1)機能層2の表面の一部にナーリング部5が設けられているか、(2)基材1と機能層2との間にナーリング部5が設けられ、機能層2の表面が、ナーリング部5の形状に追従する凸部7を有しているか、(3)機能層2が複数の層が積層されてなる積層構成を呈しており、機能層2を構成する層間にナーリング部5が設けられ、機能層2を構成する層のうち、基材1から最も遠くに位置する機能層2の表面が、ナーリング部5の形状に追従する凸部7を有している。
【選択図】図5

Description

本発明は、機能層付き基材、及び機能層付きロール状基材、並びに機能層付き基材の製造方法に関する。
光学用途等に用いられる基材(フィルムと称される場合もある。)は、通常、巻芯にロール状に巻き取られた状態で保管・搬送等が行われている。基材をロール状に巻き取るにあたっては、巻きズレや、巻き緩みが生じない、或いはその程度が小さいことが要求されており、この要求に対する種々の検討がなされている。例えば、特許文献1には、ポリマーフィルムの幅方向両端部に微小なナーリングを形成したものが開示されている。また、特許文献2には、エンボス加工により基材の両端部にナーリングを形成する方法や、この方法に用いられるナーリングローラが開示されている。これら特許文献1、2に開示がされている構成によれば、基材をロール状に巻き取っていく際に、巻きズレや、巻き緩みが生ずることを抑制することができるとされている。
また、光学用途に用いられる基材に対しては、最終的に、当該基材上に、光学機能層、ハードコート層等の各種の機能層(以下、機能層と言う)の形成が行われる。このような、機能層を有する基材(以下、機能層付き基材と言う)においても、当該機能層付き基材を巻き取っていく際に、巻きズレや、巻き緩み等が生じない、或いは生じにくいことが求められている。また、機能層がダメージを受けることを抑制可能な機能層付き基材が求められている。
特開2002−211803号公報 特開2013−166317号公報
本発明はこのような状況に鑑みなされたものであり、基材上に機能層が設けられた機能層付き基材を巻き取っていった際に、巻きズレや巻き緩みが生ずることを抑制することができ、さらには、機能層がダメージを受けることを抑制することができる機能層付き基材や、この機能層付き基材の製造方法、及び機能層がダメージを受けることを抑制することができる機能層付きロール状基材を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、基材上に機能層が設けられた機能層付き基材であって、前記機能層上の一部にナーリング部が設けられていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、基材上に機能層が設けられた機能層付き基材であって、前記基材と前記機能層との間にナーリング部が設けられ、前記機能層の表面が、前記ナーリング部の形状に追従する凸部を有していることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面上に機能層が設けられた機能層付き基材であって、前記基材の他方の面上の一部にナーリング部が設けられていることを特徴とする。
また、上記の機能層付き基材において、前記機能層が複数の層が積層されてなる積層構成を呈していてもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、基材上に機能層が設けられた機能層付き基材であって、前記機能層は複数の層が積層されてなる積層構成を呈しており、前記機能層を構成する層間にナーリング部が設けられ、前記機能層を構成する層のうち、前記基材から最も遠くに位置する機能層の表面が、前記ナーリング部の形状に追従する凸部を有していることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、基材上に機能層が設けられた機能層付き基材が、巻芯に巻き回されてなる機能層付きロール状基材であって、前記機能層上の一部にナーリング部が設けられていることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、基材上に機能層が設けられた機能層付き基材が、巻芯に巻き回されてなる機能層付きロール状基材であって、前記基材と前記機能層との間にナーリング部が設けられ、前記機能層の表面が、前記ナーリング部の形状に追従する凸部を有していることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面上に機能層が設けられた機能層付き基材が、巻芯に巻き回されてなる機能層付きロール状基材であって、前記基材の他方の面上の一部にナーリング部が設けられていることを特徴とする。
また、上記の機能層付きロール状基材において、前記機能層が複数の層が積層されてなる積層構成を呈していてもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、基材上に機能層が設けられた機能層付き基材が、巻芯に巻き回されてなる機能層付きロール状基材であって、前記機能層は複数の層が積層されてなる積層構成を呈しており、前記機能層を構成する層間にナーリング部が設けられ、前記機能層を構成する層のうち、前記基材から最も遠くに位置する機能層の表面が、前記ナーリング部の形状に追従する凸部を有していることを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、基材上に機能層が設けられた機能層付き基材の製造方法であって、塗工法を用いて、前記基材上に機能層を形成する機能層形成工程と、インクジェット法又はディスペンサー法を用いて、前記機能層上の一部にナーリング部を形成するナーリング部形成工程とを含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、基材上に機能層が設けられた機能層付き基材の製造方法であって、インクジェット法又はディスペンサー法を用いて、前記基材上の一部に、ナーリング部を形成するナーリング部形成工程と、塗工法を用いて、前記ナーリング部を覆うように機能層を形成する機能層形成工程とを含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面上に機能層が設けられた機能層付き基材の製造方法であって、塗工法を用いて、前記基材の一方の面上に機能層を形成する機能層形成工程と、インクジェット法又はディスペンサー法を用いて、前記基材の他方の面の一部にナーリング部を形成するナーリング部形成工程とを含むことを特徴とする。
また、上記の機能層付き基材の製造方法において、前記機能層形成工程が、塗工法を用いて第1機能層を形成する第1機能層形成工程と、塗工法を用いて前記第1機能層上に、第2機能層を形成する第2機能層形成工程とを含んでいてもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、基材上に機能層が設けられた機能層付き基材の製造方法であって、塗工法を用いて、前記基材上に第1機能層を形成する第1機能層形成工程と、インクジェット法又はディスペンサー法を用いて、前記第1機能層上の一部に、ナーリング部を形成するナーリング部形成工程と、塗工法を用いて、前記ナーリング部を覆うように、第2機能層を形成する第2機能層形成工程とを含むことを特徴とする。
本発明の機能層付き基材によれば、当該機能層付き基材を巻き取っていった場合において、巻きズレや巻き緩みが生ずることを抑制することができ、さらには、機能層がダメージを受けることを抑制することができる。また、本発明の機能層付き基材の製造方法によれば、上記の効果を奏する機能層付き基材を精度よく製造することができる。また、本発明の機能層付きロール状基材によれば、機能層がダメージを受けることを抑制することができる。
第1実施形態の機能層付き基材の一例を示す概略断面図である。 第1実施形態の機能層付き基材を機能層側から平面視した一例を示す図である。 第1実施形態の機能層付き基材を機能層側から平面視した一例を示す図である。 第1実施形態の機能層付き基材を機能層側から平面視した一例を示す図である。 第2実施形態の機能層付き基材の一例を示す概略断面図である。 第3実施形態の機能層付き基材の一例を示す概略断面図である。 第3実施形態の機能層付き基材の一例を示す概略断面図である。 第4実施形態の機能層付き基材の一例を示す概略断面図である。 (a)〜(c)は、ナーリング部の厚み方向断面図である。
<<機能層付き基材>>
以下、本発明の一実施形態の機能層付き基材について、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態を例に挙げて説明する。なお、説明の便宜上、各図では、基材1、機能層2の厚みや、ナーリング部5、凸部7の高さ等を誇張して示している。
<第1実施形態の機能層付き基材>
図1(a)、(b)に示すように、第1実施形態の機能層付き基材10は、基材1上に機能層2が設けられ、機能層2上の一部に、ナーリング部5が設けられていることを特徴としている。なお、図1(a)、(b)は、第1実施形態の機能層付き基材10の一例を示す概略断面図であり、図1(a)に示す形態の機能層付き基材10は、機能層2が単層構成を呈しており、図1(b)に示す形態の機能層付き基材10は、機能層2が2以上の層からなる積層構成(図示する形態では、基材1側から機能層2A、機能層2Bがこの順で積層されてなる積層構成)を呈している。以下、各構成について説明する。
(基材)
基材1(以下、基材1と言う)の材質について特に限定はないが、可撓性を有する樹脂基材であることが好ましい。このような樹脂基材としては、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(
PET)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、セルローストリアセテート(CTA)、環状ポリオレフィン(COP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリサルフォン(PSF)、ポリアミドイミド(PAI)、ノルボルネン系樹脂、アリルエステル樹脂等の合成樹脂を挙げることができる。また、これら樹脂基材にかえて、ガラス基材等の無機材料から構成される基材を用いることもできる。基材1は、単一層からなる構成であっても良く、あるいは、複数の層が積層された構成を有するもの(図示しない)であってもよい。
また、基材1と機能層2との密着性や、基材1とナーリング部5との密着性の向上を図るべく、基材1の一方の面上に接着処理を施してもよい。接着処理としては、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等を挙げることができる。
基材1の厚みについて特に限定はないが、1μm以上1mm以下の範囲であることが好ましく、10μm以上250μm以下の範囲であることがより好ましく、10μm以上100μm以下の範囲であることがさらに好ましい。基材1の厚さをこのような範囲とすることで、基材1のフレキシブル性を充分に保つことができる。基材1の幅についても特に限定はないが、一例としては、100mm以上3000mm以下の範囲内である。また、基材1の長手方向の長さについても特に限定はないが、一例としては、1000m以上110000m以下の範囲内である。
(機能層)
基材1上には機能層2が設けられている。なお、機能層2は、第1実施形態の機能層付き基材10における必須の構成である。
機能層2について特に限定はなく、機能層付き基材10の用途に応じて適宜決定すればよい。例えば、機能層付き基材10を光学用途として用いる場合における機能層2としては、光学機能層、ハードコート層、防曇コート層、防汚コート層、防眩コート層、反射防止コート層、紫外線遮蔽コート層、位相差層等を挙げることができる。なお、本発明の機能層付き基材10は、光学用途に限定されるものではなく、他の用途に用いることもできる。
また、機能層付き基材10の用途に応じて、機能層2を積層構成とすることもできる。例えば、基材1上に、位相差層、光学機能層がこの順で積層されてなる積層構成の機能層2を設けることもできる。
機能層2は、基材1の一方の面の全面を覆うように設けてもよく、基材1の表面の一部を露出させるようにして設けてもよい。例えば、基材1の幅方向両端を露出させるようにして、基材1の一方の面上に機能層2を設けてもよい。また、基材1の幅方向両端以外の領域を露出させるようにして機能層2を設けてもよい。このことは、後述する第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態の機能層付き基材についても同様である。
図1(a)に示すように、機能層2は、単層構成を呈していてもよく、図1(b)に示すように2つ以上の層が積層されてなる積層構成を呈していてもよい。なお、図1(b)に示す形態の機能層付き基材10は、機能層2が、第1機能層2A、第2機能層2Bとの積層構成を呈している。
機能層2の厚みについていかなる限定もされることはなく、機能層2の機能を発揮することができる範囲で適宜設定すればよい。例えば、機能層2が、光学機能層とハードコート層との積層体である場合には、1μm以上20μm以下の範囲が一般的である。
機能層2の形成方法についても特に限定はなく、機能層2を構成する材料を、適当な溶媒に分散或いは溶解した機能層用塗工液を、基材1の一方の面上に、従来公知の塗工法を用いて塗工することで形成することができる。また、各種の蒸着法等を用いて、機能層を形成することもできる。
(ナーリング部)
図1に示すように、第1実施形態の機能層付き基材10は、機能層2上の一部にナーリング部5が設けられている。ナーリング部5は、第1実施形態の機能層付き基材10における必須の構成である。なお、本願明細書で言うナーリング部とは、基材1の一方の面上、又は他方の面上、或いは機能層2上に設けられる凸形状を意味する。
機能層2上の一部にナーリング部5が設けられていることを特徴としている第1実施形態の機能層付き基材10によれば、当該第1実施形態の機能層付き基材をロール状に巻き取っていった際に、基材の一方の面上に設けられた機能層2と、基材の他方の面との間に空間を形成することができる。これにより、空気の流入出を円滑に行うことができ、機能層付き基材10の変形を抑制することができる。また、第1実施形態の機能層付き基材10によれば、基材の表面の一部を露出させるようにして基材上に機能層を形成し、この露出している基材上にナーリング部を形成した機能層付き基材と比較して、ナーリング部の高さを低くすることができ、ナーリング部が欠落等することを抑制することができる。また、ナーリング部の高さを低くすることで、機能層付き基材10をロール状に巻き取っていったときの変形を抑えることができる。
ナーリング部5を配置する位置について特に限定はなく、機能層2上の一部に設けられているとの条件を満たすものであればよい。以下、ナーリング部5の配置の一例について説明する。なお、ナーリング部5を配置する位置は、以下で説明する形態に限定されるものではない。
図2(a)に示すように、機能層2の長手方向Xに連続的にナーリング部5を配置してもよく、図2(b)に示すように、機能層2の長手方向Xに不連続的にナーリング部5を配置してもよい。また、図3(a)に示すように、機能層2の幅方向Yに連続的にナーリング部5を配置してもよく、図3(b)に示すように、機能層2の幅方向Yに不連続的にナーリング部5を配置してもよい。また、機能層2の幅方向Yに対して斜め方向(鋭角方向)にナーリング部を配置してもよい(図示しない)。また、これらの形態を組合せてもよい。例えば、図4に示すように、機能層2の長手方向X、及び幅方向Yに連続的に、或いは不連続的に(図4に示す形態では不連続的に)ナーリング部5を配置してもよい。また、ナーリング部5をランダムに配置してもよい(図示しない)。
ナーリング部5の高さについて特に限定はないが、0.5μm以上20μm以下の範囲であることが好ましく、0.5μm以上12μm以下の範囲であることがより好ましく、0.5μm以上7μm以下の範囲であることがさらに好ましい。
また、図2(b)、図3(b)に示すように、ナーリング部5を不連続的に、換言すれば、所定の間隔をあけて配置する場合には、隣接するナーリング部5同士の距離は、100μm以上3000μm以下の範囲であることが好ましく、500μm以上2000μm以下の範囲であることがより好ましく、700μm以上2000μm以下の範囲であることがさらに好ましい。ナーリング部5同士の距離をこのような範囲とすることで、機能層付き基材10をロール状に巻き取っていったときの空気の流入出をより円滑なものとすることができる。
ナーリング部5の形状についても特に限定はなく、例えば、円錐台、角柱台、円柱、角柱、円錐、角錐、ドーム状等の形状を挙げることができる。好ましい形態のナーリング部5は、その頂部に曲率が付与されている。頂部に曲率が付与されたナーリング部5としては、円錐台、或いは角錐状のナーリング部5の頂部に曲率を付与したものや、ドーム状のナーリング部(図9(c)参照)等を挙げることができる。頂部に曲率を付与したナーリング部5によれば、一実施形態の機能層付き基材10をロール状に巻き取っていったときに、ナーリング部5と、当該ナーリング部5と接する機能層付き基材10の背面側との接触面積を減らすことができ、また、ナーリング部5によって機能層付き基材10の背面側がダメージを受けることを抑制することができる。
また、ナーリング部の形状を、円錐台、角錐台、円錐、角錐等とする場合の角度について特に限定はなく、ナーリング部の大きさや、その高さに応じて適宜設定することができる。一例としては、図9(a)、(b)に示すように、当該ナーリング部5を断面視したときの底辺と斜辺とのなす鋭角(θ)は、60°以下であることが好ましく、45°以下の範囲であることがより好ましく、25°以下であることが特に好ましい。下限値について特に限定はなく、ナーリング部の高さに応じて適宜決定すればよいが、好ましくは、0.04°以上である。また、ナーリング部の形状を、ドーム状とする場合には、図9(c)に示すように、当該ナーリング部を断面視したときの底辺と斜辺とが交差する点と頂点とを結ぶ直線と、底辺とのなす鋭角(θ)は、60°以下であることが好ましく、45°以下の範囲であることがより好ましく、25°以下であることが特に好ましい。下限値について特に限定はなく、ナーリング部の高さに応じて適宜決定すればよいが、好ましくは、0.04°以上である。なお、図9(a)〜(c)は、ナーリング部の厚み方向断面図である。
ナーリング部5を断面視したときの底面(底辺)の長さは、100μm以上1500μm以下の範囲であることが好ましく、500μm以上1000μm以下の範囲であることがより好ましく、700μm以上800μm以下の範囲であることが特に好ましい。
また、基材1と1つのナーリング部5とが接触している部分の面積は、1000μm2以上100000μm2以下の範囲であることが好ましく、6000μm2以上65000μm2以下の範囲であることがより好ましい。
ナーリング部5の形成方法について特に限定はなく、ダイコート法、スリットコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の直接塗工法、ディスペンサー法、インクジェット法等の非接触法を挙げることができる。中でも、ディスペンサー法、インクジェット法等の非接触法は、機能層2に熱応力がかかることを抑制した状態で、ナーリング部5を形成することが可能であり、熱による機能層2の変形や、機能層2の機能の低下を抑制することができる点で、好ましい形成方法である。
ナーリング部の材料について特に限定はなく、例えば、アクリル系樹脂等の樹脂材料等を適宜選択して用いることができる。また、これ以外の材料、例えば、不織布、キャリアテープ、ワイプ、紙、各種のフィルム等を用いることもできる。また、機能層と同じ材料を用いてナーリング部5を形成することもできる。
<第2実施形態の機能層付き基材>
図5(a)、(b)に示すように、第2実施形態の機能層付き基材10は、基材1上に機能層2が設けられた機能層付き基材において、基材1と機能層2との間にナーリング部5が設けられており、機能層2の表面が、ナーリング部5の形状に追従する凸部7を有していることを特徴としている。なお、図5(a)、(b)は、第2実施形態の機能層付き基材10の一例を示す概略断面図であり、図5(a)に示す形態の機能層付き基材10は、機能層2が単層構成を呈しており、図5(b)に示す形態の機能層付き基材10は、機能層2が2以上の層からなる積層構成(図示する形態では、基材1側から機能層2A、機能層2Bがこの順で積層されてなる積層構成)を呈している。
第2実施形態の機能層付き基材10によれば、機能層2の表面が有する凸部7、換言すれば、基材1と機能層2との間に設けられたナーリング部5の形状に追従するようにして、機能層2の表面に発現した凸部7が、第1実施形態の機能層付き基材10で言う「ナーリング部」としての役割を果たし、第1実施形態の機能層付き基材10と同様に、第2実施形態の機能層付き基材をロール状に巻き取っていった際に、基材の一方の面上に設けられた機能層2と、基材の他方の面との間に空間を形成することができる。これにより、空気の流入出を円滑に行うことができ、機能層付き基材10の変形を抑制することができる。
さらに、第2実施形態の機能層付き基材10によれば、機能層2の表面にナーリング部5が露出していないことから、換言すれば、ナーリング部5が機能層2によって覆われていることから、何らかの要因によって、ナーリング部5が溶出、或いは脱落等し、機能層2の表面を汚染してしまうことを抑制することができる。またさらに、第2実施形態の機能層付き基材10の最表面にナーリング部5を位置させないことで、第2実施形態の機能層付き基材10を搬送する際の滑り性を一定とすることができる。
第1実施形態の機能層付き基材10が、機能層2上の一部にナーリング部5が設けられているのに対し、第2実施形態の機能層付き基材10は、基材1と機能層2との間にナーリング部5が位置しており、機能層2の表面が、ナーリング部5の形状に追従する凸部7を有している点において、双方の機能層付き基材10は相違しており、その他の点では一致している。以下、第2実施形態の機能層付き基材10について、第1実施形態の機能層付き基材10との相違点を中心に説明をする。なお、特に断りがない限り、第2実施形態の機能層付き基材10の各構成は、第1実施形態の機能層付き基材10の構成をそのまま適用することができる。
第2実施形態の機能層付き基材10におけるナーリング部5の高さについて特に限定はなく、最終的に、機能層2の表面に発現させる凸部7の高さを考慮して適宜決定すればよい。なお、ナーリング部5の高さや、ナーリング部5を覆うようにして設けられる機能層2の厚みにもよるが、機能層2の表面に発現する凸部7の高さは、基材1と機能層2との間に設けられるナーリング部5の高さよりも低いものとなる。したがって、ナーリング部5の高さを決定するにあたっては、これらの点を考慮することが好ましい。
基材1上にナーリング部5を配置する位置についても特に限定はなく、例えば、第1実施形態の機能層付き基材10における、図2〜図4に示すような配置を挙げることができる。この場合、上記第1実施形態の機能層付き基材10において「機能層」とある記載を、「基材」と読み替えればよい。
機能層2の表面に発現している凸部7の高さについて特に限定はないが、上記第1実施形態のナーリング部5の高さと同様に、0.5μm以上20μm以下の範囲であることが好ましく、0.5μm以上12μm以下の範囲であることがより好ましく、0.5μm以上7μm以下の範囲であることがさらに好ましい。
図5(a)に示すように、機能層2は、単層構成を呈していてもよく、図5(b)に示すように2つ以上の層が積層されてなる積層構成を呈していてもよい。なお、図5(b)に示す形態の機能層付き基材10は、機能層2が、第1機能層2A、第2機能層2Bとの積層構成を呈している。
また、上記第1実施形態の機能層付き基材10と同様の理由に、基材1と機能層2との間に位置するナーリング部5は、ディスペンサー法、インクジェット法等の非接触法により形成することが好ましい。
<第3実施形態の機能層付き基材>
図6に示すように、第2実施形態の機能層付き基材10は、基材1上に機能層2が設けられた機能層付き基材10において、機能層2は複数の層が積層されてなる積層構成を呈しており(図示する形態では、第1機能層2A、第2機能層2Bが積層されてなる積層構成を呈している)、機能層2を構成する層間にナーリング部5が設けられ、機能層2を構成する層(図示する形態では、第1機能層2A、第2機能層2B)のうち、基材1から最も遠くに位置する機能層(図示する形態では、第2機能層2B)の表面が、ナーリング部5の形状に追従する凸部7を有していることを特徴としている。
第3実施形態の機能層付き基材10によれば、機能層2を構成する層のうち、基材1から最も遠くに位置する機能層2の表面が有する凸部7、換言すれば、機能層2を構成する層間に設けられたナーリング部5の形状に追従するようにして、基材1から最も遠くに位置する機能層2の表面に発現した凸部7が、第1実施形態の機能層付き基材10で言う「ナーリング部」としての役割を果たし、第1実施形態の機能層付き基材10と同様に、第3実施形態の機能層付き基材をロール状に巻き取っていった際に、基材の一方の面上に設けられた機能層2と、基材の他方の面との間に空間を形成することができる。これにより、空気の流入出を円滑に行うことができ、機能層付き基材10の変形等を抑制することができる。
さらに、第3実施形態の機能層付き基材10によれば、機能層2の表面にナーリング部5が露出していないことから、換言すれば、ナーリング部5が機能層2によって覆われていることから、何らかの要因によって、ナーリング部5が溶出、或いは脱落等し、機能層2の表面を汚染してしまうことを抑制することができる。またさらに、第3実施形態の機能層付き基材10の最表面にナーリング部5を位置させないことで、第3実施形態の機能層付き基材10を搬送する際の滑り性を一定とすることができる。つまり、上記第2実施形態の機能層付き基材10と同様の作用効果を奏する。
第2実施形態の機能層付き基材10が、基材1と機能層2との間にナーリング部5が設けられているのに対し、第3実施形態の機能層付き基材10は、機能層2が複数の層が積層されてなる積層構成を呈していることを必須の条件とし、機能層2を構成する層間にナーリング部5が設けられている点において、双方の機能層付き基材10は相違しており、その他の点においては一致している。
以下、第3実施形態の機能層付き基材10について、第1実施形態、及び第2実施形態の機能層付き基材10との相違点を中心に説明をする。なお、特に断りがない限り、第3実施形態の機能層付き基材10の各構成は、第1実施形態、及び第2実施形態の機能層付き基材10の構成をそのまま適用することができる。
第3実施形態の機能層付き基材10におけるナーリング部5の高さについて特に限定はなく、最終的に、機能層2を構成する層のうち、基材1から最も遠くに位置する機能層2の表面に発現させる凸部7の高さを考慮して適宜決定すればよい。また、第3実施形態の機能層付き基材10は、機能層2が積層構成を呈していることを条件としており、ナーリング部5の高さを低くした場合には、積層構成の機能層2の総厚みによっては、機能層2を構成する層のうち、基材1から最も遠くに位置する機能層2の表面に、充分な高さの凸部7を発現させることが困難となる場合が生じ得る。したがって、したがって、機能層2を構成する層間に設けられるナーリング部5の高さを決定するにあたっては、これらの点を考慮する必要がある。
基材1上にナーリング部5を配置する位置についても特に限定はなく、例えば、第1実施形態の機能層付き基材10における、図2〜図4に示すような配置を挙げることができる。この場合、上記第1実施形態の機能層付き基材10において「機能層」とある記載を、「機能層を構成する層間」と読み替えればよい。
機能層2の表面に発現している凸部7の高さについて特に限定はないが、上記第1実施形態のナーリング部5の高さと同様に、0.5μm以上20μm以下の範囲であることが好ましく、0.5μm以上12μm以下の範囲であることがより好ましく、0.5μm以上7μm以下の範囲であることがさらに好ましい。
図6に示す形態では、機能層2として、2つの層(第1機能層2A、第2機能層2B)が積層されてなり、第1機能層2Aと、第2機能層2Bとの間に、ナーリング部5を位置させているが、機能層2は、3つ以上の層が積層されてなる構成を呈していてもよい。この場合、ナーリング部5は、3つ以上の層の何れかの層間に設けられていればよく、ナーリング部5が設けられる位置について特に限定はない。なお、ナーリング部5の形状に対応する凸部7を充分に発現させることができる観点からは、機能層2を構成する層のうち、基材1から遠くに位置する層と、その直下に位置する層との間に、ナーリング部5を位置させることが好ましい。例えば、機能層2を構成する層のうち、基材1から最も遠くに位置する層と、その直下に位置する層との間に、ナーリング部5を位置させることが好ましい。
また、図7に示すように、機能層2が、3つ以上の層(図示する形態では、第1機能層2A、第2機能層2B、第3機能層2C)が積層されてなる積層構成を呈する場合において、機能層2を構成する1の層間(図示する形態では、第1機能層2Aと第2機能層2Bとの間)にナーリング部5を位置させるとともに、当該ナーリング部5と厚み方向で重なり、当該1の層間とは異なる他の層間(図示する形態では、第2機能層2Bと第3機能層2Cとの間)にナーリング部5を位置させてもよい。この形態によれば、機能層2を構成する各層の厚みを厚くしていった場合であっても、各層間に設けられたナーリング部5を積み上げることで、機能層2を構成する層のうち、基材1から最も遠くに位置する層の表面に充分な高さの凸部7を発現させることができる。
また、上記第1実施形態の機能層付き基材、第2実施形態の機能層付き基材、第3実施形態の機能層付き基材を組合せた構成とすることもできる。例えば、機能層2を積層構成の機能層としつつ、基材1と機能層2との間、及び機能層2を構成する層間にナーリング部5を設け、機能層2を構成する層のうち、基材1から最も遠くに位置する機能層の表面に当該ナーリング部5の形状に対応する凸部7を発現させてもよい。
<第4実施形態の機能層付き基材>
図8(a)、(b)に示すように、第4実施形態の機能層付き基材10は、基材1の一方の面上に機能層2が設けられた機能層付き基材10において、基材1の他方の面上の一部にナーリング部5が設けられていることを特徴としている。なお、図8(a)、(b)は、第4実施形態の機能層付き基材10の一例を示す概略断面図であり、図8(a)に示す形態の機能層付き基材10は、機能層2が単層構成を呈しており、図8(b)に示す形態の機能層付き基材10は、機能層2が、2以上の層からなる積層構成(図示する形態では、基材1側から機能層2A、機能層2Bがこの順で積層されてなる積層構成)を呈している。
第4実施形態の機能層付き基材によれば、当該第4実施形態の機能層付き基材をロール状に巻き取っていった際に、基材の一方の面上に設けられた機能層2と、基材の他方の面との間に空間を形成することができる。これにより、空気の流入出を円滑に行うことができ、機能層付き基材10の変形を抑制することができる。
第4実施形態の機能層付き基材10は、上記第1実施形態の機能層付き基材10において、機能層2上の一部にナーリング部5を設けることにかえて、基材1の他方の面上の一部にナーリング部5を設けた点においてのみ相違し、その他の点では一致している。つまり、第1実施形態の機能層付き基材10において、「機能層2上の一部」とある記載を、「基材1の他方の面上の一部」と読み替えればよい。
また、上記第1実施形態〜上記第4実施形態の機能層付き基材10を適宜組合せた構成とすることもできる。
<<機能層付きロール状基材>>
次に、本発明の一実施形態の機能層付きロール状基材について、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態を例に挙げて説明する。
<第1実施形態の機能層付きロール状基材>
第1実施形態の機能層付きロール状基材は、基材上に機能層が設けられた機能層付き基材が、巻芯に巻き回されてなり、機能層の表面の一部にナーリング部が設けられていることを特徴としている。
第1実施形態の機能層付きロール状基材によれば、機能層の表面の一部に設けられたナーリング部によって、基材の一方の面上に設けられた機能層と、基材の他方の面との間に空間を形成することができ、接触等により機能層がダメージを受けてしまうことを抑制することができる。また、この空間によって、空気の流入出を円滑に行うことができ、機能層付きロール状基材の変形を抑制することができる。このことは、後述する第2実施形態、及び第3実施形態、第4実施形態の機能層付きロール状基材についても同様である。
第1実施形態の機能層付きロール状基材は、上記第1実施形態の機能層付き基材10(図1〜図4参照)が巻芯に巻き回されてものであり、巻芯に巻き回される機能層付き基材についてのここでの説明は省略する。
<第2実施形態の機能層付きロール状基材>
第2実施形態の機能層付きロール状基材は、基材上に機能層が設けられた機能層付き基材が、巻芯に巻き回されてなり、基材と機能層との間にナーリング部が設けられ、機能層の表面が、ナーリング部の形状に追従する凸部を有していることを特徴としている。
第2実施形態の機能層付きロール状基材は、上記第2実施形態の機能層付き基材10(図5参照)が巻芯に巻き回されてものであり、巻芯に巻き回される機能層付き基材についてのここでの説明は省略する。
<第3実施形態の機能層付きロール状基材>
第3実施形態の機能層付きロール状基材は、基材上に機能層が設けられた機能層付き基材が、巻芯に巻き回されてなり、機能層は複数の層が積層されてなる積層構成を呈しており、機能層を構成する層間にナーリング部が設けられ、機能層を構成する層のうち、前記基材から最も遠くに位置する機能層の表面が、ナーリング部の形状に追従する凸部を有していることを特徴としている。
第3実施形態の機能層付きロール状基材は、上記第3実施形態の機能層付き基材10(図6、図7参照)が巻芯に巻き回されてものであり、巻芯に巻き回される機能層付き基材についてのここでの説明は省略する。
<第4実施形態の機能層付きロール状基材>
第4実施形態の機能層付きロール状基材は、基材の一方の上に機能層が設けられた機能層付き基材が、巻芯に巻き回されてなり、基材の他方の面上の一部にナーリング部が設けられていることを特徴としている。
第4実施形態の機能層付きロール状基材は、上記第4実施形態の機能層付き基材10(図8参照)が巻芯に巻き回されてものであり、巻芯に巻き回される機能層付き基材についてのここでの説明は省略する。
<<機能層付き基材の製造方法>>
次に、本発明の一実施形態の機能層付き基材の製造方法について、第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、第4実施形態を例に挙げて説明する。
<第1実施形態の機能層付き基材の製造方法>
第1実施形態の機能層付き基材の製造方法は、基材上に機能層が設けられた機能層付き基材の製造方法であって、塗工法を用いて、基材上に機能層を形成する機能層形成工程と、インクジェット法又はディスペンサー法を用いて、機能層上の一部にナーリング部を形成するナーリング部形成工程と、を含むことを特徴としている。要約すれば、第1実施形態の機能層付き基材の製造方法は、上記第1実施形態の機能層付き基材を得るための製造方法である。
上記特徴を有する第1実施形態の機能層付き基材の製造方法によれば、上記第1実施形態の機能層付き基材を精度よく製造することができる。具体的には、インクジェット法又はディスペンサー法を用いることで、機能層2が受ける熱ダメージを抑制しつつ、当該機能層2の表面の一部にナーリング部5を形成することができ、熱ダメージによって機能層の精度や、機能層2の機能が低下してしまうことを抑制することができる。さらに、非接触方式であるインクジェット法や、ディスペンサー法を用いることで、既存のラインを用いて第1実施形態の機能層付き基材を製造することができ、コスト面でも有利である。
(第1実施形態における機能層形成工程)
機能層形成工程は、塗工法を用いて、基材上に機能層を形成する工程である。具体的には、機能層を構成する材料を適当な溶媒に分散、或いは溶解した機能層用塗工液を、塗工法を用いて、基材上に塗工する工程である。塗工法については、従来公知の方法を適宜選択して用いることができ、例えば、ダイコート法、スリットコート法、カーテンコート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等を挙げることができる。機能層用塗工液の塗工量は、最終的に形成される機能層に要求される機能に応じて適宜決定すればよい。また、機能層は、基材1の一方の面の全面に形成してもよく、基材の一方の面の表面の一部を露出させるようにして形成してもよい。また、複数の機能層を積層してなる積層構成の機能層を形成してもよい。
(第1実施形態におけるナーリング部形成工程)
ナーリング部形成工程は、インクジェット法又はディスペンサー法を用いて、機能層2上の一部にナーリング部を形成する工程である。本工程を経ることで、上記第1実施形態の機能層付き基材を得る(図1〜図4参照)。形成されるナーリング部の形状や、ナーリング部を配置する箇所は、上記第1実施形態の機能層付き基材10で説明した通りでありここでの詳細な説明は省略する。
インクジェット法を用いたナーリング部の形成方法としては、例えば、インクジェットヘッドから、ナーリング部5の材料、例えば、インクを吐出させ、その液滴を、機能層2上の所定の位置に付着させる方法を挙げることができる。また、ディスペンサー法を用いたナーリング部5の形成方法としては、例えば、ニードルの先端を、機能層2に近づけた状態で、ニードルの先端からナーリング部の材料、例えば、ペーストや、インクを吐出させる方法を挙げることができる。インクジェットヘッド、ニードルからの吐出量は、形成されるナーリング部に所望される高さに応じて適宜決定すればよい。
<第2実施形態の機能層付き基材の製造方法>
第2実施形態の機能層付き基材の製造方法は、基材上に機能層が設けられた機能層付き基材の製造方法であって、インクジェット法又はディスペンサー法を用いて、基材の表面の一部に、ナーリング部を形成するナーリング部形成工程と、塗工法を用いて、ナーリング部5を覆うように機能層を形成する機能層形成工程と、を含むことを特徴としている。要約すれば、第2実施形態の機能層付き基材の製造方法は、上記第2実施形態の機能層付き基材(図5参照)を得るための製造方法である。
上記特徴を有する第2実施形態の機能層付き基材の形成方法によれば、上記第2実施形態の機能層付き基材を精度よく製造することができる。また、第2実施形態の製造方法により製造された機能層付き基材においては、最表面にナーリング部が位置していないことから、何らかの要因によって、ナーリング部が溶出、或いは脱落等し、機能層の最表面を汚染してしまうことを抑制することができる。またさらに、最表面にナーリング部を位置させないことで、製造された第2実施形態の機能層付き基材を搬送する際の滑り性を一定とすることができる。
(第2実施形態におけるナーリング部形成工程)
ナーリング部形成工程は、インクジェット法又はディスペンサー法を用いて、基材1の表面の一部にナーリング部5を形成する工程である。
(第2実施形態における機能層形成工程)
機能層形成工程は、塗工法を用いて、上記ナーリング部形成工程で形成されたナーリング部5を覆うように機能層2を形成する工程である。本工程を経ることで、第2実施形態の機能層付き基材10(図5参照)を得る。
<第3実施形態の機能層付き基材の製造方法>
第3実施形態の機能層付き基材の製造方法は、基材上に機能層が設けられた機能層付き基材の製造方法であって、塗工法を用いて、基材上に第1機能層を形成する第1機能層形成工程と、インクジェット法又はディスペンサー法を用いて、第1機能層の表面の一部に、ナーリング部を形成するナーリング部形成工程と、塗工法を用いて、第1機能層の表面の少なくとも一部、及びナーリング部の表面を覆うように、第2機能層を形成する第2機能層形成工程と、を含むことを特徴としている。要約すれば、第3実施形態の機能層付き基材の製造方法は、上記第3実施形態の機能層付き基材を得るための製造方法である。
上記特徴を有する第3実施形態の機能層付き基材の製造方法によれば、上記第3実施形態の機能層付き基材を精度よく製造することができる。具体的には、インクジェット法又はディスペンサー法を用いることで、第1機能層が受ける熱ダメージを抑制しつつ、当該第1機能層の表面の一部にナーリング部を形成することができ、第1機能層の精度や、第1機能層の機能が低下してしまうことを抑制することができる。また、第3実施形態の製造方法により製造された機能層付き基材においては、最表面にナーリング部が位置していないことから、何らかの要因によって、ナーリング部が溶出、或いは脱落等し、機能層の最表面を汚染してしまうことを抑制することができる。またさらに、最表面にナーリング部を位置させないことで、製造された第3実施形態の機能層付き基材10を搬送する際の滑り性を一定とすることができる。
(第1機能層形成工程)
第1機能層形成工程は、塗工法を用いて、基材上に第1機能層を形成する工程である。
また、基材上に予め任意の層を形成し、当該任意の層上に第1機能層を形成してもよい。つまり、第1機能層は、基材1上に直接的に設けられていてもよく、他の任意の層を介して間接的に設けられていてもよい。
(第3実施形態におけるナーリング部形成工程)
ナーリング部形成工程は、インクジェット法又はディスペンサー法を用いて、第1機能層の表面の一部に、ナーリング部を形成するナーリング部を形成する工程である。
(第2機能層形成工程)
第2機能層形成工程は、塗工法を用いて、第1機能層の表面の少なくとも一部、及びナーリング部の表面を覆うように、第2機能層を形成する工程である。本工程を経ることで、最表面にナーリング部の形状に対応する凸部を有する機能層付き基材(図6、図7参照)を得る。
また、第2機能層上に他の任意の層を設けてもよい。この場合には、当該他の任意の層の表面がナーリング部の形状に対応する凸部を有する。
<第4実施形態の機能層付き基材の製造方法>
第4実施形態の機能層付き基材の製造方法は、基材上に機能層が設けられた機能層付き基材の製造方法であって、塗工法を用いて、基材上に機能層を形成する機能層形成工程と、インクジェット法又はディスペンサー法を用いて、基材の他方の面上の一部に、ナーリング部を形成するナーリング部形成工程と、を含むことを特徴としている。要約すれば、第4実施形態の機能層付き基材の製造方法は、上記第4実施形態の機能層付き基材を得るための製造方法である。
上記特徴を有する第4実施形態の機能層付き基材の製造方法によれば、上記第4実施形態の機能層付き基材を精度よく製造することができる。
(機能層形成工程)
機能層形成工程は、塗工法を用いて、基材の一方の面上に機能層を形成する工程である。
また、基材上に予め任意の層を形成し、当該任意の層上に機能層を形成してもよい。つまり、機能層は、基材1上に直接的に設けられていてもよく、他の任意の層を介して間接的に設けられていてもよい。
(第4実施形態におけるナーリング部形成工程)
ナーリング部形成工程は、インクジェット法又はディスペンサー法を用いて、基材の他他方の面上の一部に、ナーリング部を形成するナーリング部を形成する工程である。
以上説明した本発明の機能層付き基材の製造方法は、機能層(第3実施形態の製造方法においては、第1機能層、及び第2機能層)を塗工法で形成し、また、ナーリング部をインクジェット法又はディスペンサー法で形成していることを必須の条件としていることを除いて、上記で説明した第1実施形態〜第4実施形態の機能層付き基材の構成を適宜選択して用いることができる。また、第1実施形態〜第4実施形態の機能層付き基材の製造方法を組合せることもできる。また、塗工法にかえて、各種の蒸着法等を用いて、機能層を形成してもよい。
1・・・基材
2、2A、2B、2C・・・機能層
5・・・ナーリング部
7・・・凸部
10・・・機能層付き基材

Claims (15)

  1. 基材上に機能層が設けられた機能層付き基材であって、
    前記機能層上の一部にナーリング部が設けられていることを特徴とする機能層付き基材。
  2. 基材上に機能層が設けられた機能層付き基材であって、
    前記基材と前記機能層との間にナーリング部が設けられ、
    前記機能層の表面が、前記ナーリング部の形状に追従する凸部を有していることを特徴とする機能層付き基材。
  3. 基材の一方の面上に機能層が設けられた機能層付き基材であって、
    前記基材の他方の面上の一部にナーリング部が設けられていることを特徴とする機能層付き基材。
  4. 前記機能層が、複数の層が積層されてなる積層構成を呈していることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の機能層付き基材。
  5. 基材上に機能層が設けられた機能層付き基材であって、
    前記機能層は複数の層が積層されてなる積層構成を呈しており、前記機能層を構成する層間にナーリング部が設けられ、
    前記機能層を構成する層のうち、前記基材から最も遠くに位置する機能層の表面が、前記ナーリング部の形状に追従する凸部を有していることを特徴とする機能層付き基材。
  6. 基材上に機能層が設けられた機能層付き基材が、巻芯に巻き回されてなる機能層付きロール状基材であって、
    前記機能層上の一部にナーリング部が設けられていることを特徴とする機能層付きロール状基材。
  7. 基材上に機能層が設けられた機能層付き基材が、巻芯に巻き回されてなる機能層付きロール状基材であって、
    前記基材と前記機能層との間にナーリング部が設けられ、前記機能層の表面が、前記ナーリング部の形状に追従する凸部を有していることを特徴とする機能層付きロール状基材。
  8. 基材の一方の面上に機能層が設けられた機能層付き基材が、巻芯に巻き回されてなる機能層付きロール状基材であって、
    前記基材の他方の面上の一部にナーリング部が設けられていることを特徴とする機能層付きロール状基材。
  9. 前記機能層が、複数の層が積層されてなる積層構成を呈していることを特徴とする請求項6乃至8の何れか1項に記載の機能層付きロール状基材。
  10. 基材上に機能層が設けられた機能層付き基材が、巻芯に巻き回されてなる機能層付きロール状基材であって、
    前記機能層が複数の層が積層されてなる積層構成を呈し、前記機能層を構成する層間にナーリング部が設けられ、前記機能層を構成する層のうち、前記基材から最も遠くに位置する機能層の表面が、前記ナーリング部の形状に追従する凸部を有していることを特徴とする機能層付きロール状基材。
  11. 基材上に機能層が設けられた機能層付き基材の製造方法であって、
    塗工法を用いて、前記基材上に機能層を形成する機能層形成工程と、
    インクジェット法又はディスペンサー法を用いて、前記機能層上の一部にナーリング部を形成するナーリング部形成工程と、
    を含むことを特徴とする機能層付き基材の製造方法。
  12. 基材上に機能層が設けられた機能層付き基材の製造方法であって、
    インクジェット法又はディスペンサー法を用いて、前記基材上の一部に、ナーリング部を形成するナーリング部形成工程と、
    塗工法を用いて、前記ナーリング部を覆うように機能層を形成する機能層形成工程と、
    を含むことを特徴とする機能層付き基材の製造方法。
  13. 基材の一方の面上に機能層が設けられた機能層付き基材の製造方法であって、
    塗工法を用いて、前記基材の一方の面上に機能層を形成する機能層形成工程と、
    インクジェット法又はディスペンサー法を用いて、前記基材の他方の面の一部にナーリング部を形成するナーリング部形成工程と、
    を含むことを特徴とする機能層付き基材の製造方法。
  14. 前記機能層形成工程が、
    塗工法を用いて、第1機能層を形成する第1機能層形成工程と、
    塗工法を用いて、前記第1機能層上に、第2機能層を形成する第2機能層形成工程と、
    を含むことを特徴とする請求項11乃至13の何れか1項に記載の機能層付き基材の製造方法。
  15. 基材上に機能層が設けられた機能層付き基材の製造方法であって、
    塗工法を用いて、前記基材上に第1機能層を形成する第1機能層形成工程と、
    インクジェット法又はディスペンサー法を用いて、前記第1機能層上の一部に、ナーリング部を形成するナーリング部形成工程と、
    塗工法を用いて、前記ナーリング部を覆うように、第2機能層を形成する第2機能層形成工程と、
    を含むことを特徴とする機能層付き基材の製造方法。
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