JP2016175052A - 塗布装置、塗布方法および積層フィルムの製造方法 - Google Patents

塗布装置、塗布方法および積層フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】比較的低粘度な塗布液を比較的薄膜で安定的に塗布することができる塗布装置を提供する。
【解決手段】搬送する基材に塗布液を塗布するためのスリットダイと、該スリットダイの基材搬送方向上流側に減圧手段とを少なくとも備える塗布装置であって、
該スリットダイは、リップの幅方向両端のそれぞれ外側に、スリットダイに対して基材搬送方向の下流側から上流側へ空気が移動するのを抑制するための邪魔板を備え、
該邪魔板は基材と接触しないように設けられていることを特徴とする、塗布装置。
【選択図】図2

Description

本発明は、塗布装置および塗布方法に関し、詳細にはスリットダイと減圧手段を備える塗布装置およびこの塗布装置を用いた塗布方法に関する。
従来、基材(可撓性支持体)の表面に任意の厚さの塗布膜(塗布層)を塗布、製膜する塗布装置として、バーコータ方式、リバースロールコータ方式、グラビアロールコータ方式、エクストルージョンコータなどのスロットダイコータ方式などが知られている。
これらの中でもスリットダイコータ方式の塗布装置は、他の方式と比較して高速で薄膜(薄層)の塗布が可能であることから広く使用されている。
このようなスリットダイコータ方式の塗布装置として、従来からビード減圧式のスリットダイ(スリットダイの上流側に減圧手段が配置された塗布装置)が知られている(例えば、特許文献1〜4)。
また、上記特許文献4は、ビードの幅方向両端部のビード安定化(ビードが破断することを抑制)のために、スリットの幅方向両端部に塗布幅規制のためのスペーサが挿入されたエクストルージョン塗布装置において、スペーサの少なくとも先端部をスリット先端から突出させてウエブ面(基材面)に当接させた状態で塗布するエクストルージョン塗布装置を開示する。
特開2003−53233号公報 特開2006−95456号公報 特開2008−23405号公報 特開2009−220025号公報
ビード減圧方式の場合、通常、スリットダイのリップの幅方向両端部の下流側は開口されている(特許文献1〜3)。このように、スリットダイのリップの幅方向両端部の下流側が開口していると、リップと基材との間から大気が流入することで、十分な減圧効果が得られず、塗布液のビードが破断(ビードブレイク)することがある。また、減圧効果の低下は塗布速度増速の障害となることがある。
また、スリットダイのリップの幅方向両端部の下流側から大気が流入することで塗膜の幅方向端部の膜厚に異常をきたすという問題が発生することがある。
これらの問題は、特に、比較的低粘度の塗布液(例えば、23℃での粘度が30mPa・s以下の塗布液)を比較的薄膜(例えば、ウェット膜厚が20μm以下)で塗布するときに起こりやすくなる。
一方、特許文献4は、スリットの幅方向両端部の塗布幅規制のために配置されたスペーサの少なくとも先端部をスリット先端から突出させてウエブ面(基材面)に当接させることを開示する。特許文献4は、このように下流側の開口部を閉塞させるが、スペーサと基材が接触するために、塗布液がスペーサを介して基材側に付着することが懸念される。また、スペーサが基材と接触することにより、基材に傷が付いたり、連続搬送する基材の微弱な振動が塗布液のビードに伝達されてビードが不安定になり塗布ムラを引き起こす懸念がある。
また、特許文献4は、塗布液のビードとスペーサとを接触させながら塗布することから、スペーサに対する塗布液のぬれ性が悪い場合はビードが縮流することがあり、塗布液毎にスペーサとのぬれ性を考慮する必要がある。
上述の問題は、特に、比較的低粘度の塗布液を比較的薄膜で塗布するときに起こりやすくなる。
従って、本発明の目的は、比較的低粘度な塗布液を比較的薄膜で安定的に塗布することができる塗布装置および塗布方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
[1]搬送する基材に塗布液を塗布するためのスリットダイと、該スリットダイの基材搬送方向上流側に減圧手段とを少なくとも備える塗布装置であって、
該スリットダイは、リップの幅方向両端のそれぞれ外側に、スリットダイに対して基材搬送方向の下流側から上流側へ空気が移動するのを抑制するための邪魔板を備え、
該邪魔板は基材と接触しないように設けられていることを特徴とする、塗布装置。
[2]前記邪魔板が、リップから吐出した塗布液と接触しないように設けられている、[1]に記載の塗布装置。
[3]前記邪魔板が、リップの幅方向両端でかつ塗布液の流れ方向における先端部と接触しないように設けられている、[2]に記載の塗布装置。
[4]前記邪魔板と、前記リップの幅方向両端でかつ塗布液の流れ方向における先端部との間に切欠き部を有する、[3]に記載の塗布装置。
[5]前記邪魔板が、リップの幅方向両端でかつ塗布液の流れ方向における先端部近傍に切欠き部を有する、[2]に記載の塗布装置。
[6]前記切欠き部の平面形状が三角形である、[4]または[5]に記載の塗布装置。
[7]前記切欠き部の開口幅(h3)は、前記リップと基材とのクリアランス(h0)と同等もしくは大きいことを特徴とする、[4]〜[6]のいずれかに記載の塗布装置。
[8]前記リップと基材とのクリアランス(h0)が70μm以下であり、前記邪魔板と基材とのクリアランス(h1)と前記(h0)との関係が、同等もしくは下記式1を満足することを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載の塗布装置。
(h0−50μm)≦h1≦(h0+50μm)・・・式1
[9]前記スリットダイが、少なくとも、下流側ブロック、シムプレートおよび上流側ブロックをこの順に配置した構成を有し、前記邪魔板が前記シムプレートに一体的に成形されている、[1]〜[8]のいずれかに記載の塗布装置。
[10]前記邪魔板が、スリットダイのリップの幅方向両端のそれぞれ外側であってかつ基材に対向する面に設けられた邪魔板挿入孔に邪魔板の一部が挿入されて固定されている、[1]〜[8]のいずれかに記載の塗布装置。
[11] [1]〜[10]の何れかに記載の塗布装置を用いて、23℃での粘度が30mPa・s以下である塗布液を、ウェット膜厚が20μm以下で基材に塗布することを特徴とする塗布方法。
[12] [1]〜[10]のいずれかに記載の塗布装置を用いて、塗布液を基材に塗布して積層フィルムを得る、積層フィルムの製造方法。
[13] [11]に記載の塗布方法を用いて塗布液を基材に塗布し、積層フィルムを得る、積層フィルムの製造方法。
本発明の塗布装置を用いることにより、比較的低粘度の塗布液を比較的薄膜で安定的に塗布することが可能になる。
図1は本発明の塗布装置の一例を示す模式側面図である。 図2は本発明の塗布装置の一例を示す模式上面図である。 図3は本発明の塗布装置に用いられるスリットダイの一例の模式断面図である。 図4は本発明の塗布装置の一例を示す要部の模式上面図である。 図4aは、図4における切欠き部の平面形状を説明するための説明図である。 図5は本発明の塗布装置の一例を示す要部の模式上面図である。 図5aは、図5における切欠き部の平面形状を説明するための説明図である。 図6は本発明の塗布装置の一例を示す要部の模式上面図である。 図7は本発明の塗布装置の一例を示す要部の模式上面図である。 図7aは、図7における切欠き部の平面形状を説明するための説明図である。 図8は本発明の塗布装置におけるスリットダイを構成するシムプレートの一例の模式平面図である。 図9aは邪魔板が取付けられる前のスリットダイの一例の模式上面図である。 図9bは邪魔板が取付けられた後のスリットダイの一例の模式上面図である。
以下、本発明にかかる塗布装置を、図面を参照して詳細に説明する。
本発明にかかる塗布装置は、スリットダイを用いた塗布装置である。図1は、本発明の塗布装置の一例を示す模式側面図であり、図2は本発明の塗布装置の一例を示す模式上面図であり、図3は本発明の塗布装置に用いられるスリットダイの一例の模式断面図である。
本発明にかかる塗布装置は、スリットダイ1と、このスリットダイ1の基材3の搬送方向上流側に減圧手段15を備える塗布装置である。
以下の説明において、基材3の搬送方向(X)における上流側を単に「上流側」、基材3の搬送方向(X)における下流側を単に「下流側」と言うことがある。また、「幅方向」とは、基材3の搬送方向(X)に直交する方向を意味する。
スリットダイ1のリップ5(下流側リップ11aと上流側リップ12aとで構成)から吐出された塗布液は、バックアップローラ2に支持されて矢印Xの方向に連続搬送する基材3に供給されてリップ5と基材3との間に塗布液のビード4を形成しながら、基材3上に塗布膜4aが積層(塗布)される。
図1において、スリットダイ1は、少なくとも、2つのブロックと1つのシムプレートで形成されている。つまり、少なくとも、下流側ブロック11および上流側ブロック12と、下流側ブロック11と上流側ブロックとの間に配置されるシムプレート13によって形成されている。
そして、スリットダイ1のリップ5の幅方向の両端のそれぞれ外側に、スリットダイ1に対して基材3の搬送方向の下流側から上流側へ空気が移動するのを抑制するための邪魔板14(14a、14b)が設けられている。この邪魔板14(14a、14b)は、スリットダイ1のリップ5の幅方向両端のそれぞれ外側において、バックアップローラ2もしくは基材3とスリットダイ1との空隙から空気が下流側から上流側に移動(流入)する現象の発生を抑制する。この現象は、スリットダイ1の上流側に配置された減圧手段によって塗布液のビード4の上流側が減圧されるときに起こる。減圧手段および邪魔板の詳細は後述する。
シムプレート13は、スリットダイ1の内部において先端方向に延在するスリット17を形成するために下流側ブロック11と上流側ブロック12との間に配置される。シムプレート13の形状や厚みを調整することによってスリット17の開口厚みおよび開口幅(塗布幅)が調整される。
マニホールド16は、スリットダイ1の幅方向にその断面形状(例えば円形もしくは半円形)が延長されて形成された塗布液の液溜め空間であり、マニホールド16は下流側ブロック11および/または上流側ブロック12の内部に予め形成されたものである。
スリットダイ1のマニホールド16に、図示しない配管によって送液された塗布液は、一旦マニホールドに溜り、幅方向に延展しながら、スリット17を通って、リップ5から吐出され、連続搬送される基材3に塗布される。このとき、スリットダイ1のリップ5と基材3との間に、塗布液のビード4が形成される。
リップ5を構成する下流側リップ11aおよび上流側リップ12aは、それぞれ下流側ブロック11および上流側ブロック12に一体的に成形されていることが好ましい。
上記実施形態において、スリット17は、下流側ブロック11と上流側ブロック12との間にシムプレート13を配置することによって形成されているが、本発明の実施形態はシムプレート13を配置せずにスリット17を形成する態様を含む。例えば、下流側ブロック11および上流側ブロック12のどちらか一方、もしくは両方にスリット形成用の機械的段差を設けることによって、シムプレート13を配置せずにスリット17を形成することができる。上記機械的段差は、例えば、工作機械(フライス盤)で切削加工することによって形成することができる。
本発明にかかる塗布装置は、スリットダイ1の基材3の搬送方向上流側に減圧手段15を備える。詳細には、減圧手段15は、基材3の搬送方向に対して塗布液のビード4の上流側に配置され、この減圧手段を作動させることによって、塗布液のビード4の上流側が減圧され、ビードが安定化する。
このように減圧手段を配置し、塗布液のビードの上流側を減圧することにより、塗布液のビードが安定し、ビードが破断するという現象が抑制される。
減圧手段としては、特に限定されず、減圧チャンバー方式、減圧室調整用ブロックを設置する方式などを用いることができる。本発明では、塗布装置の小型化が図られ、かつ減圧手段設置の容易性の観点から、減圧室調整用ブロックを設置する方式が好ましく用いられる。かかる方式は、例えば、特開2008−23405号公報を参照することによって設置することができる。
減圧手段15は、スリットダイ1を構成する上流側ブロック12の凹み部に、減圧室調整用ブロック15aを設置することによって形成された減圧室15b、および減圧室15bを減圧するための空気吸引孔(図示せず)および塗布装置外部から空気吸引孔に連接されたポンプ(図示せず)によって構成されている。
減圧手段15は、スリットダイ1の幅方向に減圧用スリット15cを有する。この減圧スリット15cは、上流側リップ12aと減圧室調整用ブロック15aによって、これらの2つの部材の間にスリット状間隙を設けることによって形成されている。
この減圧用スリット15cを介して塗布液のビード4の上流側の空気が減圧室15bに流入し、減圧され、塗布液のビード4の安定化に寄与する。
しかし、一方、スリットダイ1の上流側に減圧手段15を設けることにより、スリットダイ1のリップ5の幅方向両端のそれぞれ外側において下流側から上流側へ空気が移動するという現象が起こる。
つまり、従来の塗布装置は、図2における邪魔板14aおよび14bが設けられていないために、上記したようにリップ5の幅方向両端のそれぞれ外側において下流側から上流側へ空気が移動(流入)するという現象が起こる。
この現象は、減圧手段による減圧効果を低下させる(十分な減圧圧力が得られない)。減圧効果が低下すると、塗布液のビード4が破断(ビードブレイク)しやすくなる。また、上記現象は塗布膜の幅方向端部の膜厚を変動させることがある。
ビードブレイクは、ビスコキャピラリーモデルより塗布速度が大きいほど、塗布液の粘度が低いほど、塗布液のウェット膜厚が小さいほど、塗布速度が大きいほど起き易い傾向にあり、また、塗布液ビードの上流側の減圧効果が低下することが、ビードブレイクを助長すると考えられる。
上記した問題は、特に、比較的低粘度の塗布液(例えば、23℃での粘度が30mPa・s以下の塗布液)を比較的薄膜(例えば、ウェット膜厚が20μm以下)で塗布するときに起こりやすい。
上記課題は、スリットダイ1のリップ5の幅方向両端のそれぞれ外側において下流側から上流側に空気が移動(流入)するのを抑制するための邪魔板を設けることによって解決する。
つまり、本発明の塗布装置は、搬送する基材に塗布液を塗布するためのスリットダイと、該スリットダイの基材搬送方向上流側に減圧手段とを少なくとも備える塗布装置であって、該スリットダイは、リップの幅方向両端のそれぞれ外側に、スリットダイに対して基材搬送方向の下流側から上流側へ空気が移動するのを抑制するための邪魔板を備え、該邪魔板は基材と接触しないように設けられていることを特徴とする、塗布装置である。
以下、本発明の塗布装置における邪魔板について詳細に説明する。
図4〜図7は、それぞれ本発明にかかる塗布装置の一例を示す要部の模式上面図である。
邪魔板14aおよび14bは、スリットダイ1のリップ5の幅方向両端のそれぞれ外側設けられる。このとき、邪魔板14aおよび14bが基材3と接触しないことが重要である。ここで、邪魔板14aおよび14bが基材3と接触しない構成とするには、基材3の幅方向の厚み精度等を考慮して、邪魔板14aおよび14bと基材3とのクリアランス(h1)は5μm以上とすることが好ましく、10μm以上とすることがより好ましく、20μm以上とすることが特に好ましい。一方、上記クリアランス(h1)が、大きくなり過ぎると、邪魔板の効果(空気が下流側から上流側に流入することを抑制する効果)が十分に得られなくなることがあるので、上限は1000μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましく、100μm以下が更に好ましく、50μm以下が特に好ましい。
邪魔板と基材が接触しない構成を採ることによって、邪魔板と基材が接触するときの問題、即ち、塗布液が邪魔板を介して基材側に付着するという問題、基材に傷が付くという問題、および連続搬送する基材の微弱な振動が塗布液のビードに伝達されてビードが不安定となり塗布ムラなどを引き起こすという問題が、解消される。
本発明の塗布装置において、邪魔板はリップから吐出された塗布液と接触しないように設けられていることが好ましい。つまり、邪魔板14aおよび14bが、リップ5から吐出された塗布液(塗布液のビード4)と接触しないことが好ましい。
邪魔板14aおよび14bが、リップ5から吐出された塗布液(塗布液のビード4)と接触しないような構成を採ることによって、邪魔板と塗布液(塗布液のビード)が接触するときの問題、即ち、塗布液が毛管力によって邪魔板14aおよび14bと基材3との間に回り込むという問題を抑制することができる。これによって、均一な塗布幅で安定的に塗布することができる。
邪魔板14aおよび14bが、リップ5から吐出された塗布液(塗布液のビード4)と接触しない構成は、例えば、図4〜図7に示すような邪魔板の構成とすることによって実行される。
まず、図4〜図6における邪魔板14aおよび14bは、リップ5の幅方向両端であってかつ塗布液の流れ方向における先端部(以下、リップ先端部という)5aおよび5bと接触しないように設けられており、これによって、邪魔板14aおよび14bが、リップ5から吐出された塗布液(塗布液のビード4)と接触することを回避することができる。
図4および図5における邪魔板14aおよび14bは、リップ先端部5aおよび5bとの間に切欠き部6aおよび6bが設けられている。この切欠き部6aおよび6bを設けることによって、邪魔板14aおよび14bは、リップ先端部5aおよび5bと接触しない構成とすることができる。
図6における邪魔板14aおよび14bは、スリットダイにおける塗布液の流れ方向に対してリップ先端部5aおよび5bより内側(上流側)に配置されている。つまり、リップ5と基材3とのクリアランス(h0)に対して、邪魔板14aおよび14bと基材3とのクリアランス(h1)を大きくしている。図6の態様は、図4および図5のように邪魔板とリップ先端部との間に切欠き部を設けずに、邪魔板14aおよび14bとリップ先端部5aおよび5bとが接触しないような構成とする一つの例である。
図7における邪魔板14aおよび14bは、リップ先端部5aおよび5bの近傍に、切欠き部7aおよび7bを有する。この態様の邪魔板は、リップ先端部5aおよび5bと邪魔板の極一部が接触(点接触)し、リップ先端部5aおよび5bの外側の近傍に、邪魔板の切欠き部7aおよび7bが設けられている。これによって、邪魔板14aおよび14bが、リップ5から吐出された塗布液(塗布液のビード4)と接触することを回避することができる。たとえ、邪魔板14aおよび14bとリップ先端部5aおよび5bとの接触点において、リップ5から吐出された塗布液(塗布液のビード4)が接触したとしても、邪魔板と塗布液との接触点は極わずかであるので、邪魔板と塗布液(塗布液のビード)とが接触するときの問題(塗布液が毛管力によって邪魔板14aおよび14bと基材3との間に回り込むという問題)は十分に抑制することができる。
上述した邪魔板の中でも、リップ5から吐出された塗布液(塗布液のビード4)が毛管力によって邪魔板14aおよび14bと基材3との間に回り込むことを抑制するという観点、および邪魔板の効果(空気が下流側から上流側に流入することを抑制する効果)を十分に確保するという観点から、図4、図5および図7の邪魔板が好ましく、特に、図4および図5の邪魔板が好ましい。
図4〜図7の邪魔板について、詳細に説明する。
図4および図5において、邪魔板14aおよび14bは、リップの先端部5aおよび5bとの間に切欠き部6aおよび6bが設けられている。なお、図4aおよび図5aは、図4および図5における、切欠き部の平面形状を説明するための説明図である。図4aおよび図5aにおいて、横線にてハッチングされている箇所が切欠き部の平面形状である。
図5は、図4に対して、切欠き部6aおよび6bと基材3との最大距離(h2)が小さくなるように設計されている。ここで、切欠き部6aおよび6bと基材3との最大距離(h2)は、リップ5と基材3とのクリアランス(h0)より大きくなるように設計されることが好ましい。
(h2)と(h0)との差(h2−h0)は、リップ5から吐出された塗布液(塗布液のビード4)が、邪魔板14aおよび14bと接触しないように設計されることが好ましい。上記差(h2−h0)の最適な範囲は、ウェット膜厚によって適宜設計されることが好ましい。つまり、ウェット膜厚が大きくなるほど上記差(h2−h0)は大きく設計される。例えば、ウェット膜厚が1〜20μmの場合、上記差(h2−h0)は、20μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、50μm以上が特に好ましい。上記差(h2−h0)の上限は、リップ5の寸法(塗布液の流れ方向と平行な寸法)(h4)と同等以下であることが好ましい。
図4において、上記差(h2−h0)は、リップの寸法(h4)と同等に設計されている。本発明にかかるスリットダイにおいて、リップの寸法(h4)は、特に限定されないが、1〜10mmの範囲が適当であり、2〜8mmの範囲が好ましく、2〜5mmの範囲が特に好ましい。
図5は、図4に対して、上記差(h2−h0)が小さくなるように設計されている。
図4および図5において、切欠き部6aおよび6bの平面形状は三角形としているが、本発明はこれに限定されず、例えば、矩形や台形などの平面形状とすることができる。
切欠き部5aおよび5bの平面形状は、三角形であることが好ましい。これによって切欠き部の平面面積を小さくしながら、邪魔板とリップ先端部との間隙(切欠き部の開口幅h3)を有効寸法(リップから吐出された塗布液と邪魔板とが接触しないような寸法)に調整することができる。切欠き部の平面面積を小さくすることによって、邪魔板の効果(空気が下流側から上流側に流入することを抑制する効果)を十分に確保することができる。
切欠き部6aおよび6bの開口幅(h3)は、上記観点(リップから吐出された塗布液と邪魔板とが接触しないように設計するという観点)から、リップ5と基材3とのクリアランス(h0)と同等もしくは大きいことが好ましい。つまり、両者の関係は、(h0≦h3)であることが好ましい。上記クリアランス(h0)の好ましい範囲については後述する。
切欠き部6aおよび6bの開口幅(h3)は、大きくなり過ぎると、邪魔板の効果(空気が下流側から上流側に流入することを抑制する効果)が低下することがあるので、開口幅(h3)の上限は、1000μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましく、300μm以下が特に好ましく、100μm以下が最も好ましい。
図4および図5において、切欠き部6aと6bとは、形状および大きさ(サイズ)を同等としているが、上記した形状および上記した数値範囲(h1、h2およびh3の数値範囲)の中で、異なるように設計してもよい。
図6における邪魔板14aおよび14bは、スリットダイにおける塗布液の流れ方向に対してリップ先端部5aおよび5bより内側(上流側)に配置されている。つまり、リップ5と基材3とのクリアランス(h0)に対して、邪魔板14aおよび14bと基材3とのクリアランス(h1)を大きくしている。クリアランス(h1)とクリアランス(h0)の差(h1−h0)は、ウェット膜厚によって適宜設計されることが好ましい。つまり、ウェット膜厚が大きくなるほど上記差(h1−h0)を大きく設計されることが好ましい。例えば、ウェット膜厚が1〜20μmの場合、上記差(h1−h0)は、20μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、50μm以上が特に好ましい。上記差(h1−h0)が大きくなり過ぎると、邪魔板の効果((大気が下流側から上流側に流入することを抑制する効果)が十分に得られないことがあるので、上限は900μm以下が好ましく、500μm以下がより好ましく、特に200μm以下が特に好ましい。
図7における邪魔板の特徴は、邪魔板14aおよび14bに切欠き部7aおよび7bが設けられていることにあり、この特徴を除く他の構成は、前述の図4および図5における邪魔板と同様に設計することができる。なお、図7aは、図7における、切欠き部の平面形状を説明するための説明図である。図7aにおいて、横線にてハッチングされている箇所が切欠き部の平面形状となる。
本発明にかかる塗布装置において、邪魔板の幅方向寸法は、少なくとも基材3の幅方向両端より外側まで延展されていることが好ましい。
次に、邪魔板とリップとの位置関係および邪魔板と基材との位置関係について、それぞれ好ましい態様を図2および図4を用いて説明する。
前述したように、本発明の塗布装置は、比較的低粘度の塗布液を比較的薄膜で塗布する場合に好適である。具体的には、塗布液の23℃粘度が30mPa・s以下である場合に好適であり、20mPa・s以下である場合により好適であり、15mPa・s以下の場合に特に好適である。下限の粘度は0.5mPa・s程度である。
ウェット膜厚としては20μm以下の場合に好適であり、10μm以下の場合により好適であり、7μm以下の場合に特に好適である。下限のウェット膜厚は1μm程度である。
このような比較的低粘度の塗布液を比較的薄膜で塗布する場合、リップ5と基材3とのクリアランス(h0)は、70μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、40μm以下が特に好ましい。下限のクリアランス(h0)は10μm程度である。
このような構成において、邪魔板14aおよび14bをリップ5の先端より基材3側に大きく突出させると、邪魔板と基材が接触する危険性が高くなる。これを回避するために、邪魔板14aおよび14bと基材3とのクリアランス(h1)と上記クリアランス(h0)との関係は、(h1)は(h0)と同等、もしくは下記式1を満足することが好ましい。
(h0−50μm)≦h1≦(h0+50μm)・・・式1
更に、クリアランス(h1)とクリアランス(h0)との関係は、下記式2を満足することがより好ましい。
(h0−30μm)≦h1≦(h0+30μm)・・・式2
特に、クリアランス(h1)とクリアランス(h0)との関係は、同等であることが最も好ましい。また、後述するように、スリットダイへの邪魔板取付け方法の好ましい一つの方法は、邪魔板がスリットダイを構成するシムプレートと一体的に成形されることであり、この観点から、シムプレートの成形加工の容易性の観点から、(h1)と(h0)は同等であることが好ましい。
上記した(h0)と(h1)との関係は、図4、図5および図7に示すように、リップ先端部と邪魔板との間に切欠き部が設けられた態様において好適である。
本発明にかかる塗布装置において、スリットダイに邪魔板を取付ける方法は、特に限定されないが、例えば、以下の方法を用いることが好ましい。
(i)スリットダイを構成するシムプレートに邪魔板が一体的に成形されたシムプレートを用いる方法、
(ii)スリットダイのリップの幅方向両端のそれぞれ外側であってかつ基材に対向する面に、邪魔板挿入孔を設け、その挿入孔に邪魔板の一部を挿入し、邪魔板をスリットダイに固定する方法。
上記(i)の邪魔板取付け方法に用いられるシムプレートは、図8(シムプレートの模式平面図)に示すように、シムプレート13と邪魔板14aおよび14bとが一体的に成形されている。
図8のシムプレート13を図1に示すように下流側ブロック11と上流側ブロック12との間に配置することにより、図2および図4〜図7に示すように、邪魔板14aおよび14bをリップ5の幅方向両端のそれぞれ外側に配置することができる。尚、図8に示すように、シムプレート13の中央の空間部分が、スリット17となり、この空間部分(スリット17)の幅方向長さLが塗布幅となる。
このように、(i)の態様においては、スリットダイが、少なくとも、下流側ブロック、シムプレートおよび上流側ブロックをこの順に配置した構成を有し、前記邪魔板が前記シムプレートに一体的に成形されていることが好ましい。
上記(ii)の邪魔板取付け方法は、図9a(邪魔板が取付けられる前のスリットダイの模式上面図)に示すように、スリットダイ1のリップ5の幅方向両端のそれぞれ外側であってかつ基材(不図示)に対向する面21aおよび21bに、邪魔板挿入孔22aおよび22bが設けられており、図9b(邪魔板が取付けられた後のスリットダイの模式上面図)に示すように、邪魔板挿入孔22aおよび22bに邪魔板14aおよび14bの一部が挿入されて取り付けられる。
(ii)の邪魔板取付け方法は、前述したように、スリットダイ1におけるスリット17が、シムプレート13を配置せずに、下流側ブロックおよび/または上流側ブロックに機械的段差を設けることによって形成されたスリットダイに好ましく適用される。
上記(i)の邪魔板取付け方法は、邪魔板がシムプレートと一体的に成形されているので、スリットダイを組立てるだけで、邪魔板が配置されたスリットダイが得られるという利点がある。
上記(ii)の邪魔板取付け方法は、1つのスリットダイに対して邪魔板を自由に変更できるという利点がある。つまり、形状や大きさの異なる複数種の邪魔板を用意することによって、塗布条件の変更(例えば、ウェット膜厚やリップ5と基材3とのクリアランスh0の変更)に応じて、最適な邪魔板を選択して取付けることができる。
本発明に用いられる邪魔板の厚みは、特に限定されないが、0.3〜3mmの範囲が適当であり、0.5〜2mmの範囲が好ましい。邪魔板の材質は、上記厚みの範囲内で撓まない(自重や気流で撓まない)ような、比較的剛性度の高い材質が好ましく用いられる。邪魔板の材質としては、例えば、エンジニアリングプラスチック、三次元架橋樹脂、炭素鋼やステンレス鋼のような金属などが挙げられる。これらの中でも、炭素鋼やステンレス鋼のような金属が好ましく用いられる。
上記(i)の邪魔板取付け方法は、スリットダイを構成するシムプレートと一体的に成形することであり、この観点から、シムプレートと同一の材質であることが好ましい。シムプレートの材質としては、比較的剛性度の高い材質が好ましく、例えば、炭素鋼やステンレス鋼などの金属が好ましく用いられる。また、この邪魔板取付け方法における邪魔板の厚みは、シムプレートの成形加工の容易性の観点から、シムプレートの厚みと同一であることが好ましい。但し、シムプレートと邪魔板の厚みを変更することも可能である。
上記(ii)の邪魔板取付け方法における邪魔板の材質についても、比較的剛性度の高い炭素鋼やステンレス鋼のような金属が好ましく用いられる。
以上、本発明にかかる塗布装置について好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、種々の改変が可能である。例えば、スリットダイ1に対向する位置に設置されたバックアップローラ2によって基材3が支持されているが、バックアップローラは不在であってもよい。この場合は、基材3は2つのローラ間でテンション制御されることが好ましい。
また、スリットダイにおけるマニホールドおよびスリットは、2つのブロックと1つのシムプレートによって、それぞれ1つずつ(一組)形成されているが、本発明はこれに限定されず、マニホールドおよびスリットはそれぞれ2以上(二組以上)で構成されていてもよく、その場合は、ブロックおよびシムプレートの個数を増設することによって形成することができる。
例えば、下流側ブロック11と上流側ブロック12との間に、新たに中間ブロックとシムプレートを配置することによって、つまり、「下流側ブロック/シムプレート/中間ブロック/シムプレート/上流側ブロック」の構成にすることによって、2組のマニホールドとスリットを有するスリットダイを作製することができる。
次に、本発明にかかる塗布装置を用いた塗布方法および積層フィルムの製造方法について説明する。本発明にかかる塗布方法は積層フィルムの製造に好適である。
積層フィルムとしては、各種機能性フィルム、例えば、タッチパネル用透明導電性フィルム、タッチパネル用透明導電性フィルムのベースフィルム(例えばハードコートフィルムや屈折率調整フィルム)、ディスプレイの保護フィルム(例えばハードコートフィルム、帯電防止フィルム、防汚性フィルム)、光学フィルム(例えば反射防止フィルムや防眩性フィルム)、粘着フィルム、離形フィルム等が挙げられる。
これらの積層フィルムは、基材に各種機能性層を一層もしくは複数層塗布し積層することによって製造される。機能性層は、上記したような各種機能性フィルムに適した機能を有する層であれば良い。機能性層としては、例えば、導電層、ハードコート層、屈折率調整層、反射防止層、帯電防止層、防汚層、粘着剤層、離形層等が挙げられる。
基材としては、紙、プラスチックフィルム、金属箔、およびこれらの複合体が挙げられる。本発明は、基材としてプラスチックフィルムが好ましく用いられる。プラスチックフィルムは、幅方向の厚み精度が比較的良好であるため、前述したように、低粘度の塗布液を薄膜で塗布するときに、リップと基材とのクリアランス(h0)および邪魔板と基材とのクリアランス(h1)を小さくすることができるので好適である。
かかるプラスチックフィルムを構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン等のポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、アートン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂等が挙げられる。これらの中でも、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂およびセルロース樹脂が好ましく、特にポリエステル樹脂が好ましく用いられ、更にポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましく用いられる。また、基材は、上記の樹脂からなる層が2層以上積層された積層プラスチックフィルムであってもよい。基材の厚みは20〜300μmの範囲が適当である。
上記したような機能性層の乾燥膜厚は、0.01〜10μm程度である。このような乾燥膜厚の小さい機能性層を形成するためには、塗布液のウェット膜厚を小さくする必要がある。例えば、ウェット膜厚は20μm以下が好ましく、10μm以下がより好ましく、7μm以下が特に好ましい。下限のウェット膜厚は1μm程度である。このように、基材フィルムに機能性層が積層されてなる機能性フィルムにおいては、薄い機能性層を設けるために塗布液のウェット膜厚を小さくする必要があるところ、本発明を適用することによって、均一な厚みの塗布膜を安定的に得ることができ、その結果、塗布スジや塗布ムラがない外観に優れる機能性フィルムを安定的に得ることができる。
また、上記したようにウェット膜厚を小さくして塗布する場合、および塗布速度を増速する場合、塗布液の粘度は比較的低粘度であることが好ましい。具体的には、23℃粘度が30mPa・s以下が好ましく、20mPa・s以下がより好ましく、15mPa・s以下が特に好ましい。下限の粘度は0.5mPa・s程度である。
本発明にかかる塗布装置を用いた塗布方法は、上記したように、23℃粘度が30mPa・s以下である塗布液を、ウェット膜厚が20μm以下で塗布する塗布方法において好適である。
本発明にかかる塗布装置を用いた塗布方法において、塗布幅は、700〜3000mm程度が適当であり、1000〜2500mmの範囲が好ましい。
基材上に塗布液が塗布されて製膜された塗布膜は、乾燥工程で乾燥され、必要に応じて紫外線や電子線などの活性エネルギー線が照射されて硬化される。乾燥工程では、従来から行われている様々な乾燥手段を用いて乾燥することができる。例えば、スリット風乾燥、メッシュ風乾燥、赤外線乾燥、凝縮乾燥などを用いて基材に塗布された塗布膜を乾燥することができる。
以下、本発明の塗布装置の効果を具体的に説明するが、本発明はこの実施例に限定されない。
[実施例1]
図1〜図3、図4および図8に示すような、邪魔板が配置されたスリットダイと減圧手段とを少なくとも備えた本発明の塗布装置を用いて、下記の条件で反射防止層を形成するための塗布液を塗布し、乾燥して反射防止フィルムを製造した。邪魔板は、スリットダイを構成するシムプレートに一体的に成形されたものである。
・リップと基材とのクリアランス(h0);30μm
・邪魔板と基材とのクリアランス(h1);30μm
・切欠き部と基材との最大距離(h2);3030μm
・切欠き部の開口幅(h3);40μm
・塗布速度;50m/min
・塗布液のウェット厚み;5μm
・塗布幅;1300mm
・塗布液粘度(23℃);5mPa・s
・基材;厚みが50μm、幅1500mmのポリエチレンテレフタレートフィルム。
<塗布膜の評価>
塗布幅方向に均一な厚みの塗布膜が得られ、外観も塗布スジや塗布ムラがなく良好であった。
[比較例1]
邪魔板を設置しないこと以外は実施例1と同様の塗布装置を用いて、実施例1と同一条件で塗布した。
<塗布膜の評価>
ビードブレイクが発生し、良好な塗布膜が得られなかった。
1 スリットダイ
2 バックアップローラ
3 基材
4 塗布液のビード
4a 塗布膜
5 リップ
5a、5b リップ先端部
6a、6b リップの先端部と邪魔板との間の切欠き部
7a、7b 邪魔板に設けられた切欠き部
11 下流側ブロック
11a 下流側リップ
12 上流側ブロック
12a 上流側リップ
13 シムプレート
14、14a、14b 邪魔板
15 減圧手段
15a 減圧室調整用ブロック
15b 減圧室
15c 減圧用スリット
16 マニホールド
17 スリット
21a、21b スリットダイの邪魔板挿入孔が設けられる面
22a、22b スリットダイに設けられた邪魔板挿入孔
h0 リップと基材とのクリアランス
h1 邪魔板と基材とのクリアランス
h2 切欠き部と基材との最大距離
h3 切欠き部の開口幅
h4 リップの寸法
L 塗布幅
X 基材の搬送方向

Claims (13)

  1. 搬送する基材に塗布液を塗布するためのスリットダイと、該スリットダイの基材搬送方向上流側に減圧手段とを少なくとも備える塗布装置であって、
    該スリットダイは、リップの幅方向両端のそれぞれ外側に、スリットダイに対して基材搬送方向の下流側から上流側へ空気が移動するのを抑制するための邪魔板を備え、
    該邪魔板は基材と接触しないように設けられていることを特徴とする、塗布装置。
  2. 前記邪魔板が、リップから吐出した塗布液と接触しないように設けられている、請求項1に記載の塗布装置。
  3. 前記邪魔板が、リップの幅方向両端でかつ塗布液の流れ方向における先端部と接触しないように設けられている、請求項2に記載の塗布装置。
  4. 前記邪魔板と、前記リップの幅方向両端でかつ塗布液の流れ方向における先端部との間に切欠き部を有する、請求項3に記載の塗布装置。
  5. 前記邪魔板が、リップの幅方向両端でかつ塗布液の流れ方向における先端部近傍に切欠き部を有する、請求項2に記載の塗布装置。
  6. 前記切欠き部の平面形状が三角形である、請求項4または5に記載の塗布装置。
  7. 前記切欠き部の開口幅(h3)は、前記リップと基材とのクリアランス(h0)と同等もしくは大きいことを特徴とする、請求項4〜6のいずれかに記載の塗布装置。
  8. 前記リップと基材とのクリアランス(h0)が70μm以下であり、前記邪魔板と基材とのクリアランス(h1)と前記(h0)との関係が、同等もしくは下記式1を満足することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の塗布装置。
    (h0−50μm)≦h1≦(h0+50μm)・・・式1
  9. 前記スリットダイが、少なくとも、下流側ブロック、シムプレートおよび上流側ブロックをこの順に配置した構成を有し、前記邪魔板が前記シムプレートに一体的に成形されている、請求項1〜8のいずれかに記載の塗布装置。
  10. 前記邪魔板が、スリットダイのリップの幅方向両端のそれぞれ外側であってかつ基材に対向する面に設けられた邪魔板挿入孔に邪魔板の一部が挿入されて固定されている、請求項1〜8のいずれかに記載の塗布装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の塗布装置を用いて、23℃での粘度が30mPa・s以下である塗布液を、ウェット膜厚が20μm以下で基材に塗布することを特徴とする塗布方法。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の塗布装置を用いて、塗布液を基材に塗布して積層フィルムを得る、積層フィルムの製造方法。
  13. 請求項11に記載の塗布方法を用いて塗布液を基材に塗布し、積層フィルムを得る、積層フィルムの製造方法。
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