JP5697697B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、内燃機関の制御装置、特に筒内噴射式内燃機関に於ける均質燃焼モード制御時及びスワール流動制御時の制御装置に関するものである。
近年に於いて、大気汚染や石油事情の変動等に伴い、内燃機関(以下、エンジンと称する)の排気ガスの浄化、及び燃費の向上が強く要求されており、エンジンの排気ガスの浄化及び燃費を向上させる方法として、エンジンに於ける混合気の燃焼状態を向上することが注目されている。
筒内噴射式火花点火エンジンに於ける混合気の燃焼状態を向上するためには、点火時の混合気の形成状態が重要となることが知られており、始動時や高負荷運転時に対して吸気行程で燃料を噴射して筒内全体に均質な混合気を形成して燃焼を行うよう制御する均質燃焼モード時に於いては、噴射された燃料を筒内全体に素早く拡散させ、且つ噴霧の蒸発を促進させ、且つ蒸発燃料と空気との混合に対して十分な期間を設けるよう制御して均質な混合気を形成することが非常に重要となってくる。
燃料噴霧の拡散を向上し、且つ噴霧の蒸発を促進させて良好な均質混合気を形成するには、筒内に形成する空気流動の制御と燃料噴射の制御が特に重要な要素であり、筒内に形成する空気流動を強化するよう制御することが必要となる。例えば、二つの吸気ポート間の吸気流量に差をつけることで筒内に偏流を生じさせて、筒内の横渦の空気流動(以下「スワール流動」と称する)を強化するよう制御を行い均質混合気形成の向上を図る制御方法は既に周知の技術である。
しかし、筒内に偏流を生じさせるスワール流動制御に於いては、噴射された燃料を筒内全体に素早く拡散させるが故に、噴霧の拡散を所望しない吸気バルブ(特に吸気バルブ閉弁時に燃焼室の外側に位置する吸気バルブ面)や点火プラグ先端近傍に噴霧が拡散し、それらと衝突して燃料が付着してしまう。特にエンジンが冷機時に於いては、この一旦付着した燃料が蒸発せずに粒径の大きな液滴として筒内に流入/残留することで排ガスが悪化したり、失火したりしてしまうため、良好な均質混合気を形成するには燃料が付着することを抑制する必要がある。
例えば、特許文献1に開示された装置では、均質燃焼モード制御時に於いて、スワール流動により舞い上がって点火プラグに付着した燃料がエンジンの温度が所定値以下では蒸発しないと判断し、スワール流動を弱めることで点火プラグ近傍への噴霧拡散および付着を抑制し、均質混合気形成の向上、失火の防止を図るようにしている。
特開2010−270707号公報
特許文献1に開示された従来の装置では、筒内に噴射された燃料をスワール流動で筒内全体に素早く拡散させ、且つ噴霧の蒸発を促進させる必要がある冷機時の運転状態にもかかわらず、スワール流動を低下させるよう制御しているため、点火プラグ近傍への噴霧拡散および付着を抑制することはできるものの、筒内の燃料噴霧が筒内全体に拡散しにくく、流動で燃料を微粒化することでの燃料噴霧の蒸発促進ができず、均質混合気の形成が悪化する。
この発明は、従来の装置に於ける前述のような課題を解決するためになされたもので、スワール流動を減衰させることなく燃料噴霧が吸気流量調節機構側の吸気バルブに付着するのを抑制することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
この発明による内燃機関の制御装置は、
内燃機関の筒内に、直接、燃料を噴射する燃料噴射弁と、
前記筒内に接続された複数の吸気ポートのうちの少なくとも一つの吸気ポートに設けられ、前記筒内に流入する吸気流量を調節することにより前記複数の吸気ポートのうちの少なくとも一部の吸気ポートとの間で吸気流量に差を形成して前記筒内にスワール流動を形成させ得る吸気流量調節手段と、
前記筒内に形成された前記スワール流動の強度を演算するスワール強度演算手段と、
前記吸気流量調節手段により調節される前記吸気流量を補正する吸気流量調節補正量を演算する吸気流量調節補正量演算手段と、
前記演算された吸気流量調節補正量に基づいて、前記吸気流量調節手段により調節される前記吸気流量を補正する吸気流量調節補正手段と、
前記吸気流量調節補正量演算手段により演算される前記吸気流量調節補正量を制限する吸気流量調節補正制限手段と、
を備え、
前記吸気流量調節補正量演算手段は、前記内燃機関の冷却水温が所定の値以下の冷機状態にあり、且つ前記吸気流量調節手段が動作しているときであって、前記複数の吸気ポートのうちの少なくとも一つの吸気ポートから前記筒内に吸気される前のタイミングと前記吸気の途中のタイミングとのうちの少なくとも一方のタイミングで前記燃料噴射弁から前記燃料が噴射される場合に、前記吸気流量調節補正量を演算するように構成され、
前記吸気流量調節補正量演算手段により演算される前記吸気流量調節補正量は、前記演算された前記スワール流動の強度に応じた値であって、前記スワール流動を維持しつつ前記スワール流動の強度を減少させて前記吸気流量調節手段が設けられた吸気ポートの吸気バルブへの前記燃料の付着を抑制する値であり、
前記吸気流量調節補正制限手段は、前記筒内のスワール流動を減衰させないように前記吸気流量調節補正量の制限を行なう、
ことを特徴とするものである。
この発明による内燃機関の制御装置によれば、内燃機関の筒内に、直接、燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記筒内に接続された複数の吸気ポートのうちの少なくとも一つの吸気ポートに設けられ、前記筒内に流入する吸気流量を調節することにより前記複数の吸気ポートのうちの少なくとも一部の吸気ポートとの間で吸気流量に差を形成して前記筒内にスワール流動を形成させ得る吸気流量調節手段と、前記筒内に形成された前記スワール流動の強度を演算するスワール強度演算手段と、前記吸気流量調節手段により調節される前記吸気流量を補正する吸気流量調節補正量を演算する吸気流量調節補正量演算手段と、前記演算された吸気流量調節補正量に基づいて、前記吸気流量調節手段により調節される前記吸気流量を補正する吸気流量調節補正手段と、前記吸気流量調節補正量演算手段により演算される前記吸気流量調節補正量を制限する吸気流量調節補正制限手段とを備え、前記吸気流量調節補正量演算手段は、前記内燃機関の冷却水温が所定の値以下の冷機状態にあり、且つ前記吸気流量調節手段が動作しているときであって、前記複数の吸気ポートのうちの少なくとも一つの吸気ポートから前記筒内に吸気される前のタイミングと前記吸気の途中のタイミングとのうちの少なくとも一方のタイミングで前記燃料噴射弁から前記燃料が噴射される場合に、前記吸気流量調節補正量を演算するように構成され、前記吸気流量調節補正量演算手段により演算される前記吸気流量調節補正量は、前記演算された前記スワール流動の強度に応じた値であって、前記スワール流動を維持しつつ前記スワール流動の強度を減少させて前記吸気流量調節手段が設けられた吸気ポートの吸気バルブへの前記燃料の付着を抑制する値であり、前記吸気流量調節補正制限手段は、前記筒内のスワール流動を減衰させないように前記吸気流量調節補正量の制限を行なうように構成されているので、筒内のスワール流動への影響を最小限にして吸気流量調節手段側の吸気バルブの付着を抑制することができ、筒内に良好な均質混合気を形成し、排ガス、燃費、およびドラビリを向上することができる。
この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置のブロック図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置を含むシステム全体を示す構成図である。 均質燃焼モード制御、及びスワール流動制御時に於ける、スワール流動の強さが変化した時の燃料噴霧の形状及び吸気バルブへの衝突および付着度合いを示す説明図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作を示すフローチャートである。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける、スワール強度とスワール制御バルブ開度基本補正量の特性を示すマップである。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける、水温と水温重み付け係数の特性を示すマップである。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける、スワール強度とスワール制御バルブ開度補正量最大値の特性を示すマップである。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける、均質燃焼モード制御及びスワール流動が制御されたときのスワール制御バルブ開度の補正を行う挙動を示すタイミングチャート図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける、スワール制御バルブ開度補正量を示す説明図である。
本願発明の発明者の研究の結果によると、吸気バルブ近傍へ拡散する噴霧の量に対して最低限の弱い流動を噴霧に衝突させることで、スワール流動による吸気バルブへの付着が抑制できるだけでなく、筒内に形成されるスワール流動が減衰しないことが判明した。また、吸気バルブへ拡散する噴霧の量は、基本的にスワール流動の強さと相関関係があり、その関係は単純な比例関係ではないことが判明した。
ここで、スワール流動制御時に於いて、噴射時期を遅らせる、噴射方向を変更する、分割噴射するなどの燃料噴射制御や、排気還流ガスを増加する制御を行うことで、吸気バルブ付着を抑制するよう制御することが可能となる。しかし、それらの制御を行うと、筒内流動変化時と同様に均質混合気の形成、及び燃焼安定性が悪化する場合があり、付着および混合気形成の両立する制御は困難である。又、吸気バルブ又は吸気をヒータで暖める等の均質混合気形成、及び燃焼安定性が悪化しない制御で吸気バルブ付着を抑制するよう制御することが可能となるが、制御するための投入熱量が非常に大きく、その結果燃費が悪化する。そのため、スワール流動制御時に於いて、スワール流動が弱い方に於いて筒内流動にほぼ影響を及ぼさない程度のスワール流動を与え、そのスワール流動を用いて吸気バルブへの燃料噴霧の拡散、衝突、及び付着を抑制することが有効な手段である。この発明は、このような観点に鑑みてなされたものである。
以下、この発明の実施の形態について、図に基づいて説明する。尚、各図に於いて、同一、又は相当する部材、部位については、同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於いては、エンジンが均質燃焼モードで運転されており、燃料は吸気行程の初期に噴射されているものとする。又、以下述べるこの発明の実施の形態1では、均質燃焼モード運転時に於いて、吸気バルブが開弁している間にスワール流動によってスワール制御バルブ側の吸気バルブに燃料噴霧が付着する現象を鑑みて、スワール強度を演算し、スワール強度に応じてスワール制御バルブの開度を開側に補正する。
図1は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置のブロック図である。後述するエンジン制御用電子コントロールユニットに、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に各手段が記憶されている。図2は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置を含むシステム全体を示す構成図である。尚、一般的にエンジンには、複数のシリンダが設けられているが、図2及び以下の説明では、そのうちの1つのシリンダについてのみ述べる。
図2に於いて、エンジン1には、筒状のシリンダ2が設けられている。シリンダ2の軸線方向に往復自在なピストン3が設けられており、ピストン3の頂面には成層燃焼モード時に於けるシリンダ2の上部への成層混合気を形成のために、皿状に窪んだキャビティ4が形成されている。これ等のシリンダ2とピストン3によって、燃料と空気との混合気が燃焼する燃焼室5が形成されている。又、ピストン3の往復運動を回転運動に変換するクランク軸6が設けられており、クランク軸6の回転角度(クランク角)を検出するクランク角センサ7が設けられている。更に、シリンダ2には、エンジン1を冷却するための冷却水(図示せず)の温度に応じた電圧を出カする水温センサ8が設けられている。
シリンダ2内(以下「筒内」と記す)に空気を吸入する吸気マニホールド9と、燃焼室5内で混合気が燃焼して生成された排気ガスを排出する排気マニホールド10とがシリンダ2に接続されている。又、シリンダ2には、燃焼室5と吸気マニホールド9との間を開閉する吸気バルブ11と、燃焼室5と排気マニホールド10との間を開閉する排気バルブ12とが夫々2つ(図2では1つずつのみ図示)が取り付けられている。適切な開弁時期及び適切なリフト量で吸気バルブ11及び排気バルブ12を制御するために、吸気バルブ11及び排気バルブ12の上部には、吸気可変バルブ機構13と排気可変バルブ機構14それぞれ設置されている。
シリンダ2の頂部には、適切なタイミングで筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁15が取り付けられている。更に、シリンダ2の頂部には、燃焼室5に形成された混合気に火花点火する点火プラグ16が取り付けられており、点火プラグ16に高電圧エネルギを供給する点火コイル17が取り付けられている。
吸気マニホールド9には、2つあるうちの片方の吸気バルブ11(他方の吸気バルブ111は図3参照)に通じる吸気マニホールド9の流路の少なくとも一部を閉塞するスワール制御バルブ18が取り付けられている。このスワール制御バルブ18は、吸気流量を調節可能とする吸気流量調節手段を構成する。ここで、スワール制御バルブ18は、スワール制御バルブ18の開度が小さくなれば吸気マニホールド9の閉塞領域が拡大するように、吸気マニホールド9に設置されている。スワール制御バルブ18の開度を小さくし、吸気マニホールド9における閉塞領域が拡大した場合、スワール制御バルブ18が設置されている吸気マニホールド9からシリンダ2へ流入する空気量が減少するため、シリンダ2には偏流が生じ、筒内により強いスワール流動が形成される。
吸気マニホールド9の上流側には、燃焼室5に吸入される空気を一時的にためるサージタンク19が接続されており、サージタンク19の上流側には、スロットルバルブ20が接続されている。又、スロットルバルブ20の下流側には、ブースト圧に応じた電圧を出力するブースト圧センサ21が設けられている。
排気マニホールド10の下流側には、排気ガス中の有害物質を取り除く触媒装置22が接続されており、触媒装置22の下流側には、排気ガスを外部に排気するテールパイプ23が接続されている。また、排気マニホールド10には、排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ(図示せず)が設けられている。
エンジン制御用電子コントロールユニット24(以下、ECU24と称する)は、演算処理をするCPU、プログラムデータや固定値データを記憶するROM、格納されているデータを更新して順次書き換えられるRAM、及びECU24の電源が切られても格納されているデータを保持するバックアップRAMを有するマイクロコンピュータ(図示せず)と、アクチュエータ駆動のための駆動回路(図示せず)と、各種信号の入出力を行うI/Oインターフェース(図示せず)とで構成されている。
ECU24のメモリには、スワール強度演算手段25、吸気流量調節補正量演算手段26、吸気流量調節水温補正手段27、吸気流量調節補正制限手段28、吸気流量調節補正手段29、がソフトウェアとして記憶されている。又、ECU24には、水温センサ8、ブースト圧センサ21からの電圧出力値がA/D変換されて入カされ、これらA/D変換された各出カ値は、それぞれ冷却水温T、ブースト圧Pbとして上記各手段での演算に用いられる。また、ECU24にはクランク角センサ7の信号が割り込み入力されて、ECU24に内蔵されたタイマーとクランク角センサ7の信号とからエンジン回転数NEが演算される。
次に、図1に於いて、スワール強度演算手段25は、吸入空気量Qa、バルブ開口面積A、及び補正前スワール制御バルブ開度SCVに基づいて、スワール制御バルブが設置されていない方の吸気マニホールド9から吸気バルブ111を通過して筒内に吸入される流速と強い相関関係のあるスワール強度Sを演算する。その具体的な演算方法は、後述する図4を用いた制御の流れに基づいて説明する。
吸気流量調節補正量演算手段26は、スワール強度Sに応じて予め設定されて一意に決定するスワール制御バルブ開度基本補正量SCVhbの特性を用いてスワール制御バルブ開度基本補正量SCVhbを演算する。その具体的な演算方法は、後述する図4を用いた制御の流れに基づいて説明する。
ここで、実施の形態1に於ける後述する吸気流量調節補正手段29を適用していない場合に於いて、スワール流動の強さが変化した時の燃料噴霧の形状及び吸気バルブへの衝突及び付着度合いが変化する現象を、図3を用いて説明する。
均質燃焼モード制御、及びスワール流動制御時に於ける、スワール流動の強さが変化した時の燃料噴霧の形状及び吸気バルブへの衝突および付着度合いを示す説明図であって、吸気バルブ開弁後の吸気行程のタイミングで燃料が噴射されており、スワール流動形成のためにスワール制御バルブが全閉で制御中の状態にあり、(a)、(b)、(c)、(d)の順でスワール流動が強くなる条件(例えばエンジン回転数および負荷の増加)となっており、燃料噴射直後のタイミングにおけるスワール流動の強さ(図中矢印の太さ)と吸気バルブよりも上(ピストンが位置する方向とは逆)に位置する燃料噴霧の形状をそれぞれ表している。
図3の(a)に於いて、筒内流動としてのスワール流動30が弱い場合(例えば、エンジン回転数及び負荷が低いとき)には、吸気マニホールド9が閉塞されていない方の吸気バルブ11を通過する流速は低いため、筒内2の上部から噴射された燃料噴霧31がスワール流動30によって流されることはほとんどなく、噴霧は噴射の勢いによって吸気バルブ11よりも下の位置にすばやく拡散する。よって、吸気バルブに付着する燃料は非常に少ない。
図3の(b)に於いて、スワール流動30が若干強くなった場合、筒内2の上部から噴射された燃料噴霧31はスワール制御バルブ18側の吸気バルブ11へと流され始め、燃料噴霧31が吸気バルブ11より下の位置に拡散する前に吸気バルブ11と干渉し、燃料噴霧が吸気バルブ11に衝突し、これに付着してしまう。
図3の(c)に於いて、更にスワール流動30が強くなった場合、筒内2の上部から噴射された燃料噴霧31はスワール制御バルブ18側の吸気バルブ11へと流される量が非常に多くなり、多くの燃料噴霧31が吸気バルブ11と衝突し、これに付着してしまう。
しかし、図3(d)に於いて、スワール流動30が非常に強い場合には、一旦排気バルブ11の方向へと燃料噴霧31が流された後、スワール流動30で吸気バルブ11の方向へと流されるようになるため、吸気バルブ11近傍に燃料噴霧31が到達するころには、燃料噴霧31は吸気バルブ11よりも下の位置に拡散しており、吸気バルブ11に衝突及び付着する量は少なくなる。
前述の図3の現象に基づいて、スワール強度Sに応じたスワール制御バルブ開度基本補正量SCVhbの特性が予めECU24に記憶されている。
図1の吸気流量調節水温補正手段27は、水温Tに応じて水温重み付け係数SCVTWを演算する。この演算に於いて、スワール制御バルブ開度基本補正量SCVhbに対し、水温Tが低いほど補正量が大きくなるよう、水温重み付け係数SCVTWが演算される。
吸気流量調節補正制限手段28は、スワール強度Sに応じてスワール制御バルブ開度補正量最大値SCVhmxを演算する。この演算に於いて、スワール制御バルブ開度基本補正量SCVhbに水温重み付け係数SCVTWの補正が施されたスワール制御バルブ開度補正量とスワール制御バルブ開度補正量最大値SCVhmxの最小値が、最終的なスワール制御バルブ開度補正量SCVとして演算される。具体的な演算方法は、後述する図4を用いた制御の流れに於いて説明する。
吸気流量調節補正手段29は、吸気流量調節補正量演算手段26、吸気流量調節水温補正手段27、及び吸気流量調節補正制限手段28により演算されたスワール制御バルブ開度補正量SCVの分だけ増加するように補正して最終的なスワール制御バルブ開度SCVが演算される。具体的な演算方法は、後述する図4を用いた制御の流れに於いて説明する。
前述のように構成されたこの発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於いて、均質燃焼モード時、スワール流動制御中、所定水温以下の条件成立時、スワール強度を演算し、スワール制御バルブ開度補正量を演算し、スワール制御バルブ開度を補正する動作について、以下説明する。
図4は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置の動作を示すフローチャートである。先ず、図4を参照しながら、スワール強度を演算し、スワール制御バルブ開度補正量を演算し、スワール制御バルブ開度を補正する動作を説明する。尚、この動作は、ECU24に於いて所定クランク角度毎に割り込んで実行される割り込みルーチン内のサブルーチンとして実行される。尚、この実施の形態1に於いては、所定クランク角度毎に割り込んで実行される割り込みルーチン内のサブルーチンとして実行されるが、所定時間周期のメインルーチン内のサブルーチンとして実行されても良い。
図4に於いて、先ず、ステップS101に於いてエンジン制御が均質燃焼モードであるか否かを判定する。均質燃焼モードは、例えばエンジン1の始動時や高負荷運転時などに条件が成立するものである。
ステップS101に於いて均質燃焼モードが成立していないと判定された場合(N)、ステップS102で初期化処理が実行される。ステップS102の初期化処理は、スワール強度S、スワール制御バルブ開度補正量SCVにそれぞれ「0」を入力する。ステップS102の初期化処理が終了すると、何もせずサブルーチンを終了する。
S101に於いて均質燃焼モードが成立していると判定された場合(Y)、ステップS103でスワール制御バルブ18が全開か否か判定される。スワール制御バルブ18が全開であれば、筒内2に於いてスワール流動30は形成されず、スワール制御バルブ18側の吸気バルブ11に燃料が付着することはないため、ステップS102で初期化処理が実行され、何もせずサブルーチンを終了する。尚、スワール制御バルブ18が全開となる運転条件の代表的なものとして、短い吸気期間の間に多くの空気を筒内2に吸入する必要がある高回転、高負荷領域が挙げられる。
ステップS103での判定の結果、スワール制御バルブ18が全開でない場合(N)は、ステップS104に於いて水温条件が成立しているかを判定する。即ち、現在の水温Tが予め設定してある水温しきい値THTW以上である場合には、スワール流動30により燃料噴霧31が吸気バルブ11に付着しても、吸気バルブ開弁期間内に蒸発すると予測されるため、水温条件が成立していないと判定し(N)、ステップS102で初期化処理が実行され、何もせずサブルーチンを終了する。
ステップS104に於いて、水温条件が成立していると判定した場合(Y)、即ち現在の水温Tが予め設定してある水温しきい値THTW未満である場合は、ステップS105に進んでスワール強度Sを演算する。このスワール強度Sは、スワール制御バルブ18が設置されていない方の吸気バルブ111を通過する流速と強い相関関係があることから、下記の式(1)に示すように、吸入空気量Qa、バルブ開口面積A、スワール制御バルブ開度SCV、及び予め設定してある重み付け係数Kより演算することができる。

=Qa/A/SCV×K ・・・・・式(1)
ここで、式(1)の吸入空気量Qaは、下記の式(2)に示すように、エンジン回転数NEとブースト圧Pbを乗算することによって演算される。

Qa=NE×Pb ・・・・・式(2)

尚、吸入空気量Qaは式(2)のように演算されるものに限らず、例えば吸気マニホールド9を通過する空気量を検出するセンサの出力値を用いて演算しても良い。
式(1)のバルブ開口面積Aは、下記の式(3)に示すように、吸気可変バルブ機構13によって制御されている吸気バルブリフト量IVLに応じて予め設定されているマップを参照して更新される。吸気バルブリフト量IVLは、吸気バルブ11の開弁中にバルブ開口面積が最大となるリフト量の値であり、下記の式(4)のように、例えばエンジン回転数NEとブースト圧Pbで一意に決定する運転状態に応じて予め設定されているマップを参照して更新される。

=map(IVL) ・・・・・式(3)

IVL=map(NE,Pb) ・・・・・式(4)
但し、式(3)に於いて、バルブ開口面積Aは、吸気バルブ111の開弁中にバルブ開口面積が最大となるリフト量の値である吸気バルブリフト量IVLに応じたものとしているが、これに限ったものではなく、例えば吸気バルブ111の開弁中における吸気流速が最大となる近傍のタイミングのリフト量に応じたものとしても良い。又、式(4)の吸気バルブリフト量IVLの演算方法はこれに限ったものではなく、吸気バルブ111に取り付けて吸気バルブ111のリフト量を検出するセンサの出力値により演算することなどでも求めることができる。
又、式(1)のバルブ開口面積Aは、式(3)のようにマップを用いて演算されているが、これに限ったものではなく、吸気バルブリフト量IVLから幾何学的に求めるようにしても良い。
前述の式(1)のスワール制御バルブ開度SCVは、吸気流量調節補正手段29による補正がなされていない時点の開度であり、下記の式(5)のように、例えばエンジン回転数NEとブースト圧Pbで一意に決定する運転状態に応じて予め設定されているマップを参照して更新される。

SCV=map(NE,Pb) ・・・・・式(5)
このマップは、例えば、低回転及び低負荷領域に於いては、筒内2のスワール流動強化により燃料噴霧の拡散および蒸発を促進して燃焼の安定化を図るために、開度を減少するよう設定されているものである。尚、スワール制御バルブ開度SCVは、吸気マニホールド9の閉塞領域が拡大するほど値が小さくなるものである。尚、式(1)の重み付け係数Kは、空気密度と相関関係のある値である。このステップS105が、スワール強度演算手段25に相当する。
次に、ステップS106に於いて、スワール制御バルブ開度補正量SCVを演算する。スワール制御バルブ開度補正量SCVは、スワール制御バルブ18側の吸気バルブ11への付着を抑制するために、スワール強度Sと水温Tに応じてスワール制御バルブ18側の吸気バルブ11近傍までの流動を若干強化するが、筒内2のスワール流動30にほぼ影響を与えないような補正量となっており、下記の式(6)から式(9)のように演算される。

SCVhb=map(S)・・・・・式(6)

SCVTW=map(T)・・・・・式(7)

SCVhmx=map(S) ・・・・・式(8)

SCV=min(SCVhb×SCVTW,SCVhmx) ・・・・・式(9)
式(6)のスワール制御バルブ開度基本補正量SCVhbは、スワール強度Sに応じて予め記憶してあるマップを参照して演算される。図5は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける、スワール強度とスワール制御バルブ開度基本補正量の特性を示すマップであって、スワール強度Sに応じたスワール制御バルブ開度基本補正量SCVhbを演算するために予めメモリに記憶されている。図5に示すように、スワール強度Sが小さい値の場合には、スワール制御バルブ開度基本補正量SCVhbは小さい値であり、スワール強度Sが増加するとスワール制御バルブ開度基本補正量SCVhbは増加するが、スワール強度Sが更に増加して非常に大きな値となると、スワール制御
バルブ開度基本補正量SCVhbは減少する特性となっている。
スワール流動30の強さが変化することで、スワール制御バルブ18側の吸気バルブ11への燃料噴霧31の付着量が変化する現象は前述の図3の通りである。即ち、スワール流動30が弱い場合には、噴射された燃料噴霧31があまり流されず、スワール制御バルブ18側の吸気バルブ11への衝突および付着は少ない。そのため、スワール制御バルブ18側の吸気バルブ11に於ける流動を若干強化させれば、スワール制御バルブ18側の吸気バルブ11に噴霧が拡散しにくくなり、衝突及び付着する燃料噴霧31の量を抑制できる。
スワール流動30が強くなると、噴射された燃料噴霧31が流され、スワール制御バルブ18側の吸気バルブ11への衝突及び付着が増加する。そのため、スワール制御バルブ18側の吸気バルブ11への噴霧拡散、衝突、及び付着を抑制するには、スワール制御バルブ18側の吸気バルブ11に於ける流動をより強化する必要がある。更にスワール流動30が非常に強くなると、噴射された燃料噴霧31が筒内2の壁面方向に強く流されるようになり、スワール制御バルブ18側の吸気バルブ11への衝突及び付着が減少する。そのため、スワール制御バルブ18側の吸気バルブ11に於ける流動はそれほど強化する必要がない。これら図3の現象を反映させた特性が図5となっている。
図6は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける、水温と水温重み付け係数の特性を示すマップである。図5に示すスワール強度Sとスワール制御バルブ開度基本補正量SCVhbの特性は、ある基準水温に於ける特性であり、様々な水温条件に対応するには前述の式(7)の水温重み付け係数SCVTWが必要となる。水温重み付け係数SCVTWは、例えば図6に示すように水温Tに応じて予め記憶してあるマップを参照して演算される値であり、図5に示す特性が導かれた基準水温値を「1」とし、その基準水温値未満であれば「1」よりも大きい値、基準水温値より大きければ「1」よりも小さい値となるよう予め設定されている。
図7は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける、スワール強度とスワール制御バルブ開度補正量最大値の特性を示すマップである。式(8)のスワール制御バルブ開度補正量最大値SCVhmxは、この補正値以上、つまり、これ以上「開」側、にスワール制御バルブ開度補正を実施すると、筒内2に於けるスワール流動30を減衰させてしまうような開度補正量を表しており、例えば図7のようにスワール強度Sと比例関係にある特性を持ったマップが予め記憶してあり、マップを参照して演算される。
式(9)に於いて、スワール制御バルブ開度基本補正量SCVhbと水温重み付け係数SCVTWの乗算した値と、スワール制御バルブ開度補正量最大値SCVhmxの最小値によってスワール制御バルブ開度補正量SCVが演算される。スワール制御バルブ開度基本補正量SCVhbと水温重み付け係数SCVTWの乗算により、例えば低い水温の場合、付着量が少ない条件であっても吸気バルブ開弁期間中に付着した燃料が蒸発する量はほとんど見込まれないことから、スワール制御バルブ開度補正量SCVを大きな値にするよう補正される。
しかし、例えば水温が非常に低い場合、エンジン1の動作として燃焼状態の安定が非常に重要であり、燃焼状態の安定には筒内流動としてのスワール流動30を用いた燃料噴霧31の拡散及び蒸発の促進を施した良好な均質混合気形成手段が必要不可欠となる。従って、スワール流動30を維持させることを最優先とし、且つ可能な限りスワール制御バルブ18側の吸気バルブ11への燃料噴霧31の付着を抑制するよう、スワール制御バルブ開度基本補正量SCVhbと水温重み付け係数SCVTWの乗算した値と、スワール制御バルブ開度補正量最大値SCVhmxの最小値で最終的なスワール制御バルブ開度補正量SCVが演算される。
尚、スワール制御バルブ開度補正量SCVは式(6)から式(9)で演算されるものに限らず、例えば後述する図9に示すように、スワール制御バルブ開度基本補正量SCVhb、水温重み付け係数SCVTW、及びスワール制御バルブ開度補正量最大値SCVhmxを加味して、スワール強度Sと水温Tに応じたスワール制御バルブ開度補正量SCVの特性マップを予め設定しておき、下記の式(10)に示すようにそのマップを参照することで演算させてもよい。

SCV=map(S,T) ・・・・・式(10)
このステップS106が吸気流量調節補正量演算手段26、吸気流量調節水温補正手段27、及び吸気流量調節補正制限手段28に相当する。
次に、S107に於いて、下記の式(11)に示すようにスワール制御バルブ開度SCVにスワール制御バルブ開度補正量SCVの補正を施してスワール制御バルブ開度SCVを更新し、サブルーチンを終了する。

SCV←SCV+SCV ・・・・・式(11)

このスワール制御バルブ開度SCVとなるように、スワール制御バルブ18は制御される。このステップS107が吸気流量調節補正手段29に相当する。
この実施の形態1に於いて、吸気行程初期に燃料を噴射する均質燃焼モードをスワール制御バルブ開度補正の成立条件としているが、これに限らず、吸気バルブ11の開弁中に燃料噴霧31が筒内2に拡散しているようなタイミングで燃料を噴射する条件、例えば排気行程噴射モード中などを成立条件としてもよい。
又、この実施の形態1に於いて、筒内2のスワール流動30を形成するための機構としてスワール制御バルブ18を用いているが、これに限らず、例えば各吸気バルブのリフト量を独立して動作させてスワール強度を変更できるような機構や、ヘリカルポートを用いたスワール強度を変更できるような機構や、吸気路を変更してスワール強度を変更できるような機構などを用いてもよい。
以上説明したこの発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける、均質燃焼モード制御時及びスワール流動制御時に、スワール強度を演算し、スワール制御バルブ開度補正量を演算しスワール制御バルブ開度を補正する実行例を図8のタイミングチャートを用いて説明する。即ち、図8は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置に於ける、均質燃焼モード制御及びスワール流動が制御されたときのスワール制御バルブ開度の補正を行う挙動を示すタイミングチャート図であって、エンジン回転数および負荷が変化し、スワール制御バルブ開度が変更されて筒内のスワール流動を制御している場合を例として示しており、(a)は均質燃焼モード、(b)は水温、(c)はスワール制御バルブ開度SCV、(d)はスワール強度、(e)はスワール制御バルブ開度補正量SCV、(f)はスワール制御バルブ開度SCVを夫々示している。又、図8では、その説明を簡略化するために、時間経過と共に水温がステップ的に上昇した場合を示している。
図8に於いて、先ず初めに、タイミングA以前に於いては均質燃焼モードが成立しており、(b)に示すように水温Tが低く、水温しきい値THTW未満の運転条件であるが、(c)に示すようにスワール制御バルブ開度SCVが全開となっているため、スワール制御バルブ開度補正制御の条件が成立せず、(d)に示すスワール強度S、(e)に示すスワール制御バルブ開度補正量SCVは初期値の「0」となっており、スワール制御バルブ18は全開のまま制御されている。ここでは、(f)に示すように、スワール制御バルブ開度SCVが全開であることでスワール流動が形成されておらず、スワール制御バルブ開度補正制御を実施しなくてもスワール制御バルブ側の吸気バルブへ燃料が付着していない。
タイミングAからタイミングBの間では、(c)に示すように、補正前のスワール制御バルブ開度SCVが全開ではなくなり「極小」、「小」及び「中」となり、スワール制御バルブ開度補正制御の条件が成立する。この条件が成立すると、スワール強度Sが演算されるようになる。式(9)により補正前のスワール制御バルブ開度SCVが小さい程、スワール強度Sは大きな値(強いスワール流動)となり、(d)に示すスワール強度Sは、値(1)、(2)及び(3)となる。
スワール強度Sが一番強い値(1)では、燃料噴霧31が筒内2の壁面方向に流されてスワール制御バルブ18側の吸気バルブ11に付着する量が少ない状態、値(2)では、スワール流動30でスワール制御バルブ18側の吸気バルブ11の付着が一番多くなる状態、値(3)では、スワール流動30が弱くスワール制御バルブ18側の吸気バルブ11の付着が少ない状態である。演算されたスワール強度Sの値(1)、(2)、及び(3)に応じて、前述の式(6)から式(9)を用いて(e)に示すスワール制御バルブ開度補正量SCVの値(4)、(5)、及び(6)が演算される。
ここで、演算されるスワール制御バルブ開度補正量SCVに関して、スワール強度Sとの関係を図示した図9により説明する。図9は、この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置における、スワール制御バルブ開度補正量を示す説明図であって、この実施の形態1に於いて演算に使用されているものではなく、式(9)により演算されるスワール制御バルブ開度補正量SCVが所定水温条件下でスワール強度S全域においてどのような値となるのかをイメージした図である。図9に示す値(1)乃至(9)は、図8に示す値(1)乃至(9)に夫々対応している。
図8に示す前述のタイミングAからタイミングBの間では水温が非常に低いため、図9の(a)に示すように、スワール制御バルブ開度補正量SCVの特性は、燃焼安定性を重視してスワール流動の減衰を防止するために設けられたスワール制御バルブ開度補正量最大値SCVhmxとほぼ等しくなる。従って、スワール強度S(2)及び(3)に応じたスワール制御バルブ開度補正量SCV(5)及び(6)は、スワール制御バルブ開度補正量最大値SCVhmxで制限された補正量となる。
図8に於いて、演算されたスワール制御バルブ開度補正量SCV(4)、(5)、及び(6)をスワール制御バルブ開度SCVに補正し、(f)に示すスワール制御バルブ開度SCVの斜線領域分の開度が増加されてスワール制御バルブ18が制御される。これにより、筒内2のスワール流動30の減衰を防止しつつ、スワール制御バルブ18側の吸気バルブ11への燃料噴霧31の付着を最大限に抑制することができる。
図8に於けるタイミングBからタイミングCの間では、タイミングAからタイミングBの間と同様に、補正前のスワール制御バルブ開度SCVが「極小」、「小」および「中」となっているため、スワール強度Sは(1)、(2)及び(3)の値となる。しかし、タイミングBからタイミングCの間では、タイミングAからタイミングBの間よりも水温が上昇しているため、タイミングAからタイミングBの間のスワール制御バルブ開度補正量SCV(4)、(5)、及び(6)よりも小さいスワール制御バルブ開度補正量SCV(7)、(8)、及び(9)が演算される。
タイミングBからタイミングCの間の水温が高い条件では、スワール制御バルブ18側の吸気バルブ11に燃料噴霧31が付着しても吸気バルブ開弁期間中に蒸発する量が多いため、図9の(b)のようにスワール制御バルブ開度補正量SCVの特性は、全体的に小さくなる。従って、スワール強度S(1)、(2)、及び(3)に応じたスワール制御バルブ開度補正量SCV(7)、(8)、及び(9)は、スワール制御バルブ開度補正量SCV(4)、(5)、及び(6)よりも小さな補正量となる。
図8に於いて、演算されたスワール制御バルブ開度補正量SCV(7)、(8)、及び(9)をスワール制御バルブ開度SCVに補正し、斜線領域分の開度が増加されてスワール制御バルブが制御される。これにより、最小限のスワール制御バルブ開度補正量でスワール制御バルブ側の吸気バルブの付着を抑制できる。
タイミングC以降では、(b)に示す水温が水温しきい値THTW以上となっており、スワール制御バルブ18側の吸気バルブ11に燃料噴霧31が付着しても吸気バルブ開弁期間中に全て蒸発することから、スワール制御バルブ開度補正制御の条件が成立せず、スワール制御バルブ18は補正前の開度で制御される。
この発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置によれば、均質燃焼モード制御時、スワール流動制御時、所定水温以下の条件に於いて、スワール制御バルブが設置されていない方の吸気バルブを通過する流速をスワール強度として演算し、スワール強度に応じてスワール制御バルブ側の吸気バルブに燃料が付着する現象に基づいたスワール制御バルブ開度補正量の特性よりスワール制御バルブ開度補正量を求め、スワール制御バルブ開度を補正し、筒内のスワール流動への影響を最小限としスワール制御バルブ側の吸気バルブの付着を抑制することで、筒内に良好な均質混合気を形成し、排ガス、燃費、およびドラビリを向上することができる。
又、水温に応じてスワール制御バルブ側の吸気バルブへの燃料噴霧の付着の蒸発具合を加味してスワール制御バルブ開度補正量を増減させることで、最小限のスワール制御バルブ開度補正でスワール制御バルブ側の吸気バルブ付着抑制の効果を最大限にすることができる。
又、低水温条件等、スワール制御バルブ開度補正量が非常に大きくなるような条件では、燃焼安定性を重視してスワール流動減衰を防止するために設けられたスワール制御バルブ開度補正量最大値をスワール強度に応じて求め、スワール制御バルブ開度補正量最大値以下でスワール制御バルブ開度補正を実施することで、筒内のスワール流動の減衰を防止しつつ、スワール制御バルブ側の吸気バルブ付着抑制の効果を最大限にすることができる。
尚、この発明は、その発明の範囲内に於いて、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
1 エンジン、2 筒内、3 ピストン、4 キャビティ、5 燃焼室、6 クランク軸、7 クランク角センサ、8 水温センサ、9 吸気マニホールド、10 排気マニホールド、11、111 吸気バルブ、12 排気バルブ、
13 吸気可変バルブ機構、14 排気可変バルブ機構、15 燃料噴射弁、16 点火プラグ、17 点火コイル、18 スワール制御バルブ、19 サージタンク、20 スロットルバルブ、21 ブースト圧センサ、22 触媒装置、23 テールパイプ、24 ECU、25 スワール強度演算手段、
26 吸気流量調節補正量演算手段、27 吸気流量調節水温補正手段、
28吸気流量調節補正制限手段、29 吸気流量調節補正手段、30 スワール流動、31 燃料噴霧。

Claims (2)

  1. 内燃機関の筒内に、直接、燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記筒内に接続された複数の吸気ポートのうちの少なくとも一つの吸気ポートに設けられ、前記筒内に流入する吸気流量を調節することにより前記複数の吸気ポートのうちの少なくとも一部の吸気ポートとの間で吸気流量に差を形成して前記筒内にスワール流動を形成させ得る吸気流量調節手段と、
    前記筒内に形成された前記スワール流動の強度を演算するスワール強度演算手段と、
    前記吸気流量調節手段により調節される前記吸気流量を補正する吸気流量調節補正量を演算する吸気流量調節補正量演算手段と、
    前記演算された吸気流量調節補正量に基づいて、前記吸気流量調節手段により調節される前記吸気流量を補正する吸気流量調節補正手段と、
    前記吸気流量調節補正量演算手段により演算される前記吸気流量調節補正量を制限する吸気流量調節補正制限手段と、
    を備え、
    前記吸気流量調節補正量演算手段は、前記内燃機関の冷却水温が所定の値以下の冷機状態にあり、且つ前記吸気流量調節手段が動作しているときであって、前記複数の吸気ポートのうちの少なくとも一つの吸気ポートから前記筒内に吸気される前のタイミングと前記吸気の途中のタイミングとのうちの少なくとも一方のタイミングで前記燃料噴射弁から前記燃料が噴射される場合に、前記吸気流量調節補正量を演算するように構成され、
    前記吸気流量調節補正量演算手段により演算される前記吸気流量調節補正量は、前記演算された前記スワール流動の強度に応じた値であって、前記スワール流動を維持しつつ前記スワール流動の強度を減少させて前記吸気流量調節手段が設けられた吸気ポートの吸気バルブへの前記燃料の付着を抑制する値であり、
    前記吸気流量調節補正制限手段は、前記筒内のスワール流動を減衰させないように前記吸気流量調節補正量の制限を行なう、
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記筒内に於ける前記内燃機関の冷却水温が低いほど前記吸気流量調節補正量演算手段による前記吸気流量調節補正量が大きくなるように、前記吸気流量調節補正量を補正する吸気流量調節水温補正手段を備えた、
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
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