JP5696503B2 - 車両用走行制御装置及び車両用走行制御方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、アクセルペダルの操作量に基づき判定を行っているため、車速制限制御時において、例えば、上限速度で定速走行中などの走行抵抗R/Lが軽負荷となる状況であっても、アクセル開度がエンジン停止判定時の値以下とならずに、エンジンが停止されない状態が継続されてしまう場合がある。
本発明は、上記のような点に着目したもので、車速制限制御時において、ハイブリッド車両のエンジン運転状態を、より適切に制御することを目的としている。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づき説明する。図1〜図16は、本発明に係る車両用走行制御装置及び車両用走行制御方法の第1実施形態を示す図である。
(駆動系の構成)
まず、ハイブリッド車両の駆動系(パワートレーン)の構成について説明する。
図1は本発明に係るハイブリッド車両の概要構成図である。図1に示すハイブリッド車両は後輪駆動の例であるが、前輪駆動であっても本発明は適用可能である。
本実施形態のパワートレーンは、図1に示すように、エンジン1と、モータジェネレータ2と、自動変速機(オートマチックトランスミッション(AT))3と、第1クラッチ4と、第2クラッチ5と、ディファレンシャルギア6と、左後輪(駆動輪)7Lと、右後輪(駆動輪)7Rと、を備える。
かかるパワートレーンは、エンジン1から左右駆動輪7L,7Rまでのトルク伝達経路の途中に、モータジェネレータ2及び自動変速機3を介装した構成となっている。更に、エンジン1とモータジェネレータ2との間に、第1クラッチ4を介装した構成となっている。また、モータジェネレータ2と左右駆動輪7L,7Rとの間のトルク伝達経路に第2クラッチ5を介装した構成となっている。この例では、第2クラッチ5は、自動変速機3の一部を構成する。自動変速機3は、プロペラシャフト、ディファレンシャルギア6、及びドライブシャフトを介して左右駆動輪7L,7Rに接続されている。
モータジェネレータ2は、例えばロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルを巻き付けた同期型モータである。モータジェネレータ2は、後述するモータコントローラ23からの制御指令に基づき、後述のインバータ8で作り出した三相交流を印加することで制御できる。このモータジェネレータ2は、後述のバッテリ9からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできる(この状態を「力行」と呼ぶ)。また、モータジェネレータ2は、ロータが外力により回転している場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能してバッテリ9を充電することもできる(この動作状態を「回生」と呼ぶ)。このモータジェネレータ2のロータは、図外のダンパーを介して自動変速機3の入力軸に連結している。
ここで、本実施形態では、第2クラッチ5を自動変速機3の一部として構成する場合を例示しているが、これに限定されない。第2クラッチ5は、モータジェネレータ2と自動変速機3との間、若しくは自動変速機3とディファレンシャルギア6との間に配置する構成であっても良い。
MG回転センサ11は、レゾルバ等から構成されモータジェネレータ2のモータ回転数を検出するセンサである。
AT入力回転センサ12は、自動変速機3の入力軸の回転数を検出するセンサである。
AT出力回転センサ13は、自動変速機3の出力軸の回転数を検出するセンサである。
機械式オイルポンプ15は、第2クラッチ5のための油圧を発生するポンプである。
第1クラッチ油圧ユニットは、例えば、印加電流に応じてバルブ(プランジャ)のストローク位置を変化させ、バルブ部の開口面積等を変えてオイルの流量を制御する比例制御型のアクチュエータである。第1クラッチ油圧ユニットは、後述するATコントローラ24からの指令信号(制御電流)に応じてストローク制御され、第1クラッチ4に供給する油圧を制御する。
また、パワートレーンは、第1クラッチ4に供給される油圧を検出する第1クラッチ油圧センサを有する。第1クラッチ油圧センサは、検出した油圧情報を、ATコントローラ24に出力する。
また、パワートレーンは、第2クラッチ5に供給される油圧を検出する第2クラッチ油圧センサを有する。第2クラッチ油圧センサは、検出した油圧情報を、ATコントローラ24に出力する。
次に、ハイブリッド車両の制御系の構成について説明する。
図2は、ハイブリッド車両の制御系を説明する構成図である。
ハイブリッド車両の制御系は、図2に示すように、インバータ8と、バッテリ9と、電圧センサ18と、電流センサ19と、APOセンサ(アクセルセンサ)20と、車輪速センサ27L,27Rと、ブレーキスイッチ(SW)29と、アクセルペダル33と、ペダルアクチュエータ34と、メータ35と、を備える。
インバータ8は、高電圧インバータであって、バッテリ9からの直流電流を交流電流に変換し、モータジェネレータ2の駆動電流を生成する。更に、インバータ8は、モータジェネレータ2からの交流電流を直流電流に変換し、バッテリ9の充電電流を生成する。
バッテリ9は、モータジェネレータ2にインバータ8を介して電力を供給し、また、モータジェネレータ2からの回生エネルギーを、インバータ8を介して蓄積する高電圧バッテリである。
電流センサ19は、バッテリ9の電流を検出するセンサである。電流センサ19は、検出した電流情報をバッテリコントローラ26に出力する。
アクセルセンサ20は、アクセルペダル33のアクセル開度APOを検出するセンサである。アクセルセンサ20は、検出したアクセル開度APO情報を統合コントローラ21に出力する。
車輪速センサ27Rは、車輪の回転速度に応じた周波数あるいは回転周期を示すパルス信号を発生するセンサであって、右駆動輪7Rの回転速度を検出する。車輪速センサ27Rは、検出した右駆動輪7Rの車輪速情報をブレーキコントローラ25に出力する。
なお、車輪速センサ27L,27Rは、図1に示すように、左右駆動輪(後輪)7L,7Rの車輪速を検出するようにそれぞれ設けたが、不図示の左右従動輪(前輪)にも設けてもよい。
ブレーキスイッチ29は、ブレーキペダル(不図示)の操作を検出するスイッチである。
ペダルアクチュエータ34は、車間制御コントローラ31からの指令に応じたペダル反力をアクセルペダル33に付与するアクチュエータである。
メータ35は、運転者に走行状態を提示するためのメータである。メータ35は、車速制限制御の情報、オートクルーズの情報などを表示する。
統合コントローラ21と、エンジンコントローラ22と、モータコントローラ23と、ATコントローラ24と、ブレーキコントローラ25とは、互いに情報交換が可能なCAN通信線(不図示)を介して接続している。
統合コントローラ21は、車両全体の消費エネルギーを管理し、最高効率を目標値として車両を走らせるための機能を担うものである。
モータコントローラ23は、モータジェネレータ2のロータ回転位置を検出するMG回転センサ11からの情報を入力する。そして、モータコントローラ23は、統合コントローラ21からの目標モータトルクや回転数指令等に応じ、モータジェネレータ2のモータ動作点(Nm、Tm)を制御する指令をインバータ8へ出力する。
ハイブリッド車両の制御系は、更に、ステアリングスイッチ(SW)28と、クルーズキャンセルスイッチ(SW)30と、車間制御コントローラ31と、レーダユニット32と、を備える。
ステアリングスイッチ28は、自動走行制御によるオートクルーズ走行の起動、走行条件(目標車速)の変更指示、車速制限制御であるASL制御の起動、車速制限時の上限速度であるリミッタ車速の変更指示等を運転者が行う操作子である。
また、本実施形態では、ステアリングスイッチ28内のメインスイッチの操作によりASL制御を作動し、メインスイッチ又はキャンセルスイッチによりASL制御の作動を解除することができる。また、本実施形態では、ステアリングスイッチ28内のタップアップスイッチ(+1km/h)、タップダウンスイッチ(−1km/h)、アクセラレータスイッチ(+10km/h)、コーストスイッチ(−10km/h)によって、リミッタ車速の増速及び減速を行うことができる。
車間制御コントローラ31は、運転者のステアリングスイッチ28の操作による入力情報、クルーズ制御作動許可状態、その他の必要情報を、統合コントローラ21から入力する。そして、車間制御コントローラ31は、統合コントローラ21からの情報に基づき、先行車に対する車間制御を実施するか否かの判定を行う。そして、車間制御コントローラ31は、車間制御を実施すると判定すると、自車速、レーダユニット32の検出に基づく先行車両の情報(車間距離や相対速度など)等に基づき、先行車に対して目標車間距離や目標車間時間とするための目標加速度及び目標減速度を演算する。更に、車間制御コントローラ31は、求めた目標加速度を車間クルーズ要求トルク(ACC要求トルク)として統合コントローラ21に出力する。また、車間制御コントローラ31は、求めた目標減速度を制動要求トルクとしてブレーキコントローラ25に出力する。
次に、本実施形態のハイブリッド車両における基本動作モードについて説明する。
車両停止中において、バッテリSOCの低下時であれば、エンジン1を始動して発電を行い、バッテリ9を充電する。そして、バッテリSOCが通常範囲になれば、第1クラッチ4は締結で第2クラッチ5は開放のままでエンジン1を停止する。
エンジン1による発進時には、アクセル開度APOとバッテリSOC状態によって、モータジェネレータ2を連れ回し、力行/発電に切り替える。
エンジン走行やモータ走行中における変速時には、加減速中の変速に伴う回転数合わせのために、モータジェネレータ2を回生/力行させ、トルクコンバータ無しでのスムーズな変速を行う。
図3は、本実施形態の統合コントローラ21の制御における基本的な指令値の基本的な流れを示す概要構成図を例示したものである。また、図4は本実施形態の統合コントローラ21の制御を機能的に説明する機能ブロック図である。
統合コントローラ21は、図4に示すように、要求発電トルクベース演算部21Aと、要求エンジン発電トルク演算部21Bと、モータ出力可能トルク演算部21Cと、目標駆動トルク演算部21Dと、車両状態モード決定部21Eと、を備える。
統合コントローラ21は、更に、エンジン始動制御部21Fと、エンジン停止制御部21Gと、目標エンジントルク算出部21Hと、目標モータトルク算出部21Jと、目標クラッチトルク算出部21Kと、擬似アクセル開度演算部21Lと、を備える。
要求エンジン発電トルク演算部21Bは、MG回転センサ11、又はAT入力回転センサ12からの入力軸回転数等の車両状態や要求発電トルクベース演算部21Aが演算した要求発電トルクベース等に基づき、エンジン1で発生すべき要求エンジン発電トルクを演算する。
本実施形態の目標駆動トルク演算部21Dは、図5に示すように、ドライバ要求トルク演算部21Daと、自動制御要求トルク演算部21Dbと、第1目標駆動トルク演算部21Dcと、車速リミッタトルク演算部21Ddと、最終目標駆動トルク演算部21Deと、を備える。
車速リミッタトルク演算部21Ddは、運転者によってステアリングスイッチ28内のメインスイッチが操作されることに応じて、ASL制御を作動する。ASL制御が作動されると、ステアリングスイッチ28によって設定されるリミッタ車速に対する許可判定等を実行する。そして、設定されたリミッタ車速及び現在の車速に基づき車速F/B(フィードバック)制御を実行して、車速を設定したリミッタ車速以下とするための車速リミッタトルクを演算する。車速リミッタトルク演算部21Ddは、演算した車速リミッタトルクを最終目標駆動トルク演算部21Deに出力する。
擬似アクセル開度演算部21Lは、目標駆動トルクと変速機入力回転数とから逆算して対応する擬似アクセル開度(VAPO)を演算する。擬似アクセル開度演算部21Lは、演算した擬似アクセル開度VAPOを変速用アクセル開度としてATコントローラ24に出力する。ASL制御の作動中における擬似アクセル開度VAPOは、ASL制御によって車速が上限速度を超えないように駆動トルクを制御するようなアクセル開度を演算によって求めた値になる。
・アクセル開度APOが予め設定したエンジン停止開度以下
・ASL制御の作動時に、擬似アクセル開度VAPOが予め設定したエンジン停止開度以下
・自動制御要求トルク(目標駆動トルク)が予め設定したエンジン停止トルク以下
そして、エンジン始動要求フラグがOFFに設定された場合には、EVモードで無ければ、エンジン停止制御部21Gを作動する処理を実行する。
エンジン始動制御部21Fは、エンジン始動要求フラグがONに設定された場合に作動して、モータ走行中にエンジン1を始動する処理を実施してHEVモードへの移行処理を行う。
具体的に、エンジン停止制御部21Gは、エンジン停止指令(エンジン始動要求フラグがOFF)を取得すると起動して、まず、ATコントローラ24に対して、第1クラッチ4を滑り締結する予め設定したトルク指令を出力する。同期をとって、モータコントローラ23に、モータジェネレータ2を回転数制御する指令を出力する。これによって、第1クラッチ4によるエンジン1からのトルクを減少しつつ、モータトルクを増大して、目標駆動トルクを得る。目標モータトルクが目標駆動トルクとなったら、第1クラッチ4を目標クラッチ伝達トルク=0にするための目標第1クラッチトルク指令を、ATコントローラ24に出力する。その後、エンジンコントローラ22に対して目標エンジントルクとしてゼロを出力する。これによって、エンジンは燃料カット(F/C)され、エンジンは空回りしている状態となる。
次に、図3に基づき、ASL制御を実施時の各種指令信号の流れについて説明する。
図3に示すように、車速リミッタトルク演算部21Ddは、運転者のステアリングスイッチ28の操作入力に応じて入力処理を実行する。具体的に、車速リミッタトルク演算部21Ddは、ステアリングスイッチ28内のメインスイッチの操作に応じてASL制御を起動する。ASL制御が起動すると、車速リミッタトルク演算部21Ddは、引き続き運転者のステアリングスイッチ28の操作に応じて入力されるリミッタ車速と、メータ35に表示されている速度の情報とに基づき、入力されたリミッタ車速に対して許可判定処理を実行する。そして、入力されたリミッタ車速が許可されると、このリミッタ車速を正式なリミッタ車速として設定し、該リミッタ車速と自車速とに基づき車速F/B制御を実行して、自車速がリミッタ車速以下となるように駆動源に要求する車速リミッタトルクを演算する。車速リミッタトルク演算部21Ddは、この車速リミッタトルクを最終目標駆動トルク演算部21Deに出力する。
最終目標駆動トルク演算部21Deは、車速リミッタトルクと、第1目標駆動トルクとのセレクトローを実施して、車速リミッタトルク及び第1目標駆動トルクのうち小さい方のトルクを目標駆動トルクとして決定する。
次に、図7及び図8に基づき、統合コントローラ21において行われる各指令値の算出処理の処理手順を説明する。
ここで、図7は、走行制御における各指令値の算出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。また、図8は、ベーストルクMapの一例を示す図である。
但し、図7の例では、オートクルーズ走行制御を実施していない場合の処理手順となる。また、各指令値の算出処理は、所定周期で繰り返し実行される処理である。
統合コントローラ21において、プログラムが実行され、各指令値の算出処理が実行されると、図7に示すように、まず、ステップS100に移行する。
ステップS102では、目標駆動トルク演算部21Dのドライバ要求トルク演算部21Daにおいて、ドライバ要求トルクを算出して、ステップS104に移行する。
具体的に、アクセルセンサ20からのアクセル開度APOと、MG回転センサ11又はAT入力回転センサ12からの入力軸回転数とに基づき、図8に例示したベーストルクMapから該当する駆動トルクを、ドライバ要求トルクのベースとなるトルク(基本ドライバ要求トルク)として選択する。図8において、横軸が入力軸回転数、縦軸が駆動トルク、斜め軸がアクセル開度である。つまり、図8に示すように、現在のアクセル開度APOと、現在の入力軸回転数とからこれらに該当する駆動トルクを基本ドライバ要求トルクとして選択する。
ステップS106に移行した場合は、車速リミッタトルク演算部21Ddにおいて、車速リミッタトルクの算出処理を実行し、算出した車速リミッタトルクを最終目標駆動トルク演算部21Deに出力して、ステップS108に移行する。
ステップS110では、擬似アクセル開度演算部21Lにおいて、擬似アクセル開度VAPOの算出処理を実行し、算出した擬似アクセル開度VAPOを、車両状態モード決定部21E及びATコントローラ24にそれぞれ出力して、ステップS114に移行する。
ステップS114では、最終目標駆動トルク演算部21Deにおいて、目標駆動トルクを補正して、補正後の目標駆動トルクを、車両状態モード決定部21E、目標エンジントルク算出部21H、目標モータトルク算出部21J及び擬似アクセル開度演算部21Lにそれぞれ出力して、ステップS116に移行する。
具体的に、目標発電電力と入力軸回転数とからトルク換算して要求発電トルクベースを算出する。
ステップS120では、目標モータトルク算出部21Jにおいて、車両状態モードと、MG回転センサ11又はAT入力回転センサ12からの入力軸回転数と、AT出力回転センサ13からの出力軸回転数とに基づき、目標モータ回転数を算出して、ステップS122に移行する。
一方、エンジン1が運転状態ではないと判定した場合は、コーストF/C条件を満足していると判定して、エンジンコントローラ22に対して、コーストF/C指令を出力して、ステップS126に移行する。
具体的に、目標エンジントルク算出部21Hは、ステップS114で算出した目標駆動トルクに、ステップS122で算出した要求エンジン発電トルクを加算して、エンジントルクを算出し、このエンジントルクを補正して、目標エンジントルクを生成する。なお、車両状態モードがエンジン運転状態ではない場合は、目標エンジントルクが「0」又はマイナス値となる。この場合は、コーストF/C指令がエンジンコントローラ22に出力される。
ステップS130では、目標モータトルク算出部21Jにおいて、ステップS114で算出した目標駆動トルクに対して第1クラッチ4の状態を反映して、有効CL1トルクを算出し、ステップS132に移行する。
ステップS134では、目標クラッチトルク算出部21Kにおいて、目標駆動トルクから算出してなる目標入力トルクに基づき、第2クラッチ5の目標クラッチトルクである目標CL2トルクを算出して、ステップS136に移行する。
ステップS138では、統合コントローラ21において、CAN通信線を介して、擬似アクセル開度、目標エンジントルク、目標モータトルク、目標CL1トルク、目標CL2トルクなどの各算出した指令値を各対応するコントローラに送信して、一連の処理を終了する。
次に、図9に基づき、運転者のステアリングスイッチ28の操作に応じた、車速リミッタトルク演算部21Ddにおけるリミッタ車速及びASL作動フラグの設定処理の処理手順について説明する。
ここで、図9は、リミッタ車速及びASL作動フラグの設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
統合コントローラ21において、プログラムが実行され、リミッタ車速及びASL作動フラグの設定処理が実行されると、図9に示すように、まず、ステップS200に移行する。
ステップS202に移行した場合は、車速リミッタトルク演算部21Ddにおいて、ASL制御を開始すると共に、ASL作動フラグをONに設定して、ステップS204に移行する。
ステップS206に移行した場合は、車速リミッタトルク演算部21Ddにおいて、操作入力された速度情報に応じて、許可判定処理を実行し、判定結果に基づきリミッタ車速の増速又は減速処理等を実行して、ステップS208に移行する。
ステップS208では、車速リミッタトルク演算部21Ddにおいて、ステップS206の判定結果及び操作入力に応じた車速をリミッタ車速として確定し、確定したリミッタ車速をASL制御に用いる車速として設定して、ステップS204に移行する。
ステップS212に移行した場合は、車速リミッタトルク演算部21Ddにおいて、ASL制御が作動中の場合は、ASL制御を終了すると共に、ASL作動フラグをOFFに設定して、ステップS200に移行する。
次に、図10に基づき、上記ステップS106における車速リミッタトルクの算出処理の処理手順を説明する。
ここで、図10は、車速リミッタトルクの算出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS106において、車速リミッタトルクの算出処理が実行されると、図10に示すように、まず、ステップS300に移行する。
ステップS300では、車速リミッタトルク演算部21Ddにおいて、設定したリミッタ車速VLと自車速Vとを取得して、ステップS302に移行する。
ステップS304では、ステップS302で算出した車速偏差ΔVに基づき、リミッタ車速を目標車速とした車速F/B制御を実行して、自車速Vがリミッタ車速VLを超えないような車速リミッタトルクTLを算出して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
次に、図11及び図12に基づき、上記ステップS110における擬似アクセル開度の算出処理の処理手順について説明する。
ここで、図11は、擬似アクセル開度の算出処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。また、図12は、擬似アクセル開度Mapの一例を示す図である。
ステップS110において、擬似アクセル開度算出処理が実行されると、図11に示すように、まず、ステップS400に移行する。
ステップS402に移行した場合は、擬似アクセル開度演算部21Lにおいて、最終目標駆動トルク演算部21Deからの目標駆動トルクTrと、MG回転センサ11又はAT入力回転センサ12からの入力軸回転数Riとを取得して、ステップS404に移行する。
具体的に、擬似アクセル開度VAPOの算出処理は、図12に示すように、擬似アクセル開度Map上における、取得した目標駆動トルクTrと入力軸回転数Riとの交点に対応するアクセル開度を選択する処理となる。なお、図12において、横軸が入力軸回転数、縦軸が駆動トルク、斜め軸が擬似アクセル開度VAPOとなる。
一方、ステップS400において、ASL制御が作動していないと判定され、ステップS406に移行した場合は、擬似アクセル開度VAPOとして、アクセルセンサ20によって検出されたアクセル開度APO(以下、アクセルペダル開度APOと称す)を設定して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
次に、図13に基づき、ステップS116の車両状態モードの生成処理において実行される、アクセルエンジン始動要求フラグの設定処理の処理手順について説明する。
ここで、図13は、アクセルエンジン始動要求フラグの設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS116において、アクセルエンジン始動要求フラグの設定処理が実行されると、図13に示すように、まず、ステップS500に移行する。
ステップS502に移行した場合は、車両状態モード決定部21Eにおいて、アクセルペダル開度APOが擬似アクセル開度VAPOよりも大きいか否かを判定する。そして、大きいと判定した場合(Yes)は、ステップS504に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS506に移行する。
また、ステップS506に移行した場合は、車両状態モード決定部21Eにおいて、判定用アクセル開度をアクセルペダル開度APOに設定して、ステップS510に移行する。
一方、ステップS500において、ASL制御が作動していないと判定され、ステップS508に移行した場合は、車両状態モード決定部21Eにおいて、判定用アクセル開度をアクセルペダル開度APOに設定して、ステップS510に移行する。
ここで、アクセル開度に対応するエンジン始動判定値は、判定用アクセル開度と比較される値であって、エンジンの始動判定に用いられる値である。
ステップS512では、車両状態モード決定部21Eにおいて、判定用アクセル開度に対応するエンジン停止判定値を算出して、ステップS514に移行する。
ステップS514では、車両状態モード決定部21Eにおいて、判定用アクセル開度がエンジン始動判定値以下であるか否かを判定する。そして、エンジン始動判定値以下であると判定した場合(Yes)は、ステップS516に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS518に移行する。
ここで、アクセルエンジン始動要求フラグとは、アクセル開度に基づくエンジンの始動・停止判定において、ON(例えば、判定値では「1」)に設定された場合にエンジンを始動する判定結果を示し、OFF(例えば、判定値では「0」)に設定された場合にエンジンを停止する判定結果を示すフラグである。
ステップS520に移行した場合は、車両状態モード決定部21Eにおいて、アクセルエンジン始動要求フラグをOFFに設定して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
一方、ステップS522に移行した場合は、車両状態モード決定部21Eにおいて、アクセルエンジン始動要求フラグを前回値に保持して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
次に、図14に基づき、ステップS116において実行される車両状態モード生成処理の具体的な処理手順について説明する。
ここで、図14は、車両状態モード生成処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS116において、車両状態モード生成処理が開始されると、図14に示すように、まず、ステップS600に移行する。
ステップS600では、車両状態モード決定部21Eにおいて、各種エンジン始動要求フラグの設定処理を実行して、各種フラグを設定し、ステップS602に移行する。
ここで、クルーズエンジン始動要求フラグの設定処理は、オートクルーズ走行制御時における目標駆動トルクである、クルーズ要求トルクや、ACC要求トルクなどに基づき設定されるエンジンの始動・停止を判定するためのフラグである。具体的に、アクセルエンジン始動要求フラグと同様に、各トルクとエンジン始動判定値及びエンジン停止判定値との比較処理等を行う。そして、始動条件を満たしている場合に、クルーズエンジン始動要求フラグをONに設定し、停止条件を満たしている場合に、クルーズエンジン始動要求フラグをOFFに設定する。
即ち、条件[1]である、下記(1)〜(4)のいずれか1が成立したか否かを判定する。(1)アクセルエンジン始動要求フラグ=ON
(2)システムエンジン始動要求フラグ=ON
(3)クルーズエンジン始動要求フラグ=ON
そして、上記条件[1]の(1)〜(3)のいずれか1が成立している場合は、ステップS604に移行する。一方、条件[1]の(1)〜(3)のいずれも成立していない場合は、ステップS606に移行する。
ここで、エンジン始動要求フラグは、最終的にエンジンの始動・停止の判定を行うためのフラグであり、ONに設定された場合にエンジンを始動する判定結果を示し、OFFに設定された場合にエンジンを停止する判定結果を示す。
ステップS608では、車両状態モード決定部21Eにおいて、現在の車両状態や、エンジン始動要求フラグ等に基づき、車両状態モードを生成して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
次に、図15及び図16に基づき、本実施形態の動作を説明する。
ここで、図15は、従来のASL制御の作動中におけるリミッタ車速、車速、車速リミッタトルク、ドライバ要求トルク、アクセルペダル開度、擬似アクセル開度、アクセルエンジン始動要求フラグ、エンジン回転数の各特性を示すタイムチャートである。また、図16は、本発明のASL制御の作動中におけるリミッタ車速、車速、車速リミッタトルク、ドライバ要求トルク、アクセルペダル開度、擬似アクセル開度、アクセルエンジン始動要求フラグ、エンジン回転数の各特性を示すタイムチャートである。
これに対して、本実施形態に係るアクセルエンジン始動要求フラグの設定処理では、上記従来の問題点を解決するために、以下のように処理が行われる。
一方、アクセルペダル開度APOが上昇していくと、図16中(1)の実線部に示すように、車速が上昇するため、図16中(4)の点線部に示すように、車速の上昇途中において車速リミッタトルクが低下を開始する。
一方、アクセルペダル開度APOは、図16中(5)の点線部に示すように、エンジン始動判定値よりも大きな値のまま推移する。
本実施形態では、上述したように、擬似アクセル開度VAPOがアクセルペダル開度APOよりも小さくなる期間は、判定用アクセル開度として、擬似アクセル開度VAPOを用いる。従って、擬似アクセル開度VAPOが、エンジン停止判定値以下となると、図16中(8)に示すように、アクセルエンジン始動要求フラグをONの状態からOFFの状態へと設定変更する(ステップS520)。これにより、擬似アクセル開度VAPOがエンジン始動判定値よりも小さい状態で一定となる状況、即ち走行抵抗R/Lがエンジン1を停止可能な軽負荷となる状況において、エンジン1を停止することができる。
また、擬似アクセル開度演算部21Lは、「擬似アクセル開度算出手段」に対応し、車両状態モード決定部21Eは、「エンジン始動停止判定手段」に対応し、エンジン始動制御部21F及びエンジン停止制御部21Gは、「エンジン駆動制御手段」に対応する。
また、リミッタ車速は、「上限速度」に対応し、車速リミッタトルクは、「車速制限トルク」に対応し、ASL制御は、「車速制限制御」に対応する。
(1)上限速度設定手段が、ハイブリッド車両の上限速度を設定する。車速制限手段が、ハイブリッド車両の走行速度を、設定した上限速度以下に制限する車速制限制御を行う。車速制限トルク算出手段が、車速制限制御を実施しているときに、上限速度とハイブリッド車両の走行速度とに基づき、車速制限時に駆動源に要求する駆動トルクである車速制限トルクを算出する。擬似アクセル開度算出手段が、車速制限トルクに基づき、該車速制限トルクに対応するアクセル開度である擬似アクセル開度を算出する。エンジン始動停止判定手段が、運転者のアクセルペダルの操作に応じて検出されるアクセル開度であるアクセルペダル開度に基づきエンジンを始動するか又は停止するかのいずれかを判定する。エンジン始動停止制御手段が、エンジン始動停止判定手段の判定結果に基づきエンジンの始動及び停止を制御する。そして、エンジン始動停止判定手段が、車速制限制御を実施しているときに、擬似アクセル開度に基づきエンジンを始動するか又は停止するかのいずれかを判定する。
例えば、設定した上限速度に対してアクセルペダルが深めに踏み込まれた場合のアクセルペダル開度に対して、車速制限トルクによって、走行速度が上限速度に制限されているとする。このときに、擬似アクセル開度は、設定された上限速度での定速走行中において比較的低い開度で一定となる。そして、走行抵抗R/Lが軽負荷となり、エンジンを停止可能な状態となったとする。
このような状況において、擬似アクセル開度に基づきエンジンを始動するか又は停止するかのいずれかを判定することができるので、車速制限制御の実施中において、不要なエンジン運転状態の発生を抑制することができるという効果が得られる。
例えば、アクセルペダル開度の上昇に応じて車速が上昇し上限速度へと近づいていくと、車速リミッタトルクは、車速を上限速度以下に制限するために車速の上昇に応じて下降していく。車速リミッタトルクが下降すると、該下降に応じて擬似アクセル開度も下降する。
つまり、車速リミッタトルクによって、車速が上限速度に制限されている状況において、アクセルペダル開度が擬似アクセル開度よりも大きくなっている場合に、擬似アクセル開度に基づき、エンジンを始動するか又は停止するかのいずれかを判定することができる。
これによって、状況に応じた適切な開度に基づき、エンジンを始動するか又は停止するかのいずれかを判定することができるので、車速制限制御の実施中において、不要なエンジン運転状態の発生を適切に抑制することができるという効果が得られる。
これによって、車速制限制御の実施中において、不要なエンジン運転状態の発生を抑制することができるという効果が得られる。
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づき説明する。図17〜図24は、本発明に係る車両用走行制御装置及び車両用走行制御方法の第2実施形態を示す図である。
本実施形態は、上記第1実施形態の車速リミッタトルク演算部21Ddにおいて、以下に挙げる点が異なる。
まず、ASL制御が作動中に、ステアリングスイッチ28内のタップダウンスイッチによって、リミッタ車速が減速設定されたときに、減速設定されてから車速がリミッタ車速の近傍となるまでの期間はエンジンの停止を禁止する制御を行う点が異なる。
次に、ASL制御が作動中に、リミッタ車速が、タップダウンスイッチによって減速設定されてから所定時間を経過するまでの期間はエンジンの停止を禁止する制御を行う点が異なる。
(ASL制御を実行時の処理)
まず、図17及び図18に基づき、本実施形態のASL制御を実行時の各種指令値の流れを説明する。
ここで、図17は、本実施形態の統合コントローラ21のASL制御を実行時の各種処理の流れを示す第1の概要構成図を例示するものである。また、図18は、本実施形態の統合コントローラ21のASL制御を実行時の各種処理の流れを示す第2の概要構成図を例示するものである。なお、図17及び図18は、オートクルーズ走行制御を非実行時の簡略構成図となっている。
また、ASLコースト判定フラグは、ONに設定された場合に、コーストスイッチによる減速要求があることを示し、OFFに設定された場合に、コーストスイッチによる減速要求が無いことを示すフラグである。なお、ASLコースト判定フラグとして、コーストスイッチを操作時の出力信号そのものを用いることが可能である。
ここで、リミッタ車速近傍判定フラグは、ONに設定された場合に、実車速がリミッタ車速の近傍になったことを示し、OFFに設定された場合に、実車速がリミッタ車速の近傍では無いことを示すフラグである。
一方、第1目標駆動トルク演算部21Dcでは、オートクルーズ走行制御が非実行時において、ドライバ要求トルク演算部21Daからのドライバ要求トルクを第1目標駆動トルクとして最終目標駆動トルク演算部21Deに出力する。
また、擬似アクセル開度演算部21Lでは、上記第1実施形態と同様に、目標駆動トルクと入力軸回転数とから逆算して、擬似アクセル開度VAPOを算出する。そして、擬似アクセル開度演算部21Lは、擬似アクセル開度VAPOを、ATコントローラ24及び車両状態モード決定部21Eにそれぞれ出力する。
また、目標エンジントルク算出部21Hでは、目標駆動トルクから目標入力トルク(AT3への目標入力トルク)を算出し、該算出した目標入力トルクと、車両状態モードと、要求エンジン発電トルクとに基づき、目標エンジントルクを算出する。目標エンジントルク算出部21Hは、目標入力トルクを、目標クラッチトルク算出部21Kに出力し、目標エンジントルクを目標モータトルク算出部21j及びエンジンコントローラ22にそれぞれ出力する。
また、目標クラッチトルク算出部21Kでは、目標エンジントルク算出部21Hからの目標入力トルクに基づき、目標CL1トルクを算出する。更に、目標入力トルクと入力軸回転数とに基づき、目標CL2トルクを算出する。そして、目標CL1トルク及び目標CL2トルクをATコントローラ24に出力する。
次に、図19〜図21に基づき、ステップS116の車両状態モードの生成処理において、車速リミッタトルク演算部21Ddで実行される、ASLタップダウン時I/S禁止要求フラグの設定処理の処理手順について説明する。
ここで、図19は、ASLタップダウン時I/S禁止要求フラグの設定処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。また、図20は、タップダウンスイッチによる減速要求の入力後におけるリミッタ車速近傍判定フラグと、車速と、リミッタ車速との特性例を示すタイムチャートである。また、図21は、タップダウンスイッチによる減速要求の入力後におけるASLタップダウン後経過カウンタ変数TDCと、車速と、リミッタ車速との特性例を示すタイムチャートである。
ステップS700では、車速リミッタトルク演算部21Ddにおいて、ASLタップダウン要求フラグ、車速、減速設定後のリミッタ車速(目標車速)を取得して、ステップS702に移行する。
ステップS702では、車速リミッタトルク演算部21Ddにおいて、タップダウンスイッチの操作によって減速設定後のリミッタ車速に対して、設定された判定マージンを加算して、リミッタ車速近傍判定値VLMを算出して、ステップS704に移行する。
本実施形態では、ASLタップダウン要求フラグのOFFからONへの変化を判定するために、ASLタップダウン要求フラグの前回値AFPを保持している。
ステップS708に移行した場合は、車速リミッタトルク演算部21Ddにおいて、リミッタ車速近傍判定フラグをOFFに設定して、ステップS710に移行する。
ここで、ASLタップダウン後経過カウンタ変数TDCは、タップダウンスイッチによって減速設定がされてからの経過時間を測定するための変数である。従って、図21に示すように、ASLタップダウン要求フラグがOFFからONに変化した時点で0にクリアされる。
ステップS714では、車速リミッタトルク演算部21Ddにおいて、条件[2]が成立したか否かを判定し、成立したと判定した場合(Yes)は、ステップS716に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS718に移行する。
a.下記(1)及び(2)が成立
(1)車速リミッタトルク>0
(2)リミッタ車速近傍判定フラグ=ON
b.ASLタップダウン後経過カウンタ変数TDC>所定値
c.ASLコースト判定フラグ=ON
d.アイドルSW=ON
e.ASL解除(ASL作動フラグ=OFF)
f.ASL加速要求(ASL加速要求フラグ=ON)
なお、上記b.のASLタップダウン後経過カウンタ変数TDCとの大小比較に用いる所定値は、タップダウンスイッチによる減速設定時において、エンジン1の停止と始動とが短時間に行われることを防止するのに十分な時間に相当する値に設定する。例えば、官能評価によって運転者がエンジン始動・停止のサイクルをビジーと感じない程度の時間に相当する値に設定する。
具体的に、条件[3]である下記(1)〜(3)の全てが成立したか否かを判定する。
(1)ASL作動中(ASL作動フラグ=ON)
(2)ASLタップダウン要求フラグ=ON
(3)車両状態モード=エンジン運転
また、ステップS722に移行した場合は、車速リミッタトルク演算部21Ddにおいて、ASLタップダウン時I/S禁止要求フラグを前回値に保持して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
つまり、前回値AFP=今回値AFNで、且つ、両者がONを示す値である場合は、ASLタップダウン後経過カウンタ変数TDCをカウントアップ(インクリメント)する。
ステップS730に移行した場合は、リミッタ車速近傍判定フラグをONに設定して、ステップS712に移行する。
一方、ステップS732に移行した場合は、車速リミッタトルク演算部21Ddにおいて、リミッタ車速近傍判定値を前回値に保持して、ステップS712に移行する。
次に、図22に基づき、ステップS116において実行される車両状態モード生成処理の具体的な処理手順について説明する。
ここで、図22は、本実施形態における車両状態モード生成処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
ステップS116において、車両状態モード生成処理が開始されると、図22に示すように、まず、ステップS800に移行する。
ステップS800では、車両状態モード決定部21Eにおいて、システム状態、ASLタップダウン時I/S禁止要求フラグ等を取得する一方、各種エンジン始動要求フラグの設定処理を実行して各種フラグを設定して、ステップS802に移行する。
ステップS802では、車両状態モード決定部21Eにおいて、条件[4]が成立したか否かを判定し、成立したと判定した場合(Yes)は、ステップS604に移行し、そうでないと判定した場合(No)は、ステップS606に移行する。
一方、ステップS806に移行した場合は、車両状態モード決定部21Eにおいて、エンジン始動要求フラグをOFFに設定して、ステップS808に移行する。
ステップS808では、車両状態モード決定部21Eにおいて、現在の車両状態や、エンジン始動要求フラグ等に基づき、車両状態モードを生成して、一連の処理を終了し、元の処理に復帰する。
次に、図23及び図24に基づき、本実施形態の動作を説明する。
ここで、図23は、第1実施形態のタップダウン減速時におけるリミッタ車速、車速、車速リミッタトルク、ドライバ要求トルク、アクセルペダル開度、擬似アクセル開度、アクセルエンジン始動要求フラグ、エンジン回転数の各特性を示すタイムチャートである。また、図24は、本実施形態のタップダウン減速時におけるリミッタ車速、車速、車速リミッタトルク、ドライバ要求トルク、アクセルペダル開度、擬似アクセル開度、アクセルエンジン始動要求フラグ、エンジン回転数の各特性を示すタイムチャートである。
リミッタ車速が減速設定されると、図24中(2)〜(4)に示すように、リミッタ車速の減速に応じて、車速リミッタトルクが、R/LトルクAからコーストトルクへと変化し、擬似アクセル開度VAPOが全閉状態の値に変化する。これにより、擬似アクセル開度VAPOがエンジン停止判定値を下回るので、アクセルエンジン始動要求フラグがOFFに設定される。
これにより、図24中(6)の実線部に示すように、エンジン始動要求フラグがONに設定される(ステップS804)。従って、アクセルエンジン始動要求フラグがOFFに設定されていても、図24中(6)の点線部のように、エンジン始動要求フラグがOFFとならず、エンジン1が運転状態のまま維持される。
以上、本実施形態では、タップダウンスイッチの操作によるリミッタ車速の減速時において、実車速がリミッタ車速に収束するまでの期間か、又はタップダウンスイッチが操作されてから所定時間以上が経過するまでの期間は、エンジン1を運転状態のまま維持することができる。
ここで、モータジェネレータ2は、「モータ」に対応し、ステアリングスイッチ28、車速リミッタトルク演算部21Ddは、「上限速度設定手段」に対応し、車速リミッタトルク演算部21Ddは、「車速制限トルク算出手段」に対応する。
また、擬似アクセル開度演算部21Lは、「擬似アクセル開度算出手段」に対応し、車両状態モード決定部21Eは、「エンジン始動停止判定手段」に対応し、エンジン始動制御部21F及びエンジン停止制御部21Gは、「エンジン駆動制御手段」に対応する。
また、タップダウンスイッチの操作によるリミッタ車速の減速量は、「第1の速度量」に対応し、コーストスイッチの操作によるリミッタ車速の減速量は、「第2の速度量」に対応する。
(1)エンジン停止禁止制御手段が、車速制限制御を実施しているときに、車速制限トルクが急変する上限速度の設定変更が行われたときは、設定した条件が成立するまでの期間においてエンジンの停止を禁止する制御を行う。
速度制限制御を実施しているときに、例えば、上限速度の微小減速による車速制限トルクが急変する期間(つまり、車速制限トルクがプラス値からマイナス値になってすぐに再びプラス値となる期間)において、エンジンの停止を禁止する制御を行うことができる。
これにより、車速制限トルクが急激に変化する期間におけるエンジン停止の判定に対して、エンジンの停止を禁止することができる。つまり、上限速度の減速量が小さくて、エンジンの停止期間が短く、エンジンの停止後にすぐに始動をするような場面において、エンジンを運転状態のまま維持することができる。従って、上限速度の設定変更後における、ビジーなエンジンの始動停止、及び、車速変化タイミングでのエンジン始動ショックが発生するのを防ぐことができるという効果が得られる。
つまり、速度制限制御を実施しているときに、車速制限トルクが急変する上限速度の設定変更後に、ハイブリッド車両の走行速度(実車速)が、設定後の上限速度に収束するまでの期間において、エンジンの停止を禁止する制御を行うことができる。
これにより、車速制限トルクが急激に変化する期間におけるエンジン停止の判定に対して、エンジンの停止を禁止することができる。つまり、例えば上限速度の減速量が小さくて、エンジンの停止期間が短く、エンジンの停止後にすぐに始動をするような場面において、エンジンを運転状態のまま維持することができる。従って、上限速度の設定変更後における、ビジーなエンジンの始動停止、及び、車速変化タイミングでのエンジン始動ショックが発生するのを防ぐことができるという効果が得られる。
つまり、速度制限制御を実施しているときに、車速制限トルクが急変する上限速度の設定変更後に、設定した時間が経過するまでの期間において、エンジンの停止を禁止する制御を行うことができる。
これにより、減速量が小さくて、エンジンの停止期間が短く、エンジンの停止後にすぐに始動をするような場面において、エンジンを運転状態のまま維持することができる。加えて、減速量が大きくて、エンジンの停止期間を長くできる状況では、エンジン停止の判定に応じてエンジンを停止することができる。
(5)上記(1)〜(4)の作用効果以外にも、上記第1実施形態の(1)〜(3)と同等の作用効果が得られる。
上記第2実施形態において、ASL制御の作動中におけるタップダウンスイッチによる減速設定時において、実車速が設定後のリミッタ車速に収束するまでの期間、又は減速設定時から所定時間が経過するまでの期間においてエンジン1の停止を禁止する制御を行う構成としたが、この構成に限らない。
例えば、車速リミッタトルクが所定トルク以上で一定となるまでの期間など、他の要素に基づく期間において、エンジン1の停止を禁止する制御を行う構成としてもよい。
例えば、第1の発電機能を備える発電機を別途備える構成や、モータと発電機の機能とを完全に分けて、例えば、第1の発電機能を備える第1の発電機及び第2の発電機能を備える第2の発電機をそれぞれ別々に備える構成や、第1及び第2の発電機能を備える発電機を別途備える構成などとしてもよい。
また、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
2 モータジェネレータ
4 第1クラッチ
5 第2クラッチ
7L 左駆動輪
7R 右駆動輪
20 アクセルセンサ
21 統合コントローラ
21A 要求発電トルクベース演算部
21B 要求エンジン発電トルク演算部
21C モータ出力可能トルク演算部
21D 目標駆動トルク演算部
21Da ドライバ要求トルク演算部
21Db 自動制御要求トルク演算部
21Dc 第1目標駆動トルク演算部
21Dd 車速リミッタトルク演算部
21De 最終目標駆動トルク演算部
21E 車両状態モード決定部
21F エンジン始動制御部
21G エンジン停止制御部
21H 目標エンジントルク算出部
21J 目標モータトルク算出部
21K 目標クラッチトルク算出部
21L 擬似アクセル開度演算部
22 エンジンコントローラ
23 モータコントローラ
24 ATコントローラ
25 ブレーキコントローラ
26 バッテリコントローラ
28 ステアリングスイッチ
30 クルーズキャンセルスイッチ
31 車間制御コントローラ
Claims (8)
- 駆動輪に駆動力を伝達する駆動源としてのエンジン及びモータを備えたハイブリッド車両の上限速度を設定する上限速度設定手段と、
前記ハイブリッド車両の走行速度を、前記上限速度以下に制限する車速制限制御を行う車速制限手段と、
前記車速制限制御を実施しているときに、前記上限速度と前記ハイブリッド車両の走行速度とに基づき、車速制限時に前記駆動源に要求する駆動トルクである車速制限トルクを算出する車速制限トルク算出手段と、
前記車速制限トルクに基づき、該車速制限トルクに対応するアクセル開度である擬似アクセル開度を算出する擬似アクセル開度算出手段と、
運転者のアクセルペダルの操作に応じて検出されるアクセル開度であるアクセルペダル開度に基づき前記エンジンを始動するか又は停止するかのいずれかを判定するエンジン始動停止判定手段と、
前記エンジン始動停止判定手段の判定結果に基づき前記エンジンの始動及び停止を制御するエンジン始動停止制御手段と、を備え、
前記エンジン始動停止判定手段は、前記車速制限制御を実施しているときに、前記アクセルペダル開度と前記擬似アクセル開度とのうち、小さい方の開度に基づき、前記エンジンを始動するか又は停止するかのいずれかを判定することを特徴とする車両用走行制御装置。 - 前記車速制限制御を実施しているときに、前記車速制限トルクが急変する前記上限速度の設定変更が行われたときは、設定した条件が成立するまでの期間において前記エンジンの停止を禁止する制御を行うエンジン停止禁止制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用走行制御装置。
- 駆動輪に駆動力を伝達する駆動源としてのエンジン及びモータを備えたハイブリッド車両の上限速度を設定する上限速度設定手段と、
前記ハイブリッド車両の走行速度を、前記上限速度以下に制限する車速制限制御を行う車速制限手段と、
前記車速制限制御を実施しているときに、前記上限速度と前記ハイブリッド車両の走行速度とに基づき、車速制限時に前記駆動源に要求する駆動トルクである車速制限トルクを算出する車速制限トルク算出手段と、
前記車速制限トルクに基づき、該車速制限トルクに対応するアクセル開度である擬似アクセル開度を算出する擬似アクセル開度算出手段と、
運転者のアクセルペダルの操作に応じて検出されるアクセル開度であるアクセルペダル開度に基づき前記エンジンを始動するか又は停止するかのいずれかを判定するエンジン始動停止判定手段と、
前記エンジン始動停止判定手段の判定結果に基づき前記エンジンの始動及び停止を制御するエンジン始動停止制御手段と、
前記車速制限制御を実施しているときに、前記車速制限トルクが急変する前記上限速度の設定変更が行われたときは、設定した条件が成立するまでの期間において前記エンジンの停止を禁止する制御を行うエンジン停止禁止制御手段と、を備え、
前記エンジン始動停止判定手段は、前記車速制限制御を実施しているときに、前記擬似アクセル開度に基づき前記エンジンを始動するか又は停止するかのいずれかを判定することを特徴とする車両用走行制御装置。 - 前記設定した条件が成立するまでの期間は、前記ハイブリッド車両の走行速度が前記設定変更後の上限速度に収束するまでの期間であることを特徴とする請求項2又は3に記載の車両用走行制御装置。
- 前記車速制限トルクが急変する設定変更が行われてからの経過時間を測定する時間測定手段を備え、
前記設定した条件が成立するまでの期間は、前記経過時間が設定した時間となるまでの期間であることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両用走行制御装置。 - 前記エンジン停止禁止制御手段は、前記車速制限トルクが急変する第1の速度量以下の単位で前記上限速度の減速設定が行われたときは、前記エンジン始動停止判定手段においてエンジン停止の判定がされても前記設定した条件が成立するまでの期間は前記エンジンの停止を禁止する制御を行い、前記第1の速度量よりも大きい第2の速度量の単位で前記上限速度の減速設定が行われたときは、前記エンジン始動停止判定手段のエンジン停止の判定に対して前記エンジンの停止を許可する制御を行うことを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか1項に記載の車両用走行制御装置。
- 駆動輪に駆動力を伝達する駆動源としてのエンジン及びモータを備えたハイブリッド車両の走行速度を、設定した上限速度以下に制限する車速制限制御を実施しているときに、前記上限速度と前記ハイブリッド車両の走行速度とに基づき、車速制限時に前記駆動源に要求する目標駆動トルクである車速制限トルクを算出する車速制限トルク算出ステップと、
前記車速制限トルクに基づき、該車速制限トルク対応するアクセル開度である擬似アクセル開度を算出する擬似アクセル開度算出ステップと、
運転者のアクセルペダルの操作に応じて検出されるアクセル開度であるアクセルペダル開度に基づき前記エンジンを始動するか又は停止するかのいずれかを判定するエンジン始動停止判定ステップと、
前記エンジン始動停止判定ステップにおける判定結果に基づき前記エンジンの始動及び停止を制御するエンジン始動停止制御ステップと、を含み、
前記エンジン始動停止判定ステップにおいては、前記車速制限制御を実施しているときに、前記アクセルペダル開度と前記擬似アクセル開度とのうち小さい方の開度に基づき前記エンジンを始動するか又は停止するかのいずれかを判定することを特徴とする車両用走行制御方法。 - 駆動輪に駆動力を伝達する駆動源としてのエンジン及びモータを備えたハイブリッド車両の走行速度を、設定した上限速度以下に制限する車速制限制御を実施しているときに、前記上限速度と前記ハイブリッド車両の走行速度とに基づき、車速制限時に前記駆動源に要求する目標駆動トルクである車速制限トルクを算出する車速制限トルク算出ステップと、
前記車速制限トルクに基づき、該車速制限トルク対応するアクセル開度である擬似アクセル開度を算出する擬似アクセル開度算出ステップと、
運転者のアクセルペダルの操作に応じて検出されるアクセル開度であるアクセルペダル開度に基づき前記エンジンを始動するか又は停止するかのいずれかを判定するエンジン始動停止判定ステップと、
前記エンジン始動停止判定ステップにおける判定結果に基づき前記エンジンの始動及び停止を制御するエンジン始動停止制御ステップと、
前記車速制限制御を実施しているときに、前記車速制限トルクが急変する前記上限速度の設定変更が行われたときは、設定した条件が成立するまでの期間において前記エンジンの停止を禁止する制御を行うエンジン停止禁止制御ステップと、を含み、
前記エンジン始動停止判定ステップにおいては、前記車速制限制御を実施しているときに、前記擬似アクセル開度に基づき前記エンジンを始動するか又は停止するかのいずれかを判定することを特徴とする車両用走行制御方法。
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