JP5962799B2 - 車両用走行制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジン及びモータを駆動源とし、走行の状態に応じてエンジン及びモータの少なくとも一方を使用して走行するハイブリッド車両の車両用走行制御の技術に関する。
ハイブリッド車両の走行制御装置としては、例えば特許文献1に記載の技術がある。この特許文献1の走行制御装置では、運転者によるアクセル操作要求が無い場合には、低燃費化のためにエンジンを停止して、モータの出力によって車速を制御する。
特開2005−160252号公報
ところで、通常の走行制御を実行する自動変速モードと、自動変速モードと比較して加速操作に対するトルク変化率が高い走行制御を実行する手動変速モード(いわゆるスポーツモード等)とを有しているハイブリッド車両もある。自動変速モードと手動変速モードとの切り替えは、運転者の選択操作によって行う。この運転者の選択操作は、セレクトレバーの操作によって行うことができる。このようなハイブリッド車両において、手動変速モードとなったときには、燃費よりも走行レスポンスの向上、すなわち運転者の駆動力要求に応じた迅速な加速が必要となる。
上記の自動変速モード、手動変速モードのいずれにおいても、運転者がスイッチを操作することによって、シフトアップ操作又はシフトダウン操作を行うことができる。そして、シフトダウン操作を行うことにより、エンジンブレーキがかかった状態にすることができる。
自動変速モードでは、運転者がシフトダウン操作を行った場合、燃料の消費量を低減するため、エンジンを停止するように制御する。一方、手動変速モードにおいても、運転者がシフトダウン操作を行った場合にエンジンを停止すれば、燃料の消費量を低減できる。
しかしながら、エンジンが一旦停止すると、その再始動が必要になり、運転者の要求する駆動力を運転者の要求する適切なタイミングで得ることが困難になる。
このように、従来の技術においては、ハイブリッド車両が手動変速状態であるときに、エンジンの始動および停止を適切に制御することが困難であった。
本発明の課題は、ハイブリッド車両が手動変速状態であるときに、エンジンの始動および停止をより適切に制御することである。
上記課題を解決するために、本発明に係る車両用走行制御装置では、コースト状態で、手動変速操作手段の操作によって手動変速状態となった場合に、変速機の入力回転数が予め設定された閾値以上であれば、手動変速操作手段による操作がシフトダウン操作であるときに、変速機の入力回転数が上昇する前にエンジンを始動する一方、変速機の入力回転数が予め設定された閾値未満であれば、エンジンを始動しない
本発明によれば、再加速時にエンジンが再始動することによって生じるタイムラグを抑制することができる。したがって、ハイブリッド車両が手動変速状態であるときに、エンジンの始動および停止をより適切に制御することができる。
本発明の車両用走行制御装置を適用したハイブリッド車両の概要構成図である。 本実施形態に係るパワートレーンの制御システム(車両用走行制御装置)を説明する構成図である。 統合コントローラにおける基本的な信号の流れを示す図である。 本実施形態に係る統合コントローラの機能ブロックを示す図である。 目標駆動トルク演算部の機能ブロックである。 車両状態モードの遷移関係を示す図である。 車両状態モード決定部の機能ブロックを示す図である。 手動変速モードを説明する図である。 本実施形態の制御内容の例を示すフローチャートである。 本実施形態の他の制御内容の例を示すフローチャートである。 比較例のタイムチャート例を示す図である。 本実施形態のタイムチャート例を示す図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の車両用走行制御装置を適用したハイブリッド車両の概要構成図である。図1に示すハイブリッド車両は後輪駆動の例であるが、前輪駆動であっても本発明は適用可能である。
(駆動系の構成)
まず駆動系(パワートレーン)の構成について説明する。
本実施形態のパワートレーンは、図1に示すように、エンジン1から左右後輪(駆動輪)までのトルク伝達経路の途中に、モータ2及び自動変速機AT(=トランスミッションT/M)3を介装する。エンジン1とモータ2との間に、第1クラッチ4を介装する。また、モータ2と駆動輪(後輪)との間のトルク伝達経路に第2クラッチ5を介装する。この例では、第2クラッチ5は、自動変速機AT3(=トランスミッションT/M)の一部を構成する。自動変速機AT3は、プロペラシャフト、ディファレンシャルDF6、及びドライブシャフトを介して駆動輪7(後輪)に接続する。
上記エンジン1は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンである。エンジン1は、後述するエンジンコントローラ22からの制御指令に基づき、スロットルバルブのバルブ開度等が制御可能となっている。なお、エンジン1の出力軸に、フライホイールが設けられていても良い。
上記モータ2は、例えばロータに永久磁石を埋設しステータにステータコイルを巻き付けた同期型モータである。モータ2は、後述するモータコントローラ23からの制御指令に基づき、後述のインバータ8で作り出した三相交流を印加することで制御出来る。このモータ2は、後述のバッテリ9からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできる(この状態を「力行」と呼ぶ)。また、モータ2は、ロータが外力により回転している場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能してバッテリ9を充電することもできる(この動作状態を「回生」と呼ぶ)。このモータ2のロータは、図外のダンパーを介して自動変速機ATの入力軸に連結する。
上記第1クラッチ4は、上記エンジン1とモータ2との間に介装された油圧式単板クラッチである。上記第1クラッチ4は、後述するATコントローラ24からの制御指令に基づいて、入力した目標クラッチ伝達トルクとなるように、第1クラッチ油圧ユニットが作り出した制御油圧により、締結状態若しくは開放状態となる。なお、締結・開放には、滑り締結と滑り開放を含む。
上記第2クラッチ5は、油圧式多板クラッチである。上記第2クラッチ5は、後述するATコントローラ24からの制御指令に基づき、目標クラッチ伝達トルクとなるように、第2クラッチ油圧ユニットで作り出した制御油圧により、締結状態若しくは開放状態となる。なお、締結・開放には、滑り締結と滑り開放を含む。
上記自動変速機ATは、例えば、前進7速後退1速や前進6速後退1速等の有段階の変速比を、車速や後述の統合コントローラ21から入力した変速用アクセル開度等に応じて自動的に切り換える変速機である。ここで、上記第2クラッチ5は、専用クラッチとして新たに追加したものではなく、自動変速機ATの各変速段にて締結する複数の摩擦締結要素のうち、いくつかの摩擦締結要素を流用して構成する。
ここで、本実施形態では、第2クラッチ5を自動変速機AT(=トランスミッションT/M)の一部として構成する場合を例示しているが、これに限定されない。第2クラッチ5は、モータ2と自動変速機ATとの間、若しくは自動変速機ATとディファレンシャル・ギヤDFとの間に配置する構成であっても良い。
また、各輪には、それぞれブレーキユニット(不図示)を備える。各ブレーキユニットは、例えばディスクブレーキやドラムブレーキからなる。各ブレーキユニットは、油圧ブレーキ装置であっても、電動ブレーキ装置であっても良い。各ブレーキユニットは、ブレーキコントローラ25からの指令に応じて、対応する車輪に制動力を付与する。なお、ブレーキユニットは、全ての車輪に設ける必要はない。
また、図1中、符号14は電動サブオイルポンプを示し、符号15は機械式オイルポンプを示す。これらのオイルポンプ14,15は、各クラッチのための油圧を発生する。また、符号10は、エンジン1の回転数を検出するエンジン回転センサを、符号11は、モータ2の回転を検出するレゾルバ等のモータ回転センサを示す。また、符号12は、変速機の入力軸の回転を検出するAT入力回転センサを、符号13は、変速機の出力軸の回転を検出するAT出力回転センサを示す。また、符号27は、車輪の回転を検出する車輪速センサを示す。車輪速センサ27は、不図示の従動輪(前輪)にも設けてもよい。
図2は、図1に示したパワートレーンの制御システム(車両用走行制御装置)を説明する構成図である。
符号33は運転者が操作するアクセルペダル33である。このアクセルペダル33のアクセル開度APOは、アクセルセンサ20によって検出され、アクセルセンサ20は、検出したアクセル開度APO情報を統合コントローラ21に出力する。
また、符号34はペダルアクチュエータ34である。ペダルアクチュエータ34は、車間制御コントローラ31からの指令に応じたペダル反力をアクセルペダル33に付与するアクチュエータである。
また符号32は、先行車検出手段を構成するレーダーユニット32である。レーダーユニット32は、車両前方の先行車両を検出し、検出した先行車両情報を車間制御コントローラ31に出力する。
また符号27は車輪速センサである。車輪速センサ27は、検出した車輪速情報をブレーキコントローラ25に出力する。また、車輪速情報から求まる車速情報は、ブレーキコントローラ25から統合コントローラ21及び車間制御コントローラ31に出力する。
また符号35は、運転者に走行状態を提示するためのメータである。メータ35は、オートクルーズの情報などを表示する。
また符号29はブレーキスイッチである。ブレーキスイッチ29は、ブレーキペダル(不図示)の操作を検出する。
符号28は、ステアリングスイッチである。ステアリングスイッチ28は、自動走行制御であるオートクルーズ走行の起動や走行条件(目標車速等)の変更指示を運転者が行うための操作子である。ここで、本実施形態のクルーズ走行は、定速走行制御(定速クルーズ)及び車間制御(車間クルーズ)の両方を含む。
符号30は、ブレーキペダルに設けられたクルーズキャンセルスイッチである。クルーズキャンセルスイッチ30は、自動走行制御であるオートクルーズ走行の終了を指示するための操作子である。なお、上記ステアリングスイッチ28にもオートクルーズの終了するスイッチが存在する。このスイッチも含めクルーズキャンセルスイッチ30と呼ぶ。
符号36は、手動変速モードにおいて使用するマニュアルモードスイッチである。マニュアルモードスイッチ36を操作するためには、運転者がセレクトレバーを操作する。マニュアルモードスイッチ36には、手動変速モードへの切り替えスイッチ、マニュアルシフトアップスイッチ、マニュアルシフトダウンスイッチを含む。なお、変速制御を自動的に行う自動変速モードにおいて、マニュアルモードスイッチを操作すると、ハイブリッド車両は手動変速モード(手動変速状態)に移行する。
符号18はバッテリ9の電圧を検出する電圧センサである。符号19はバッテリ9の電流を検出する電流センサである。
次に、ハイブリッド車両の制御系の構成について説明する。
上記ハイブリッド車両の制御系は、図2に示すように、エンジンコントローラ22と、モータコントローラ23と、インバータ8と、バッテリコントローラ26と、ATコントローラ24と、ブレーキコントローラ25と、統合コントローラ21と、を有する。また、本実施形態のハイブリッド車両の制御系は、車間制御コントローラ31を有する。
なお、エンジンコントローラ22と、モータコントローラ23と、ATコントローラ24と、ATコントローラ24と、ブレーキコントローラ25と、車間制御コントローラ31と、統合コントローラ21とは、互いに情報交換が可能なCAN通信線(不図示)を介して接続する。
上記エンジンコントローラ22は、エンジン回転数センサ10からのエンジン回転数情報を入力する。そして、上記エンジンコントローラ22は、統合コントローラ21からの目標エンジントルク等に応じ、エンジン動作点(Ne、Te)を制御する指令を、例えば、図外のスロットルバルブアクチュエータへ出力する。なお、エンジン回転数Neの情報は、CAN通信線を介して統合コントローラ21から取得する。
上記モータコントローラ23は、モータ2のロータ回転位置を検出するモータ回転センサ11からの情報を入力する。そして、上記モータコントローラ23は、統合コントローラ21からの目標モータトルクや回転数指令等に応じ、モータ2のモータ動作点(Nm、Tm)を制御する指令をインバータ8へ出力する。
バッテリコントローラ26は、バッテリ9の充電状態をあらわすバッテリSOCを監視している。バッテリコントローラ26は、バッテリSOC情報を、モータ2の制御情報等として、CAN通信線を介して統合コントローラ21へ供給する。
上記ATコントローラ24は、車輪情報と第1及び第2クラッチ油圧センサからのセンサ情報を入力する。そして、上記ATコントローラ24は、統合コントローラ21からのアクセル開度APO状態、第1及び第2クラッチ制御指令(目標第1クラッチトルク、目標第2クラッチトルク)に応じ、変速制御における第2クラッチ制御に優先し、第2クラッチ5の締結・開放を制御する指令をAT油圧コントロールバルブ内の第2クラッチ油圧ユニットに出力すると共に、第1クラッチ4の締結・開放を制御する指令を第1クラッチ油圧ユニット(不図示)に出力する。
上記ブレーキコントローラ25は、4輪の各車輪速を検出する車輪速センサ27とブレーキストロークセンサからのセンサ情報を入力する。上記ブレーキコントローラ25は、予め設定した制御サイクルで、ブレーキペダルのストローク量や車間制御コントローラ31などからの制動要求量、車速に基づき目標減速度を演算する。そして、ブレーキコントローラ25は、回生協調ブレーキ制御として、目標減速度を回転制動力としての協調回生ブレーキ要求トルク及び機械制動力(油圧制動力)としての目標油圧制動力に制動力配分を行う。そして、協調回生ブレーキ要求トルクを統合コントローラ21のモータコントローラ23に出力する。目標油圧制動力を、油圧制動力装置に出力する。例えば、上記ブレーキコントローラ25は、ブレーキ踏み込み制動時のブレーキストロークBS等から求めらた要求制動力に対し、回生制動力だけでは不足する場合、回生協調ブレーキ制御を行う。そして、その不足分を機械制動力(液圧制動力やモータ2制動力)で補うように、統合コントローラ21からの回生協調制御指令に基づいて回生協調ブレーキ制御を行う。
また、車間制御コントローラ31は、運転者が設定したステアリングスイッチ28の情報、クルーズ制御作動許可状態、その他の必要情報を、統合コントローラ21から入力する。そして、車間制御コントローラ31は、統合コントローラ21からの情報に基づき、先行車に対する車間制御を実施すると判定すると、自車速、レーダーユニット32の検出に基づく先行車両の情報(車間距離や相対速度など)等に基づき、先行車に対して目標車間距離や目標車間時間とするための目標加速度及び目標減速度を演算する。そして、車間制御コントローラ31は、求めた目標加速度を車間クルーズ要求トルク(ACC要求トルク)として統合コントローラ21に出力する。また、車間制御コントローラ31は、求めた目標減速度を制動要求トルクとしてブレーキコントローラ25に出力する。
また、車間制御コントローラ31は、DCA制御(Distance Control Assist)部31Aを有する。DCA制御部31Aは、統合コントローラ21から受信するアクセル開度APO情報と、車輪速センサ27の検出に基づく車速情報、レーダーユニット32からの情報に基づきペダル反力指令を演算する。そして、DCA制御部31Aは、先行車との車間を保つ為の運転者への支援情報として、演算した反力指令をペダルアクチュエータ34に出力する。ペダルアクチュエータ34は、入力したアクセルペダル33に反力を付与する。
上記統合コントローラ21は、車両全体の消費エネルギーを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うものである。
上記統合コントローラ21は、エンジン回転数Neを検出するエンジン回転数センサ10、モータ回転数Nmを検出するモータ回転センサ11、変速機入力回転数を検出するAT入力回転センサ12、変速機出力回転数を検出するAT出力回転センサ13からの情報を入力する。また、統合コントローラ21は、アクセルセンサ20からアクセル開度APO情報、バッテリコントローラ26からバッテリ9の蓄電状態SOCの情報を入力する。また、上記統合コントローラ21は、CAN通信線を介して取得した情報を出力する。
また、上記統合コントローラ21は、上記エンジンコントローラ22への制御指令によりエンジン1の動作制御を実行する。上記統合コントローラ21は、上記モータコントローラ23への制御指令によりモータ2の動作制御を実行する。上記統合コントローラ21は、上記ATコントローラ24への制御指令により第1クラッチ4の締結・開放制御を実行する。上記統合コントローラ21は、上記ATコントローラ24への制御指令により第2クラッチ5の締結・開放制御を実行する。
ここで、本実施形態のハイブリッド車両における基本動作モードについて説明する。
車両停止中において、バッテリSOCの低下時であれば、エンジン1を始動して発電を行い、バッテリ9を充電する。そして、バッテリSOCが通常範囲になれば、第1クラッチ4は締結で第2クラッチ5は開放のままでエンジン1を停止する。
エンジン1による発進時には、アクセル開度APOとバッテリSOC状態によって、モータ2を連れ回し、力行/発電に切り替える。
モータ走行(EVモード)は、エンジン始動に必要なモータトルクとバッテリ出力を確保し、不足する場合はエンジン走行に移行する。また、予め設定したマップ等に基づき予め設定した所定車速以上となると、モータ走行(EVモード)からエンジン走行(HEVモード)に移行する。またエンジン走行時において、アクセル踏み込み時のレスポンス向上のために、エンジントルク遅れ分をモータ2によりアシストする。すなわち、エンジン走行中は、エンジン1の動力だけ、若しくはエンジン1及びモータ2の動力の両方で走行するモードが存在する。
ブレーキON減速時には、運転者のブレーキ操作に応じた減速力を回生協調ブレーキ制御にて得る。
エンジン走行やモータ走行中における変速時には、加減速中の変速に伴う回転数合わせのために、モータ2を回生/力行させ、トルクコンバータ無しでのスムーズな変速を行う。
図3は、本実施形態の統合コントローラ21の制御における基本的な指令値の基本的な流れを示す概要構成図を例示するものである。また、図4は本実施形態の統合コントローラ21の制御を機能的に説明する機能ブロック図である。
次に、統合コントローラ21にて実行する制駆動制御処理における、本発明に関わる部分について説明する。
統合コントローラ21は、図4に示すように、要求発電トルク演算部21A、要求エンジントルク演算部21B、モータ出力可能トルク演算部21C、目標駆動トルク演算部21D、車両状態モード決定部21E、エンジン始動制御部21F、エンジン停止制御部21G、目標エンジントルク算出部21H、目標モータトルク算出部21J、目標クラッチトルク算出部21Kを備える。
要求発電トルク演算部21Aは、車速情報やバッテリコントローラ26からのSOCなどのバッテリ情報などに基づき、モータ2で発電すべき要求発電トルクを演算する。
要求エンジントルク演算部21Bは、車速などの走行状態や要求発電トルク演算部21Aが演算した要求発電トルク等に基づき、エンジン1で発生すべき要求エンジントルクを演算する。
モータ出力可能トルク演算部21Cは、バッテリコントローラ26からのSOCなどのバッテリ情報や、車速などに基づき、モータ2が出力可能なモータ出力可能トルクを演算する。
目標駆動トルク演算部21Dは、目標とする目標駆動トルクを演算する。目標駆動トルク演算部21Dは、ドライバ要求トルク演算部、自動制御要求トルク演算部を備える。ドライバ要求トルク演算部は、運転者の操作するアクセルペダル33の操作量(アクセル開度APO)に基づき、運転者が要求していると推定するドライバ要求トルクを演算する。また、自動制御要求トルク演算部は、自動走行制御スイッチであるステアリングスイッチの操作によって作動し、クルーズキャンセルスイッチ30の操作による終了まで、運転者が予め設定した走行条件(設定車速)の走行状態に自動調整するための自動制御要求トルクを演算する。そして、目標駆動トルク演算部21Dは、ドライバ要求トルク演算部が演算したドライバ要求トルクと自動制御要求トルク演算部が演算した自動制御要求トルクとに基づき、目標駆動トルクを演算する。
本実施形態の目標駆動トルク演算部21Dは、図5に示すように、ドライバ要求トルク演算部21Da、自動制御要求トルク演算部21Db、第1目標駆動トルク演算部21Dc、車速リミッタトルク演算部21Dd、最終目標駆動トルク演算部21Deを備える。
ドライバ要求トルク演算部21Daは、少なくともアクセルペダル33のアクセル開度APO情報及び車速に基づき、ドライバ要求トルクを演算する。ドライバ要求トルク演算部21Daは、図3に示す例では、アクセル開度APO及び変速機入力回転数を入力し、ベーストルクマップを参照して基本ドライバ要求トルクを演算する。また、車速に基づき、クリープ・コースト駆動力テーブルを参照して第1の補正トルクを演算する。また、アクセル開度APO情報、変速機入力回転数、SOC等に基づく電力制限情報に基づき、MGアシストトルクMAPを参照して、第2の補正トルクを算出する。そして、ドライバ要求トルク演算部21Daは、演算した基本ドライバ要求トルク、第1の補正トルク、第2の補正トルクに基づき、最終的なドライバ要求トルクを求める。
自動制御要求トルク演算部21Dbは、ステアリングスイッチ28及びACC許可信号を車間制御コントローラ31に出力すると共に、該車間制御コントローラ31から車間クルーズ要求トルク(ACC要求トルク)を入力する。また、自動制御要求トルク演算部21Dbは、ステアリングリングSWによって設定された設定車速及び現在の車速に基づき、設定車速にフィードバック制御するためのクルーズ要求トルクを演算する。そして、自動制御要求トルクは、ACC作動(車間制御の作動)の有無に応じて、車間クルーズ要求トルク(ACC要求トルク)若しくはクルーズ要求トルクの一方を自動制御要求トルクとして選択する。ここでは、ACC作動時には、クルーズ要求トルクよりも車間クルーズ要求トルクを優先して選択するように処理する。
第1目標駆動トルク演算部21Dcは、ドライバ要求トルク演算部21Daが演算したドライバ要求トルクと、自動制御要求トルク演算部21Dbが演算した自動制御要求トルクのセレクトハイを実施して、大きい方を第1目標駆動トルクとして選択して出力する。
車速リミッタトルク演算部21Ddは、ステアリングスイッチ28によって設定した設定車速及び現在の車速に基づき、上限の車速以下とするための車速リミッタトルクを演算する。
最終目標駆動トルク演算部21Deは、第1目標駆動トルク演算部21Dcが出力する第1目標駆動トルクと、車速リミッタトルク演算部21Ddが演算した車速リミッタトルクとのセレクトローを実施する。すなわち、第1目標駆動トルクを車速リミッタトルクで制限して、目標駆動トルクを求める。
車両状態モード決定部21Eは、アクセル開度APO、車速情報(又は変速機出力回転数)、モータ出力可能トルク、要求エンジントルク、及び目標駆動トルクに基づき、車両状態モード領域マップ(EV−HEV遷移マップ)などを参照して、目標とする目標車両状態モード(EVモード、HEVモード)を決定する。たとえば、車両制駆動制御のための目標駆動トルクに、エンジン1の始動に必要なクランキングトルクを加えたトルクが、モータ2が出力可能なトルクを下回ると、HEVモードからEVモードに運転モードが遷移する。また、バッテリ充電等の要求などによって要求エンジントルクがある場合には、目標とする目標車両状態モードをHEVモードとする。そして、現在の車両状態モードがEVモードであり、目標車両状態モードがHEVモードである場合には、エンジン始動シーケンスの処理を行う。また、現在の車両状態モードがHEVモードであり、目標車両状態モードがEVモードである場合には、エンジン停止シーケンスの処理を行う。
ここで、車両状態モードとしては、図6に示すように、HEVモード、EVモード、遷移時のモードである、エンジン停止シーケンス及びエンジン始動シーケンスのモードを備える。HEVモードは、少なくともエンジン1を駆動源として走行する車両状態モードである。エンジン停止シーケンスのモードは、HEVモードからEVモードに移行する際の遷移時の車両状態モードである。エンジン始動シーケンスのモードは、EVモードからHEVモードに移行する際の遷移時の車両状態モードである。そして、現在の車両状態モードと目標車両状態モードとが同じ場合には、前回の状態モードを保持する。例えば、現在の車両状態モードがEVモードで目標車両状態モードもEVモードの場合には、車両状態モードをEVモードとする。現在の車両状態モードがHEVモードで目標車両状態モードもHEVモードの場合には、車両状態モードをHEVモードとする。一方、現在の車両状態モードがEVモードで、目標車両状態モードがHEVモードの場合、若しくは現在の車両状態モードがHEVモードで、目標車両状態モードがEVモードの場合、遷移モードとして、エンジン1の停止若しくは始動の処理が完了するまでは、エンジン停止シーケンスのモード若しくはエンジン始動シーケンスのモードとなる。
本実施形態における車両状態モード決定部21Eは、図7に示すように、エンジン始動判定処理部21Ea及びエンジン停止判定処理部21Ebを備える。
エンジン始動判定処理部21Eaは、エンジン始動について判定する。本実施形態のエンジン始動判定処理部21Eaでは、アクセル開度APOに基づくエンジン始動要求、システムによるエンジン始動要求(バッテリSOCの低下時等)、クルーズによるエンジン始動要求等に対して、エンジン始動の判定を行い、エンジン始動要求をONにする。
エンジン停止判定処理部21Ebは、エンジン停止について判定する。本実施形態のエンジン停止判定処理部21Ebでは、下記の条件のいずれかを満足すると、エンジン停止要求をONにする。下記条件のいずれも満足しない場合には、エンジン停止要求をOFFにする。
・アクセル開度APOが予め設定したエンジン停止開度以下
・クルーズ要求トルク(目標駆動トルク)が予め設定したエンジン停止トルク以下
ただし、システム要求による停止禁止要求がある場合には、エンジン停止要求をOFFとする。システム要求による停止禁止要求とは、例えばSOCが予め設定した値以下に低下している場合、水温が予め設定した温度以下の場合、モータ2の許容回転数以上の車速などの場合である。
目標エンジントルク算出部21Hは、車両状態モード決定部21Eが決定した目標車両状態モード、車速などの走行状態情報、目標駆動トルク、発電のために必要となる要求エンジントルクに基づき、目標エンジントルクを算出する。なお、目標車両状態モードがEVモードである場合には、エンジントルクは不要であるので、目標エンジントルクは、ゼロ若しくは負値となっている。また、予め設定したF/C条件を満足している場合には、エンジンに対して燃料カット(F/C)を指示し、エンジンは空回りしている状態になっている。
目標モータトルク算出部21Jは、車両状態モード決定部21Eが決定した目標車両状態モード、車速などの走行状態情報、目標駆動トルク、要求発電トルクに基づき、目標モータトルクを算出する。例えば、目標駆動トルクから、目標エンジントルクに遅れ補正を施したトルク値を減算した値を目標モータトルクとする。なお、なお、他の制御部から回生ブレーキ要求トルク(<0)の入力がある場合には、目標モータトルクをその回生ブレーキ要求トルク分を足した値を最終的な目標モータトルクとする。
エンジン始動制御部21Fは、エンジン始動フラグがONの場合に作動して、モータ走行中にエンジン1を始動する処理を実施してHEVモードへの移行処理を行う。
次に、エンジン始動制御部21Fの処理例について説明する。
エンジン始動制御部21Fは、モータ走行中にエンジン始動指令(エンジン始動フラグがON)を取得すると起動する。
まず第2クラッチ5を目標クラッチ伝達トルクにするための目標第2クラッチトルク指令を、ATコントローラ24に出力する。上記目標第2クラッチ伝達トルク指令TCL2は、エンジン始動処理前の出力トルク相当のトルクを伝達可能な伝達トルク指令であって、モータ2が出力する駆動力を増大したとしても出力軸トルクに影響を与えない範囲とする。ここで、ATコントローラ24は、指令に応じたクラッチ油圧が発生するように第2クラッチ油圧ユニットを制御する。
次に、モータコントローラ23に、モータ2を回転数制御する指令を出力する。なお、モータ2の実トルクはモータ2に作用する負荷によって決定する。続いて、ATコントローラ24に対して、第1クラッチ4のトルク伝達トルクがエンジンクランキング用のトルクとなるトルク指令を出力する。続いて、エンジン回転数とモータ回転数とが同期したことを検知したら、クランキング処理の終了として第1クラッチ4を完全締結とする指令を出力する。第1クラッチ4の同期判定は、実モータ回転と実エンジン回転の差回転が規定値以下の状態が規定時間経過したときに同期したと判定する。規定値は第1クラッチ4トルク制御中から完全締結移行時の応答無駄時間相当の差回転を設定する。さらに、エンジン回転数が始動可能回転数以上になったことを検知したら、エンジンコントローラ22に対してエンジン始動指令を出力する。そして復帰する。
エンジン停止制御部21Gは、エンジン停止指令(エンジン停止フラグがON)を取得すると起動し、エンジン走行から、モータ2を駆動してモータ2車両状態モードへの移行処理を行う。
例えば、エンジン停止制御部21Gは、エンジン停止指令(エンジン停止フラグがON)を取得すると起動して、まず、ATコントローラ24に対して、第1クラッチ4を滑り締結する予め設定したトルク指令を出力する。同期をとって、モータコントローラ23に、モータ2を回転数制御する指令を出力する。これによって、第1クラッチ4によるエンジン1からのトルクを減少しつつ、モータトルクを増大して、目標駆動トルクを得る。目標モータトルクが目標駆動トルクとなったら、第1クラッチ4を目標クラッチ伝達トルク=0にするための目標第1クラッチ4トルク指令を、ATコントローラ24に出力する。その後、エンジンコントローラ22に対して目標エンジントルクをゼロを出力する。これによって、エンジンは燃料カット(F/C)され、エンジンは空回りしている状態となる。
目標クラッチトルク算出部21Kは、車両状態モード決定部21Eが決定した目標車両状態モード、エンジン1及びモータ2の発生トルクに基づき、第1クラッチ4及び第2クラッチ5の目標各クラッチトルクを算出する。なお、EVモード状態の場合には、通常、ATコントローラ24に第1クラッチ4の開放指令を出力すると共に、ATコントローラ24に第2クラッチ5の締結指令を出力することで、第1クラッチ4を開放状態とすると共に、第2クラッチ5を締結状態とする。また、HEVモード状態の場合には、通常、ATコントローラ24に第1クラッチ4の締結指令を出力すると共に、ATコントローラ24に第2クラッチ5の締結指令を出力することで、第1クラッチ4を締結状態とすると共に、第2クラッチ5を締結状態とする。また、エンジン始動若しくは停止処理の場合には、上述の締結開放状態となるクラッチトルクを算出する。
なお、図3におけるVAPO演算21Lは、クルーズ要求トルクから逆算して対応する推定アクセル開度を演算して、演算した推定アクセル開度を変速用アクセル開度としてATコントローラ24に出力する。
(手動変速モード)
次に、本実施形態における手動変速モードについて、図8を参照して説明する。図8に示すように、セレクトレバーの位置として、車両の前進「D」、中立「N」、後退「R」、駐車「P」があり、これらを運転者が選択する。また、セレクトレバーの位置として、手動「M」、マニュアルシフトアップ「M+」、マニュアルシフトダウン「M−」があり、これらは手動変速モードにおけるセレクトレバーの位置である。
自動変速モードから手動変速モードに切り替えるには、運転者がセレクトレバーを、前進「D」の位置から手動「M」の位置に移動操作する必要がある。手動変速モードにおいて、運転者がセレクトレバーをマニュアルシフトアップ「M+」に移動すると変速機のギヤ段が上がり(変速比が下がり)、マニュアルシフトダウン「M−」に移動すると変速機のギヤ段が下がる(変速比が上がる)。
図8の符号Aのように、運転者がシフトダウン操作した場合、その後に車速が低下するため再度加速の要求が発生する可能性がある。このため、本実施形態では、運転者がシフトダウン操作した場合には、HEVモードに移行する。つまり、エンジンを始動する。このように制御すると、シフトダウンによる変速によって回転数が上昇し使用可能なモータトルクが減少しても、エンジントルク(フリクショントルク)が使用できるので、制動力を確保することができる。
また、再度加速する時にエンジンを再始動すると、タイムラグが生じて加速レスポンスについて運転者に違和感を与える可能性がある。これに対し、本実施形態では、上記のように運転者がシフトダウン操作したときにエンジンを始動することにより、上記のタイムラグが生じなくなり、加速レスポンスを確保することができる。
さらに、運転者がシフトダウン操作した場合、変速機の入力回転数が上昇し、その後HEVモードに移行(エンジン始動)すると、高回転状態であるためにエンジンの始動のために使用可能なモータトルクが減少する。すると、第2クラッチ5がスリップ状態を維持することができず、ショックが生じる可能性がある。これに対し、本実施形態では、上記のようにシフトダウン操作があったときにエンジンを始動することにより、高回転状態になる前にエンジンを始動でき、上記ショックを回避することができる。
運転者がセレクトレバーを操作した場合に、変速線上変速許可できない領域であるときには変速を行うことができない。このとき、変速を行わないにも関わらずエンジン始動をすると、それをタコメータによって運転者が認識し、運転者に違和感を与えることになる。これに対し、本実施形態では、運転者がセレクトレバーを操作し、かつ、目標ギヤ段が現在ギヤ段より低い場合に、HEVモードに移行(エンジン始動)することにより、変速と共にエンジンを始動することができ、運転者に上記違和感を与えることを回避できる。
次に、上記の処理の具体的内容について説明する。コースト(惰性走行)状態において、図8の符号Aのように、運転者がシフトダウン操作した場合、エンジン始動判定処理部21Eaによる図9に示す制御となる。すなわち、まずステップS1では、目標とするギヤ段である目標ギヤ段が現在のギヤ段である現在ギヤ段より低いか否かを判定する。ステップS1において、目標ギヤ段が現在ギヤ段より低い場合には、ステップS2に移行して、予め設定した時間をディレイタイマによってカウントする。ステップS2においてディレイタイマによるカウントが終了すると、ステップS3に移行し、HEVモードに移行してエンジンを始動する。
一方、ステップS1において、目標ギヤ段が現在ギヤ段より低くない場合には、ステップS4に移行し、EVモードを継続する。したがって、エンジンの始動は行わない。
(動作)
次に、本実施形態のハイブリッド車両の動作を説明する。
本発明に係る車両用走行制御装置は、ハイブリッド車両がコースト状態でシフトダウン操作があった場合に作動する。
ハイブリッド車両がコースト状態でシフトダウン操作があった場合、エンジン始動判定処理部21Eaが、目標ギヤ段の方が現在のギヤ段より低いか否かを判定する。
そして、目標ギヤ段の方が現在のギヤ段より低い(即ちシフトダウンとなる)場合には、ディレイタイマによるカウントを経て、エンジンを始動する。
これにより、シフトダウンによって変速機の回転数が上昇し、使用可能なモータトルクが減少しても、エンジンのフリクショントルクによって制動力を確保できる。また、ディレイタイマのカウント後にエンジンを始動するため、統合コントローラ21において、エンジンの始動を抑制する条件を確実に判定した後に、エンジンの始動を指令することができる。
また、シフトダウン操作後に再加速する場合、エンジンは予め始動しているため、エンジン始動による加速レスポンスの低下を回避することができる。
また、シフトダウン操作後、変速機の回転数が上昇する前にエンジンを始動することから、高回転状態で使用可能なモータトルクが減少する以前にエンジンを始動できる。そのため、第2クラッチ5のスリップ状態を維持し、エンジン始動によるショックを生じないようにエンジンを始動することができる。
さらに、運転者がセレクトレバーを操作し、かつ、目標ギヤ段が現在ギヤ段より低い場合に、エンジンを始動するため、変速と共にエンジンを始動することができる。したがって、変速線上変速許可できない領域でシフトダウン操作の入力があった場合に、運転者に対し、変速を行うことなくエンジンの始動のみが発生することによる違和感を与えることを回避できる。
このように、本発明によれば、手動変速モードにおいて、エンジンの始動および停止をより適切に制御することが可能となる。
なお、本実施形態において、エンジン1がエンジンに対応し、モータ2がモータに対応し、統合コントローラ21およびATコントローラ24が変速制御手段に対応する。また、マニュアルモードスイッチ36が手動変速操作手段に対応し、統合コントローラ21およびエンジンコントローラ22が始動制御手段に対応する。
(第1の実施形態の効果)
(1)コースト状態で、手動変速操作手段の操作によって手動変速状態となった場合に、手動変速操作手段による操作がシフトダウン操作であるときに、エンジンを始動する。
このように制御すれば、再加速時にエンジンが再始動することによって生じるタイムラグを抑制することができる。
したがって、ハイブリッド車両が手動変速状態であるときに、エンジンの始動および停止をより適切に制御することができる。
(2)手動変速操作手段の変速操作がシフトダウン操作である場合に、目標ギヤ段が現在のギヤ段よりも低く、かつ、予め設定したディレイタイムが経過した後に、エンジンを始動する。
したがって、シフトダウンによって変速機の回転数が上昇し、使用可能なモータトルクが減少しても、エンジンのフリクショントルクによって制動力を確保できる。また、ディレイタイムのカウント後にエンジンを始動するため、始動制御部において、エンジンの始動を抑制する条件を確実に判定した後に、エンジンを始動することができる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態では、統合コントローラ21が実行する処理が第1実施形態と異なっている。
以下、ハイブリッド車両の構成については第1実施形態を参照し、異なる処理内容について説明する。
コースト(惰性走行)状態において、図8の符号Bのように、運転者がセレクトレバーを操作して自動変速モードから手動変速モードに切り替えた場合、入出力回転数もしくは車速が予め設定された閾値以上であれば、HEVモードに移行(エンジン始動)する。本実施形態では、設定されたディレイタイム経過後にエンジンを始動してHEVモードに移行する。自動変速モードから手動変速モードへの切り替え操作を運転者が行った場合において、入出力回転数もしくは車速が予め設定された閾値以上であれば、エンジンを始動する。自動変速モードから手動変速モードへの切り替え時に、ダウンシフトによって変速機の入力回転数が上昇し、その後HEVモードに移行(エンジン始動)すると、高回転状態であるためにエンジンの始動のために使用可能なモータトルクが減少し、第2クラッチ5がスリップ状態を維持することができず、ショックが生じる。これに対し、本実施形態では、上記のようにエンジンを始動することにより、高回転状態になる前にエンジンを始動でき、上記ショックを回避することができる。
一方、入出力回転数もしくは車速が予め設定された閾値未満であれば、HEVモードに移行せず、EVモードを継続する。自動変速モードから手動変速モードへの切り替え操作を運転者が行った場合において、入出力回転数もしくは車速が予め設定された閾値未満であれば、運転者の要求はダウンシフトではなくエンジンブレーキであるため、HEVモードに移行しない(エンジン始動しない)。これにより、運転者の意思によって、モータへの回生量を増加できる。また、自動変速モードから手動変速モードへの最初の切り替え時は、EVモードとし実用燃費悪化を抑えるようにしてもよい。
次に、上記の処理の具体的内容について説明する。コースト(惰性走行)状態において、図8の符号Bのように、運転者が自動変速モードから手動変速モードに切り替えた場合、例えば、エンジンブレーキをかけようとした運転者のセレクトレバー操作により、自動変速モードのギヤ段「7」から手動変速モードのギヤ段「5」に変わった場合、エンジン始動判定処理部21Eaによる図10に示す制御となる。すなわち、まずステップS5では、変速機の入出力回転数もしくは車速が、予め設定した閾値以上であるか否かを判定する。ステップS5において、変速機の入出力回転数もしくは車速が閾値以上であれば、ステップS6に移行して、予め設定した時間をディレイタイマによってカウントする。ステップS6においてディレイタイマによるカウントが終了すると、ステップS7に移行し、HEVモードに移行してエンジンを始動する。
一方、ステップS5において、変速機の入出力回転数もしくは車速が、予め設定された閾値未満であれば、ステップS8に移行し、EVモードを継続する。したがって、エンジンの始動は行わない。
(動作)
次に、本実施形態のハイブリッド車両の動作を説明する。
本発明に係る車両用走行制御装置は、ハイブリッド車両がコースト状態でシフトダウン操作があった場合に作動する。
ハイブリッド車両がコースト状態で運転者がマニュアルスイッチ36を操作した場合(手動変速モードに切り替えた場合)、エンジン始動判定処理部21Eaが変速機の入出力回転数(若しくは車速)が予め設定した閾値以上であるか否かを判定し、予め設定した閾値以上であると、ディレイタイマのカウントを行う。
そして、ディレイタイマのカウントが予め設定した時間に達すると、エンジンの始動を行う。
これにより、変速機の入出力回転数あるいは車速が閾値未満であり、運転者がエンジンブレーキを使用する意図であると推定できる状況では、エンジンを始動することなくEVモードを継続する。
したがって、運転者の意図によって回生量を増加させることができると共に、自動変速モードから手動変速モードに最初に切り替わったときにはEVモードとなるため、実用燃費の向上を図ることができる。
次に、図11、図12を参照し、比較例と共に本実施形態の効果について説明する。図11、図12は、共に、手動変速モードである場合にハイレベルになるマニュアルモードフラグMMODE、運転者がシフトダウン操作をした場合にハイレベルになるシフトダウンフラグDWSW、エンジンが始動している場合にハイレベルになるエンジン始動フラグENGSTART、変速機の現在のギヤ段に対応するレベルになるNEXTGP_MAP信号、エンジンの始動を禁止する排他処理を行っている期間にハイレベルになる始動禁止フラグ、を示している。なお、図11、図12は、共に、車速が時速100キロメートル以上の場合において、運転者が自動変速モードから手動変速モードに切り替え、さらに自動変速モードに切り替えた場合の制御内容を示している。
比較例を示す図11において、マニュアルモードフラグMMODEは、手動変速モードである場合にハイレベルになる。このマニュアルモードフラグMMODEがハイレベルである期間において、変速機のギヤ段が「7」で車速が時速100キロメートル以上の場合、タイミングT1で運転者が自動変速モードから手動変速モードに切り替えると、さらに運転者はエンジンブレーキをかけるために例えばギヤ段「5」に変速する可能性がある。このような場合、自動変速モードから手動変速モードに切り替えたタイミングT1の後のタイミングT2において、エンジン始動フラグENGSTARTがハイレベルに遷移する可能性がある。
ここで、その後のタイミングT3において運転者がギヤ段「7」からギヤ段「5」に変速した場合を考える。この場合、NEXTGP_MAP信号のレベルは、ギヤ段「7」に対応するレベルから、ギヤ段「6」に対応するレベルに一旦変化し、その後タイミングT4においてギヤ段「5」に対応するレベルになる。このとき、本例では、オーバドライブ(OD)のキャンセルを行う。
この図11の場合、始動禁止フラグがハイレベルに遷移するタイミングがないので、エンジンが始動してしまう可能性がある。つまり、統合コントローラ21の配置によっては、レバースイッチ信号が統合コントローラ21に早期に入力し、エンジン始動フラグENGSTARTが早期にハイレベルに遷移するため、排他処理のための始動禁止フラグがハイレベルにならず、エンジンが始動してしまう可能性がある。
一方、本実施形態の効果を示す図12では、マニュアルモードフラグMMODEがハイレベルである期間において、例えば変速機のギヤ段が「7」で車速が時速100キロメートル以上の場合、タイミングT1で運転者が自動変速モードから手動変速モードに切り替えると、コースト(惰性走行)状態であり、かつ、目標ギヤ段が現在のギヤ段よりも低ければ、図11の場合よりも遅いタイミングでエンジン始動フラグENGSTARTがハイレベルに遷移する。すなわち、エンジン始動フラグENGSTARTの遷移タイミングは、タイミングT2ではなく、図11の矢印Yで示すディレイタイマによる予め設定した時間が経過した後のタイミングT2’以降になる可能性がある。
さらに、本例では、始動禁止フラグがタイミングT3においてハイレベルに遷移してエンジンの始動を禁止することになる。このため、その後、始動禁止フラグがローレベルに遷移したタイミングT3’において、エンジン始動フラグENGSTARTがハイレベルに遷移するか(上記閾値以上の場合)又はローレベルのまま(上記閾値未満の場合)となる。
以上のように、ディレイタイマが経過した後に、エンジンを始動することによって、運転者の要求する駆動力を運転者の要求する適切なタイミングで遅滞なく得ることができる。
(第2の実施形態の効果)
(1)手動変速操作手段の変速操作があった場合に、変速機の入出力回転数または車速が閾値以上であり、かつ、予め設定したディレイタイムが経過した後に、エンジンを始動する。
これにより、変速機の入出力回転数あるいは車速が閾値未満であり、運転者がエンジンブレーキを使用する意図であると推定できる状況では、エンジンを始動することなくEVモードを継続する。
したがって、運転者の意図によって回生量を増加させることができると共に、自動変速状態から手動変速状態に最初に切り替わったときにはエンジンを始動しないため、実用燃費の向上を図ることができる。
(応用例)
手動変速モードにおいて、一旦HEVモードに移行した後は、エンジンを停止させず、HEVモードを継続する。これにより、再度の加速や、減速レスポンスを確保することができる。
また、手動変速モードにおいて、車速が低下したため、EVモードによるオートダウンシフトを行った場合、EVモードを継続する。この場合、運転者からの要求は無く、入力回転数も低いため、HEVモードに移行しない(エンジンを始動しない)。
(効果)
(1)手動変速操作手段の変速操作によって前記エンジンが始動した後、前記手動変速状態の解除まで、エンジンの停止を禁止する。
これにより、加減速のレスポンスを向上させることができる。
1 エンジン
2 モータ
4 第1クラッチ
5 第2クラッチ
7 駆動輪
20 アクセルセンサ
21 統合コントローラ
21A 要求発電トルク演算部
21B 要求エンジントルク演算部
21C モータ出力可能トルク演算部
21D 目標駆動トルク演算部
21Da ドライバ要求トルク演算部
21Db 自動制御要求トルク演算部(自動走行手段)
21Dc 第1目標駆動トルク演算部
21Dd 車速リミッタトルク演算部
21De 最終目標駆動トルク演算部
21E 車両状態モード決定部
21Ea エンジン始動判定処理部
21Eb エンジン停止判定処理部
21F エンジン始動制御部
21G エンジン停止制御部
21H 目標エンジントルク算出部
21J 目標モータトルク算出部
21K 目標クラッチトルク算出部
21L VAPO演算
22 エンジンコントローラ
23 モータコントローラ
24 ATコントローラ
25 ブレーキコントローラ
26 バッテリコントローラ
28 ステアリングスイッチ
30 クルーズキャンセルスイッチ
31 車間制御コントローラ

Claims (2)

  1. 駆動輪に駆動力を伝達する駆動源としてのエンジン及びモータと、
    変速機の変速を制御する変速制御手段と、
    前記変速制御手段に対して手動による変速操作を入力する手動変速操作手段と、
    コースト状態で、前記手動変速操作手段の操作によって手動変速状態となり前記手動変速操作手段による操作がシフトダウン操作である場合に、前記変速機の入力回転数が予め設定された閾値以上であるか否かを判定し前記変速機の入力回転数が予め設定された閾値以上であると判定したときに、前記変速機の入力回転数が上昇する前に前記エンジンを始動する一方、前記変速機の入力回転数が予め設定された閾値未満であれば、前記エンジンを始動しない始動制御手段と、
    を備えることを特徴とする車両用走行制御装置。
  2. 請求項1において、
    前記手動変速操作手段の変速操作によって前記エンジンが始動した後、前記手動変速状態の解除まで、エンジンの停止を禁止することを特徴とする車両用走行制御装置。
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