JP5694683B2 - プラネタリピニオンケース及びプラネタリピニオンケースのプレス装置 - Google Patents

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Description

本発明はプラネタリピニオンケース及びプラネタリピニオンケースのプレス装置に関する。
駆動力などの回転力を伝達するための1つの機構である遊星歯車機構には、太陽歯車や遊星歯車に加えて内歯歯車が設けられるようになっており、このような内歯歯車の一例として、円筒部の内周面に内歯の斜歯歯車が形成され、その軸方向に垂直な端面の一方で内歯歯車を底蓋の如く覆うように構成されたギアケース、若しくはプラネタリピニオンケースと呼ばれる部品が知られている。このようなプラネタリピニオンケースを製造する場合、例えば切削加工により製造する方法があり、内歯歯車加工用ブローチ(例えば、特許文献1参照。)を用いることで内歯歯車を形成し、円筒部の一方の開口部に蓋部材を溶接などで溶着することで底蓋を形成するものが既知である。また、他の製造方法としては、所定の金属粉末を用いる粉末冶金法(例えば、特許文献2参照。)も知られている。
特開2008−221418号公報 特開2006−334661号公報
ところが、このようなプラネタリピニオンケースを製造する場合に、ブローチなどを使用して切削加工を行う場合には、切削後に底蓋の溶着作業が必要になり、金属材料の加熱なども必要になるため、作業時間も長くなり、底蓋の溶着時の加熱によって底蓋付近の歯車の精度が劣化するなどの問題が発生する。また、粉末冶金法では、製品内部に多くの気孔を内包する傾向にあり、見掛の密度が真密度よりも低くなるため、強度等の制約が生ずることになる。
そこで、本発明は上述の技術的な課題に鑑み、短時間で必要な強度を備え且つ精度も高く製造できるプラネタリピニオンケースと、そのプラネタリピニオンケースの製造装置となるプレス装置の提供を目的とする。
上述の技術的な課題を解決するため、本発明のプラネタリピニオンケースは、遊星歯車機構の内歯歯車として用いられるプラネタリピニオンケースであって、円筒形状のピニオンケース素材の一端面の中央に凹部を形成し、該凹部の内周面をプレス加工してヘリカルギアを設けたことを特徴とする。
また、本発明のプラネタリピニオンケースのプレス装置は、ピニオンケース素材を載置する載置部を有する下型に対し、回転可能支持され周面にヘリカルギアが形成された内斜歯歯車パンチ部を上型に設け、型締め動作によるプレス加工に際して前記内斜歯歯車パンチ部を前記載置部に載置された前記ピニオンケース素材に対して回転させながらプレスすることを特徴とする。
本発明のプラネタリピニオンケースのプレス装置の好適な実施形態によれば、前記内斜歯歯車パンチ部は、例えば、スラスト軸受により回転可能に支持されるように構成することができ、前記ピニオンケース素材は、前記内斜歯歯車パンチ部によるヘリカルギアの形成前に、円筒形状の素材の一端面の中央に凹部が形成されていても良く、前記凹部の周囲は、例えば内側が高く、外側が低くされた断面三角形の上端部が形成されていても良い。さらに、前記凹部の底部には、塑性流動により内斜歯の一部が入り込む溝を形成することができる。
本発明のプラネタリピニオンケースにおいては、円筒形状のピニオンケース素材の一端面の中央に凹部を形成し、該凹部の内周面をプレス加工し、該内周面に遊星歯車機構の内歯歯車のヘリカルギアが形成される。このため焼結金属などに比較的して高い強度の製品を得ることができ、ブローチなどを利用して切削によりプラネタリピニオンケースを製造する場合に比較して極めて短い時間での加工作業が行われる。
本発明のプラネタリピニオンケースのプレス装置においては、型締め動作によるプレス加工に際して内斜歯歯車パンチ部を載置部に載置されたピニオンケース素材に対して回転させながらプレスすることから、プレス加工の一行程によって内斜歯歯車をピニオンケース素材に形成することができ、極めて短い時間で内歯歯車を製造できる。
本発明の一実施形態にかかるプラネタリピニオンケースのプレス装置の一例の要部断面図である。 前記実施形態にかかるプラネタリピニオンケースのプレス装置の一例に使用されるピニオンケース素材の加工工程を説明するための工程図であって、丸棒の切断工程を示す模式斜視図である。 前記実施形態にかかるプラネタリピニオンケースのプレス装置の一例に使用されるピニオンケース素材の加工工程を説明するための工程図であって、円筒形状のケース素材の形成工程を示す模式斜視図(a)と、その模式断面図(b)である。 前記実施形態にかかるプラネタリピニオンケースのプレス装置の一例に使用されるピニオンケース素材の加工工程を説明するための工程図であって、ケース素材への凹部形成工程を示す模式斜視図(a)と、その模式断面図(b)である。 前記実施形態にかかるプラネタリピニオンケースのプレス装置の一例に使用されるピニオンケース素材の加工工程を説明するための工程図であって、プレスによる斜歯形成工程を示す模式斜視図(a)と、その模式断面図(b)である。 前記実施形態にかかるプラネタリピニオンケースのプレス装置の一例の要部断面図であって、ピニオンケース素材を載置部に載置する工程を示す図である。 前記実施形態にかかるプラネタリピニオンケースのプレス装置の一例の要部断面図であって、内斜歯歯車パンチ部が下降してピニオンケース素材に突き当ったところを示す図である。 前記実施形態にかかるプラネタリピニオンケースのプレス装置の一例の要部断面図であって、内斜歯歯車パンチ部がさらに下降してピニオンケース素材の内周面にヘリカルギアが形成されたところを示す図である。 前記実施形態にかかるプラネタリピニオンケースのプレス装置の一例の要部断面図であって、加工されたプラネタリピニオンケースを取り出すところを示す図である。
本実施形態のプラネタリピニオンケースをその製造用のプレス装置と共に、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態におけるプレス装置の金型付近の要部断面図である。本実施形態のプレス装置は、後述する丸棒状の鋼材を熱間若しくは温間加工機で加工して、円筒形状の上面に凹部を有するピニオンケース素材を用意したところで、その凹部が形成されたピニオンケース素材をセットして内斜歯歯車を有するプラネタリピニオンケースをプレスにより形成する。特にピニオンケース素材の内周面に内歯のヘリカルギアをプレスで形成することで、加工時間も短く低コストで部品の精密な加工が実現される。
本実施形態におけるプレス装置1の金型構造としては、図1に示すように、上型側には、上型基台部30の下部に円盤状のスラスト軸受20が連結されており、その円盤状のスラスト軸受20の下部に内斜歯歯車をプレスで成形するための内斜歯歯車パンチ部10が設けられている。この内斜歯歯車パンチ部10と対向するように、下型側には、加工すべきピニオンケース素材2を載置する載置台12が、下型基台部33の上側に固定される。これら上型基台部30と下型基台部33の間には、各基台部30、33の四隅に該当する領域でそれぞれガイドポスト31、32が設けられており、当該プレス装置1の図示しないシリンダーの上下動に伴う型の開閉動作を案内する。
上型側の各部材についてさらに説明すると、上型基台部30は所定の厚みを有した矩形状の部材であり、その下部中央に円盤状のスラスト軸受20が設けられている。スラスト軸受20は、略円盤状の形状を有し上型基台部30の下面に連結される上板部21と内斜歯歯車パンチ部10に連結される下板部22の間にコロやボールからなる複数の転動体23を介在させた構成を有している。複数の転動体23が上板部21と下板部22の間に挟持されるため、プレス加工における加工荷重の範囲では内斜歯歯車パンチ部10への荷重に拘わらず内斜歯歯車パンチ部10は軸中心に回転できる。内斜歯歯車パンチ部10は、このスラスト軸受20により回転しながらでも、ピニオンケース素材2を十分にプレスすることができ、所定の内歯のヘリカルギアの形成が実現される。
内斜歯歯車パンチ部10は、略円筒状とされ、その外周面に内斜歯歯車を形成するための複数の突設された外歯からなる内斜歯形成部11を有している。内斜歯歯車パンチ部10の内斜歯形成部11の溝の間隔や傾斜角度などは、形成する内歯歯車の設計に合わせて適宜設定される。内斜歯歯車パンチ部10の底面の周端部は、小さな角丸を構成するように面取り部19が形成され、プレス時に内斜歯歯車パンチ部10がピニオンケース素材2に当接する際に、円滑に内斜歯歯車パンチ部10自体をピニオンケース素材2の所定の位置に導くことができる。内斜歯歯車パンチ部10は、円盤状のスラスト軸受20の下板部22に連結されていることから、内斜歯歯車パンチ部10が加工するように操作された場合でも、プレス加工における加工荷重の範囲では内斜歯歯車パンチ部10は軸中心に回転でき、内斜歯歯車パンチ部10が回転しながらピニオンケース素材2をプレスして、ピニオンケース素材2の凹部の内周面に螺旋状の内斜歯歯車を形成することができる。
内斜歯歯車パンチ部10の軸方向の長さは、被加工物であるピニオンケース素材2を打ち抜く必要がないことから、途中まで回転しながらプレスされ、回転しながら戻るのに十分な長さを有していれば良い。プレス装置1の図示しないシリンダーの上下動作に応じて上型基台部30が上下動作し、この上型基台部30にスラスト軸受20を介して接続される内斜歯歯車パンチ部10も上下動作する。最下死点では、内斜歯歯車パンチ部10が最も下がった位置まで加工するが、このとき内斜歯歯車パンチ部10の底面部はピニオンケース素材2を打ち抜かずに底面側に底蓋を形成する分だけ残して最も下がった状態となる。本実施形態においては、内斜歯歯車パンチ部10の内斜歯形成部11は、1回のプレス動作でピニオンケース素材2の凹部の内周面に螺旋状の内斜歯歯車を形成するものとして説明するが、例えば、内斜歯歯車パンチ部10の内斜歯形成部11を粗いものと精度のより高いものの2種類を容易して、粗い内斜歯形成部でプレスを行った後、仕上げ用の高精度の内斜歯形成部でプレスをする2段階のプレス加工を行うことも可能である。
内斜歯歯車パンチ部10は、例えば材質を温熱間鍛造型用の鋼(例えばYXR33など)や高硬度の焼入鋼(例えばASP23など)などとすることができる。内斜歯歯車パンチ部10の上端部にはスラスト軸受20を貫通するキャップボルト52が結合され、キャップボルト52の頭部はワッシャ51を介してスラスト軸受20の上板部21の上に突き出すように支持される。内斜歯歯車パンチ部10の周面近傍には、略板状とされ中央部に内斜歯歯車パンチ部10を挿通させる貫通孔16が設けられた該ストリッパー部14が形成されており、このストリッパー部14は4つのスプリング15を介して、上型基台部30からスラスト軸受20を被覆するように延長された上板プレート17に支持されている。スプリング15は、ストリッパー部14が下型側の載置台12の上面に当接したところで収縮するように配設されており、ストリッパー部14を載置台12の上面に当接させたまま内斜歯歯車パンチ部10を載置台12の嵌合孔である載置部13に載置されたピニオンケース素材2の凹部に対してプレスすることができる。スラスト軸受20を被覆するように延長された上板プレート17にも、ストリッパー部14の中央部に内斜歯歯車パンチ部10を挿通させる貫通孔16と同様な貫通孔18が形成されており、貫通孔18を介して内斜歯歯車パンチ部10を挿通させることができる。
上型側の内斜歯歯車パンチ部10と対向する下型側の載置台12には、円筒状にくり抜かれた載置部13に、被加工物であるピニオンケース素材2を挿入して内斜歯歯車を形成するプレスが行われる。載置部13は、プレス前形状のピニオンケース素材2が容易に収納され且つプレス時にピニオンケース素材2の径が広がることから、比較的大きめサイズで形成される。下型側の載置台12の下方には、それぞれ平板状の第1ワーク受けプレート43と第2ワーク受けプレート42が設けられ、これらワーク受けプレート43、42の下側で下型基台部33の上には円盤ホルダー41とダイセットプレート40が設けられる。また、下型基台部33の下部には、所要の厚みの平板状の下型セットプレート34が設けられる。
これらの載置台12から下型セットプレート34までの各種プレート部材には、ノックアウトピン47を載置部13の底部で出没させる機構が設けられる。このノックアウトピンの出没機構は、下型セットプレート34に設けられた円環状に延長される孔35に挿入される4本の下型セットプレートピン36と、円環状の孔35に挿入されている円環押上部37と、該円環押上部37上に配設される4本のノックアウトピン38と、第2ワーク受けプレート42及び円盤ホルダー41に形成された2段階の孔61、62に挿入されて上下動する下部円盤部45と上部円盤部46の組み合わせと、上部円盤部46上に配されるノックアウトピン47とからなる。これら下型セットプレートピン36が上昇すれば、接続している円環押上部37も上昇し、この円環押上部37の上昇に連動して、ノックアウトピン38、下部円盤部45、上部円盤部46及びノックアウトピン47のそれぞれが上昇する。ノックアウトピン47が上昇すれば、プレス加工されて載置部13に嵌り込んでいるピニオンケース素材2を簡単に取り出すことができる。
このような金型構造を有する本実施形態のプレス装置1は、冷間もしくは温間加工により、精密なヘリカルギアを内歯として形成することができ、プレス加工であることから、加工時間も短く低コストでの部品供給が実現される。回転しながらプレスを行う内斜歯歯車パンチ部10を用いるため、同軸な位置関係がずれるような問題も発生せず、確実な内斜歯の形成が実現される。
次に、このような本実施形態の金型構造のプレス装置を用いて製造されるプラネタリピニオンケースの製造工程について、図2乃至図5を参照して説明する。このプラネタリピニオンケース2は、例えば自動車などの車両に使用される遊星歯車機構などに使用されるギアケースであり、円筒状の周面部の内側に内斜歯のギアがプレスで形成される構造を有している。
初めに、例えば65φ程度の丸棒鋼材から、これを図2に示すような所定の長さ、例えば100mmに丸棒の軸方向に垂直な面で切断して、所定の円柱状のピニオンケース素材3を得る。この丸棒鋼材からの切断は、ギロチンシャー若しくはノコ盤などの切断可能な装置を用いる。
次に、図3の(a)、(b)に示すように、円柱状のピニオンケース素材3を軸方向に押し縮めて、より平らな円盤形状のピニオンケース素材4を得る。この工程では、例えば熱間若しくは温間鍛造加工が行われる。熱間鍛造加工の場合には、高周波焼き入れ炉装置を用いて摂氏1250〜1350度の熱間鍛造温度域まで加熱し、或いは温間鍛造加工の場合には、同様の装置を用いて摂氏850度から900度の温間鍛造温度域まで加熱する。温間鍛造や熱間鍛造温度域まで加熱して加工を行った場合、冷間鍛造加工に比べてプレス時の圧力を10分の1程度に軽減することができる。
このような熱間若しくは温間鍛造加工の後、プレス前形状のピニオンケース素材5を得る。このプレス前形状のピニオンケース素材5について図4の(a)、(b)を参照して簡単に説明すると、例えば引き続いて熱間若しくは温間鍛造加工により円筒状の凹部5rが円盤状のピニオンケース素材5の上面中央部に大きく開口するように形成され、この開口している凹部5rの底部には、ピニオンケース素材5の底部近傍の肉を薄くした薄肉部5tを形成する溝8が設けられている。このような溝8を形成することで、上側から内斜歯歯車パンチ部10でプレス加工を行った場合に、薄肉部5tの内側にギアの下端部が塑性流動して行くことになり、予めこの部分の肉厚を薄くすることで、底面から上面まで均一な高さのギアを形成できる。
また、プレス前形状のピニオンケース素材5には、凹部5rの周囲において内側が高く、外側が低くされた断面三角形の上端部7が形成される。このような断面三角形の上端部7を予め形成することで、上側から内斜歯歯車パンチ部10でプレス加工を行った場合に、最終的には平担な上端面を有したプラネタリピニオンケースを容易に形成できる。すなわち、上側から内斜歯歯車パンチ部10でプレス加工を行った場合では、当該内斜歯歯車パンチ部10に近い側の金属部分がより下方に引っ張られて加工されることが経験則で分かっており、内斜歯歯車パンチ部10に近い側である内側を予め高くしておくことで、最終形状に近い形状でプレス加工を終えることができる。
図5の(a)、(b)を参照すると、内斜歯歯車パンチ部10を用いたプレス加工後のピニオンケース素材6を示す。このピニオンケース素材6の凹部の周面には、内斜歯歯車9が形成される。このような形状にプレス加工で形成した後、バレル研磨を行ってピニオンケース素材6に発生したバリの除去や表面の光沢出しなどを行う。さらに、ピニオンケース素材6に対して浸炭焼き入れと焼き戻しを行い、所定の浸炭深さを確保して硬さを維持する。浸炭焼き入れを行うことで、硬さと粘り強さを持たせることができ、この焼き入れにより折れたり欠けたりすることを防ぐことができる。
図6乃至図9を参照して、本実施形態のプラネタリピニオンケースのプレス装置1の動作について説明する。このプレス装置1の動作は、図4の(a)、(b)に示したプレス前形状のピニオンケース素材5をセットして、図5の(a)、(b)に示すピニオンケース素材6を製造する工程を担うものである。
図6に示すように、プレス前形状を有するピニオンケース素材2aを当該プレス装置1の下型側の載置台12の載置部13にセットする。このピニオンケース素材2aは、先に説明したように、図示しない円筒状の凹部が円盤状のピニオンケース素材2aの上面中央部に大きく開口するように形成され、この開口している凹部の底部には、ピニオンケース素材の底部近傍の肉を薄くした薄肉部を形成する、図示しない溝が設けられている。また、ピニオンケース素材2aの凹部の周囲において内側が高く、外側が低くされた断面三角形の上端部2Lも形成されている。
このようなプレス前形状を有するピニオンケース素材2aを当該プレス装置1の下型側の載置台12の載置部13にセットした後、図7に示すように、上型側を降下させて、内斜歯歯車パンチ部10の底面部をセットされているピニオンケース素材2aの上面に当接させる。このとき内斜歯歯車パンチ部10の底面側の面取り部19がピニオンケース素材2aの中央で開口する凹部の上端部に嵌合し始める。このとき上型側のストリッパー部14の底面部が下型側の載置台12の上面に当接し、さらに上型が降下することでスプリング15が収縮すると共に、内斜歯歯車パンチ部10の先端部である底面部がピニオンケース素材2aの凹部に押し込まれて行くことになる。
このように上型側を降下させていった場合には、内斜歯歯車パンチ部10の底面部がピニオンケース素材2aの凹部に押し込まれて行くが、同時に、内斜歯歯車パンチ部10の周側面部には内斜歯歯車を形成するための複数の外歯からなる内斜歯形成部11が螺旋状に延在されて突設されているため、この内斜歯形成部11の案内に従って内斜歯歯車パンチ部10自体は回転する。内斜歯歯車パンチ部10は、先に説明したように、スラスト軸受20に連結され、プレス加工における加工荷重の範囲では内斜歯歯車パンチ部10への荷重に拘わらず内斜歯歯車パンチ部10は軸中心に回転できる。従って内斜歯歯車パンチ部10は回転しながらでも、ピニオンケース素材2aを十分にプレスすることができ、所定の内歯のヘリカルギアの形成が実現される。
下死点として内斜歯歯車パンチ部10が最も下がった位置に達した時、図8に示すように、内斜歯歯車パンチ部10の底面部は、ピニオンケース素材2aを突き抜けることなく該ピニオンケース素材2aの凹部内で当該プラネタリピニオンケースの底蓋の厚みに相当する厚みの位置まで至る。このとき、ピニオンケース素材2aの凹部の薄肉部の内側にギアの下端部が塑性流動して行き、予めこの部分の肉厚が薄くされていることから、底面から上面まで均一な高さの斜歯歯車が形成される。また、上側から内斜歯歯車パンチ部10でプレス加工を行った場合において、ピニオンケース素材2aの凹部の周囲において内側が高く、外側が低くされた断面三角形の上端部2Lを予め形成していたため、当該内斜歯歯車パンチ部10に近い側の金属部分が予定通りに下方に引っ張られて加工され、最終形状に近い形状でプレス加工を終えることができる。
図9は型が開いて、プレス加工されたピニオンケース素材2fを取り出すところを示す図である。この取り出す時には、まず下型セットプレートピン36が上昇して、接続している円環押上部37も上昇し、この円環押上部37の上昇に連動して、ノックアウトピン38、下部円盤部45、上部円盤部46及びノックアウトピン47のそれぞれが上昇する。ノックアウトピン47の上昇に応じて、プレス加工されて載置部13に嵌り込んでいるピニオンケース素材2fが簡単に取り出されることになる。
このようなプレス装置1で形成されたプラネタリピニオンケースは、内斜歯歯車パンチ部10の回転しながらのプレス加工によって、プレス加工の一行程によって内斜歯歯車をピニオンケース素材に形成することができ、極めて短い時間で内歯歯車を製造できる。また、本発明のプレス装置にセットされるピニオンケース素材のプレス前形状を溝や断面三角形状の凹部周辺部を有するように工夫することで、極めて高い精度で生産性も高く部品製造を行うことができる。
1 プレス装置
2、2a、2f、3、4、5、6 ピニオンケース素材
5r 凹部
7 上端部
8 溝
9 内斜歯歯車
10 内斜歯歯車パンチ部
11 内斜歯形成部
12 載置台
13 載置部
14 ストリッパー部
15 スプリング
16 貫通孔
17 上板プレート
18 貫通孔
19 面取り部
20 スラスト軸受
21 上板部
22 下板部
23 転動体
30 上型基台部
31、32 ガイドポスト
33 下型基台部
34 下型セットプレート
35 孔
36 下型セットプレートピン
37 円環押上部
38 ノックアウトピン
40 ダイセットプレート
41 円盤ホルダー
42 第2ワーク受けプレート
43 第1ワーク受けプレート
45 下部円盤部
46 上部円盤部
47 ノックアウトピン
51 ワッシャ
52 キャップボルト
61、62 孔

Claims (6)

  1. 遊星歯車機構の内歯歯車として用いられるプラネタリピニオンケースであって、
    円筒形状のピニオンケース素材の一端面の中央に、内側が高く、外側が低くされた断面三角形の上端部を周囲に備えた凹部を形成し、該凹部の内周面をプレス加工してヘリカルギアを設け、プレス加工後には平坦な上端部を有することを特徴とするプラネタリピニオンケース。
  2. 前記凹部の内周面へのプレス加工は、周面にヘリカルギアが形成された内斜歯歯車パンチ部を前記凹部に回転させながらプレスすることで行われることを特徴とする請求項1記載のプラネタリピニオンケース。
  3. 前記プレス加工は、温間若しくは冷間の温度域で行われる加工であることを特徴とする請求項1記載のプラネタリピニオンケース。
  4. 前記凹部の底部には、塑性流動により内斜歯の一部が入り込む溝が形成されていることを特徴とする請求項1記載のプラネタリピニオンケース。
  5. 一端面の中央に、内側が高く、外側が低くされた断面三角形の上端部を周囲に備えた凹部が形成された円筒形状のピニオンケース素材を載置する載置部を有する下型に対し、回転可能支持され周面にヘリカルギアが形成された内斜歯歯車パンチ部を上型に設け、型締め動作によるプレス加工に際して前記内斜歯歯車パンチ部を前記載置に載置された前記ピニオンケース素材に対して回転させながらプレスすることで、プレス加工後には平坦な上端部を有するプラネタリピニオンケースを形成することを特徴とするプラネタリピニオンケースのプレス装置。
  6. 前記内斜歯歯車パンチ部は、スラスト軸受により回転可能に支持されることを特徴とする請求項5記載のプラネタリピニオンケースのプレス装置。
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