JP5693516B2 - 文字入力装置、情報処理装置 - Google Patents
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Description
ただし、視覚に障害を持つ視覚障害者は、タッチパネルに表示されたソフトウェアキーボードの操作キー各々の位置を確認することができないため、ソフトウェアキーボードを用いて文字入力を行うことは困難である。これに対し、例えば特許文献1及び特許文献2には、点字や指点字により文字入力を行うことのできる装置が開示されている。なお、指点字とは、視覚に障害を持った視覚障害者が同時にタッチする指の打鍵パターンで文字を表現して会話するコミュニケーション手法である。
従って、本発明は前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、視覚障害者がタッチパネルを用いて容易に文字入力を行うことのできる文字入力装置及びこれを備えた情報処理装置を提供することにある。
本発明によれば、視覚障害者は前記所定数の指で前記タッチパネルを同時に操作(タッチ)するだけで簡単に前記タッチパネルの入力モードを前記指点字モードに切り替え、前記指点字パターンに従った操作によって文字の入力を容易に行うことができる。従って、前記文字入力装置では、健常者及び視覚障害者が共に前記タッチパネルを入力手段として用いることができ、前記タッチパネルとは別に特殊な構成を有する必要がない。そのため、本発明に係る文字入力装置は、前記タッチパネルを有する既存の文字入力装置を用いて具現することができる。なお、前記所定数が6以上の数、例えば10であることにより、ユーザーの誤操作で前記タッチパネルの入力モードが前記指点字モードに切り替わることが防止される。
特に、前記入力制御手段は、前記タッチパネルの操作可能領域全体において前記所定数の多点操作の有無を判断するものであることが望ましい。これにより、視覚障害者は、前記タッチパネルの操作可能領域の予め定められた一部の操作領域に対して前記所定数の多点操作を行う場合に比べて簡単に前記指点字モードへの切り替えを行うことができる。
また、前記所定数が前記指点字パターンにおける最大同時打鍵数よりも多い数であって、前記入力制御手段が、前記所定数の多点操作が前記タッチパネルで検出される度に前記通常モードと前記指点字モードとを切り替えるものであることが考えられる。これにより、前記通常モードと前記指点字モードとの切り替えを容易に行うことができる。
なお、前記文字入力装置は、前記指点字パターンと文字との対応関係を示す指点字情報が記憶された指点字情報記憶手段を更に備えることが考えられる。この場合、前記入力制御手段は、前記指点字モードにおいて、前記タッチパネルで検出された前記指点字パターンに対応する文字を前記指点字情報に基づいて入力することが可能となる。
ところで、本発明は、前記文字入力装置を備えてなる情報処理装置の発明として捉えてもよい。このような情報処理装置では、視覚障害者の入力手段として前記タッチパネルとは別に特殊な装置を用いる必要がないため、構成が複雑にならずコストを抑制することができる。
まず、図1及び図2を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る複合機X(情報処理装置の一例)の概略構成について説明する。なお、図1(A)は前記複合機Xの正面模式断面図、図1(B)は図1(A)におけるA−A矢視図である。また、図2は、前記複合機Xの操作表示部6の要部拡大図である。
前記コンタクトガラス11は、前記画像読取部1の上面に設けられており、前記複合機Xの画像読取対象となる原稿Pが載置される透明な原稿台である。
前記読取ユニット12は、LED光源121及びミラー122を備えており、ステッピングモーター等の駆動モーターを用いた不図示の移動機構によって図1(A)における左右方向(副走査方向)へ移動可能に構成されている。そして、前記駆動モーターにより前記読取ユニット12が副走査方向に移動されると、前記LED光源121から前記コンタクトガラス11上に照射される光が副走査方向に走査される。
前記LED光源121は、図1(A)における奥行き方向(主走査方向)に沿って配列された多数の白色LEDを備えており、前記コンタクトガラス11上の読取位置12Aにある原稿P又は後述の原稿押さえ23に向けて1ライン分の白色光を照射する。なお、前記読取位置12Aは、前記読取ユニット12の副走査方向への移動に伴って副走査方向に移動する。
前記ミラー122は、前記LED光源121から前記読取位置12Aにある原稿P又は後述の原稿押さえ23に光を照射したときの反射光を前記ミラー13に向けて反射させる。そして、前記ミラー122で反射した光は、前記ミラー13、14によって前記光学レンズ15に導かれる。前記光学レンズ15は、入射した光を集光して前記CCD16に入射させる。
前記CCD16は、受光した光をその光量に応じた電気信号(電圧)に変換し、画像データとして出力する光電変換素子である。具体的に、前記CCD16は、前記LED光源121から光が照射されたときに前記原稿Pから反射した光に基づいて前記原稿Pの画像データを読み取る。前記CCD16で読み取られた画像データは前記制御部5に入力される。
前記原稿押さえ23は、前記コンタクトガラス11上の読取位置12Aの上方に原稿Pが通過できる間隔を隔てた位置に設けられている。前記原稿押さえ23は、主走査方向に長尺状を成しており、その下面(コンタクトガラス11側の面)には白色のシートが貼り付けられている。前記複合機Xでは、前記白色のシートの画像データが白色基準データとして読み取られる。そして、前記白色基準データは、周知のシェーディング補正などで用いられる。
具体的に、前記画像形成部3は、感光体ドラム31、帯電装置32、現像装置33、トナーコンテナ34、転写ローラー35、除電装置36、定着ローラー37、加圧ローラー38などを備えている。そして、前記画像形成部3では、前記給紙カセット4から供給される用紙に以下の手順で画像が形成される。
まず、前記帯電装置32によって前記感光体ドラム31が所定の電位に一様に帯電される。次に、不図示のレーザスキャナユニット(LSU)により前記感光体ドラム31の表面に画像データに基づく光が照射される。これにより、前記感光体ドラム31の表面に静電潜像が形成される。そして、前記感光体ドラム31上の静電潜像は前記現像装置33によってトナー像として現像(可視像化)される。なお、前記現像装置33には、前記トナーコンテナ34からトナー(現像剤)が補給される。続いて、前記感光体ドラム31に形成されたトナー像は前記転写ローラー35によって用紙に転写される。その後、用紙に転写されたトナー像は、その用紙が前記定着ローラー37及び前記加圧ローラー38の間を通過して排出される際に前記定着ローラー37で加熱されて溶融定着する。なお、前記感光体ドラム31の電位は前記除電装置36で除電される。
前記表示制御部60は、CPU、RAM、ROM、EEPROM等を有しており、前記操作表示部6の動作を制御する。具体的に、前記表示制御部60は、前記ROMに記憶された所定の制御プログラムを前記CPUで実行することにより、後述の文字入力制御処理(図4参照)を実行する。また、前記RAMは揮発性の記憶手段、前記EEPROMは不揮発性の記憶手段であって、前記CPUが実行する各種の処理の一時記憶メモリとして使用される。また、前記制御部5が前記表示制御部60の機能を兼ねることも他の実施形態として考えられる。なお、前記表示制御部60は、ASIC又はDSPなどの集積回路であってもよい。
また、前記操作表示部6は、図2に示すように、各種の情報を表示するタッチパネル61、及びユーザーによる各種の操作入力が行われる操作ボタン62などを有している。前記タッチパネル61は、ユーザーの操作箇所に応じた操作信号を前記表示制御部60に入力する。
ここに、前記タッチパネル61は、静電容量の変化により操作位置を検出する投影型静電容量方式のタッチパネルであって、一点及び多点の操作を検出することのできる多点検出機能(マルチタッチ機能)を有している。前記タッチパネル61は、一点又は多点の操作を検出すると、その操作位置各々を特定するための操作信号を前記表示制御部60に入力する。なお、多点検出機能を有する投影型静電容量方式のタッチパネルは周知であるため、ここではその説明を省略するが、簡単には、縦横に配置されたマトリクス状の電極パターンにおいて指が触れた箇所で生じる静電結合を操作として検出する。もちろん、前記タッチパネル61は、多点検出機能を具現することができれば静電容量型のタッチパネルに限らない。
具体的に、前記複合機Xにおいて、前記表示制御部60のROM又はEEPROMなどの不揮発性の記憶手段(指点字情報記憶手段に相当)には、前記指点字パターンと文字との対応関係を示す指点字情報が記憶されている。ここに、図3は、前記指点字情報の一例を示す図である。図3に示すように、前記指点字情報では、各文字「あ」、「い」、「う」、「え」、・・・と、指点字に従った指点字パターン(「○」が打鍵あり)とが対応付けられている。なお、前記指点字情報では、五十音の他に、濁音、半濁音、拗音(キャ、ギャなど)、特殊音(ツァ、ティなど)、記号(句読点、中点、疑問符など)、英文記号、アルファベット、数字、及び漢字などの各種の文字に対応する指点字パターンが記憶されている。
これにより、前記表示制御部60は、前記指点字情報に基づいて、前記タッチパネル61で検出された打鍵パターンに一致する指点字パターンを特定し、その指点字パターンに対応する文字を抽出することが可能である。
以下、図4のフローチャートに従って、前記操作表示部6において前記表示制御部60により実行される文字入力制御処理について説明する。なお、図4においてS1、S2、・・・は処理手順(ステップ)番号を表している。ここに、前記表示制御部60及び前記タッチパネル61が本発明に係る文字入力装置に相当し、当該文字入力制御処理を実行するときの前記表示制御部60が本発明に係る入力制御手段に相当する。なお、前記制御部5が前記表示制御部60を兼ねる場合には、前記制御部5によって当該文字入力制御処理が実行され、当該制御部5が入力制御手段に相当する。また、前記表示制御部60及び前記タッチパネル61を備え、前記複合機Xなどの情報処理装置にLANケーブル又はUSBケーブルなどで着脱可能な装置も本発明に係る文字入力装置の一例である。
当該文字入力制御処理は、前記複合機Xにおいてユーザーによる文字入力が必要になった場合に、前記制御部5からの制御指示に応じて前記表示制御部60によって実行される。具体的に、前記表示制御部60は、前記複合機Xにおいて、E−mailアドレス、画像保存フォルダ名、ログインユーザID、ログインパスワードなどの各種項目について文字入力が必要となり、その旨の制御信号を前記制御部5から受信した場合に当該文字入力制御処理を実行する。
まず、ステップS1において、前記表示制御部60は、前記タッチパネル61にソフトウェアキーボード画面D1を表示させる。なお、前記ソフトウェアキーボードの操作キー各々のレイアウトなどは前記表示制御部60のROM等に予め記憶されている。
ここに、図5(A)、(B)は、前記ソフトウェアキーボード画面D1の一例を示す図であって、図5(A)はアルファベットで文字を入力する場合、図5(B)は日本語のかな入力を行う場合に表示されるソフトウェアキーボードである。なお、当該文字入力制御処理では、前記通常モードが初期の入力モードとして選択されている場合を例に挙げて説明するが、前記複合機Xの初期設定などにおいて初期の入力モードを前記指点字モードに設定することも可能である。
ステップS2において、前記表示制御部60は、前記タッチパネル61に前記ソフトウェアキーボード画面D1が表示されている旨、即ち現在の入力モードが前記通常モードである旨をユーザーに通知する。
具体的に、前記表示制御部60は、音声、光(点滅回数)、又は振動などにより現在の入力モードが前記通常モードである旨をユーザーに通知する。例えば、音声で通知する場合には、「現在、ソフトウェアキーボード画面が表示されています」又は「現在、入力モードは通常モードです」との音声が前記複合機Xに設けられたスピーカー(不図示)から出力される。これにより、音声を聞き取ることのできる視覚障害者に現在の入力モードを把握させることができる。また、光で通知する場合には、前記複合機Xに設けられたLED(不図示)の点滅回数又は点灯色などを前記通常モードと前記指点字モードとによって変化させることにより、光を認識することのできる視覚障害者に現在の入力モードを把握させることができる。さらに、振動で通知する場合には、前記複合機Xに設けた圧電素子(不図示)の振動回数などを前記通常モードと前記指点字モードとによって変化させることにより、視覚及び聴覚の両方に障害を有する視覚障害者に現在の入力モードを把握させることができる。
その後、ステップS3において、前記表示制御部60は、前記タッチパネル61から入力される操作信号に基づいて、予め設定された10点(所定数の一例)の同時操作(以下、「切替操作」と称する)が前記タッチパネル61で検出されたか否かを判断する。具体的に、前記表示制御部60は、前記通常モードにおいて、図5(C)に示すようにユーザーの両手の10本の指が全て前記タッチパネル61に載置された場合に前記切替操作が行われたと判断することになる。このとき、前記表示制御部60は、前記タッチパネル61における検出可能領域61A全体において前記切替操作の有無を判断する。これにより、前記タッチパネル61における予め定められた位置に対して前記切替操作を行う必要がないため、視覚障害者は前記切替操作を容易に行うことができる。
ここで、前記タッチパネル61から前記切替操作が行われた旨の操作信号が入力された場合(S3のYes側)、前記表示制御部60は処理をステップS4に移行させる。一方、前記タッチパネル61から前記切替操作が行われた旨の操作信号が入力されていない場合(S3のNo側)、前記表示制御部60は処理をステップS31に移行させる。なお、本実施の形態では、10点の同時操作が検出された場合に前記切替操作が行われたと判断する場合について説明するが、その数は10点に限らず予め設定された二以上の所定数であればよい。例えば、前記ステップS3において、前記タッチパネル61で6点の同時操作が検出されたか否かを判断することが考えられる。但し、2点や3点などの同時操作を前記切替操作とすると、ユーザーによる誤操作によって偶然に前記切替操作が行われるおそれがあるため、前記切替操作における同時操作数が、指点字に用いる指の数に相当する6点以上であることが望ましい。これにより、ユーザーの誤操作により前記タッチパネル61の入力モードが前記通常モードから前記指点字モードに切り替わることが防止される。
ステップS31において、前記表示制御部60は、前記タッチパネル61から入力される操作信号に応じて、前記タッチパネル61に表示されたソフトウェアキーボードの各種の操作キーに対応する文字を入力する前記通常モードを実行する。なお、前記入力された文字は、前記ソフトウェアキーボード画面D1の文字入力欄D11(図5参照)に表示される。
そして、ステップS32において、前記表示制御部60は、前記タッチパネル61に表示されたOKキー611(図5参照)の操作の有無を判断する。ここで、前記表示制御部60は、前記OKキー611が操作されたと判断すると(S32のYes側)、処理を後述のステップS9に移行させて文字入力を確定した後、当該文字入力制御処理を終了させる。
一方、前記表示制御部60は、前記OKキー611が操作されていないと判断すると(S32のNo側)、処理を前記ステップS3に戻し、前記タッチパネル61に表示されたソフトウェアキーボードに従った文字入力を繰り返し実行する。
ステップS4において、前記表示制御部60は、前記切替操作時に前記タッチパネル61で検出された10点の操作領域各々をその操作領域ごとの位置に応じて操作者の各指に対応付けて前記RAM又は前記EEPROMなどの記憶手段に記憶する。このとき、前記表示制御部60は、前記タッチパネル61における検出箇所及びその近傍を含む所定範囲(例えば検出箇所を中心とする半径5mmの領域)の位置座標を前記操作領域として記憶させる。このように前記タッチパネル61における検出箇所の近傍の領域をも前記操作領域とすることにより、操作中におけるユーザーの各指の多少のズレが許容される。
例えば、前記ステップS4において、前記表示制御部60は、前記タッチパネル61における左右方向の位置座標に応じて前記操作領域各々をユーザーの各指に対応付ける。即ち、前記操作領域のうち最も左に位置する前記操作領域を左手の小指に対応付け、そこから順に右に位置する前記操作領域を左手の薬指、中指、人差し指、親指、右手の親指、人差し指、中指、薬指、小指にそれぞれ対応付ける。そして、前記表示制御部60は、前記指点字モードで実行される後述のステップS71において、前記操作領域各々の操作を前記操作領域各々に対応する指の打鍵操作として認識する。
ところで、前記切替操作における同時操作数が10点である場合でも、指点字パターンに使用する指は6本である。そのため、前記表示制御部60が、前記操作領域のうち最も左から2番目に位置する前記操作領域を左手の薬指、そこから順に右に位置する二つの前記操作領域を左手の中指、人差し指に対応付けると共に、最も右から2番目に位置する前記操作領域を右手の薬指、そこから順に左に位置する二つの前記操作領域を右手の中指、人差し指に対応付けることも考えられる。なお、これらの対応付けの手法は、前記切替操作における同時操作数が10点である場合に対応するものである。一方、例えば前記切替操作として判断される同時操作数が6点である場合、前記表示制御部60は、前記操作領域のうち最も左に位置する前記操作領域を左手の薬指に対応付け、そこから順に右に位置する前記操作領域を左手の中指、人差し指、右手の人差し指、中指、薬指にそれぞれ対応付ければよい。
そして、ステップS5において、前記表示制御部60は、前記タッチパネル61の入力モードを前記指点字モードに切り替え、前記タッチパネル61に指点字に従って文字を入力するための指点字画面D2を表示させる。
ここに、図6(A)は、前記指点字画面D2の一例を示す図である。なお、健常者が前記通常モード及び前記指点字モードを識別するために前記指点字画面D2を用いているが、視覚障害者が前記指点字画面D2の内容を参照することはない。そのため、前記指点字画面D2への遷移が行われず、前記ソフトウェアキーボード画面D1のまま前記指点字モードが実行されることも他の実施形態として考えられる。
ステップS6において、前記表示制御部60は、前記タッチパネル61に前記指点字画面D2が表示されている旨、即ち現在の入力モードが前記指点字モードである旨をユーザーに通知する。具体的に、前記表示制御部60は、前記ステップS2と同様に、音声、光(点滅回数)、又は振動などにより現在の入力モードが前記指点字モードである旨をユーザーに通知する。これにより、視覚障害者であるユーザーは、前記タッチパネル61の入力モードが前記指点字モードに切り替えられたことを認識することができる。例えば、音声で通知する場合には、「現在、指点字画面が表示されています」又は「現在、入力モードは指点字モードです」との音声が前記複合機Xに設けられたスピーカー(不図示)から出力される。また、光で通知する場合には、前記複合機Xに設けられたLED(不図示)の点滅回数又は点灯色などを前記通常モードと前記指点字モードとによって変化させることが考えられる。さらに、振動で通知する場合には、前記複合機Xに設けた圧電素子(不図示)の振動回数などを前記通常モードと前記指点字モードとによって変化させることが考えられる。
その後、ステップS7において、前記表示制御部60は、前記指点字情報に含まれた前記指点字パターンのいずれかに対応する打鍵操作が前記タッチパネル61に対して行われたか否かを判断する。具体的に、前記ステップS4で対応付けられた前記操作領域各々の操作を前記操作領域各々に対応する指の打鍵操作として前記指点字パターンとの一致の有無を判断する。
ここで、前記指点字パターンに対応する打鍵操作が行われたと判断すると(S7のYes側)、前記表示制御部60は、処理をステップS71に移行させる。一方、前記指点字パターンに対応する打鍵操作が行われていなければ(S7のNo側)、前記表示制御部60は、処理をステップS8に移行させる。
また、前記指点字パターンの中には、2度以上の連続した操作により一つの文字を表すものがある。例えば、拗音「きゃ」は、右手の人差し指のみで操作する指点字パターンと、左手の人差し指及び右手の薬指で操作する指点字パターンとをその順番で連続して操作することにより表される。そのため、前記ステップS7における指点字パターンの検出では、予め定められた検出間隔が経過するまでの操作が連続操作として判断される。前記検出間隔は、例えば前記複合機Xの初期設定などにおいてユーザーの前記操作表示部6の操作に応じて前記制御部5により適宜設定される。これにより、視覚障害者は、前記タッチパネル61を用いて、2度以上の連続操作によって表される文字についても入力することができる。もちろん、前記検出間隔は、前記操作時間よりも短いことが必要である。例えば、前記初期設定において前記検出間隔が前記操作時間よりも長くなる設定ができないように前記制御部5によって制御されることも考えられる。
ステップS71において、前記表示制御部60は、前記ステップS7で検出された前記指点字パターンに対応する文字を前記指点字情報に基づいて入力する。具体的に、前記表示制御部60は、前記指点字パターンに対応する文字を前記指点字情報から抽出して前記指点字画面D2の文字入力欄D21(図6参照)に入力する。その後、前記表示制御部60は処理を前記ステップS7に戻す。
ここに、図7(A)〜図7(D)は、前記指点字モードにおける文字入力の例を示す図である。具体的に、図7(A)は、前記タッチパネル61に対して左手の人差し指のみの一点操作が行われた場合であり、この場合には前記文字入力欄D21に「あ」の文字が入力される。図7(B)は、前記タッチパネル61に対して左手の人差し指及び中指の二点操作が行われた場合であり、この場合には前記文字入力欄D21に「い」の文字が入力される。図7(C)は、前記タッチパネル61に対して左手の人差し指及び右手の人差し指の二点操作が行われた場合であり、この場合には前記文字入力欄D21に「う」の文字が入力される。図7(D)は、前記タッチパネル61に対して左手の人差し指、中指及び右手の人差し指の三点操作が行われた場合であり、この場合には前記文字入力欄D21に「え」の文字が入力される。
一方、ステップS8において、前記表示制御部60は、前記タッチパネル61から入力される操作信号に基づいて、予め設定された10点の同時操作(以下、「確定操作」)が行われたか否かを判断する。具体的に、前記表示制御部60は、前記指点字モードにおいて、図6(B)に示すようにユーザーの両手の10本の指が全て前記タッチパネル61に載置された場合に前記確定操作が行われたと判断することになる。
ここで、前記タッチパネル61から前記確定操作が行われた旨の操作信号が入力されたと判断した場合(S8のYes側)、前記表示制御部60は処理をステップS9に移行させる。一方、前記タッチパネル61から前記確定操作が行われた旨の操作信号が入力されていない場合(S8のNo側)、前記表示制御部60は処理を前記ステップS7に戻す。なお、本実施の形態では、10点の同時操作が検出された場合に前記確定操作が行われたと判断する場合について説明するが、その数は10点に限らず前記指点字パターンにおける最大同時打鍵数よりも多い予め設定された所定数であればよい。例えば指点字では、6点が最大同時打鍵数であるため、前記所定数は6点よりも多い数であればよい。
これにより、前記ステップS8において前記確定操作が行われたと判断するまでの間は(S8のNo側)、前記表示制御部60により前記タッチパネル61に対する指点字パターンに従った文字入力(S71)が繰り返し実行される。
そして、ステップS9において、前記表示制御部60は、前記通常モード又は前記指点字モードにおける文字入力を確定させ、当該文字入力制御処理を終了させる。具体的に、前記表示制御部60は、前記通常モード又は前記指点字モードで入力された文字を前記制御部5に入力することにより、前記制御部5からの制御指示に従って前記タッチパネル61に次の処理画面を表示させる。例えば、次の処理画面は、E−mailの送信確認画面、画像読取開始の操作画面、ログイン後の表示画面などである。なお、その後、前記制御部5は、ユーザーによる前記タッチパネル61又は前記操作ボタン62のスタートキーなどの操作に応じてE−mailの送信又は画像読取処理などを実行する。
前記実施形態では、前記文字入力制御処理の前記ステップS8において、前記表示制御部60が、10点同時検出を条件に(S8のYes側)、文字入力を確定する場合について説明した。一方、前記文字入力制御処理の前記ステップS8において、前記表示制御部60が前記操作ボタン62に設けられた所定の確定キーなどの操作を前記確定操作として処理することも他の実施形態として考えられる。
この場合には、前記表示制御部60が、前記タッチパネル61への10点同時操作が行われる度に前記通常モードと前記指点字モードとを切り替えることが考えられる。即ち、前記表示制御部60は、前記通常モードにおいて、前記タッチパネル61への10点同時操作が行われた場合に前記タッチパネル61の入力モードを前記指点字モードに切り替え、前記指点字モードにおいて、前記タッチパネル61への10点同時操作が行われた場合に前記タッチパネル61の入力モードを前記通常モードに切り替える。これにより、ユーザーは、前記通常モードと前記指点字モードとの切り替えを容易に行うことができる。
この場合、前記表示制御部60は、前記指点字モードで実行される前記ステップS7の前段において、前記圧電素子により前記タッチパネル61に所定量の撓みが検出されたか否かを判断し、その所定量の撓みが検出されたことを条件に前記ステップS7を実行することが考えられる。なお、前記タッチパネル61の撓みが検出されていない間は処理が前記ステップS7の前段で待機される。
これにより、視覚障害者が前記指点字パターンの操作の意思を持って前記タッチパネル61を指で押下したときにのみ前記指点字パターンの操作又は前記確定操作の有無を判断することができる。そのため、視覚障害者は、両手の指を前記タッチパネル61に軽く載置し、文字入力するときだけその文字に対応する前記指点字パターンに不要な指を浮かせて必要な指のみで前記タッチパネル61を押下することで文字入力を行うことができる。
従って、常に両手を前記タッチパネル61から浮かせた状態で操作する必要がないため、視覚障害者による操作の負担を軽減することができる。また、前記タッチパネル61に対する視覚障害者の両手の各指の位置がずれにくくなるため、前記ステップS4で設定された各操作領域と各指との対応関係に従って正確に文字を入力することができる。さらに、前記表示制御部60が、前記圧電素子に電圧を印加して振動させることにより前記ステップS2及び前記ステップS6における通知を行うことも可能である。
なお、前記タッチパネル61が、複数の操作領域の押下力を個別に検出することができる機能を有する場合には、前記表示制御部60は、前記機能を利用して前記操作領域のうち所定量の押下力が作用した箇所のみを対象に前記指点字パターンの操作又は前記確定操作の有無を判断することが考えられる。例えば、前記タッチパネル61の背面に多数の圧電素子を配置することにより、前記操作領域ごとの押下力を検出することが考えられる。これにより、視覚障害者は、両手の指を前記タッチパネル61に載置した状態で、前記指点字パターンに必要な指のみに力を入れて前記タッチパネル61を押下することにより文字を入力することができる。
2 :ADF
3 :画像形成部
4 :給紙カセット
5 :制御部
6 :操作表示部
60:表示制御部
61:タッチパネル
61A:操作可能領域
62:操作ボタン
D1:ソフトウェアキーボード画面
D11:文字入力欄
D2:指点字画面
D21:文字入力欄
S1、S2、・・・:処理手順(ステップ)番号
X :複合機
Claims (9)
- 多点操作を検出する多点検出機能を有するタッチパネルと、前記タッチパネルに表示される操作キーの操作に応じて文字を入力する通常モード、及び前記タッチパネルに対する予め定められた指点字パターンに従った操作に応じて文字を入力する指点字モードを実行する入力制御手段と、を備えてなり、
前記入力制御手段が、前記通常モードにおいて、予め設定された所定数の多点操作が前記タッチパネルで検出された場合に前記通常モードから前記指点字モードに切り替えることを特徴とする文字入力装置。 - 前記入力制御手段が、前記所定数の多点操作時に前記タッチパネルで検出された操作領域各々を前記操作領域ごとの位置に応じて操作者の各指に対応付けると共に、前記指点字モードにおいて、前記操作領域各々の操作を前記操作領域各々に対応する指の打鍵操作として前記指点字パターンに対応する文字を入力するものである請求項1に記載の文字入力装置。
- 前記入力制御手段は、前記タッチパネルの操作可能領域全体において前記所定数の多点操作の有無を判断するものである請求項1又は2のいずれかに記載の文字入力装置。
- 前記所定数が前記指点字パターンにおける最大同時打鍵数よりも多い数であって、
前記入力制御手段が、前記所定数の多点操作が前記タッチパネルで検出される度に前記通常モードと前記指点字モードとを切り替えるものである請求項1〜3のいずれかに記載の文字入力装置。 - 前記タッチパネルは、静電容量の変化により操作位置を検出する投影型静電容量方式のタッチパネルである請求項1〜4のいずれかに記載の文字入力装置。
- 前記所定数が6以上の数である請求項1〜5のいずれかに記載の文字入力装置。
- 前記所定数が10である請求項6に記載の文字入力装置。
- 前記指点字パターンと文字との対応関係を示す指点字情報が記憶された指点字情報記憶手段を更に備えてなり、
前記入力制御手段が、前記指点字モードにおいて、前記タッチパネルで検出された前記指点字パターンに対応する文字を前記指点字情報に基づいて入力するものである請求項1〜7のいずれかに記載の文字入力装置。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の文字入力装置を備えてなる情報処理装置。
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