JP5693219B2 - 地熱エネルギーシステムおよび作動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地熱エネルギーシステムおよび地熱エネルギーシステムの作動方法に関する。
一世紀以上の間、世界中で発電および直接加熱のために様々な形態で地熱エネルギーを利用してきた。概して、米国西部、アイスランドまたはフィリピンなど、高エンタルピー資源の岩石が地表に比較的近接しているか、または地表に位置している火山活動地域にこれらの設備を設置されてきた。加熱、冷却および熱エネルギー貯蔵のために、例えば低温ターボ発電機の適用、および地中熱源ヒートポンプ(GSHP)を使用した数十年来の低エンタルピー地熱資源の開発はあまりよく知られていないが、重要性を増している。
関連する基本原理は、地表下約10メートルよりも深い地層における安定した温度条件の利用である。この安定性は、地球の質量および地球の溶融核で生じる地熱流に由来する。地球の溶融核は原子核崩壊によって維持されるので、この熱流は実際的な全ての目的において再生可能であり、無制限である。地中に挿入し、地表で(単動式または可逆式構成の)ヒートポンプに連結した管状の熱交換器によって、地層は、制御条件下で、熱移動媒体として作動流体を利用して大量の熱エネルギーを供給、吸収または蓄積することができる。
それぞれ地中に設置した1個以上のボアホール熱交換器(BHE)をヒートポンプ(HP)に連結することによって、建造物を加熱するために低温の地熱エネルギーを抽出することが既知である。このシステムは、地中と建造物の内部空間との間で作動する可逆的冷凍サイクルを適用する。閉回路または開回路で作動流体を使用できる種々の専門装置が既知である。このようなシステム及び方法は、「地中熱源ヒートポンプ(GSHP)」技術を備えるものとして既知である。
地熱エネルギーシステムは長年にわたって使用されてきた。2006年までに世界中に2百万基近くの装置が、主に小さい家庭用住居にサービスを提供するために存在していた。
ヒートポンプならびに関連した加熱/冷却エネルギー供給および管理システムの基本的な改良とは別に、過去25年間にボアホール熱交換器(BHE)の設計および作動に多くの研究が行われてきた。BHEは、その建設コストおよび熱効率が設備の経済的な性能に主要な影響を及ぼすので、GSJP設備の重要な構成要素である。開ループまたは閉ループモードで作動する水平型および垂直型設計の両方を含めて、BHEの幾つかの基本型はこの期間にわたって開発されてきた。
開ループシステムは、地表下の帯水層であれ、または湖もしくは川であれ、概して水源からの地下水の汲み上げに依存し、この水をヒートポンプに通過させる。続いて、水を表層で廃棄するか、または汲み上げボアホールから所定の距離をおいて配置した専用の第2ボアホールを通して帯水層に再注入して戻す。これらのシステムは熱エネルギー伝達に関して本質的に極めて効率的であるが、腐食および維持管理費用を最小限とするためには大規模な措置とらなければならない。また地下水を汲み上げ、この後これを地域環境に堆積させるので、概して極めて厳しい環境計画規制の対象となる。
こうした理由から閉ループシステムが好ましい。
典型的な水平型BHE設計は、地表下約1メートルの長溝に埋設した小径のプラスチック管(いわば「スリンキー」)のコイルから作製した閉ループを利用する。この場合、低コストが動機となっており、必要な土地面積を利用できる場合には、溝の直線的な1m当たりピーク電力送電能力の比で測定した合理的な熱効率を達成することができる。スリンキーは、概して20〜70W/mの範囲で機能する。
しかし、頻繁に起こるように、とりわけ必要な土地面積が利用できない場合、特に大容量のシステムが指定される場合には幾つかの制限が生じる。
また地表下わずか1メートルほどに位置するので、水平型BHEは、地表環境条件の影響を受けやすく、特に夏に建物冷却系からの熱を遮断するために用いる場合、性能低下が生じる場合もある。しかし、スリンキーシステムは、熱源が水塊、例えば湖または河である場合の特別な用途を有する。
都合のよいことに、垂直型BHEは、建設アクセスおよび最終的な設置のために極わずかな表面積しか必要としない。北米、また広範囲にヨーロッパでは、数10メートルから数100メートルの深さにわたるボアホールに内に設置し、通常はグラウト材で固定したU字管を備える垂直BHEは、主に構造簡単で比較的低コストであるという理由で、最も好ましい選択肢として出現した。これらBHEの熱的性能は、スリンキーシステムに匹敵し、出力送電率は、再び20〜70W/mの範囲である。
ボアホールのより高い温度安定性から得られる利点にもかかわらず、この設計の制限因子は比較的高い熱抵抗である。この高い熱抵抗は、外側ケーシングの外側および内側に使用するグラウト材の熱伝導性が乏しいこと、U字管の小さい表面積ならびにボアホール壁とU字管との間の間隔に起因する。
U字管設計におけるバリエーションとしては、二重U字管、および、グラウト材を充填するのではなく、地下水を充填することができるボアホールにU字管を懸垂した「直立カラム」の構成がある。直立カラム型の設計はより低コストで構築でき、グラウト材で固定したU字管よりも効率が高い傾向があるが、不浸透性の硬い岩盤層が存在する地域(例えばボアホールの安定性および環境規制の理由から、スカンジナビア等)に基本的に限定される。明らかな単純性により、U字管設計は、今日まで長年にわたりGSHP産業の規範として広く受け入れられてきた。結果として、膨大な研究開発が、システムデザイナーおよびプランナーが広範囲かつ安価に利用できる過剰なほどの専用ソフトウェアおよびハードウェアを有するU字管設計に集中した。
垂直型BHEの他の実施形態としては、「同軸」または「同心」構成として様々なものが既知である。その基本形態はチューブ・イン・チューブ構成である。このチューブ・イン・チューブ装置は、ボアホール壁を整列させ、支持するために用いる外側の円筒形ケーシングを備え、この円筒形ケーシング内に、ボアホールの底部から短い距離をおいて開放端を配置するように懸垂した小径の適合管を設置する。
理想的には、内側管を外側ケーシングの孔内にセンタリング(心出し)してBHEの熱流および液圧流の最適化を容易にする。このとき、設計時の配慮に応じて、内側管を通って下方へ、そして内側管と外側ケーシングとの間の円環空間を通って上方へ水を循環させることによって閉ループを形成するか、またはその逆とする。円環空間内の水流への熱伝導により熱移動を行い、外側ケーシングにより得られる水と地層とのより大きい効率的な接触面によって効率を得て、液圧条件を最適化する。
GSHP産業は現在までに同軸構成を広範囲には受け入れていない。その理由としては、U字管デザインに比べて初期費用が高く、また構成が複雑であるという認識がある。歴史的には、これまでもっぱら、GSHP市場に気づいておらず、不適当な価格構成および革新性を欠いたオイル、ガスおよび水井戸掘削請負業者によって、限られた数の同軸設備が建設されてきただけであった。
結果として、同軸システムに関する研究開発は、過去にはGSHP産業の支持下で比較的わずかにしか行われていない。しかしながら、大容量のGSHP設備の必要性にかなうBHEのより高い効率に向かう潮流により、いま状況は変化している。結果として、同軸設計固有の利点に注目が高まっている。同軸設計を同じ理由で支持する大規模な地熱の蓄熱用途に関する相当数の研究もこれを部分的に推進されている。現在まで、概して大規模な設備への垂直型BHEの適用は、従来の水井戸掘削器具を利用して概して50〜200mの深さまで掘削し、U字管により完成させた数10個または数100個のボアホールを備えた大規模なアレイの形態で行ってきた。
熱的相互作用を回避するためにボアホール間の間隔を最小限に維持する必要があるので、必要な表面積がかなり大きい場合もある。上述の理由で、この設計方法における全体的な掘削および作動効率は低い。
過去25年間で多数のBHEの設計が存在した。大多数の閉回路のGSHP装置は、垂直型BHEのために2つの主要な実用的設計を利用しており、第1の設計は、いわゆるU字管(概して可撓性プラスチック管のループ)であり、第2の設計は、同軸(チューブ・イン・チューブ)設計である。同軸設計は、より熱効率の良い幾何学配置を有することで知られているが、設置に際し大型機器を必要とするため、大多数の設置者にとってはむしろ実用的ではない。しかしながら、工業規模プロジェクトでは同軸設計を支持する場合もある。これら両タイプのBHEには、作動流体(概して不凍液を含む水)を充填する。
現在の標準的実施としては、数10個または数100個もの浅い(例えば100m)ボアホールを掘削する(「U字管」)か、または数100平方メートルにわたる浅い(1〜2m)溝に数キロメートルのプラスチック配管を設置する(「スリンキー」)ことを行う。現行実施に起因するコスト、不便さ、および使用可能な土地面積の減少が、特に英国の地熱エネルギー用途の成長にとって障害となっている。
最近では、大規模な加熱/冷却必要性を有し、多数のU字管、例えば6000個までのBHEの設置を要求するBHE設備が建設されてきた。U字管タイプの各BHEカラムは、相互の熱干渉を制限するために、隣接したBHEから少なくとも4メートルの距離だけ離間させる必要がある。同軸幾何学的配置のBHEにおける熱効率を増大させるためには、BHE間の相互間隔をさらに大きくする必要がある。したがって、工業規模または商業建造物のためのBHE設備はいずれのタイプのものであっても、必要な相互間隔をおいて必要なBHEを全て設置するために数エーカーまたは数ヘクタールもの利用可能な隣接する土地を必要とする場合もある。
全てのタイプの多数の垂直型BHEも、地中のあらかじめ規定された深さに相互に平行設置することが既知である。BHEの垂直方向長さの近傍は、それぞれのBHEの効果的熱エネルギー伝達を低下させるいわゆる「干渉損失」を生じ、これにより設備全体の熱効率を低下させる。
英国特許第1496075号明細書 日本国特許9−60985号公報 英国特許第2045909号明細書 国際公開第82/02935号パンフレット 独国特許第3048870号明細書 独国特許第3114262号明細書 日本国特許第57−58024号公報 仏国特許第2456919号明細書 欧州特許第1048820号明細書 国際公開第2007/097701号パンフレット 英国特許第2434200号明細書 仏国特許第2817024号明細書 欧州特許第1808570号明細書 国際公開第03/069240号パンフレット 米国特許第4134462号明細書
実際の建物に対して熱エネルギーを収集または分配するためのBHE設備のために表面集熱システムを設ける。このような表面集熱システムは、地中熱移動プロセスのために設けた垂直管全長に加えて、100%までもの追加の管長さにより構成することができる。この追加の表面配管によって、一定の作動損失、例えば熱エネルギー損失および圧力損失が生じる。これにより、作動損失を補償するための付加的な電気エネルギーならびに拡張した表面集熱システムのために増大した建設費および保守点検費用が必要となる。このことは、長い間、大規模なGSHP設備の制限因子であった。
本発明は、少なくとも1個のボアホール熱交換器を備える地熱エネルギーシステムを提供し、この地熱エネルギーシステムにおいて、少なくとも1個のボアホール熱交換器が作動流体を含み、閉鎖した底端部を有する細長い管を備え、この細長い管は底端部で相互接続した隣接する細長い同軸状の第1導管および第2導管を備え、第1導管は管状であり、第1導管を環状の第2導管が包囲するものとし、少なくとも1個のボアホール熱交換器が、垂線に対して3〜95゜の角度で傾斜した向きで延在する主要部有する該少なくとも1個のボアホール熱交換器と、正または負の熱需要に基づいて、熱需要に対応するようボアホール熱交換器のそれぞれの第1導管および第2導管に関して、熱需要に対応するよう選択した方向に、少なくとも1個のボアホール熱交換器を経て作動流体を選択的にポンプ送給するように構成したポンプとを備える。
好ましくは、少なくとも一個のボアホール熱交換器は、垂線に対して10〜90゜未満の平均傾斜を有する主要部を備える。
より好ましくは、少なくとも一個のボアホール熱交換器は、垂線に対して30〜60゜の平均傾斜を有する主要部を備える。
さらに好ましくは、少なくとも一個のボアホール熱交換器は、垂線に対して約45゜の平均傾斜を有する主要部を備える。
随意に、少なくとも幾つかのボアホール熱交換器は、垂線に対して3〜45゜、より典型的には5〜20゜の傾斜を有するそれぞれ少なくとも1つの傾斜した最上部を備え、このような傾斜した最上部は、アレイの表面下ゾーンにおける隣接する傾斜した最上部から分散する。
随意に、幾つかのボアホール熱交換器は、それぞれ垂線に対して変化する傾斜を有し、傾斜が変化するボアホール熱交換器は、線形の最上部の下方に、傾斜が次第に変化する少なくとも1つの部分または相互に傾斜した少なくとも2つの部分を有している。これにより、最初の表面下ゾーンの下方でボアホール熱交換器の主要長さに沿ったボアホールの傾斜に変化が生じる。
好ましくは、各ボアホール熱交換器の長さの大部分は、他のボアホール熱交換器から相互に離間しており、これにより、他のボアホール熱交換器から熱的に独立している。
好ましくは、各ボアホール熱交換器の長さの大部分は、少なくとも4メートルの距離をおいて、他のボアホール熱交換器から相互に離間させる。
好ましくは、複数のボアホール熱交換器のうち少なくとも1個のボアホール熱交換器の垂直方向深さを、少なくとも5メートル、より好ましくは少なくとも10メートルとする。
好ましくは、複数のボアホール熱交換器のうち少なくとも1個のボアホール熱交換器の垂直方向深さを、少なくとも100メートルとする。
また本発明は、複数のボアホール熱交換器を備える地熱エネルギーシステムを提供し、この地熱エネルギーシステムにおいて、各ボアホール熱交換器が作動流体を含み、閉鎖した底端部を有する細長い管を備え、少なくとも1個の第1ボアホール熱交換器が、ほぼ垂直方向に延在する主要部を有し、少なくとも1個の第2ボアホール熱交換器がほぼ水平方向に延在する主要部を有し、少なくとも1個の第3ボアホール熱交換器が、ほぼ傾斜した方向に延在する主要部を有し、少なくとも1個の第1ボアホール熱交換器、少なくとも1個の第2ボアホール熱交換器および少なくとも1個の第3ボアホール熱交換器のそれぞれ、またはこれらのそれぞれのグループは、それぞれのボアホール熱交換器またはグループを経る作動流体を選択的にポンプ送給するための作動流体用のポンプに個別に選択的に接続可能とする。
好ましくは、各細長い管は、底端部で相互接続した隣接する細長い第1導管および第2導管を有し、第1導管は管状であり、第1導管を環状の第2導管が包囲するものとし、また各細長い管は、複数のボアホール熱交換器を接続した、作動流体のためのマニホルドを有するものとする。
好ましくは、複数のボアホール熱交換器は、それぞれこれら複数のボアホール熱交換器のうち、他の任意なボアホール熱交換器に選択的に接続可能とする。
好ましくは、それぞれのボアホール熱交換器のそれぞれ選択した方向に、選択した1個以上のボアホール熱交換器を経て作動流体を選択的に通過させるマニホルドを配置する。
好ましくは、複数のボアホール熱交換器は、細長い管の中央表面アセンブリから地中に下方および側方に延在させて、複数のボアホール熱交換器を包囲する地熱エネルギーシステムの地中容積を規定し、中央表面アセンブリの土地占有面積は、地熱エネルギーシステムの地中容積の土地占有面積の10%未満とする。
好ましくは、中央表面アセンブリの土地占有面積は、地熱エネルギーシステムの地中容積の土地占有面積の5%未満とする。
好ましくは、中央表面アセンブリは剛性パッドを備え、この剛性パッドにボアホール熱交換器の上端部を固定する。
さらに本発明は、複数のボアホール熱交換器を備え、各ボアホール熱交換器が作動流体を含み、また閉鎖した底端部を有する細長い管を備える地熱エネルギーシステムの作動方法を提供し、この作動方法は、
少なくとも1個の第1ボアホール熱交換器を加熱源として、かつ少なくとも1個の第2ボアホール熱交換器をヒートシンクとして選択的に使用するステップを有する。
好ましくは、少なくとも1個の第1ボアホール熱交換器は、ほぼ垂直方向に延在する主要部を有し、少なくとも1個の第2ボアホール熱交換器は、ほぼ水平方向に延在する主要部を有する。
好ましくは、少なくとも1個の第1ボアホール熱交換器、および少なくとも1個第2ボアホール熱交換器は、ほぼ傾斜した向きに延在する主要部を有する。
好ましくは、各細長い管は、底端部で相互接続した隣接する細長い第1導管および第2導管を有し、第1導管は管状であり、第1導管を環状の第2導管が包囲するものとし、またボアホール熱交換器を作動流体のためのマニホルドに接続する。
好ましくは、複数のボアホール熱交換器は、それぞれ、これら複数のボアホール熱交換器のうち、他の任意なボアホール熱交換器に、マニホルドに接続した弁によって選択的に接続可能とする。
好ましくは、それぞれのボアホール熱交換器のそれぞれ選択した方向に、選択した1個以上のボアホール熱交換器を経て作動流体を選択的に通過させるマニホルドを配置する。
さらに本発明は、各ボアホール熱交換器が作動流体を含み、また閉鎖した底部を有する細長い管を備える複数のボアホール熱交換器と、複数のボアホール熱交換器を接続した、作動流体のためのマニホルドと、複数のボアホール熱交換器とマニホルドとの間を接続する複数の弁とを備える地熱エネルギーシステムの作動方法を提供し、この作動方法は、
熱サイフォン流を選択的に利用して、作動流体を少なくとも1個の第1ボアホール熱交換器から少なくとも1個の第2ボアホール熱交換器に分配し、これにより、複数の熱交換器内に熱エネルギーを再分配するステップを有する。
さらに本発明は、少なくとも1個のボアホール熱交換器を備える地熱システムの作動方法を提供し、この地熱システムは、各ボアホール熱交換器が作動流体を含み、また閉鎖した底端部を有する細長い管を備え、この細長い管は底端部で相互接続した隣接する細長い同軸状の第1導管および第2導管とを備え、第1導管は管状であり、第1導管を環状の第2導管が包囲するものとし、少なくとも1個のボアホール熱交換器が、垂線に対して3〜95゜の角度で傾斜した向きに延在する主要部を有するものとし、該作動方法は、
少なくとも1個のボアホール熱交換器を通る作動流体を、正または負の熱需要基づいて、熱需要に対応するボアホール熱交換器の第1導管および第2導管に関して、熱需要に対応するよう選択した方向に選択的にポンプ送給するステップをする。
特に本発明の好ましい実施形態は、限られた表面空間から1個以上のボアホール熱交換器を地層内に延在させる方法および装置に関し、低エンタルピー地熱エネルギーを大規模に採取し、また熱エネルギー蓄積手段として地層を利用して工業的規模の過剰エネルギーを選択的に注入することの。
本発明の好ましい実施形態は、低エンタルピーの地熱エネルギー蓄積および回収施設を提供することができ、この施設は既存および新たに建設した建物設備システムに正確に適合させることができ、この建物設備システムは、工業規模またはコミュニティに基づく規模の広範囲にわたる建物に対する空間加熱、冷却、換気および温水サービスを、極めて高い効率で、低炭素排出およびコンパクトな表面占有面積で行う。さらに経時的に加熱および冷却する関連建物必要条件に応じて、設備を熱エネルギー源、シンクまたは蓄積手段として、主に、また選択的に作動させることができる。
システム内に複数の閉ループボアホール熱交換器を設け、このシステムにより、(a)任意のボアホール熱交換器で選択した方向に流体の流れを生じさせることができ、および/または(b)複数のボアホール熱交換器のうちどのボアホール熱交換器を作動させることができるかを選択する、もしくは当該ボアホール熱交換器を選択した流れ方向に作動することができるかを選択し、および/または(c)複数の閉ループ熱交換器のうち、所定の単一のボアホール熱交換器および/または複数のボアホール熱交換器内に異なる傾斜を設けることができるようにすることで、熱エネルギー源、シンク、蓄積手段を選択的に構築することのできる、極めて多様性がありエネルギー効率の良い、制御可能な温度特性を有するシステムを提供する。
この設備は、利用可能なエネルギーを保存するように、隣接する建物と設備との間の効率的な熱エネルギー交換を提供することもできる。さらにこの設備は、付加的な熱エネルギー源またはシンク、例えば表面下帯水層、隣接する貯水器または水ポンプ送給システムを備えるものとすることができ、他の再生可能エネルギー源および他の加熱または冷却負荷と容易に組み合わせ、さらに全体的な炭素排出を低減することができる。
多数の従来技術文献が熱エネルギーシステムの多用な実施態様を開示している。しかしながら、これらの開示システムおよびシステムの作動方法は、多くの技術的制限を有している。
例えば、特許文献1(英国特許第1496075号(エルダ・エナジー))は、温かい流体をリザーバに汲み上げる開放式地熱井戸を開示する図1〜図4を含む。井戸は弁により個別に開放することができる。しかし、熱交換器は存在しない。これはボアホール熱交換器を組み込んだ閉ループシステムではない。図5および図6はボアホール熱交換器を開示している。しかし、このシステムは、流体を一方向にしか流すことができないので、用途に著しい制限がある。またこれらの熱交換器は同じ傾斜を有し、表面アセンブリは比較的大きい土地占有面積を有している。正または負の熱需要に応じた熱交換器の選択についての開示はない。開示している装置は熱源であり、少なくとも1個の第1ボアホール熱交換器を熱源として、かつ少なくとも1個の第2ボアホール熱交換器をヒートシンクとして選択的に使用することに関する開示はない。この文献は、複数のボアホール熱交換器内に熱エネルギーを再分配することについては開示していない。
特許文献2(日本国特許9−60985号(スザワ))は、熱交換器を利用して、地熱を回収して建物を加熱する、または建物から熱を除去するというよりも、例えば雪を溶かすための放熱システムを開示している。地熱エネルギーを回収するための熱交換器は地中に垂直方向に設置している。これらの熱交換器は、水平方向に放射状に設けた管にエネルギーを放出する。弁によって熱交換器を相互接続しているが、しかしながら、弁により導管をマニホルドに選択的に接続することができ、これにより、それぞれのボアホール熱交換器を通る流体の流れ方向を切り換えることによって選択的に加熱または冷却モードで各ボアホール熱交換器を所望の程度に個別に駆動できることに関する開示はない。また熱交換器は同じ傾斜を有し、表面アセンブリは比較的大きい土地占有面積を有している。
特許文献3(英国特許第2045909号(シュミット))は、同軸ボアホール熱交換器を単一の流れ方向に駆動するヒートポンプ設備を開示している。複数の同軸熱交換器が半球状の星形のアレイで異なる一定の傾斜で位置している。管は不均一な直線状で短い。正または負の熱需要に応じて、異なる方向に配向した熱交換器を選択的に接続するために異なる方向に選択的にポンピングすることに関する開示はない。この特許文献3に開示されている装置は熱源であり、少なくとも1個の第1ボアホール熱交換器を熱源として、かつ少なくとも1個の第2ボアホール熱交換器をヒートシンクとして選択的に使用することに関する開示はない。
特許文献4(国際公開第82/02935号(ジョウヴィー))、特許文献5(ドイツ国特許第3048870号(ノイマン))、特許文献6(独国特許第3114262号(ヴェルテ))および特許文献7(日本国特許第57−58024号公報(ミサワ))は、同様に熱源としての地熱ヒートポンプ設備を開示しており、この地熱ヒートポンプ設備では、放射状または星状のアレイの不均一に直線状の短いボアホール熱交換器を単一の流れ方向に駆動する。
特許文献8(仏国特許第2456919号(スヴェンスカ・フラクトファブリーケン))は、放射状に傾斜した管のアレイを有する地熱システムを開示している。同様に熱交換器は同じ傾斜を有し、表面アセンブリは比較的大きい土地占有面積を有している。吸収装置は、地中から熱を回収し、熱を地中に伝達するために作動することもできるが、作動流体のためには単一の回路しかなく、したがって、1個の熱交換器が熱源の役割を果たし、かつ同時に別の熱交換器がヒートシンクとしての役割を果たすことができ、これにより、一方から他方へ熱を伝達することについての開示はない。それ故、少なくとも1個の第1ボアホール熱交換器を熱源として、かつ少なくとも1個の第2ボアホール熱交換器をヒートシンクとして選択的に使用することに関する開示はない。
特許文献9(欧州特許第1048820号(フローテックス))は、単一の地中ステーションに関連した単一の垂直管または2つの地中ステーションの間に延在する単一の管にランダムに相互接続した管系を備える地熱システムを開示している。表面アセンブリは比較的大きい土地占有面積を有する。複数の熱交換器のための複数の配向に関する開示はない。
特許文献10(国際公開第2007/097701号(SEEC))は、制御ギアを有する加熱/冷却装置を開示している。この制御ギアは、弁を制御して、建物の温度特性には関係なしに内部循環および外部循環する複数のボアホール熱交換器内に作動流体を案内する。この制御ギアは、補給モード(ヒートシンク)または採取モード(熱源)のいずれかで複数のボアホール熱交換器内に作動流体を分配するが、1個の熱交換器が熱源としての役割を果たし、同時に別の熱交換器がヒートシンクとしての役割を果たし、これにより、一方から他方へ熱を伝達することに関する開示はない。したがって、少なくとも1個の第1ボアホール熱交換器を熱源として、かつ少なくとも1個の第2ボアホール熱交換器をヒートシンクとして選択的に使用することに関する開示はない。
特許文献11(英国特許第2434200号(ロクスベリー))は、地熱エネルギーシステムのための熱交換器を開示しているが、この熱交換器は建物の温度特性に応じて複数のボアホール熱交換器内に作動流体を分配するための制御モジュールを有してない。この熱交換器は、少なくとも1個の第1ボアホール熱交換器を熱源として、かつ少なくとも1個の第2ボアホール熱交換器をヒートシンクとして選択的に使用して、複数のボアホール熱交換器内に作動流体を分配するための制御モードを有していない。
特許文献12(仏国特許第2817024号(ソルテルム))は、角度付き区画を形成するアレイに一定の傾斜で複数の同軸熱交換器を有する地熱システムを開示している。管は均一に直線状であり、短い。ボアホール深さ、1つのボアホールの傾斜を変化させること、または熱回収を制御するために個別に制御可能な異なるボアホールの変化する傾斜に関する開示もない。正または負の熱需要に応じて異なる方向に選択的にポンプ送給することに関する開示はない。一方向の流れ方向のみを示しているだけである。ヒートポンプを選択的に加熱モードまたはその逆で作動できると記載しているが、熱交換器を通って順方向および逆方向にポンピングすることに関する開示はない。
特許文献13(欧州特許第1808570号(ソイルメック))は、初期の垂直方向部分からの初期の放射状部分を除いては、水平方向からわずかに一定に傾斜した同軸ボアホール熱交換器を有する地熱システムを開示している。ボアホールの深さ、1つのボアホールの傾斜を変化させること、または熱回収を制御するために個別に制御可能な異なるボアホールの変化する傾斜に関する開示はない。正または負の熱需要に応じて異なる方向に選択的にポンピングする方法に関する開示もない。図1および図2のクローズドシステムに関して一方向の流れ方向のみを示している。しかし、図3および図4に関しては、流れ方向を逆転させることができることを記載しているが、これは外側の環状導管から岩盤内に流体を放出するためのオープンシステムにおいてのみである。
特許文献14(国際公開第03/069240号(ボバスミル))は、単一の地熱源を含み、選択的にヒートシンクまたは熱源としての役割を果たすことができる複合的な加熱および冷却ユニットを開示している。しかしながら、複数のボアホール熱交換器を設け、1個の熱交換器が熱源としての役割を果たし、同時に別の熱交換器がヒートシンクとしての役割を果たし、これにより、一方から他方へ熱を伝達することに関する開示はない。したがって、少なくとも1個の第1ボアホール熱交換器を熱源として、かつ少なくとも1個の第2ボアホール熱交換器をヒートシンクとして選択的に使用することに関する開示はない。
特許文献15(米国特許第4134462号(クレイ))は、熱源としての役割を果たす地熱回収システムを開示している。この文献は、複数のボアホール熱交換器内に熱エネルギーを分配することに関しては記載していない。
本発明の第1実施形態による地熱エネルギーシステムにおけるボアホール熱交換器のアレイの概略斜視図である。 本発明の第2実施形態による地熱エネルギーシステムにおけるボアホール熱交換器のアレイの概略斜視図である。 本発明の第3実施形態による地熱エネルギーシステムにおけるボアホール熱交換器のアレイの概略斜視図である。 本発明の第4実施形態による地熱エネルギーシステムにおけるボアホール熱交換器のアレイの概略斜視図である。 本発明の第5実施形態による地熱エネルギーシステムにおけるボアホール熱交換器のアレイの概略斜視図である。 本発明の第6実施形態による地熱エネルギーシステムにおけるボアホール熱交換器のアレイの概略平面図である。 本発明の第7実施形態による地熱エネルギーシステムにおけるボアホール熱交換器のアレイの概略平面図である。 本発明の第8実施形態による地熱エネルギーシステムの表面アセンブリの土地占有面積と地中容積における土地占有面積との関係を示す概略平面図である。 本発明の第9実施形態による地熱エネルギーシステムのボアホール熱交換器のボアホールに沿って測定した深さと実際の垂直方向深さとの間の関係を示す正面図である。 本発明の第10実施形態による地熱エネルギーシステムのボアホール熱交換器に関する様々な井戸の輪郭(プロファイル)を示す概略正面図である。 本発明の第11実施形態による地熱エネルギーシステムのボアホール熱交換器に関する様々な井戸の輪郭(プロファイル)を示す別の概略正面図である。 (a)、(b)および(c)は、本発明の第12実施形態による地熱エネルギーシステムにおける複数のボアホール熱交換器用の、各種クラスタパッドを示す概略斜視図である。 (a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f)は、本発明の別の実施形態による地熱エネルギーシステムにおける複数のボアホール熱交換器用のアレイ各種アレイの構成を示す概略平面図である。 (a)、(b)は、本発明の別の実施形態による地熱エネルギーシステムの中央マニホルドユニットを示す概略図である。 本発明の様々な実施形態で使用するためのボアホール熱交換器の実施形態を詳細に示す概略図である。 本発明の別の実施形態による地熱エネルギーシステムの概略図である。
以下に本発明の実施形態を添付の図面を参照して例示的にのみ説明する。
本発明の好ましい実施形態のシステムにおける核心部分は、ボアホール内に設置するボアホール熱交換器(BHE)のコンパクトな1個または多重のアレイ、最も好ましくは同軸アレイ状にしたアレイであり、ボアホールは、熱交換のサービスを供される建物の近傍における、好ましくはコンクリート製の1個以上の小型パッドを備える堅固な構体から方向付けて掘削する。ボアホール熱交換器は、主な目的が空間冷却、空間加熱、またはこれら両方のいずれを行うかに応じて、表面下の層に垂直方向、傾斜方向または水平方向に設置することができる。
最適な冷却は水平型の浅いボアホール熱交換器によって得られ、最適な加熱は垂直型の深いボアホール熱交換器によって得られ、最適な加熱および冷却の複合作用は垂線から何らかの角度(最も典型的には45゜)傾斜した熱交換器によって得られる。加えて、設計要求に従って個々のボアホール熱交換器を地表面下の幾つかのポイントから2個またはそれ以上の分岐管に分割することができる(多脚型)。
また、好ましい実施形態のボアホール熱交換器アレイの設計では、埋設面の空間的配向、多孔性、浸透性、とりわけその地域の地層における特徴をなす大きい亀裂を考慮する。この手法は、地下水溜まりおよび地下水脈を利用する最適な向きで地層に対して物理的に割り込むよう収容ボアホールを掘削することによって、ボアホール熱交換器の熱効率を高める機会を生ずる。
ボアホール熱交換器の典型的な垂直方向深さの範囲は、地表面下10〜750メートルであるが、これ以上の深さも可能である。ボアホール熱交換器のアレイにおいて、概して、ボアホール熱交換器のうち少なくとも1個は、少なくとも100メートルまた750メートルまでもの垂直方向深さに延在する。
図1は、本発明の第1実施形態による地熱エネルギーシステムのボアホール熱交換器のアレイを概略的に示す。アレイ2は2次元的であり、7個のボアホール熱交換器4,6,8,10,12,14,16を備え、各ボアホール熱交換器をそれぞれの上端部で共通の中央マニホルドユニット18に固定する。好ましくは、各ボアホール熱交換器4,6,8,10,12,14,16は、従来技術において既知のような、そして本明細書で説明する同軸構造を有する。各ボアホール熱交換器4,6,8,10,12,14,16は、マニホルドユニット18から下方に延在する実質的に垂直な第1の上方部分Aと、概して垂線に対して30〜60゜の範囲における角度、好ましくは45゜よりも大きい角度マニホルドユニット18から離れる方向に下方および側方に延在する実質的に浅い角度で傾斜した第2の中間部分Bと、概して垂線に対して60゜よりも大きい角度でマニホルドユニット18から離れる方向にさらに下方および横方向に延在する実質的に急峻な角度で傾斜した第3の下方部部分Cとを有する。任意の所定ボアホール熱交換器に関して、そしてボアホール熱交換器間で、さまざまな部分の長さおよび傾斜を変化させることができる。各ボアホール熱交換器を実質的に熱的に独立させるようなボアホール熱交換器間の相互間隔が得られるようにアレイ2を構成および寸法決めする。概して、下方部分Cの底端部20,22,24,26,28,30,32は最低20メートルだけ相互に離間させ、アレイ2の横方向全幅は少なくとも120メートルとする。オイルおよびガス掘削で既知の用語をボアホールの向きに関連した傾斜堀りについて用いると、上方部分Aを垂直掘進区域と称し、中間部Bを沿角掘進区域と称し、下部Cを減角掘進区域と称する。
図2は、本発明の第2実施形態による地熱エネルギーシステムのボアホール熱交換器のアレイを概略的に示す。アレイ34は3次元的であり、5個の同軸ボアホール熱交換器36,38,40,42,44を備える。各ボアホール熱交換器をそれぞれの上側端部で、好ましくはコンクリート製のパッド46の形式とした堅固な構体に固定し、パッド46には共通の中央マニホルドユニット(図示せず)を取り付ける。中央のボアホール熱交換器40は、概して少なくとも150メートルの全長にわたってパッド46からほぼ垂直方向下方に延在する。残りの4個のボアホール熱交換器36,38,42,44をほぼ対称的に正方形(スクエア)型の構成に配置し、各ボアホール熱交換器は、パッド46から下方に延在する実質的に垂直方向の第1の上方部分Aと、パッド46から離れて下方および側方に延在するほぼ浅く傾斜した第2の中間部分Bと、パッド46から離れてさらに下方および側方に延在するほぼ急峻な角度で傾斜した第3の下方部分Cとを有する。種々の部分の長さおよび傾斜はボアホール熱交換器のために変化させることができる。各ボアホール熱交換器を熱的にほぼ独立させるようなボアホール熱交換器間の相互間隔が得られるように、アレイ34を構成し、寸法決めする。概して、正方形型の構成の側辺に沿って少なくとも100メートルだけ、かつ正方形の構成の対角線に沿って少なくとも200メートルだけ、ボアホール熱交換器36,38,42,44の下方部分Cの底端部46,48,50,52を相互に離間させる。
図3は、本発明の第3実施形態による地熱エネルギーシステムのボアホール熱交換器のアレイを概略的に示す。アレイ54は3次元的であり、4個の同軸ボアホール熱交換器56,58,60,62を備える。各ボアホール熱交換器をそれぞれの上側端部で、好ましくはコンクリート製のパッド64の形式とした堅固な構体に固定し、パッド64には共通の中央マニホルドユニット(図示せず)を取り付ける。4個のボアホール熱交換器56,58,60,62を扇状の構成で配置し、ほぼ共通の方向に指向させる。各ボアホール熱交換器は、パッド64から下方に延在するほぼ垂直方向の第1の上方部分Aと、パッド64から離れて下方および側方に延在するほぼ傾斜した第2の中間部Bと、パッド64から離れてさらに側方に延在するほぼ水平方向の第3の下方部分Cとを有する。種々の部分の長さおよび傾斜をボアホール熱交換器のために変化させることができる。各ボアホール熱交換器を熱的にほぼ独立させるようなボアホール熱交換器間の相互間隔が得られるように、アレイ54を構成し、寸法決めする。概して、ボアホール熱交換器56,58,60,62の下方部分Cの底端部66,68,70,72を最低20メートルだけ相互に離間させ、ボアホール熱交換器56,58,60,62の深さを少なくとも150メートルとし、ボアホール熱交換器56,58,60,62がパッド64から離れる横方向長さを少なくとも100メートルとする。
図4は、本発明の第4実施形態による地熱エネルギーシステムのボアホール熱交換器のアレイを概略的に示す。アレイ74は3次元的であり、6個の同軸的なボアホール熱交換器76,78,80,82,84,86を備える。各ボアホール熱交換器をそれぞれの上方端部で、好ましくはコンクリート製のパッド88の形式とした堅固な構体に固定し、パッド88には共通の中央マニホルドユニット(図示せず)を取り付ける。6個のボアホール熱交換器76,78,80,82,84,86を星状の構成で配置し、パッド88から離れてほぼ半径方向に相互に等間隔で延在させる。各ボアホール熱交換器76,78,80,82,84,86は、パッド88から下方に延在するほぼ垂直方向の第1の上方部分Aと、パッド88から離れて下方および側方に延在するほぼ傾斜した第2の下方部分Bとを有する。ボアホール熱交換器76,78,80,82,84,86は、ほぼL字形とし、部分Bは冷却要求を満たすためにほぼ水平とする。種々の部分の長さおよび傾斜をボアホール熱交換器のために変化させることができる。各ボアホール熱交換器を熱的にほぼ独立させるようなボアホール熱交換器間の相互間隔が得られるように、アレイ74を構成し、寸法決めする。概して、ボアホール熱交換器76,78,80,82,84,86の深さが少なくとも50メートルとなるように、ボアホール熱交換器76,78,80,82,84,86の下方部分Bの底端部90,92,94,96,98,100を相互に離間させ、アレイ74の横方向全長を少なくとも200メートルとする。
図5は、本発明の第5実施形態による地熱エネルギーシステムのボアホール熱交換器のアレイを概略的に示す。アレイ102は3次元的であり、4個の同軸ボアホール熱交換器104,106,108,110を備える。各ボアホール熱交換器をそれぞれの上方端部で、好ましくはコンクリート製のパッド112の形式とした堅固な構体に固定し、パッド112には共通の中央マニホルドユニット(図示せず)を取り付ける。4個のボアホール熱交換器104,106,108,110をほぼ線形の構成に配置し、ほぼボアホール熱交換器長さに沿って整列させ、各ボアホール熱交換器は、パッド112との最初の鋭角の接続部114は別として、パッド112から離れて下方および側方に延在するほぼ傾斜した単一部分を有する。ボアホール熱交換器の長さおよび傾斜は変化させることができる。各ボアホール熱交換器を熱的にほぼ独立させるようなボアホール熱交換器間の相互間隔が得られるように、アレイ112を構成し、寸法決めする。
図6は、本発明の第6実施形態による地熱エネルギーシステムのボアホール熱交換器のアレイを概略的に示す。アレイ116は3次元であり、6個の同軸的なボアホール熱交換器118,120,122,124,126,128を備える(ただし、図示しない別の垂直型のボアホール熱交換器を設けてもよい)。各ボアホール熱交換器をそれぞれの上方端部で、好ましくはコンクリート製のパッド138に固定し、パッド138には共通の中央マニホルドユニット(図示せず)を取り付ける。6個のボアホール熱交換器118,120,122,124,126,128を星状の構成で配置し、パッド138から離れてほぼ半径方向に延在させる。各ボアホール熱交換器118,120,122,124,126,128は、例えば、図4に示した上述の実施形態における垂直型の構成および傾斜した構成を有するようにしてもよい。この実施形態では、6個のボアホール熱交換器118,120,122,124,126,128の横方向、特に半径方向の長さは変化する。半径方向の長さを、半径を累進的に増加させた複数のゾーンに分割する。例えば、ゾーン1は30メートル未満の半径、ゾーン2は少なくとも30メートルの半径、ゾーン3は少なくとも55メートルの半径、ゾーン4は少なくとも65メートルの半径、そしてゾーン5は少なくとも85メートルの半径をそれぞれ有する。6個のボアホール熱交換器118,120,122,124,126,128は異なるゾーン内まで延在し、好ましくは各ボアホール熱交換器118,120,122,124,126,128は、それぞれ異なるゾーン内まで延在している。このようにして、各ボアホール熱交換器を熱的にほぼ独立させるようなボアホール熱交換器間の相互間隔が得られるように、アレイ116を構成し、寸法決めする。
図7は、本発明の第7実施形態による地熱エネルギーシステムのボアホール熱交換器のアレイを概略的に示している。アレイ132は3次元であり、4個の同軸ボアホール熱交換器134,136,138,140を備える。各ボアホール熱交換器をそれぞれの上方端部で、好ましくはコンクリート製のパッド142に固定し、パッド142には共通の中央マニホルドユニット(図示せず)を取り付ける。4個のボアホール熱交換器134,136,138,140を、地熱エネルギーシステムによるサービスを供すべき建物146を含む所有地の境界線144内に側方を包囲する形態に配置する。従って、地熱エネルギーシステムの地中容積における土地占有面積は所有地地境界線の内部に納まっている。パッド142を建物146に隣接して配置し、これにより、保守点検目的などのために容易にアクセスすることができる。パッド142の土地占有面積は、地熱エネルギーシステムの地中容積における土地占有面積よりも著しく小さく、概して10%未満、より好ましくは、5%未満、さらにより好ましくは1%未満である。ここでも、各ボアホール熱交換器を熱的にほぼ独立させるようなボアホール熱交換器間の相互間隔が得られるように、アレイ132を構成し、寸法決めする。
ボアホール熱交換器のアレイにおける上述の任意の実施形態、および本発明に従って採用した他の任意のアレイにおいて、「傾斜」堀りリグを使用して掘削を開始することが可能であり、初期の掘削は垂線に対して5゜〜20゜の傾斜で行う。掘削の開始後、その掘削角度を維持することもでき、継続的に増大させることも低減させることもでき、次第的により深くなる部分の角度は、建物面積の大きさおよびボアホール熱交換器の数に基づく。この技術を用いて、より浅い深さで隣接ボアホール間の表面分離幅を増大させることができるという技術的利点が得られる。これにより、あらかじめ規定したボアホール長さについて使用可能な孔の実際の数量を増大することができるという技術的利点が生じる。
これらの実施形態では、少なくとも幾つかのボアホール熱交換器は少なくとも1つの傾斜した最上部を有し、この最上部は垂線に対して3〜45゜の傾斜、より典型的には5〜20゜の傾斜を有し、このように傾斜した最上部は、アレイの地表面下ゾーンにおける隣接する傾斜した最上部から分散する。
幾つかの実施形態では、少なくとも幾つかのボアホール熱交換器は、それぞれ垂線に対して変化する傾斜を有し、傾斜が変化するボアホール熱交換器は、線形の最上部の下方に、傾斜が次第に変化する少なくとも1つの部分、または相互に傾斜した少なくとも2つの部分を有する。このことは、最初の地表面下ゾーンの下方におけるボアホール熱交換器の主要長さに沿ったボアホール傾斜に変化をもたらす。
図8は、本発明の第8実施形態による地熱エネルギーシステムの概略平面図を示す。ポイントA,B,CおよびDが規定する面積A1により表すパッドの土地占有面積は、地熱エネルギーシステムのポイントS,T,U,V,W,X,YおよびZが規定する面積A2により表す面積よりも小さく、好ましくは著しく小さく、概して地中容積の土地占有面積の10%未満、より好ましくは5%未満、最も好ましくは1%未満である。換言すれば、比率A2/A1は、1よりも大きい。ポイントA〜Dは、外側ケーシングの軸線の最上部座標を表す。地点S〜Zは、外側ケーシングの軸線の底部孔座標を表す。
図9は、本発明の第9実施形態による地熱エネルギーシステムにおけるボアホール熱交換器の実際の垂直方向深さ(TVD)とボアホールに沿って測定した深さ(MD)との関係を示す概略正面図を示す。熱交換器は、水平方向に延在する水平方向成分を有する横方向長さを備える。したがって、いずれも地表面から測定した深さと実際の垂直方向深さとの比率は1よりも大きい。各ボアホール熱交換器の垂直方向深さは、5メートルから、より好ましくは10メートル〜750メートルとすることができるが、概して少なくとも1個のボアホール熱交換器の垂直方向深さは少なくとも100メートルである。図9に示すように、ボアホール熱交換器は垂線に対して平均角度傾斜を有し、この平均角度傾斜は、ボアホール熱交換器の主要部にわたって垂線から3〜95゜、より好ましくは垂線から5〜95゜、さらにより好ましくは垂線から10〜90゜、さらに好ましくは垂線から30〜60゜、最も典型的には垂線から約45゜である。しかし、ボアホール熱交換器のいずれの部分も垂線から3〜95゜の範囲で傾斜していてよい。換言すれば、垂線に対して少し離れた角度から、水平線よりも少し上向きとなる角度までの範囲で傾斜することができる。本発明の他の実施形態でこのようなボアホール熱交換器の構成を使用することもできる。
本発明のさまざまな他の実施形態で使用することができる他のボアホール熱交換器の構成を図10および図11に示す。このようなボアホール熱交換器の構成は、油井およびガス井掘削産業で既知の技術を使用して形成することができる。ここでも、ボアホール熱交換器のいずれの部分も垂線から3〜95゜の範囲で傾斜することができる。換言すれば、垂線に対して少し離れた角度から、水平線よりも少し上向きとなる角度までの範囲で傾斜することができる。
まず図10に関連して、(a)として示す第1タイプ152は、地表面GLから下方に延在する垂直方向上部154、すなわち、垂直掘進区域と、好ましくは傾斜角を垂線に対して30゜〜60゜、最も典型的には垂線に対して約45゜とする一定に傾斜した下部156、すなわち、沿角掘進区域とを備える。(b)として示す第2タイプ158は、垂直方向上部160、すなわち垂直掘進区域と、好ましくは傾斜角を垂線に対して30〜60゜、最も典型的には垂線に対して約45゜で一定に傾斜させた中間部162、すなわち沿角掘進区域と、垂直方向下部164、すなわち、減角掘進区域とを備える。(c)として示す第3タイプ166は、傾斜角を好ましくは垂線に対して30〜60゜、最も典型的には垂線に対して45゜とする一定に傾斜した上部164、すなわち沿角掘進区域と、水平方向下部170とを備える。(d)として示す第4タイプ172は、垂直方向上部174、すなわち垂直掘進区域と、水平方向下部176とを備える。
図11を参照すると、(e)として示す第5タイプ178は、地表面GLから下方に延在し、好ましくは傾斜角を垂線に対して30〜60゜、最も典型的には垂線に対して45゜とする一定に傾斜する単一部分180を備える。(f)として示す第6タイプ182は、単一の垂直方向部184を備える。
例えば、地熱エネルギーシステムは、少なくとも1個の第1ボアホール熱交換器を、主要部がほぼ垂直方向に延在する第2タイプ158および/または第6タイプ182とし、少なくとも1個の第2ボアホール熱交換器を、主要部がほぼ水平方向に延在する第3タイプ166および/または第4タイプ172とし、少なくとも1個の第3ボアホール熱交換器を、主要部がほぼ傾斜して延在する第1タイプ152および/または第5タイプ178とする複数のボアホール熱交換器と、これら複数のボアホール熱交換器を接続する、作動流体のためのマニホルド(図示しない)とを備えていてもよい。このようなアレイにより、建物の正または負の熱需要に応じて弁を操作することによって第1、第2および第3ボアホール熱交換器のうち少なくとも1個をマニホルドに選択的に接続することができる。
図12および図13は、複数のボアホール熱交換器を接続する様々なパッドの構成を示す。図12に示すパッドの構成は、弓形(a)、台形(b)および正方形(c)である。図13に示すパッドの構成は正方形(a)、十字形(b)、線形(c)、弓形(d)、長方形(e)および円形(f)である。
図14は、本発明による地熱エネルギーシステムにおけるボアホール熱交換器のアレイの様々な実施形態に組み込むことができる中央マニホルドユニット186を示す。この中央マニホルドユニット186は使用中の作動流体のための入口188および出口190を備え、これらは建物の加熱/冷却系(図示せず)に接続している。入口188は、第1入口ライン194の一連の第1入口弁192a〜iと、第1入口ライン194に平行した第2入口ライン198の一連の第2入口弁196a〜iとに接続している。各第1入口弁192a〜iおよび第2入口弁196a〜iの出口側は、それぞれのボアホール熱交換器のためのそれぞれの供給ライン197a〜iに接続している(この実施形態では9個のボアホール熱交換器が中央マニホルドユニット186に接続していることになる)。出口190は、出口ライン200の一連の出口弁198a〜iに接続している。各出口弁198a〜iの入口側はそれぞれのボアホール熱交換器のためのそれぞれの戻りライン202a〜iに接続している。供給ライン197a〜iおよび戻りライン202a〜iは、選択的に、それぞれのボアホール熱交換器に作動流体を供給し、それぞれのボアホール熱交換器から作動流体を戻す。しかしながら、各ボアホール熱交換器を逆流構成で選択的に操作することもでき、この構成では、それぞれの供給ラインおよび戻りラインの機能が逆になっている。
各弁192,196,198にアクチュエータ(図示せず)を組み込み、独立して作動させることもできる。したがって、中央マニホルドユニット186の弁によって、それぞれのボアホール熱交換器を選択的に前進方向または逆方向の流れで駆動するようにアレイの各ボアホール熱交換器を制御することができる。さらに、各ボアホール熱交換器を任意の単一のボアホール熱交換器または複数のボアホール熱交換器に接続し、これにより、任意の所望の相互接続構成で複数のボアホール熱交換器を相互接続することもできる。任意のボアホール熱交換器を選択的にスイッチオフすることもでき、これにより、作動流体の流れに関連して、選択したボアホール熱交換器を迂回する。
図15は、本発明の様々な実施形態で使用する好ましいボアホール熱交換器の構成を詳細に示す。ボアホール熱交換器300を外側ケーシング302の同軸装置として構成し、必要な深さおよび軌道まで掘削したボアホール306内に内側配管304を設置する。ボアホール306の内部に外側ケーシング302を降下させた後、熱的に最適化したセメント308を、外側ケーシング302とボアホール壁312との間の円環空間310内に注入し、構造的完全性、および遭遇した地質層からのボアホール熱交換器300の液圧的隔離、とりわけボアホールが横切ることもある、あらゆる地下水ゾーンからの隔離を確実にする。外側ケーシング302の底部314を、底部プラグ316により封止し、セメント固定してこの隔離を完了する。
内側配管304に沿って間隔をおいて位置した心出し(センタリング)フィン318によって、内側配管304を外側ケーシング302の内部で心出し(センタリング)し、内側配管304を底部プラグ316の上方に短い距離を離した「開放端」とし、これにより、熱エネルギー伝達媒体としての役割を果たす(水性の)作動流体を循環させるための効率的な閉ループ経路を形成する。これらのフィン318は、外側ケーシング302と内側配管304との間のボアホール熱交換器における円環空間320の内部において、圧力損失を最小限としながら、地層内外への地熱エネルギーの伝達率を適度に高める流体特性を誘起する機械的な「乱流発生器」としての役割も果たす。概して、作動流体を円環空間320に注入し(矢印A)、表面制御モジュールの制御下に内側配管304通って表面に戻す(矢印B)。しかし、最適な性能を提供するために場合によっては循環方向を逆転させることもできる。
ボアホール熱交換器300の長さに沿って様々な間隔をおいて、ボアホール熱交換器300に、例えば符号322で示すような温度センサを取り付けることができる。
ボアホール熱交換器の効率は、ボアホール熱交換器のいずれの箇所においても、円環空間320内の作動流体温度と地層温度との温度差に直接に関連していることに留意することが重要である。このように効率的な熱採取のために、ボアホール熱交換器に流入する作動流体を可能最低温度とし、地熱勾配を利用するために実際的な深さ(例えば450メートル)にボアホール熱交換器を設置することが望ましい。逆にいえば、冷却モードにおける効率的な断熱のためには、作動流体を実際的な最高温度とし、ボアホール熱交換器を水平方向に浅い深さ(例えば50〜100メートル)に設置とすることが望ましい。
ボアホール熱交換器の設計は、オイルおよびガス生産業のアプリケーションのために開発した市販のコンピュータモデルから導き出して正確に選択した材料、寸法、作動パラメータの使用を特徴としている。これらのモデルは、あらゆる地質学的、物理的、液圧的および熱的パラメータを考慮して同軸的な閉回路系、特にボアホール熱交換器の熱応答をシミュレーションすることができる。モデルからの出力は、任意の特定エネルギー需要特性のための流量、圧力損失および温度応答曲線(例えば温度対時間)含み、ボアホール熱交換器の設計および作動を各特定建物に正確に適合させることができる。
現在では、外側ケーシング302の指定材料は、高い熱伝導率および機械的強度を有する炭素鋼である。内側配管304として肉厚の熱可塑性樹脂が指定されている。肉厚の熱可塑性樹脂は低熱伝導率を有し、これにより、断熱を提供し、地熱エネルギーを表面に戻す作動流体の熱的「短絡」を最小限に抑え、これにより、ボアホール熱交換器300の全体的な熱効率を増大させる。
高度なコンピュータモデルを使用した多数のBHE構成の広範なモデル化により、ボアホール熱交換器300の熱出力伝達能力が、これまで従来のU字管ボアホール熱交換器によって達成した熱出力伝達能力よりも著しく高いことを確認した。例えば、建物設備設計の需要特性に応じて、例えば80〜180W/mの範囲の平均線形電力出力を達成できる。本明細書で指摘したように、これを、概して20〜70W/mを供給する典型的なU字管または「スリンキー」設備に比べられたい。
アレイにおける個々のボアホール熱交換器の高い効率にも関わらず、建物設備接続部に対して流入および流出する流量および温度だけではなく、所定条件下で、ボアホール熱交換器間の流量および温度を監視して全体性能を最大にし、これにより、制約なしに建物の変化するエネルギー需要を満たすことが重要である。表面制御モジュール(SCM)によってこのような監視および制御を行う。表面制御モジュール(SCM)は、パッド上に取り付けた、または表面をアレイに隣接して地下室に配置した共通の中央マニホルドユニットを組み込んでいる。2個以上のアレイを設置する場合には、全体的な設計要求に応じて2個以上のSCMを設けることができる。
図16につき説明すると、中央マニホルドユニット401の一部として、またはこれに接続して、弁402、圧力ゲージ404、温度センサ406および流量センサ408を表面制御モジュール400内に取り付け、これらを、パッド413に取り付けたボアホール熱交換器のアレイ412の最適なエネルギーバランスを維持し、作動流体を必要な温度で建物設備418に供給するようにプログラミングしたマイクロプロセッサ410により制御する。ボアホール熱交換器のアレイ412を通って作動流体をポンピングするためのポンプ419を設け、このポンプ419を典型的には建物設備418の内部に配置する。加えて、表面制御モジュール400の出力部に設けた計器420により建築設備に供給する熱エネルギーを計測する。変化する建物のエネルギー需要に対するアレイ412の応答をマッピングし、建物管理システム422との互換性を有するソフトウェアをマイクロプロセッサ410にインストールする。需要特性が変化した場合またはアップデートを実施する場合にこのソフトウェアを修正し、再インストールすることができる。
設備動作時には表面制御モジュール400の出力部において、任意の時点で必要温度の作動流体を利用することができる。次いでこの作動流体を、主要なヒートポンプユニット426を設置した、通常は建物の地階に位置する設備室424に供給する必要がある。同時に、設備室424の出力部に到達した使用済み作動流体を表面制御モジュール400に戻し、アレイ412に再流入させる必要がある。概して地表面下1〜2メートルにあらかじめ断熱して埋設した熱可塑性プラスチックパイプ網によりこの作業を行い、これにより、伝達過程中に熱的および液圧的なエネルギー損失を確実に最小限にすることができる。
建物設備418は設計における多くの因子を理想的に考慮に入れており、地域および国の当局が設定した次第に厳しくなる炭素放出低減目標を満たし、望ましくは、コスト効率良くこの目標を超えるという目的と、熱効率良い建設技術および再生可能なエネルギー源とを組み合わせた状態を目指している。同時に、建物の内部で年間を通して快適な環境を維持し、必要な温水供給を提供するという目的は、もちろん主要な設計目標である。
例えばボアホール熱交換器の熱抵抗、地層岩質および地層温度特性など、他の全ての関連した変数が一定であると仮定した場合、任意の所定の単一ボアホール熱交換器を設置した装置の温度応答曲線(出力温度対時間)は、作動流体の流量、作動流体の入力温度および作動流体の作動サイクル(所定の期間にわたる「オン」時間対「オフ」時間の継続時間および頻度)の関数である。したがって、温度応答曲線は、以下のパラメータ、すなわち、ボアホール熱交換器の温度応答曲線を形成する作動流体の流量、流れ方向、入力温度および作動サイクルの一つ以上を変更することによって、修正することができる。さらに、複数のボアホール熱交換器内に作動流体を選択的に分配することによって複数のボアホール熱交換器の温度応答曲線を合成し、修正することができる。
作動流体の流量(0〜10リットル/秒)、流れ方向(順方向または逆方向)および入力温度(-10〜+40℃)について作動範囲にわたって各ボアホール熱交換器または複数のボアホール熱交換器の温度応答曲線をマッピングすることができる。これは、まずコンピュータ支援分析および予測により実施し、続いて作動時に得た経験的データにより精緻化する。
マニホルドに内在させる表面制御モジュール(SCM)は、プログラム可能なコンピュータモジュール、各ボアホール熱交換器のために全ての作動流体の流量、流れ方向、温度および圧力を監視し、制御するためのセンサおよび制御弁を備えるだけでなく、システム全体にわたって表面制御モジュールからサービスを提供する建物までの主要な作動流体の入口および出口における流れを監視および制御する。
任意に、ボアホール熱交換器の長さに沿って様々な間隔をおいてボアホール熱交換器に取り付けた温度センサを、ボアホール熱交換器の温度応答曲線の監視および制御を実施するために使用してもよい。
任意の建物の所定時間にわたる熱エネルギー需要は、物理的な場所、規模、建設方法および材料、占有率およびパターン、内部設置設備、そしてとりわけ外部の気候条件を含む多数の変数の関数である。内部環境の制御は建物管理システム(BSM)により管理する。建物管理システムは、単純なサーモスタット制御から多数の弁およびセンサのコンピュータ支援制御まで、建物の内部に設置した空間に対する加熱、冷却および温水供給システムの設計に基づいて複雑さの程度は様々である。
選択した時間間隔で、任意の所定建物における熱エネルギー需要特性を、計画した作動条件に基づいてマッピングすることができる。これは、まずコンピュータ支援分析および予測により実施し、続いて作動時に得た経験的データにより精緻化する。
マッピングした建物の熱エネルギー需要特性を、マッピングしたボアホール熱交換器の熱エネルギー応答曲線に取り込み、これらを経時的にできるだけ厳密に適合させることにより、任意の時点で建築設備管理システムの可変の熱エネルギー需要を全般的に満たすことができる。表面制御モジュール内のコンピュータモジュール、すなわち、マイクロプロセッサによりこの機能を実施する。さらにコンピュータモジュールは、建物からの熱エネルギー需要のあらゆる不規則なリアルタイムの変動を監視することもでき、BHEの熱エネルギー応答を調整し、これらの不規則な変動に最適に対応することができる。
上述のような本発明の地熱エネルギーシステムを新しい建物に適用することを考慮する場合、地熱エネルギーシステムの基本的な作動能力および建物設備の性能を最適化するように建物設備技術を選択することが重要である。例えば、直接加熱または冷却設計は、入口および出口の接続部間のわずかな温度差で機能するので、地熱エネルギーシステムに接続するためにはあまり適していない。地熱エネルギーシステムにおける任意のボアホール熱交換器の効率は、ボアホール熱交換器に沿った任意の点における作動流体における温度と地表温度との差の関数である。しかし、建物の対処区域とボアホール熱交換器との間を仲介する、ヒートポンプベースに基づく設備は、ボアホール熱交換器を最適な温度範囲で作動させることができ、これにより、加熱および冷却の双方のモードにおける効率が最大限となる。
多数のHVAC建物設備設計が現在市販されている。HVAC建築設備設計は、主要空間の加熱および冷却を直接に行うように設計されているだけでなく、同じ建物の異なる部分間の熱分配を管理することができ、これにより、効率を大幅に改善し、地熱エネルギーシステムのボアホール熱交換器における要求の変動の度合いおよび継続時間を低減する。このことは、地熱エネルギーシステム設置にかかる仕様諸元の減少、ひいてはコストの低減に関して利点を有し、これには低い維持費という付加的な利点が伴う。さらに、エネルギーを節約した建設方法と組み合わせた場合、さらに炭素排出量の著しい低減を実現することができる。
外部環境に対する構造体の応答ならびに内部で生じたエネルギー需要特性を考慮して空間に対する加熱および冷却要求を満たす全体的なアプローチを可能にするソフトウェアを含んだ最新のコンピュータ支援設計ツールを用いて建物設備設計を行う。
上述の実施形態に示すように、各剛性コンクリートパッドは、ボアホール熱交換器に接続する多数の、概してパッドにつき5〜10個の、概して3メート以下の間隔をおいて配置した「坑口」を含む。パッドは、各ボアホール熱交換器と表面制御モジュール「SCM」との表面端子接合部としての役割を果たす。SCMは、コンピュータ制御下にボアホール熱交換器を経て、および/またはボアホール熱交換器間で流体をポンピングし、水ベースの作動流体の温度、圧力および流れを監視および制御し、これにより、任意の時点で建物エネルギー需要特性に対してボアホール熱交換器アレイの熱エネルギー入出力を最適化する。各ボアホール熱交換器の長さに沿って間隔をおいて配置した複合的な温度および流量センサを設け、ボアホール熱交換器の性能および無欠性を常に監視することにより、この過程を簡易化することができる。
また、サービスを提供される建物内の加熱、換気および空気調節(HVAC)式環境制御部および温水加熱設備を制御する建物設備管理(BSM)システムに、SCMを電子的にリンクする。SCM制御下に、ボアホール熱交換器アレイのさまざまなボアホール熱交換器を通り、かつボアホール熱交換器間を通る作動流体の流れを連続的または単純なオン・オフ形式で作動するのではなく、むしろ時間および温度依存式(循環式)で作動させることができる。これにより、ボアホール熱交換器の緻密なデザインと連動して、建物のエネルギー必要性とボアホール熱交換器アレイの熱エネルギー能力との経時的に正確な合致を達成しながらも、地層の熱の枯渇または飽和、ひいては結果的なシステム効率低下の可能性を全て排除できる。
別の作動上の変更態様では、SCMを待機モードに切り換え、これにより、外部ポンプ能力を必要とせずに地層温度を最適化する目的で、1個以上のボアホール熱交換器を熱(サーモ)サイフォン駆動モードで作動する。
表面制御モジュールおよび建物設備管理システムの統合化電子システム、すなわち、SCM+BSMは、局部的な監視によるシステムの日常的な作動を自動化する、または代替的に、有線通信または無線通信を介して遠隔式のシステム作動および監視を行う選択肢を提供する。「坑口」パッドおよび表面制御モジュールは、表面搭載モジュールとして構成するか、または地表面下の地下室に構成することができる。
カスタマイズし、自動化した可動掘削リグを使用してボアホールを掘削する。掘削リグは傾斜掘り能力を備えていてもよい。掘削リグは、オイルおよびガス生産業で確立されている装備および技術、例えば、掘削中測定(MWD)、操舵可能な液圧モータおよび/または操舵可能なロータリ掘削システム、液圧式ダウンホールモータ、方位性エアハンマ、ジャイロ式および慣性式ガイドシステムならびに関連制御ソフトウェアに関連して作動し、これにより、ボアホールのアレイをコンクリートパッドから開始して、坑口が3メートル以下の間隔をおいて表面に位置する数平方メートルの面積にわたって掘削し、最終的な深さで数百メートルまでの広範な離隔を達成するために傾斜堀りすることもできる。用途に応じて、水ベースの流体、気泡または空気を含む無毒性の「掘削液」を使用して掘削プロセスを促進することもできる。
各ボアホール熱交換器は、含有ボアホールが横断する地層から機械的および液圧的に離隔させた、同軸の「チューブ・イン・チューブ」装置を備える。外側ケーシングは、用途に応じて、鋼、アルミニウム、ポリ塩化ビニル(PVC)、ガラス強化プラスチック(GRP)または炭素繊維強化プラスチック(CRP)により構成することができる。横断する地層の性質に応じて、外側ケーシングを部分的、または完全に含有ボアホール内にセメント固定してもよいし、または全くセメント固定しなくてもよい。セメント製剤は、用途に応じて従来のセメントベースのグラウト材か、または代替的に膨張性シール剤化合物を含んでいてもよい。
外側ケーシング内には肉厚の配管、またはPVC、GRPまたはCRP複合材料か、または代替的に絶縁スリーブ内に封入した鋼もしくはアルミニウムから形成したあらかじめ絶縁した配管を設置する。種類および用途にしたがって、この配管を連続コイルとして供給するか、または別個の長さで供給し、これらを機械的に相互に接合して設置することができる。この配管を角度付けセンタリング「デフレクタ」によって外側ケーシングの孔内にセンタリングする。角度付けセンタリング「デフレクタ」は、外側ケーシングと内側配管との間に必要な横断面積クリアランスを提供し、結果として生じる「渦流」生成によって外側ケーシングから作動流体への改善した熱移動をもたらす。
外側ケーシング底部に永久的に設置した機械的プラグによってボアホール熱交換器内に作業流体経路を閉じ込め、これにより、外側ケーシングと内側配管との間の円環空間を下方に流し、また内側配管を上方に流す(逆方向循環)、またはその反対(順方向循環)に流れる閉回路の流れを形成する。この閉回路方法は、作動流体が作動中のいずれの時点でも地層または関連液体溜まり層、概して帯水層に接触しないことを確実にし、これにより、システムを環境に優しいものとする。
本発明の発明者は、コンピュータモデルに基づいて深部の熱サイフォン活動をさらに研究した結果、英国の環境においては、商業規模の建物における冷却のための所要電力が加熱のための所要電力よりも著しく大きくなるという認識に達した。このことから導き出した結論は、特に商業規模の建物の空間加熱および冷却に適用する場合、建物の空間加熱および冷却必要性を満たすためには、地中への熱遮断が少なくとも熱抽出と同じ程度に重要であることである。地球温暖化に関して、特に温室効果ガス、例えば、人間の活動によって生じる二酸化炭素などの排出に関して国際的な関心の高まっている。空間を加熱および/または冷却する、あるいは電力を生成するための地熱エネルギーは、化石燃料エネルギーシステムに代替する再生可能な低炭素を提供する。
本発明の一態様では、冷却モードにおける冷却効率を最大にするために、加熱のみのモードで採用した深さよりも浅い深さに幾つかのボアホール熱交換器(BHE)を配置する。
作動流体は冷却モードではシステム周辺で汲み上げる必要がある。なぜなら、熱サイフォン作用は、実際に必要とする流れ方向とは逆に働くからである。地層の温度は例えば火山活動地域のような特定の変則的な地域を除いて、地球を横断する深さに伴いほぼ線形に増大するので、より浅い深さが必要である。冷却モードにおける最大断熱効率を得るために、ボアホール熱交換器に沿った地層の任意の地点と熱い作動流体との間の温度差を最大にすべきであり、それ故、規定した浅い深さが必要となる。またボアホール熱交換器内の作動流体の循環方向が、特に円環空間を下降し、BHEの同心的な内管を上昇する「逆方向の」循環がポジティブな利点を有する冷却では熱効率に影響を及ぼすことを見出した。
したがって、幾つかの実施形態では、同軸ボアホール熱交換器を設置するボアホールは、全般的な深さを最小限としながらボアホール熱交換器の十分な長さを維持するように傾斜掘りする。これは、用途に応じて、傾斜しているが垂直方向から水平方向までボアホールのために適宜な軌道を選択することにより達成できる。
本発明の好ましい実施形態では、オイルおよびガス掘削の慣例を利用してボアホール熱交換器を傾斜掘りするというコンセプトがあり、この場合、地表の小さいコンクリートパッドから、軌道が変化するボアホールの「アレイ」を掘削する。コンクリートパッド内にはボアホールの表面端子(坑口)を通常はわずか3メートル以下の距離をおいて配置する。掘削は、従来の軽量可動リグによって実施することができる。これは、数10個または数100個もの浅い(例えば100m)のボアホール(U字管)を掘削するか、または数キロメートルのプラスチック配管を数100平方メートルにわたって浅い(2m)溝(「スリンキー)」に設置する現在の標準的な慣例とは正反対である。現在の慣例によるコスト、不都合要素および使用可能土地面積の低減は、特に英国においては地熱エネルギー用途の成長に対する障害として作用してきた。反対に、パッド掘削方式は、10〜20平方メートルの小さい表面占有面積および隣接する敷地面を妨害することなしに長いボアホール長さを設置する能力を含めて、多数の利点を有する。
英国の一般オフィスビルについて研究を行い、これにより、建物加熱および冷却エネルギー特性を、加熱および冷却エネルギーの双方を提供することができるボアホール熱交換器のアレイに適合させた。これらの研究は、冷却エネルギー要求が加熱エネルギー要求を凌ぐことを確認した。
本発明の好ましい実施形態では、表面制御モジュールによって、各ボアホール熱交換器の表面接続部を小さい土地占有面積を有するアレイに組み込む。表面制御モジュールは、ボアホール熱交換器間、およびボアホール熱交換器アレイとサービスを受ける建物との間の流体条件のコンピュータ制御を可能とするために必要な弁およびセンサを含む。これにより、アレイ全体のエネルギーバランスを最適化することができるだけでなく、地熱環境を枯渇または飽和させることなしに建物からの負荷を持続的で可変なものとする。さらに表面コントロールユニットは、サービスを受ける建物に、加熱および冷却エネルギーを同時に供給することを可能にする。
コンピュータによるモデル化は、異なる流量および作動温度範囲にわたる一連の異なるボアホール熱交換器の応答を示した。この結果は、深さ、軌道、ボアホール熱交換器直径、流量、流れ方向、地面温度、ケーシングおよび配管の材料ならびに作動モードの影響は予想通りであることを確認した。循環のオン/オフ周期を変更することによって、より高い効率およびピーク出力を実施することができ、このことが建物のエネルギー需要特性に対するボアホール熱交換器の適合性を高めるという事実も重要である。さらに、所定条件下で、ボアホール熱交換器アレイの低炭素排出性能を向上し、他の再生可能エネルギー技術、例えば熱電併給ユニット(CHP)と組み合わせて、ピーク電力需要に対してより効果的に対処し、また設備の炭素排出量をさらに低減することにより、アレイの多様性を高めることができることに留意されたい。
設計により、空間加熱、冷却および温水供給に関する建物の熱出力需要曲線にボアホール熱交換器アレイの熱出力曲線を合致させる。
本発明の好ましい態様に従って、個々の建造の熱エネルギー管理を、多数の建物および施設の熱エネルギー管理ならびに種々の熱源および蓄積手段の統合にまで拡大することができる。表面制御モジュールは、多数構成要素システムにおける中心的コンポーネントである。
エネルギー効率は、グローバルな二酸化炭素排出の低減に寄与する。本発明は、既存の実証済みの地下資源ヒートポンプ実施に基づいて、効率の高い大規模な加熱および冷却設備を提供することができる。技術的にも商業的にも実証済みで、長年にわたり陸上および沖合で採用してきた高度な油田掘削および完成技術によってボアホール熱交換器を設置することができる。主な利点は、関連建物に隣接した小さい場所またはパッドから適合した建物設備設計に供する効率の高い同軸的な閉ループ熱交換器設計により、完成するボアホールアレイをコスト効率良く構成することである。
本発明の好ましい実施形態の地熱エネルギーシステムは、統合およびカスタマイズした、エネルギー効率の良い低炭素排出システムであり、このシステムは、主に大規模な建物構造または高い加熱および/または冷却需要を有する任意の建物に対する空間加熱および/または冷却エネルギーを提供する。地熱エネルギーシステムが供給するエネルギーは、世界的に豊富な低温の地熱源から取り出す。これらの地熱源は、維持可能かつ再生可能であり、サービスを受ける建物の炭素排出量の極めて顕著な低減を達成する手段を提供する。
本発明の好ましい実施形態では、効率が高く、実用的な地熱式ボアホール熱交換器のアレイを設けている。このようなボアホール熱交換器のアレイは、最高度の地中資源ヒートポンプ技術と建物設備産業における設計方法および材料の最良の慣例とを組み合わせて、表面制御モジュール、および大量の熱エネルギーを搬送または蓄積することのできるエネルギー配給網とに連結している。
本発明の好ましい実施形態は、傾斜掘りし、特別に設けた多数の地熱ボアホールを備え、想定した熱負荷下に最大限の効率が得られ、建物設備設計に正確に適合するように特別に設計したボアホール熱交換器のコンパクトなアレイを提供することができる。本発明の好ましい実施形態は、建物設備内外への、または個別のボアホール熱交換器間における地熱エネルギーの伝達を管理するマイクロプロセッサ表面制御モジュール「SCM」インタフェースユニットを提供することができる。
本発明の好ましい実施形態は、SCMと建物設備とを関連付ける断熱した低圧のエネルギー配給網を提供することができる。
本発明の好ましい実施形態は、目的に応じて設計および構成した建物設備を提供することができ、このような建物設備に、対象地域を加熱および/または冷却し、建物内に温水を供給するための高度なヒートポンプ技術を組み込んでいる。
開発規模およびエネルギー需要特性に応じて所定の敷地に一個以上の別個のアレイを設置することができる。
地熱エネルギーシステム設備の設計において考慮すべき重要な点は、加熱と冷却との間の建物設備からの需要バランスであり、このことは、ボアホール熱交換器を許可された土地開発地域で垂直型に構成するか、傾斜型に構成するか、または水平型に構成するかに直接に影響を及ぼす。主に加熱を考慮する場合、垂直型ボアホール熱交換器を提案するであろう。これとは逆に、主に冷却を考慮する場合、水平型ボアホール熱交換器が最適な性能を提供するであろう。実際には、本発明の地熱エネルギーシステム設備は、概して、1個以上のパッドから穿設した複数の垂直型、傾斜型および水平型ボアホール熱交換器を含み、パッドから、木の根系に類似したパターンでボアホール熱交換器を構成するが、この場合、貫通した地層の地熱を採取または蓄積するように設計する。
さらに、ボアホール熱交換器アレイの設計と建物設備設計およびそのエネルギー特性とを統合し、地下資源ヒートポンプ設備を提案した場合に、概して過去に不適当であった装備に起因する非効率を回避することは重要である。建物設備で採用した技術をボアホール熱交換器の性能にできる限り適合させ、加熱および冷却を建物設備に供する場合に最も効率のよい性能を提供することにより、採用したそれぞれの技術を活用することが目的である。
それ故、本発明の好ましい実施形態によれば、コンパクトな表面パッドを設け、パッドの表面境界を超えて同軸ボアホール熱交換器を敷設する。概して油田およびガス田開発の慣例に見られる傾斜堀り技術を実際の解決方法として採用し、同軸ボアホール熱交換器を設置し、深さ、角度および方位角の必要度に応じて各同軸ボアホール熱交換器を設置する。設置した同軸ボアホール熱交換器は、概して同軸ボアホール熱交換器の最上部の20〜30メートルを除いては、熱干渉因子から解放されているといえる。これは、各BHEの全長の概して5%未満であり、また同軸ボアホール熱交換器の各クラスタの全長よりも短い。
3次元アレイを提供することによって、地表の一点、すなわちパッドから大容積にわたって複数回の熱移動プロセスを実施することができる。これは、周知の垂直型ボアホール熱交換器の場合における1次元熱移動プロセスと対比することもできる。パッドを設けることにより、地表に広範囲の集熱系を設ける必要性がなく、表面パッドにつき極めて高密度の熱エネルギー出力/入力を達成する。パッドは、建物に隣接して配置する、または新しく建設した建物の場合には建物の機械室または任意な他の部分の直下に配置することができる。ボアホール熱交換器と建物との間の距離に起因する作動損失は限定的にしか生じない、またはそのような作動損失はほとんど生じない。
多様な深さのボアホール熱交換器を提供することによって、単一のパッドおよび表面制御モジュールから加熱、温水供給および/または同時的な冷却のいずれか、または全てを提供するか、または1つの作動モードを選択することができる。アレイの同軸ボアホール熱交換器は、集合的に管理するか、または独立して管理することができる。アレイのボアホール熱交換器間で作動流体の再循環を提供し、過剰な熱エネルギーを再充填するかまたは放出し、これにより、各種の加熱または冷却動作のために理想的な温度勾配を提供することが可能である。
傾斜堀りは、選り抜きの軌道および深さを選択し、熱エネルギーの効果的な採取または放出のために最適な熱伝導率を提供する良質な岩盤層内に各同軸ボアホール熱交換器を配置する選択肢を提供する。傾斜堀りは岩塊の配向を利用して、掘削コストを低減するか、または熱エネルギー伝達を改良することができる。天然資源に対する悪影響なしに近くのボアホール熱交換器を使用し、帯水層の流体効果を最大にすることが可能である。さらに、熱干渉を引き起こすことなしに安全な距離をおいて隣接建物のボアホール熱交換器のアレイを迂回するか、または通過することが可能である。
延在する同軸ボアホール熱交換器アレイは、1つ以上のボアホール熱交換器間における1つ以上の閉回路内の内部熱(サーモ)サイフォン流を効果的に使用することを可能にする幾何学的配置(ジオメトリ)を有していてもよく、これにより、1つのパッドに配置した単一のボアホール、幾つかのボアホールまたは全てのボアホールの長さに沿って熱エネルギーを再分配する。このようにして、ポンピング需要を低減することによって循環エネルギー損に関連した維持費を節約することができ、ヒートポンプ設備が必要とする熱エネルギーを低減することができる。
サーモサイフォン式循環流、すなわち、熱エネルギー温度勾配による影響を受ける作動流体密度の変動によって生じる浮力流をボアホール熱交換器で利用することが既知である。しかし、広範囲の表面集熱システムの制限を含む多くの理由により、制御軌道下に異なる深さおよび温度勾配条件で配置した、独立しているが、相互接続している地中熱交換器間の相互に作用する複雑な流れの使用には障害がある。それにもかかわらず、本発明の好ましい実施形態のシステムは、システムとして、または単一の垂直型、水平型(例えばL字形)のボアホール熱交換器で、これらの流れを効果的に利用することができる。
本発明の好ましい実施形態は、単一のコンパクトなパッドまたは多数のコンパクトなパッドから大量の熱エネルギーを抽出または放出するための装置を提供する。パッドには、ボアホール熱交換器、好ましくは同軸のボアホール熱交換器のアレイが地表点を超えて延在し、工業的な規模および容量のヒートポンプ設備に供給を行う。ボアホール熱交換器のアレイを、単一のユニットとして、もしくは個別モードの個別ユニットとして、もしくはアレイ全体の間で任意の比率で、または単一のボアホール熱交換器を、ヘッド・コントロールユニットによって管理するための装置を設けることができる。この装置はコンパクトなマニホルドユニットの内部に一連の弁、ゲージを備える。ユーザインタフェースをアレイのヘッド・コントロールユニットに着脱できるが、隣接建物からの操作のためにアレイのヘッド・コントロールユニットに関連付けることができる。
表面境界によって規定した所定の面積下で複数層の3D容積を利用することによって、建造物の任意の消費者需要に適合する可能出力を有する熱エネルギーのシンク、熱エネルギー資源または蓄積を豊富に供給することができる。アレイは、傾斜掘りした複数のボアホール熱交換器を備え、それぞれのボアホール熱交換器は、所定の深さ、角度および方位角を有していてよい。システムは、例えば円形、長方形、アーチ形、正方形および線形など異なる形態のクラスタ状、または隣接するクラスタのためにこれらの形態を任意に組み合わせた単一もしくは複数のコンパクトなパッドクラスタ状のコンパクトなパッドを有することができる。アレイは、単一または複数のアレイ内に単一方向、水平型および垂直型の同軸ボアホール熱交換器の組み合わせて有していてよい。パッドは表面空間ユニットにつき高密度の熱エネルギーを伝達するコンパクト集熱システムを構成し、これにより、作動流体圧および熱損失を低減する。パッドの表面位置は、建物もしくは施設に隣接しているか、これらから離間しているか、またはこれらの任意な部分の下方に位置し、ボアホール熱交換器のアレイはこのような表面位置を越えて任意の側方または深さで延在する。
季節、気候および建物のエネルギー特性に応じて多数のボアホール熱交換器を異なるモードで使用することができる。システムは、熱エネルギーを異なる深さで供給、吸収もしくは蓄積するか、または多数の異なる深さおよび/または外部の温度勾配間で強制的に再循環させることができる。加えて、システムは、ヒートポンプ設備による取込み効率を改善するために、サーモサイフォン流によってアレイの部分間の熱エネルギーを再分配することができる。
傾斜掘りは、岩盤層の所与のパターンに追従することによって、選択した、好ましい質の岩盤層を備える層を最大限に活用し、帯水層の所与のパターンに追従することによって帯水層を最大限に活用し、熱エネルギーを最高率で獲得または遮断するために閉回路ボアホール熱交換器の水平方向部分を沈め、最適な熱伝導率を達成するために所与の岩盤裂断パターンに追従するか、またはこれを横断することにより岩盤裂断部配向を十分に活用することもできる。所定の地中容積のために最適な熱効率を達成するために、個別の層環境にボアホール熱交換器アレイを敷設することもできる。現状の温度勾配に基づいて選択した多数のボアホール熱交換器を用いた作動により、残りのボアホール熱交換器アレイを強制的な循環からスイッチオフし、選択した待機状態のボアホール熱交換器間の熱エネルギーを受動的に再分配するためのオプションを設ける。
ボアホール熱交換器アレイをコスト効率良く設置する鍵となるのは、高度な油掘削およびガス掘削技術ならびに完成技術を複合化し、これを地熱開発に典型的なより浅い環境に適応させるという概念である。この技術および関連技術と、比較的温和な地理的環境に適合する特定材料とを組み合わせることにより、完全に自己完結的にコンパクトな表面位置から任意の所望軌道に沿って所定の深さまで多数のボアホールを建設することが可能となる。これは、都市環境のプロジェクトを考慮する場合または表面積に制限がある場合には重要な利点となる。
本明細書に記載の本発明の実施形態は、純粋に例示的なものであり、特許請求の範囲を限定するものではない。1つの実施形態に関して開示した特徴を、本発明の特許請求の範囲内で別の任意な実施形態の特徴と組み合わせることもできる。

Claims (20)

  1. 地熱エネルギーシステムにおいて、
    複数のボアホール熱交換器であって、各ボアホール熱交換器が、作動流体を含み、また閉鎖した底端部を有する細長い管を備え、この細長い管は底端部で相互接続した隣接する細長い同軸状の第1導管および第2導管を備え、前記第1導管は管状であり、第1導管を環状の前記第2導管が包囲するものとし、各ボアホール熱交換器が、垂線に対して3〜95゜の角度で傾斜した向きで延在する主要部を有する複数のボアホール熱交換器と、前記複数のボアホール熱交換器が接続される、前記作動流体のためのマニホルドと、を備え
    前記複数のボアホール熱交換器の各々が、他の任意の前記複数のボアホール熱交換器に選択的に接続され、これにより、前記作動流体が前記ボアホール熱交換器間を流れることができ、且つ、前記作動流体を前記複数のボアホール熱交換器内で選択的に分配することができることを特徴とする地熱エネルギーシステム。
  2. 請求項1に記載の地熱エネルギーシステムにおいて、
    前記少なくとも一個のボアホール熱交換器は、垂線に対して10〜90°未満の平均傾斜を有する主要部を備える地熱エネルギーシステム。
  3. 請求項2に記載の地熱エネルギーシステムにおいて、
    前記少なくとも一個のボアホール熱交換器は、垂線に対して30〜60゜の平均傾斜を有する主要部を備える地熱エネルギーシステム。
  4. 請求項3に記載の地熱エネルギーシステムにおいて、
    前記少なくとも一個のボアホール熱交換器は、垂線に対して約45゜の平均傾斜を有する主要部を備える地熱エネルギーシステム。
  5. 複数のボアホール熱交換器を備え、各ボアホール熱交換器は、作動流体、および閉鎖した底端部を有する細長い管を備えるものとした、地熱エネルギーシステムの作動方法において、該作動方法は、
    少なくとも1個の第1ボアホール熱交換器を加熱源として、かつ少なくとも1個の第2ボアホール熱交換器をヒートシンクとして、同時に選択的に使用するステップを有することを特徴とする作動方法。
  6. 請求項5に記載の作動方法において、
    前記少なくとも1個の第1の熱交換器に、ほぼ垂直方向に延在する主要部を設け、前記少なくとも1個の第2の熱交換器に、実質的に水平方向に延在する主要部を設ける作動方法。
  7. 請求項5に記載の作動方法において、
    前記少なくとも1個の第1ボアホール熱交換器、および前記少なくとも1個の第2ボアホール熱交換器に、ほぼ傾斜した配向で延在する前記主要部を設ける作動方法。
  8. 請求項5〜7のいずれか一項に記載の作動方法において、
    前記第1ボアホール熱交換器および第2ボアホール熱交換器の少なくとも一方に、垂線に対して3〜95゜の角度の平均傾斜を設ける作動方法。
  9. 請求項8に記載の作動方法において、
    前記第1ボアホール熱交換器および第2ボアホール熱交換器の少なくとも一方に、垂線に対して30〜60゜の平均傾斜を有する主要部を設ける作動方法。
  10. 請求項9に記載の作動方法において、
    前記少なくとも一個のボアホール熱交換器に、垂線に対して約45゜の平均傾斜を設ける作動方法。
  11. 請求項5〜10のいずれか一項に記載の作動方法において、
    各細長い管に、底端部で相互接続した隣接する細長い第1導管および第2導管を設け、第1導管を管状とし、環状の第2導管により前記第1導管を包囲し、前記ボアホール熱交換器を作動流体のためのマニホルドに接続する作動方法。
  12. 請求項11に記載の制御方法において、
    前記複数のボアホール熱交換器それぞれを、複数のボアホール熱交換器における他の任意なボアホール熱交換器に対して、マニホルドに接続した弁によって選択的に接続可能にする作動方法。
  13. 請求項11または12に記載の作動方法において、
    それぞれのボアホール熱交換器のそれぞれ選択した方向に、選択した1個以上の前記ボアホール熱交換器を経て作動流体を選択的に通過させるマニホルドを配置する作動方法。
  14. 請求項5〜13のいずれか一項に記載の作動方法において、
    前記複数のボアホール熱交換器を、細長い管の中央表面アセンブリから地中に下方および側方に延在させて、前記複数のボアホール熱交換器を包囲する地熱エネルギーシステムにおける地中容積を規定し、中央表面アセンブリの土地占有面積を、前記地熱エネルギーシステムにおける地中容積の土地占有面積の10%未満とする作動方法。
  15. 請求項14に記載の作動方法において、
    前記中央表面アセンブリの土地占有面積を、前記地熱エネルギーシステムにおける地中容積の土地占有面積の5%未満とする作動方法。
  16. 請求項14または15に記載の作動方法において、
    中央表面アセンブリに剛性パッドを設け、該剛性パッドにボアホール熱交換器の上端を固定する作動方法。
  17. 地熱システムの作動方法であって、前記地熱システムは
    各ボアホール熱交換器が、作動流体を含み、閉鎖した底端部を有する細長い管を備え、この細長い管は、底端部で相互接続した隣接する細長い同軸の第1導管および第2導管を備え、前記第1導管は管状であり、第1導管を環状の前記第2導管が包囲するものとし、また各ボアホール熱交換器が、垂線に対して3〜95゜の角度で傾斜した向きで延在する主要部を有する、複数のボアホール熱交換器を備え、前記ボアホール熱交換器は、前記作動流体のためのマニホルドに接続された、該地熱システムの作動方法において、
    前記作動方法は、前記複数のボアホール熱交換器の各々を、他の任意の前記複数のボアホール熱交換器に選択的に接続するステップであって、これにより、前記作動流体が前記ボアホール熱交換器間を流れることができ、且つ、前記作動流体を前記複数のボアホール熱交換器内で選択的に分配することができる、ステップを有することを特徴とする地熱エネルギーシステムの作動方法。
  18. 請求項17に記載の作動方法において、
    前記少なくとも一個のボアホール熱交換器に、垂線に対して10〜90゜未満の平均傾斜を有する主要部を設ける作動方法。
  19. 請求項18に記載の作動方法において、
    前記少なくとも一個のボアホール熱交換器に、垂線に対して30〜60゜の平均傾斜を有する主要部を設ける作動方法。
  20. 請求項19に記載の作動方法において、
    前記少なくとも一個のボアホール熱交換器に、垂線に対して約45゜の平均傾斜を有する主要部を設ける作動方法。
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