以下に実施形態を説明する。
図1は、画像形成装置たとえば電子写真複写機1の概略構成を示している。電子写真複写機1は、画像読取装置1Aとプリンタ装置1Bとを有する。
画像読取装置1Aは、上部に、原稿台2、原稿カバー3A、プラテンスイッチ3B及び、操作部84を有する。
原稿台2は、ガラス等の光透過性部材から成る。複写対象の原稿が、ユーザにより、この原稿台2に載置される。原稿カバー3Aは、画像読取装置1Aに、図示しないヒンジ機構により開閉可能に取り付られる。原稿カバー3Aは、開いた状態で、原稿を原稿台2上に載置可能なように原稿台2を露出し、閉じた状態で、原稿が載置された原稿台2の全面を覆い、原稿走査用ランプ5からの光が外部に漏れるのを防止する。
プラテンスイッチ3Bは、画像読取装置1Aの上面に設けられ(図2参照)、原稿カバー3Aが閉じられた状態であるか否かを検知する。プラテンスイッチ3Bは、例えば、ユーザが原稿カバー3Aを閉じることにより、原稿カバー3Aの角度が所定角度以下となるとオフする(検出する)角度センサで構成される。操作部84は、画像読取装置1Aの上部に設けられ(図2参照)、表示手段84A及び入力手段84Bを有する。操作部84の詳細については後述する。
画像読取装置1Aは、内部に、第1キャリッジ4A、第2キャリッジ4B、変倍用レンズブロック9及びCCD(電荷転送デバイス)型のラインセンサ(以下、CCDセンサという)10を有する。第1キャリッジ4A及び第2キャリッジ4Bは、原稿台2の下面側で、往復動自在に設けられる。この第1キャリッジ4Aは、原稿走査用ランプ5及びミラー6を有する。原稿走査用ランプ5は、点灯しながら第1キャリッジ4Aが往復動することにより、原稿台2に載置されている原稿の全面を光走査する。
ミラー6は、この光走査により、原稿台2に載置されている原稿からの反射光を、第2キャリッジ4Bへ反射する。第2キャリッジ4Bは、ミラー7、8を有する。ミラー7、8は、ミラー6と共に、原稿からの反射光を変倍用レンズブロック9へ導く光路を形成する。
変倍用レンズブロック9は、第2キャリッジ4Bからの反射光をCCD(電荷転送デバイス)型のラインセンサ(以下、CCDセンサという)10に投影する。CCDラインセンサ10は、受光量に応じた電圧レベルの画像信号(以下、画像データということがある)を出力する。この画像信号は後述するレーザユニット27に送られる。
またさらに、画像読取装置1Aは、内部に原稿検出装置70を有する。原稿検出装置70は、原稿台2の下面側であって、上記第1キャリッジ4A及び第2キャリッジ4Bが往復動する移動路から外れた位置に固定される。原稿検出装置70は、原稿台2方向へ光を照射し、反射光を受光することにより原稿台2上に原稿が載置されているか否かを検出する。原稿検出装置70の詳細な構成及び原稿検出処理ついては後述する。
プリンタ装置1Bは、内部に、感光体ドラム20、帯電チャージャ21、レーザユニット27、現像器22、転写チャージャ23、剥離チャージャ24、クリーナ25及び、除電器26を有する。感光体ドラム20は、図示時計方向に回転可能に設けられる。帯電チャージャ23、現像器22、転写チャージャ23、剥離チャージャ24、クリーナ25及び、除電器26は、この感光体ドラム20の周囲に、順に配設される。
帯電チャージャ21は、感光体ドラム20を一様に帯電する。上記レーザユニット27は、上記画像信号に応じてレーザ光を発し、帯電チャージャ21と現像器22との間を通り、レーザ光を感光体ドラム20の周面に露光する。この露光により、感光体ドラム20に、上記画像信号に応じた静電潜像が形成される。
現像器22は、感光体ドラム20に現像剤を供給することにより、上記静電潜像を現像する。この現像により、感光体ドラム20上の静電潜像は顕像化される(現像剤像が形成される)。転写チャージャ23は、感光体ドラム20との間に送り込まれてくるコピー用紙Pに、上記現像剤像を転写する。剥離チャージャ24は、転写後のコピー用紙Pを感光体ドラム20から剥離する。
クリーナ25は、コピー用紙Pが剥離された後の感光体ドラム20に残る現像剤を除去することにより、感光体ドラム20をクリーニングする。除電器26は、感光体ドラム20の表面を除電して、感光体ドラム20を再度使用可能な状態にする。
プリンタ装置1Bは、さらに内部に、搬送ベルト34、定着装置40、排紙ローラ35及び、側部の排紙トレイ36を有する。搬送ベルト34は、感光体ドラム20から剥離されたコピー用紙Pを定着装置40へ搬送する。定着装置40は、加熱ローラ41および加圧ローラ42を有し、このローラ間にコピー用紙Pを挟み込んで、コピー用紙Pを搬送しながら、加熱ローラ41の熱によって、現像剤像をコピー用紙Pに定着する。排紙ローラ35は定着後のコピー用紙Pを搬送して、排紙トレイ36へ排出する。排紙トレイ36は、排出されたコピー用紙Pを受ける。
プリンタ装置1Bは、さらに底部に、コピー用紙給紙搬送機構を有する。コピー用紙給紙搬送機構は、複数の給紙カセット30、ピックアップローラ31、分離ローラ32及び、レジストローラ33を有する。複数の給紙カセット30は、記録媒体であるコピー用紙Pを、それぞれ多数枚収容する。ピックアップローラ31は、各給紙カセット30に設けられ、給紙カセット30からコピー用紙Pを取り出す。
複写動作時には、複数の給紙カセット30のうち、ユーザにより指定された給紙カセット30のピックアップローラ31が動作する。又は周知の原稿サイズ検知機能による検知結果により自動選択された給紙カセット30のピックアップローラ31が動作する。分離ローラ32は、ピックアップローラ31から取り出されたコピー用紙Pを一枚ずつに分離して搬送する。
レジストローラ33は、分離ローラ32により搬送されてきたコピー用紙Pを整位し、感光体ドラム20の回転にタイミングを合わせて、コピー用紙Pを転写チャージャ23と感光体ドラム20との間に送り込む。
次に、図2〜図4を用いて、原稿検出装置70について説明する。図2は、原稿台2に載置された原稿POと原稿検出装置70との位置関係を示す図である。まず原稿台2は、主走査方向(上記キャリッジ4A、4Bが移動する方向と直交する方向)に沿った一側端に、基準板2Aを有し、副走査方向(主走査方向に直交する方向)に沿った一側端に、基準板2Bを有する。
原稿POは、ユーザにより、この両基準板2A、2Bに突き当てられて、原稿台2上に載置される。原稿検出装置70は、原稿台2の下面において、上述した通り、キャリッジ4A、4Bが往復動する移動路から外れた位置に設けられると共に、上記の様に載置される原稿に対し光照射可能であって、かつ原稿からの散乱反射光を受光可能な位置に配置されている。
図2に示す原稿検出装置70の配置位置は、例えば、予め想定される最も小さいサイズの原稿であっても、上記光照射が可能であって、かつ上記散乱反射光を受光可能な位置である。図3及び図4は、原稿検出装置70の構成及び原稿検出処理に必要な制御手段80の構成を示すブロック図である。
原稿検出装置70は、たとえば、原稿検出用の光源部71、駆動部72、受光素子73、増幅器74及び、判断部75を有する反射型のセンサである。光源部71は、原稿に光を照射するもので、可視領域に波長のピーク値を有する複数の光源、例えば、赤、緑、青の波長領域にピーク値を持つ3個のLED光源71R、71G、71B(以下赤色LED71R、緑色LED71G、青色LED71Bということがある)を有する。
駆動部72は、上記3個のLED71R、71G、71Bを駆動する3個の駆動回路72R、72G、72Bを有する。駆動部72は、後述する制御部81の制御により、上記3個のLED71R、71G、71Bを駆動することにより、順に1個ずつ点灯及び消灯する。
受光素子73は、上記光源71により光照射された原稿POからの反射光を受光して、反射光量(受光量)に応じた信号を出力する。増幅器74は、受光素子73からの出力信号を電圧値に変換して増幅する。判断部75は、比較器75A、基準電圧発生器75B及び2値化回路75Cを有する。
比較器75Aは、増幅器74により増幅された上記受光量に対応する出力信号値を基準電圧値と比較する。基準電圧発生器75Bは、後述する記憶部82に予め記憶されている閾値に相当する基準電圧値(以下、この基準電圧値を閾値ということがある)を比較器75Aへ出力する。
2値化回路75Cは、比較器75Aの比較結果を2値データに変換して出力する(ハイレベルの信号H又はローレベルの信号L)。判断部75は、比較器75Aの比較結果を基に、原稿台2における原稿の有無を判断し、2値化回路75Cを用いて、原稿有無の判断結果を表す2値データを出力することになる。
具体的には、上記比較の結果、上記受光量に対応する出力信号値が閾値よりも大きい場合に、判断部75は、原稿無し(原稿有りを検知できない)と判断して、例えばローレベルの信号Lを出力する。また上記比較の結果、上記受光量に対応する出力信号が閾値よりも小さい場合に、判断部75は、原稿有りと判断して、例えばハイレベルの信号Hを出力する。
ここで、図7〜図9を用いて原稿POの濃度と受光素子73での受光量との関係及び、原稿POの濃度と2値化回路75Cからの出力とのの関係、及び上記閾値について説明する。まず、図7は、赤色LED71Rだけを点灯させた場合の原稿POの濃度と受光素子73における受光量との関係及び、原稿POの濃度と判断部75(2値化回路75C)からの出力との関係を示す図である。
図7(a)において、点線で示す曲線は、原稿PO下地色が赤色の場合の原稿POの濃度と受光素子73における受光量の関係を示している。また、図7(b)において、実線で示す曲線は、原稿POの下地色が赤色以外の場合の原稿POの濃度と受光素子73における受光量の関係を示している。
図7(a)において、点線で示す曲線の通り、原稿POの下地色が赤色の場合は、原稿POの濃度が低いと受光量は多く、原稿POの濃度が高くなるに連れて受光量は少なくなるが、ある濃度よりも濃度が高くなると、受光量はある一定値(この値をrとする)から変わらなくなる(ゼロにはならない)。
これに対し、図7(b)において、実線で示す曲線の通り、原稿POの下地色が赤色以外の場合は、原稿POの濃度が低いと受光量は多く、原稿POの濃度が高くなるに連れて受光量は少なくなり、ある濃度よりも濃度が高くなると、受光量はゼロになる。このような関係において、上記閾値に相当する受光量は、受光量rよりも低い受光量sに設定される。
後述する記憶部82には、この受光量sに相当するデジタル値が、上記閾値として予め記憶される。また記憶部82に記憶されている閾値は、D/Aコンバータ85を介して基準電圧発生器75Bに供給される。従って、赤色LED71Rだけを点灯させ、かつ原稿POの下地色が赤色の場合、増幅器74からの出力値(受光素子73からの出力値を増幅した信号値)は、常に上記閾値(基準電圧発生器75Bからの基準電圧値)より大きくなる。従って、判断部75は、原稿無し(原稿有りを検知できない)と判断して、図7(a)に示すように、ローレベルの信号Lを出力する。
これに対し赤色LED71Rだけを点灯させ、かつ原稿POの下地色が赤色以外の場合、原稿POの濃度がある値よりも低いと、増幅器74からの出力値は、上記閾値(基準電圧発生器75Bからの基準電圧値)よりも大きくなり、判断部75は、原稿無し(原稿有りを検知できない)と判断して、図7(b)の示すように、ローレベルの信号Lを出力する。
一方、原稿POの濃度がある値よりも高くなると、増幅器74からの出力値は、上記閾値(基準電圧発生器75Bからの基準電圧値)よりも小さくなり、判断部75は、原稿有りと判断して、図7(b)に示すように、ハイレベルの信号Hを出力する。なお、図7(b)において、原稿POの下地色が赤色以外の場合、上記実線の曲線は、実際は、色毎に異なる曲線になるが、説明を簡略化するために一つの曲線で表している。
次に図8は、緑色LED71Gだけを点灯させた場合の原稿POの濃度と受光素子73における受光量との関係及び、原稿POの濃度と判断部75(2値化回路75C)からの出力との関係を示す図である。図8(a)において、点線で示す曲線は、原稿PO下地色が緑色の場合の原稿POの濃度と受光素子73における受光量との関係を示している。また、図8(b)において、実線で示す曲線は、原稿POの下地色が緑色以外の場合の原稿POの濃度と受光素子73における受光量の関係を示している。
図8(a)において、点線で示す曲線の通り、原稿POの下地色が緑色の場合は、原稿POの濃度が低いと受光量は多く、原稿POの濃度が高くなるに連れて受光量は少なくなるが、ある濃度よりも濃度が高くなると、受光量はある一定値(この値をgとする)から変わらなくなる(ゼロにはならない)。
これに対し、図8(b)において、実線で示す曲線の通り、原稿POの下地色が緑色以外の場合は、原稿POの濃度が低いと受光量は多く、原稿POの濃度が高くなるに連れて受光量は少なくなり、ある濃度よりも濃度が高くなると、受光量はゼロになる。このような関係において、上記閾値に相当する受光量は、受光量gよりも低い受光量sに設定される。
後述する記憶部82には、この受光量sに相当するデジタル値が、上記閾値として予め記憶される。また記憶部82に記憶されている閾値は、D/Aコンバータ85を介して基準電圧発生器75Bに供給される。
従って、緑色LED71Gだけを点灯させ、かつ原稿POの下地色が緑色の場合、増幅器74からの出力値(受光素子73からの出力値を増幅した信号値)は、常に上記閾値(基準電圧発生器75Bからの基準電圧値)より大きくなる。従って判断部75は、原稿無し(原稿有りを検知できない)と判断して、図8(a)に示すように、ローレベルの信号Lを出力する。
これに対し緑色LED71Rだけを点灯させ、かつ原稿POの下地色が緑色以外の場合、原稿POの濃度がある値よりも低いと、増幅器74からの出力値は、上記閾値(基準電圧発生器75Bからの基準電圧値)よりも大きくなり、判断部75は、原稿無し(原稿有りを検知できない)と判断して、図8(b)に示すように、ローレベルの信号Lを出力する。
一方、原稿POの濃度がある値よりも高くなると、増幅器74からの出力値は、上記閾値(基準電圧発生器75Bからの基準電圧値)よりも小さくなり、判断部75は、原稿有りと判断して、図8(b)に示すように、ハイレベルの信号Hを出力する。なお、図8(b)において、原稿POの下地色が緑色以外の場合、上記実線の曲線は、実際は、色毎に異なる曲線になるが、説明を簡略化するために一つの曲線で表している。
次に図9は、青色LED71Bだけを点灯させた場合の原稿POの濃度と受光素子73における受光量との関係及び、原稿POの濃度と判断部75(2値化回路75C)からの出力との関係を示す図である。図9(a)において、点線で示す曲線は、原稿PO下地色が青色の場合の原稿POの濃度と受光素子73における受光量との関係を示している。また、図9(b)において、実線で示す曲線は、原稿POの下地色が青色以外の場合の原稿POの濃度と受光素子73における受光量との関係を示している。
図9(a)において、点線で示す曲線の通り、原稿POの下地色が青色の場合は、原稿POの濃度が低いと受光量は多く、原稿POの濃度が高くなるに連れて受光量は少なくなるが、ある濃度よりも濃度が高くなると、受光量はある一定値(この値をrとする)から変わらなくなる(ゼロにはならない)。
これに対し、図9(b)おいて、実線で示す曲線の通り、原稿POの下地色が青色以外の場合は、原稿POの濃度が低いと受光量は多く、原稿POの濃度が高くなるに連れて受光量は少なくなり、ある濃度よりも濃度が高くなると、受光量はゼロになる。このような関係において、上記閾値に相当する受光量は、上記受光量bよりも低い受光量sに設定される。後述する記憶部82には、この受光量sに相当するデジタル値が、閾値として予め記憶される。また記憶部82に記憶されている閾値は、D/Aコンバータ85を介して基準電圧発生器75Bに供給される。
従って、青色LED71Rだけを点灯させ、かつ原稿POの下地色が青色の場合、増幅器74からの出力値(受光素子73からの出力値を増幅した信号値)は、常に上記閾値(基準電圧発生器75Bからの基準電圧値)より大きくなる。従って判断部75は、原稿無し(原稿有りを検知できない)と判断して、図9(a)に示すように、ローレベルの信号Lを出力する。
これに対し青色LED71Rだけを点灯させ、かつ原稿POの下地色が青色以外の場合、原稿POの濃度がある値よりも低いと、増幅器74からの出力値は、上記閾値(基準電圧発生器75Bからの基準電圧値)よりも大きくなり、判断部75は、原稿無し(原稿有りを検知できない)と判断して、図9(b)に示すように、ローレベルの信号Lを出力する。
一方、原稿POの濃度がある値よりも高くなると、増幅器74からの出力値は、上記閾値(基準電圧発生器75Bからの基準電圧値)よりも小さくなり、判断部75は、原稿有りと判断して、図9(b)に示すように、ハイレベルHの信号を出力する。なお、図9(b)において、原稿POの下地色が青色以外の場合、上記実線の曲線は、実際は、色毎に異なる曲線になるが、説明を簡略化するために一つの曲線で表している。
以上の構成により、原稿の下地が色付きの場合であっても、LED71R、71G、71Bの個別点灯毎に、判断部75は、比較器75Aの比較結果を基に、原稿の有無を判断することができ、2値化回路75Cを用いて、原稿有無の判断結果を表す2値データを出力することができる。
さらに、制御手段80は、制御部81、記憶部82、演算部83、操作部84、前述したプラテンスイッチ3B、D/Aコンバータ85を有する。制御部81、記憶部82、演算部83、操作部84、D/Aコンバータ85は、それぞれがバス87を介して接続されている。制御手段80は、I/Oポート86を介して原稿検出装置70(駆動部72、2値化回路75C)に接続される。また制御手段80のD/Aコンバータ85は、原稿検出装置70の基準電圧発生器75Bと接続される。
制御部81は、CPU(Central Processing Unit)等で構成される。制御部81は、画像読取装置1A全体を制御し、操作部84におけるユーザの操作に従って、画像読取装置1Aの各部を動作させて、原稿走査機能などを実現する。制御部81はさらに、上記駆動部の72の駆動回路72R、72G、72Bを制御して、上記光源部71の光源71R、71G、71Bを順に1個ずつ点灯する。
制御部81はさらに、上記光源71R、71G、71Bのうちの点灯する光源に対応する上記閾値を後述する記憶部82から読み出す。この読み出された閾値は、上記D/Aコンバータによりアナログ信号値に変換されて、判断部75の基準電圧発生器75Bに供給される。
制御部81はさらに、原稿検出装置70の判断部75の判断結果(2値化回路75Cのハイレベルの信号H又はローレベルの信号L)に従って、原稿台2に載置される原稿の有無を認識し、原稿無しの場合は、操作部84の表示手段84Aにおいて、ユーザに対し原稿無しの表示又、原稿の載置を促す表示制御を行う。また原稿有りの場合は、例えば周知の原稿サイズ検知機能の動作制御を行う。
記憶部82は、例えばRAM及びROM等のメモリから構成される。記憶部(RAM)82は、CCDセンサ10により得た原稿画像の画像データなどを格納すると共に、制御部81や画像読取装置1Aの他の各部の処理において必要なデータなどを格納する。
記憶部(RAM)82はさらに、上記原稿有無判断に使用される上記閾値を予め記憶している。この閾値は、上記光源71R、71G、71Bに対応して、複数個記憶されており、上記光源71R、71G、71Bのうち点灯される光源に対応した閾値が、上記制御部に読み出される。また、記憶部(RAM)82は、予め記憶している閾値に替えて、後述する操作部84のユーザによる操作により受付けた入力値に相当する閾値を記憶する。
また記憶部(ROM)82は、制御部81の動作を規定する制御プログラムや固定的なデータなどを記憶している。記憶部(ROM)82はさらに、上記原稿有無の判断処理を規定する制御プログラムを記憶している。演算部83は、制御部81が各部を動作させるのに必要な各種演算を、制御部81の制御に基づいて行う。
操作部84は、表示手段84Aと、入力手段84Bを有する。表示手段84Aは、LCD(液晶ディスプレイ)などから構成される。表示手段84Aは、制御部81の制御に基づいて、画像読取装置1Aやプリンタ装置1Bの動作状況、各種の設定を行うための表示画面、入力手段84Bにより入力された数値等を表示する。表示手段84Aはさらに、上記原稿有無の判断結果に基づく原稿有無に関する情報や、記憶部(RAM)82に記憶されている現状の上記閾値(又は閾値に相当するデータ)を表示する。
入力手段84Bは、画像読取装置1Aを含む電子写真複写機1をユーザが操作するための各種のキーから構成される。入力手段84Bは、ユーザによるキー操作により入力された設定内容を受け付ける。入力手段84Bはさらに、記憶部(RAM)82記憶されている上記閾値に替えて、新たな閾値の入力を受け付ける。
なお、上記表示手段84Aは、タッチパネル方式のもので構成されることにより、上記入力手段84Bの一部又は全部を代用することも可能である。 D/Aコンバータ85は、記憶部(RAM)82に予め記憶されている上記閾値、又は上記入力手段84Bにより受付けられた新たな閾値をアナログ信号に変換して、基準電圧発生器75Bに出力する。
図5は、原稿有無の判定処理手順を示すフローチャートである。まず、画像読取装置1Aは、ユーザにより、原稿カバー3Aが閉じられると、原稿有無検出モードになる。すなわち、ACT1において、原稿カバー3Aが閉じられると、プラテンスイッチ3Bがオフする。制御部81は、プラテンスイッチ3Bがオフしたことに基づいて、原稿カバー3Aが閉じられたことを判断する。
ACT2において、制御部81は、駆動回路72Rを制御して、赤色LED71Rを発光させる。また制御部81は、記憶部82から、赤色LED71Rに対応する閾値を読み出し、判断部75(基準電圧発生器75B)に供給する。
ACT3において、判断部75は、受光素子73の受光量に応じた出力信号と上記閾値(赤色LED71Rに対応する閾値)とを、比較器75Aを用いて比較する。この比較の結果、上記受光量に応じた出力信号が上記閾値よりも大きい場合、判断部75は、原稿無し(原稿が検知できなかった)と判断して、2値化回路75Cによりローレベルの信号Lを出力する。
ACT4において、制御部81は、判断部75の判断結果(2値化回路75Cからのローレベル信号L)を受けて原稿無しであると認識し、駆動回路72Rを制御して、赤色LED71Rを消灯する。
つぎにACT5において、制御部81は、駆動回路72Gを制御して、緑色LED71Gを発光させる。また制御部81は、記憶部82から、緑色LED71Gに対応する閾値を読み出し、判断部75(基準電圧発生器75B)に供給する。
ACT6において、判断部75は、再び、受光素子73の受光量に応じた出力信号と上記閾値(緑色LED71Gに対応する閾値)とを、比較器75Aを用いて比較する。この比較の結果、上記受光量に応じた出力信号が上記閾値よりも大きい場合、判断部75は、原稿無し(原稿が検知できなかった)と判断して。2値化回路75Cによりローレベルの信号Lを出力する。
ACT7において、制御部81は、判断部75の判断結果(2値化回路75Cからのローレベルの信号L)を受けて原稿無しであると認識し、駆動回路72Gを制御して、緑色LED71Gを消灯する。
つぎにACT8において、制御部81は、駆動回路72Bを制御して、青色LED71Bを発光させる。また制御部81は、記憶部82から、青色LED71Bに対応する閾値を読み出し、判断部75(基準電圧発生器75B)に供給する。
ACT9において、判断部75は、再び、受光素子73の受光量に応じた出力信号と上記閾値(青色LED71Bに対応する閾値)とを、比較器75Aを用いて比較する。この比較の結果、上記受光量に応じた出力信号が上記閾値よりも大きい場合、判断部75は、原稿無し(原稿が検知できなかった)と判断して。2値化回路75Cによりローレベルの信号Lを出力する。
ACT10において、制御部81は、判断部75の上記原稿無し判断結果(2値化回路75Cからのローレベル信号L)を受けて原稿無しであると認識し、駆動回路72Bを制御して、青色LED71Bを消灯する。
以上の処理手順の通り、赤色LED71Rを発光させても、緑色LED71Gを発光させても、青色LED71Bを発光させても、原稿ありと判断できない場合、制御部81は、原稿カバー3Aが閉じられたが、原稿台2上に原稿がないと最終的に判断し、原稿有無検出モードを終了する。
この状態で、ユーザが操作部84の複写スタートスイッチを操作すると、制御部81は、たとえば、操作部84の表示手段84Aに、ユーザに対して原稿の載置を促すメッセイジを表示させる。
一方、上記ACT2で赤色LED71Rを発光させることにより、上記ACT3の比較の結果、上記受光量に応じた出力信号値が上記閾値(赤色LED71Rに対応する閾値)よりも小さい場合、判断部75は、原稿有り(原稿が検知できた)と判断して、2値化回路75Cによりハイレベルの信号Hを出力する。
ACT11において、制御部81は、判断部75の判断結果(2値化回路75Cからのハイレベルの信号H)を受けて、原稿有りと認識し、駆動回路72Rを制御して、赤色LED71Rを消灯する。これにより原稿有無検出モードが完了する。
また、上記ACT4で赤色LED71Rを消灯させ、上記ACT5で緑色LED71Rを発光させることにより、上記ACT6の比較の結果、上記受光量に応じた出力信号値が上記閾値(緑色LED71Gに対応する閾値)よりも小さい場合、判断部75は、原稿有り(原稿が検知できた)と判断して、2値化回路75Cによりハイレベルの信号Hを出力する。
この場合もACT11において、制御部81は、判断部75の判断結果(2値化回路75Cからのハイレベルの信号H)を受けて、原稿有りと認識し、駆動回路72Gを制御して、緑色LED71Gを消灯する。これにより原稿有無検出モードが完了する。
また上記ACT7で緑色LED71Gを消灯させ、上記ACT8で青色LED71Bを発光させることにより、上記ACT9.の比較の結果、上記受光量に応じた出力信号値が上記閾値(青色LED71Bに対応する閾値)よりも小さい場合、判断部75は、原稿有り(原稿が検知できた)と判断して、2値化回路75Cによりハイレベルの信号Hを出力する。
この場合もACT11において、制御部81は、判断部75の判断結果(2値化回路75Cからのハイレベル信号H)を受けて、原稿有りと認識し、駆動回路72Gを制御して、青色LED71Bを消灯する。これにより原稿有無検出モードが完了する。
すなわち、制御部81は、赤色LED71R、緑色LED71G、青色LED71Bを順次個別に点灯させる。この過程で、各LEDを発光させる毎に、判断部75は、受光素子73の受光量に応じた出力信号値と所定の閾値(光源71R、71G、72Bに対応する閾値)とを、比較器75Aを用いて比較する。
そしてこの比較の結果、上記受光量に応じた出力信号値が上記閾値よりも大きい場合、上記ACT11において、制御部81は、原稿ありと認識し、原稿検知処理モードを完了する。また制御部は、ACT11において、例えば、操作部84の表示手段84Aに、原稿ありのメッセイジを表示させる。さらに、制御部81は、例えば周知の原稿サイズ検知機能の動作制御を行う。以上の第1の実施形態により、原稿の下地の色が、白ではなく色付きの場合であっても、原稿台2上の原稿の有無を検出することが可能となる。
図6は、他の実施形態の原稿検出装置90の構成及び原稿検出処理に必要な制御手段80の構成を示すブロック図である。原稿検出装置90は、原稿検出用光源部71、駆動部72、受光素子73、及び、増幅器74を有する。原稿検出用光源部71、駆動部72、受光素子73、及び、増幅器74については、上記第1の実施形態と同一の構成であるため、説明を省略する。
原稿検出装置90は、上記判断部75を有していない。上記判断部75の機能、すなわち受光素子73の受光量に応じた出力信号と、上記閾値とを比較して原稿有無の判断を行い、その判断結果を有する機能は、制御手段80が有する。すなわち制御手段80は、制御部81、記憶部82、演算部91、操作部84、前述したプラテンスイッチ3B、A/Dコンバータ92を有する。
制御部81、記憶部82、演算部91、操作部84、A/Dコンバータ92は、それぞれがバス87を介して接続されている。また制御手段80は、I/Oポート86を介して原稿検出装置90(駆動部72)に接続される。また制御手段80のA/Dコンバータ92は、原稿検出装置90の増幅器74と接続される。制御部81、記憶部82及び操作部84は上記第1の実施形態と同一の構成であるため、説明を省略する。演算部91は、制御部81が各部を動作させるのに必要な各種演算を、制御部81の制御に基づいて行うと共に、上記判断部75としても機能する。
すなわち演算部91は、A/Dコンバータ92を介して入力される増幅器74からの出力信号値(上記受光素子73からの受光量に応じた出力信号を増幅し電圧レベルに変換した出力信号値)と、上記閾値とを比較演算することにより、原稿有無の判断し、その判断結果をバス87を介して制御部81へ出力する。
A/Dコンバータ92は、増幅器74からの出力信号をデジタル信号に変換する。なお、上記閾値は、上記第1の実施形態と同様に、記憶部82に記憶されており、バス87を介して演算部91に入力される。また、制御部81は、制御部81は、上記第1の実施形態の場合と同様に、判断部である演算部92の判断結果に従って、原稿台2に載置される原稿の有無を認識し、原稿無しの場合は、操作部84の表示手段84Aにおいて、ユーザに対し原稿無しの表示又、原稿の載置を促す表示制御を行う。
また原稿有りの場合は、制御部81は、操作部84の表示手段84Aに、原稿ありのメッセイジを表示させる。さらに例えば周知の原稿サイズ検知機能の動作制御を行う。なお、以上の構成による第2の実施形態における原稿有無の判定処理手順は、既に説明した第1の実施形態と同じ(図5の通り)であるため、説明を省略する。
以上詳述したように、上述した実施形態においては、可視光領域に波長のピーク値を有する複数の光源を有し、これらの光源を1個ずつ点灯させ、光源が点灯される毎に反射光を受光して原稿台における原稿の有無を判断する構成とした。従って原稿の下地が色付きの場合であっても、上記複数の光源のうちのいずれかの光源が点灯したときに、原稿の有無を検知することが可能である。
なお、上述した実施形態においては、1個の原稿検出装置70、90を原稿台の下側に設けて、原稿台における原稿の有無を判断したが、複数個の原稿検出装置を設けても良い。 また、上述した実施形態においては、原稿検出装置70、90を原稿台の下側に固定して設けたが、主走査方向又は副走査方向に移動可能に設けても良い。
また、上述した実施形態においては、可視光領域に波長のピーク値を有する複数の光源として、赤、緑、青の波長領域にピーク値を有する3個の光源を用いたが、例えば赤、青の波長領域にピーク値を有する2個の光源としても良い。また、上述した実施形態においては、3個の光源に対応する閾値を予め記憶しているが、3個の光源に共通な閾値を予め記憶するようにしても良い。
上述した実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲は要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。