JP5691691B2 - 液体供給装置、液体噴射装置及び液体供給装置の製造方法 - Google Patents

液体供給装置、液体噴射装置及び液体供給装置の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体供給源側となる上流側から液体が消費される下流側に向けて液体を供給する液体供給装置、該液体供給装置を備えた液体噴射装置、及び液体供給装置の製造方法に関する。
従来、液体をターゲットに対して噴射させる液体噴射装置として、インクジェット式プリンター(以下、「プリンター」ともいう。)が広く知られている。このプリンターは、記録ヘッド(液体噴射ヘッド)に供給されるインク(液体)を記録ヘッドに形成されたノズルから噴射することにより、ターゲットとしての記録媒体に対して印刷処理を施すようになっている。
また、近年では、インクカートリッジ(液体供給源)と記録ヘッドとの間を接続するインク流路(液体供給流路)の途中位置に、インクカートリッジ側から記録ヘッド側にインクを加圧供給するためにポンプ駆動するダイアフラムポンプを備えたプリンターが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、特許文献1に記載のプリンターにおいては、インク流路を構成する流路形成部材の一面側に凹部が形成されており、この凹部の開口を覆うように可撓性のダイアフラムが配置されることにより、ダイアフラムポンプのポンプ室が構成されている。また、インク流路におけるインクカートリッジとポンプ室との間及び記録ヘッドとポンプ室との間には、インクカートリッジ側となる上流側から記録ヘッド側となる下流側へのインクの通過のみを許容する逆止弁がそれぞれ設けられている。
そして、ポンプ室の容積を増加させるようにダイアフラムが変位すると、ポンプ室内に生成される負圧に基づいてインクカートリッジからポンプ室にインクが吸引される一方で、ポンプ室の容積を減少させるようにダイアフラムが変位すると、ポンプ室内に収容されたインクがポンプ室から記録ヘッドに向けて加圧供給される。そこで、上記のプリンターにおいては、ポンプ室の容積を増減させるようにダイアフラムを反復して変位させることにより、インクカートリッジ側から記録ヘッド側に向けてインクが脈動的に加圧供給されるようになっている。
特開2009−160912号公報
ところで、ダイアフラムポンプからのインクの吐出圧を減衰させることなく記録ヘッド側に向けてインクを加圧供給するためには、ダイアフラムポンプから吐出されるインクがインク流路内で大きな圧力損失を受ける前段階で下流側の逆止弁を通過するように、ダイアフラムポンプと下流側の逆止弁とを近接して配置することが望ましい。
そこで、流路形成部材において、ポンプ室を構成する凹部を第1の凹部として、この第1の凹部の裏面側となる位置に、ポンプ室に連通する第2の凹部を形成すると共に、この第2の凹部内に逆止弁を収容した状態で逆止弁に対してフィルムを溶着させて逆止弁を流路形成部材に対して固定することも考えられる。
そして、かかる構成において、逆止弁に対してフィルムを溶着させるためには、この逆止弁を収容する第2の凹部の裏面側となるポンプ室を構成する第1の凹部の凹湾曲面状の内側面を支持部材によって支持し、フィルムの溶着時に加わる押圧力で流路形成部材が撓んでしまうことを抑制する必要がある。しかしながら、第1の凹部の凹湾曲面に合う正確な形状の支持面を有した支持部材を作成することは困難であり、又、もし仮に、このような複雑な形状の凹湾曲面に合うように支持部材の支持面が作成できたとしても、支持面の寸法の設計上の公差によって支持面と第1の凹部の凹湾曲面との間にはクリアランスが介在してしまう。
そのため、かかる状態で、フィルムを流路形成部材の第2の凹部に収容された逆止弁に対して熱溶着させるために、ヒーターを流路形成部材における第2の凹部が形成された面に対して押し当てると、流路形成部材が第1の凹部の凹湾曲面を支持部材の支持面に対して面接触させるように撓んでしまい、第2の凹部内の逆止弁に対してフィルムを正確に溶着させることが困難となる虞があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ポンプからの液体の吐出圧が減衰することを抑制しつつ下流側に向けて液体を供給することができる液体供給装置、液体噴射装置及び液体供給装置の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の液体供給装置は、液体供給源側となる上流側から液体が消費される下流側に向けて液体を供給する液体供給流路が形成される流路形成部材と、前記流路形成部材の第1面に形成された第1の凹部の開口を覆うように設けられ、該第1の凹部の内側の空間域を前記液体供給流路の一部を構成するポンプ室として機能させるために該ポンプ室の容積を増減させるように変位する変位部材と、前記流路形成部材において前記第1面の裏面側となる第2面に形成された第2の凹部に収容され、前記第2の凹部の内側の空間域を前記液体供給流路の一部を構成する弁室として機能させるために前記第1の凹部と前記第2の凹部との連通路を開閉可能に設けられたバルブと、前記第2の凹部に前記バルブを収容した状態で、前記第2の凹部の開口を覆うように前記バルブ及び前記流路形成部材の前記第2面に対して溶着されるフィルムとを備え、前記第1の凹部及び前記第2の凹部は、前記流路形成部材の前記第2面と直交する方向から見て重畳して配置されると共に、前記第1の凹部の内面には前記第2面と直交する方向に対して交差する平面部が前記第1の凹部の内面と非一様な面状態で設けられている。
一般に、流路形成部材において第1の凹部が形成された第1面の裏面側となる第2面に形成された第2の凹部にバルブを収容した状態で、第2の凹部の開口を覆うようにフィルムを溶着させる場合には、第1の凹部の内面に支持部材を当接させた状態で、流路形成部材の第2面に対してフィルムを密着させるために押圧部材を押し当てる必要がある。この場合、支持部材が当接する第1の凹部は流路形成部材の第1面に陥没するように形成されたものであるため、押圧部材を流路形成部材の第2面に対して押し当てると、流路形成部材が撓んでしまい、流路形成部材の第2面と直交する方向から見て第1の凹部と重畳するように配置された第2の凹部は、流路形成部材の撓みに応じて変形する。そのため、この第2の凹部に収容したバルブが第2の凹部内で変位してしまいバルブに対してフィルムを適切に溶着させることが困難となる。
この点、上記構成によれば、流路形成部材において第1の凹部の内面には流路形成部材の第2面と直交する方向に対して交差すると共に第1の凹部の内面とは非一様な面状態となる平面部が設けられており、この平面部に対して支持部材を当接させることになる。そして、流路形成部材の第2面に対して該第2面と直交する方向に押圧部材から押圧力が作用したとしても、このような押圧力が作用した流路形成部材は支持部材によって平面部を介して安定に支持される。そのため、流路形成部材の無用な撓みが抑制され、第2の凹部に収容されたバルブに対してフィルムを好適に溶着させることができる。その結果、第1の凹部と第2の凹部とを流路形成部材の第2面と直交する方向から見て重畳して配置することにより、第1の凹部が構成するポンプ室と第2の凹部に収容されるバルブとを近接して配置することが可能となる。したがって、ポンプ室からバルブを通じて第2の凹部に至るまでの間に液体に対して作用する圧力損失が低減されるため、ポンプからの液体の吐出圧が減衰することを抑制しつつ下流側に向けて液体を供給することができる。
また、本発明の液体供給装置において、前記平面部は、前記流路形成部材の前記第2面と平行である。
上記構成によれば、流路形成部材の第2面に対して該第2面と直交する方向に押圧力が作用したとしても、このような押圧力が作用した流路形成部材は、第2面と直交する方向に変位することなく支持部材によって平面部を介して更に安定に支持される。そのため、第2の凹部に収容されたバルブに対してフィルムを更に好適に溶着させることができる。
また、本発明の液体供給装置において、前記第1の凹部の内底面は凹湾曲面状をなすと共に、該内底面には溝部が形成されており、前記平面部は、前記溝部の内底面である。
上記構成によれば、変位部材を第1の凹部の内底面に対して隙間なく密着させてポンプ室内に液体が残留することを抑制するために、ポンプ室の内面の一部を構成する第1の凹部の内底面を凹湾曲面状に形成した場合であっても、この第1の凹部の内底面に形成された溝部における平面状の内底面に対して支持部材を押し当てることにより、流路形成部材が安定に支持される。そのため、第2の凹部に収容されたバルブに対してフィルムを好適に溶着させることができる。
また、本発明の液体供給装置において、前記溝部の内側面は、前記第1の凹部の内底面から前記流路形成部材の前記第2面と直交する方向に延びるように形成されている。
上記構成によれば、第1の凹部の内底面に形成された溝部に対して支持部材を当該溝部の内側面をガイドとして容易に挿入して流路形成部材を支持することができるため、第2の凹部に収容されたバルブに対してフィルムをより簡便に溶着させることができる。
また、本発明の液体噴射装置は、上記構成の液体供給装置と、ターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドとを備えた。
上記構成によれば、上記液体供給装置の発明と同様の効果が得られる。
また、本発明の液体供給装置の製造方法は、液体供給源側となる上流側から液体が消費される下流側に向けて液体を供給する液体供給流路が形成された流路形成部材において、前記液体供給流路の一部となるポンプ室を構成する第1の凹部が形成された第1面の裏面側となる第2面に対して該第2面と直交する方向から見て前記第1の凹部と重畳するように形成された第2の凹部に対し、前記液体供給流路を開閉可能とするバルブを収容するバルブ収容ステップと、前記第2の凹部に前記バルブを収容した状態で、前記第1の凹部の内面に設けられた前記流路形成部材の前記第2面と直交する方向に対して交差すると共に前記第1の凹部の内面とは非一様な面状態の平面部に対して支持部材を当接させる当接ステップと、前記平面部に前記支持部材を当接させた状態で、前記バルブを収容した前記第2の凹部の開口を覆うように前記バルブ及び前記流路形成部材の前記第2面に対してフィルムを溶着させる溶着ステップと、前記第2の凹部の開口を覆うように前記フィルムを溶着させた状態で、前記ポンプ室の容積を増減させるように変位する変位部材を前記第1の凹部の開口を覆うようにして設けることにより前記ポンプ室を形成するポンプ室形成ステップとを備えた。
上記構成によれば、上記液体供給装置の発明と同様の効果が得られる。
本発明に係る液体噴射装置を背面側から見た断面図。 本発明に係る液体供給装置の前側部分の分解斜視図。 本発明に係る液体供給装置の後側部分の分解斜視図。 吐出側一方向弁を説明するための分解斜視図。 流路形成部材の背面図。 流路形成部材の正面図。 ポンプの吸引動作を説明するための断面図。 ポンプの吐出動作を説明するための断面図。 (a)は吐出側一方向弁を取り付ける前の流路形成部材の断面図、(b)は吐出側一方向弁を収容した状態の流路形成部材の断面図、(c)は支持部材によって流路形成部材を支持した状態の流路形成部材の断面図。 (a)は第3フィルム部材を熱溶着させている状態の流路形成部材の断面図、(b)はダイアフラムポンプの取り付けが完了した状態の流路形成部材の断面図。
以下、本発明に係る液体噴射装置をインクジェット式プリンターに具体化した実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明においては、各図中に矢印で示すように、鉛直方向Zにおける重力方向を下方向、反重力方向を上方向とする。また、鉛直方向Zと交差する装置の奥行き方向Yにおいて用紙が搬送される搬送方向を前方向、その搬送方向の反対方向を後方向とする。さらに鉛直方向Zおよび奥行き方向Yの双方と交差する方向であって液体噴射ヘッドが往復移動する方向すなわち主走査方向Xを、前方から見て、それぞれ右方向、左方向と呼ぶものとする。また、図面中の上方向、右方向及び前方向を示す矢印において、丸印の中に点が記載されたもの(矢の先端を前から見た図)は紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、丸印の中にバツが記載されたもの(矢の羽根を後ろから見た図)は紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
図1に示すように、本実施形態のプリンター11においては、フレーム12内に配設された支持部材13上に、フレーム12の長手方向となる主走査方向X及び鉛直方向Zと交差する搬送方向(本実施形態では前後方向)に沿って用紙Pが搬送される。
フレーム12の長手方向における左端側に配設されたカートリッジホルダー14には、液体の一例としてのインクを収容する液体供給源の一例としての複数のインクカートリッジ15(15B,15C)が着脱可能に装着される。なお、本実施形態においては、ブラックインクを収容する1つのブラック用インクカートリッジ15B及び互いに異なる色のカラーインクを収容する3つのカラー用インクカートリッジ15Cがカートリッジホルダー14に装着されるようになっている。
フレーム12内には鉛直方向Zと交差する主走査方向Xに延びるガイド軸16が架設されているとともに、このガイド軸16にはキャリッジ17が摺動可能に支持されている。キャリッジ17は、図示しないキャリッジモーターの駆動によりガイド軸16に沿って主走査方向Xに往復移動されるようになっている。
キャリッジ17の下面側には、インクを噴射する複数のノズル18が設けられた液体噴射ヘッド19が支持されている。なお、搬送方向に並ぶ複数のノズル18は同じ色のインクを噴射するノズル列を構成する。また、液体噴射ヘッド19には異なる色のインクに対応するノズル列が主走査方向Xに沿って複数(本実施形態では4列)配列されている。
カートリッジホルダー14の背面側には、各インクカートリッジ15に収容されたインクを液体噴射ヘッド19に供給するための液体供給装置20が配置されている。また、液体供給装置20には接続部21が設けられているとともに、液体供給装置20の接続部21には可撓性を有するインク供給チューブ22の上流端が接続されている。そして、各インクカートリッジ15は、液体供給装置20及びインク供給チューブ22を介して液体噴射ヘッド19と接続されている。
すなわち、プリンター11は、フレーム12側に設けられたインクカートリッジ15からキャリッジ17に搭載された液体噴射ヘッド19にインクを供給する所謂オフキャリッジタイプのプリンターである。そして、プリンター11は、液体噴射ヘッド19内に設けられた図示しない圧電素子の駆動によってノズル18から用紙Pに対してインクを噴射することで、用紙Pに印刷処理を施すようになっている。
フレーム12内においてキャリッジ17の主走査方向Xに沿う移動範囲における右端側はホーム位置HPとなっている。そして、フレーム12内においてホーム位置HPと対応する位置には、液体噴射ヘッド19に対して各種メンテナンス処理を行うためのメンテナンス装置23が配設されている。
メンテナンス装置23は、液体噴射ヘッド19に対応する大きさに形成された有底箱状のキャップ24と、キャップ24を昇降移動させるための昇降機構25と、キャップ24内を吸引するための吸引ポンプ26とを備えている。
キャップ24は、上昇移動してホーム位置HPに配置された液体噴射ヘッド19のインクを噴射するノズル18の開口を囲うように液体噴射ヘッド19に当接することにより、液体噴射ヘッド19のノズル18が開口する下面側との間に閉空間域を囲み形成する。そして、この状態で吸引ポンプ26を駆動することにより、閉空間域に負圧を発生させ、ノズル18を通じて液体噴射ヘッド19内のインクを排出させる吸引クリーニングが実行されるようになっている。
次に、液体供給装置20の概略構成について説明する。
図1の部分拡大図に示すように、液体供給装置20には、インクカートリッジ15側となる上流側から液体噴射ヘッド19側となる下流側に向けてインクを供給するための液体供給流路の一例としての液体供給路27がインクの色毎に設けられている。また、各液体供給路27の上流端は、それぞれ対応する色のインクカートリッジ15内に挿入される接続部28となっている。また、各液体供給路27の下流端は、それぞれ対応する色のインク供給チューブ22の上流端に接続されている。
各液体供給路27の途中には、インクカートリッジ15に収容されたインクを吸引する吸引動作と吸引したインクを液体噴射ヘッド19側に向けて吐出する吐出動作とを行うダイアフラム式のポンプ29がそれぞれ設けられている。また、各液体供給路27においてポンプ29の下流側には、ポンプ29から吐出されたインクを一時貯留するバッファ30(30B,30C)がそれぞれ設けられている。すなわち、本実施形態において、液体供給装置20にはそれぞれ4つずつポンプ29及びバッファ30が設けられている。
ブラックインクを貯留するためのバッファ30であるブラック用バッファ30Bは、カラーインクを貯留するためのバッファ30であるカラー用バッファ30Cよりも貯留容量が大きくなっている。また、ブラック用バッファ30Bはカラー用バッファ30Cの上方に配置されているとともに、複数(本実施形態では3つ)のカラー用バッファ30Cは主走査方向Xに並ぶように配置されている。
各液体供給路27においてインクカートリッジ15につながる接続部28とポンプ29との間には、ポンプ29が吸引動作を行う場合に開弁するとともにポンプ29が吐出動作を行う場合に閉弁する吸引側一方向弁31が設けられている。また、各液体供給路27においてポンプ29とバッファ30との間には、ポンプ29が吸引動作を行う場合に閉弁するとともにポンプが吐出動作を行う場合に開弁するバルブの一例としての吐出側一方向弁32が設けられている。なお、吸引側一方向弁31とポンプ29とは、液体供給路27を構成する第1流路27aを通じて連通している。また、吐出側一方向弁32とバッファ30とは、液体供給路27を構成する第2流路27bを通じて連通している。
さらに、各液体供給路27においてバッファ30と液体噴射ヘッド19につながるインク供給チューブ22との間にはチョーク弁33が設けられている。チョーク弁33は、バッファ30側となる上流側の加圧力よりも液体噴射ヘッド19側となる下流側の負圧力が大きくなった場合に閉弁して液体供給路27を閉塞するようになっている。なお、バッファ30とチョーク弁33とは液体供給路27を構成する第3流路27cを通じて連通しているとともに、チョーク弁33と接続部21とは液体供給路27を構成する第4流路27dを通じて連通している。
したがって、吸引クリーニングが実行されるとチョーク弁33が液体供給路27を閉塞することで液体噴射ヘッド19内の負圧が高まり、その後ポンプ29が吐出動作を行うことで、インクとともに液体噴射ヘッド19内に滞留している気泡や増粘したインクなどがノズル18を通じて勢いよく排出されるようになっている。すなわち、メンテナンス装置23及びチョーク弁33によって、排出クリーニングの一種であるチョーククリーニングが実行されるようになっている。
なお、カートリッジホルダー14は、主走査方向Xに沿うキャリッジ17の移動領域と対応する位置(詳しくは、移動領域の左端側の上方)に配置されている。また、ポンプ29、吸引側一方向弁31、吐出側一方向弁32及びチョーク弁33は、主走査方向X及び鉛直方向Zと交差する装置の奥行き方向Y(本実施形態では前後方向)においてカートリッジホルダー14と並ぶように、カートリッジホルダー14の背面側となる第1領域34Lに配置されている。一方、各バッファ30は、主走査方向Xにおいてカートリッジホルダー14と並ぶように、第1領域34Lの右側に位置する第2領域34Rに配置されている。
次に、液体供給装置20の構造について説明する。
図2に示すように、液体供給装置20は、主走査方向X及び鉛直方向Zと交差(本実施形態では直交)する装置の奥行き方向Yにおいて、カートリッジホルダー14の後方に配置される板状をなす流路形成部材35を備えている。
流路形成部材35の第1面となる前面35Aには、第1領域34Lと対応する位置に、溝状をなす1本の流体流路形成凹部37と、溝状をなす4本の第2流路形成凹部38と、平面視略円状をなす4つの第1の凹部の一例としてのポンプ用凹部39と、平面視略円状をなす4つのチョーク弁用凹部40とが、上側から下側に向けて並ぶように形成されている。また、各チョーク弁用凹部40の上端付近には溝状の導入凹部40aの下流端がそれぞれ接続されている。なお、各4つのポンプ用凹部39及びチョーク弁用凹部40は、それぞれ主走査方向Xに並ぶように配置されている。
また、流路形成部材35の前面35Aにおいて第2領域34Rと対応する位置には、第1領域34Lから続く溝状の第2流路形成凹部38と、同じく溝状をなす4本の第3流路形成凹部41とが形成されている。
流路形成部材35の前面35Aからは、鉛直方向Zにおいてポンプ用凹部39とチョーク弁用凹部40との間となる位置から円筒形状をなす4つの接続部28が主走査方向Xに並ぶように突設されている。また、流路形成部材35の前面35Aにおいて各ポンプ用凹部39の開口の外周部にあたる位置には、前方に向けて突設される位置決め突起39a,39bがそれぞれ形成されている。
流路形成部材35の前面35A側には、流体流路形成凹部37、第2流路形成凹部38及び第3流路形成凹部41を覆うように第1フィルム部材42が溶着される。そして、第2流路形成凹部38及び第1フィルム部材42によって第2流路27b(図1参照)が囲み形成されるとともに、第3流路形成凹部41及び第1フィルム部材42によって第3流路27c(図1参照)の上流側部分が囲み形成される。
また、流路形成部材35の前面35A側には、チョーク弁用凹部40及び導入凹部40aを覆うように第2フィルム部材43が溶着される。さらに、流路形成部材35の左下部分からは、下方に向けて延設部35bが延設されているとともに、延設部35bの先端側には接続部21が前方に向けて突設されている。
流路形成部材35とカートリッジホルダー14との間において各ポンプ用凹部39と対応する位置には、平面視略円状をなす変位部材の一例としてのダイアフラム45と、略円筒形状をなすばね座46と、第1コイルばね47とが、後側から前側に向けて並ぶようにそれぞれ設けられている。なお、各ダイアフラム45の前面側において中央付近からは突部48が突設されている。そして、この突部48とばね座46の内周面とが係合するとともに、ばね座46の外周面と第1コイルばね47とが係合するようになっている。
各ダイアフラム45の外縁部には、流路形成部材35の位置決め突起39a,39bにそれぞれ対応する位置決め孔45a,45bが形成されている。また、各ダイアフラム45の外縁部において位置決め孔45aの近くには、それぞれ貫通孔45cが形成されている。そして、ダイアフラム45は、流路形成部材35の位置決め突起39a,39bに位置決め孔45a,45bが挿通されて位置決めがなされた場合に、ポンプ用凹部39を覆蓋する態様となる。
図3に示すように、流路形成部材35の第1面とは反対側の第2面となる後面35Bにおいて第1領域34Lと対応する位置には、溝状をなす流体流路形成凹部49と、平面視略円状をなす4つの第2の凹部の一例としての吐出側凹部50とが形成されている。また、流路形成部材35の後面35Bにおいて吐出側凹部50の下方には、溝状をなす4本の第1流路形成凹部51と、平面視略円状をなす4つの吸引側凹部52と、溝状をなす4本の第3流路形成凹部53とが、上側から下側に向けて並ぶように形成されている。なお、各4つの吐出側凹部50、第1流路形成凹部51及び吸引側凹部52は、それぞれ主走査方向Xに並ぶように配置されている。
また、流路形成部材35の後面35Bにおいて第2領域34Rと対応する位置には、第1領域34Lから続く溝状の第3流路形成凹部53と、平面視略円状をなす4つのバッファ用凹部54(54B,54C)とが形成されている。なお、カラーインクに対応する3つのバッファ用凹部54Cは主走査方向Xに並ぶように配置されているとともに、ブラックインクに対応する1つのバッファ用凹部54Bはバッファ用凹部54Cの上方に配置されている。そして、バッファ用凹部54Bの開口面積は、3つのバッファ用凹部54Cの開口面積よりも大きくなっている。
流路形成部材35の後面35Bにおいて左上部分からは、流路形成部材35の背面側から前面35A側に向けて空気などの流体を供給するための1本の供給部35aが後方に向けて突設されている。また、流路形成部材35の後面35Bにおいて左下部分には、延設部35bに向かって延びる4本の溝状をなす接続流路形成凹部35cが形成されている。
流路形成部材35の後面35B側には、流体流路形成凹部49、吐出側凹部50、第1流路形成凹部51、吸引側凹部52、第3流路形成凹部53及び接続流路形成凹部35cを覆うように第3フィルム部材55が溶着される。また、流路形成部材35の後面35B側には、バッファ用凹部54(54B,54C)を覆うように、それぞれ第4フィルム部材56(56B,56C)が溶着される。
そして、第1流路形成凹部51及び第3フィルム部材55によって第1流路27a(図1参照)が囲み形成されるとともに、第3流路形成凹部53及び第3フィルム部材55によって第3流路27c(図1参照)の下流側部分が囲み形成される。また、接続流路形成凹部35c及び第3フィルム部材55によって第4流路27d(図1参照)が囲み形成される。
流路形成部材35と第3フィルム部材55との間において各吐出側凹部50と対応する位置には、平面視略円状をなす吐出側弁体57と略円盤形状の第1固定部材58とが前側から後側に向けて並ぶようにそれぞれ設けられている。
また、流路形成部材35と第3フィルム部材55との間において各吸引側凹部52と対応する位置には、吸引側凹部52を覆蓋する吸引側弁体59と、第2コイルばね60と、略円盤形状の第2固定部材61とが、前側から後側に向けて並ぶようにそれぞれ設けられている。そして、各第2コイルばね60は前端が吸引側弁体59に当接する一方で後端が第2固定部材61に当接することで、対応する吸引側弁体59を吸引側凹部52の内底面側に向けて付勢するようになっている。
流路形成部材35の後面35B側において第2領域34Rと対応する位置には、間に第4フィルム部材56を挟むようにカバー部材62が組み付けられる。そして、第4フィルム部材56とカバー部材62との間には、バッファ用凹部54(54B,54C)とそれぞれ対応する位置に配置される受圧部材63(63B,63C)と第3コイルばね64(64B,64C)とが、前側から後側に向けて並ぶように設けられている。
各受圧部材63の前側は平面状に形成されて、それぞれ対応する第4フィルム部材56の後面側における中央付近に固定される。また、各受圧部材63(63B,63C)の中央付近からは後方に向けて係止部65(65B,65C)が突設されている。そして、この係止部65(65B,65C)に第3コイルばね64(64B,64C)が係止されるようになっている。また、各第3コイルばね64は前端が受圧部材63に当接する一方で後端がカバー部材62に当接することで、対応する第4フィルム部材56をバッファ用凹部54の内底面側に向けて付勢するようになっている。
図4に示すように、吐出側一方向弁32を構成する吐出側弁体57の中央付近は撓み変位可能な当接部57aになっているとともに、当接部57aの周囲には正面視略円弧状の2つの連通孔57bが形成されている。また、吐出側一方向弁32を構成する第1固定部材58の吐出側弁体57側となる前面側には、円柱状の第1突部58aと正面視略円弧状の2つの第2突部58bとが形成されている。そして、第1固定部材58の第2突部58bが吐出側弁体57の外縁部分に当接することで、吐出側弁体57が固定されるようになっている。
図5に示すように、流路形成部材35において各吸引側凹部52の内底面には、それぞれ接続部28と対応する位置に貫通孔66が形成されている。また、流路形成部材35において、各ポンプ用凹部39の下端付近と対応する位置にはそれぞれ貫通孔67が形成されているとともに、各ポンプ用凹部39の上端付近と対応する位置にはポンプ用凹部39と吐出側凹部50とを連通する連通路の一例としての貫通孔68がそれぞれ形成されている。そして、第1流路形成凹部51の上流端は吸引側凹部52の上端部分に接続されているとともに、第1流路形成凹部51の下流端は貫通孔67と連通している。なお、流路形成部材35において、ポンプ用凹部39と吐出側凹部50とは上下方向において部分的に重畳するように設けられるとともに、貫通孔68は、ポンプ用凹部39の内底面の周縁付近と吐出側凹部50の内底面の中央付近とを連通するように設けられている。
流路形成部材35において各吐出側凹部50の上端付近にはそれぞれ貫通孔69が形成されている。また、流路形成部材35において、各バッファ用凹部54の下端付近にはそれぞれ貫通孔70が形成されているとともに、各バッファ用凹部54の上端付近にはそれぞれ貫通孔71が形成されている。
さらに、流路形成部材35には各吐出側凹部50と並ぶ位置に、それぞれ流体流路形成凹部49の下流端と連通する貫通孔72が形成されているとともに、流路形成部材35の左上部分には流体流路形成凹部49の上流端と連通する1つの貫通孔73が形成されている。
図6に示すように、流路形成部材35の前面35Aにおいて、第2流路形成凹部38の上流端は貫通孔69と連通しているとともに、第2流路形成凹部38の下流端は貫通孔70と連通している。また、第3流路形成凹部41の上流端は貫通孔71と連通している。
流路形成部材35において各第3流路形成凹部41の下流端と対応する位置には、第3流路形成凹部41の下流端と第3流路形成凹部53の上流端とを連通させるための貫通孔76がそれぞれ形成されている。また、流路形成部材35において各導入凹部40aの上流端と連通する位置には、それぞれ貫通孔77が形成されている。そして、第3流路形成凹部53の上流端は貫通孔76と連通しているとともに、第3流路形成凹部53の下流端は貫通孔77と連通している。
流路形成部材35において各チョーク弁用凹部40の内底面の中央付近にはそれぞれ貫通孔78が形成されている。また、流路形成部材35において接続部21と対応する位置には、上下方向に並ぶ4つの貫通孔79が形成されている。そして、接続流路形成凹部35cの上流端は貫通孔78と連通しているとともに、接続流路形成凹部35cの下流端は貫通孔79と連通している。
なお、本実施形態において、貫通孔66〜71,76〜79は液体供給路27(図1参照)を構成する。また、貫通孔67は第1流路27a(図1参照)を構成するとともに、貫通孔69,70は第2流路27b(図1参照)を構成する。また、貫通孔71,76,77及び導入凹部40aは第3流路27c(図1参照)を構成するとともに、貫通孔78,79は第4流路27d(図1参照)を構成する。
また、ポンプ用凹部39の内底面には、前方から見て吐出側凹部50の輪郭形状と対応する溝部の一例としての凹溝80が貫通孔68を中心とした円弧状をなすように形成されている。この凹溝80は、その内側面がポンプ用凹部39の内底面から流路形成部材35の後面35Bと直交する方向(前後方向)に延びるように形成されると共に、該凹溝80の内底面80aは流路形成部材35の後面35Bと平行な平面部を構成している。すなわち、凹溝80は、その溝内面がポンプ用凹部39の内底面と非一様な面状態にて形成されている。また、この凹溝80は、流路形成部材35の後面35Bに形成された吐出側凹部50に対して、流路形成部材35の後面35Bと直交する方向(前後方向)から見て互いの形成領域が重畳するように配置されている。
また、各貫通孔72は、流路形成部材35の前面35Aにおいてはポンプ用凹部39の開口の外周部であって位置決め突起39aの近くに位置している。さらに、流体流路形成凹部37の上流端は供給部35aと連通しているとともに、流体流路形成凹部37の下流端は貫通孔73と連通している。
次に、ポンプ29の構成及び動作について説明する。
図7に示すように、ポンプ29は、ダイアフラム45、ばね座46及び第1コイルばね47を備えている。また、ポンプ29は、カートリッジホルダー14の後面に形成された流体室用凹部82とダイアフラム45とによって囲み形成される作動流体室84を備えている。また、ポンプ29は、流路形成部材35の前面35Aに形成されたポンプ用凹部39とポンプ用凹部39の開口部を覆蓋するように流路形成部材35に取り付けられたダイアフラム45とによって囲み形成されるポンプ室85を備えている。なお、ポンプ室85は液体供給路27の一部を構成する。
作動流体室84には、ダイアフラム45をポンプ室85側に向けて付勢する第1コイルばね47と、第1コイルばね47とダイアフラム45との間に配置されるばね座46とが収容されている。また、作動流体室84には、流体流路83を通じて減圧ポンプ等からなる圧力調整装置(図示略)及び大気開放機構(図示略)が接続されている。圧力調整装置は作動流体室84内に負圧を発生させ得るように構成されているとともに、大気開放機構は作動流体室84内を大気に開放して負圧状態を解消するように構成されている。
そして、圧力調整装置の駆動に伴って作動流体室84内に負圧が発生すると、ダイアフラム45が第1コイルばね47の付勢力に抗してポンプ室85の容積を拡大する方向(本実施形態では前方)に変位することで、ポンプ29が吸引動作を行う。また、吸引動作の後に大気開放機構が駆動して作動流体室84内を大気に開放すると、図8に示すようにダイアフラム45が第1コイルばね47の付勢力によってポンプ室85の容積を縮小する方向(本実施形態では後方)に変位することで、ポンプ29が吐出動作を行う。
次に、吸引側一方向弁31の構成及び動作について説明する。
吸引側一方向弁31は、吸引側弁体59、第2コイルばね60及び第2固定部材61を備えている。また、吸引側一方向弁31は、流路形成部材35の後面35Bに形成された吸引側凹部52と第3フィルム部材55とによって囲み形成される吸引側弁室86を備えている。なお、吸引側弁室86は液体供給路27の一部を構成する。吸引側弁室86は、液体供給路27を閉塞可能な吸引側弁体59によって上流側部分(本実施形態では前側)と中央部分とに区画されているとともに、第2固定部材61によって中央部分と下流側部分(本実施形態では後側)とに区画されている。
吸引側弁室86の区画された上流側部分と中央部分とは吸引側弁体59に形成された貫通孔59aを通じて連通可能となっているとともに、吸引側弁室86の区画された中央部分と下流側部分とは第2固定部材61に形成された連通孔61a,61b,61eを通じて連通可能となっている。なお、第2コイルばね60は前後方向において吸引側弁体59と第2固定部材61との間に配置されて、環状突部59bが吸引側凹部52の内底面に当接して吸引側弁室86の上流側部分と中央部分とが連通不能となるように、すなわち液体供給路27を閉塞する方向に吸引側弁体59を付勢している。
そして、ポンプ29が吸引動作を行うと、第1流路27aを通じて吸引側弁室86内のインクがポンプ室85内に吸引されて吸引側弁室86内に負圧が生じる。すると、図7に示すように吸引側弁体59の環状突部59bが第2コイルばね60の付勢力に抗して吸引側凹部52の内底面から離間し、吸引側弁室86の上流側部分と中央部分とが連通する。すなわち、吸引側一方向弁31が開弁して液体供給路27を開放する。これにより、接続部28を通じてインクカートリッジ15内のインクがポンプ室85側に向けて供給される。
一方、ポンプ29が吐出動作を行うと、第1流路27aを通じてポンプ室85内のインクが吸引側弁室86内に流入する。これにより、吸引側弁室86内の負圧が解消されて、図8に示すように吸引側弁体59の環状突部59bが第2コイルばね60の付勢力によって吸引側凹部52の内底面に当接する。すなわち、吸引側一方向弁31が閉弁して液体供給路27を閉塞する。
次に、吐出側一方向弁32の構成及び動作について説明する。
吐出側一方向弁32は、吐出側弁体57及び第1固定部材58を備えている。また、吐出側一方向弁32は、流路形成部材35の後面35Bに形成された吐出側凹部50と吐出側凹部50の開口部を覆蓋するように流路形成部材35に取り付けられた第3フィルム部材55とによって囲み形成される吐出側弁室87を備えている。なお、吐出側弁室87は液体供給路27の一部を構成する。
吐出側弁室87とポンプ室85とは貫通孔68を通じて連通可能となっているが、貫通孔68の吐出側弁室87に対する開口は、常時は吐出側弁体57の当接部57aによって閉塞されている。また、吐出側弁体57の当接部57aは、ポンプ29側となる上流側とバッファ30側となる下流側との圧力差に応じて変位することで液体供給路27を構成する貫通孔68を閉塞及び開放する。
具体的には、ポンプ29が吐出動作を行うと、貫通孔68を通じてポンプ室85内のインクが加圧状態で吐出されるので、このインクの加圧力によって当接部57aが第1固定部材58側に変位する。すなわち、吐出側一方向弁32が開弁して液体供給路27を開放する。すると、連通孔57bを通じて吐出側弁室87内にインクが流入するとともに、流入したインクが第2流路27bを通じて下流側に位置するバッファ30に供給される。
一方、ポンプ29が吸引動作を行うと、貫通孔68を通じて吐出側弁室87内のインクがポンプ室85側に吸引されるので、図7に示すように当接部57aが貫通孔68側に変位して貫通孔68を閉塞する。すなわち、吐出側一方向弁32が閉弁して液体供給路27を閉塞する。
次に、上記のように構成されたプリンター11の作用について、特に、流路形成部材35の吐出側凹部50に対して吐出側一方向弁32を組み付ける際の作用に着目して以下説明する。
さて、図9(a)に示すように、本実施形態のプリンター11においては、流路形成部材35の前面35Aに形成されたポンプ用凹部39と、流路形成部材35の後面35Bに形成された吐出側凹部50とが前方から見て重畳するように配置されている。
こうした流路形成部材35の吐出側凹部50に対して吐出側一方向弁32を組み付ける際には、まず、図9(b)に示すように、バルブ収容ステップとして、第1固定部材58の第2突部58bに固定された吐出側弁体57の前面を吐出側凹部50の内底面に対して当接させるようにして、吐出側弁体57及び第1固定部材58が吐出側凹部50内に収容される。この場合、第1固定部材58の後面は、流路形成部材35の後面35Bに対して面一となるように配置される。
そして次に、図9(c)に示すように、当接ステップとして、ポンプ用凹部39の内底面に形成された凹溝80内に支持部材88を前方から挿入し、凹溝80の内底面80aに対して支持部材88の先端面(図9(c)に示す右端面)88aを当接させる。この支持部材88は、凹溝80の深さ方向でもある前後方向と直交する断面の形状及びその先端面88aの形状が凹溝80の円弧状をなす内底面80aの形状と略同一形状をなすように構成されている。
なお、支持部材88における凹溝80の内底面80aに対する当接面となる先端面88aは、該凹溝80の内底面80aと平行な平面状をなすように構成されている。すなわち、支持部材88の先端面88aは、流路形成部材35の後面35Bと平行な平面状をなすように構成されている。そのため、支持部材88の先端面88aが流路形成部材35の凹溝80の内底面80aに当接した状態において、流路形成部材35に対して後面35Bと直交する前後方向(例えば前方)に力が加わったとしても、流路形成部材35の姿勢が傾く方向に変位することはほとんどない。すなわち、支持部材88は、流路形成部材35が前後方向と交差する方向に位置ずれを生じることを抑制しつつ、流路形成部材35を前方から支持する。
続いて、図10(a)に示すように、溶着ステップとして、吐出側凹部50内に収容された吐出側一方向弁32の後面(第1固定部材58の後面)及び流路形成部材35の後面35Bに対して、吐出側凹部50の開口を覆うようにして可撓性の第3フィルム部材55が熱溶着される。このように吐出側一方向弁32に対して第3フィルム部材55を熱溶着する際には、第3フィルム部材55に対して熱を加えるためのヒーター90から吐出側一方向弁32に対して後方から押圧力が作用する。そのため、吐出側一方向弁32が密着している吐出側凹部50の内底面に対しても後方から押圧力が作用する。
この場合、流路形成部材35において吐出側凹部50の裏面側に位置する凹溝80の内底面80aが支持部材88によって前方から支持されているため、吐出側凹部50の内底面が後方からのヒーター90の押圧力に従って変形することが抑制される。そのため、この吐出側凹部50の内底面に収容されている吐出側一方向弁32の後面が前後方向と交差する方向に変位することが抑制される。したがって、吐出側凹部50内に収容された吐出側一方向弁32の後面及び流路形成部材35の後面35Bに対して第3フィルム部材55が正確に熱溶着される。そして、吐出側一方向弁32は、熱溶着された第3フィルム部材55によって吐出側凹部50内において位置決めがなされるように固定される。
その後、吐出側一方向弁32に対する第3フィルム部材55の熱溶着が完了すると、凹溝80内から支持部材88を取り外す。そして、流路形成部材35の前面35Aに対して第1フィルム部材42及び第2フィルム部材43を熱溶着させる。さらに、ポンプ室形成ステップとして、図10(b)に示すように、ポンプ室の内面の一部を構成するダイアフラム45を、ポンプ用凹部39の開口を覆うようにして流路形成部材35に対して取り付ける。その結果、流路形成部材35には、前後両面のフィルム部材42,43,55,56によって封止された液体供給路27が形成される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)流路形成部材35においてポンプ用凹部39の内面には流路形成部材35の後面35Bと直交する方向に対して交差すると共にポンプ用凹部39の内底面とは非一様な面状態となる凹溝80の内底面80aが設けられており、この凹溝80の内底面80aに対して支持部材88を当接させることになる。そして、流路形成部材35の後面35Bに対して該後面35Bと直交する方向にヒーター90から押圧力が作用したとしても、このような押圧力が作用した流路形成部材35は支持部材88によって凹溝80の内底面80aを介して安定に支持される。そのため、流路形成部材35の無用な撓みが抑制され、吐出側凹部50に収容された吐出側一方向弁32に対して第3フィルム部材55を好適に溶着させることができる。その結果、ポンプ用凹部39と吐出側凹部50を流路形成部材35の後面35Bと直交する方向から見て重畳して配置することにより、ポンプ用凹部39が構成するポンプ室と吐出側凹部50に収容される吐出側一方向弁32とを近接して配置することが可能となる。したがって、ポンプ室から吐出側一方向弁32を通じて吐出側凹部50に至るまでの間にインクに対して作用する圧力損失が低減されるため、ポンプ29からのインクの吐出圧が減衰することを抑制しつつ下流側に向けて液体を供給することができる。
(2)流路形成部材35の後面35Bに対して該後面35Bと直交する方向に押圧力が作用したとしても、このような押圧力が作用した流路形成部材35は、後面と直交する方向に変位することなく支持部材88によって凹溝80の内底面80aを介して安定に支持される。そのため、吐出側凹部50に収容された吐出側一方向弁32に対して第3フィルム部材55を好適に溶着させることができる。
(3)ダイアフラム45をポンプ用凹部39の内底面に対して隙間なく密着させてポンプ室内にインクが残留することを抑制するために、ポンプ室の内面の一部を構成するポンプ用凹部39の内底面を凹湾曲面状に形成した場合であっても、このポンプ用凹部39の内底面に形成された凹溝80における平面状の内底面80aに対して支持部材88を押し当てることにより、流路形成部材35が安定に支持される。そのため、吐出側凹部50に収容された吐出側一方向弁32に対して第3フィルム部材55を好適に溶着させることができる。
(4)ポンプ用凹部39の内底面に形成された凹溝80に対して支持部材88を当該凹溝80の前後方向に沿う内側面をガイドとして容易に挿入して流路形成部材35を支持することができるため、吐出側凹部50に収容された吐出側一方向弁32に対して第3フィルム部材55をより簡便に溶着させることができる。
なお、上記実施形態は、以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・上記実施形態において、支持部材88が挿入される凹溝80は、ポンプ用凹部39の内底面に対して第3フィルム部材55の溶着方向(流路形成部材35の後面35Bと直交する方向)と交差する方向に傾斜して延びるように形成してもよい。
・上記実施形態において、ポンプ用凹部の内底面の形状は凹湾曲面状に限定されるものではなく、ダイアフラム45の変位に伴って容積を増減させるポンプ室を構成可能な形状であれば、任意の形状を採用することができる。
・上記実施形態において、支持部材88が当接する凹溝80の内底面80aは、流路形成部材35の後面35Bと交差する平面状をなすように構成してもよい。
・上記実施形態において、支持部材88が挿入される凹溝80は、吐出側一方向弁32が収容される吐出側凹部50に対して第3フィルム部材55の溶着方向(流路形成部材35の後面35Bと直交する方向)から見て重畳しない構成としてもよい。
・上記実施形態において、支持部材88が挿入される凹溝80は、ポンプ用凹部39と吐出側凹部50とを連通する貫通孔68を包囲するように形成する必要は必ずしもなく、ポンプ用凹部39の内底面における任意の位置に任意の形状をなすように形成してもよい。
・上記実施形態において、ポンプ用凹部39の内底面に対して平面状の段差面を設けると共に、この段差面に対して支持部材を当接させることにより流路形成部材35を前方から支持するようにしてもよい。
・上記実施形態において、吐出側凹部50内に収容されるバルブとして、制御部からの制御指令に基づいて開閉する電磁弁を採用してもよい。
・なお、本明細書における「液体」には、インク以外の他の液体(無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)等を含む)、機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体、ゲルのような流状体も含むものとする。そして、こうした「液体」を噴射したり吐出したりする液体噴射装置としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射する液状体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置、ゲル(例えば物理ゲル)などの流状体を噴射する流状体噴射装置であってもよい。
11…液体噴射装置の一例としてのインクジェット式プリンター、19…液体噴射ヘッド、20…液体供給装置、27…液体供給路(液体供給流路)、35…流路形成部材、35A…前面(第1面)、35B…後面(第2面)、39…第1の凹部の一例としてのポンプ用凹部、45…変位部材の一例としてのダイアフラム、50…第2の凹部の一例としての吐出側凹部、55…第3フィルム部材(フィルム)、68…連通路の一例としての貫通孔、80a…平面部の一例としての内底面、85…ポンプ室、88…支持部材。

Claims (6)

  1. 液体供給源側となる上流側から液体が消費される下流側に向けて液体を供給する液体供給流路が形成される流路形成部材と、
    前記流路形成部材の第1面に形成された第1の凹部の開口を覆うように設けられ、該第1の凹部の内側の空間域を前記液体供給流路の一部を構成するポンプ室として機能させるために該ポンプ室の容積を増減させるように変位する変位部材と、
    前記流路形成部材において前記第1面の裏面側となる第2面に形成された第2の凹部に収容され、前記第2の凹部の内側の空間域を前記液体供給流路の一部を構成する弁室として機能させるために前記第1の凹部と前記第2の凹部との連通路を開閉可能に設けられたバルブと、
    前記第2の凹部に前記バルブを収容した状態で、前記第2の凹部の開口を覆うように前記バルブ及び前記流路形成部材の前記第2面に対して溶着されるフィルムと
    を備え、
    前記第1の凹部の内底面は凹湾曲面状に形成されており、
    前記第1の凹部及び前記第2の凹部は、前記流路形成部材の前記第2面と直交する方向から見て重畳して配置されると共に、
    前記第1の凹部の内面には前記第2面と直交する方向に対して交差する平面部が前記第1の凹部の内面と非一様な面状態で設けられていることを特徴とする液体供給装置。
  2. 請求項1に記載の液体供給装置において、
    前記平面部は、前記流路形成部材の前記第2面と平行であることを特徴とする液体供給装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の液体供給装置において、
    前記内底面には溝部が形成されており、
    前記平面部は、前記溝部の内底面であることを特徴とする液体供給装置。
  4. 請求項3に記載の液体供給装置において、
    前記溝部の内側面は、前記第1の凹部の内底面から前記流路形成部材の前記第2面と直交する方向に延びるように形成されていることを特徴とする液体供給装置。
  5. 請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の液体供給装置と、
    ターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと
    を備えたことを特徴とする液体噴射装置。
  6. 液体供給源側となる上流側から液体が消費される下流側に向けて液体を供給する液体供給流路が形成された流路形成部材において、前記液体供給流路の一部となるポンプ室を構成する第1の凹部が形成された第1面の裏面側となる第2面に対して該第2面と直交する方向から見て前記第1の凹部と重畳するように形成された第2の凹部に対し、前記液体供給流路を開閉可能とするバルブを収容するバルブ収容ステップと、
    前記第2の凹部に前記バルブを収容した状態で、前記第1の凹部の内面に設けられた前記流路形成部材の前記第2面と直交する方向に対して交差すると共に凹湾曲面状に形成された前記第1の凹部の内面とは非一様な面状態の平面部に対して支持部材を当接させる当接ステップと、
    前記平面部に前記支持部材を当接させた状態で、前記バルブを収容した前記第2の凹部の開口を覆うように前記バルブ及び前記流路形成部材の前記第2面に対してフィルムを溶着させる溶着ステップと、
    前記第2の凹部の開口を覆うように前記フィルムを溶着させた状態で、前記ポンプ室の容積を増減させるように変位する変位部材を前記第1の凹部の開口を覆うようにして設けることにより前記ポンプ室を形成するポンプ室形成ステップと
    を備えたことを特徴とする液体供給装置の製造方法。
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