JP5690191B2 - 車両用シートの跳ね上げ機構 - Google Patents
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Description
また、リンクの下端部間の距離が小さく形成されているため、跳ね上げ機構において、車体フロアに取り付けられる部分がシートクッションを支持する部分と比較して小さくなる。その結果、車両用シートの跳ね上げ機構において、車体フロアに固定される部分が大型化することなく、好適である。
このように、リンクにおいて折曲部を備えているため、リンクの剛性が向上し、リンクの回動動作を安定させることができる。
さらに、リンクの一部を折曲するという簡単な構成により、リンクの上端部間の距離を大きくすることが可能であるため、製造時の工程が複雑化することがない。
このように、離間して配設されるリンク間の距離をヘッドレストの幅よりも大きくし、さらに、リンクの下端部から第1の折曲部までの距離をヘッドレストの厚みより大きくすることにより、車両用シートを収納状態とするとき(すなわち、シートクッションを跳ね上げ状態とするとき)、ヘッドレストをリンクの間に収納することができる。そして、ヘッドレストの高さ方向をシートクッションの底面の延在方向に沿って収納することができるため、車両用シートをコンパクトに収納することが可能となる。
このように、リンクにおいて、第1の折曲部だけでなく、さらに第2の折曲部を設けることにより、リンクの剛性がさらに向上する。そして、第1の折曲部と第2の折曲部とを連続して形成することにより、さらにリンクの剛性を向上させることができる。その結果、リンクの回動動作が安定し、シートクッションを確実に着座姿勢または収納姿勢とすることができる。
このように、本発明の車両用シートの跳ね上げ機構では、リンクにおいて最も荷重がかかりやすい回動軸の近傍に、補強用カラーが一体に形成されていると好ましい。上記構成とすることにより、リンクの剛性を向上させることができる。さらに、補強用カラーが形成された部分にベースブラケットを取り付けることにより、リンクが固定部材(車体フロア)に固定されるため、リンクを固定部材に対して強固に取り付けることができる。したがって、固定部材(車体フロア)に対してリンクがぶれることなく固定されるため、リンクの回動動作を安定して行うことができる。
このように、リンクを付勢する渦巻きバネとベースブラケットとが高さ方向で重なることがないため、渦巻きバネ及びリンク周辺の構成が大型化することがない。
このように、固定部材において、渦巻きバネが重なる部分に開口部が備えられることにより、渦巻きバネを開口部内に配設することができる。したがって、固定部材と渦巻きバネとが重なることにより渦巻きバネの取り付け位置が高くなることがなく、渦巻きバネが車体フロアに対して近い位置で取着される。その結果、渦巻きバネの取着された部分の高さ方向における大型化を抑制することができる。
このように、リンクに沿って配設されるガイド部材を備えることにより、リンクをより安定して回動させることができる。そして、このガイド部材をベースブラケットの内側に取着することにより、シート幅方向外側からの外力に対してガイド部材を保護することができる。また、ガイド部材がベースブラケットの内側に配設されることにより、車両用シートの跳ね上げ機構が大型化することなく、好適である。
このように、ガイド部材とリンクの回動軸とを高さ方向において重ねて配設するのではなく、ガイド部材とリンクの回動軸とを略同一水平面上に配設することにより、ガイド部材及びリンクの回動軸周辺の構成が、高さ方向において大型化するのを防止することができる。
請求項2の発明によれば、折曲部を備えることにより、リンクの剛性が向上するため、リンクが安定して回動可能である。また、リンクの一部を折曲して形成するだけで剛性を向上させることができるため、製造工程が煩雑になることがない。
請求項3の発明によれば、ヘッドレストをリンク間の収納スペースに収納することができるため、収納状態における車両用シートをコンパクト化することができる。
請求項4の発明によれば、第2の折曲部を第1の折曲部に連続して形成することにより、リンクの剛性がさらに向上する。したがって、リンクの回動動作をさらに安定して行うことが可能となる。
請求項5の発明によれば、リンクにおいて補強用カラーを一体に形成することにより、リンクにおいて最も荷重がかかりやすい回動軸の部分を補強することができる。そして、補強用カラーが備えられた部分を固定部材に対して固定することにより、固定部材(車体フロア)に対してリンクが強固に固定されるため、リンクを安定して回動させることができる。
請求項6の発明によれば、リンクを付勢する渦巻きバネ及びリンク周辺の構成が大型化することがなく、車両用シートの跳ね上げ機構をコンパクト化することができる。
請求項7の発明によれば、渦巻きバネ周辺の構成の大型化を抑制し、車両用シートの跳ね上げ機構をコンパクト化することができる。
請求項8の発明によれば、ガイド部材を備えることにより、リンクを安定して回動させることができる。また、ベースブラケットの内側にガイド部材を取着するため、ガイド部材をシート幅方向外側の外力から保護するとともに、シート幅方向の大型化を抑制することができる。
請求項9の発明によれば、ガイド部材及びリンクの回動軸周辺の構成が、高さ方向において大型化するのを抑制することができる。
車両用シートS1のシートアレンジを実現するための構成を説明するにあたり、車両用シートS1の基本構成について説明する。車両用シートS1は、前述したように、シートクッション10と、シートバック20と、ヘッドレスト30とを備えている。
つまり、シートクッション10は、シートクッション跳ね上げ機構60を介して車体フロア2上の着座位置に固定され、シートクッション跳ね上げ機構60が作動すると、着座位置から跳ね上げ位置に向かって跳ね上がるように構成されている。換言すると、シートクッション10は、着座位置と跳ね上げ位置との間を往復移動することが可能である。
シートクッション跳ね上げ機構60は、乗員が車両用シートS1を収納するために行う収納操作が受け付けられると、車両用シートS1を収納するための開始動作としてシートクッション10を跳ね上げ位置に向けて跳ね上げるものである。このシートクッション跳ね上げ機構60は、不図示の樹脂カバーで覆われており、シートクッション10が着座位置に位置する際にはシートクッション10の下方位置に位置するように車体フロア2上に設置されている。
このように、サブマリンブラケット115は一対の立設部115aを備えているため、取着される第2板部113を補強し、乗員からの荷重に対する剛性を向上させることができる。さらに、一対の立設部115aは連結部115bによって連結されているため、立設部115a、連結部115b、第2板部113とで閉断面構造を構成する。したがって、立設部115aのみを備えた構成と比較して、さらに第2板部113の剛性を向上させることができる。
可動ユニット120は、略門型の構造を有し、取付板111の第2板部113にボルト止めされる。可動ユニット120は、一対のリンク121と、一対のガイド部材としてのパイプロッド122と、シートクッション10を取り付けるための取付ブラケット124と、取付ブラケット124に架設され、リンク121間を連結する連結バー123と、リンク121及びパイプロッド122を回動自在に支持する一対の支持機構125とを有する。これらの構成要素はユニットとして一体化するように組み合わされており、取付板111の第2板部113に取り付ける際にはユニットとして一体的に取り付けることになる。
また、第1の折曲部121cと、第2の折曲部121dとが交差するように連続して形成されているため、リンク121の剛性をさらに向上させることができる。
上記構成により、車両用シートS11を収納状態とするとき、ヘッドレスト30をリンク121の間に収納することが可能となるため、車両用シートS11をコンパクトに収納することが可能となる。
一対の支持機構125の各々は、リンク121及びパイプロッド122を回動可能に支持するものであり、その下方には、第2板部113が備えられている。支持機構125は、図4、図10、図11に示すように、前述の回動軸126A,126Bの他、ベースブラケット127と、渦巻きバネ128と、ダンパーゴム129とを有する。
さらに、開口部113a内に渦巻きバネ128を配置してもよい。渦巻きバネ128を開口部113a内に配設すると、渦巻きバネ128が取り付けられる部分が高さ方向においてさらにコンパクト化されるため、好適である。
着座姿勢と、前方に傾倒させた状態で収納する収納姿勢と、に切り替え可能な車両用シートS1において、シートクッション10の取付構造に関し、図13及び図14を参照して、以下、説明する。
そして、取付穴114は、図13に示すように、その長手方向の中間部114bが、前端部114aや後端部114cに比して幾分幅広となっている。さらに詳細には、前端部114aの幅(図13中のaで示される幅)が最も小さく、次に後端部114cの幅(図13中のcで示される幅)、さらに中間部114bの幅(図13中のbで示される幅)の順に次第に大きくなるように取付穴114が形成されている。
このように、取付穴114の近傍にフランジ112gを設けることにより、取付穴114の近傍の剛性が低下することなく、好適である。
さらに、幅広に形成した部分(主として水平部112f)に取着孔112hを備えることにより、車両用シートS11において備えられる他の部材(例えば、ケーブルC)の組み付けを行うことができる。したがって、第1板部112の後端部に取付穴114を設け、その部分を幅広に形成することにより、取付穴114に起因する剛性の低下を防止するだけでなく、その他の部材の配設を好適に行うことができる。
10 シートクッション、10a 張出部
11 クッションフレーム
20 シートバック、20a 台座部、20b 回動軸
21 シートバックフレーム
22 パンフレーム
23 パイプフレーム
25 ピラー倒れ規制部
30 ヘッドレスト
31 内部フレーム、31a 脚部、31b 下端フランジ部
32 ガイド、32a 下端フランジ
33 ピラー
40 アームレスト
50 ヘッドレスト回動機構
51 ケーシング
52 ロック部材
54 スライド部材,54a 長手方向一端部
60 シートクッション跳ね上げ機構
70 シートバック倒伏機構
77 操作部
80 アレンジユニット
90 シートバック支持ユニット
100 ストライカロック機構
101 ロック部
102 ロック片
103 ハウジング
104 連結片
105 ストライカ、105a フック部、105b 取着部
110 取付ユニット
111 取付板
112 第1板部(取付部材)、112a 立ち壁部、112b スリット、112c 経路規定部、112d 取付面部、112e 斜面部、112f 水平部、112g フランジ、112h 取着孔
113 第2板部(固定部材)、113a 開口部
114 取付穴(係止部)、114a 前端部、114b 中間部、114c 後端部、
115 サブマリンブラケット、115a 立設部、115b 連結部
120 可動ユニット
121 リンク、121a 当接部位、121b 差込孔、121c 第1の折曲部、121d 第2の折曲部、121e 補強用カラー
122 パイプロッド(ガイド部材)
123 連結バー(連結部材)
124 取付ブラケット、124a 取付面部、124b 側面フランジ部、124c 凹部、124d 折曲部
125 支持機構
126A,126B 回動軸
127 ベースブラケット、127a 立ち壁部、127b 固定部
128 渦巻きバネ
129 ダンパーゴム
Bo ボルト(係止部材)、Ws ワッシャ(係止部材)、C ケーブル
S1,S11,S12 車両用シート
ST1,ST2 収納操作用帯状部材
Claims (9)
- 通常の着座姿勢と、前方に傾倒させた状態で収納する収納姿勢と、にシートクッションを切り替え可能に形成された車両用シートの跳ね上げ機構であって、
シート幅方向に離間して配設された長尺体からなる一対のリンクと、
該一対のリンクの上端部に取着されて前記シートクッションを支持する一対の取付ブラケットと、
該一対の取付ブラケットに架設される連結部材と、
前記一対のリンクを回動自在に支持する一対の支持機構と、
該支持機構の下方に配設されると共に車体フロアに固定される固定部材と、を備え、
前記一対のリンクは、前記上端部間の距離が下端部側間の距離と比較して大きく形成されてなることを特徴とする車両用シートの跳ね上げ機構。 - 前記リンクの長手方向の中間部には、前記一対のリンクの上端部間の距離を拡大する第1の折曲部が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の車両用シートの跳ね上げ機構。
- 前記車両用シートは、ヘッドレストをさらに備え、
前記一対のリンクは、前記上端部間の距離が前記ヘッドレストの幅よりも大きく形成され、前記下端部から前記第1の折曲部までの距離が前記ヘッドレストの厚みよりも大きく形成されてなることを特徴とする請求項2に記載の車両用シートの跳ね上げ機構。 - 前記リンクは、前記第1の折曲部と連続して形成された第2の折曲部をさらに備えてなることを特徴とする請求項2または3に記載の車両用シートの跳ね上げ機構。
- 前記リンクは、前記下端部のシート幅方向外側に補強用カラーが一体で形成され、該補強用カラーのシート幅方向外側には、前記固定部材に固定されるベースブラケットが取着されてなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の車両用シートの跳ね上げ機構。
- 前記一対のリンクのうち少なくとも一方は、前記リンクを前方へ付勢する渦巻きバネが取着され、
該渦巻きバネと前記ベースブラケットの一部とは、前後方向に重なる位置に取着されてなることを特徴とする請求項5に記載の車両用シートの跳ね上げ機構。 - 前記固定部材は、前記渦巻きバネが配設される位置に開口部を備えてなることを特徴とする請求項6に記載の車両用シートの跳ね上げ機構。
- 前記一対の取付ブラケットの少なくとも一方に取着され、前記リンクと略平行に配設される長尺体からなるガイド部材をさらに備え、
前記ベースブラケットは、前記固定部材に固定される固定部と、該固定部から折曲して形成される立ち壁部と、を有し、
前記ガイド部材は、前記立ち壁部のシート幅方向内側に配設されてなることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の車両用シートの跳ね上げ機構。 - 前記ガイド部材の回動軸と、前記リンクの回動軸とは、互いに略同一水平面上に配設されてなることを特徴とする請求項8に記載の車両用シートの跳ね上げ機構。
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